以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、パチンコ遊技機1で実行される所定の遊技に関する画像を、例えば1/60秒のフレーム周期といった、所定周期毎に更新して表示する。パチンコ遊技機1における遊技に関する画像の表示として、例えば特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。画像表示装置5の表示領域には、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアが設けられ、各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の可変表示が行われる。こうした飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
より具体的な一例において、図1に示す画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの他に、始動入賞記憶表示エリア5H、第4図柄表示エリア5I、5J、保留数表示エリア5Kなどが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。第4図柄表示エリア5Iでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示の状態に応じた状態表示が行われる。第4図柄表示エリア5Hでは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示の状態に応じた状態表示が行われる。保留数表示エリア5Kでは、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示とともに、特図保留記憶数を示す数字などが表示される。
特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口といった、パチンコ遊技機1の遊技領域に設けられた始動領域を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、第1特図と第2特図とにそれぞれ対応して、所定のキャラクタ画像といった演出画像を表示する個数により、特図保留記憶数を遊技者が特定可能に表示する。保留数表示エリア5Kでは、第1特図と第2特図とにそれぞれ対応して、所定の数字を示す演出画像が表示されることで、特図保留記憶数を遊技者が特定可能に表示する。図1に示す保留数表示エリア5Kでは、上段に第1特図保留記憶数を示す演出画像が表示され、下段に第2特図保留記憶数を示す演出画像が表示される。
第4図柄表示エリア5I、5Jでは、一定の時間間隔で表示態様を変化させることによって第4図柄を可変表示する。図1に示す第4図柄表示エリア5I、5Jでは、「○」の記号を示す演出画像の表示と、「×」の記号を示す演出画像の表示とを所定時間毎(例えば0.5秒毎)に切り替えることで、第4図柄を可変表示する。なお、所定の記号を示す演出画像の表示を切り替えることで可変表示を行うものに限定されず、例えば所定の表示色(例えば青色)による点灯と消灯とを繰り返すといった、予め定められた任意の演出状態を変化させることにより第4図柄を可変表示するものであればよい。第4図柄表示エリア5Iでは、第1特図の可変表示に同期して第1特図用の第4図柄が可変表示される。第4図柄表示エリア5Jでは、第2特図の可変表示に同期して第2特図用の第4図柄が可変表示される。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されるときには、第1特図用の第4図柄表示エリア5Iにおいて可変表示結果が「大当り」であることを想起させる表示色(例えば赤色)による点灯が継続した状態になる。第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるときには、第2特図用の第4図柄表示エリア5Jにおいて可変表示結果が「大当り」であることを想起させる表示色(例えば赤色)による点灯が継続した状態になる。なお、第1特図と第2特図とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示エリア5I、5Jを備えるものに限定されず、第1特図と第2特図とに対して共通の第4図柄表示エリアを画像表示装置5の表示領域に設けるようにしてもよい。
始動入賞記憶表示エリア5Hや保留数表示エリア5Kとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hや保留数表示エリア5Kに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hや保留数表示エリア5Kとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
第4図柄表示エリア5I、5Jとともに、あるいは第4図柄表示エリア5I、5Jに代えて、第4図柄を可変表示する表示器を設けるようにしてもよい。この場合、画像表示装置5とは別に、ランプやLEDなどの発光部材を用いて第4図柄表示器を実現すればよい。例えば、第4図柄の可変表示を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現してもよいし、2つのLEDのうちいずれのLEDが停止表示されたかによって可変表示結果が「大当り」であることを想起させるようにしてもよい。また、第1特図と第2特図とに対応して共通の第4図柄表示器をランプやLEDなどの発光部材を用いて実現してもよい。この場合、第1特図の可変表示に同期して第4図柄の可変表示を実行するときと、第2特図の可変表示に同期して第4図柄の可変表示を実行するときとで、例えば一定の時間間隔で異なる表示色の点灯と消灯とを繰り返すような表示により、第4図柄の可変表示を区別して実行するようにしてもよい。あるいは、第1特図の可変表示に同期して第4図柄の可変表示を実行するときと、第2特図の可変表示に同期して第4図柄の可変表示を実行するときとで、例えば異なる時間間隔で点灯と消灯とを繰り返すような表示により、第4図柄の可変表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば第1特図の可変表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特図の可変表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、図3(A)は表示制御部123の構成例を示している。図3(A)に示す表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)130と、画像データメモリ131と、仮画像バッファ132Aと、フレームバッファ132Bと、LCD駆動回路133とを備えている。なお、VDP130は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。画像データメモリ131は、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
VDP130は、例えば画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する画像プロセッサである。画像データメモリ131は、画像表示装置5に表示される画像を構成する元画像として複数種類の部品画像に対応する画像データを予め記憶している。例えば、画像データメモリ131が記憶する画像データには、画像表示装置5において可変表示される複数種類の飾り図柄にそれぞれ対応する複数種類の部品画像データが含まれている。その他、画像データメモリ131が記憶する画像データには、画像表示装置5に表示されるキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号など)を示す演出画像や、その他の演出画像(背景画像、アニメーション画像、動画像など)にそれぞれ対応する複数種類の部品画像データが含まれている。
仮画像バッファ132Aは、例えばRAMを用いて構成され、一時記憶領域として、複数種類の部品画像に含まれる配置対象画像を示す画像データを所定パターンにしたがって配置することで作成された仮画像を一時記憶する。仮画像は、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期に同期して作成される。仮画像バッファ132Aには、画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像を配置することにより作成された1フレーム分に相当する仮画像が格納される。仮画像バッファ132Aに格納された1の仮画像を、画像表示装置5における複数フレームで継続して表示するように描画処理などが実行されてもよい。この場合、仮画像の作成は、例えば画像表示装置5のフレーム周期に同期して行われる一方、一旦作成された仮画像を複数のフレーム周期に対応して仮画像バッファ132Aに格納しておき、フレーム周期に同期して複数の表示画像を生成する毎に同一の仮画像が繰返し読み出されるようにすればよい。
フレームバッファ132Bは、画像を描画または表示するために用いられる出力画像領域を提供する。図3(B)に示すように、フレームバッファ132Bには、第1バッファ領域132B−1と、第2バッファ領域132B−2とが設けられている。これら2つのバッファ領域132B−1、132B−2は、所定周期毎に描画用と表示用とで交互に切り替わることにより、いわゆるダブルバッファリングの機能を実現する。VDP130は、一方のバッファ領域(例えば第1バッファ領域132B−1)に描画(展開)された画像が画像表示装置5に表示されている期間に、他方のバッファ領域(例えば第2バッファ領域132B−2)に画像データを展開する処理を実行する。第1バッファ領域132B−1と第2バッファ領域132B−2とのそれぞれには、画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像と仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像とを用いて生成された1フレーム分の表示画像が格納される。VDP130は、複数種類の部品画像や仮画像を、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期と同期してフレームバッファ132Bに描画することにより表示画像を生成する。
仮画像バッファ132Aとフレームバッファ132Bは、VDP130に内蔵または外付けされた共通のVRAMに設けられてもよいし、VDP130に内蔵または外付けされた互いに別個のRAMを用いて構成されてもよい。VRAMなどの一時記憶媒体には、仮画像バッファ132Aやフレームバッファ132Bの他に、所定のパレットデータを一時記憶するパレットデータバッファや、描画用のパラメータ(例えばキャラクタの描画順序、色数、表示倍率、パレット番号、表示座標など)を示すアトリビュートデータを一時記憶するアトリビュートデータバッファ、演出制御用CPU120から出力された表示制御指令群で構成されるディスプレイリストを一時記憶するディスプレイリストバッファといった、各種バッファの一部または全部が設けられていればよい。
仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に部品画像を配置する処理では、フレームバッファ132Bの出力画像領域に部品画像や仮画像を描画する処理と同様に、表示画像の映像信号に対応する画像データ(R、G、Bの各値を示すドットデータ)が一時記憶領域に書き込まれるようにすればよい。なお、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に部品画像を配置する処理は、表示画像の映像信号に対応する画像データを書き込む処理に限定されず、例えば画像表示装置5の表示領域を所定の大きさを有する複数の区画に区切り、複数の区画毎に割り当てられた2次元の座標と部品画像IDとを対応付けることで、各区画に配置される部品画像を特定可能に示すようにしてもよい。このように、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に部品画像を配置する処理は、フレームバッファ132Bの出力画像領域に部品画像や仮画像を描画する処理と同じ処理であってもよいし、異なる処理であってもよい。フレームバッファ132Bの出力画像領域に部品画像や仮画像を描画する処理は、画像データメモリ131に予め記憶されている部品画像や、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に格納された仮画像を、所定の変形処理などを施して、あるいは変形処理などを施すことなく、出力画像領域に配置する処理であればよい。
