JP2018027650A - オフセット印刷用ブランケット - Google Patents

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晃広 小池
Akihiro Koike
晃広 小池
直 義原
Sunao Yoshihara
直 義原
良 水口
Makoto Mizuguchi
良 水口
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Abstract


【課題】凸版反転印刷法、グラビアオフセット印刷法などの印刷法に適応できる、かつ、印刷時に底当たりが発生しない良好な印刷品質が可能となるオフセット印刷用ブランケットを提供することにある。
【解決手段】 基材、離型層、クッション層などからなるブランケットの構成を最適化によりすることで、底当たりがなく良好な印刷品質が可能となり、高精細な機能性印刷物を凸版反転印刷法、グラビアオフセット印刷法等のオフセット印刷法にて得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オフセット印刷時における印刷版パターンの再現性が高いオフセット印刷用ブランケットおよびその製造方法に関するものである。用途として、例えば、液晶ディスプレイ(以下LCDという。)用のカラーフィルター(以下CFという。)パターン、プラズマディスプレイパネル(以下PDPという。)用の電極パターンなどの細線パターンを印刷する際に用いられる。
これまで電子部品などに要求される機能性微細パターンの形成には、高精細なパターニングが可能なフォトリソグラフィ法が一般的に用いられてきた。しかし、フォトリソグラフィ法では、機能性膜蒸着、レジスト塗布、マスクを介した露光、不要レジスト除去、エッチング、残存レジスト除去の工程を経るため、設備が大がかりであり莫大な設備投資が必要であること、生産工程が煩雑であり生産性が十分と言えないこと、全面に機能膜を形成した後で不要部分を除去するという手順であるため材料コストが嵩む、環境負荷が大きいことなど、多くの問題がある。
近年、フォトリソグラフィ法の設備コスト、材料コスト、および、生産性の問題を解決するべく、印刷法による機能性微細パターン形成が試みられ、印刷法として凸版反転印刷法、マイクロコンタクト印刷法、グラビアオフセット印刷法、スクリーンオフセット印刷などの印刷法が有望視されている(例えば、特許文献1、2及び3参照)。
しかし、凸版反転印刷法、グラビアオフセット印刷法などの印刷法では、印刷時に変形するポリジメチルシロキサン(PDMS)ブランケットを介して微細パターンを印刷対象基材へ転移させるため、版接触による印刷パターン形成時に、圧力が大きくなると、ブランケットと被画線部である版の凹部底にブランケットが接触し(底当たり)、印刷品質が低下するというこの問題に対する具体的な解決策は見出されておらず、実用化に向けた大きな課題となっている。
WO2008/111484号公報 特開2004−178915号公報 特開2007−90698号公報
上記実情を鑑み、本発明が解決しようとする課題は、凸版反転印刷法、グラビアオフセット印刷法などの印刷法に適応できる、かつ、印刷時に底当たりが発生しないオフセット印刷用ブランケットを提供することにある。
本発明者らは、前記実状に鑑みて鋭意検討した結果、基材、離型層、クッション層などからなるブランケットの構成を最適化によりすることで、底当たりが発生しないオフセット印刷用ブランケットが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1)基材と、基材上の離型層と、基材の反対側にクッション層を備える印刷用ブランケットにおいて、半径6.35mmの球状圧子を、押し込み速度0.025〜0.100mm/sで、印刷用ブランケットの離型層側から深さ方向に0.100mm押し込んだ時の、最大負荷力が400g以下であることを特徴とする印刷用ブランケット、
(2)さらに、前記離型層の厚みが1〜3000μmである印刷用ブランケット、
(3)さらに、前記クッション層の厚みが1〜3000μmである印刷用ブランケット、
(4)さらに、凸版反転印刷、グラビアオフセット印刷用である印刷用ブランケット、を提供するものである。従来は確認できていなかった特性値に関して知見を見出すことに成功した。本評価方法を用いれば、反転オフセット印刷時に発生する「底当たり」欠陥現象を印刷することなく見極めることができる。
