以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域内の所定位置には、各々が識別可能な複数種類の特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する特別図柄表示装置4が設けられている。なお、特別図柄表示装置4の設置位置は、遊技領域内の所定位置に限定されず、遊技領域外の所定位置であってもよい。
図1に示すパチンコ遊技機1における遊技領域の中央位置には、例えば特別図柄とは異なる各々が識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄(「演出図柄」ともいう)を可変表示することや、飾り図柄とは異なる演出用の各種画像を表示することといった、複数種類の画像を表示することにより演出動作を行うために用いられる画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5の下方には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7や、普通図柄表示装置20が設けられている。
特別図柄表示装置4は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成されている。特別図柄表示装置4は、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、例えば「00」〜「99」を示す数字や「−−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。この特図ゲームは、例えば普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞により特別図柄を可変表示するための実行条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄を可変表示するための開始条件が成立したことに基づいて開始される。この実施の形態では、一例として、特別図柄表示装置4が「左」及び「右」の特別図柄可変表示部を備え、各特別図柄可変表示部において、「0」〜「9」を示す数値や「−」を示す記号等から構成される特別図柄の可変表示を行うものとする。各特別図柄可変表示部において可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数値のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されている。
画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。画像表示装置5の表示画面では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば「左」、「中」、「右」の3つに分割された表示領域としての可変表示部DL、DC、DRにて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、開始条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームに含まれる。
一例として、特別図柄表示装置4における特別図柄の可変表示が開始されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて、飾り図柄の可変表示(例えば切替表示やスクロール表示)を開始させ、その後、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出表示)される。また、「左」、「中」、「右」の各可変表示部は、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRでは、複数種類の飾り図柄として、数字とキャラクタとの組合せからなる演出画像が変動可能に表示される。一例として、図2に示すように、「1」〜「8」の番号を示す表示画像N1〜N8の部位と、各種の図形として表示画像N1〜N8の周縁部分(枠部分)に配置されるキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位とからなる合成画像A1〜A8を、図柄番号「1」〜「8」に対応した飾り図柄として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて可変表示することができる。この実施の形態において、飾り図柄を変動させる際には、図柄番号「1」〜「8」に対応した飾り図柄を示す合成画像A1〜A8を、「左」の可変表示部DLでは図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行い、「中」及び「右」の可変表示部DC、DRでは図柄番号が小さいものから大きいものへとスクロール表示を行う。「左」の可変表示部DLでは、図柄番号「1」に対応した飾り図柄を示す合成画像A1の表示に続いて、図柄番号「8」に対応した飾り図柄を示す合成画像A8の表示を行うことで、飾り図柄の連続的な変動表示が行われる。「中」及び「右」の可変表示部DC、DRでは、図柄番号「8」に対応した飾り図柄を示す合成画像A8の表示に続いて、図柄番号「1」に対応した飾り図柄を示す合成画像A1の表示を行うことで、飾り図柄の連続的な変動表示が行われる。
また、画像表示装置5には、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色あるいは非表示であった表示部位のうちの1つ(例えば青色あるいは非表示となっている表示部位のうち左端あるいは下端の表示部位)を赤色表示あるいは可視表示に変化させる。これに対して、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示あるいは可視表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色あるいは可視表示となっている表示部位のうち右端あるいは上端の表示部位)を青色表示あるいは非表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアとともに、あるいは特別図柄始動記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を設けるようにしてもよい。
普通図柄表示装置20は、例えば発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21(図3)によって検出されたことを実行条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド81(図3)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと進入した遊技球は、始動口スイッチ22(図3)によって検出され、その検出に基づき特別図柄や飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件(始動条件)が成立する。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば4個)の賞球の払い出しが行われる。
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3)によって入賞領域となる大入賞口を開放及び閉鎖制御する開閉板を備えて構成される。特別可変入賞球装置7にて開閉板により開放された大入賞口内へと遊技球が進入した場合には、カウントスイッチ23(図3)によって当該遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば「15」)の賞球の払出が行われる。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通可変入賞球装置6、特別可変入賞球装置7等)の周囲には装飾用LEDが設置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
普通図柄表示装置20による普通図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後、所定の当りパターンで表示が行われると、表示結果が「当り」となり(普通当り)、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置に制御(拡大開放制御)され、所定時間が経過すると垂直位置に制御(通常開放制御)される。
特別図柄表示装置4による特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「33」あるいは「77」を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−−」を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
特別図柄表示装置4による特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄「33」あるいは「77」となる場合には、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。大当り組合せの確定飾り図柄は、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部において予め定められた有効ライン上に、同一の飾り図柄が揃って停止表示されるものであればよい。一例として、有効ラインは、「左」、「中」、「右」の各可変表示部における上段のみ、中段のみ、下段のみからなる水平方向や、「左」の可変表示部における上段と「中」の可変表示部における中段と「右」の可変表示部における下段とからなる斜め方向、あるいは、「左」の可変表示部における下段と「中」の可変表示部における中段と「右」の可変表示部における上段とからなる斜め方向などに、予め定められていればよい。このような大当り組合せの確定飾り図柄は、大当り遊技状態に制御されることに対応した特定表示結果に含まれる。
特別図柄表示装置4による特図ゲームで大当り図柄「33」あるいは「77」が停止表示されたことや、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されたことに対応して制御される大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の開閉板が、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態とする。このように大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態とする。こうして大入賞口を第1状態となる開放状態としてから第2状態となる閉鎖状態とすることで、1回のラウンドが終了する。この実施の形態では、特図ゲームで大当り図柄「33」あるいは「77」が停止表示されたことや、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されたことに対応する特定遊技状態としての大当り遊技状態において、大入賞口の開閉サイクルとしてのラウンドを、所定回数(例えば「15」)に達するまで繰り返すことができる。
なお、特別可変入賞球装置7の開閉板は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に大当り遊技状態へと制御される以前までのような通常時には、大入賞口を閉鎖状態としている。大当り遊技状態において開放状態となった大入賞口に入賞して遊技盤2の背面に導かれた遊技球のうち一方の領域(V入賞領域;特別領域)に入ったものは所定のV入賞スイッチで検出された後にカウントスイッチ23で検出され、他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ23で検出されるようにしてもよい。この場合、遊技盤2の背面には、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイドが設けられていてもよい。そして、大当り遊技状態における最終ラウンド以外の各ラウンドでは、V入賞スイッチによって遊技球が検出されることが、次のラウンドへと移行できるための条件となるようにしてもよい。あるいは、V入賞領域を設けずに、大当り遊技状態における最終ラウンド以外の各ラウンドでは、常に次のラウンドへと移行できるようにしてもよい。
特別図柄表示装置4による特図ゲームで停止表示される大当り図柄「33」、「77」には、通常大当り図柄「33」と、確変大当り図柄「77」とが含まれている。画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数である「1」、「3」、「5」、「7」の飾り図柄を、確変大当り用の確変図柄とし、図柄番号が偶数である「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄を通常大当り用の通常図柄とする。
例えば、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて確定特別図柄が確変大当り図柄「77」となる場合には、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて設定された有効ライン上に、同一の確変図柄が揃って停止表示される確変大当り組合せの確定飾り図柄となる。こうして特図ゲームにおける可変表示結果として確変大当り図柄「77」が停止表示された場合には、特定表示結果のうち所定の特別表示結果に含まれる確変大当りとなる。また、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて確定特別図柄が通常大当り図柄「33」となる場合には、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて設定された有効ライン上に、同一の通常図柄が揃って停止表示される通常大当り組合せの確定飾り図柄となる。こうして特図ゲームにおける可変表示結果として通常大当り図柄「33」が停止表示された場合には、特定表示結果のうち特別表示結果には含まれない通常大当りとなる。このように、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる場合には、特別表示結果としての「確変大当り」となる場合と、特別表示結果以外の特定表示結果としての「通常大当り」となる場合とが含まれている。
可変表示結果が「確変大当り」となった場合には、その可変表示結果に対応した大当り遊技状態が終了した後、特別遊技状態の1つとして、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変遊技状態(高確率遊技状態)に移行する。この確変遊技状態では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常遊技状態よりも高くなるように向上する。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や確変遊技状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったときの状態)と同一に制御されている。さらに、確変遊技状態では、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定特別図柄が停止表示されるまでの時間である可変表示時間が、通常遊技状態よりも短くなるように制御される時間短縮制御(時短制御)も行われる。この実施の形態では、特図ゲームの実行回数にかかわらず、可変表示結果が大当りとなるまで、確変遊技状態が継続する。これに対して、確変遊技状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が大当りとなることのうち、いずれかの条件が成立したときに、確変遊技状態が終了するようにしてもよい。また、確変遊技状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が大当りとなる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変遊技状態が終了することがあるようにしてもよい。
可変表示結果が「通常大当り」となった場合には、その可変表示結果に対応した大当り遊技状態が終了した後、確変遊技状態とはならずに通常遊技状態となるように制御される。なお、可変表示結果が「通常大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、継続して時短制御が行われる時間短縮状態に移行するようにしてもよい。時間短縮状態では確変制御が行われず、各回の特図ゲームや飾り図柄の可変表示にて表示結果が「大当り」となる確率は、通常遊技状態と同一に制御される。例えば、時間短縮状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が大当りとなることのうち、いずれかの条件が成立したときに、時間短縮状態を終了して通常遊技状態に移行すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11や演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板14なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されていればよい。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントや各ドットの点灯/消灯制御を行って特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示を制御することや、普通図柄表示装置20の点灯/消灯/発色制御を行って普通図柄表示装置20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド81、82に対する駆動信号を出力するソレノイド回路102などが搭載されている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、カウントスイッチ23からの検出信号を受信するための配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。加えて、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御を行うための指令信号をソレノイド81に伝送する配線や、特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行うための指令信号をソレノイド82に伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、特別図柄表示装置4や普通図柄表示装置20の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号は、信号中継基板14によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板14に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板14を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板14から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板14の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板14には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して出力される制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から信号中継基板14への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、信号中継基板14において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
このような信号中継基板14を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図4は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図4に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4に示す例において、コマンド80XXHは、特別図柄表示装置4による特図ゲームとして特別図柄の可変表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXHは不特定の16進数であるであることを示し、演出制御コマンドによる指令内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターン、可変表示結果の種類(ハズレとなるか通常大当りとなるか確変大当りとなるか)などに応じて、異なるEXTデータが設定される。なお、可変表示開始コマンドのMODEデータは、特図保留記憶数などに基づいて決定される特別図柄や飾り図柄の可変表示時間に応じて、「80H」、「81H」、「82H」のいずれかが設定されるようにしてもよい。例えば、特図保留記憶数が「0」または「1」であるときには、MODEデータ「80H」を設定することにより、可変表示パターン#1のコマンド80XXHが送信される。これに対して、特図保留記憶数が「2」であるときには、MODEデータ「81H」を設定することにより、可変表示パターン#2のコマンド81XXHが送信される。また、特図保留記憶数が「3」または「4」であるときには、MODEデータ「82H」を設定することにより、可変表示パターン#3のコマンド82XXHが送信される。また、可変表示開始コマンドでは、可変表示パターンに応じて異なるEXTデータが設定され、可変表示開始コマンドとは異なる表示結果通知コマンドにより、可変表示結果がハズレとなるか通常大当りとなるか確変大当りとなるかといった、可変表示結果の種類を通知するようにしてもよい。
この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、通常ハズレパターンが複数種類用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後に大当り組合せまたはハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、リーチパターンが複数種類用意されている。
ここで、リーチとは、画像表示装置5にて導出表示した飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない飾り図柄(リーチ変動図柄という)については変動表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない有効ライン上の可変表示部において変動表示が行われている表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部DL、DC、DRのうち「左」、「右」の可変表示部DL、DRには大当り図柄の一部となる(例えば図柄番号が「7」の飾り図柄)が停止表示されている状態で「中」の可変表示部DCは未だ変動表示が行われている表示態様)、あるいは、「左」、「中」、「右」の可変表示部DL、DC、DRのうち全て又は一部にて、飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様である。また、リーチの際に、通常とは異なる演出がランプや音などで行われることがある。この演出をリーチ演出という。リーチの際には、画像表示装置5にて飾り図柄とは異なる演出表示における表示画像(例えば人物等を模した画像など)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動表示態様を変化させたりすることがある。この表示画像や背景画像の表示態様、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示という。リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
加えて、この実施の形態では、リーチ演出とは別に、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる以前に、飾り図柄となる合成画像A1〜A8のうちキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位に対応する演出画像が、画像表示装置5の画面上に表示されている飾り図柄に作用することによりリーチとするような演出表示が行われることがある。このような演出表示を、作用演出表示という。一例として、画像表示装置5における「左」と「右」の可変表示部DL、DRにて飾り図柄がリーチとならずに停止表示される一方で、「中」の可変表示部DCでは飾り図柄が変動しているときに、「左」の可変表示部DLに停止表示された飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかにおけるキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位に対応する演出画像が、合成画像A1〜A8から飛び出して番号を示す表示画像N1〜N8の部位と分離し、「右」の可変表示部DRにて停止表示されている飾り図柄に作用して再び変動(再変動)させてから、「右」の可変表示部DRに飾り図柄が停止表示してリーチとなる演出表示が行われる。
このように、キャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位が、対応する番号を示す表示画像N1〜N8の部位から分離して飾り図柄に作用するような演出を、分離演出という。この実施の形態では、番号を示す表示画像N1〜N8の部位から分離したキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位が、分離された番号を示す表示画像N1〜N8の部位とは異なる他の飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかに作用することによりリーチとする分離演出が行われるものとする。この分離演出にて、分離したキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位に対応する演出画像が飾り図柄に作用する演出表示は、動画像の再生表示によって行われるようにすればよい。
図4に示すコマンド9F00Hは、画像表示装置5において所定の画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ表示)をさせるためのデモ表示コマンドである。コマンドA000Hは、特別図柄や飾り図柄における可変表示結果の種類が、通常大当りや確変大当りといった大当りになったことに対応して、大当り遊技状態が開始されることを示す大当り開始コマンド(「ファンファーレコマンド」とも称される)である。なお、大当り開始コマンドでは、例えば特別図柄や飾り図柄における可変表示結果の種類を通常大当りと確変大当りのいずれとするかの特図事前決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定されるようにしてもよい。例えば、特図事前決定結果が通常大当りであるときにはEXTデータを「00H」に設定する一方で、特図事前決定結果が確変大当りであるときにはEXTデータを「01H」に設定するようにしてもよい。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの回数を示す大当りラウンド数通知コマンドである。大当りラウンド数通知コマンドでは、例えば大当り遊技状態において開始されるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定される。コマンドB000Hは、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドである。
図4に示すコマンドD0XXHは、画像表示装置5に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて入賞表示を行うために、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に入賞した有効入賞球数となる特図保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に対応して、異なるEXTデータが設定される。例えば特図保留記憶数が「0」であるときにはEXTデータを「00H」に設定し、特図保留記憶数が「1」であるときにはEXTデータを「01H」に設定し、特図保留記憶数が「2」であるときにはEXTデータを「02H」に設定し、特図保留記憶数が「3」であるときにはEXTデータを「03H」に設定し、特図保留記憶数が「4」であるときにはEXTデータを「04H」に設定すればよい。
図5は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)111と、ゲーム制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)112と、CPU111のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)113と、CPU111とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路114と、入出力ポート115とを備えて構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU111がROM112から読み出したプログラムを実行し、RAM113をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
乱数回路114は、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部を生成する回路である。図6は、主基板11の側において用いられる乱数値を例示する説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、可変表示パターン決定用の乱数値MR2、リーチ判定用の乱数値MR3が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR3の全部または一部を示す数値データが、乱数回路114にてカウントされればよい。また、乱数値MR1〜MR3の一部を示す数値データは、CPU111が乱数回路114とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に基づきパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態となるか否かの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果、及び特図ゲームに対応して画像表示装置5において行われる飾り図柄の可変表示結果が、大当りとなるかハズレとなるかの判定や、大当りとなる場合に通常大当りとなるか確変大当りとなるかの判定を、行うために用いられる。
可変表示パターン決定用の乱数値MR2は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる表示用の乱数値であり、例えば「1」〜「150」の範囲の値をとる。リーチ判定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合に、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「239」の範囲の値をとる。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM112には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルを構成するテーブルデータが格納されている。例えば、ROM112は、CPU111が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータを記憶する。また、ROM112は、CPU111が入出力ポート115を介して他の制御基板などに対して制御コマンドを送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータを記憶する。判定テーブルとしては、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとするかハズレとするかを判定するために参照される大当り判定テーブルや、ハズレとするときに飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために参照されるリーチ判定テーブルなどが含まれている。決定テーブルとしては、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定するために参照される可変表示パターン決定テーブルなどが含まれている。
ROM112に記憶される可変表示パターン決定テーブルは、例えば各可変表示パターンと、可変表示パターン決定用の乱数値MR2とを対応付けることにより、可変表示パターン決定用の乱数値MR2に基づいて可変表示パターンの選択を可能にする設定データ(決定用データ)などから構成されていればよい。可変表示パターン決定テーブルにて各可変表示パターンを示すデータは、例えば可変表示パターン決定テーブル内において、あるいは可変表示パターン決定テーブルとは異なる可変表示パターン設定用のテーブルなどにおいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始してから確定特別図柄や確定飾り図柄を導出表示するまでの時間である可変表示時間を示すデータなどと、対応付けられている。
可変表示パターン決定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図7(A)に示す大当りパターン決定テーブル200Aと、図7(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル200Bと、図7(C)に示す通常ハズレパターン決定テーブル200Cとを構成するテーブルデータが、ROM112に記憶されている。
図7(A)に示す大当りパターン決定テーブル200Aは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとする旨の決定がなされたときに、可変表示パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、複数種類ある大当りパターンとしてのリーチパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。図7(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル200Bは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果をハズレとする旨の決定がなされたときに、飾り図柄の可変表示態様をリーチとする旨の決定に対応して、可変表示パターン決定用の乱数値MR2に基づき、複数種類あるリーチハズレパターンとしてのリーチパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。図7(C)に示す通常ハズレパターン決定テーブル200Cは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果をハズレとする旨の決定がなされたときに、飾り図柄の可変表示態様をリーチとしない旨の決定に対応して、可変表示パターン決定用の乱数値MR2に基づき、複数種類ある通常ハズレパターンのいずれかを選択決定できるように構成されている。この実施の形態では、通常ハズレパターンとなる複数種類の可変表示パターンとして、通常A、通常Bの可変表示パターンが用意されている。また、リーチパターンとなる複数種類の可変表示パターンとしては、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーC、スーパーDの可変表示パターンが用意されている。
この実施の形態では、大当りパターン決定テーブル200Aやリーチハズレパターン決定テーブル200Bを用いてスーパーAの可変表示パターンが選択決定された場合に、飾り図柄の可変表示中における画像表示装置5の画面上にて、例えば「左」の可変表示部DLに停止表示された飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかにおけるキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位が、対応する番号を示す表示画像N1〜N8の部位から分離して、「右」の可変表示部DRに停止表示された飾り図柄に作用してリーチとする分離演出が実行される。
ここで、図7(A)に示す大当りパターン決定テーブル200Aと、図7(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル200Bとを比べると、各リーチパターン(リーチの種類)に対する可変表示パターン決定用の乱数値MR2の割当てが異なっている。すなわち、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなるか大当りとなるかに応じて、選択されるリーチの種類の割合が異なるものとなる。これにより、可変表示結果が大当りとなる可能性は、特別図柄や飾り図柄の可変表示中に出現するリーチの種類に応じて異なるものとなる。このように、リーチの種類毎に決められる表示結果が大当りとなる可能性(確率)は、リーチの大当り信頼度、あるいは単に、リーチの信頼度とも称される。
図8(A)は、ノーマル及びスーパーA〜スーパーDの各リーチパターンについて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果をハズレとする旨の決定がなされたハズレ時と、可変表示結果を大当りとする旨の決定がなされた大当り時における、選択確率を示す説明図である。また、図8(B)は、リーチの信頼度を示す説明図である。なお、図8(B)に示すリーチの信頼度は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに、大当り確率が1/300であり、ハズレ時のリーチ出現率が1/10であるものとして算出した。ここで、各可変表示パターンに対応するリーチの信頼度は、((大当り時における当該可変表示パターンの選択確率)×(大当り確率))/((ハズレ時における当該可変表示パターンの選択確率)×(ハズレ確率)×(リーチ出現率)+(大当り時における当該可変表示パターンの選択確率)×(大当り確率))として求めることができる。なお、(ハズレ確率)=1−(大当り確率)である。図8(B)に示すように、この実施の形態で用いられる各リーチパターンによるリーチの信頼度は、互いに異なっている。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM113には、パチンコ遊技機1における遊技状態などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図9に示すような遊技制御用データ保持エリア210が設けられている。図9に示す遊技制御用データ保持エリア210は、特図保留記憶部161と、遊技制御フラグ設定部162と、遊技制御タイマ設定部163と、遊技制御カウンタ設定部164と、遊技制御バッファ設定部165とを備えている。