VDP130の内部には、読出回路、読出制御回路、描画回路、表示回路や、各種インタフェース、各種バスなどが設けられていればよい。読出回路は、読出制御回路による制御に基づいて、画像データメモリ131から部品画像データを読み出し、描画回路などに供給する。読出制御回路や描画回路は、演出制御用CPU120から出力されたディスプレイリストなどを構成する表示制御指令を解析し、その解析結果に基づいて、部品画像データの読出制御や仮画像の作成、表示画像の描画といった、各種の画像処理を実行する。描画回路は、読出回路によって読み出された部品画像データを、仮画像バッファ132Aまたはフレームバッファ132Bに書き込むことで、仮画像を作成したり、表示画像を生成したりする。描画回路は、仮画像を作成する場合に、読出回路によって読み出された部品画像データに対応する部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置する。これにより、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期に同期して仮画像が作成される。また、描画回路は、表示画像を生成する場合に、仮画像バッファ132Aに一時記憶されている仮画像、または読出回路によって読み出された部品画像データに対応する部品画像を、フレームバッファ132Bにおける描画用のバッファ領域に描画する。このとき、仮画像バッファ132Aに一時記憶されている仮画像を、画像データメモリ131から読み出された1つの部品画像と同様に、1つの描画単位となるオブジェクトとして扱い、出力画像領域に描画する。したがって、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に複数種類の部品画像を配置することで作成された仮画像は、1の表示対象画像として、表示倍率や表示座標などのアトリビュートを設定することができる。なお、描画回路が仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に部品画像を配置することで仮画像を作成するものに限定されず、例えば読出回路が画像データメモリ131から読み出した部品画像を、そのまま仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置するものであってもよい。
VDP130の表示回路は、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期と同期してフレームバッファ132Bにおける表示用のバッファ領域から1フレーム分の表示画像を読み出し、画像表示装置5の表示領域を構成する各画素の階調データ(色信号データ)としてLCD駆動回路133に出力する。LCD駆動回路133は、VDP130から供給された階調データ(色信号データ)に応じた色信号を作成するとともに、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の表示領域に各種画像を表示させる。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに供給する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドル30が遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)したときには、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特図)の可変表示を実行するための始動条件(第1始動条件)が成立する。また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)したときには、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特図)の可変表示を実行するための始動条件(第2始動条件)が成立する。
なお、可変表示の始動条件(第1始動条件または第2始動条件)が成立したものの、例えば先に成立した始動条件に基づく可変表示が実行されている場合や、遊技状態が大当り遊技状態に制御されている場合などといった、可変表示を開始することができない場合には、所定の上限値(例えば第1特図と第2特図のそれぞれに対応して「4」など)に達するまで、可変表示の実行が保留される。
第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して可変表示の始動条件が成立した後、可変表示を開始するための開始条件(第1開始条件または第2開始条件)が成立したときには、その可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、可変表示結果を導出表示する以前に決定される。
そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを特定可能に指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される。その後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定図柄が停止表示(導出表示)される。
画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が行われる。画像表示装置5の表示領域に設けられた第4図柄表示エリア5Iでは、第1特図を用いた特図ゲームに対応した第4図柄の可変表示が行われる。画像表示装置5の表示領域に設けられた第4図柄表示エリア5Jでは、第2特図を用いた特図ゲームに対応した第4図柄の可変表示が行われる。
飾り図柄の可変表示が開始された後、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることがある。ここで、飾り図柄の可変表示状態は、いずれかの飾り図柄表示エリアにて停止表示された飾り図柄が予め定められた大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続することにより、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、リーチ状態となる。
具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動することにより、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。
また、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単に「リーチ演出」ともいう)と称する。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDにおける点灯動作(点滅動作)、演出用可動部材の動作などを、飾り図柄の可変表示状態が「リーチ」となる以前とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。なお、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない場合を「非リーチ」ともいい、予め定められたチャンス目などの特殊な組合せとならない限り、可変表示結果が「大当り」となる可能性はない。
第1特図や第2特図を用いた特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定特別図柄)が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定飾り図柄)と第4図柄の可変表示結果が導出表示される。このように、特別図柄や飾り図柄さらには第4図柄の可変表示が開始される時点と終了する時点がほぼ同じ(全く同じでもよい)になり、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい)になることで、それぞれの可変表示が同期して行われる。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、画像表示装置5において大当りを想起させるような飾り図柄の組合せ(大当り組合せ)が停止表示される。
大当り遊技状態では、大入賞口扉用のソレノイド82が駆動され、遊技領域の所定位置に設けられた大入賞口が開放状態(第1状態)となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を遊技者にとって有利な開放状態(第1状態)とするラウンドが実行される。こうしたラウンドの実行期間以外の期間では、大入賞口を遊技者にとって不利な閉鎖状態(第2状態)とする。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンドは、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰り返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも始動入賞口を遊技球が通過しやすくなる有利開放制御が行われるようにしてもよい。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
このようなパチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、遊技制御プロセス処理を実行する。遊技制御プロセス処理では、RAM102の所定領域に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる。一例として、コマンド制御処理では、RAM102の所定領域に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS11では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けて記憶されればよい。
RAM102に設けられた保留用乱数記憶部は、第1始動入賞口または第2始動入賞口を遊技球が通過したにもかかわらず未だ開始されていない可変表示について、乱数回路104などから抽出された遊技用乱数を示す数値データの一部または全部を、可変表示の保留記憶情報として所定の上限記憶数(例えば「4」)の範囲内で記憶する。例えば、保留用乱数記憶部は、第1特図用記憶部と第2特図用記憶部とを含んで構成されていればよい。第1特図用記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留記憶情報を、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と対応付けて記憶する。第2特図用記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留記憶情報を、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と対応付けて記憶する。
こうして第1特図用記憶部に記憶された保留記憶情報は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする。また、第2特図用記憶部に記憶された保留記憶情報は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする。
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。また、ステップS12の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値や変動パターン決定用の乱数値に基づいて、変動パターンがスーパーリーチA〜スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を伴う特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合、特定の変動パターンに決定されるか否かの判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
特定の変動パターンに決定されるか否かを判定する処理では、まず、可変表示結果決定用の乱数値を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定する。例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるROM101の所定領域などには、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果に対して判定値が設定された可変表示結果決定テーブルが予め記憶されており、ステップS12の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた決定結果を特定することで、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定することができる。続いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果に応じて、複数種類の変動パターンに対して異なる判定値が設定された変動パターン決定テーブルを選択する。この変動パターン決定テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるROM101の所定領域などに予め記憶されていればよい。
こうして選択した変動パターン決定テーブルを参照することで、ステップS12の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた変動パターンを特定する。これにより、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を行う特定の変動パターンに決定されるか否かを判定することができる。このように、始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)を遊技球が通過して始動入賞が発生したときには、その始動入賞に対応する可変表示ゲームの実行が開始されるより前に、変動パターンが特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行い、その判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。