本発明によれば、本発明の印刷用ブランケットを使用することで、底当たりがなく良好な印刷品質が可能となり、高精細な機能性印刷物を凸版反転印刷法、グラビアオフセット印刷法等のオフセット印刷法にて得ることができる。
本発明のオフセット印刷用ブランケットの一実施形態を示す概略断面図である。 凸版反転印刷法の基本プロセスを示す図である。 本発明のオフセット印刷用ブランケットのテクスチャーアナライザーによる測定例である。
以下、本発明のオフセット印刷用ブランケットについて詳細に記載する。
本発明のオフセット印刷用ブランケットは、凸版反転印刷法、グラビアオフセット印刷法、スクリーンオフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法等を含めたブランケットを使用する全ての方式の印刷に利用可能であり、導電性インクを用いて形成された導電性パターンは、電気回路や集積回路等に使用される回路形成用基板、有機太陽電池や電子書籍端末、有機EL、有機トランジスタ、フレキシブルプリント基板、RFID、電磁波シールド等を構成する配線、フレキシブルプリント基板(FPC)、テープ自動ボンディング(TAB)、チップオンフィルム(COF)、及びプリント配線板(PWB)等の用途に使用することが可能である。
本発明のオフセット印刷用ブランケット(図1)は、基材(図1−2)の一方の面に離型層(図1−1)と、基材の他方の面にクッション層(図1−3)を備えている。
オフセット印刷用ブランケットを構成する基材(図1−2)は、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム等の樹脂フィルム、ステンレス箔、アルミ箔等の金属箔等の比較的柔軟で折り曲げ等が可能なものを適宜使用することができる。これら基材の中でも、コスト、入手の容易さ、均一な張り合わせの容易さなどの理由から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが好ましい。また、パターニング性、印刷位置精度などに問題がない場合はなくてもよい。
前記基材としては、円筒胴へのブランケット装着を想定し、比較的柔軟で折り曲げ等が可能なことが望ましいという観点から、1μm〜500μm程度の厚さのものを使用することが好ましい。さらに好ましくは、1μm〜300μm程度の厚さのものである。
本発明のオフセット印刷用ブランケットを構成するクッション層は、特にその素材に限定されるものではなく、例えばポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂、前記各種樹脂を発泡させたスポンジ等を適宜使用することができる。これらクッション層のなかでも、印刷位置精度低下防止を想定し、面内方向の変形が小さいほうが望ましいという観点から、前記各種樹脂を発泡させたスポンジが好ましい。また、パターニング性、印刷位置精度などに問題がない場合はなくてもよい。
前記クッション層としては、印刷時の変形による印刷位置精度低下防止の観点から、1μm〜3000μm程度の厚さのものを使用することが好ましい。さらに好ましくは、1μm〜1500μm程度の厚さのものである。
本発明のオフセット印刷用ブランケットでは、基材の一方の面に離型層を備えており、オフセット印刷用ブランケットを離型層は、離形性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、PDMSなどのシリコーン樹脂、主鎖、もしくは/および側鎖にシロキサンを有するポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂を適宜使用することができる。中でも耐久性、耐溶剤性などの観点から、PDMS、主鎖もしくは/および側鎖にシロキサン、フッ素を有するポリウレタン樹脂、もしくはアクリル樹脂が好ましい。また、離形性の観点から、PDMS、側鎖にシロキサンを有するポリウレタン樹脂、もしくはアクリル樹脂がさらに好ましい。
前記離型層としては、印刷時の変形による印刷位置精度低下防止の観点から、1μm〜3000μm程度の厚さのものを使用することが好ましい。さらに好ましくは、1μm〜1500μm程度の厚さのものである。
本発明のオフセット印刷用ブランケットの製造方法例を示す。