特図保留記憶部161は、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が入賞して特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲーム等を実行中であるなどの理由により可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、特図保留記憶部161は、始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU111により乱数回路114等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや、可変表示パターン決定用の乱数値MR2を示す数値データ、リーチ判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部162には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するためにセットあるいはクリアされる複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部162は、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御フラグ設定部162には、例えば特別図柄プロセスフラグや大当りフラグ、確変フラグ、確変確定フラグ、デモ表示フラグなどが設けられている。
特別図柄プロセスフラグは、特別図柄表示装置4における特図ゲームの進行等を制御するために実行される特別図柄プロセス処理(図27のステップS15、図28)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。大当りフラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を、通常大当りや確変大当りといった大当りとする旨の決定がなされたことに対応して、オン状態にセットされる。その一方で、大当りとする旨の決定に基づく特図ゲームが終了したことに対応して、大当りフラグはクリアされてオフ状態となる。
確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「通常大当り」や「確変大当り」といった大当りとなることに対応して、クリアされてオフ状態となる。確変確定フラグは、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果を確変大当りにする旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときには、確変フラグがオン状態にセットされることに対応して、確変確定フラグはクリアされてオフ状態になる。デモ表示フラグは、主基板11から演出制御基板12に対してデモ表示コマンドの送信が行われることに対応してオン状態にセットされる。その一方で、デモ表示フラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合に特図ゲームが終了したこと、または、大当り遊技状態が終了したことに対応して、クリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部163には、例えば特別図柄プロセスタイマなどが設けられている。特別図柄プロセスタイマは、例えば特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間や、大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。例えば、特別図柄プロセスタイマは、特図ゲームの進行や大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値データを、特別図柄プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。この場合、特別図柄表示装置4による特図ゲームが開始されるに際して、特別図柄プロセスタイマには可変表示パターンに対応して決定されたタイマ初期値が設定され、大当り遊技状態にて特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態とするに際して、1ラウンドの最長継続時間(例えば29秒間)に対応するタイマ初期値が設定される。
遊技制御カウンタ設定部164には、例えば特図保留記憶数カウンタや確変回数カウンタなどが設けられる。特図保留記憶数カウンタは、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞に基づく特図保留記憶部161における保留データの数である特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、特図保留記憶数カウンタは、特図保留記憶数に対応したカウント値データを、特図保留記憶数カウント値として記憶し、特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。確変回数カウンタは、確変制御が行われる確変遊技状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントするためのものである。確変回数カウンタには、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了するときに、確変遊技状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの上限回数(例えば「100」)を示すデータが、カウント初期値として設定される。そして、確変遊技状態にて可変表示結果がハズレとなる特図ゲームが実行されるときには、確変回数カウンタにおけるカウント値が更新(例えば1減算)される。
遊技制御バッファ設定部165には、例えばメインチェックサムバッファや表示結果判定用バッファ、パターンデータバッファなどが設けられている。メインチェックサムバッファは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されるときにRAM113の特定領域における記憶データを用いて算出されたチェックサムを保存するためのものである。表示結果判定用バッファは、開始条件が成立した特図ゲームに対応して、特図保留記憶部161から読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示すデータを、表示結果判定用バッファ値として記憶する。パターンデータバッファは、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを示す可変表示開始コマンドにおいてEXTデータとして設定されるデータを、パターンデータバッファ値として記憶する。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える入出力ポート115は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図3に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、信号中継基板14を介して主基板11から送信された制御コマンドを受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。演出制御基板12には、画像表示装置5に映像信号を伝送する配線や、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9に駆動信号を伝送する配線などが接続されている。図3に示すように、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123とが搭載されている。
図10は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120や表示制御部121などの構成例を示している。図10に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU131と、ROM132と、RAM133と、乱数回路134と、入出力ポート135とを備えている。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131がROM132から読み出したプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、CPU131がROM132から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU131がRAM133に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU131がRAM133に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU131が入出力ポート135を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU131が入出力ポート135を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この実施の形態において、CPU131は、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、表示制御用のコマンド(電気信号)となる表示制御指令を出力させて伝送させる。また、CPU131は、入出力ポート135から音制御部122に対して、音声データを出力させて伝送させる。さらに、CPU131は、入出力ポート135からランプ制御部123に対して、ランプデータを出力させて伝送させる。また、CPU131は、入出力ポート135からモータ駆動回路124に対して、モータ駆動制御データを出力させて伝送させる。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるROM132には、CPU131による制御動作を決定するためのデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや、事前転送設定テーブル、演出制御パターンテーブル、図柄配列設定テーブル、スクロール表示制御テーブル、演出決定テーブルなどを構成するテーブルデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。
ROM132に記憶される事前転送設定テーブルは、例えば飾り図柄となる合成画像A1〜A8やリーチ演出表示として画像表示装置5に表示させる演出画像といった、各種の表示画像を示す画像データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が所要の表示画像に比べて高くなるように設定された表示画像を示す画像データを、その表示画像が画像表示装置5の画面上に表示されることに先立ち、事前に表示制御部121の画像データメモリ142からVDP141内の一時記憶メモリ156へと転送するよう指令するために用いられるテーブルである。ここで、表示画像は、画像表示装置5の画面上に表示可能な所定部位(画面の全体または一部)の画像のことであり、また、画像データは、画像表示装置5の画面上において所定部位(画面の全体または一部)の画像を表示するために用意されたデータのことである。
事前転送設定テーブルの一例として、この実施の形態では、図11に示すような事前転送設定テーブル220が用意されている。図11に示す事前転送設定テーブル220は、3N+1個(Nは任意の自然数)のテーブルデータから構成されている。事前転送設定テーブル220から読み出すテーブルデータは、例えばRAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた事前転送カウンタの値である事前転送カウント値によって決定される。事前転送設定テーブル220には、事前に画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へと転送すべき画像データを特定するためのテーブルデータとして、処理数、読出アドレス#1〜#N、書込アドレス#1〜#N、転送データ量#1〜#Nなどを示すデータが格納されている。
ROM132に記憶される演出制御パターンテーブルの一例として、この実施の形態では、図12(A)に示すような演出制御パターンテーブル230が用意されている。この演出制御パターンテーブル240には、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンに対応して選択可能となる複数種類の演出制御パターンが格納されている。図12(B)は、図12(A)に示す通常A−01、通常A−02、…や通常B−01、通常B−02、…といった通常演出制御パターン、ノーマルN−01、ノーマルN−02、…といったノーマル演出制御パターンの構成例を示している。図12(C)は、図12(A)に示すスーパーA−01〜スーパーA−04といったスーパーA演出制御パターンやスーパーB−01、スーパーB−02、…といったスーパーB演出制御パターン、スーパーC−01、スーパーC−02、…といったスーパーC演出制御パターン、スーパーD−01、スーパーD−02、…といったスーパーD演出制御パターンの構成例を示している。
図12(B)及び(C)に示す演出制御パターンは、演出制御プロセスタイマ初期値を示すデータや、スプライト画像表示制御パターン、音声制御パターン、ランプ制御パターンを構成するパターンデータを含んでいる。また、図12(C)に示す演出制御パターンは、動画像表示制御パターンを構成するパターンデータも含んでいる。演出制御プロセスタイマ初期値は、各演出制御パターンに対応した演出動作の開始に対応して、例えばRAM133の演出制御タイマ設定部に設けた演出制御プロセスタイマに設定されるタイマ初期値である。
スプライト画像表示制御パターンは、スプライト画像データに示される表示画像としてのスプライト画像を、画像表示装置5の画面上に表示させる動作の制御パターンであり、例えば図13(A)に示すように、スプライト画像表示用タイマ判定値TA−01、TA−02、…やスプライト画像表示制御データDA−01、DA−02、…といった制御データを含んで構成される。そして、演出制御プロセスタイマの値である演出制御プロセスタイマ値がスプライト画像表示用タイマ判定値TA−01、TA−02、…のいずれかと合致したときには、そのタイマ判定値と対応付けられたスプライト画像表示制御データDA−01、DA−02、…のいずれかが読み出され、例えば表示制御部121のVDP141に対して表示制御指令を送信することといった、読み出された制御データに示される各種の処理や設定が行われる。
音声制御パターンは、スピーカ8L、8Rから演出用音声を出力させるための制御パターンであり、例えば図13(B)に示すように、音声制御用タイマ判定値TB−01、TB−02、…、音声制御データDB−01、DB−02、…といった制御データを含んで構成される。そして、演出制御プロセスタイマ値が音声制御用タイマ判定値TB−01、TB−02、…のいずれかと合致したときには、そのタイマ判定値と対応付けられた音声制御データDB−01、DB−02、…のいずれかが読み出され、例えば音制御部122に対して音声データを送信することといった、読み出された制御データに示される各種の処理や設定が行われる。
ランプ制御パターンは、遊技効果ランプ9を点灯、消灯、点滅などさせるための制御パターンであり、例えば図13(C)に示すように、ランプ制御用タイマ判定値TC−01、TC−02、…、ランプ制御データDC−01、DC−02、…といった制御データを含んで構成される。そして、演出制御プロセスタイマ値がランプ制御用タイマ判定値TC−01、TC−02、…のいずれかと合致したときには、そのタイマ判定値と対応付けられたランプ制御データDC−01、DC−02、…のいずれかが読み出され、例えばランプ制御部123に対してランプデータを送信することといった、読み出された制御データに示される各種の処理や設定が行われる。
動画像表示制御パターンは、動画像データを用いて生成した動画像を画像表示装置5の画面上に再生表示させるための制御パターンであり、例えば図13(D)に示すように、動画像表示用タイマ判定値TD−01、TD−02、…、動画像表示制御データDD−01、DD−02、…といった制御データを含んで構成される。そして、演出制御プロセスタイマ値が動画像表示用タイマ判定値TD−01、TD−02、…のいずれかと合致したときには、そのタイマ判定値と対応付けられた動画像表示制御データDD−01、DD−02、…のいずれかが読み出され、例えば表示制御部121のVDP141に対して表示制御指令を送信することといった、読み出された制御データに示される各種の処理や設定が行われる。
ROM132に記憶される図柄配列設定テーブルの一例として、この実施の形態では、図14(A)に示す左図柄配列設定テーブル240L、図14(B)に示す中図柄配列設定テーブル240C、図14(C)に示す右図柄配列設定テーブル240Rが用意されている。
図14(A)〜(C)に示す各図柄配列設定テーブル240L、240C、240Rは、図柄番号「1」〜「8」の飾り図柄に対応した8個のテーブルデータから構成されている。各テーブルデータは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄に対応した合成画像A1〜A8のいずれかを示している。例えば、各テーブルデータは、対応する合成画像A1〜A8のいずれかを示す画像データがVDP141の一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156A(図19)に記憶される場合に、固定アドレスエリア156Aに対応して設けられたインデックステーブル300(図20)における「インデックス番号」、あるいは、固定アドレスエリア156Aにおける記憶アドレスなど、各合成画像A1〜A8を示す画像データの読出位置を特定可能に示すものであればよい。各図柄配列設定テーブル240L、240C、240Rから読み出すテーブルデータは、RAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた画像指定バッファ172(図18)の値である画像指定バッファ値によって決定される。図14(A)に示す左図柄配列設定テーブル240Lでは、画像指定バッファ値の増加に伴って合成画像A8、A7、…、A1を示すテーブルデータが順次に読み出されるように構成されている。これにより、「左」の可変表示部DLにて飾り図柄の可変表示を行う際には、図柄番号が大きなものから小さなものへとスクロール表示を行うことが可能になる。図14(B)に示す中図柄配列設定テーブル240Cと図14(C)に示す右図柄配列設定テーブル240Rでは、画像指定バッファ値の増加に伴って合成画像A1、A2、…、A8を示すテーブルデータが順次に読み出されるように構成されている。これにより、「中」及び「右」の可変表示部DC、DRにて飾り図柄の可変表示を行う際には、図柄番号が小さなものから大きなものへとスクロール表示を行うことが可能になる。
ROM132に記憶されるスクロール表示制御テーブルの一例として、この実施の形態では、図15に示すスクロール表示制御テーブル250が用意されている。図15に示すスクロール表示制御テーブル250は、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄の上端を配置すべき位置(Y座標)を示す96個のテーブルデータから構成されている。ここで、画像表示装置5の画面上には、画像の表示位置を定めるために、例えば左上から右下に向けてX座標とY座標とからなる2次元座標(0X,0Y)〜(287X,191Y)が付されている。すなわち、画像表示装置5の表示領域は、横方向に「288X」分の大きさを有し、縦方向に「192Y」分の大きさを有している。また、飾り図柄となる合成画像A1〜A8はそれぞれ、横方向に「96X」分の大きさを有し、縦方向に「96Y」分の大きさを有しているものとする。CPU131は、スクロール表示制御テーブル250から読み出すテーブルデータを、RAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた表示位置バッファ171(図18)の値である表示位置バッファ値によって決定し、読み出されたテーブルデータに示されるY座標から飾り図柄の表示位置を特定する。
ROM132に記憶される演出決定テーブルは、主基板11から送信される可変表示開始コマンドに示される可変表示パターンに対応して、演出制御パターンテーブル230に格納された複数種類の演出制御パターンのうちから、飾り図柄の可変表示中における演出動作の態様を示す演出制御パターンを決定するために用いられるテーブルである。この実施の形態では、例えば乱数回路134などにより、図16(A)に示すような「1」〜「150」の範囲の値をとる演出制御パターン決定用の乱数値SR1を示す数値データが生成される。なお、乱数値SR1を示す数値データは、CPU131が乱数回路134とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。そして、ROM132には、演出決定テーブルの一例として、図16(B)に示すようなスーパーA演出決定テーブル260を構成するテーブルデータが記憶されており、可変表示開始コマンドに示される可変表示パターンがスーパーAの可変表示パターンである場合には、演出制御パターン決定用の乱数値SR1を示す数値データに基づき、スーパーA演出決定テーブル260を参照することにより、スーパーA−01〜スーパーA−04といったスーパーA演出制御パターンのいずれかを、飾り図柄の可変表示中における演出動作の態様を示す演出制御パターンに決定することができる。
この実施の形態では、可変表示開始コマンドに示される可変表示パターンがスーパーAの可変表示パターンである場合に決定されるスーパーA−01〜スーパーA−04といったスーパーA演出制御パターンのいずれかにおける設定に基づき、キャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位が、対応する番号を示す表示画像N1〜N8の部位から分離して飾り図柄に作用する分離演出が実行される。
図16(B)に示すスーパーA演出決定テーブル260は、スーパーA演出制御パターンのそれぞれと、演出制御パターン決定用の乱数値SR1とを、ハズレ時であるか大当り時であるかに応じて異なる割当てとなるように対応付けることにより、演出制御パターン決定用の乱数値SR1に基づいて演出制御パターンの決定を可能にする設定データ(決定用データ)などから構成されている。このスーパーA演出決定テーブル260におけるスーパーA演出制御パターンのそれぞれに対する乱数値SR1の割当てにより、可変表示結果が大当りとなる可能性は、飾り図柄の可変表示中における演出動作の態様に応じて異なるものとなる。このように、演出動作の態様毎に決められる表示結果が大当りとなる可能性(確率)は、演出の大当り信頼度、あるいは単に、演出の信頼度とも称される。
図17(A)は、可変表示開始コマンドに示される可変表示パターンがスーパーAの可変表示パターンである場合に、スーパーA−01〜スーパーA−04の各スーパーA演出制御パターンについて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなるハズレ時と、可変表示結果が大当りとなる大当り時における、選択確率(決定確率)を示す説明図である。また、図17(B)は、スーパーA演出制御パターンのそれぞれに対応する演出の信頼度を示す説明図である。なお、図17(B)に示す演出の信頼度は、スーパーAの可変表示パターンにおけるリーチの信頼度が約5/7であるものとして算出した。ここで、各スーパーA演出制御パターンに対応する演出の信頼度は、((大当り時における当該スーパーA演出制御パターンの選択確率)×(スーパーAの可変表示パターンにおけるリーチの信頼度))/((ハズレ時における当該スーパーA演出制御パターンの選択確率)×(スーパーAの可変表示パターンにおけるハズレ可能性)+(大当り時における当該スーパーA演出制御パターンの選択確率)×(スーパーAの可変表示パターンにおけるリーチの信頼度))として求めることができる。なお、(スーパーAの可変表示パターンにおけるハズレ可能性)=1−(スーパーAの可変表示パターンにおけるリーチの信頼度)である。図17(B)に示すように、この実施の形態で用いられる各スーパーA演出制御パターンに対応した演出の信頼度は、互いに異なっている。
この実施の形態では、スーパーA−01の演出制御パターンに対応した演出の信頼度が約5/31であり、スーパーA−02の演出制御パターンに対応した演出の信頼度が約15/23であり、スーパーA−03の演出制御パターンに対応した演出の信頼度が約5/6であり、スーパーA−04の演出制御パターンに対応した演出の信頼度が約20/21である。すなわち、スーパーA−01の演出制御パターンに対応した演出の信頼度に比べて、スーパーA−02〜スーパーA−04の演出制御パターンに対応した演出の信頼度の方が高くなるように設定されている。
図10に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM133には、演出制御フラグ設定部、演出制御タイマ設定部、演出制御カウンタ設定部、演出制御バッファ設定部などとして、各種のデータを保持する領域が設けられていればよい。
RAM133の演出制御フラグ設定部は、例えば画像表示装置5の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。RAM133の演出制御タイマ設定部は、例えば画像表示装置5での表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。RAM133の演出制御カウンタ設定部は、例えば画像表示装置5での表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM133とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
また、RAM133の演出制御バッファ設定部は、演出制御基板12にて受信した演出制御コマンドに含まれるデータや、CPU131での処理過程で生成されたデータといった、演出制御に用いられる各種のデータを一時的に記憶可能な複数種類のバッファを提供する。演出制御バッファ設定部の一例として、この実施の形態では、図18に示すような演出制御バッファ設定部170となる記憶領域が、RAM133に設けられている。図18に示す演出制御バッファ設定部170は、表示位置バッファ171と、画像指定バッファ172とを含んでいる。なお、演出制御バッファ設定部170には、表示位置バッファ171や画像指定バッファ172の他にも、例えば受信コマンドバッファや可変表示開始バッファ、ラウンド数バッファ、停止図柄バッファといった、各種のバッファが含まれてもよい。
表示位置バッファ171は、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄の表示位置を特定可能にするために、左図柄表示位置バッファ171Lと、中図柄表示位置バッファ171Cと、右図柄表示位置バッファ171Rとを備えている。左図柄表示位置バッファ171Lは、画像表示位置5における「左」の可変表示部DLにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄の上端を配置すべき位置(Y座標)を特定するために、スクロール表示制御テーブル250から読み出すテーブルデータと対応付けられたバッファ値を記憶する。中図柄表示位置バッファ171Cは、画像表示装置5における「中」の可変表示部DCにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄の上端を配置すべき位置(Y座標)を特定するために、スクロール表示制御テーブル250から読み出すテーブルデータと対応付けられたバッファ値を記憶する。右図柄表示位置バッファ171Rは、画像表示装置5における「右」の可変表示部DRにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄の上端を配置すべき位置(Y座標)を特定するために、スクロール表示制御テーブル250から読み出すテーブルデータと対応付けられたバッファ値を記憶する。
画像指定バッファ172は、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄を特定可能にするために、左図柄画像指定バッファ172Lと、中図柄画像指定バッファ172Cと、右図柄画像指定バッファ172Rとを備えている。左図柄画像指定バッファ172Lは、画像表示装置5における「左」の可変表示部DLにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄を特定するために、左図柄配列設定テーブル240Lから読み出すテーブルデータと対応付けられたバッファ値を記憶する。中図柄画像指定バッファ172Cは、画像表示装置5における「中」の可変表示部DCにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄を特定するために、中図柄配列設定テーブル240Cから読み出すテーブルデータと対応付けられたバッファ値を記憶する。右図柄画像指定バッファ172Rは、画像表示装置5における「右」の可変表示部DRにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄を特定するために、右図柄配列設定テーブル240Rから読み出すテーブルデータと対応付けられたバッファ値を記憶する。
図10に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備える乱数回路134は、例えば演出制御パターン決定用の乱数値SR1といった、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数の全部または一部を生成する。乱数回路134にて生成される各乱数値を示す数値データは、ハードウェアによる更新が可能となるようにカウントされればよい。演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御指令や、音制御部122へと伝送される音声データ、ランプ制御部123へと伝送されるランプデータなどが出力される。また、入出力ポート135の入力ポートには、VDP141からのイベント割込み信号などが入力される。
図10に示す表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)141と、画像データメモリ142とが含まれている。VDP141は、例えば画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する画像プロセッサである。画像データメモリ142は、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリや磁気メモリ、光学メモリといった不揮発性の記録媒体を用いて構成され、画像表示装置5における表示画像を示す各種の画像データを記憶する。例えば、画像データメモリ142が記憶する画像データには、画像表示装置5において可変表示される複数種類の飾り図柄などといった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像データが含まれている。
VDP141は、図10に示すように、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、画像データメモリインタフェース153と、動画像用デコーダ154と、描画回路155と、一時記憶メモリ156と、フレームバッファメモリ157と、表示回路158とを備えている。
ホストインタフェース151は、演出制御用マイクロコンピュータ120との間で各種データをやり取りするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156に転送する動作といった、VDP141と外部回路との間などでのデータ転送動作を制御する。例えば、転送制御回路152は、DMA(Direct Memory Access)転送を用いて、画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へのデータ転送を行うためのDMA装置を備えていればよい。
画像データメモリインタフェース153は、画像データメモリ142に記憶された画像データを読み出すためのアドレスバス接続端子やデータバス接続端子、チップ選択信号出力端子などを含んで構成されている。動画像用デコーダ154は、例えば動き補償予測符号化によりデータ圧縮された状態で画像データメモリ142に記憶されている動画像データを読み出し、所定の伸張処理を実行することなどにより、動画像データのデコードを行う。ここで、動画像用デコーダ154は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に応答して、動画像データを1フレームずつデコードすることができる。
描画回路155は、一時記憶メモリ156に記憶された画像データに基づき画像表示装置5に画像を表示させるために、表示用データの作成などが行われる描画処理を実行する。例えば、描画回路155は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に応答して、一時記憶メモリ156の読出アドレスから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157の書込アドレスに書き込んで記憶させることにより、画像表示装置5の画面上における所定座標に各種画像を表示させるための表示用データを作成する。一例として、描画回路155は、画像を仮想的に配置する仮想描画空間となる描画座標系を有している。そして、仮想描画空間内で定められた描画領域でクリッピングを行い、描画領域内における画像の表示用データを作成して、フレームバッファメモリ157に記憶させる。
一時記憶メモリ156は、例えばVRAM(Video RAM)などを用いて構成され、画像データメモリ142から読み出された画像データを一時記憶する。図19は、一時記憶メモリ156におけるアドレスマップの一例を示す図である。図19に示すように、一時記憶メモリ156には、固定アドレスエリア156Aと、可変アドレスエリア156Bとを設けることができる。
固定アドレスエリア156Aは、画像表示装置5の画面上に表示される複数種類の表示画像のうちで、表示頻度が高くなるように設定された表示画像を示す画像データとして、事前転送設定テーブル220に登録された画像データを一時記憶する領域である。例えば、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を示す画像データは、毎回の可変表示が実行される期間において、少なくとも1回は画像表示装置5の画面上で可変表示を行うのために使用される。これに対して、リーチ演出表示にて用いられる演出画像を示す画像データは、可変表示の開始時に、飾り図柄の可変表示態様をリーチとする旨の決定がなされたことに基づき、所定の可変表示パターンが決定されたときに限り、その可変表示パターンに応じた飾り図柄の可変表示中における所定期間内にて、画像表示装置5の画面上に演出画像を表示するために使用される。すなわち、飾り図柄を形成する表示画像は、リーチ演出表示を行うための表示画像に比べて、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定されている。また、例えばリーチ演出表示を行うための表示画像のなかでも、演出の信頼度が低いリーチ演出表示を行うための表示画像の方が、演出の信頼度が高いリーチ演出表示を行うための表示画像にに比べて、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定されることになる。
可変アドレスエリア156Bは、固定アドレスエリア156Aに画像データが記憶される表示画像に比べて画像表示装置5における表示頻度が低い表示画像を示す画像データとして、事前転送設定テーブル220には登録されていない画像データを一時記憶する領域である。また、可変アドレスエリア156Bは、例えば動画像用デコーダ154によってデコードされた動画像データといった、固定アドレスエリア156Aには記憶されない各種のデータを一時記憶することができる。可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDと終了アドレスENADDは、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令によってVDP141に通知されて設定される。
図10に示すVDP141が備えるフレームバッファメモリ157は、例えば一時記憶メモリ156とは物理的に分離された別個のVRAMなどを用いて構成され、描画回路155による描画処理などにより作成される画像の表示用データが展開記憶される。なお、一時記憶メモリ156とフレームバッファメモリ157とは、物理的に分離されたものに限定されず、例えば所定のアドレス設定に応じて、論理的(機能的)に分離された1個のVRAMなどを用いて構成されてもよい。フレームバッファメモリ157に展開記憶される表示用データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)等に基づいて描画回路155が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。例えば、フレームバッファメモリ157には、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させるための表示用データが、描画回路155によって書き込まれて記憶される。そして、フレームバッファメモリ157に記憶された表示用データは、表示回路158によって読み出される。