ステップS11にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS11;No)、ステップS13の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。
ステップS101にて可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。このときには、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。図5は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用CPU120では、所定の演出制御メイン処理が実行される。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の起動時処理を実行する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。こうしたタイマ割込みフラグをオン状態にする割込みは、演出制御用のタイマ割込みとなる。演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込みが発生するまで待機する。
演出制御用のタイマ割込みが発生してタイマ割込フラグがオンになったときには、これをクリアしてオフ状態にするとともに、演出制御用のタイマ割込処理を実行する。なお、演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込処理の他に、コマンド受信用の割込処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを受信できればよい。演出制御用のタイマ割込処理において、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体(発光部材)における点灯動作、演出用可動部材の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図6は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域などに記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、ステップS170〜S176の処理が含まれている。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光部材を点灯/消灯/点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態に対応した大当り中演出を実行可能にする。大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行される大当り終了演出(エンディング演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光部材を点灯/消灯/点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態の終了に対応した大当り終了演出を実行可能にする。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図7は、図6のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。ステップS401の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5において大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS401の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS401における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ステップS402)。ステップS402の処理では、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出決定テーブルを用いて、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様などが決定されればよい。予告演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容に応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や演出態様の決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出決定テーブルを参照することにより、予告演出の有無や演出態様を決定すればよい。
ステップS402の処理に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS403)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS402の処理による予告演出の決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
図8(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。図8(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光部材の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光部材の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する指示操作(傾倒操作)とトリガボタンに対する指示操作(押引操作)とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作(押下操作)を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用模型制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図8(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の発光部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えばVDP130がその指令に示される画像データ(部品画像データ)を画像データメモリ131から読み出す。読み出された部品画像データは、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に書き込まれることで仮画像の作成に用いられたり、フレームバッファ132Bの出力画像領域に書き込まれることで表示画像の描画に用いられたりする。VDP130は、仮画像バッファ132Aに格納されている仮画像を、画像データメモリ131から読み出した部品画像と同様に1の表示対象画像として、表示倍率や表示座標などのアトリビュートを設定しつつ、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画することができる。こうして、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期と同期してフレームバッファ132Bに1画面分の表示画像が生成される。演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図7に示すステップS403の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS404)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS405)。このときには、例えばステップS404にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP130に対して出力することなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS405の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS406)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図9は、図6のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、各種演出の実行期間であるか否かを判定する(ステップS452)。各種演出の実行期間は、例えば図7に示すステップS403の処理にて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。各種演出の実行期間ではないときには(ステップS452;No)、可変表示中演出処理を終了する。各種演出の実行期間であるときには(ステップS452;Yes)、演出制御処理を実行してから(ステップS453)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS454)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS454;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS454にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS454;Yes)、例えば表示制御部123のVDP130に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS455)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS456)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS457)、可変表示中演出処理を終了する。
図9に示すステップS453の演出制御処理では、図7に示すステップS403の処理で決定された演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンなど)から演出制御プロセスタイマ値に基づいて読み出されたプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われる。例えば、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判定を行い、タイムアウトしたらプロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う。すなわち、図8(A)に示すようなプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている表示制御データに基づいて画像表示装置5の表示制御を行う。また、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている音声制御データに基づいてスピーカ8L、8Rの音声出力制御を行う。さらに、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されているランプ制御データに基づいて遊技効果ランプ9や装飾LEDの点灯制御を行う。その他にも、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている操作検出制御データに基づいてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bによる指示操作の検出制御を行う。
演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示制御を行うために、表示制御部123のVDP130に対して各種の表示制御指令を出力する。表示制御部123の画像データメモリ131には、複数種類の部品画像に対応する複数種類の部品画像データとともに、例えば図10に示すような部品画像テーブルを構成するテーブルデータが予め記憶されていればよい。図10に示す部品画像テーブルでは、複数種類の部品画像のそれぞれに識別番号となる部品画像IDが割り当てられ、画像データメモリ131における部品画像の記憶位置(先頭アドレス)や画像サイズと対応付けられている。演出制御用CPU120は、表示制御指令により部品画像IDを指定するなどして、部品画像の配置による仮画像の作成や、仮画像と部品画像の一方または双方を描画することによる表示画像の生成などを、VDP130に対して指示すればよい。