まず、金型内に離型層として未硬化状態の各種樹脂原料を供給して、各種樹脂に応じた硬化条件にて硬化させ、次に、金型を開き、各種樹脂シートを金型から取り出す。その後、予め用意した接着剤または、両面テープで張り合わせた基材とクッション層を両面テープまたは、接着剤で貼り合わせて、オフセット印刷用ブランケットを製造する。
または、ガラス基材に、ブレードコーターを用いて、離型層として未硬化状態の各種樹脂原料を任意の厚さで塗布し、各種樹脂に応じた硬化条件にて硬化させ、その後、予め用意した接着剤または、両面テープで張り合わせた基材とクッション層を、両面テープまたは、接着剤で貼り合わせて、オフセット印刷用ブランケットを製造する。
以上、本発明のオフセット印刷用ブランケットの製造方法例について、示したが、本発明はそれに限定されず、種々変形して実施することができる。
本発明のオフセット印刷用ブランケットは、上記3層の素材の種類や厚みによって様々な構成が考えられるが、底当たりしないために、半径6.35mmの球状圧子を、押し込み速度0.025〜0.100mm/sで、印刷用ブランケットの離型層側から深さ方向に0.100mm押し込んだ時の、最大負荷力が400g以下であることを特徴とする。
ここで、押込み型変形挙動測定装置としては、ゴムの物理試験用途のJIS K6250に規格されるテクスチャーアナライザー、インデンター、レオメーターなどが挙げられる。これらの装置の
中でも、本発明のブランケットの評価には英弘精機製の万能物性試験機(TA.XTplus)などのテクスチャーアナライザーを使用することが好ましい。英弘精機製の万能物性試験機(TA.XTplus)を使用して、半径6.35mmの球状圧子を、押し込み速度0.025〜0.100mm/sで、印刷用ブランケットの離型層側から深さ方向に0.100mm押し込んだ時の測定結果が図3である。荷重−変形曲線において、上記条件で荷重をかけると、図3に記した×が0.100mm押込んだ時の最大負荷力になる。
本発明のオフセット印刷用ブランケットは、グラビアオフセット印刷や凸版反転印刷法に適用することで、底当たりを防止できる。凸版反転印刷を一例に、底当たり現象を説明する。直線デザインを有する印刷版を用いて凸版反転印刷を実施した際に、印刷した直線の中央部が欠損し平行な2直線に分割している状態をもって底当たり発生と定義できる。
本発明のオフセット印刷用ブランケットは、各種インクの印刷に使用することができる。各種インクとしては、導電性インク、有機半導体インク、絶縁インク、顔料インク、染料インクなどが挙げられる。
凸版反転印刷法、グラビアオフセット印刷法などの微細線印刷に適応できる導電インクとしては、ナノ金属インクが挙げられる。ナノ金属インクで用いられるナノ金属粒子は1〜数百ナノメートルの粒径を有するナノ粒子である。ナノ金属はバルク金属に比べて比表面積が格段に高いため、相互に融着して表面エネルギーを低下させようとする傾向が強く、バルク金属の融点よりはるかに低い温度で粒子相互が融着する。こうしたナノ金属の性質により、触媒、電子材料、磁気材料、光学材料、各種センサー、色材、医療検査用途等への応用が期待されている。ここで、ナノ金属の粒子成長の場としてミセルを形成する役割を担い、また、成長後のナノ金属粒子の融着を防ぐ役割も担う、後記するような保護剤(以下、ナノ金属粒子用保護剤と表す場合もある)で保護する必要がある。
ナノ金属粒子用保護剤としては、ナノ金属粒子に被覆されるものであれば何れであっても良く、例えば、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、チオール基、リン酸基、4級アンモニウム基、4級ホスホニウム基、シアノ基、エーテル基、チオエーテル基、ジスルフィド基等の官能基を有する化合物、界面活性剤、両親媒性高分子や、ゼラチン、コラーゲン等のたんぱく質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子などを使用することができる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。また、特に断りのない場合、「%」は質量基準によるものとする。
(実施例1)
<オフセット印刷用ブランケットの製造方法>
ガラス基材に、ブレードコーターを用いて、離型層として未硬化状態のシリコーン樹脂原料を厚さ1.0mmで塗布し、室温硬化後、さらに100℃にて12時間硬化させて離型層Aを作製した。その後、予め用意した接着剤または、両面テープで張り合わせたPETフィルム(基材)と発泡ウレタンスポンジa(クッション層)(硬度:高、厚み:0.66mm)を、両面テープまたは、接着剤で張り合わせた後にガラス基材より剥離させ、オフセット印刷用ブランケットを製造した。