表示回路158は、フレームバッファメモリ157から表示用データを読み出し、画像表示装置5の表示画面を構成する各画素の階調データを生成するとともに、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させる回路である。表示回路158は、フレームバッファメモリ157から読み出した表示用データの画素数を変換して、画像表示装置5の表示画面を構成する各画素の階調データを生成するスケーラ回路を有していてもよい。このスケーラ回路には、フレームバッファメモリ157から読み出された表示用データが入力され、垂直方向及び水平方向のいずれか一方あるいは双方について、所定の倍率で拡大または縮小することで、ピクセルデータの画素数を変換する。例えば、スケーラ回路は、拡大後の画素値を拡大前における4点の画素値から線形補間により求めるバイリニアフィルタリングを用いて、ピクセルデータの画素数を変換することができればよい。スケーラ回路において垂直方向と水平方向に拡大または縮小する際の倍率は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令により、個別に設定することができればよい。
また、VDP141には、画像データメモリ142から読み出されて一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aや可変アドレスエリア156Bなどに一時記憶された画像データを特定可能に管理するテーブルとして、例えば図20に示すようなインデックステーブル300が設けられている。図20に示すインデックステーブル300は、例えば「開始アドレス」、「水平サイズ」、「読出完了フラグ」などを示すデータが、「インデックス番号」を示すデータと対応付けられたテーブルデータにより構成されている。ここで、「開始アドレス」は、一時記憶メモリ156における画像データの先頭アドレスを示す。また、「水平サイズ」は、画像データが示す表示画像の水平方向における大きさを示す。「読出完了フラグ」は、画像データメモリ142から読み出された画像データの一時記憶メモリ156に対する転送が完了した場合に「オン」を示し、転送が完了していない場合や可変アドレスエリア156Bから読み出されてフレームバッファメモリ157への書き込みが完了した場合には「オフ」を示す。なお、固定アドレスエリア156Aに対応して設けられたインデックステーブル300における記憶内容は、演出制御用マイクロコンピュータ120から送られる表示制御指令に応じて更新される一方で、可変アドレスエリア156Bに対応して設けられたインデックステーブル300における記憶内容は、演出制御用マイクロコンピュータ120から送られる表示制御指令によらず、VDP141の側で自動的に更新されるものであればよい。
図21は、演出制御用マイクロコンピュータ120にてCPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信する複数種類の表示制御指令の具体例を示す説明図である。図21に示すように、この実施の形態では、記憶領域設定指令、画像表示初期設定指令、事前転送指令、自動転送指令、固定アドレス指定転送指令、動画像表示初期設定指令、動画像表示開始設定指令、動画像デコード指令、動画像表示終了設定指令などといった表示制御指令が、演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと送信される。なお、これらの表示制御指令は、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドと同様に、指令の分類を示すデータと、指令の種類を示すデータとから構成されるものでもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131によって、入出力ポート135を介してVDP141が備える各種のレジスタに、各表示制御指令に対応した制御データが書き込まれるようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120の入出力ポート135と、VDP141のホストインタフェース151との間には、所定のバス幅を有するアドレスバスとデータバスが接続されている。そして、VDP141が備える各種のレジスタにはアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、入出力ポート135からアドレスバスに出力したアドレス信号によりVDP141のレジスタを指定してアクセスすることができればよい。
記憶領域設定指令は、一時記憶メモリ156における記憶領域の設定を示す。例えば、記憶領域設定指令は、可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADD、可変アドレスエリア156Bの最終アドレスENADDなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
画像表示初期設定指令は、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示するための初期設定を示す。例えば、画像表示初期設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、スプライト画像の表示に対応する第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定することを示すデータを含んでいる。また、画像表示初期設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図22)のうち読出対象となるチップをスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2とするために、チップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
事前転送指令は、画像データメモリ142に記憶されている画像データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が所要の表示画像に比べて高くなるように設定された表示画像を示す画像データについて、事前に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送して展開記憶させることを示す。例えば、事前転送指令は、画像データメモリ142における画像データの読出位置や、固定アドレスエリア156Aにて展開記憶させた後の画像サイズなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、画像データメモリ142における画像データの読出位置は、画像データメモリ142における読出アドレスであってもよいし、読出対象となる画像データが示す表示画像に付された特定情報(例えば画像データが示すキャラクタ画像に付与されたキャラクタ番号)などといった、任意の情報を用いて特定されるものでもよい。また、事前転送指令は、固定アドレスエリア156Aに対応して設けられたインデックステーブル300の記憶内容を更新するためのデータを含んでいてもよい。
自動転送指令は、画像データメモリ142に記憶されている画像データのうちで、事前に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへと転送されていない画像データについて、VDP141における自動的な転送設定に基づき、フレームバッファメモリ157に書き込ませて、当該画像データが示す表示画像を画像表示装置5の画面上に表示することを示す。例えば、自動転送指令は、画像データメモリ142における画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、画像データメモリ142から読み出して転送される画像データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置は、フレームバッファメモリ157における1次元の書込アドレスであってもよいし、例えば画像表示装置5の画面上における表示画像の配置(例えば表示画像における左上部の表示座標)に対応した2次元アドレスなどといった、任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
固定アドレス指定転送指令は、画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへと事前に転送された画像データについて、フレームバッファメモリ157に書き込ませて、当該画像データが示す表示画像を画像表示装置5の画面上に表示できるようにする。例えば、固定アドレス指定転送指令は、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、固定アドレスエリア156Aから読み出して転送される画像データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置は、例えば固定アドレスエリア156Aに対応して設けられたインデックステーブル300における「インデックス番号」あるいはテーブルデータの記憶アドレスといった、固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データの読出アドレスを特定できるものであればよい。
動画像表示初期設定指令は、画像表示装置5の画面上に動画像を表示するための初期設定を示す。例えば、動画像表示初期設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、動画像の表示に対応する第2のバス幅として予め定められた32ビットに設定することを示すデータを含んでいる。また、動画像表示初期設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図22)のうち読出対象となるチップを動画像用のメモリチップ142−3とするために、チップセレクトの設定をCS#1とすることを示すデータを含んでいる。
動画像表示開始設定指令は、画像表示装置5の画面上にて動画像の再生表示を開始するための設定を示す。例えば、動画像表示開始設定指令には、インデックステーブル300にて動画像に対して付与されるインデックス番号や画像サイズ(水平サイズなど)といった、動画像に対応したインデックステーブル300の設定を示すデータが含まれている。また、動画像表示開始設定指令は、画像データメモリ142における動画像データの読出位置、一時記憶メモリ156における動画像データの書込位置などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
動画像デコード指令は、動画像用デコーダ154により1フレーム分の動画像データをデコードすることを示す。例えば、動画像デコード指令は、インデックステーブル300にて動画像に対して付与されたインデックス番号などといった、デコードの対象となる動画像の識別情報を示すデータを含んでいる。また、動画像デコード指令は、デコードの実行を指示するためのデータを含んでいる。
動画像表示終了設定指令は、画像表示装置5の画面上における動画像の再生表示を終了するための設定を示す。例えば、動画像表示終了設定指令には、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、スプライト画像の表示に対応する第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定することを示すデータが含まれている。加えて、動画像表示終了設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図22)のうち読出対象となるチップをスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2とするために、チップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
図10に示す表示制御部121が備える画像データメモリ142は、例えば図22に示すような複数(図22に示す例では3個)のメモリチップ142−1〜142−3を含んで構成される。図22に示す例では、メモリチップ142−1とメモリチップ142−2に、スプライト画像を表示するために用いられるスプライト画像データが記憶されている。メモリチップ142−1とメモリチップ142−2に記憶されたスプライト画像データは、第1のバス幅として予め定められた64ビットを単位として読み出される。メモリチップ142−1とメモリチップ142−2の記憶データは、VDP141から出力されるチップセレクト信号CS#0がオン状態であるときに読出可能となる。チップセレクト信号CS#0は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと伝送される表示制御指令によりチップセレクトの設定をCS#0としたことに対応して、オン状態となる。そして、チップセレクト信号CS#0がオン状態であるときには、メモリチップ142−1からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#0〜#31を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送され、メモリチップ142−2からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#32〜#63を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送される。
図22に示すメモリチップ142−3には、動画像を再生表示するために用いられる動画像データが記憶されている。メモリチップ142−3に記憶された動画像データは、第2のバス幅として予め定められた32ビットを単位として読み出される。メモリチップ142−3の記憶データは、VDP141から出力されるチップセレクト信号CS#1がオン状態であるときに読出可能となる。チップセレクト信号CS#1は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと伝送される表示制御指令によりチップセレクトの設定をCS#1としたことに対応して、オン状態となる。そして、チップセレクト信号CS#1がオン状態であるときには、メモリチップ142−3からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#0〜#31を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送される。このときには、データバス#32〜#63は使用されない。
図23は、画像データメモリ142におけるアドレスマップの一例を示す説明図である。図23に示すように、画像データメモリ142には、スプライト画像データエリア142Aと、動画像データエリア142Bとが設けられている。
スプライト画像データエリア142Aは、画像表示装置5の画面上にスプライト画像(静止画像)を表示するために使用されるスプライト画像データを記憶する。この実施の形態では、画像データメモリ142におけるアドレスSPSTAからアドレスSPENDまでの領域が、スプライト画像データエリア142Aに設定され、図22に示すスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2を割り当てている。例えば、スプライト画像データエリア142Aでは、64ビット単位でアドレスが付与されており、上位32ビットのデータがメモリチップ142−1に記憶される一方で、下位32ビットのデータがメモリチップ142−2に記憶される。スプライト画像データエリア142Aには、例えば図24に示すように、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を表示するための画像データとして、合成画像A1〜A8を示すスプライト画像データが記憶されている。また、スプライト画像データエリア142Aには、分離演出においてキャラクタの表示画像C1〜C8とは分離して表示される番号の表示画像N1〜N8を示すスプライト画像データも記憶されている。
動画像データエリア142Bは、画像表示装置5の画面上にて動画像を再生表示するために使用される動画像データを記憶する。この実施の形態では、画像データメモリ142におけるアドレスMBSTAからアドレスMBENDまでの領域が、動画像データエリア142Bに設定され、図22に示す動画像用のメモリチップ142−3を割り当てている。例えば、動画像データエリア142Bでは、32ビット単位でアドレスが付与されており、全てのデータがメモリチップ142−3に記憶される。動画像データエリア142Bには、例えば図25に示すように、分離演出において飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかにおけるキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位に対応する演出画像が、合成画像A1〜A8から飛び出して番号を示す表示画像N1〜N8の部位と分離し、飾り図柄に作用するように動作させるための画像データとして、スーパーA−01〜スーパーA−04といったスーパーA演出制御パターンのそれぞれに対応して予め用意された動画像データMBA−01−02、MBA−01−04、…、MBA−02−02、MBA−02−04、…、MBA−03−01、MBA−03−03、…、MBB−01、MBB−02、…などが記憶されている。
動画像データエリア142Bに記憶される動画像データのフォーマットは任意であり、フレーム内符号化やフレーム間符号化などを施すことにより圧縮した所定の画像データなどから構成されていればよい。例えば、動画像データのフォーマットとして、図26に示すようなデータ構成からなるMPEG−2形式などの予測符号化形式を採用してもよい。図26に示すMPEG−2のビデオストリームは、シーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロックが、ブロックの各レイヤごとに階層的に構成されている。シーケンスとは、一つのビデオプログラム全体の符号化信号を意味する。シーケンスは、シーケンスヘッダで始まり、シーケンスエンドで終わる。シーケンスヘッダには、画像の大きさを表す情報や一秒間に符号化するフレーム数、通信速度などの情報が含まれる。シーケンスは一つ以上の「GOP」から構成される。GOP(Group Of Picture)は、「GOPヘッダ」、「ピクチャ」(1つ以上)から成り、GOPヘッダには、画像復元時に音声などとの時間あわせを可能とするためのタイムスタンプ情報などが含まれる。
ピクチャは、動画信号を構成する1枚1枚の各画面に相当し、フレーム内符号化により圧縮されて単独で画像を復号可能なキーフレームであるIピクチャ、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行って画像を復号するための前方予測フレームであるPピクチャ、過去及び未来両方のフレームを用いて双方向の動き補償を行う双方向予測フレームであるBピクチャのいずれかから構成される。各ピクチャは、「ピクチャヘッダ」、「スライス」(1つ以上)から成る。ピクチャヘッダには、I、P、Bピクチャを識別するための情報や、各ピクチャの表示順を指定する情報などが含まれる。スライスは、「スライス情報」、「マクロブロック」(1つ以上)から成り、スライス情報には、このスライス内で使われる符号化情報、たとえば量子化特性を表す情報などが含まれる。マクロブロックは、「マクロブロック情報」、「ブロック」(1つ以上)から成り、Y信号4個と、Cr、Cb各1ブロックから構成される。マクロブロック情報には、マクロブロック単位で符号化制御を行うための情報などが含まれる。ブロックは、Y信号、Cr信号、Cb信号いずれかのDTC係数データから構成されている。なお、映像自体は、実写による映像でも、CG(コンピュータグラフィック)による映像でもかまわない。
図3に示す演出制御基板12に搭載された音制御部122は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けた音声データにデジタル/アナログ変換を施すなどして音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる回路である。演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けたランプデータに応じたランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や各種の装飾用ランプ、LED等の電飾部材に供給することによって点灯/消灯切換を行う回路である。なお、音制御部122やランプ制御部123は、演出制御基板12の外部に設置された回路であってもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU111によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU111は、割込禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、電源基板などに搭載されたクリアスイッチが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM113をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチが押圧操作されていない場合には、RAM113のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、チャックサムを算出した結果とチェックサムバッファの内容とが一致した場合などに、主基板11の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。また、初期設定では、演出制御基板12の側において表示制御部121の画像データメモリ142から読み出されたスプライト画像データがVDP141の一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送されて記憶されるまで、所定の遅延処理を実行して待機するようにしてもよい。この遅延処理は、CPU111が定期的にタイマ割込み処理を実行するためにCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行うより以前に、実行されるようにすればよい。これにより、画像データの転送が不完全な状態で特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されることを防止して、画像表示装置5の画面上にて適切な飾り図柄の可変表示を行うことができる。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU111へ送出され、CPU111は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定処理や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU111は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図27のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図27に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU111は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路101を介して各スイッチ21〜23などから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR3の一部をソフトウェアにより更新するためのメイン側乱数値更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU111は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU111は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示装置20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御の設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU111は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信させる(ステップS17)。
ステップS17にて実行されるコマンド制御処理では、例えばCPU111がRAM113に設けられた送信コマンドポインタにより指定されるアドレスの記憶データを読み出して有効な演出制御コマンドを送信するための設定データであるか否かを判定することなどにより、送信コマンドの有無を判定する。一例として、読み出したデータがヌルデータ「00H」や所定の終了コードに対応するデータである場合には、有効な演出制御コマンドを送信するための設定データではないと判定する。これに対して、例えば読み出したデータの先頭ビット(ビット7)が「1」である場合など、演出制御コマンドにおけるMODEデータとして設定可能なデータである場合には、有効な演出制御コマンドを送信するための設定データであると判定する。こうして送信コマンドがないと判定された場合には、そのままコマンド制御処理を終了する。他方、送信コマンドがある場合には、送信コマンドポインタが指定するアドレスの記憶データを読み出すことにより、指定されたコマンドテーブルに格納された設定データを読み出す。そして、読み出された設定データを演出制御コマンドのMODEデータとして送信するために、入出力ポート115に含まれる出力ポートのうち演出制御基板12に対する演出制御コマンド送信用の出力ポート(演出制御コマンド用出力ポート)にセットする。続いて、入出力ポート115に含まれる出力ポートのうち演出制御基板12に対して演出制御INT信号を送信するための出力ポートにオン状態を示すデータを設定することなどにより、演出制御INT信号の出力を開始する。その後、所定時間(例えば約1マイクロ秒)が経過するまで待機してから、演出制御INT信号の出力を停止し、所定時間(例えば約2.5マイクロ秒)が経過するまで待機する。
その後、送信コマンドポインタの値を1加算して更新し、更新後の送信コマンドポインタが指定するアドレスの記憶データを読み出すことにより、指定されたコマンドテーブルに格納された次の設定データを読み出す。このときには、読み出された設定データに基づき、遊技制御バッファ設定部165に設けられた各種のバッファに格納された拡張データを参照するようにしてもよい。拡張データを参照する場合には、遊技制御バッファ設定部165に設けられた所定のバッファなどから、拡張データを演出制御コマンドにおけるEXTデータとして読み出す。拡張データを参照しない場合には、コマンドテーブルから読み出された設定データを演出制御コマンドにおけるEXTデータとする。こうして取得した演出制御コマンドのEXTデータは、入出力ポート115に含まれる演出制御コマンド用出力ポートにセットされる。その後、MODEデータを送信する場合と同様にして、演出制御INT信号を一定時間が経過するまで出力してから、その出力を停止するための処理を実行する。そして、送信コマンドポインタの値を1加算して更新してから、コマンド制御処理を終了する。こうしてコマンド制御処理を実行した後に、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理として、図27に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU111は、まず、例えば始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS101)。遊技球が始動入賞口に入賞して始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS101;Yes)、始動入賞処理を実行する(ステップS102)。始動入賞処理を実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた特図保留記憶数カウンタの値である特図保留記憶数カウント値に対応する保留記憶数通知コマンドテーブルの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM113に設けられた送信コマンドポインタにセットすることなどにより、保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS103)。こうしたステップS103での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図27に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドが送信されることになる。ステップS101にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS101;No)、ステップS102、S103の処理をスキップする。
ステップS102にて実行される始動入賞処理では、まず、特図保留記憶部161に記憶されている特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データの抽出を行う。一例として、CPU111は、乱数回路114に伝送される出力制御信号をオン状態に設定した後、乱数回路114から伝送される乱数値出力信号を取り込むことにより、乱数回路114が備える乱数値レジスタから読み出された数値データを、乱数値MR1として取得すればよい。他の一例として、乱数値MR1を示す数値データが乱数回路114とは異なるランダムカウンタにてソフトウェアにより更新される場合に、そのランダムカウンタにおける格納値を示す数値データを、乱数値MR1として取得すればよい。こうして特図表示結果判定用の乱数値MR1を読み出したことに続いて、その乱数値MR1を、特図保留記憶部161における空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、特図保留記憶部161における特図保留記憶数を1加算して更新する。乱数値MR1を示す数値データを特図保留記憶部161の空きエントリにセットした後には、可変表示パターン決定用の乱数値MR2を示す数値データやリーチ判定用の乱数値MR3を示す数値データについても同様に取得し、特図保留記憶部161にセットする。
ステップS103の処理を実行した後や、ステップS101にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態であると判定された後には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、CPU111が図28に示すステップS110〜S117の各処理を選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、特図保留記憶部161に格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データなどに基づき、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS111の可変表示パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示パターン設定処理は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定する処理や、可変表示パターン等に対応した可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。
ステップS112の特別図柄可変表示処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄可変表示処理では、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行って特別図柄を変動させるための制御が行われる。また、特別図柄可変表示処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示の残り時間を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた特別図柄プロセスタイマの値である特別図柄プロセスタイマ値によって計測する処理、特図ゲームにおける可変表示時間が経過したことに対応して確定特別図柄を停止表示させる処理などを含んでいる。ステップS113の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームが終了したことに対応して、大当り開始コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理は、大当り遊技状態におけるラウンドとして特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態にする場合に、大入賞口を開放状態とする開放時間の設定を行う処理や、大入賞口を開放状態とするより前に所定の待ち時間が経過するまで待機する処理、その待ち時間が経過した後に大入賞口を開放状態とするための駆動信号をソレノイド回路102によってソレノイド82に対して供給させるための処理などを含んでいる。ステップS115の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、大当り遊技状態にて実行されるラウンドごとに大入賞口を開放状態とする残り時間を、特別図柄プロセスタイマ値を更新することなどによって計測する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態とするためにソレノイド回路102からソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などを含んでいる。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理は、大入賞口を開放状態とすることによるラウンドの実行回数が所定の開放回数最大値(例えば「15」)に達したか否かを判定する処理や、開放回数最大値に達した場合に大当り終了コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理は、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により大当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応した各種の設定を行う処理などを含んでいる。
図29は、図28のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す特別図柄通常処理において、CPU111は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部164に保持された特図保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップ201)。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS201;No)、特図保留記憶部161から保留番号「1」に対応して記憶されている各乱数値MR1〜MR3を示すデータを読み出す(ステップS202)。このとき読み出されたデータは、例えば遊技制御バッファ設定部165に設けられた表示結果判定用バッファなどにセットされればよい。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、特図保留記憶数を更新する(ステップS203)。さらに、ステップS203の処理では、特図保留記憶部161において保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された各乱数値MR1〜MR3を示すデータを、1エントリずつ上位にシフトする。
ステップS203の処理に続いて、例えば表示結果判定用バッファから読み出した乱数値MR1を示すデータが所定の大当り判定値データと合致するか否かを判定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定を行う(ステップS204)。ここで、大当り判定値データは、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか確変遊技状態であるかなどに対応して、乱数値MR1のうち予め定められた範囲の値を示すデータであればよい。パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか確変遊技状態であるかは、遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変フラグなどにより示されるようにすればよい。一例として、確変フラグがオフである場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であることに対応して、乱数値MR1のうち「2000」〜「2208」の範囲の値が、大当り判定値データと合致すればよい。他方、確変フラグがオンである場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態であることに対応して、乱数値MR1のうち「2000」〜「4089」の範囲の値が、大当り判定値データと合致すればよい。この場合、確変遊技状態では、通常遊技状態のときに比べて10倍高い確率で、表示結果判定用バッファから読み出した乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致することになる。なお、大当り判定値データは、ROM112に予め記憶された大当り判定テーブルのテーブルデータによって定められてもよい。
ステップS204にて乱数値MR1が大当り判定値データと合致した場合には(ステップS204;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS205)。続いて、例えば表示結果判定用バッファから読み出した乱数値MR1を示すデータが所定の確変判定値データと合致するか否かを判定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」のうちの「確変大当り」とするか否かの判定を行う(ステップS206)。ここで、確変判定値データは、乱数値MR1のうち予め定められた範囲の値を示すデータであればよい。一例として、確変フラグがオフである場合には、乱数値MR1のうち「2000」〜「2104」の範囲の値が、確変判定値データと合致すればよい。他方、確変フラグがオンである場合には、乱数値MR1のうち「2000」〜「3040」の範囲の値が、確変判定値データと合致すればよい。なお、確変判定値データは、ROM112に予め記憶された確変判定テーブルのテーブルデータによって定められてもよい。また、ステップS206の処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1とは異なる乱数値を示す数値データを抽出し、その数値データが確変判定値データと合致するか否かを判定することにより、可変表示結果を「確変大当り」とするか否かの判定を行うようにしてもよい。