演出制御パターンの表示制御データには、例えば図11に示すような画像読出制御データが含まれていればよい。画像読出制御データの先頭には、画像データメモリ131から読み出す部品画像の数を示す読出画像数が設定されている。また、画像読出制御データには、画像指定情報、アトリビュート情報、仮画像対象フラグ情報からなる読出制御情報のグループが、読出画像数と同じグループ数となるように設定されている。画像指定情報は、読出対象画像を示す情報として、画像データメモリ131に記憶されている部品画像に対応する部品画像ID、または仮画像バッファ132Aに格納されている仮画像を指定する情報である。アトリビュート情報は、描画用のパラメータとなるアトリビュートを設定する情報である。仮画像対象フラグ情報は、画像データメモリ131から読み出した部品画像を配置対象画像として仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置するか否かを示す情報である。この実施の形態では、仮画像対象フラグ情報により仮画像対象フラグがオン状態とされる場合に、画像データメモリ131から読み出した部品画像を配置対象画像とし、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置する。一方、画像データメモリ131から読み出した部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置することなくフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する場合や、仮画像バッファ132Aから読み出した仮画像をフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する場合には、仮画像対象フラグ情報により仮画像対象フラグがオフ状態に設定される。
演出制御用CPU120は、画像読出制御データのうちで読出処理カウンタの値(読出処理カウント値)に対応するデータを読み出す。そして、読出処理カウント値を更新するごとに、画像読出制御データにおいて次に設定されているデータを順次に読み出す。こうして読み出されたデータに基づき、表示制御指令を生成して表示制御部123のVDP130に出力する。
図12は、演出制御用CPU120による演出制御処理として、図9のステップS453にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す演出制御処理では、例えば演出制御プロセスタイマ値に基づいて演出制御パターンから読み出された演出制御実行データの種類を特定する(ステップS501)。そして、特定された読出データが表示制御データであるか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502にて表示制御データであると判定された場合には(ステップS502;Yes)、その表示制御データに含まれる画像読出制御データを取得する(ステップS503)。ステップS503の処理において、演出制御用CPU120は、例えばROM121における画像読出制御データの記憶位置(先頭アドレス)を、ワークエリアとなるRAM122の所定領域(例えば演出制御ポインタ設定部)に設けられた読出制御ポインタにセットする。このときには、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた読出処理カウンタを初期化して、そのカウント値を「0」にする(ステップS504)。また、読み出しが完了した画像の数を示す変数である読出完了数を「0」に初期化しておく(ステップS505)。そして、読出処理カウント値が「0」であることに対応して、画像読出制御データから読み出された読出画像数を設定する(ステップS506)。
この後、読出処理カウント値を1加算するように更新する(ステップS507)。続いて、ステップS507にて更新した読出処理カウント値に対応した画像読出制御データの読出結果として、画像指定情報を取得する(ステップS508)。また、演出制御用CPU120は、読出処理カウント値を1加算するように更新し(ステップS509)、更新後のカウント値に対応した画像読出制御データの読出結果として、アトリビュート情報を取得する(ステップS510)。さらに、演出制御用CPU120は、読出処理カウント値を1加算するように更新し(ステップS511)、更新後のカウント値に対応した画像読出制御データの読出結果として、仮画像対象フラグ情報を取得する(ステップS512)。
こうして特定された画像指定情報、アトリビュート情報、仮画像対象フラグ情報に基づき、演出制御用CPU120は画像読出指令を作成し、表示制御部123のVDP130に対して出力する(ステップS513)。画像読出指令は、画像データメモリ131に記憶されている部品画像、または仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に記憶されている仮画像を、読出対象として対応する画像データの読み出しを指示する表示制御指令である。ステップS508の処理にて取得した画像指定情報により、部品画像と仮画像のいずれを読出対象とするかが設定される。画像データメモリ131から読み出された部品画像データは、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域またはフレームバッファ132Bの出力画像領域に書き込まれる。ステップS512の処理にて取得した仮画像対象フラグ情報により、仮画像バッファ132Aとフレームバッファ132Bのいずれに書き込むかが設定される。仮画像対象フラグ情報により、仮画像対象フラグがオン状態に設定される場合には仮画像バッファ132Aに書き込まれる一方、仮画像対象フラグがオフ状態に設定される場合にはフレームバッファ132Bに書き込まれる。仮画像バッファ132Aから仮画像が読み出されたときには、ステップS510の処理にて取得したアトリビュート情報に基づいて、表示倍率に応じた拡大または縮小や表示座標の設定などを行い、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。
画像読出指令は、例えば読出対象となる部品画像に付された部品画像IDまたは仮画像バッファ132Aに一時記憶された仮画像の指定や、画像データの書込位置などを、VDP130に通知するためのデータを含んでいればよい。部品画像IDまたは仮画像を指定するために、ステップS508にて取得した画像指定情報が画像読出指令に含まれるようにしてもよい。画像データの書込位置を指定する場合には、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に書き込むか、フレームバッファ132の出力画像領域に書き込むかを指定したり、一時記憶領域や出力画像領域における書込アドレス(記憶アドレス)を指定したりするために、ステップS512の処理にて取得したアトリビュート情報や仮画像対象フラグ情報が画像読出指令に含まれるようにしてもよい。
ステップS513の処理を実行した後には、読出完了数を1加算するように更新する(ステップS514)。そして、更新後の読出完了数が画像読出制御データに基づいて設定された読出画像数に達したか否かを判定する(ステップS515)。このとき、読出画像数に達していなければ(ステップS515;No)、ステップS507の処理に戻り、画像データの読み出しを継続する。
ステップS502にて表示制御データではないと判定された場合や(ステップS502;No)、ステップS515にて読出画像数に達した場合には(ステップS515;Yes)、その他の制御データに応じて各種指令を出力するための指令出力処理を実行してから(ステップS516)、演出制御処理を終了する。
このように、図12に示す演出制御処理では、ステップS503の処理にて取得した画像読出制御データの設定に基づいてステップS504〜S515の処理を実行し、画像データの読出位置を画像データメモリ131と仮画像バッファ132Aとから選択して指定することができ、画像データの書込位置を仮画像バッファ132Aとフレームバッファ132Bとから選択して指定することができる。したがって、画像データの読出位置が画像データメモリ131と仮画像バッファ132Aのいずれに含まれるかにかかわらず、また、画像データの書込位置が仮画像バッファ132Aとフレームバッファ132Bのいずれに含まれるかにかかわらず、共通の処理を実行して、仮画像の作成や表示画像の生成(描画)を指示することができる。
図13は、表示制御部123のVDP130によって実行される画像データ処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す画像データ処理において、VDP130は、Vブランク割込があったか否かを判定する(ステップS701)。VDP130は、フレームバッファ132Bに設けられた第1バッファ領域132B−1と第2バッファ領域132B−2とのうち、表示用のバッファ領域から読み出した1フレーム分の表示画像に対応する階調データ(色信号データ)をLCD駆動回路133に出力するとともに、垂直同期信号を供給する。この垂直同期信号と同じ周期でVブランク割込を発生させ、例えば演出制御用CPU120にVブランク割込信号を出力すればよい。したがって、Vブランク割込は、画像表示装置5の画面上に表示される画像を更新するフレーム周期(例えば1/60秒)で発生する。
ステップS701にてVブランク割込があった場合には(ステップS701;Yes)、1フレーム分の描画が終了したか否かを判定する(ステップS702)。このとき、1フレーム分の描画が終了していれば(ステップS702;Yes)、フレームバッファ132Bにおける描画用と表示用のバッファ領域を切り替える(ステップS703)。これにより、フレームバッファ132Bに設けられた第1バッファ領域132B−1および第2バッファ領域132B−2は、画像表示装置5のフレーム周期で描画用と表示用とが交互に切り替えられる。
ステップS701にてVブランク割込がなかった場合や(ステップS701;No)、ステップS702にて1フレーム分の描画が終了していない場合(ステップS702;No)、あるいはステップS703の処理を実行した後には、演出制御用CPU120から出力された画像読出指令があったか否かを判定する(ステップS704)。そして、画像読出指令があった場合には(ステップS704;Yes)、その画像読出指令に含まれる画像指定情報などにより、部品画像IDと仮画像のいずれが指定されているを判定する(ステップS705)。
ステップS705にて部品画像IDが指定されていると判定した場合には(ステップS705;部品画像ID)、図10に示すような部品画像テーブルを参照して、画像データメモリ131における部品画像の読出位置(記憶位置)などを設定する(ステップS706)。一方、ステップS705にて仮画像が指定されていると判定した場合には(ステップS705;仮画像)、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に格納されている仮画像を読み出すための設定を行う(ステップS707)。
ステップS706、S707の処理のいずれかを実行した後には、仮画像対象フラグ情報を取得する(ステップS708)。そして、ステップS708における取得結果に基づいて、仮画像対象フラグに応じた書込オフセットアドレスを設定する(ステップS709)。例えば、仮画像対象フラグがオン状態に設定される場合には、仮画像バッファ132Aの先頭アドレスに対応する書込オフセットアドレスが設定され、アトリビュート情報に示される表示座標に応じた仮画像バッファ132Aの一時記憶領域における書込アドレスが指定されればよい。一方、仮画像対象フラグがオフ状態に設定される場合には、フレームバッファ132Bにおける第1バッファ領域132B−1と第2バッファ領域132B−2とのうち、描画用となるバッファ領域の先頭アドレスに対応する書込オフセットアドレスが設定され、アトリビュート情報に示される表示座標に応じたフレームバッファ132Bの出力画像領域における書込アドレスが指定されればよい。
ステップS709の処理を実行した後には、部品画像や仮画像に対応する画像データを読み出して、指定された書込アドレスに書き込む(ステップS710)。このとき、画像データメモリ131から読み出される部品画像データが圧縮されている場合には、VDP130に内蔵された伸長回路において伸長処理が行われ、伸長後の部品画像を一時記憶領域に配置または出力画像領域に描画すればよい。部品画像に対応する画像データ(部品画像データ)を仮画像バッファ132Aに書き込む場合には、フレームバッファ132Bへの描画により表示画像を生成する場合と同様に、アトリビュート情報に示される表示座標に応じた書込位置に部品画像を配置する。このように、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には、複数種類の部品画像を配置して合成することなどにより、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期と同期して1フレーム分の表示画面に対応する仮画像が格納されればよい。複数種類の部品画像を一時記憶領域に配置または出力画像領域に描画するときには、部品画像ごとに所定の変形処理が実行されてもよいし、2種類以上の部品画像を用いたブレンディング処理が実行されてもよい。変形処理やブレンディング処理の有無や内容は、図11に示すような画像読出制御データに含まれるアトリビュート情報により設定されるようにすればよい。図11に示すような画像読出制御データでは、仮画像の作成が完了してから、仮画像バッファ132Aに格納されている仮画像を読み出してフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する順番となるように、読出処理カウント値に応じた各種情報(画像指定情報、アトリビュート情報、仮画像対象フラグ情報)が予め設定されていればよい。こうして、1フレーム分の表示画像を生成するための描画が完了したか否かを判定する(ステップS711)。描画が完了した場合には(ステップS711;Yes)、演出制御用CPU120に対して描画の完了を通知する(ステップS712)。ステップS704にて画像読出指令がない場合や(ステップS704;No)、ステップS711にて描画が完了していない場合(ステップS711;No)、あるいはステップS712の処理を実行した後には、ステップS701の処理に戻る。