<オフセット印刷用ブランケットの物性評価方法>
基材と、基材上に位置する離型(剥離/転写/ゴム)層と、基材の他方にクッション層を備える印刷用ブランケットにおいて、テクスチャーアナライザー(日本代理店:英弘精機株式会社)を用いてオフセット印刷用ブランケットを離型層側から深さ方向に0.1mm(球状圧子:半径6.35mm=1/4インチ、押込み速度:0.025〜0.100 mm/s)押し込んだときの最大負荷力を計測した。この評価手法は押込み型変形挙動測定装置、例えば、インデンターでも実施可能である。
<凸版反転印刷インク用導電性微粒子の合成>
クロロホルム150mlに片末端メトキシ化ポリエチレングリコール(MPEG)(数平均分子量(Mn)5000)(アルドリッチ社製)150g〔30mmol〕とピリジン24g(300mmol)とを混合した溶液と、トシルクロライド29g(150mmol)とクロロホルム30mlとを均一に混合した溶液をそれぞれ調製した。
MPEGとピリジンの混合溶液を20℃で攪拌しながら、ここにトシルクロライドのトルエン溶液を滴下した。滴下終了後、40℃で2時間反応させた。反応終了後、クロロホルム150mlを加えて希釈し、5%HCl水溶液250ml(340mmol)で洗浄後、飽和食塩水と水で洗浄した。得られたクロロホルム溶液を硫酸ナトリウムで乾燥した後、エバポレータで溶媒を留去し、さらに乾燥した。収率は100%であった。1H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い(2.4ppm:トシル基中のメチル基、3.3ppm:MPEG末端のメチル基、3.6ppm:PEGのEG鎖、7.3〜7.8ppm:トシル基中のベンゼン環)、トシル化ポリエチレングリコールであることを確認した。
上記で得られたトシル化ポリエチレングリコール23.2g(4.5mmol)と、分岐状ポリエチレンイミン(日本触媒株式会社製、エポミン SP200)15.0g(1.5mmol)をジメチルアセトアミド(DMA)180mlに溶解後、炭酸カリウム0.12gを加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間反応させた。反応終了後、固形残渣を除去し、酢酸エチル150mlとヘキサン450mlの混合溶媒を加え、沈殿物を得た。該沈殿物をクロロホルム100mlに溶解し、再度酢酸エチル150mlとヘキサン450mlの混合溶媒を加えて再沈させた。これをろ過し、減圧下で乾燥した。1H−NMRスペクトルにより各ピークの帰属を行い(2.3〜2.7ppm:分岐PEIのエチレン、3.3ppm:PEG末端のメチル基、3.6ppm:PEGのEG鎖)、PEG−分岐PEI構造を有する化合物であることを確認した。収率は99%であった。
上記で得られた化合物0.592gを含む水溶液138.8gに酸化銀10.0gを加えて25℃で30分間攪拌した。引き続き、ジメチルエタノールアミン46.0gを攪拌しながら徐々に加えたところ、反応溶液は黒赤色に変わり、若干発熱したが、そのまま放置して25℃で30分間攪拌した。その後、10%アスコルビン酸水溶液15.2gを攪拌しながら徐々に加えた。その温度を保ちしながらさらに20時間攪拌を続けて、黒赤色の分散体を得た。
上記で得られた反応終了後の分散液にイソプロピルアルコール200mlとヘキサン200mlの混合溶剤を加えて2分間攪拌した後、3000rpmで5分間遠心濃縮を行った。上澄みを除去した後、沈殿物にイソプロピルアルコール50mlとヘキサン50mlの混合溶剤を加えて2分間攪拌した後、3000rpmで5分間遠心濃縮を行った。上澄みを除去した後、沈殿物にさらに水20gを加えて2分間攪拌して、減圧下有機溶剤を除去して銀ナノ粒子のペーストを得た。これに水を加え、固形分約70%水分散体を得た。
得られた分散体をサンプリングし、希釈液の可視吸収スペクトル測定により400nmにプラズモン吸収スペクトルのピークが認められ、銀ナノ粒子の生成を確認した。TG−DTAを用いて、固体中の銀含有率を測定した結果、97.2%を示した。
<導電性凸版反転印刷インクの調製>