ステップS206にて乱数値MR1が確変判定値データと合致した場合には(ステップS206;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS207)。そして、確変大当り図柄である「77」を示す特別図柄を、今回の特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄に決定する(ステップS208)。これに対して、ステップS206にて乱数値MR1が確変判定値データと合致しない場合には(ステップS206;No)、通常大当り図柄である「33」を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する(ステップS209)。ステップS204にて乱数値MR1が大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS204;No)、ハズレ図柄である「−−」を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する(ステップS210)。ステップS208〜S210の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示パターン設定処理に対応した値である“1”に更新した後(ステップS211)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS201;No)、遊技制御フラグ設定部162に設けられたデモ表示フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS212)。このとき、デモ表示フラグがオンであれば(ステップS212;Yes)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS212にてデモ表示フラグがオフである場合には(ステップS212;No)、例えばデモ表示コマンドテーブルの先頭アドレスをRAM113に設けられた送信コマンドポインタにセットすることなどにより、デモ表示コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS213)。こうしたステップS213での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図27に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対してデモ表示コマンドが送信されることになる。ステップS213の処理を実行した後には、デモ表示フラグをオン状態にセットしてから(ステップS214)、特別図柄通常処理を終了する。
図30は、図28のステップS111にて実行される可変表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す可変表示パターン設定処理において、CPU111は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS221;Yes)、可変表示パターンを決定するためのテーブルとして、図7(A)に示す大当りパターン決定テーブル200Aを設定する(ステップS222)。一例として、CPU111は、ステップS222の処理において、ROM112に記憶された大当りパターン決定テーブル200Aを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM113に設けられた所定のテーブルポインタにセットする。なお、ステップS222の処理では、確変確定フラグがオンであるか否か、すなわち、可変表示結果を「確変大当り」とするか否かに応じて、各可変表示パターンに対する可変表示パターン決定用の乱数値MR2の割当てが異なるパターン決定テーブルを設定するようにしてもよい。
ステップS221にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS221;No)、リーチ判定用の乱数値MR3を示す数値データを、例えば表示結果判定用バッファから読み出すことにより取得する(ステップS223)。続いて、ステップS223にて取得した乱数値MR3が所定のリーチ判定値データと合致するか否かを判定することにより、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かの判定を行う(ステップS224)。ここで、リーチ判定値データは、ROM112などに予め記憶されたリーチ判定テーブルを構成するテーブルデータによって定められればよい。具体的な一例として、乱数値MR3のうち「210」〜「239」の範囲の値が、リーチ判定値データと合致する。
ステップS224にて乱数値MR3がリーチ判定値データと合致した場合には(ステップS224;Yes)、可変表示パターンを決定するためのテーブルとして、図7(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル200Bを設定する(ステップS225)。一例として、CPU111は、ステップS225の処理において、ROM112に記憶されたリーチハズレパターン決定テーブル200Bを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、テーブルポインタにセットする。
ステップS224にて乱数値MR3がリーチ判定値データと合致しない場合には(ステップS224;No)、可変表示パターンを決定するためのテーブルとして、図7(C)に示す通常ハズレパターン決定テーブル200Cを設定する(ステップS226)。一例として、CPU111は、ステップS226の処理において、ROM112に記憶された通常ハズレパターン決定テーブル200Cを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、テーブルポインタにセットする。
ステップS222、S225、S226の処理のいずれかを実行した後には、可変表示パターン決定用の乱数値MR2を示す数値データを、例えば表示結果判定用バッファから読み出すことにより取得する(ステップS227)。そして、ステップS227にて取得した乱数値MR2に基づき、ステップS222、S225、S226の処理のいずれかにて設定したパターン決定テーブル200A〜200Cのいずれかを参照することにより、乱数値MR2に対応した可変表示パターンを決定する(ステップS228)。
ステップS228にて可変表示パターンを決定したときには、その可変表示パターン等に対応する可変表示時間を決定する(ステップS229)。このときには、可変表示パターンのみならず、例えば特図保留記憶数カウント値を読み出すことにより特定される特図保留記憶数にも対応して、可変表示時間を決定するようにしてもよい。また、ステップS229の処理では、決定された可変表示時間に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた特別図柄プロセスタイマに設定してもよい。その後、例えばステップS228にて決定された可変表示パターンや可変表示結果の種類を示す可変表示開始コマンドにおけるEXTデータを、遊技制御バッファ設定部165に設けられたパターンデータバッファにセットすることなどにより、決定された可変表示パターンを特定可能とした可変表示開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS230)。あるいは、ステップS230の処理では、可変表示結果の種類や、ステップS228にて決定された可変表示パターン、ステップS229にて決定された可変表示時間に対応して、ROM112等に用意された可変表示開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることにより、可変表示開始コマンドを送信するための設定を行うようにしてもよい。ステップS230での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図27に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送信される。
ステップS230の処理に続いて、例えば特図保留記憶数カウント値に対応する保留記憶数通知コマンドテーブルの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることなどにより、保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS231)。ステップS231での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図27に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送信される。その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS232)、可変表示パターン設定処理を終了する。
図31は、図28のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す特別図柄停止処理において、CPU111は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS241)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS241;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS242)。一例として、CPU111は、ステップS242の処理において、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、特別図柄プロセスタイマに設定する。
ステップS242の処理に続いて、大当り開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS243)。例えば、CPU111は、ステップS243の処理において、ROM112に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。ステップS243での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図27に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して大当り開始コマンドが送信される。
ステップS243の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS244)。続いて、確変フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS245)、オンである場合には(ステップS245;Yes)、確変フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS246)、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた確変回数カウンタをクリアして、その値を「0」に初期化する(ステップS247)。ステップS245にて確変フラグがオフである場合には(ステップS245;No)、ステップS246、S247の処理をスキップする。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS248)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS241にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS241;No)、確変フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS249)、オンである場合には(ステップS249;Yes)、確変回数カウンタの値である確変回数カウント値を1減算して更新する(ステップS250)。そして、更新後の確変回数カウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS251)。このとき、確変回数カウント値が「0」であれば(ステップS251;Yes)、確変フラグをクリアしてオフ状態とすることにより(ステップS252)、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態に制御する。
ステップS249にて確変フラグがオフである場合や(ステップS249;No)、ステップS251にて確変回数カウント値が「0」ではない場合(ステップS251;No)、あるいは、ステップS252の処理を実行した後には、デモ表示フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS253)。続いて、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS254)、特別図柄停止処理を終了する。
図32は、図28のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す大当り終了処理において、CPU111は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS261)。なお、大当り終了時演出待ち時間は、図28に示すステップS116の大入賞口開放後処理にて、大当り終了コマンドを送信するための設定が行われることに対応して、例えば特別図柄プロセスタイマに所定のタイマ初期値をセットすることなどにより、設定されるものであればよい。この場合、ステップS261の処理では、特別図柄プロセスタイマの値である特別図柄プロセスタイマ値を、例えば1減算するなどして更新し、更新後の値が「0」となったか否かを判定することにより、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。そして、大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS261;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
ステップS261にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS261;Yes)、確変確定フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS262)。このとき、確変確定フラグがオンであれば(ステップS262;Yes)、確変フラグをオン状態にセットすることにより(ステップS263)、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変遊技状態に制御する。続いて、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS264)、確変回数カウンタに予め定められたカウント初期値(例えば「100」)をセットする(ステップS265)。ステップS262にて確変確定フラグがオフである場合や(ステップS262;No)、ステップS265の処理を実行した後には、デモ表示フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS266)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS267)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が図33のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図33に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS51)、RAM133のクリアや各種初期値の設定、および、演出制御基板12に搭載された図示せぬCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。続いて、CPU131は、表示制御部121が備えるVDP141に設けられた一時記憶メモリ156における記憶領域を、図19に示すような固定アドレスエリア156Aと可変アドレスエリア156Bとに設定するための指令を行う記憶領域設定指令処理を実行する(ステップS52)。
図34は、図33のステップS52にて実行される記憶領域設定指令処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定指令処理において、CPU131は、図19に示すような可変アドレスエリア156Bとなる記憶領域を設定するためのデータとして、STADDの設定データと、ENADDの設定データとを、ROM132から読み出す(ステップS131、S132)。そして、ステップS131、S132にて読み出した設定データに基づいて記憶領域設定指令を作成し、VDP141に対して送信する(ステップS133)。
以上のような記憶領域設定指令処理を実行した後には、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aとなる記憶領域に、画像表示装置5における表示頻度が他の演出画像に比べて高くなる演出画像を示す画像データを事前に転送して一時記憶させるための指令を行う事前転送指令処理を実行する(図33のステップS53)。
図35は、図33のステップS53などにて実行される事前転送指令処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送指令処理において、CPU131は、まず、図11に示すような事前転送設定テーブル220をセットする(ステップS141)。例えば、CPU131は、ROM132に記憶された事前転送設定テーブル220を構成するテーブルデータの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM133に設けられた事前転送ポインタにセットする。続いて、CPU131は、RAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた事前転送カウンタをクリアして、その値を「0」に初期化する(ステップS142)。そして、事前転送カウンタの値である事前転送カウント値が「0」であることに対応した事前転送設定テーブル220のテーブルデータを読み出すことにより、処理数の設定を行う(ステップS143)。
この後、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS144)。そして、ステップS144にて更新した事前転送カウント値に対応した事前転送設定テーブル220のテーブルデータを読み出すことにより、画像データメモリ142における画像データの読出位置に対応した読出アドレスを特定する(ステップS145)。また、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS146)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル220のテーブルデータを読み出すことにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aとなる記憶領域にて画像データを一時記憶させる書込位置に対応した書込アドレスを特定する(ステップS147)。さらに、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS148)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル220のテーブルデータを読み出すことにより、転送データ量を特定する(ステップS149)。こうして特定された読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、CPU131は事前転送指令を作成し、VDP141に対して送信する(ステップS150)。このときには、処理数を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS151)。
ステップS151の処理に続いて、更新後の処理数が所定の終了判定値(例えば「0」)に達したか否かを判定する(ステップS152)。このとき、処理数が終了判定値に達していなければ(ステップS152;No)、ステップS144の処理に戻る。これに対して、処理数が終了判定値に達すれば(ステップS152;Yes)、事前転送カウンタをクリアして、その値を「0」に初期化してから(ステップS153)、事前転送指令処理を終了する。
以上のように、図33のステップS53にて事前転送指令処理を実行した後には、パチンコ遊技機1における電源が投入されたことに対応して、画像表示装置5の画面上における表示の初期設定を行うための初期表示設定処理を実行する(ステップS54)。例えば、ステップS54の初期表示設定処理では、CPU131がROM132から読み出した初期表示設定データなどに基づき、RAM133の演出制御バッファ設定部170に設けられた表示位置バッファ171や画像指定バッファ172にバッファ初期値を設定する。これにより、パチンコ遊技機1の電源が投入されたことに対応して、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRに最初に表示する飾り図柄の種類や、各可変表示部DL、DC、DRにおける飾り図柄の表示位置などが設定される。また、初期表示設定処理では、CPU131が画像表示初期設定指令を作成し、入出力ポート135からVDP141に対して伝送させる。これにより、画像データメモリ142からVDP141に画像データを読み出す際におけるデータバスのバス幅が、第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定されるとともに、チップセレクトの設定をCS#0として、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち、スプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2からスプライト画像データを読み出すように設定される。
ステップS54の初期表示設定処理を実行した後には、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたタイマ割込みフラグを監視して、そのフラグがオンとなったか否かを判定する(ステップS55)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。ステップS55にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS55;No)、タイマ割込みが発生するまでループ処理を実行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU131は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。CPU131は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135に含まれる入力ポートのうちで、信号中継基板14を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM133の演出制御バッファ設定部170に設けられた受信コマンドバッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して受信コマンドバッファに格納する。その後、CPU131は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS55にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS55;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS56)、主基板11から送信された演出制御コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行する(ステップS57)。図36は、図33のステップS57におけるコマンド解析処理にて実行される処理内容の一例を示す説明図である。ステップS57のコマンド解析処理では、まず、受信コマンドバッファをチェックして主基板11から送信された演出制御コマンドの受信があるか否かの判定が行われる。そして、受信コマンドありと判定したときには、そのコマンドを受信コマンドバッファから読み出す。これに続いて、読み出された受信コマンドに対応する各種の処理が実行される。
例えば、受信コマンドが可変表示開始コマンドであるときには(受信コマンド;可変表示開始)、受信コマンドの下位バイトを、RAM133の演出制御バッファ設定部170に設けられた可変表示開始バッファに記憶させるなどしてセーブする。このときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた可変表示開始フラグをオン状態にセットする。受信コマンドがデモ表示コマンドである場合には、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたデモ表示設定フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが大当り開始コマンドである場合には、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする。
また、受信コマンドが大当りラウンド数通知コマンドであるときには(受信コマンド;大当りラウンド数通知)、例えば受信コマンドの下位バイトを演出制御バッファ設定部170に設けられたラウンド数バッファに記憶させることなどにより、ラウンド数をセーブする。このときには、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたラウンド数通知済みフラグをオン状態にセットする。受信コマンドが大当り終了コマンドであるときには(受信コマンド;大当り終了)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた大当り終了フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが保留記憶数通知コマンドであるときには(受信コマンド;保留記憶数通知)、所定の保留記憶数表示設定処理を実行する。この保留記憶数表示設定処理では、例えば保留記憶数通知コマンドによって通知された特図保留記憶数を特定し、特定された特図保留記憶数に対応した設定や制御を行うことにより、画像表示装置5が備える特別図柄始動記憶表示エリアにて特図保留記憶数の表示が行われる。受信コマンドがその他のコマンドであるときには(受信コマンド;その他のコマンド)、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部にて受信した演出制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをオン状態にセットするなど、受信コマンドに対応した処理が実行される。
以上のように、図33のステップS57にてコマンド解析処理を実行した後には、飾り図柄プロセス処理を実行する(ステップS58)。この飾り図柄プロセス処理では、画像表示装置5の表示画面にて行われる飾り図柄の可変表示の進行状況に応じて、画像表示装置5の表示出力、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯動作などにより、各種の演出動作を実行するための設定が行われる。そして、演出側乱数値更新処理が実行されることにより(ステップS59)、演出制御基板12の側にて乱数回路134等によりカウントされる各種の乱数値が更新される。ステップS59にて演出側乱数値更新処理を実行した後には、ステップS55に戻る。
図37は、図33のステップS58にて実行される飾り図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す飾り図柄プロセス処理では、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた飾り図柄プロセスフラグの値に応じて、CPU131が以下のようなステップS170〜S175の各処理を選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づいて、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS171の飾り図柄可変表示設定処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この飾り図柄可変表示設定処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、例えば画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を含めた画像表示装置5における演出画像の表示動作といった、各種の演出動作を行うために、例えば図12(A)に示す演出制御パターンテーブル230に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンや可変表示結果の種類などに対応するものを選択する処理を含んでいる。
ステップS172の飾り図柄可変表示中処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この処理において、CPU131は、既に選択された演出制御パターンの設定に基づき、RAM133の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、例えば表示制御部121のVDP141に表示制御指令を伝送することや、音制御部122に音声データを伝送すること、ランプ制御部123にランプデータを伝送することといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。そして、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了に対応した終了コードを読み出したことなどに基づき、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応する所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。この後、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップS173の大当り開始待ち処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この処理において、CPU131は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信した場合には、飾り図柄の可変表示結果が大当りであるとの判断に基づき、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、演出制御プロセスタイマがタイムアウトした場合には、飾り図柄の可変表示結果がハズレであるとの判断に基づき、飾り図柄プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理において、CPU131は、例えば画像表示装置5における表示動作を制御して大当り遊技状態に応じた画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第15ラウンド)の終了に達したことや、主基板11から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理は、例えば画像表示装置5に所定の演出画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図38は、図37のステップS170にて実行される可変表示開始コマンド受信待ち処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示開始コマンド受信待ち処理において、CPU131は、まず、可変表示開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS301)。このとき、可変表示開始フラグがオフであれば(ステップS301;No)、デモ表示設定フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS302)、デモ表示設定フラグがオフであれば(ステップS302;No)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
ステップS302にてデモ表示設定フラグがオンである場合には(ステップS302;Yes)、デモ表示設定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS303)、図33に示すステップS53と同様の事前転送指令処理を実行する(ステップS304)。これにより、画像表示装置5の画面上にデモンストレーション画像を表示するための設定が行われることに対応して、事前転送設定テーブル220に登録された画像データを、画像データメモリ142から読み出してVDP141の一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送する旨の指令が行われる。ステップS304にて事前転送指令処理を実行した後には、例えば表示制御部121のVDP141に対してデモ画面の表示を指示するために予め用意された表示制御指令を送信することなどといった、デモ画面表示用の設定を行い、画像表示装置5の表示画面上にデモンストレーション画像を表示可能としてから(ステップS305)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
ステップS301にて可変表示開始フラグがオンである場合には(ステップS301;Yes)、例えば表示制御部121のVDP141に対してデモ画面の表示終了を指示するために予め用意された表示制御指令を送信することなどといった、デモ画面の表示を終了するための設定を行う(ステップS306)。続いて、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS307)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
図39は、図37のステップS171にて実行される飾り図柄可変表示設定処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示設定処理において、CPU131は、まず、演出制御パターンテーブル230に格納された複数種類の演出制御パターンのうちで、飾り図柄の可変表示中における演出動作の制御に用いるものを決定する(ステップS321)。例えば、CPU131は、ステップS321の処理において、可変表示開始バッファ値を読み出すことなどにより、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンを特定し、特定された可変表示パターンに対応する演出決定テーブルをセットする。一例として、特定された可変表示パターンがスーパーAの可変表示パターンである場合には、図16(B)に示すスーパーA演出決定テーブル260を、演出制御パターンを決定するためのテーブルとしてセットする。続いて、乱数回路134等により更新される演出制御パターン決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出し、抽出された乱数値SR1に基づきスーパーA演出決定テーブル260を参照することにより、スーパーAの可変表示パターンに対応して用意されたスーパーA−01〜スーパーA−04といったスーパーA演出制御パターンのいずれかを、飾り図柄の可変表示中における演出動作の制御に用いる演出制御パターンとして決定する。
ステップS321の処理で演出制御パターンを決定した後には、例えば確定飾り図柄などといった、飾り図柄の可変表示において停止表示される図柄(停止図柄)を決定する(ステップS322)。このときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や、ステップS321の処理で決定した演出制御パターンに応じて、異なる停止図柄が決定されるようにすればよい。ここで、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果は、可変表示開始バッファ値に対応して、通常ハズレ、リーチハズレ、通常大当り、確変大当りのいずれであるかが、特定されればよい。例えば、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が確変大当りである場合には、複数種類の確変図柄のうちから、大当り組合せの確定飾り図柄とするものを決定する。この場合、CPU131は、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる確変大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の確変図柄のうちで確定飾り図柄とするものを決定すればよい。他方、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が通常大当りである場合には、複数種類の通常図柄のうちから、大当り組合せの確定飾り図柄とするものを決定する。この場合、CPU131は、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる通常大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の通常図柄のうちで確定飾り図柄とするものを決定すればよい。また、ステップS321の処理でスーパーA−01〜スーパーA−04といったスーパーA演出制御パターンのいずれかに決定された場合には、分離演出を実行するために、確定飾り図柄とは別に、飾り図柄の可変表示中において「左」と「右」の可変表示部DL、DRにて一旦停止表示させる飾り図柄を決定する。このとき決定される飾り図柄は、停止表示されたときにリーチとならない所定組合せの飾り図柄(通常ハズレ組合せを構成する飾り図柄)となるように、CPU131がROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれるスーパーA−01演出用図柄決定テーブルを参照することにより、あるいは、予め用意されたプログラムを実行することなどにより、複数種類の飾り図柄のうちから選択されればよい。なお、ステップS322の処理では、「左」、「中」、「右」の各可変表示部において複数の有効ラインが予め定められている場合に、各可変表示部における停止図柄の停止位置(例えば、上段、中段、下段のいずれか)も決定すればよい。