このように、図13に示す画像データ処理では、ステップS705の処理における画像指定情報の判定結果に応じてステップS706、S707の処理のいずれかを実行し、画像データメモリ131に記憶されている部品画像データと、仮画像バッファ132Aに一時記憶されている仮画像に対応する画像データとのうち、いずれかの画像データを選択して読み出すことができる。また、ステップS708の処理にて取得した仮画像対象フラグ情報に示される仮画像対象フラグの設定に応じて、ステップS709の処理にて書込オフセットアドレスを設定し、仮画像バッファ132Aに部品画像を配置して仮画像を作成するか、フレームバッファ132Bに部品画像や仮画像を描画して表示画像を生成するかを選択して実行することができる。したがって、画像データの読出位置が画像データメモリ131と仮画像バッファ132Aのいずれに含まれるかにかかわらず、また、画像データの書込位置が仮画像バッファ132Aとフレームバッファ132Bのいずれに含まれるかにかかわらず、共通の処理を実行して、仮画像の作成や表示画像の生成(描画)を行うことができる。
演出制御用CPU120が図12に示すような演出制御処理を実行することで出力された表示制御指令に応じて、VDP130が図13に示すような画像データ処理を実行し、仮画像の作成や表示画像の生成(描画)が行われる。図11に示すような画像読出制御データに含まれる画像指定情報により部品画像IDが指定され、仮画像対象フラグ情報により仮画像対象フラグがオフ状態に設定される場合には、画像データメモリ131から読み出した部品画像をフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画することができる。画像指定情報により部品画像IDが指定され、仮画像対象フラグ情報により仮画像対象フラグ情報がオン状態に設定される場合には、画像データメモリ131から読み出した部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置することにより、仮画像を作成することができる。画像指定情報により仮画像が指定され、仮画像対象フラグ情報により仮画像対象フラグがオフ状態に設定される場合には、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域から読み出した仮画像をフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画することができる。演出制御用CPU120は、VDP130からVブランク割込信号が出力されるごとに、複数種類の部品画像や仮画像を用いて表示画像を生成するための画像読出指令を含む一連の指令を時系列的に記述して画像処理の手順を規定するディスプレイリストを作成し、VDP130に対して発行してもよい。こうして、例えば画像表示装置5のフレーム周期といった、所定周期に同期して仮画像の作成や表示画像の生成(描画)を行うことができる。
ディスプレイリストの一部または全部を、画像データメモリ131に予め格納しておき、演出制御用CPU120は、Vブランク割込信号の出力に応じて、いずれかのディスプレイリストを指定してVDP130に表示画像を生成させてもよい。例えば図11に示すような画像読出制御データのうち、仮画像対象フラグ情報により仮画像対象フラグがオン状態に設定される部品画像を指定するデータや画像指定情報により仮画像を指定するデータの一部または全部については、仮画像作成用または仮画像描画用のディスプレイリストを画像データメモリ131に予め記憶しておき、演出制御用CPU120からの表示制御指令に応じて、VDP130が仮画像の作成や描画を行うための処理をサブルーチンとして実行してもよい。この場合、演出制御用CPU120が発行するディスプレイリストは、画像データメモリ131に予め記憶されている仮画像作成用または仮画像描画用のディスプレイリストを取得するためのジャンプ指令となる表示制御指令を含んでいればよい。VDP130は、演出制御用CPU120により作成されたディスプレイリストにおいてジャンプ指令となる表示制御指令が記述されたジャンプ部分で、画像データメモリ131に記憶されている仮画像作成用または仮画像描画用のディスプレイリストに基づくサブルーチンを取得し、そのサブルーチンに従って仮画像の作成や描画の一部または全部を実行してもよい。
仮画像バッファ132Aの一時記憶領域を用いて作成される仮画像は、画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像を配置したものであり、1つの撮影装置(例えばテレビカメラなど)で撮影された映像信号で示される単一の動画像などとは異なる。複数種類の部品画像を配置する順序や大きさ、位置などは、例えば演出制御パターンの表示制御データに含まれる画像読出制御データにより設定され、時間経過に伴い更新される演出制御プロセスタイマ値などに応じて変化させることができる。仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に格納されている仮画像は、画像データメモリ131から読み出された部品画像と同様に、1の表示対象画像として各種の変形処理などを実行できればよい。このような変形処理の一例として、VDP130は、アトリビュート情報に示される表示倍率で仮画像を拡大または縮小してから、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。
図14(A)は、仮画像を縮小表示する場合における設定の一例となる仮画像縮小表示設定例を示している。以下に示す設定例において、画像指定情報により指定される部品画像または仮画像を表示する期間は、「シーン表示期間」として、画像表示装置5の画面上で更新表示されるフレーム数で示される。画像表示装置5は、例えば1/60秒といったフレーム周期毎に1フレーム分の画像を更新表示する。この例では、1秒で60フレーム分の画像が更新表示されることになる。
図14(A)に示す設定例では、仮画像の表示を開始してから600フレームまでの10秒間において、画像読出制御データに含まれるアトリビュート情報により、仮画像の表示倍率が縦1.0×横1.0に設定される。この期間では、初期の通常表示が行われ、仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像が、拡大または縮小されることなくフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。
初期の通常表示に続く1200フレームの20秒間では、画像読出制御データに含まれるアトリビュート情報により、仮画像の表示倍率が縦0.9×横0.9に設定される。この期間では、仮画像の縮小表示が行われ、仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像が、縦0.9×横0.9の表示倍率で縮小されてフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。VDP130は、画像データメモリ131から読み出した複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像を作成するときには各々の部品画像を拡大または縮小せずに、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域から読み出された仮画像を、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画するときに、アトリビュート情報で指定された表示倍率で拡大または縮小すればよい。このように、複数種類の部品画像を配置して作成された仮画像を所定倍率で拡大または縮小してから、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画することにより、仮画像を構成する複数種類の部品画像を個別に拡大または縮小することなく、複数種類の部品画像を一括して拡大または縮小することができ、表示画像の一部または全部を拡大または縮小する変形処理の負担増大を防止できる。なお、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置される複数種類の部品画像のうち、一部の部品画像をアトリビュート情報で指定された表示倍率で拡大または縮小してから、一時記憶領域に配置してもよい。
縮小表示に続く300フレームの5秒間では、画像読出制御データに含まれるアトリビュート情報により、仮画像の表示倍率が縦1.0×横1.0に設定される。この期間では、通常表示に復帰して、仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像が、拡大または縮小されることなくフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。
このように、画像指定情報により指定される仮画像を表示するシーン表示期間として複数の期間が設けられ、各期間に応じて異なる表示倍率で仮画像を拡大または縮小して描画してもよい。こうした複数の期間のうちには、仮画像を所定倍率で拡大または縮小してから描画する期間と、仮画像を拡大または縮小せずに描画する期間とが含まれていてもよい。
仮画像を拡大または縮小するときには、アトリビュート情報により指定される表示座標が同じであっても、拡大または縮小の前後において、仮画像のうち一部の表示位置が変化することがある。例えばアトリビュート情報により指定される表示座標が仮画像の左上部の表示位置を示す場合、仮画像を拡大するときには、仮画像の下部に含まれる画素の表示位置が画像表示装置5の表示領域における下方向へと変化し、仮画像の右部に含まれる画素の表示位置が画像表示装置5の表示領域における右方向へと変化する一方、仮画像を縮小するときには、仮画像の下部に含まれる画素の表示位置が画像表示装置5の表示領域における上方向へと変化し、仮画像の右部に含まれる画素の表示位置が画像表示装置5の表示領域における左方向へと変化する。これらの場合、仮画像における一部の画素に着目すれば、それらの画素が移動表示されているようにもみえる。しかしながら、こうした表示位置の変化は、仮画像の変形処理によるものであり、仮画像を移動表示することによるものではない。したがって、仮画像の変形処理が行われる場合には、仮画像における少なくとも一部の画素について表示位置が同一(変化なし)であれば、仮画像は移動表示されていないものとしてもよい。あるいは、少なくとも一部の画素について表示位置が同一であっても、例えばアトリビュート情報により指定される表示座標といった、予め定められた基準画素の表示位置が変化する場合には、仮画像は移動表示されているとしてもよい。
図14(A)に示す設定例では、仮画像の表示倍率を縦0.9×横0.9に設定することで、仮画像の縮小表示が行われる。このように、仮画像を縦方向と横方向に同一の表示倍率で拡大または縮小して、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画されてもよい。あるいは、仮画像の表示倍率を縦方向と横方向とで異なる倍率に設定してもよい。例えば、仮画像の表示倍率のうち、縦方向の表示倍率は通常倍率の1.0に維持する一方、横方向の表示倍率を通常倍率の1.0から段階的に減少させ、最終的に0.0となるように設定することで、仮画像の表示が横方向に潰されて最終的には消去されるような表示演出が行われるようにしてもよい。縦方向と横方向の表示倍率を入れ替えて、仮画像の表示が縦方向に潰されて最終的には消去されるような表示演出が行われるようにしてもよい。また、縦方向または横方向の表示倍率を0.0から段階的に増加させ、最終的に通常倍率の1.0となるように設定することで、仮画像の表示が縦方向または横方向に潰された状態から次第に出現するような表示演出が行われるようにしてもよい。第1の仮画像について、縦方向または横方向の表示倍率を通常倍率から0.0まで段階的に減少させた後、第1の仮画像とは異なる第2画像について、縦方向または横方向の表示倍率を0.0から通常倍率まで段階的に増加させることで、仮画像が縦方向または横方向に回転して、第1の仮画像から第2の仮画像へと切り替わるような表示演出が行われるようにしてもよい。
仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に格納されている仮画像は、画像データメモリ131から読み出された部品画像と同様に、1の表示対象画像として表示座標を変更できればよい。このような表示座標を変更する処理の一例として、VDP130は、アトリビュート情報に示される表示座標の時間経過に伴う変化に応じて、仮画像の表示位置を移動させる。
図14(B)は、仮画像を揺動表示する場合における設定の一例となる仮画像揺動表示設定例を示している。図14(B)に示す設定例では、複数のシーン表示期間に応じて、仮画像の表示座標が横方向(X軸方向)に変化するように設定される。例えば表示座標が(0,0)の場合を基準位置とした場合、アトリビュート情報により指定された表示座標が(x1,0)や(x2,0)となるときには、仮画像の移動表示が行われ、仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像の描画位置を、基準位置よりも右方向にx1ドットまたはx2ドットだけ変更してフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。一方、アトリビュート情報により指定された表示座標が(−x1,0)や(−x2,0)となるときにも、仮画像の移動表示が行われ、仮画像バッファ132Aから読み出された仮画像の描画位置を、基準位置よりも左方向にx1ドットまたはx2ドットだけ変更してフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。