前記で得られた、固形分約70%水分散体を24g、フッ素系表面エネルギー調整剤(DIC製、F−555)を0.5g、シリコーン系表面エネルギー調整剤(ビッグケミー社製、BYK333)を0.1g、エタノールを74.6g、グリセリンを0.8g、を配合することにより、導電性凸版反転印刷インクを調製した。
<凸版反転印刷による導電性パターンの形成>
以下、図2を用い凸版反転印刷により導電性パターン形成の基本工程を示す。
(インキング行程)図2(a)
ブランケット(図2−5)の離形面上に導電性インクを塗布して均一なインク膜(図2−1)を形成し、凸版によるパターン形成が可能な状態まで適度に乾燥させる。この際雰囲気温度、湿度を制御し、乾燥条件をコントロールすることが好ましい。さらに乾燥時間の短縮のためドライ空気をインク膜面に吹きかけてもよい。インクが乾燥不足であると、次工程(凸版によるパターン形成工程)にて、画線のニジミ、曲がり、寸法変化(収縮)が発生し、凸版の形状を正確に再現できない。反対に過度のインク乾燥を施した場合、画線直線性が低下し、最悪の場合、インクがブランケットに強く密着し、凸版による不要パターンを取り除くことが困難となる。当然であるが、その後のブランケットより被転写体へ画線パターンの転写不可能となるブランケット上へのインク膜の形成方法に制限は無く、例えばスリットコート、バーコート、スピンコートで所定の膜厚のインク膜を形成することができる。塗布するインクのウェット膜厚は0.1μm〜1μmで調整するのが、その後の微細パターン形成性、乾燥性の観点から好ましい。
(凸版によるパターン形成工程)図2(b)
次いで、必要とする導電性パターンのネガパターンを有する凸版(図2−3)を上記インク膜に軽く押し当て次いで離すことにより凸版の凸部と接触するパターンを取り除く。これにより導電性パターンをブランケット離形面上に形成する。凸版のブランケット上のインク膜面への接触はできるだけ軽くすることが肝要である。過剰な接触圧は、ブランケットの離形面を形成するゴムの過剰な変形を引き起こし、インク膜の凸版の凹部への接触によるパターン欠陥(底当たり)、ブランケット変形によるパターン位置精度低下を引き起こすために好ましくない。
凸版の材質はインク膜をブランケット離形面よりインクを除去できるものであれば特に限定されるものは無く、例えば、ガラス、シリコン、ステンレス等の各種金属、各種樹脂(フォトレジスト材料)が使用できる。これらの凸版への加工方法にも制限は無く、材質、パターン精度、凸版深さ等に最適な方法を選択できる。例えばガラス、シリコンを材質とする場合はウェットエッチング、ドライエッチング等の加工方法が適用できる。金属の場合はウェットエッチング、電鋳加工、サンドブラスト等が適用できる。また樹脂を材質とする場合はフォトリソエッチング、レーザー描画、収束イオンビーム描画等の加工方法が好適に適用できる。
(転写工程)図2(c)
ブランケット離形面上に形成した導電性パターンを被転写体(図2−4)に軽く押し当て、該パターンを全転写する。
形成した導電性パターンは一般的なインク焼成方法により乾燥、及び/または焼結させる。一般的なインク加熱焼成方法として例えば、熱風オーブン焼成、赤外輻射焼成、キセノンランプ等による光焼成、プラズマ焼成、電磁波焼成等が適用できる。
本発明での凸版反転印刷法のパターン転写機構に特に制限は無く、例えば平行平版方式で凸版とブランケットを接触させる方法や、ロールに巻きつけたブランケットを平板の凸版上を転がし接触させる方法、ロール側に凸版を形成し平板のブランケット上を転がし接触させる方法、ブランケット及び凸版をロール上に形成し両者を接触させる方法等適用できる。
<導電性パターン形成時における底当たり発生の確認方法>
版溝幅30μm、版溝深さ5.8μmの直線デザインを有する印刷版、導電性インクを用いて凸版反転印刷を実施した際に、被転写体に形成した導電性パターンのうち、線幅30μmの直線を観察し、版設計通りの1本の直線が描かれず、中央部が欠損し平行な2直線に分割している状態を底当たりあり「×」、中央部が欠損することなく1本の直線が印刷された状態を底当たりなし「〇」とした。
(実施例2)
<オフセット印刷用ブランケットの製造方法>
ガラス基材に、ブレードコーターを用いて、離型層として未硬化状態のシリコーン樹脂原料を厚さ0.3mmで塗布し、室温硬化後、100℃にて12時間硬化させて離型層Bを作製した。その後、予め用意した接着剤または、両面テープで張り合わせたPETフィルム(基材)と発泡ウレタンスポンジb(クッション層)(硬度:低、厚み:0.66mm)を、両面テープまたは、接着剤で張り合わせた後にガラス基材より剥離させ、オフセット印刷用ブランケットを製造する。