加えて、ステップS322の処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がリーチハズレである場合には、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する。この場合、CPU131は、乱数回路134等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「左」の可変表示部DLに導出表示される左確定飾り図柄を決定する。また、左確定飾り図柄と同一の図柄番号である飾り図柄を、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「右」の可変表示部DRに導出表示される右確定飾り図柄に決定する。さらに、乱数回路134等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「中」の可変表示部DCに導出表示される中確定飾り図柄を決定する。このとき、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチハズレ組合せとなるようにすればよい。
さらに、ステップS322の処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が通常ハズレである場合には、通常ハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する。この場合、CPU131は、乱数回路134等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄を決定する。また、乱数回路134等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、中確定飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路134等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、右確定飾り図柄を決定する。このとき、例えば右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せやリーチハズレ組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を右確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せやリーチハズレ組合せとはならずに通常ハズレ組合せとなるようにすればよい。
ステップS322の処理にて停止図柄を決定した後には、決定された停止図柄を示すデータを演出制御バッファ設定部170に設けられた停止図柄バッファに記憶させることなどにより、停止図柄をセーブする(ステップS323)。続いて、例えばステップS321の処理で決定された演出制御パターンの先頭アドレスから演出制御プロセスタイマ初期値を読み出して、RAM133の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにセットすることなどにより、タイマ初期値の設定を行う(ステップS324)。そして、例えば演出制御パターンのスプライト画像表示制御パターンに含まれるスプライト画像表示制御データに対応した表示制御指令を入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信することなどにより、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS325)。その後、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS326)、飾り図柄可変表示設定処理を終了する。
図40は、図37のステップS172にて実行される飾り図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示中処理において、CPU131は、まず、演出制御プロセスタイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS341)。このときには、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにて示される各種のタイマ判定値と比較することなどにより、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS342)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS342;No)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS342にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS342;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された各種制御データ(スプライト画像表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、動画像表示制御データ、終了コードのいずれか)を読み出す(ステップS343)。ここで、ステップS342の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の制御データを、ステップS343の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS343にて読み出された制御データが終了コードであるか否かの判定を行う(ステップS344)。このとき、終了コードであると判定されれば(ステップS344;Yes)、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、大当り開始コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS345)。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS346)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS344にて終了コードではないと判定された場合には(ステップS344;No)、ステップS343にて読み出された制御データに応じた指令や設定を行うための演出制御指令処理を実行してから(ステップS347)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
図41は、図40のステップS347にて実行される演出制御指令処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御指令処理において、CPU131は、まず、図40に示すステップS343の処理で読み出された制御データの種類を、スプライト画像表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、動画像表示制御データのうちから特定する(ステップS401)。そして、ステップS401の処理で特定された制御データの種類は音声制御データであるか否かの判定を行う(ステップS402)。
ステップS402にて音声制御データであると判定された場合には(ステップS402;Yes)、読み出した音声制御データに従って作成した音声データを、入出力ポート135から音制御部122に対して伝送させる(ステップS403)。ステップS402にて音声制御データではないと判定された場合や(ステップS402;No)、ステップS403の処理を実行した後には、ステップS401の処理で特定された制御データの種類はランプ制御データであるか否かの判定を行う(ステップS404)。
ステップS404にてランプ制御データであると判定された場合には(ステップS404;Yes)、読み出したランプ制御データに従って作成したランプデータを、入出力ポート135からランプ制御部123に対して伝送させる(ステップS405)。ステップS404にてランプ制御データではないと判定された場合や(ステップS404;No)、ステップS405の処理を実行した後には、ステップS401の処理で特定された制御データの種類はスプライト画像表示制御データであるか否かの判定を行う(ステップS406)。
ステップS406にてスプライト画像表示制御データであると判定された場合には(ステップS406;Yes)、スプライト画像データを用いて生成したスプライト画像の表示に関する指令や設定を行うためのスプライト画像更新指令処理を実行する(ステップS407)。ステップS406にてスプライト画像表示制御データではないと判定された場合や(ステップS406;No)、ステップS407にてスプライト画像更新指令処理を実行した後には、ステップS401の処理で特定された制御データの種類は動画像表示制御データであるか否かの判定を行う(ステップS408)。
ステップS408にて動画像表示制御データであると判定された場合には(ステップS408;Yes)、動画像データを用いて生成した動画像の再生表示に関する指令や設定を行うための動画像表示指令処理を実行してから(ステップS409)、演出制御指令処理を終了する。これに対して、ステップS408にて動画像表示制御データではないと判定された場合には(ステップS408;No)、ステップS409の動画像表示指令処理を実行せずに、演出制御指令処理を終了する。
図42は、図41のステップS407にて実行されるスプライト画像更新指令処理の一例を示すフローチャートである。このスプライト画像更新指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンのスプライト画像表示制御パターンから読み出したスプライト画像表示制御データなどから、表示を更新する対象となる画像部位を特定する(ステップS421)。続いて、ステップS421の処理で特定した画像部位に対応する画像データの読出位置が、VDP141の一時記憶メモリ156に設けられた固定アドレスエリア156Aであるか、画像データメモリ142であるかの判定を行う(ステップS422)。すなわち、ステップS421にて特定した画像部位は、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送された画像データが示す画像であるか否かの判定を行う。例えば、ステップ422の処理では、事前転送設定テーブル220にステップS421の処理で特定された画像のスプライト画像データを示すテーブルデータが含まれているか否かを判定すればよい。あるいは、ステップS422の処理では、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに一時記憶された画像データを管理するインデックステーブル300を参照して、ステップS421の処理で特定された画像のスプライト画像データが固定アドレスエリア156Aに一時記憶されているか否かを判定してもよい。
ステップS422にて画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであると判定された場合には(ステップS422;Yes)、例えばスプライト画像表示制御パターンから読み出したスプライト画像表示制御データや、図18に示す画像指定バッファ172におけるバッファ値、及び、図14(A)〜(C)に示す各図柄配列設定テーブル240L、240C、240Rから読み出したテーブルデータなどにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS423)。一例として、ステップS421の処理で、画像表示装置5における「左」の可変表示部DLにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄の部分が、更新対象となる画像部位として特定された場合には、ステップS423の処理において、左図柄画像指定バッファ172Lのバッファ値に対応して左図柄配列設定テーブル240Lから読み出したテーブルデータに示される画像データの記憶アドレスを、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出アドレスとして特定すればよい。
ステップS423の処理に続いて、例えばスプライト画像表示制御データや、図18に示す表示位置バッファ171におけるバッファ値、及び、図15に示すスクロール表示制御テーブル250から読み出したテーブルデータなどにより、スプライト画像の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ157における画像データの書込アドレスを特定する(ステップS424)。一例として、ステップS421の処理で、画像表示装置5における「左」の可変表示部DLにて飾り図柄を表示する際に基準となる図柄の部分が、更新対象となる画像部位として特定された場合には、ステップS424の処理において、「左」の可変表示部DLに対応して予め定められたX座標「0X」と、左図柄表示位置バッファ171Lのバッファ値に対応してスクロール表示制御テーブル250から読み出したテーブルデータに示されるY座標(「48Y」〜「143Y」のいずれか)とに対応して、画像データの書込アドレスが特定される。
ステップS424の処理が実行された後には、更新対象となるスプライト画像を示す画像データの転送データ量を特定する(ステップS425)。そして、ステップS423〜S425の処理で特定した読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づいて、固定アドレス指定転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS426)。
ステップS422にて画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aではないと判定された場合には(ステップS422;No)、例えばスプライト画像表示制御パターンから読み出したスプライト画像表示制御データなどから、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS427)。また、例えばスプライト画像表示制御データなどから、スプライト画像の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ157における画像データの書込アドレスを特定する(ステップS428)。さらに、更新対象となるスプライト画像を示す画像データの転送データ量を特定する(ステップS429)。その後、ステップS427〜S429の処理で特定した読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づいて、自動転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS430)。
この後、全ての更新対象となる画像部位についての指令が完了したか否かを判定する(ステップS431)。そして、指令が完了していなければ(ステップS431;No)、ステップS421の処理に戻る。これに対して、全ての更新対象となる画像部位について指令が完了すれば(ステップS431;Yes)、スプライト画像更新指令処理を終了する。
図43は、図41のステップS409にて実行される動画像表示指令処理の一例を示すフローチャートである。この動画像表示指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンの動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上にて動画像の再生表示を開始するのか否かを判定する(ステップS441)。このとき、動画像の再生表示を開始すると判定された場合には(ステップS441;Yes)、例えば動画像表示制御データに従って作成した動画像表示初期設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS442)。これにより、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅が、動画像の再生表示に対応する第2のバス幅として予め定められた32ビットに設定される。また、画像データメモリインタフェース153におけるチップセレクトの設定がCS#1とされることにより、動画像用のメモリチップ142−3が読出対象のチップに設定される。続いて、例えば動画像表示制御データに作成した動画像表示開始設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS443)。これにより、画像データメモリ142の動画像データエリア142Bから読み出して動画像の再生表示に用いる動画像データが特定され、その動画像データがインデックステーブル300による管理の対象として設定される。
ステップS441にて動画像の再生表示開始ではないと判定された場合や(ステップS441;No)、ステップS443の処理を実行した後には、例えば動画像表示制御データを参照することや、表示制御部121のVDP141から伝送されるイベント割込み信号がオン状態となったか否かを判定することなどにより、動画像データのデコードタイミングとなったか否かを判定する(ステップS444)。このとき、動画像データのデコードタイミングであると判定された場合には(ステップS444;Yes)、例えば動画像表示制御データに従った動画像デコード指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS445)。
ステップS444にて動画像データのデコードタイミングではないと判定された場合や(ステップS444;No)、ステップS445の処理を実行した後には、例えば動画像表示制御データを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における動画像の再生表示を終了するのか否かを判定する(ステップS446)。このとき、動画像の再生表示を終了すると判定された場合には(ステップS446;Yes)、例えば動画像表示制御データに従って作成した動画像表示終了設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS447)。これにより、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅が、スプライト画像の表示に対応する第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定される。また、画像データメモリインタフェース153におけるチップセレクトの設定がCS#0とされることにより、スプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2が読出対象のチップに設定される。このようなステップS447の処理を実行した後には、動画像表示指令処理を終了する。また、ステップS446にて動画像の再生表示終了ではないと判定された場合には(ステップS446;No)、ステップS447の処理を実行することなく、動画像表示指令処理を終了する。
図44は、図37のステップS173にて実行される大当り開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。この大当り開始待ち処理において、CPU131は、まず、大当り開始コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS371)。例えば、ステップS371の処理では、演出制御プロセスタイマ値を1減算するなどして更新し、更新後の値が「0」となったか否かを判定することにより、大当り開始コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。このとき更新される演出制御プロセスタイマにおけるタイマ初期値は、図40に示すステップS345の処理で設定されるものであればよい。
ステップS371にて大当り開始コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS371;No)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS372)。このとき、大当り開始フラグがオフであれば(ステップS372;No)、未だ大当り開始コマンドを受信していないと判断して、大当り開始待ち処理を終了する。これに対して、大当り開始フラグがオンである場合には(ステップS372;Yes)、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS373)、図33に示すステップS53や図38に示すステップS304と同様の事前転送指令処理を実行する(ステップS374)。これにより、飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されたことや、大当り遊技状態における演出表示が開始されることなどに対応して、事前転送設定テーブル220に登録された画像データを、画像データメモリ142から読み出してVDP141の一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送する旨の指令が行われる。ステップS374にて事前転送指令処理を実行した後には、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS375)、大当り開始待ち処理を終了する。
ステップS371にて大当り開始コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS371;Yes)、飾り図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS376)、大当り開始待ち処理を終了する。
図45は、表示制御部121のVDP141が備える転送制御回路152により実行される転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されて受信した表示制御指令があるか否かを判定する(ステップS601)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信指令がなければ(ステップS601;No)、ステップS601の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS601にて受信指令がある場合には(ステップS601;Yes)、その受信指令が記憶領域設定指令であるか否かを判定する(ステップS602)。そして、記憶領域設定指令であれば(ステップS602;Yes)、所定の記憶領域設定処理を実行する一方(ステップS603)、記憶領域設定指令ではなければ(ステップS602;No)、受信指令が事前転送指令であるか否かを判定する(ステップS604)。
ステップS604にて受信指令が事前転送指令である場合には(ステップS604;Yes)、所定の事前転送処理を実行する(ステップS605)。これに対して、受信指令が事前転送指令ではない場合には(ステップS604;No)、受信指令が自動転送指令であるか否かを判定する(ステップS606)。このとき、受信指令が自動転送指令であれば(ステップS606;Yes)、所定の自動転送制御処理を実行する(ステップS607)。ステップS606にて受信指令が自動転送指令ではない場合や(ステップS606;No)、ステップS603、S605、S607の処理のいずれかを実行した後には、ステップS601の処理に戻る。
図46は、図45のステップS603にて実行される記憶領域設定処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定処理において、転送制御回路152は、まず、一時記憶メモリ156をクリアして、その記憶内容を初期化する(ステップS611)。続いて、記憶領域設定指令に含まれるデータから、可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDを特定する(ステップS612)。そして、このとき特定されたアドレスSTADDを、VDP141に内蔵された所定のレジスタにセットして格納する(ステップS613)。また、転送制御回路152は、記憶領域設定指令に含まれるデータから、可変アドレスエリア156Bの終了アドレスENADDを特定する(ステップS614)。そして、このとき特定されたアドレスENADDを、VDP141に内蔵された所定のレジスタにセットして格納してから(ステップS615)、記憶領域設定処理を終了する。こうしてVDP141の内部レジスタに可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDや終了アドレスENADDが格納されることにより、一時記憶メモリ156にて可変アドレスエリア156Bとなる記憶領域が確保されることになる。
図47は、図45のステップS605にて実行される事前転送処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送処理において、転送制御回路152は、まず、事前転送指令に含まれるデータから、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスを特定する(ステップS621)。続いて、事前転送指令に含まれるデータから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS622)。また、事前転送指令に含まれるデータから、転送すべき画像データのデータ量を特定する(ステップS623)。そして、ステップS621〜S623の処理で特定した画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを固定アドレスエリア156Aに転送するように、データ転送の開始設定を行う(ステップS624)。例えば、転送制御回路152は、ステップS624の処理において、所定のDMA装置に、画像データメモリ142の読出アドレス、一時記憶メモリ156の書込アドレス、転送する画像データのデータ量をセットして、DMA転送による画像データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS625)、完了していなければ(ステップS625;No)、ステップS625の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS625にて画像データの転送が完了したと判定されれば(ステップS625;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル300に画像データの転送完了を登録してから(ステップS626)、事前転送処理を終了する。ステップS626の処理において、転送制御回路152は、例えば事前転送指令に含まれるデータなどに基づき、固定アドレスエリア156Aへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータを、固定アドレスエリア156Aに対応して設けられたインデックステーブル300に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定する。
図48は、図45のステップS607にて実行される自動転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、自動転送指令に含まれるデータから、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスを特定する(ステップS631)。続いて、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS632)。例えば、転送制御回路152は、ステップS632の処理において、インデックステーブル300を参照することにより可変アドレスエリア156Bのうち「転送完了フラグ」が「オン」となって有効な画像データ等が記憶されている領域以外の空き領域を特定する。こうして特定された空き領域のうちから、今回転送すべき画像データを記憶させる領域を決定し、その先頭アドレスを書込アドレスとして特定すればよい。
また、転送制御回路152は、自動転送指令に含まれるデータから、転送すべき画像データのデータ量を特定する(ステップS633)。そして、ステップS631〜S633の処理で特定した画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを可変アドレスエリア156Bに転送するように、データ転送の開始設定を行う(ステップS634)。例えば、転送制御回路152は、ステップS634の処理において、所定のDMA装置に、画像データメモリ142の読出アドレス、一時記憶メモリ156の書込アドレス、転送する画像データのデータ量をセットして、DMA転送による画像データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS635)、完了していなければ(ステップS635;No)、ステップS635の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS635にて画像データの転送が完了したと判定されれば(ステップS635;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル300に画像データの転送完了を登録してから(ステップS636)、自動転送制御処理を終了する。ステップS636の処理において、転送制御回路152は、例えば可変アドレスエリア156Bに対応して設けられたインデックステーブル300において「転送完了フラグ」が「オフ」となっているテーブルデータを特定し、特定されたテーブルデータについて、可変アドレスエリア156Bへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」を示すものに更新するとともに、対応する「転送完了フラグ」を「オン」に設定する。
また、この自動転送制御処理にて画像データを転送する場合には、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに画像データを転送した後に、例えば可変アドレスエリア156Bに対応して設けられたインデックステーブル300における「インデックス番号」などといった、転送された画像データを特定するための情報を描画回路155に通知して、描画回路155による画像データの読出を可能にしてもよい。
図49は、表示制御部121のVDP141が備える描画回路155により実行される描画処理の一例を示すフローチャートである。この描画処理において、描画回路155は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されて受信した表示制御指令があるか否かを判定する(ステップS701)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信指令がなければ(ステップS701;No)、ステップS701の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS701にて受信指令がある場合には(ステップS701;Yes)、その受信指令が固定アドレス指定転送指令であるか否かを判定する(ステップS702)。そして、固定アドレス指定転送指令であれば(ステップS702;Yes)、所定の固定アドレス指定描画処理を実行する一方(ステップS703)、固定アドレス指定転送指令ではなければ(ステップS702;No)、受信指令が自動転送指令であるか否かを判定する(ステップS704)。
ステップS704にて受信指令が自動転送指令である場合には(ステップS704;Yes)、所定の自動転送描画処理を実行する(ステップS705)。ステップS704にて受信指令が自動転送指令ではない場合や(ステップS704;No)、ステップS703、S705の処理のいずれかを実行した後には、ステップS701の処理に戻る。
図50は、図49のステップS703にて実行される固定アドレス指定描画処理の一例を示すフローチャートである。この固定アドレス指定描画処理において、描画回路155は、まず、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS711)。続いて、ステップS711にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル300を参照し、読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS712)。
ステップS712にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS712;Yes)、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータから、フレームバッファメモリ157における表示用データの書込アドレスを特定する(ステップS713)。この後、描画回路155は、ステップS711にて特定した読出アドレスからの画像データの読出動作と、ステップS713にて特定した書込アドレスへの表示用データの書込動作とを行い、フレームバッファメモリ157に表示用データを展開記憶させる(ステップS714)。このとき、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データがピクセルデータである場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをそのまま表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。他方、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データが、ポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータである場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出したベクトルデータに基づいてピクセルデータを作成し、そのピクセルデータを表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。また、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データが、例えば離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)やアダマール変換といった、所定の圧縮符号化が施されている場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データに所定の復号化処理を施すことにより得られるピクセルデータを、表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。なお、表示用データを作成するために使用される画像データが3次元表示用の画像データやポリゴンなどのベクトルデータである場合には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された画像データに基づく所定の演算処理の実行結果として得られたデータを、VDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば描画回路155がCPUから転送されたデータに基づいて表示用データを作成し、フレームバッファメモリ157に展開記憶させるようにすればよい。
また、描画回路155は、フレームバッファメモリ157に表示用データを展開記憶させるときに、フレームバッファメモリ157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして展開するようにしてもよい。あるいは、描画回路155は、画像表示装置5の画面上における画像の表示座標に対応した2次元のデータとして展開するようにしてもよい。ここで、フレームバッファメモリ157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして表示用データを展開すれば、画像の水平サイズや垂直サイズに拘束されることなく、フレームバッファメモリ157にて連続するアドレスに表示用データを書き込むことができるので、フレームバッファメモリ157の使用効率を高めることができる。他方、画像表示装置5の表示画面上における演出画像の表示座標に対応した2次元のデータとして表示用データを展開すれば、フレームバッファメモリ157から読み出した表示用データの読出位置と表示画面上における表示座標とを1対1に対応させることができ、例えばフレームバッファメモリ157の記憶アドレスから画像表示装置5の表示画面上における演出画像の表示座標への変換に要する処理負担を軽減することができる。ここで、フレームバッファメモリ157に展開記憶する表示用データを1次元のデータとするか2次元のデータとするかは、例えば表示回路158に含まれる液晶ドライバといった、画像表示装置5の画面上に画像を表示させる回路の性能に合わせて、適宜設計すればよい。
加えて、ステップS714の処理では、これからフレームバッファメモリ157に書き込もうとする表示用データ(書込側データ)と、各画素に対応して既にフレームバッファメモリ157に記憶されている表示用データ(記憶側データ)との間で優先度の比較を行い、書込側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込む一方で、記憶側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込まないようにしてもよい。具体的な一例として、フレームバッファメモリ157には、各画素のピクセルデータを記憶するエリアとは別に、各画素の記憶側データに付された優先度に対応したZ値を記憶するエリアが設けられている。また、描画回路155が一時記憶メモリ156から読み出す画像データにも、各画素の優先度に対応したZ値を示すデータが含まれている。そして、描画回路155は、各画素の書込側データと記憶側データでZ値の比較演算を実行することで、書込側データと記憶側データのうちどちらの優先度が高いかを判定すればよい。例えば、所定のキャラクタを示す画像データでは、各画素における優先度が、背景画像を示す画像データに比べて高くなるように予め設定しておく。これにより、背景画像の前面にキャラクタの画像を出現させるように、フレームバッファメモリ157への表示用データの書き込みを行うことができる。
ステップS714の処理を実行した後には、フレームバッファメモリ157に表示用データを書き込むことによる描画が完了したか否かを判定し(ステップS715)、完了していなければ(ステップS715;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS716)、ステップS714の処理に戻る。他方、ステップS715にて描画が完了すれば(ステップS715;Yes)、固定アドレス指定描画処理を終了する。
ステップS712にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS712;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS717)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS717;No)、ステップS712に戻って待機する。これに対して、ステップS717にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS717;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を伝送することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS718)、固定アドレス指定描画処理を終了する。描画回路155がステップS718の処理を実行することにより伝送されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知するようにすればよい。このときには、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させてエラーの発生を報知することにより、画像表示装置5における表示動作に異常が発生して正しく表示できない場合でも、エラーの発生を適切に報知することができる。