VDP130は、画像データメモリ131から読み出した複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像を作成するときには各々の部品画像の配置位置を変更せずに、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域から読み出された仮画像を、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画するときに、アトリビュート情報で指定された表示座標に変更すればよい。このように、複数種類の部品画像を配置して作成された仮画像の描画位置を時間経過に伴い変更して、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画することにより、仮画像を構成する複数種類の部品画像について描画位置を個別に変更することなく、それらの描画位置を一括して変更することができ、表示画像の一部または全部について描画位置を変更する移動処理などの負担増大を防止できる。なお、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置される複数種類の部品画像のうち、一部の部品画像をアトリビュート情報で指定された表示座標に対応して配置位置を変更して、一時記憶領域に配置してもよい。
図14(B)に示す設定例では、仮画像の描画位置を、時間経過に伴い基準位置よりも右方向へと最大x2ドットまで段階的に移動させた後に基準位置へと戻し、さらに基準位置よりも左方向へと最大x2ドットまで段階的に移動させた後に基準位置へと戻すように変更して、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。このように、仮画像の描画位置は、例えば右方向と左方向のような予め定められた順方向と逆方向とに同一の対向変更量だけ所定の揺動周期で交互に変更されてもよい。これにより、仮画像を揺動させるような表示演出を実行することができる。なお、順方向と逆方向とに同一の対向変更量だけ変更されるものに限定されず、順方向と逆方向とのうち一方が他方よりも多い偏向変更量だけ変更されるものであってもよい。あるいは、順方向と逆方向とに変更されるものに限定されず、描画位置の軌跡が所定の円形状や螺旋状、円弧状、その他の任意の形状となるように変更されるものでもよい。仮画像の描画位置を時間経過に伴い順方向と逆方向とに段階的に変更するものに限定されず、1の対向変更量で交互に変更するものでもよい。アトリビュート情報による表示座標の指定に応じて、仮画像を揺動させる方向や軌跡、周期、変更量(振幅など)の一部または全部を設定できればよい。複数のシーン表示期間を含んだ複数種類の演出実行期間に応じて、仮画像を揺動させる方向や軌跡、周期、変更量(振幅など)の一部または全部を異ならせてもよい。画像データメモリ131から読み出した部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する場合と、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置してからフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する場合とに応じて、画像を揺動させる方向や軌跡、周期、変更量(振幅など)の一部または全部を異ならせてもよい。
図14(B)に示す設定例では、仮画像の表示座標が(0,0)の基準位置となるシーン表示期間を1フレーム分の期間とし、右方向や左方向といった順方向と逆方向とに描画位置を変更するシーン表示期間を複数フレーム分(2フレーム分または4フレーム分)の期間としている。このように、仮画像の表示座標に応じてシーン表示期間となるフレーム数を異ならせてもよい。あるいは、仮画像の表示座標にかかわらずシーン表示期間を1フレーム分の期間として、各フレームで仮画像の描画位置を変更してもよい。あるいは、仮画像の表示座標にかかわらずシーン表示期間を複数フレーム分の期間として、複数フレームの単位で仮画像の描画位置を変更してもよい。
画像データメモリ131から読み出された部品画像は、画像読出制御データに含まれる仮画像作成対象フラグ情報で設定される仮画像作成フラグの状態(オフ状態またはオン状態)に応じて、フレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画されることもあれば、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像の作成に用いられることもある。部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置するか否かの設定は、部品画像の種類(表示による報知内容など)に応じて、異ならせてもよい。どの種類の部品画像をフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画するかは、演出制御パターンの表示制御データに含まれる画像読出制御データなどにより、予め設定されていればよい。例えば、画像表示装置5の表示領域に設けられた第4図柄表示エリア5I、5Jに表示される第4図柄に対応する部品画像や、保留数表示エリア5Kに表示される可変表示の保留数(特図保留記憶数)に対応する部品画像などは、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。
図15(A)は、第4図柄の部品画像を描画する場合における設定の一例となる第4図柄用描画設定例を示している。図10に示すように、第4図柄に対応する部品画像として、部品画像IDがBG0101である第4図柄A、BG0102である第4図柄B、BG0103である第4図柄Cなどが予め用意されている。図15(A)に示す設定例では、30フレームのシーン表示期間(0.5秒間に相当)が経過するごとに、部品画像IDがBG0101である第4図柄Aと、部品画像IDがBG0102である第4図柄Bとを交互に描画することで、第4図柄の可変表示を行うものとしている。この場合、第4図柄に対応する部品画像はいずれも、仮画像対象フラグがオフ状態に設定される。したがって、図13に示すステップS709の処理では、部品画像データの書込位置がフレームバッファ132Bに含まれることになり、画像データメモリ131から読み出された部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。
特図ゲームと同期して可変表示される表示図柄の部品画像のうち、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄の部品画像については、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像の作成に用いられるようにしてもよい。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、例えば飾り図柄を拡大または縮小して表示することや、飾り図柄の種類や表示色を変更して表示することから、各種の表示演出に対応する演出画像と同様に、仮画像を作成してから描画による表示画像の生成が行われればよい。一方、第4図柄表示エリア5I、5Jでは、飾り図柄のような変化に富んだ表示が実行されず、可変表示の状態を遊技者が確実に認識できるように、特図ゲームの実行などに対応して定期的に表示態様が変化する状態表示が実行されればよい。そこで、可変表示される表示図柄の部品画像のうち、第4図柄表示エリア5I、5Jにて可変表示の状態を示す状態表示に使用される第4図柄の部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。このように、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画される部品画像は、仮画像の変形処理や移動処理が行われるときでも、変形処理や移動処理の影響を受けずに表示することができる。これにより、第4図柄表示エリア5I、5Jにおける第4図柄を用いた状態表示の視認性を高めて、可変表示の状態を遊技者が確実に認識することができる。
図15(B)は、保留表示の部品画像を描画する場合における設定の一例となる保留表示用描画設定例を示している。図10に示すように、保留数表示エリア5Kにて可変表示の保留数を示す数字の保留表示に対応する部品画像として、部品画像IDがBG0111である保留表示(数字)A、BG0112である保留表示(数字)B、BG0113である保留表示(数字)Cなどが予め用意されている。図15(B)に示す設定例では、6フレームのシーン表示期間(0.1秒間に相当)が経過するごとに、保留表示に対応する部品画像の表示が更新される。より具体的には、6フレームのシーン表示期間が2回経過するまでは、部品画像IDがBG0111である部品画像を描画することで、可変表示の保留数が「0」であることを示す保留表示が行われる。その後、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過する始動入賞が発生したことに対応して、6フレームのシーン表示時間にて部品画像IDがBG0112である部品画像を描画することで、可変表示の保留数が「1」であることを示す保留表示が行われる。さらに、始動入賞の発生に対応して特別図柄や飾り図柄、第4図柄の可変表示が開始されることに伴い、可変表示の保留数が「0」となり、これに応じて部品画像IDがBG0111である部品画像が描画され、可変表示の保留数が「0」となったことを示す保留表示が行われる。この場合、数字の保留表示に対応する部品画像はいずれも、仮画像対象フラグがオフ状態に設定される。したがって、図13に示すステップS709の処理では、部品画像データの書込位置がフレームバッファ132Bに含まれることになり、画像データメモリ131から読み出された部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。
保留表示の部品画像のうち、始動入賞記憶表示エリア5Hにて可変表示の保留数に対応する個数の演出画像を表示するための部品画像については、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して仮画像の作成に用いられるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば1または複数の表示部位を通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性を予告する「保留表示」の先読み予告演出が実行されればよい。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、こうした先読み予告演出に対応する演出画像の表示などが行われることから、各種の表示演出に対応する演出画像と同様に、仮画像を作成してから描画による表示画像の生成が行われればよい。一方、保留数表示エリア5Kでは、先読み予告演出のような表示演出が実行されず、可変表示の保留数を遊技者が確実に認識できるように、一定の表示状態が維持されればよい。そこで、保留表示の部品画像のうち、保留数表示エリア5Kにて可変表示の保留数を示す数字の保留表示に対応する部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。これにより、保留数表示柄エリア5Kにおける保留表示の視認性を高めて、可変表示の保留数を遊技者が確実に認識することができる。
第4図柄の部品画像や保留表示の部品画像を描画する場合以外でも、予め定められた部品画像をフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画する場合があってもよい。例えばパチンコ遊技機1における異常の発生を報知するエラー表示の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bのような操作手段による所定の指示操作を指示する操作指示表示の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。遊技球を所定の遊技領域に向けて打ち込むよう遊技者に指示する発射指示表示(例えば右側の遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう指示する右打ち指示表示など)の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。また、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでに、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態となる可能性(大当り信頼度)を予告する複数種類の予告演出が実行される場合において、予告演出の種類や演出態様に応じて、対応する部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置するか否かの設定を異ならせてもよい。例えば予告演出として、キャラクタ表示予告、カットイン表示予告、ステップアップ表示予告の一部または全部を組み合わせて実行するものとする。キャラクタ表示予告は、飾り図柄の可変表示中に予め定めたキャラクタを示す演出画像を表示して、表示されたキャラクタの種類や表示態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する。カットイン表示予告は、飾り図柄の可変表示中に予め定めた演出画像をカットイン表示して、表示された演出画像の種類や表示態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する。ステップアップ表示予告は、予め定められた順番に従って所定のキャラクタや、その他の演出画像を、1段階から複数段階まで段階的に変化可能に表示して、表示を変化させた段階数や表示態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する。