オフセット印刷用ブランケットの物性評価、凸版反転印刷による導電性パターンの形成、導電性パターンの版パターンの再現性の評価、は実施例1と同様である。
(実施例3)
<オフセット印刷用ブランケットの製造方法>
ガラス基材に、ブレードコーターを用いて、離型層として未硬化状態のシリコーン樹脂原料を厚さ0.3mmで塗布し、室温にて12時間硬化させて離型層Cを作製した。その後、予め用意した接着剤または、両面テープで張り合わせたPETフィルム(基材)と発泡ウレタンスポンジb(クッション層)(硬度:低、厚み:0.66mm)を、両面テープまたは、接着剤で張り合わせた後にガラス基材より剥離させ、オフセット印刷用ブランケットを製造する。
オフセット印刷用ブランケットの物性評価、凸版反転印刷による導電性パターンの形成、導電性パターンの版パターンの再現性の評価、は実施例1と同様である。
(比較例1)
<オフセット印刷用ブランケットの製造方法>
ガラス基材に、ブレードコーターを用いて、離型層として未硬化状態のシリコーン樹脂原料を厚さ0.3mmで塗布し、室温硬化後、100℃にて12時間硬化させて離型層Bを作製した。その後、予め用意した接着剤または、両面テープで張り合わせたPETフィルム(基材)と発泡ウレタンスポンジa(クッション層)(硬度:高、厚み:0.66mm)を、両面テープまたは、接着剤で張り合わせた後にガラス基材より剥離させ、オフセット印刷用ブランケットを製造する。
オフセット印刷用ブランケットの物性評価、凸版反転印刷による導電性パターンの形成、導電性パターンの版パターンの再現性の評価、は実施例1と同様である。
(比較例2)
<オフセット印刷用ブランケットの製造方法>
ガラス基材に、ブレードコーターを用いて、離型層として未硬化状態のシリコーン樹脂原料を厚さ0.3mmで塗布し、室温にて12時間硬化させて離型層Cを作製した。その後、予め用意した接着剤または、両面テープで張り合わせたPETフィルム(基材)と発泡ウレタンスポンジa(クッション層)(硬度:高、厚み:0.66mm)を、両面テープまたは、接着剤で張り合わせた後にガラス基材より剥離させ、オフセット印刷用ブランケットを製造する。
オフセット印刷用ブランケットの物性評価、凸版反転印刷による導電性パターンの形成、導電性パターンの版パターンの再現性の評価、は実施例1と同様である。
各種オフセット印刷用ブランケットの構成、底当たり発生の有無、および各種オフセット印刷用ブランケットを上記の球状圧子を用いて0.100mm押し込むのに必要な力(g)、について表1に示す。
Figure 2018027650
底当たりなし:〇 底当たりあり:×
実施例1から実施例3と、比較例1および比較例2の対比からわかる通り、0.100mm押し込むのに必要な圧力が400g以下であるオフセット印刷用ブランケットを用いることで、底当たり発生を抑制できることがわかる。
本発明のオフセット印刷用ブランケットは、ブランケットを使用する全ての方式の印刷に利用可能であり、導電性インクを用いて形成された導電性パターンは、電気回路や集積回路等に使用される回路形成用基板、有機太陽電池や電子書籍端末、有機EL、有機トランジスタ、フレキシブルプリント基板、RFID、電磁波シールド等を構成する配線、フレキシブルプリント基板(FPC)、テープ自動ボンディング(TAB)、チップオンフィルム(COF)、及びプリント配線板(PWB)等の用途に使用することが可能である。
1:離型層
2:基材
3:クッション層
4:インク膜
5:ブランケット
6:凸版
7:被転写体

Claims (4)

  1. 基材と、基材上の離型層と、基材の反対側にクッション層を備える印刷用ブランケットにおいて、半径6.35mmの球状圧子を、押し込み速度0.025〜0.100mm/sで、印刷用ブランケットの離型層側から深さ方向に0.1mm押し込んだ時の最大負荷力が400g以下であることを特徴とする印刷用ブランケット。
  2. 前記離型層の厚みが1〜3000μmである請求項1記載の印刷用ブランケット。
  3. 前記クッション層の厚みが1〜3000μmである請求項1または2記載の印刷用ブランケット。
  4. 凸版反転印刷用またはグラビアオフセット印刷用である請求項1〜3いずれか1項記載の印刷用ブランケット。
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