図51は、図49のステップS705にて実行される自動転送描画処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送描画処理において、描画回路155は、まず、例えば転送制御回路152からの通知などに基づいて、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS731)。続いて、ステップS731にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル300を参照し、読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS732)。
ステップS732にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS732;Yes)、自動転送指令に含まれるデータから、フレームバッファメモリ157における表示用データの書込アドレスを特定する(ステップS733)。この後、描画回路155は、ステップS731にて特定した読出アドレスからの画像データの読出動作と、ステップS733にて特定した書込アドレスへの画像データの書込動作とを行う(ステップS734)。このとき、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データがピクセルデータである場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをそのまま表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。他方、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データが、ポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータである場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出したベクトルデータに基づいてピクセルデータを作成し、そのピクセルデータを表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。また、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データが、例えば離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)やアダマール変換といった、所定の圧縮符号化が施されている場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データに所定の復号化処理を施すことにより得られるピクセルデータを、表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。なお、表示用データを作成するために使用される画像データが3次元表示用の画像データやポリゴンなどのベクトルデータである場合には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された画像データに基づく所定の演算処理の実行結果として得られたデータを、VDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば描画回路155がCPUから転送されたデータに基づいて表示用データを作成し、フレームバッファメモリ157に展開記憶させるようにすればよい。
また、描画回路155は、フレームバッファメモリ157に表示用データを展開記憶させるときに、フレームバッファメモリ157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして展開するようにしてもよい。あるいは、描画回路155は、画像表示装置5の画面上における画像の表示座標に対応した2次元のデータとして展開するようにしてもよい。ここで、フレームバッファメモリ157に展開記憶する表示用データを1次元のデータとするか2次元のデータとするかは、表示回路158に含まれる液晶ドライバといった、画像表示装置5の画面上に画像を表示させる回路の性能に合わせて、適宜設計すればよい。加えて、ステップS734の処理では、これからフレームバッファメモリ157に書き込もうとする表示用データ(書込側データ)と、各画素に対応して既にフレームバッファメモリ157に記憶されている表示用データ(記憶側データ)との間で優先度の比較を行い、書込側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込む一方で、記憶側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込まないようにすればよい。
ステップS734の処理を実行した後には、フレームバッファメモリ157に表示用データを書き込むことによる描画が完了したか否かを判定し(ステップS735)、完了していなければ(ステップS735;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS736)、ステップS734の処理に戻る。他方、ステップS735にて描画が完了すれば(ステップS735;Yes)、描画に用いた画像データと対応付けてインデックステーブル300に登録された「転送完了フラグ」をクリアして「オフ」とした後(ステップS737)、自動転送描画処理を終了する。なお、可変アドレスエリア156Bに一時記憶されている画像データを再利用する場合には、ステップS737の処理を実行することなく、自動転送描画処理を終了することで、描画に用いた画像データと対応付けてインデックステーブル300に登録された「転送完了フラグ」を「オン」のままにしておけばよい。
ステップS732にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS732;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS738)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS738;No)、ステップS732に戻って待機する。これに対して、ステップS738にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS738;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を伝送することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS739)、自動転送描画処理を終了する。描画回路155がステップS739の処理を実行することにより伝送されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、ステップS718の処理により伝送されたエラー情報を受け取った場合と同様に、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知すればよい。
図52は、表示制御部121のVDP141が備える動画像用デコーダ154により実行される動画像デコード処理の一例を示すフローチャートである。動画像用デコーダ154は、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された動画像デコード指令を受信したことに応答して、図52に示すような動画像デコード処理の実行を開始する。この動画像デコード処理において、動画像用デコーダ154は、まず、画像データメモリ142に記憶されている演出表示に使用する動画像データから、1フレーム分のピクチャを示すピクチャデータを読み出す(ステップS751)。なお、動画像用デコーダ154が画像データメモリ142に記憶されている動画像データを読み出す際には、例えば事前に演出制御用マイクロコンピュータ120から送信された動画像表示初期設定指令といった、動画像の再生表示を行うための初期設定指令に応答して、画像データメモリ142から動画像データを読み出すデータバスのバス幅が、32ビット幅といった、転送制御回路152が画像データメモリ142からスプライト画像データを読み出すときとは異なるバス幅に設定されている。また、ピクチャデータは、動画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番とデコードされる順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配置されているIピクチャ又はPピクチャをデコードしたあとにデコードされる。ステップS751の処理において、動画像用デコーダ154は、例えば事前に演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された動画像表示開始設定指令といった、動画像の再生表示を開始するための設定指令に応答して、画像データメモリ142における動画像データの読出位置(例えば読出アドレス)を指定する読出ポインタの値(読出ポインタ値)や、フレームバッファメモリ157にてデコード後の表示用データを書き込む書込位置(例えば書込アドレス)を指定する書込ポインタの値(書込ポインタ値)、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにて個別の動画像に対応したデコード後の画像データを一時記憶するピクチャバッファ位置(例えば記憶アドレス)を指定するピクチャバッファポインタの値(ピクチャバッファポインタ値)の設定を行うようにすればよい。
なお、フレーム内符号化やフレーム間符号化などにより圧縮された画像データから構成される動画像データを読み出す際には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして動画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された動画像データを、そのままVDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば動画像用デコーダ154がステップS751の処理において、ホストインタフェース151などの外部インタフェースを介して、転送された動画像データを受け取るようにすればよい。
ステップS751にてピクチャデータを読み出した後、動画像用デコーダ154は、その読出データをデコードし(ステップS752)、デコード後のピクチャデータを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにてピクチャバッファポインタ値に対応したピクチャバッファに一旦記憶させた後、書込ポインタ値に対応するフレームバッファメモリ157の書込アドレスに書き込んで記憶させることにより、動画像を画像表示装置5の画面内における所定位置にて再生表示可能とする(ステップS753)。なお、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに一旦記憶されたピクチャデータを読み出してフレームバッファメモリ157に書き込む処理は、描画回路155が実行するようにしてもよい。
ステップS753の処理に続いて、読出ポインタ値の更新を行う(ステップS754)。ここで、1つの動画像を再生表示するために一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに設けられた複数のピクチャバッファを用いる場合には、ステップS754の処理においてピクチャバッファポインタ値の更新も行うようにすればよい。こうして1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了すると、動画像用デコーダ154は、ホストインタフェース151から演出制御用マイクロコンピュータ120に対してイベント割込み信号を出力させる(ステップS755)。これにより、1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了したことが、VDP141から演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131へと通知されることになる。そして、例えばイベント割込み信号の出力期間を計測するためのタイマをスタートさせて、そのタイマ値が所定の信号出力期間判定値に達したか否かを判定することなどにより、信号出力期間が終了したか否かを判定する(ステップS756)。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120からイベント割込み信号を受け付けたことに対する応答信号を受信したか否かの判定を行うことにより、信号出力期間が終了したか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS756にて信号出力期間が終了しない場合には(ステップS756;No)、ステップS756の処理を繰り返し実行して待機する。これに対して、信号出力期間が終了した場合には(ステップS756;Yes)、イベント割込み信号の出力を停止してから(ステップS757)、動画像デコード処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1の電源が投入され、所定の電源基板から電源電圧の供給が開始されると、演出制御基板12では、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が初期化処理を実行した後(図33のステップS51)、記憶領域設定指令処理を実行する(ステップS52)。この記憶領域設定指令処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して記憶領域設定指令を送信する(図34のステップS133)。
VDP141では、例えば転送制御回路152が、記憶領域設定指令を受信したことに応答して(図45のステップS602;Yes)、記憶領域設定処理を実行する(ステップS603)。この記憶領域設定処理では、記憶領域設定指令により通知された可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDと終了アドレスENADDをVDP141の内部レジスタに格納することなどによって(図46のステップS613、S615)、一時記憶メモリ156における複数の記憶領域として、固定アドレスエリア156Aと可変アドレスエリア156Bとが設定されることになる。
図53は、演出制御基板12に搭載された表示制御部121における画像データ処理動作の一例を示す説明図である。演出制御用マイクロコンピュータ120の起動に対応して、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が事前転送指令処理を実行する(図33のステップS53)。そして、事前転送指令処理では、まず、事前転送設定テーブル220をセットする(図35のステップS141)。このときセットされる事前転送設定テーブル220には、例えば図54(A)に示すように、飾り図柄として画像表示装置5の画面上に飾り図柄となる合成画像A1〜A8を表示するための画像データとして、合成画像A1〜A8を示す画像データを、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aから読み出し、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送して一時記憶させるためのテーブルデータが含まれている。ここで、各合成画像A1〜A8を示す画像データの書込アドレスは、固定アドレスエリア156Aにて合成画像A1〜A8を示す画像データのそれぞれが連続した記憶領域に記憶されるように、予め設定されていてもよい。あるいは、各合成画像A1〜A8を示す画像データの書込アドレスは、固定アドレスエリア156Aにて離散した記憶領域に合成画像A1〜A8を示す画像データのそれぞれが記憶されるように、予め設定されていてもよい。CPU131は、処理数及び事前転送カウント値に応じて事前転送設定テーブル220から読み出したテーブルデータにより特定される画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、事前転送指令を作成してVDP141に送信する(図35のステップS144〜S150)。これにより、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうち、例えばスプライト画像データエリア142Aに記憶されて飾り図柄となる合成画像A1〜A8を示す画像データといった、各画像データに示される画像の表示頻度が所要の画像データ(例えば、分離演出中に表示される番号を示す表示画像N1〜N8の画像データなど)に示される画像の表示頻度に比べて高い画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送することの指令が行われる。
VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送指令を受信したことに応答して(図45のステップS604;Yes)、事前転送処理を実行する(ステップS605)。この事前転送処理では、事前転送指令により通知された画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量などに基づいて、画像データメモリ142から画像データを読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送する(図47のステップS621〜S625)。これにより、例えば図54(B)に示すように、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうち、スプライト画像データエリア142Aに記憶された合成画像A1〜A8を示す画像データなどが、画像データメモリ142から読み出されて一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送され、事前に一時記憶されることになる。このときには、事前転送設定テーブル220を構成するテーブルデータの設定に応じて、合成画像A1〜A8を示す画像データのそれぞれが、固定アドレスエリア156Aにて連続する記憶領域に記憶されてもよいし、固定アドレスエリア156Aにて離散した記憶領域に記憶されてもよい。
その後、遊技領域に打ち込まれた遊技球が普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと入賞したことに応じて、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立する。こうした実行条件の成立に基づき、例えば画像表示装置5では「左」、「中」、「右」の各可変表示部において飾り図柄の可変表示が開始される。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が図12(A)に示す演出制御パターンテーブル230に格納された複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターン等に対応した演出制御パターンを設定する(図39のステップS321)。その後、定期的に演出制御プロセスタイマ値を更新し(図40のステップS341)、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した制御データが終了コードではない場合に(ステップS344;No)、演出制御指令処理を実行することで(ステップS347)、各種の演出動作を制御するための指令や設定が行われる。
例えば、演出制御パターンに含まれるスプライト画像表示制御パターンから読み出されたスプライト画像表示制御データなどに従って、画像表示装置5の画面上におけるスプライト画像の表示を更新するための処理として、CPU131が図41に示すステップS407にてスプライト画像更新指令処理を実行する。このスプライト画像更新指令処理では、更新対象となる画像部位を示す画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであるか否かを判定する(図42のステップS422)。
更新対象となる画像部位が飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかである場合には、各合成画像A1〜A8を示す画像データは、図54(B)に示すように、事前に固定アドレスエリア156Aに転送されて一時記憶されていることから、画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであると判定される。このように画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであると判定された場合に(図42のステップS422;Yes)、CPU131は、スプライト画像表示制御データや表示位置バッファ171におけるバッファ値、画像指定バッファ172におけるバッファ値などに基づいて、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、転送する画像データのデータ量などを特定する(ステップS423〜S425)。そして、固定アドレス指定転送指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS426)。
VDP141では、例えば描画回路155が、固定アドレス指定転送指令を受信したことに応答して(図49のステップS702;Yes)、固定アドレス指定描画処理を実行する(ステップS703)。この固定アドレス指定描画処理では、インデックステーブル300において固定アドレスエリア156Aからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」である場合に(図50のステップS712;Yes)、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータなどから特定される画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量などに基づき、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる(ステップS713〜S716)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131により、更新対象となる画像部位を示す画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aではないと判定された場合には(図42のステップS422;No)、スプライト画像表示制御データなどに基づいて、画像データメモリ142における画像データの読出位置、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置、転送する画像データのデータ量などを特定する(ステップS427〜S429)。そして、自動転送指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS430)。
VDP141では、まず、転送制御回路152が、自動転送指令を受信したことに応答して(図45のステップS606;Yes)、自動転送制御処理を実行する(ステップS607)。この自動転送制御処理では、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスが、自動転送指令に含まれるデータなどから特定される(図48のステップS631)。その一方で、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの書込アドレスは、例えばインデックステーブル300を参照することなどにより特定された空き領域のうちから画像データを記憶させるために選択された領域の先頭アドレスとして、転送制御回路152により自動的に特定される(ステップS632)。このとき、可変アドレスエリア156Bに空き領域がなければ、可変アドレスエリア156Bの先頭から順次に画像データの書込アドレスを特定して、画像データを上書きするようにしてもよい。あるいは、可変アドレスエリア156Bに記憶されている各画像データの使用頻度を管理して、最も使用頻度が低い画像データに上書きするようにしてもよい。そして、自動転送指令により通知された転送する画像データのデータ量などに基づき(ステップS633)、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに書き込んで記憶させる(ステップS634、S635)。
また、VDP141では、例えば描画回路155が、自動転送指令を受信したことに応答して(図49のステップS704;Yes)、自動転送描画処理を実行する(ステップS705)。この自動転送描画処理では、インデックステーブル300において可変アドレスエリア156Bからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」である場合に(図51のステップS732;Yes)、例えば転送制御回路152から通知された可変アドレスエリア156Bにおける画像データの読出アドレスや、自動転送指令に含まれるデータなどから特定された画像データの書込アドレス、転送する画像データのデータ量などに基づき、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる(ステップS733〜S737)。
転送制御回路152は、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aまたは可変アドレスエリア156Bに書き込むことによる画像データの転送が完了したときに、VDP141に設けられたインデックステーブル300の更新を行う。
例えば、事前転送指令に応じて画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへのデータ転送が完了した場合には(図47のステップS625;Yes)、事前転送指令に含まれるデータなどに基づき、固定アドレスエリア156Aへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータを、インデックステーブル300に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル300に画像データの転送完了を登録する(ステップS626)。
また、例えば、自動転送指令に応じて画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bへのデータ転送が完了した場合には(図48のステップS635;Yes)、可変アドレスエリア156Bへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータを、演出制御用マイクロコンピュータ120から送られる表示制御指令によらず、VDP141の側で自動的にインデックステーブル300に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」が「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル300に画像データの転送完了を登録する(ステップS636)。
こうしたインデックステーブル300の登録内容に基づいて、描画回路155は一時記憶メモリ156から画像データを読み出して表示用データの作成を実行できるか否かの判定を行う。例えば、描画回路155は、固定アドレス指定転送指令を受信したことに応答して、固定アドレスエリア156Aからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル300において「オン」となっているか否かを判定する(図50のステップS712)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS712;Yes)、描画回路155が固定アドレスエリア156Aから画像データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させることなどにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS713〜S716)。これに対して、「読出完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS712;No)、描画回路155が固定アドレスエリア156Aから画像データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで待機する(ステップS717;No)。この待機中には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データを用いた表示用データの作成が実行されない。
また、例えば、描画回路155は、自動転送指令を受信したことに応答して、可変アドレスエリア156Bからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル300において「オン」となっているか否かを判定する(図51のステップS732)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS732;Yes)、描画回路155が可変アドレスエリア156Bから画像データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させることなどにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS733〜S737)。これに対して、「転送完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS732;No)、描画回路155が可変アドレスエリア156Bから画像データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで待機する(ステップS738;No)。この待機中には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データを用いた表示用データの作成が実行されない。
画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて飾り図柄の可変表示を行うために、図14(A)〜(C)に示す各図柄配列設定テーブル240L、240C、240Rや、図15に示すスクロール表示制御テーブル250、図18に示す表示位置バッファ171や画像指定バッファ172におけるバッファ値などを参照して、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131や表示制御部121のVDP141などが、各種の処理を実行する。図55は、飾り図柄の可変表示を行うために演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が実行する処理の一例として、スクロール表示制御処理を示すフローチャートである。このスクロール表示制御処理は、例えばCPU131が図39に示すステップS325の処理を実行することや、図41に示すステップS407にてスプライト画像更新処理を実行することなどにより、実現されればよい。
図55に示すスクロール表示制御処理において、CPU131は、まず、図18に示す画像指定バッファ172におけるバッファ値である画像指定バッファ値の画像データを特定する(ステップSC11)。例えば、「左」の可変表示部DLにて飾り図柄の可変表示を行うためには、図14(A)に示す左図柄配列設定テーブル240Lから、図18に示す左図柄画像指定バッファ172Lにおけるバッファ値により指定されるテーブルデータを読み出し、読み出したテーブルデータにより、例えばインデックステーブル300における「インデックス番号」など、飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかを示す画像データを特定する。また、「中」の可変表示部DCにて飾り図柄の可変表示を行うためには、図14(B)に示す中図柄配列設定テーブル240Cから、図18に示す中図柄画像指定バッファ172Cにおけるバッファ値により指定されるテーブルデータを読み出し、読み出したテーブルデータにより、合成画像A1〜A8のいずれかを示す画像データを特定する。さらに、「右」の可変表示部DRにて飾り図柄の可変表示を行うためには、図14(C)に示す右図柄配列設定テーブル240Rから、図18に示す右図柄画像指定バッファ172Rにおけるバッファ値により指定されるテーブルデータを読み出し、読み出したテーブルデータにより、合成画像A1〜A8のいずれかを示す画像データを特定する。このステップSC11の処理は、例えば図39に示すステップS325や図42に示すステップS423にて、CPU131が一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置を特定する処理などに含まれる。
続いて、CPU131は、図18に示す表示位置バッファ171におけるバッファ値である表示位置バッファ値の表示位置を特定する(ステップSC12)。例えば、「左」の可変表示部DLにて飾り図柄の可変表示を行うためには、図15に示すスクロール表示制御テーブル250から、図18に示す左図柄表示位置バッファ171Lにおけるバッファ値により指定されるテーブルデータを読み出し、読み出したテーブルデータに示されるY座標(「48Y」〜「143Y」のいずれか)を読み取る。そして、「左」の可変表示部DLに対応して予め定められたX座標「0X」と、読み取ったY座標とから、飾り図柄の左上端における表示位置を特定する。また、「中」の可変表示部DCにて飾り図柄の可変表示を行うためには、スクロール表示制御テーブル250から、図18に示す中図柄表示位置バッファ171Cにおけるバッファ値により指定されるテーブルデータを読み出し、読み出したテーブルデータに示されるY座標を読み取る。そして、「中」の可変表示部DCに対応して予め定められたX座標「96X」と、読み取ったY座標とから、飾り図柄の左上端における表示位置を特定する。さらに、「右」の可変表示部DRにて飾り図柄の可変表示を行うためには、スクロール表示制御テーブル250から、図18に示す右図柄表示位置バッファ171Rにおけるバッファ値により指定されるテーブルデータを読み出し、読み出したテーブルデータに示されるY座標を読み取る。そして、「右」の可変表示部DRに対応して予め定められたX座標「192X」と、読み取ったY座標とから、飾り図柄の左上端における表示位置を特定する。このステップSC12の処理は、例えば図39に示すステップS325や図42に示すステップS424にて、CPU131がフレームバッファメモリ157における画像データの書込位置を特定する処理などに含まれる。
ステップSC12の処理を実行した後には、ステップSC11の処理により特定された画像データと、ステップSC12の処理により特定された表示位置とを示す表示制御指令を作成して、VDP141に対して伝送させる(ステップSC13)。このステップSC13の処理は、例えば図39に示すステップS325や図42に示すステップS426にて、CPU131が入出力ポート135からVDP141に対して固定アドレス転送指令を伝送させる処理などに含まれる。
その後、表示位置バッファ値が「+48」よりも大きいか否かの判定を行う(ステップSC14)。ここで、表示位置バッファ値が「+48」よりも大きい場合には、ステップSC12の処理で特定されるY座標が「97Y」〜「143Y」の範囲となり、飾り図柄となる合成画像A1〜A8はそれぞれ縦方向に「96Y」分の大きさを有していることから、ステップSC12の処理で特定されたY座標に表示した飾り図柄の下端は画像表示装置5の表示領域の下端「191Y」を超えることになり、ステップSC13の処理にて作成された表示制御指令により表示が指令された飾り図柄の下側には、他の飾り図柄を配置するための空白は生じない。これに対して、その飾り図柄の上側には、他の飾り図柄を2つ配置可能な空白が生じる。他方、表示位置バッファ値が「+48」未満である場合には、ステップSC12の処理で特定されるY座標が「48Y」〜「95Y」の範囲となり、ステップSC13の処理にて作成された表示制御指令により表示が指示された飾り図柄の上下に、他の飾り図柄を1つずつ配置するための空白が生じる。また、表示位置バッファ値が「+48」である場合には、ステップSC12の処理で特定されるY座標が「96Y」となり、ステップSC13の処理にて作成された表示制御指令により表示が指示された飾り図柄の上側に、他の飾り図柄を1つ配置するための空白が生じる。
そこで、ステップSC14にて表示位置バッファ値が「+48」よりも大きいと判定された可変表示部については(ステップSC14;Yes)、ステップSC13の処理で表示の指令を行った飾り図柄の後に配置する2つの飾り図柄について、対応する画像データと表示位置とを特定する(ステップSC15)。このときには、図14(A)〜(C)に示す各図柄配列設定テーブル240L、240C、240Rにおいて、画像指定バッファ値に1加算した値(加算後の値が「+7」を超えた場合には「+0」)により指定されるテーブルデータから、後に配置する1つ目の飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかを示す画像データを特定することができる。こうして1加算した値をさらに1加算した値(加算後の値が「+7」を超えた場合には「+0」)により指定されるテーブルデータから、後に配置する2つ目の飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかを示す画像データを特定することができる。加えて、ステップSC12の処理で特定された表示位置のY座標から「96Y」を差し引くことで、1つ目の飾り図柄の左上端における表示位置を特定することができる。こうして差し引いたY座標からさらに「96Y」を差し引くことで、2つ目の飾り図柄の左上端における表示位置を特定することができる。なお、このとき特定されたY座標が「0Y」よりも小さくなる場合でも、仮想描画空間における飾り図柄の配置を示すものとして、そのまま保持しておけばよい。
また、ステップSC14にて表示位置バッファ値が「+48」以下であると判定された可変表示部については(ステップSC14;No)、表示位置バッファ値が「+48」であるか否かの判定を行う(ステップSC16)。このとき、表示位置バッファ値が「+48」であれば(ステップSC16;Yes)、ステップSC13の処理で表示の指令を行った飾り図柄の後に1つ配置する飾り図柄について、対応する画像データと表示位置とを特定する(ステップSC17)。このときには、ステップSC15の処理で1つ目の飾り図柄を示す画像データと表示位置を特定する場合と同様にして、後に配置する飾り図柄を示す画像データと表示位置を特定することができる。