キャラクタ表示予告のうち、例えば背景画像の絵柄にあわせてミニキャラを表示するミニキャラ表示予告の部品画像は、背景画像の部品画像とともに仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して、仮画像を作成してからフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。一方、キャラクタ表示予告のうち、例えば背景画像の絵柄とは独立して所定のメッセージ報知を伴うキャラクタ表示予告の部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。カットイン表示予告のうち、例えば背景画像に代えてアニメーション表示を行うカットイン表示予告の部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して、仮画像を作成してからフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。一方、カットイン表示予告のうち、例えば文字画像の表示によるメッセージ報知を伴うカットイン表示予告の部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。ステップアップ表示予告のうち、例えば背景画像の絵柄にあわせてキャラクタ表示やアニメーション表示を段階的に変化させるステップアップ表示予告の部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置して、仮画像を作成してからフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。一方、ステップアップ表示予告のうち、例えば文字画像の表示によるメッセージ報知を伴うステップアップ表示予告の部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に直接描画してもよい。
複数のシーン表示期間のうちには、仮画像の作成が行われる特定の期間と、仮画像の作成が行われない非特定の期間とが設けられてもよい。このような仮画像の作成が行われる期間の一例として、例えば所定のリーチ演出といった、特定演出が実行される特定演出期間にて、複数種類の部品画像を配置することにより仮画像を作成する一方、特定演出期間以外の期間では、仮画像を作成せずに部品画像を描画する。
図16は、特定演出期間であるか否かに応じて、仮画像を作成するか否かを切り替える場合における設定の一例となる仮画像作成切替設定例を示している。図16に示す設定例では、飾り図柄などの可変表示が開始されてから360フレームまでの変動開始期間(6秒間)において、画像指定情報により部品画像IDが指定される部品画像はいずれも、仮画像対象フラグがオフ状態に設定される。したがって、画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像を、いずれも仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。その後、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことなどに基づいて、変動開始期間に続く720フレームの特定演出期間(12秒間)となる。特定演出期間では、画像指定情報により部品画像IDが指定される部品画像はいずれも、仮画像対象フラグがオン状態に設定される。したがって、画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像を、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置することにより仮画像を作成する。そして、画像指定情報により仮画像が指定されたことに対応して、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に格納されている仮画像が読み出され、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。特定演出期間に続く600フレームの変動減速停止期間(10秒間)では、変動開始期間と同様に、仮画像対象フラグがオフ状態に設定される。したがって、画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像を、いずれも仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。こうして、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づくリーチ演出が実行される期間といった、特定演出期間では、仮画像を作成してから描画による表示画像の生成が行われる。一方、変動開始期間や変動減速停止期間といった特定演出期間以外の期間では、仮画像を作成せずに描画による表示画像の生成が行われる。
特定演出期間は、複数回の可変表示にわたる期間であってもよいし、1回の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの一部の期間であってもよい。複数回の可変表示にわたる期間として、パチンコ遊技機1における演出状態が予め定められた特定の演出モードに移行したときに、特定演出期間が開始されてもよい。その後、複数回の可変表示が実行されて特定の演出モードが終了するときに、特定演出期間も終了すればよい。1回の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの一部の期間として、例えば予め定められた予告演出やリーチ演出が実行されるときに、特定演出期間であるとして、仮画像の作成が行われるようにしてもよい。予告演出やリーチ演出が実行される期間の一部にて、例えば予め定められた特定の演出画像が表示されるときに、特定演出期間であるとして、仮画像の作成が行われるようにしてもよい。
仮画像バッファ132Aには、画像表示装置5の表示領域(1画面分)に相当する画像サイズを有する仮画像が格納される。そのため、仮画像を縮小表示する場合や、仮画像を拡大または縮小せずに表示座標を基準位置の(0,0)とは異なる位置に変更した場合には、画像表示装置5の表示領域において仮画像が表示されない余り領域(残余領域)が生じることになる。こうした余り領域を生じさせないために、仮画像の画像サイズを画像表示装置5の表示領域よりも大きなものとすることも考えられる。しかし、仮画像の画像サイズを大きくすると、画像データの容量が増大し、仮画像を用いた画像処理の処理負担も増大するおそれがある。そこで、このような余り領域には、例えば他の部品画像といった、予め用意された特定画像を表示することで、仮画像の画像データの容量増大を防止しつつ、画面表示の違和感を軽減できればよい。
図17(A)は、仮画像を縮小表示するときの余り領域に他の部品画像を表示させる場合における設定の一例となる縮小時重複表示設定例を示している。図17(A)に示す設定例では、仮画像の表示を開始してから600フレームまでの10秒間において、図14(A)に示された仮画像縮小表示設定例と同様に、仮画像の表示倍率が縦1.0×横1.0に設定される。その後、仮画像の縮小表示が行われる期間では、図10に示すような部品画像IDがBG0021である背景画像Aを縦1.0×横1.0の表示倍率で拡大または縮小せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画してから、仮画像が縦0.9×横0.9の表示倍率で縮小されてフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。背景画像Aは、縦1.0×横1.0の表示倍率であるときに、画像表示装置5の表示領域と同一の画像サイズを有し、基準位置である(0,0)を表示座標に設定することで、画像表示装置5の画面全体に表示できる画像であればよい。このような背景画像Aに仮画像を重複して描画することで、仮画像が表示されない余り領域には、背景画像Aの一部を表示させることができる。
図17(B)は、仮画像を揺動表示するときの余り領域に他の部品画像を表示させる場合における設定の一例となる揺動時重複表示設定例を示している。図17(B)に示す設定例では、仮画像の表示座標を変化させる複数のシーン表示期間において、部品画像IDがBG0021である背景画像Aを縦1.0×横1.0の表示倍率で拡大または縮小せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画してから、仮画像の描画位置を基準位置から変更させてフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。このように、背景画像Aに仮画像を重複して描画することで、仮画像が画像表示装置5の表示領域と同一の画像サイズである場合に仮画像を揺動表示したときに、仮画像が表示されない余り領域には、背景画像Aの一部を表示させることができる。
このように、仮画像を縮小表示または揺動表示するときには、例えば画像表示装置5の表示領域と同じ画像サイズを有する背景画像といった、所定の部品画像を基準位置である(0,0)の表示座標に表示させるように描画を行ってから、縮小表示または揺動表示させる仮画像を重複して描画すればよい。これにより、画像表示装置5の表示領域において仮画像が表示されない余り領域には、仮画像とは異なる所定の部品画像を表示させることで、仮画像の縮小表示や揺動表示が行われるに際して画面表示の違和感を軽減することができる。
仮画像を揺動表示するときには、その仮画像を揺動させる順方向側と逆方向側とにそれぞれ当接して、仮画像を反転表示(通常表示による仮画像における順方向側と逆方向側とを反転させて表示)するように、仮画像バッファ132Aやフレームバッファ132Bにおけるデータ読出手順やデータ書込手順を設定してもよい。例えば仮画像バッファ132Aから読み出した仮画像をフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画するときに、通常表示される仮画像の順方向側と逆方向側とにそれぞれ当接して、その仮画像を順方向側と逆方向側とで反転させて描画する。例えば仮画像バッファ132Aからのデータ読出手順は通常表示の仮画像と反転表示の仮画像とで同一手順にする一方で、フレームバッファ132Bに対するデータ書込手順は通常表示の仮画像と反転表示の仮画像とでは異なる手順にする。より具体的には、仮画像を水平方向に揺動させる場合に、仮画像を通常表示するときと比べて水平方向のデータ書込手順を逆の手順にすれば、仮画像における左方向側と右方向側とを反転させた反転表示を行うための表示画像を生成できる。仮画像を垂直方向に揺動させる場合には、仮画像を通常表示するときと比べて垂直方向のデータ書込手順を逆の手順にすれば、仮画像における上方向側と下方向側とを反転させた反転表示を行うための表示画像を生成できる。
仮画像を縮小表示や揺動表示するときの余り領域には、背景画像の他に、例えば所定の画像枠を示す演出画像が表示されてもよい。あるいは、背景画像とは異なる単一色の演出画像が表示されてもよい。あるいは、所定のメッセージを報知する文字画像といった、報知用の演出画像が表示されてもよい。メッセージを報知する文字画像を用いて、あるいは文字画像とは異なる演出画像を用いて、余り領域における演出画像の表示により可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出が実行されてもよい。あるいは、画像表示領域5の表示領域と同一の画像サイズで仮画像を基準位置である(0,0)の表示座標に表示させるように描画を行ってから、縮小表示または揺動表示させる仮画像を重複して描画するようにしてもよい。このように、仮画像を縮小表示や揺動表示するときの余り領域には、任意の画像を表示するものであればよい。
図18は、仮画像の縮小表示による演出実行例を示している。この演出実行例では、図18(A)に示すような「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の可変表示が行われているときに、キャラクタCH1を示す演出画像が表示されて特定演出期間となる。このときには、仮画像の表示倍率が縦1.0×横1.0の通常倍率に設定されている。VDP130は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄の部品画像や始動入賞記憶表示エリア5Hに表示される保留表示の部品画像、キャラクタCH1の部品画像などを、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置することにより、仮画像KG1を作成する。そして、アトリビュート情報により指定される表示倍率に応じて、仮画像を縮小してからフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。一方、第4図柄表示エリア5I、5Jにて可変表示される第4図柄の部品画像や、保留数表示エリア5Kにて可変表示の保留数を示す数字の保留表示に対応する部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。
例えば図18(B)に示すように、仮画像KG1の表示倍率を縦0.85×横0.85に設定することで、仮画像KG1を縮小してから出力画像領域に描画する。さらに、例えば図18(C)に示すように、仮画像KG1の表示倍率を縦0.7×横0.7に設定することで、仮画像KG1を縮小してから出力画像領域に描画する。このように、仮画像KG1の表示倍率を徐々に減少させて、仮画像KG1を段階的に縮小して表示する表示演出が行われる。一方、第4図柄表示エリア5I、5Jにて可変表示される第4図柄の部品画像や、保留数表示エリア5Kにて可変表示の保留数を示す数字の保留表示に対応する部品画像は、仮画像KG1に含まれていないので、縮小表示の対象とされずに特定演出期間以外の期間と同様の表示が維持される。
図18(C)に示すような仮画像KG1の縮小表示が行われたときには、画像表示装置5の表示領域において仮画像KG1が表示されない余り領域に、「ニュース!」や「激アツ」といったメッセージを報知する演出画像MS1を表示させる。このような演出画像MS1を表示する予告演出を実行することで、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことなどを予告できればよい。
図19は、仮画像の揺動表示による演出実行例を示している。この演出実行例では、図19(A)に示すような「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の可変表示が行われているときに、キャラクタCH1を示す演出画像が表示されて特定演出期間となる。このときには、仮画像の表示座標が(0,0)の基準位置に設定されている。VDP130は、背景画像に対応する部品画像や「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄の部品画像、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示される保留表示の部品画像、キャラクタCH1の部品画像などを、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置することにより、仮画像KG2を作成する。そして、アトリビュート情報により指定される表示座標に応じて、仮画像の描画位置を時間経過に伴い変更してフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。一方、第4図柄表示エリア5I、5Jにて可変表示される第4図柄の部品画像や、保留数表示エリア5Kにて可変表示の保留数を示す数字の保留表示に対応する部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。
例えば19(B)に示すように、仮画像の表示座標を(u1,v1)に設定することで、仮画像KG2の表示位置が通常よりも上側に移動するように描画位置を変更して出力画像領域に描画する。さらに、例えば図19(C)に示すように、仮画像の表示座標を(u2,v2)に設定することで、仮画像KG2の表示位置が通常よりも下側に移動するように描画位置を変更して出力画像領域に描画する。このように、時間経過に伴い仮画像KG2の表示位置を移動させて、仮画像KG2が揺動するように表示する表示演出が行われる。一方、第4図柄表示エリア5I、5Jにて可変表示される第4図柄の部品画像や、保留数表示エリア5Kにて可変表示の保留数を示す数字の保留表示に対応する部品画像は、仮画像KG1に含まれていないので、揺動表示の対象とされずに特定演出期間以外の期間と同様の表示が維持される。
仮画像KG2の表示位置を基準位置とは異なる位置に変更するときには、仮画像KG2が基準位置である(0,0)の表示座標に配置されるように描画を行ってから、基準位置とは異なる位置に配置される仮画像KG2を重複して描画する。こうして、画像表示装置5の表示領域において基準位置とは異なる位置に配置される仮画像KG2が表示されない余り領域に、仮画像KG2の一部を表示させる。これにより、仮画像KG2の揺動表示が行われるに際して画面表示の違和感を軽減することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、図14(A)に示すような設定による仮画像の縮小表示と、図14(B)に示すような設定による仮画像の揺動表示とが実行可能であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、仮画像の変形処理と移動処理のいずれか一方のみを実行するものであってもよい。例えば、複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置することにより仮画像を作成し、所定倍率で仮画像を拡大または縮小してから、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画するものであればよい。あるいは、複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置することにより仮画像を作成し、仮画像の描画位置を時間経過に伴い変更して、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画するものであればよい。
仮画像の変形処理を行って描画する場合には、所定倍率で仮画像を拡大または縮小してから描画するものに限定されず、例えば仮画像をテクスチャとして所定のポリゴンに貼り付けるものとし、ポリゴンの大きさや形状に応じて仮画像を変形して描画するものであってもよい。この場合、ポリゴンの形状や大きさを決定する複数のベクトル(例えば第1ベクトルおよび第2ベクトル)の情報を、アトリビュート情報などに含めて設定し、ベクトルの方向および大きさに応じてポリゴンの形状や大きさが決定されればよい。そして、仮画像の第1座標軸(例えばX軸)が第1ベクトルに一致し、仮画像の第2座標軸(例えばY軸)が第2ベクトルに一致するように、仮画像がポリゴンに貼り付けられてもよい。また、例えば仮画像を仮想3次元空間内に配置し、この仮想3次元空間における所定の視点を基準としたスクリーン座標系に変換する座標変換処理を実行することで、仮画像を変形させてもよい。
仮画像の移動処理を行って描画する場合には、予め定められた順方向と逆方向とに所定周期で交互に描画位置を変更して揺動表示を行うものや、描画位置の軌跡が所定形状となるように変更されるものに限定されず、例えば仮画像を回転移動して描画するものであってもよい。また、例えば仮画像の描画位置を一定方向に継続して変更することで、仮画像をスクロール表示するものであってもよい。
上記実施の形態における仮画像の変形処理や移動処理による表示演出は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されて可変表示が終了するまでの所定期間にて実行されてもよいし、例えば大当り遊技状態が開始されるときや、大当り遊技状態に制御されているとき、大当り遊技状態が終了するとき、デモンストレーション画面を表示しているとき、パチンコ遊技機1における遊技や演出の進行状況に応じて予め定められたその他の所定期間にて、こうした表示演出を実行することができるように構成されていればよい。
上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも少なくとも一部を適用することができる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の少なくとも一部を備えるように構成されていればよい。具体的には、複数種類の部品画像を一時記憶領域に配置することにより仮画像を作成し、所定倍率で仮画像を拡大または縮小してから出力画像領域に描画したり、仮画像の描画位置を時間経過に伴い変更して出力画像領域に描画したりするように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、画像データメモリ131から読み出された複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置することにより仮画像を作成し、アトリビュート情報に示される表示倍率で仮画像を拡大または縮小してから、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。これにより、仮画像を構成する複数種類の部品画像を個別に拡大または縮小することなく、複数種類の部品画像を一括して拡大または縮小することができ、表示画像の一部または全部を拡大または縮小する変形処理の負担増大を防止しつつ多様な画像を表示できる。
また、複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置することにより仮画像を作成し、アトリビュート情報に示される表示座標に対応して仮画像の描画位置を時間経過に伴い変更して、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。これにより、仮画像を構成する複数種類の部品画像について描画位置を個別に変更することなく、複数種類の部品画像について描画位置を一括して変更することができ、表示画像の一部または全部について描画位置を変更する移動処理などの負担増大を防止しつつ多様な画像を表示できる。
一方、第4図柄表示エリア5I、5Jにて可変表示される第4図柄の部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。これにより、第4図柄表示エリア5I、5Jにおける第4図柄を用いた状態表示が、仮画像に対する変形処理や移動処理の影響を受けないようにして、状態表示の視認性を高め、可変表示の状態を遊技者が確実に認識することができる。
また、保留数表示エリア5Kにおける保留表示の部品画像は、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には配置せずにフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画される。これにより、保留数表示エリア5Kにおける保留表示が、仮画像に対する変形処理や移動処理の影響を受けないようにして、保留表示の視認性を高め、特図保留記憶数などを遊技者が確実に認識することができる。
例えば図16に示す特定演出期間のような特定期間にて、複数種類の部品画像を仮画像バッファ132Aの一時記憶領域に配置することにより作成された仮画像を、フレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する一方、図16に示す変動開始期間や変動減速停止期間のような特定期間以外の期間にて、複数種類の部品画像を画像データメモリ131から読み出してフレームバッファ132Bの出力画像領域に描画する。これにより、特定期間では仮画像の作成に使用される部品画像の一部または全部を、特定期間以外の期間では出力画像領域に直接描画して表示画像の生成に使用することができるので、記憶データの容量増大を抑制して画像表示における処理負担の増大を防止しつつ多様な画像を表示できる。
フレームバッファ132Bでは、図3(B)に示すような第1バッファ領域132B−1と第2バッファ領域132B−2とを、画像表示装置5のフレーム周期毎に描画用と表示用とで交互に切り替えて、ダブルバッファリングの機能を実現する。一方、仮画像バッファ132Aの一時記憶領域には、複数種類の部品画像を配置することにより作成された1フレーム分に相当する仮画像が格納される。これにより、画像の描画を適切に行いつつ一時記憶領域の容量増大を抑制して画像表示における処理負担の増大を防止できる。
例えば図17(A)に示す縮小時重複表示設定例や図17(B)示す揺動時重複表示設定例のように、仮画像が描画されない余り領域には、背景画像のような特定の部品画像を描画する。これにより、仮画像が描画されない余り領域における表示の違和感を軽減して、多様な画像を表示できる。
仮画像バッファ132Aの一時記憶領域から読み出した仮画像を、アトリビュート情報に示される表示倍率で拡大または縮小し、さらにアトリビュート情報に示される表示座標に対応して描画位置を時間経過に伴い変更して、フレームバッファ132Bの出力画像領域に仮画像を描画してもよい。これにより、仮画像を構成する複数種類の部品画像を個別に拡大または縮小することなく、また、仮画像を構成する複数種類の部品画像について描画位置を個別に変更することなく、複数種類の部品画像を一括して拡大または縮小し、複数種類の部品画像について描画位置を一括して変更することができ、表示画像の変形処理や移動処理などの負担増大を防止しつつ多様な画像を表示できる。
例えば図14(B)に示す仮画像揺動表示設定例のように、仮画像の描画位置を、予め定められた順方向と逆方向とに同一の対向変更量だけ所定周期で交互に変更して、フレームバッファ132Bの出力画像領域に仮画像を描画してもよい。これにより、仮画像を揺動させるような表示演出における処理負担の増大を防止しつつ多様な画像を表示できる。