ステップSC16にて表示位置バッファ値が「+48」ではない場合には(ステップSC16;No)、ステップSC13の処理で表示の指令を行った飾り図柄の前後に1つずつ配置する飾り図柄について、対応する画像データと表示位置とを特定する(ステップSC18)。このときには、ステップSC15の処理で1つ目の飾り図柄を示す画像データと表示位置を特定する場合と同様にして、後に配置する飾り図柄を示す画像データと表示位置を特定することができる。これに対して、図14(A)〜(C)に示す各図柄配列設定テーブル240L、240C、240Rにおいて、画像指定バッファ値を1減算した値(減算後の値が「+0」より小さい場合には「+7」)により指定されるテーブルデータから、前に配置する飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかを示す画像データを特定することができる。加えて、ステップSC12の処理で特定された表示位置のY座標に「96Y」を加えることで、前に配置する飾り図柄の左上端における表示位置を特定することができる。なお、ステップSC14〜SC18の処理は、例えば図39に示すステップS325や図42に示すステップS423、S424にて、CPU131が一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置を特定する処理や、フレームバッファメモリ157における画像データの書込位置を特定する処理などに、含まれる。
その後、ステップSC15、SC17、SC18の処理のいずれかにより特定された画像データと表示位置とを示す表示制御指令を作成して、VDP141に対して伝送させる(ステップSC19)。このステップSC19の処理は、例えば図39に示すステップS325や図42に示すステップS426にて、CPU131が入出力ポート135からVDP141に対して固定アドレス転送指令を伝送させる処理などに含まれる。
ステップSC19の処理に続いて、表示位置バッファ値を、例えばスプライト画像表示制御データなどから特定されるスクロール速度などに応じて更新する(ステップSC20)。一例として、飾り図柄の可変表示速度は、図13(A)に示すスプライト画像表示制御パターンに含まれるスプライト画像表示制御データにより、「左」、「中」、「右」の可変表示部DL、DC、DRごとに、「停止」、「低速」、「中速」、「高速」のいずれかに指定されるものとする。この場合、「停止」が指定された可変表示部については、対応する表示位置バッファ値の更新を行わない。例えば、「左」の可変表示部DLにおける可変表示速度が「停止」である場合には、左図柄表示位置バッファ171Lにおけるバッファ値の更新を行わない。他方、「低速」が指定された可変表示部については、対応する表示位置バッファ値を「+1」だけ加算するように更新する。「中速」が指定された可変表示部については、対応する表示位置バッファ値を「+5」だけ加算するように更新する。「高速」が指定された可変表示部については、対応する表示位置バッファ値を「+10」だけ加算するように更新する。
そして、ステップSC20の処理で更新した表示位置バッファ値が「+95」よりも大きくなったか否かの判定を行う(ステップSC21)。このとき、表示位置バッファ値が「+95」以下である可変表示部については(ステップSC21;No)、スクロール表示制御処理を終了させる。これに対して、表示制御バッファ値が「+95」よりも大きくなった可変表示部については(ステップSC21;Yes)、ステップSC20の処理における更新後の値から「96」を差し引いた値を、新たな表示位置バッファ値として設定する(ステップSC22)。なお、ステップSC20〜SC22の処理は、例えば図42に示すステップS424にて、CPU131がフレームバッファメモリ157における画像データの書込位置を特定する処理などに含まれていればよい。
ステップSC22の処理に続いて、対応する画像指定バッファ値が「+7」であるか否かの判定を行い(ステップSC23)、「+7」である場合には(ステップSC23;Yes)、「+0」を新たな画像指定バッファ値として設定する(ステップSC24)。他方、画像指定バッファ値が「+7」ではない場合には(ステップSC23;No)、画像指定バッファ値を1加算して更新する(ステップSC25)。これにより、飾り図柄を可変表示する際に基準となる図柄が「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて所定の表示範囲より下側に移動したことに基づき、次の図柄番号に対応する飾り図柄を、基準となる図柄として設定することができる。なお、ステップSC23〜SC25の処理は、例えば図42に示すステップS423にて、CPU131が一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置を特定する処理などに含まれていればよい。
例えばパチンコ遊技機1の電源投入時には、CPU131が図33に示すステップS54の初期表示設定処理を実行することにより、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRに最初に表示する飾り図柄の種類や、各可変表示部DL、DC、DRにおける飾り図柄の表示位置などを設定しておく。より具体的には、例えば図56(A)に示すように、表示位置バッファ171において、左図柄表示位置バッファ171L、中図柄表示位置バッファ171C、右図柄表示位置バッファ171Rのそれぞれに、バッファ初期値として「+0」を設定する。また、例えば図56(B)に示すように、画像指定バッファ172において、左図柄画像指定バッファ172Lには「+7」を、中図柄画像指定バッファ172Cには「+1」を、右図柄画像指定バッファ172Rには「+2」を、それぞれのバッファ初期値として設定する。
このとき、CPU131は、図55に示すステップSC11の処理を実行することにより、図56(B)に示すように、「左」の可変表示部DLにて飾り図柄を可変表示する際に基準となる図柄として図柄番号が「1」の合成画像A1を特定し、「中」の可変表示部DCにて飾り図柄を可変表示する際に基準となる図柄として図柄番号が「2」の合成画像A2を特定し、「右」の可変表示部DRにて飾り図柄を可変表示する際に基準となる図柄として図柄番号が「3」の合成画像A3を特定する。また、図55に示すステップSC12の処理を実行することにより、図56(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRについて、飾り図柄の左上端における表示位置のY座標として「48Y」を特定する。
こうして特定された合成画像A1、A2、A3を示す画像データと表示位置とに基づきステップSC13の処理で作成された表示制御指令に応じて、VDP141では、描画回路155が仮想描画空間内に飾り図柄を配置する。このとき演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141に対して伝送される表示制御指令は、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに一時記憶された画像データを指定する固定アドレス指定転送指令などであればよい。なお、描画回路155は、仮想描画空間内に飾り図柄を配置した仮想空間画像を示す画像データを、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに一旦記憶させることで、仮想のリール上に飾り図柄を貼り付けた後、描画領域でクリッピングした画像データを、表示用データとしてフレームバッファメモリ157に書き込むようにしてもよい。以下では、「左」の可変表示部DLについての処理を中心にして説明する。この場合、描画回路155は、まず、図57(A)に示すように、表示制御指令に示された合成画像A1を、その原点P1が座標(0X,48Y)に一致するように配置する。このときには、配置した合成画像A1の上側である座標(0X,0Y)から座標(96X,47Y)の間と、合成画像A1の下側である座標(0X,144Y)から座標(96X,191Y)の間に、それぞれ空白が生じる。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131では、表示位置バッファ値が「+0」であることから(ステップSC14;No、及び、ステップSC16;No)、合成画像A1の前後に1つずつ配置する画像データと表示位置を特定し(ステップSC18)、特定された画像データと表示位置とを示す表示制御指令をVDP141に対して伝送させる(ステップSC19)。このとき、固定アドレスエリア156Aに対応して設けられたインデックステーブル300における記憶内容が演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送される表示制御指令に応じて更新される場合には、合成画像A1の上側に配置する合成画像A8を示す画像データと、合成画像A1の下側に配置する合成画像A2を示す画像データについて、固定アドレスエリア156Aにおける記憶アドレスを、演出制御用マイクロコンピュータ120の側において、例えばCPU131がROM132に記憶された設定データを読み出すことなどにより、特定することができる。そのため、各合成画像A1、A2、A8を示す画像データの記憶アドレスが固定アドレスエリア156Aで離散していても、演出制御用マイクロコンピュータ120の側で固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置を特定して、表示制御指令をVDP141に対して伝送させることができる。これにより、描画回路155は、合成画像A1の上側に合成画像A8を配置する一方で、合成画像A1の下側に合成画像A2を配置する。描画回路155は、このようにして配置された仮想空間画像VA0のうち、図57(A)にて太破線で囲まれた領域を「左」の可変表示部DLに対応した描画領域となる表示枠WLとしてクリッピングして抽出し、図57(D)に示すような画像の表示用データを、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に書き込む。そして、「中」、「右」の可変表示部DC、DRについても同様にして仮想空間画像VA0を生成した後、各可変表示部DC、DRに対応した描画領域でクリッピングして、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に、表示用データの書き込みを行う。こうしてフレームバッファメモリ157に書き込まれた表示用データを表示回路158が読み出し、走査信号を生成して画像表示装置5に出力する。これにより、図56(C)に示すように、「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて飾り図柄が表示される。
その後、例えば図40に示すステップS343の処理でCPU131がスプライト画像表示制御パターンから読み出したスプライト画像表示制御データにより、飾り図柄の可変表示速度が「低速」に指定されていることなどに対応して、表示位置バッファ値を1加算して更新する(図55のステップSC20)。この更新に対応して飾り図柄を配置する場合、描画回路155は、まず、図57(B)に示すように、合成画像A1の原点P1が座標(0X,49Y)に一致するように配置する。そして、合成画像A1の上側と下側には、合成画像A8と合成画像A2を、それぞれ配置する。こうして作成された仮想空間画像VA1を、「左」の可変表示部DLに対応した描画領域となる表示枠WLでクリッピングして、図57(E)に示すような画像の表示用データを、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に書き込む。「中」、「右」の可変表示部DC、DRについても同様にして仮想空間画像VA1を作成した後、各可変表示部DC、DRに対応した描画領域でクリッピングして、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に、表示用データの書き込みを行う。こうしてフレームバッファメモリ157に書き込まれた表示用データを表示回路158が読み出し、走査信号を生成して画像表示装置5に出力する。以後、スプライト画像表示制御パターンから読み出されたスプライト画像表示制御データの設定に従って、仮想空間画像の作成と、表示用データの書き込みと、走査信号の生成及び出力とが、順次に実行される。
ここで、表示位置バッファ値が「+48」となったときには、例えば図57(C)に示すように、合成画像A1の原点P1が座標(0X,96Y)に一致するように合成画像A1を配置すると、合成画像A1の上側のみに飾り図柄を1つ配置するための空白が生じる。このとき、CPU131は、合成画像A1の上側に配置する合成画像A8を示す画像データと表示位置を特定し(図55のステップSC17)、合成画像A8を表示するための表示制御指令を作成して伝送させる。この表示制御指令に応じて、描画回路155は、合成画像A1の上側に合成画像A8を配置した仮想空間画像VA48を作成する。そして、仮想空間画像VA48を「左」の可変表示部DLに対応した描画領域となる表示枠WLでクリッピングし、フレームバッファメモリ157に対する表示用データの書き込みを行う。こうして、例えば図57(F)に示すように、合成画像A1と合成画像A8が配置された画像の表示用データが生成される。「中」、「右」の可変表示部DC、DRについても同様にして仮想空間画像VA48を作成した後、各可変表示部DC、DRに対応した描画領域でクリッピングして、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に、表示用データの書き込みを行う。こうしてフレームバッファメモリ157に書き込まれた表示用データを表示回路158が読み出し、走査信号を生成して画像表示装置5に出力する。
表示位置バッファ値が「+49」となったときには、例えば図58(A)に示すように、合成画像A1の原点P1が座標(0X,97Y)に一致するように合成画像A1を配置すると、合成画像A1の上側に飾り図柄を2つ配置可能な空白が生じる。このとき、CPU131は、合成画像A1の上側に配置する2つの飾り図柄となる合成画像として、合成画像A8と合成画像A7を示す画像データと表示位置を特定し(図55のステップSC15)、各合成画像A8、A7を表示するための表示制御指令を作成して伝送させる。これらの表示制御指令に応じて、描画回路155は、合成画像A1の上側に2つの合成画像A8と合成画像A7とを順に配置した仮想空間画像VA49を作成する。そして、仮想空間画像VA49を「左」の可変表示部DLに対応した描画領域となる表示枠WLでクリッピングし、例えば図58(D)に示すように合成画像A1、A8、A7を順に配置した画像の表示用データを、フレームバッファメモリ157に書き込む。「中」、「右」の可変表示部DC、DRについても同様にして仮想空間画像VA49を作成してフレームバッファメモリ157に対する表示用データの書き込みを行った後、表示回路158により走査信号を生成して画像表示装置5に出力する。
以後、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131と表示制御部121のVDP141では、スプライト画像表示制御データの設定内容に従って、仮想空間画像の作成と、表示用データの書き込みと、走査信号の生成及び出力とが、順次に実行される。そして、表示位置バッファ値が「+95」となったときには、図58(B)に示すように、合成画像A1の原点P1が座標(0X,143Y)に一致するように合成画像A1を配置すると、合成画像A1の上側に飾り図柄を2つ配置可能な空白が生じる。このときには、合成画像A1の上側に配置する2つの飾り図柄となる合成画像として、合成画像A8と合成画像A7が特定され、各合成画像を順に配置した仮想空間画像VA95が作成される。この仮想空間画像VA95を「左」の可変表示部DLに対応した描画領域となる表示枠WLでクリッピングして、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に、図58(E)に示すような画像の表示用データが書き込まれる。「中」、「右」の可変表示部DC、DRについても同様にして仮想空間画像VA95が作成され、フレームバッファメモリ157に表示用データが書き込まれた後、表示回路158により走査信号が作成されて画像表示装置5に出力される。
こうした表示位置バッファ値が「+95」であることに対応した表示制御を行った後、CPU131が表示位置バッファ値を更新したときには(図55のステップSC20)、表示位置バッファ値が「+95」よりも大きくなったことに対応して(ステップSC21;Yes)、ステップSC20の処理で更新したバッファ値から「96」を差し引いた値を新たな表示位置バッファ値として設定するとともに(ステップSC22)、画像指定バッファ値の更新を行う(ステップSC23〜SC25)。これにより、例えば左図柄画像指定バッファ172Lにおけるバッファ値が「+0」に更新され、「左」の可変表示部DLにて飾り図柄を可変表示する際に基準となる図柄として、図柄番号が「8」の合成画像A8が特定される。このとき、左図柄表示位置バッファ171Lにおけるバッファ値が「+0」であれば、例えば図58(C)に示すように、合成画像A8の原点P8が座標(0X,48Y)に一致するように合成画像A8を配置するとともに、合成画像A8の上側と下側に、合成画像A7と合成画像A1とを、それぞれ配置する。こうして作成された仮想空間画像VA96を、「左」の可変表示部DLに対応した描画領域となる表示枠WLでクリッピングして、図58(F)に示すような画像の表示用データを、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に書き込む。
図58(F)に示す画像では、図柄番号「8」の飾り図柄となる合成画像A8が上下方向の中央に表示されている。したがって、スプライト画像表示制御データに示される可変表示速度の設定が「低速」である場合には、最初に表示された図57(D)に示す画像において上下方向の中央に表示されていた合成画像A1の位置に合成画像A8がスクロールされるまでの間に、スクロール表示制御テーブル250における96個のテーブルデータが参照されることになる。「中」、「右」の可変表示部DC、DRについても同様にして仮想空間画像VA96を作成した後、各可変表示部DC、DRに対応した描画領域でクリッピングして、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に、表示用データの書き込みを行う。こうしてフレームバッファメモリ157に書き込まれた表示用データを表示回路158が読み出し、走査信号を生成して画像表示装置5に出力する。以後、スプライト画像表示制御パターンから読み出されたスプライト画像表示制御データの設定に従って、仮想空間画像の作成と、表示用データの書き込みと、走査信号の生成及び出力とが、順次に実行される。
CPU131は、図55に示すステップSC20の処理にて、スプライト画像表示制御データに示された飾り図柄の可変表示速度に応じて、表示位置バッファ値を更新する際の加算値を決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120にてタイマ割込みが発生するごとに図41に示すステップS407にてスプライト画像更新指令処理を実行することなどにより、加算値が大きいときには飾り図柄の可変表示速度が高められ、加算値が小さいときには飾り図柄の可変表示速度が低下する。例えば、スプライト画像表示制御パターンでは、飾り図柄の可変表示速度を「低速」から「高速」へと高め、所定時間が経過するまで「高速」で可変表示を行った後に、「低速」へと低下させてから「停止」となるように、スプライト画像表示用タイマ判定値やスプライト画像表示制御データの設定がなされている。こうしたスプライト画像表示制御パターンにおける設定に従って、飾り図柄の可変表示となるスクロール表示が行われることになる。
この実施の形態では、スーパーAの可変表示パターンに対応して、分離演出における演出表示が行われる。演出制御用マイクロコンピュータ120では、主基板11から送られた可変表示開始コマンドにてスーパーAの可変表示パターンが示されていることなどに対応して、CPU131が図39に示すステップS321の処理にて、図16(A)に示す演出制御パターン決定用の乱数値SR1を示す数値データに基づき、図16(B)に示すスーパーA演出決定テーブル260を参照することなどにより、図12(A)に示す演出制御パターンテーブル230に格納されたスーパーA−01〜スーパーA−04といったスーパーA演出制御パターンのいずれかを、飾り図柄の可変表示中における演出動作の態様を示す演出制御パターンに決定する。
図59は、こうして決定されたスーパーA−01の演出制御パターンに基づき、分離演出における演出表示を含めた飾り図柄の可変表示中における表示制御を行う場合の処理内容の一例を示すフローチャートである。図60は、スーパーA−01の演出制御パターンに対応して画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の一例を示している。なお、図59のフローチャートに示す各処理は、スプライト画像表示制御パターンから読み出されたスプライト画像表示制御データや動画像表示制御パターンから読み出された動画像表示制御データなどに基づき、例えば図41に示すステップS407にてスプライト画像更新指令処理を実行することや、ステップS409にて動画像表示指令処理を実行することなどにより、実現されればよい。
図59のフローチャートに示す処理では、まず、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどにより、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて、飾り図柄の可変表示を開始させる(ステップST11)。その後、所定時間が経過したことに対応して、「左」の可変表示部DLにて飾り図柄を停止表示させる(ステップST12)。続いて、「右」の可変表示部DRでは、例えば図60(A)に示すように、飾り図柄の可変表示態様がリーチとならないように、飾り図柄を停止表示させる(ステップST13)。なお、ステップST12、ST13の処理で停止表示させる飾り図柄は、CPU131が図39に示すステップS322の処理を実行することにより、決定することができる。
その後、CPU131は、例えば図43に示すステップS441の処理で動画像の再生表示を開始すると判定したことなどに基づき(ステップS441;Yes)、動画像の再生表示を開始するための設定を行う(図59のステップST14)。例えば、CPU131は、VDP141に対して動画像表示初期設定指令や動画像表示開始設定指令を伝送させることにより(図43のステップS442,S443)、VDP141が画像データメモリ142から記憶データを読み出す際のバス幅を第2のバス幅として定められた32ビットに設定し、チップセレクトの設定をCS#1として動画像用のメモリチップ142−3から動画像データの読み出しを可能にするなど、各種の指令や設定を行う。
図60に示す例では、図60(A)にて「左」の可変表示部DLに停止表示された飾り図柄となる合成画像A7と合成画像A8のうち、合成画像A8において、合成画像A8を構成するキャラクタを示す表示画像C8が飛び出して番号を示す表示画像N8から分離し、「右」の可変表示部DRに停止表示された飾り図柄となる合成画像A2と合成画像A3のうち、合成画像A2に作用するような演出表示が行われる。このとき、キャラクタを示す表示画像C8が飛び出す合成画像A8は、左図柄表示位置バッファ171Lにおけるバッファ値が「+48」であることと、左図柄画像指定バッファ172Lにおけるバッファ値が「+0」であることに対応して、原点P8が座標(0X,96Y)に一致するように配置されている。また、作用を受ける合成画像A2は、右図柄表示位置バッファ171Rにおけるバッファ値が「+48」であることと、右図柄画像指定バッファ172Rにおけるバッファ値が「+1」であることに対応して、原点P2が座標(192X,96Y)に一致するように配置されている。この場合、CPU131は、まず、例えばスプライト画像表示制御パターンから読み出したスプライト画像表示制御データに基づき図42に示すステップS423〜S426の処理を実行することなどにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに記憶された合成画像A2、A3、A7のそれぞれを示す画像データが指定される固定アドレス指定転送指令を、VDP141に対して伝送させる。また、CPU131は、例えばスプライト画像表示制御データに基づき図42に示すステップS427〜S430の処理を実行することなどにより、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aに記憶された番号「8」の表示画像N8を示す画像データが指定される自動転送指令を、VDP141に対して伝送させる。なお、この自動転送指令を伝送させる処理は、図59に示すステップST14の処理が実行される以前に実行されるようにすればよい。続いて、CPU131は、例えば動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データに基づき図43に示すステップS443の処理を実行することなどにより、画像データメモリ142の動画像データエリア142Bに記憶されたスーパーA−01キャラクタC8分離演出用の動画像データMBA−01−08を示す動画像表示開始設定指令を、VDP141に対して伝送させる。
VDP141では、例えば描画回路155が、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された各種の表示制御指令に基づいて仮想空間画像を生成する。このときには、例えば図61に示すように、固定アドレスエリア156Aからは合成画像A2、A3、A7のそれぞれを示す画像データが読み出され、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aからは番号「8」の表示画像N8を示す画像データが読み出され、画像データメモリ142の動画像データエリア142BからはスーパーA−01キャラクタC8分離演出用の動画像データMBA−01−08が読み出される。この際に画像データメモリ142から読み出された画像データは、例えば転送制御回路152などにより一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bへと自動的に転送されるようにすればよい。こうして、画像データメモリ142の動画像データエリア142Bから読み出されて番号「8」の表示画像N8から分離したキャラクタを示す表示画像C8を動作させるための動画像データや、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aから読み出された番号「8」の表示画像N8を示す画像データなどを合成して、分離演出用の演出画像を構成する合成画像を示す仮想空間画像が生成される。この仮想空間画像を描画領域でクリッピングしてフレームバッファメモリ157に表示用データを書き込んだ後、表示回路158が表示用データを読み出して走査信号の生成及び出力を行う。
これにより、例えば図60(B)に示すように、通常図柄となる図柄番号「8」の飾り図柄にて、キャラクタを示す表示画像C8が番号を示す表示画像N8から分離する分離演出を開始させる(図59のステップST15)。そして、例えば図60(C)に示すように、キャラクタを示す表示画像C8が「右」の可変表示部DRに停止表示された飾り図柄を押し下げるような、他の飾り図柄に作用する演出表示が行われる。その後、例えば図60(D)に示すように、「右」の可変表示部DRにて停止表示されていた飾り図柄を、再び変動(再変動)させる(図59のステップST16)。
この後、例えば図60(E)に示すように、「右」の可変表示部DRでは、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなるように、飾り図柄を停止表示させる(図59のステップST17)。なお、ステップST17の処理で停止表示させる図柄は、CPU131が図39に示すステップS322の処理を実行することにより、左確定飾り図柄として決定されるものであればよい。こうして飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことに基づき、スーパーA−01の演出制御パターンに対応したリーチ演出が行われた後(図59のステップST18)、「中」の可変表示部DCにて飾り図柄を停止表示させて(ステップST19)、飾り図柄の可変表示を終了させる。このときには、例えばCPU131が図43に示すステップS446の処理で動画像の再生表示を終了すると判定したことに基づき(ステップS446;Yes)、ステップS447の処理により動画像表示終了設定指令を伝送させるなど、動画像の再生表示を終了するための設定が行われる(図59のステップST20)。
図62は、CPU131が図39に示すステップS321の処理にてスーパーA−02の演出制御パターンを決定したことに基づき、分離演出における演出表示を含めた飾り図柄の可変表示中における表示制御を行う場合の処理内容の一例を示すフローチャートである。図62のフローチャートに示す処理では、図59に示すステップST11、ST12の処理と同様にして、飾り図柄の可変表示を開始させた後(ステップST31)、所定時間が経過したことに対応して、「左」の可変表示部DLにて飾り図柄を停止表示させる(ステップST32)。
続いて、CPU131は、図59に示すステップST14の処理と同様にして、動画像の再生表示を開始するための設定を行う(ステップST33)。すなわち、スーパーA−02の演出制御パターンでは、「右」の可変表示部DRにて飾り図柄が停止表示する以前に、「左」の可変表示部DLに停止表示された飾り図柄となる合成画像からキャラクタを示す画像が飛び出して番号を示す画像と分離する分離演出が開始される。これにより、例えば図63(A)に示すように、通常図柄となる図柄番号「8」の飾り図柄にて、キャラクタを示す表示画像C8が番号を示す表示画像N8から分離するといった分離演出が開始される(図62のステップST34)。このように、例えば「右」の可変表示部DRにて飾り図柄が停止表示する以前といった、スーパーA−01の演出制御パターンとは異なるタイミングで分離演出が開始されるスーパーA−02の演出制御パターンによる演出の信頼度は、例えば図17(B)に示すように、スーパーA−01の演出制御パターンによる演出の信頼度に比べて、高くなるように設定されている。ここで、演出の信頼度は、スーパーAの可変表示パターンによるリーチの信頼度や、図16(B)に示すスーパーA演出決定テーブル260におけるテーブルデータの設定によって、決定される。こうして、分離演出の実行タイミングに応じて、可変表示結果が大当りとなる確率を異ならせることができる。そして、例えば図63(B)に示すように、図60(C)においてキャラクタを示す表示画像が飾り図柄を押し下げるような演出表示とは演出態様が異なり、キャラクタを示す表示画像C8が「右」の可変表示部DRにて変動している飾り図柄を受け止めるような、他の飾り図柄に作用する演出表示が行われる。すなわち、可変表示結果が大当りとなる確率は、分離演出における演出態様に応じて、異ならせることもできる。
その後、「右」の可変表示部DRでは、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなるように、飾り図柄を停止表示させる(図62のステップST35)。こうして飾り図柄の可変表示態様がリーチとなったことに基づき、スーパーA−02の演出制御パターンに対応したリーチ演出が行われた後(ステップST36)、「中」の可変表示部DCにて飾り図柄を停止表示させて(ステップST37)、飾り図柄の可変表示を終了させる。このときには、動画像の再生表示を終了するための設定も行われる(ステップST38)。
スーパーA−03の演出制御パターンでは、例えばスーパーA−01の演出制御パターンと同様に、「右」の可変表示部DRにて飾り図柄が停止表示されてから、分離演出が開始される。他方、スーパーA−03の演出制御パターンでは、通常図柄である飾り図柄となる合成画像からキャラクタを示す表示画像が飛び出して番号を示す表示画像と分離するスーパーA−01の演出制御パターンの場合とは異なり、確変図柄である飾り図柄となる合成画像からキャラクタを示す表示画像が飛び出して番号を示す表示画像と分離する分離演出が行われる。この場合、分離演出を実行するために停止表示される飾り図柄は、図39に示すステップS321の処理でスーパーA−03の演出制御パターンに決定されたことに基づき、ステップS322の処理で決定することができる。
例えば、ステップS322の処理で、「左」の可変表示部DLに図柄番号「7」の飾り図柄となる合成画像A7を停止表示することに決定した場合には、合成画像A7において、合成画像A7を構成するキャラクタを示す表示画像C7が飛び出して番号を示す表示画像N7から分離し、例えば図64に示すように、キャラクタを示す表示画像C7が「右」の可変表示部DRに停止表示された飾り図柄に作用するような演出表示が行われる。このように、例えば確変図柄である飾り図柄となる合成画像から飛び出して番号を示す表示画像と分離したキャラクタを示す表示画像といった、スーパーA−01の演出制御パターンによる分離演出において飾り図柄に作用を加える演出画像とは種類が異なる演出画像での分離演出が行われるスーパーA−03の演出制御パターンによる演出の信頼度は、例えば図17(B)に示すように、スーパーA−01の演出制御パターンによる演出の信頼度に比べて、高くなるように設定されている。こうして、分離演出で停止表示された飾り図柄に作用を加える演出画像の種類に応じて、可変表示結果が大当りとなる確率を異ならせることができる。
スーパーA−01〜スーパーA−03の演出制御パターンでは、分離演出でキャラクタを示す表示画像が合成画像から飛び出して番号を示す表示画像と分離する飾り図柄の個数が、1個である。これに対して、スーパーA−04の演出制御パターンでは、例えば2個といった、複数の飾り図柄において、キャラクタを示す表示画像が合成画像から飛び出して番号を示す表示画像と分離する分離演出が行われる。この場合、分離演出を実行するために停止表示される飾り図柄は、図39に示すステップS321の処理でスーパーA−04の演出制御パターンに決定されたことに基づき、ステップS322の処理で複数個に決定することができればよい。
例えば、ステップS322の処理で、「左」の可変表示部DLに図柄番号「7」の飾り図柄となる合成画像A7と図柄番号「8」の飾り図柄となる合成画像A8とを停止表示することに決定したものとする。この場合、合成画像A7において、合成画像A7を構成するキャラクタを示す表示画像C7が飛び出して番号を示す表示画像N7から分離するとともに、合成画像A8において、合成画像A8を構成するキャラクタを示す表示画像C8が飛び出して番号を示す表示画像N8から分離し、例えば図65に示すように、合成画像A7から飛び出したキャラクタを示す表示画像C7と合成画像A8から飛び出したキャラクタを示す表示画像C8がそれぞれ「右」の可変表示部DRに停止表示された飾り図柄に作用するような演出表示が行われる。このように、例えば2個の飾り図柄といった、複数の飾り図柄となる合成画像から飛び出して番号を示す表示画像と分離した複数のキャラクタを示す表示画像など、スーパーA−01〜スーパーA−03の演出制御パターンによる分離演出において飾り図画に作用を加える演出画像の個数とは異なる個数の演出画像での分離演出が行われるスーパーA−04の演出制御パターンによる演出の信頼度は、例えば図17(B)に示すように、スーパーA−01〜スーパーA−03の演出制御パターンによる信頼度に比べて、高くなるように設定されている。こうして、分離演出で停止表示された飾り図柄に作用を加える演出画像の個数に応じて、可変表示結果が大当りとなる確率を異ならせることができる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、作用演出表示として、飾り図柄の可変表示中に停止表示された飾り図柄となる合成画像において、第1の部位となるキャラクタを示す表示画像の部位が合成画像から飛び出して第2の部位となる番号を示す表示画像の部位から分離する分離演出が行われ、停止表示されている飾り図柄に作用することで、飾り図柄の可変表示態様を、リーチといった所定の表示態様とすることができる。こうした分離演出を行うために、画像データメモリ142の動画像データエリア142Bから読み出されたキャラクタの表示画像を動作させるための動画像データや、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aから読み出された番号の表示画像を示す画像データなどを合成して、演出画像を構成する仮想空間画像が生成される。これにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチなどの表示態様となることに意外性を持たせ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を表示するための画像データとして、合成画像A1〜A8を示す画像データを、例えば図54(A)に示すような事前転送設定テーブル220におけるテーブルデータの設定に基づき、CPU131が図33に示すステップS53にて事前転送指令処理を実行することなどにより、演出制御用マイクロコンピュータ120におけるCPU131の起動に対応して、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aから読み出して、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送して記憶させる。そして、例えばVDP141の描画回路155は、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された表示制御指令や固定アドレスエリア156Aに記憶された画像データに基づいて作成した表示用データを、フレームバッファメモリ157に書き込む。これにより、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を示す画像データについては、一時記憶メモリ156における読出位置を指定することで、一時記憶メモリ156に事前に記憶されている画像データを容易に再利用することができ、画像データメモリ142から毎回読み出す必要がなくなるので、飾り図柄の可変表示における制御負担を軽減することができる。特に、画像データメモリ142からのデータ読出速度が一時記憶メモリ156からのデータ読出速度よりも遅い場合には、飾り図柄の可変表示を行うための処理時間を短縮して、制御負担を軽減することができる。
図43に示すステップS442の処理では、CPU131がVDP141に対して動画像表示初期設定指令を伝送させることにより、画像データメモリ142からVDP141に画像データを読み出す際のデータバス幅が、第2のバス幅として予め定められた32ビットに変更される。これに伴い、チップセレクトの設定をCS#1として、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち、動画像用のメモリチップ142−3から動画像データを読み出すように設定される。これに対して、図33に示すステップS54にて初期表示設定処理が実行されたときや、図43に示すステップS447の処理が実行されたときには、CPU131がVDP141に対して画像表示初期設定指令や動画像表示終了設定指令を伝送させることにより、画像データメモリ142からVDP141に画像データを読み出す際のデータバス幅が、第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定される。これに伴い、チップセレクトの設定をCS#0として、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち、スプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2からスプライト画像データを読み出すように設定される。
このように、スプライト画像データを使用して画像表示装置5の画面上に画像を表示させる場合には、画像データメモリ142からスプライト画像データを読み出す際のバス幅を、第1のバス幅として予め定められた64ビットとする。その一方で、動画像データを使用して画像表示装置5の画面上にて動画像を再生表示させる場合には、画像データメモリ142から動画像データを読み出す際のバス幅を、第1のバス幅より狭い(ビット数が少ない)第2のバス幅として予め定められた32ビットとする。ここで、例えばスプライト画像データを使用して表示用データを作成する際には、動画像データのようなデコード処理が不要であることなどの理由により、動画像データに比べてVDP141での処理速度(表示用データの作成速度)が高速になる。こうした高速な処理が可能となるスプライト画像データを画像データメモリ142から読み出す場合には、動画像データのようにVDP141での処理負担が増大して比較的に低速な処理となる画像データを読み出す場合に比べて、広い(ビット数の多い)データバス幅で画像データメモリ142からの読み出しを行えるようにすることで、VDP141における処理効率を向上させることができる。
また、画像データを読み出す際のバス幅を変更可能とすることにより、以下のように、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。すなわち、バス幅の変更ができない場合には、そのバス幅に対応したメモリチップを用意しなければならなくなり、例えば画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、増大させる記憶容量に見合ったメモリチップを用意することが困難であり、例えば特注品となることなどにより、製造コストが過剰に増大することがある。これに対して、バス幅を変更可能とすれば、変更可能ないずれかのバス幅に対応したメモリチップを用意すればよいので、例えば画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、増大させる記憶容量に見合ったメモリチップを用意しやすくなり、製造コストの増大を抑制することができる。このように、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を複数種類のバス幅のうちいずれかに設定できるようにすることで、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際に用意すべきメモリチップの柔軟性を高めて、製造コストの増大を抑制することができる。
さらに、例えば図22に示すような画像データメモリ142に設けられたメモリチップ142−1〜142−3が、いずれも同一の記憶容量(例えば1ギガビット)を有しているものとする。この場合、画像データメモリ142に接続されたデータバスを常に最大のバス幅(例えば64ビット)に設定する場合には、例えばチップセレクト信号CS#0がオン状態となることによりメモリチップ142−1とメモリチップ142−2から画像データが読み出されるといったように、2個のメモリチップから画像データが読み出されることになる。したがって、画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、例えば各メモリチップ142−1〜142−3と同一の記憶容量を有するメモリチップを、2個ずつ、すなわち、2ギガビット単位で、増設していかなければならなくなる。そのため、画像データメモリ142に記憶させる画像データのデータ容量が画像データメモリ142における記憶容量を僅かに超えただけでも、少なくとも2個のメモリチップを増設する必要があり、記憶容量を変更する際の柔軟性に欠ける。ここで、メモリチップ142−1、142−2に代えて、データバスが最大のバス幅(例えば64ビット)を有し、メモリチップ142−3の記憶容量に比べて大きな記憶容量(例えばメモリチップ142−3に比べて2倍の記憶容量)を有する1つのメモリチップを用いた場合にも、画像データのデータ容量が僅かに超過した場合に、大きな記憶容量を有するメモリチップを増設する必要があり、記憶容量を変更する際の柔軟性に欠ける。
これに対して、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、最大のバス幅よりも少ないバス幅(例えば32ビット)にも設定可能とする場合には、例えばチップセレクト信号CS#1がオン状態となることによりメモリチップ142−3のみから画像データが読み出されるといったように、1個のメモリチップから画像データを読み出すことができればよい。したがって、画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、例えば各メモリチップ142−1〜142−3と同一の記憶容量を有するメモリチップを、1個ずつ増設していくことができる。このように、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を複数種類のバス幅のうちいずれかに設定できるようにすることで、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。
加えて、データバスが最大のバス幅よりも少ないバス幅(例えば32ビット)を有するメモリチップ142−3に動画像データを記憶させ、その少ないバス幅で動画像データを読み出すようにすれば、例えばメモリチップ142−1、142−2の双方に動画像データを記憶させて最大のバス幅で読み出す場合に比べて、記憶容量を柔軟に変更することができるので、画像データメモリ142の使用効率を向上させることができる。
図38に示すステップS304では、ステップS305の処理でデモ画面表示用の設定が行われることに対応して、CPU131が事前転送指令処理を実行する。また、図44に示すステップS374では、飾り図柄の可変表示が終了するときに主基板11から大当り開始コマンドが送られて大当り遊技状態に制御されることに対応して、CPU131が事前転送指令処理を実行する。このように、画像表示装置5の画面上にデモンストレーション画像を表示することや、可変表示結果が大当りとなったことといった、所定の転送条件が成立したことに対応して、例えば図54(A)に示すような事前転送設定テーブル220におけるテーブルデータの設定に基づき、事前転送指令処理が実行され、事前転送設定テーブル220に登録された画像データを、画像データメモリ142から読み出してVDP141の一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送する旨の指令が行われる。VDP141では、例えば図45に示すステップS605にて、転送制御回路152が事前転送処理を実行することで、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を示す画像データが、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aから読み出され、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送されて記憶される。これにより、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を示す画像データについて、一時記憶メモリ156の記憶内容にノイズなどによる誤りが発生した場合でも、その記憶内容を自動的に復元させることができる。
図55に示すステップSC11の処理では、画像指定バッファ値に対応して、飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかを示す画像データを特定する。また、ステップSC12の処理では、表示位置バッファ値に対応して、飾り図柄の表示位置を特定する。描画回路155は、ステップSC13の処理で伝送された表示制御指令に応じた仮想空間画像を作成する。さらに、ステップSC14〜ステップSC18の処理では、表示位置バッファ値に応じて、画像指定バッファ値により指定される飾り図柄の前や後に配置する飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかを示す画像データや表示位置を特定する。描画回路155は、ステップSC19の処理で伝送された表示制御指令に応じた仮想空間画像を作成する。こうして作成された仮想空間画像を、画像表示装置5の表示範囲に対応した描画領域でクリッピングして表示用データを抽出し、フレームバッファメモリ157に書き込んだ後、表示回路158が表示用データを読み出して走査信号を生成し、画像表示装置5に供給する。こうして、画像指定バッファ値により指定された飾り図柄の画像を表示位置バッファ値により指定された表示位置に表示するとともに、画像指定バッファ値により指定される飾り図柄の前や後に生じた空白にも飾り図柄を配置して表示する。このとき、描画回路155は、ステップSC13やステップSC19の処理で伝送された表示制御指令に応じた仮想空間画像を作成することで、固定アドレスエリア156Aにて離散して記憶された画像データであっても、それらの画像データを連結して仮想空間画像を作成することができる。このように、画像指定バッファ値により指定される飾り図柄の前や後に配置する飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかを示す画像データや表示位置を特定することで、全ての飾り図柄となる合成画像A1〜A8を連結して配置した表示用データを作成する場合に比べて、飾り図柄の可変表示に要するデータ容量を低減することができ、飾り図柄の可変表示を行うための制御負担も軽減することができる。
図42に示すステップS430の処理で伝送される自動転送指令に応じて、転送制御回路152は図45に示すステップS607で自動転送制御処理を実行し、描画回路155は図49に示すステップS705で自動転送描画処理を実行する。このときには、転送制御回路152が図48に示すステップS631〜S635の処理を実行して、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに転送して記憶させた後、描画回路155が図51に示すステップS731〜S736の処理を実行して、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをフレームバッファメモリ157に書き込んで記憶させる。これにより、可変アドレスエリア156Bに記憶される画像データについては、画像データメモリ142における読出位置と、フレームバッファメモリ157における書込位置とを指定すれば、可変アドレスエリア156Bの記憶位置を指定しなくても表示用データの作成に利用することができ、アドレス管理が容易になり、プログラム設計の負担を軽減することができる。また、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに記憶された画像データについては、例えば図42に示すステップS423〜S426の処理を実行して、固定アドレスエリア156Aの読出位置を指定する固定アドレス指定転送を作成して伝送させることで、固定アドレスエリア156Aに事前に記憶されている画像データを容易に再利用することができ、画像データメモリ142から毎回読み出す必要がなくなるので、画像データを処理するための制御負担を軽減することができる。
図7(A)に示す大当りパターン決定テーブル200Aにおけるテーブルデータの設定や、図7(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル200Bにおけるテーブルデータの設定、さらには、図16(B)に示すスーパーA演出決定テーブル260におけるテーブルデータの設定により、スーパーA−01〜スーパーA−04といったスーパーA演出制御パターンによる演出の期待度は、図17(B)に示すようなものに設定される。
スーパーA−02の演出制御パターンでは、分離演出の実行タイミングが、スーパーA−01の演出制御パターンとは異なるように設定されている。こうして、作用演出表示となる分離演出として複数種類の演出表示のうちでいずれを実行するかが、分離演出の実行タイミングに応じて可変表示結果が大当りとなる確率を異ならせるように設定された決定テーブルを用いて決定される。これにより、作用演出表示となる演出表示の実行タイミングに応じて、可変表示結果が大当りとなることに対する期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
スーパーA−03の演出制御パターンでは、確変図柄である飾り図柄から飛び出して番号を示す表示画像と分離したキャラクタを示す表示画像といった、スーパーA−01の演出制御パターンによる分離演出において飾り図柄に作用を加える演出画像とは種類が異なる演出画像での分離演出が行われるように設定されている。こうして、作用演出表示となる分離演出として複数種類の演出表示のうちでいずれを実行するかが、作用演出表示となる分離演出において飾り図柄に作用を加える演出画像の種類に応じて可変表示結果が大当りとなる確率を異ならせるように設定された決定テーブルを用いて決定される。これにより、作用演出表示となる演出表示にて飾り図柄に作用を加える演出画像の種類に応じて、可変表示結果が大当りとなることに対する期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
スーパーA−04の演出制御パターンでは、複数(例えば2個)の飾り図柄から飛び出して番号を示す表示画像と分離した複数のキャラクタを示す表示画像といった、スーパーA−01〜スーパーA−03の演出パターンによる分離演出において飾り図柄に作用を加える演出画像の個数とは異なる個数の演出画像での分離演出が行われるように設定されている。こうして、作用演出表示となる分離演出として複数種類の演出表示のうちでいずれを実行するかが、作用演出表示となる分離演出において飾り図柄に作用を加える演出画像の個数に応じて可変表示結果が大当りとなる確率を異ならせるように設定された決定テーブルを用いて決定される。これにより、作用演出表示となる演出表示にて飾り図柄に作用を加える飾り図柄の個数に応じて、可変表示結果が大当りとなることに対する期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、分離演出において、「左」の可変表示部DLに停止表示された飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかからキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位が飛び出し、番号を示す表示画像N1〜N8の部位から分離して飾り図柄に作用するような演出表示が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば「右」の可変表示部DRに停止表示された飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかからキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位が飛び出し、番号を示す表示画像N1〜N8の部位から分離して飾り図柄に作用するような演出表示が行われるようにしてもよい。この場合には、例えば図59に示すステップST11〜ST14と同様にして、飾り図柄の可変表示を開始した後に「左」及び「右」の可変表示部DL、DRに飾り図柄を停止表示させてから、動画像の再生表示を開始するための設定を行う。そして、分離演出では、「右」の可変表示部DRに停止表示された飾り図柄の合成画像を構成するキャラクタを示す表示画像の部位が飛び出して番号を示す表示画像の部位から分離し、「左」の可変表示部DLに停止表示された飾り図柄となる合成画像に作用するような演出表示が行われる。
例えば図60(A)に示すように「左」の可変表示部DLと「右」の可変表示部DRに飾り図柄となる合成画像が停止表示される場合、CPU131は、まず、例えばスプライト画像表示制御パターンから読み出したスプライト画像表示制御データに基づき図42に示すステップS423〜S426の処理を実行することなどにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに記憶された合成画像A3、A7、A8のそれぞれを示す画像データが指定される固定アドレス指定転送指令を、VDP141に対して伝送させる。また、CPU131は、例えばスプライト画像表示制御データに基づき図42に示すステップS427〜S430の処理を実行することなどにより、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aに記憶された番号「2」の表示画像N2を示す画像データが指定される自動転送指令を、VDP141に対して伝送させる。続いて、CPU131は、例えば動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データに基づき図43に示すステップS443の処理を実行することなどにより、画像データメモリ142の動画像データエリア142Bに記憶されたキャラクタC2分離演出用の動画像データを示す動画像表示開始設定指令を、VDP141に対して伝送させる。
VDP141では、例えば描画回路155が、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された各種の表示制御指令に基づいて仮想空間画像を生成する。このときには、例えば固定アドレスエリア156Aからは合成画像A3、A7、A8のそれぞれを示す画像データが読み出され、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aからは番号「2」の表示画像N2を示す画像データが読み出され、画像データメモリ142の動画像データエリア142BからはキャラクタC2分離演出用の動画像データが読み出される。こうして、番号「2」の表示画像N2から分離したキャラクタを示す表示画像C2を動作させるための画像データや、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aから読み出された番号「2」の表示画像N2を示す画像データなどを合成して、分離演出用の演出画像を構成する合成画像を示す仮想空間画像が生成される。この仮想空間画像を描画領域でクリッピングしてフレームバッファメモリ157に表示用データを書き込んだ後、表示回路158が表示用データを読み出して走査信号の生成及び出力を行う。このようにして、「右」の可変表示部DRに停止表示された通常図柄となる図柄番号「2」の飾り図柄にて、キャラクタを示す表示画像C2が番号を示す表示画像N2から分離する分離演出を行うことができる。
上記実施の形態では、分離演出において、合成画像A1〜A8のいずれかから飛び出して番号を示す表示画像N1〜N8の部位から分離したキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位が、分離された番号を示す表示画像N1〜N8の部位とは異なる他の飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかに作用するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば図66に示すように、合成画像A1〜A8のいずれかから飛び出して番号を示す表示画像N1〜N8の部位から分離したキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位が、分離された番号を示す表示画像N1〜N8の部位に作用するようにしてもよい。
上記実施の形態では、スーパーA−02の演出制御パターンのように、スーパーA−01の演出制御パターンとは分離演出の実行タイミングが異なる演出制御パターンによる分離演出において、キャラクタを示す表示画像が飾り図柄を押し下げるような演出表示とは演出態様が異なり、キャラクタを示す表示画像が変動している飾り図柄を受け止めるような、他の飾り図柄に作用する演出表示が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、分離演出の実行タイミングは同一であっても、分離演出における演出表示の演出態様を異ならせるようにしてもよい。例えば、スーパーA−02の演出制御パターンでも、スーパーA−01の演出制御パターンと同様に、「右」の可変表示部DRにて飾り図柄が停止表示されてから、分離演出が開始されるようにする。その一方で、例えば図67に示すように、図60(C)においてキャラクタを示す表示画像が飾り図柄を押し下げるような演出表示とは演出態様が異なり、キャラクタを示す表示画像C8が「右」の可変表示部DRにて停止表示されている飾り図柄を蹴り上げるような、他の飾り図柄に作用する演出表示が行われるようにする。これにより、分離演出の実行タイミングに変化はなくても、分離演出における演出態様に応じて可変表示結果が大当りとなる確率を変化させることができ、分離演出における演出態様に応じて可変表示結果が大当りとなることに対する期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、例えば「左」及び「右」の可変表示部DL、DRにて飾り図柄が停止表示されたときや、「左」の可変表示部DLのみにて飾り図柄が停止表示されたときなど、少なくとも「中」の可変表示部DCでは飾り図柄が変動している期間において、分離演出が開始されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて飾り図柄が一旦停止表示されてから分離演出を開始し、合成画像から飛び出して番号を示す表示画像の部位から分離したキャラクタを示す表示画像の部位が飾り図柄に作用するような演出表示を行うことで飾り図柄を再び変動させ、例えばリーチといった飾り図柄の可変表示態様を所定態様としたり、大当りといった飾り図柄の可変表示結果を所定の表示結果とするようにしてもよい。
一例として、例えばスーパーA−01の演出制御パターンでは、「左」、「中」、「右」の可変表示部DL、DC、DRにて、それぞれ、図柄番号が「2」、「4」、「8」の飾り図柄となる合成画像A2、A4、A8を、一旦停止表示させる。なお、このとき停止表示させる飾り図柄は、チャンス目#1として予め定められ、図39に示すステップS321の処理でスーパーA−01の演出制御パターンに決定されたことに対応して、CPU131が図39に示すステップS322の処理を実行することにより決定できればよい。続いて、例えば図68(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRに停止表示された飾り図柄となる合成画像A2、A4、A8において、各合成画像A2、A4、A8を構成するキャラクタを示す表示画像C2、C4、C8の部位が飛び出して番号を示す表示画像N2、N4、N8から分離し、分離後の各番号を示す表示画像N2、N4、N8の部位に作用するような演出表示が行われる。この場合、CPU131は、例えばスプライト画像表示制御パターンから読み出したスプライト画像表示制御データに基づき図42に示すステップS427〜S430の処理を実行することなどにより、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aに記憶された番号「2」、「4」、「8」の表示画像N2、N4、N8を示す画像データが指定される自動転送指令を、VDP141に対して伝送させる。また、CPU131は、例えば動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データに基づき図43に示すステップS443の処理を実行することなどにより、画像データメモリ142の動画像データエリア142Bに記憶されたチャンス目#1分離演出用の動画像データを示す動画像表示開始設定指令を、VDP141に対して伝送させる。VDP141では、例えば描画回路155が、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された各種の表示制御指令に基づいて仮想空間画像を生成する。このときには、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aから番号「2」、「4」、「8」の表示画像N2、N4、N8を示す画像データが読み出され、画像データメモリ142の動画像データエリア142Bからはチャンス目#1分離演出用の動画像データが読み出される。こうして、番号「2」、「4」、「8」の表示画像N2、N4、N8から分離したキャラクタを示す表示画像C2、C4、C8を動作させるための画像データや、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aから読み出された番号「2」、「4」、「8」の表示画像N2、N4、N8を示す画像データなどを合成して、分離演出用の演出画像を構成する合成画像を示す仮想空間画像が生成される。
他の一例として、例えばスーパーA−02の演出制御パターンでは、「左」、「中」、「右」の可変表示部DL、DC、DRにて、それぞれ、図柄番号が「1」、「3」、「5」の飾り図柄となる合成画像A1、A3、A5を、一旦停止表示させる。なお、このとき停止表示させる飾り図柄は、チャンス目#2として予め定められ、図39に示すステップS321の処理でスーパーA−02の演出制御パターンに決定されたことに対応して、CPU131が図39に示すステップS322の処理を実行することにより決定できればよい。続いて、例えば図68(B)に示すように、「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRに停止表示された飾り図柄となる合成画像A1、A3、A5において、各合成画像A1、A3、A5を構成するキャラクタを示す表示画像C1、C3、C5の部位が飛び出して番号を示す表示画像N1、N3、N5から分離し、分離後の各番号を示す表示画像N1、N3、N5の部位に作用するような演出表示が行われる。
これらの図68(A)及び(B)に示すような分離演出が行われる場合にも、図39に示すステップS321の処理では、CPU131が図16(B)に示すようなスーパーA演出決定テーブル260を参照して、演出制御パターンの決定を行うようにすればよい。これにより、図68(B)に示すようにチャンス目#2となる飾り図柄の組合せが停止表示されてから分離演出が行われる場合には、図68(A)に示すようにチャンス目#1となる飾り図柄の組合せが停止表示されてから分離演出が行われる場合に比べて、可変表示結果が大当りとなる確率が高くなる。こうして、分離演出が開始される前に停止表示される飾り図柄の組合せに応じて、可変表示結果が大当りとなる確率を異ならせることができ、分離演出が行われる際に停止表示された飾り図柄の組合せに応じて可変表示結果が大当りとなることに対する期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を表示するための画像データとして、合成画像A1〜A8を示す画像データを画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aに記憶しておき、例えば図54(A)に示すような事前転送設定テーブル220におけるテーブルデータの設定などに基づき、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送して記憶させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を表示するための画像データとして、例えば図69に示すように、キャラクタの表示画像C1〜C8を示す画像データと、番号の表示画像N1〜N8を示す画像データとを、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aに記憶しておいてもよい。
この場合、図14(A)〜(C)に示す各図柄配列設定テーブル240L、240C、240Rのテーブルデータは、各合成画像A1〜A8を構成するキャラクタの表示画像C1〜C8を示す画像データ及び番号の表示画像N1〜N8を示す画像データについて、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける読出位置を特定可能に示すものであればよい。また、事前転送設定テーブル220は、例えば図70(A)に示すように、画像表示装置5の画面上に飾り図柄となる合成画像A1〜A8を表示するための画像データとして、キャラクタの表示画像C1〜C8を示す画像データと番号の表示画像N1〜N8を示す画像データとを、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aから読み出し、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送して一時記憶させるためのテーブルデータを含むように構成されればよい。ここで、各キャラクタの表示画像C1〜C8を示す画像データや各番号の表示画像N1〜N8を示す画像データの書込アドレスは、固定アドレスエリア156Aにてそれぞれの画像データが連続した記憶領域に記憶されるように、予め設定されていてもよい。あるいは、各画像データの書込アドレスは、固定アドレスエリア156Aにて離散した記憶領域に記憶されるように、予め設定されていてもよい。そして、CPU131は、図33に示すステップS53にて事前転送指令処理を実行することにより、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうち、例えばスプライト画像データエリア142Aに記憶されたキャラクタの表示画像C1〜C8を示す画像データや番号の表示画像N1〜N8を示す画像データといった、各画像データに示される画像の表示頻度が所要の画像データ(例えば、予告演出として表示される演出画像を示す画像データなど)に示される画像の表示頻度に比べて高い画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送することの指令を行う。
このとき伝送された事前転送指令に応答して、VDP141では、例えば転送制御回路152が図45に示すステップS605の事前転送処理を実行する。これにより、例えば図70(B)に示すように、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうち、スプライト画像データエリア142Aに記憶されたキャラクタの表示画像C1〜C8を示す画像データや番号の表示画像N1〜N8を示す画像データなどが、画像データメモリ142から読み出され、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送されて、事前に一時記憶されることになる。このときには、事前転送設定テーブル220を構成するテーブルデータの設定に応じて、キャラクタの表示画像C1〜C8や番号の表示画像N1〜N8を示す画像データのそれぞれが、固定アドレスエリア156Aにて連続する記憶領域に記憶されてもよいし、固定アドレスエリア156Aにて離散した記憶領域に記憶されてもよい。
加えて、図55に示すスクロール表示制御処理では、例えばステップSC11の処理で特定される画像指定バッファ値の画像データや、ステップSC15、SC17、SC18の処理で特定される画像データが、飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかを構成するキャラクタの表示画像C1〜C8を示す画像データと番号の表示画像N1〜N8を示す画像データとなる。こうして特定された画像データと表示位置とを示す表示制御指令が演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141に対して伝送されることにより、VDP141では、例えば描画回路155がキャラクタの表示画像と番号の表示画像とを合成して飾り図柄となる合成画像を作成し、その合成画像を配置した仮想空間画像を生成した後、描画領域でクリッピングして、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に、表示用データの書き込みを行う。こうしてフレームバッファメモリ157に書き込まれた表示用データを表示回路158が読み出し、走査信号を生成して画像表示装置5に出力する。
例えばパチンコ遊技機1の電源投入時には、上記実施の形態と同様にして、図71(A)に示すように、表示位置バッファ171において、左図柄表示位置バッファ171L、中図柄表示位置バッファ171C、右図柄表示位置バッファ171Rのそれぞれに、バッファ初期値として「+0」を設定する。また、例えば図71(B)に示すように、画像指定バッファ172において、左図柄画像指定バッファ172Lには「+7」を、中図柄画像指定バッファ172Cには「+1」を、右図柄画像指定バッファ172Rには「+2」を、それぞれのバッファ初期値として設定する。
このとき、CPU131は、図71(B)に示すように、左図柄画像指定バッファ172Lにおけるバッファ値「+7」に対応した左図柄配列設定テーブル240Lのテーブルデータを参照することにより、「左」の可変表示部DLにて飾り図柄を可変表示する際に基準となる図柄として図柄番号が「1」の合成画像A1を構成するキャラクタの表示画像C1と番号の表示画像N1とを特定する。また、中図柄画像指定バッファ172Cにおけるバッファ値「+1」に対応した中図柄配列設定テーブル240Cのテーブルデータを参照することにより、「中」の可変表示部DCにて飾り図柄を可変表示する際に基準となる図柄として図柄番号が「2」の合成画像A2を構成するキャラクタの表示画像C2と番号の表示画像N2とを特定する。さらに、右図柄画像指定バッファ172Rにおけるバッファ値「+2」に対応した右図柄配列設定テーブル240Rのテーブルデータを参照することにより、「右」の可変表示部DRにて飾り図柄を可変表示する際に基準となる図柄として図柄番号が「3」の合成画像A3を構成するキャラクタの表示画像C3と番号の表示画像N3とを特定する。加えて、左図柄表示位置バッファ171L、中図柄表示位置バッファ171C、右図柄表示位置バッファ171Rのそれぞれにおけるバッファ値「+0」に対応したスクロール表示制御テーブル250のテーブルデータを参照することにより、「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRについて、飾り図柄の左上端における表示位置のY座標として「48Y」を特定する。
こうして特定された各合成画像A1、A2、A3を構成するキャラクタや番号の表示画像を示す画像データと表示位置に基づき、上記実施の形態における図55に示すステップSC13の処理を実行することにより作成された表示制御指令に応じて、VDP141では、描画回路155が仮想描画空間内に飾り図柄を配置する。この場合、描画回路155は、まず、「左」の可変表示部DRに飾り図柄を表示するために、キャラクタの表示画像C1と番号の表示画像N1とを合成して合成画像A1を作成し、表示制御指令に示された表示位置に一致するように配置する。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131では、表示位置バッファ値が「+0」であることから、合成画像A1の前後に1つずつ飾り図柄となる合成画像を配置するための画像データと表示位置を特定し、特定された画像データと表示位置とを示す表示制御指令をVDP141に対して伝送させる。このとき、固定アドレスエリア156Aに対応して設けられたインデックステーブル300における記憶内容が演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送される表示制御指令に応じて更新される場合には、合成画像A1の上側に配置する合成画像A8を表示するために用いられるキャラクタの表示画像C8を示す画像データ及び番号の表示画像N8を示す画像データと、合成画像A1の下側に配置する合成画像A2を表示するために用いられるキャラクタの表示画像C2を示す画像データ及び番号の表示画像N2を示す画像データについて、固定アドレスエリア156Aにおける記憶アドレスを、演出制御用マイクロコンピュータ120の側において、例えばCPU131がROM132に記憶された設定データを読み出すことなどにより、特定することができる。そのため、各合成画像A1、A2、A8を表示するために用いられるキャラクタの表示画像C1、C2、C8を示す画像データや番号の表示画像N1、N2、N8を示す画像データの記憶アドレスが固定アドレスエリア156Aで離散していても、演出制御用マイクロコンピュータ120の側で固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置を特定して、表示制御指令をVDP141に対して伝送させることができる。これにより、描画回路155は、キャラクタの表示画像C8と番号の表示画像N8とを合成して合成画像A8を作成し、合成画像A1の上側に合成画像A8を配置する一方で、キャラクタの表示画像C2と番号の表示画像N2とを合成して合成画像A2を作成し、合成画像A1の下側に合成画像A2を配置する。描画回路155は、このようにして配置された仮想空間画像について、「左」の可変表示部DLに対応した描画領域でクリッピングして抽出し、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に画像の表示用データを書き込む。そして、「中」、「右」の可変表示部DC、DRについても同様にして仮想空間画像を生成した後、各可変表示部DC、DRに対応した描画領域でクリッピングして、フレームバッファメモリ157において対応する記憶領域に、表示用データの書き込みを行う。こうしてフレームバッファメモリ157に書き込まれた表示用データを表示回路158が読み出し、走査信号を生成して画像表示装置5に出力する。これにより、図71(C)に示すように、「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて飾り図柄が表示される。以後、スプライト画像表示制御パターンから読み出されたスプライト画像表示制御データの設定に従って、仮想空間画像の作成と、表示用データの書き込みと、走査信号の生成及び出力とが、順次に実行されるようにすればよい。
また、上記実施の形態で図60に例示したような分離演出を行う場合に、CPU131は、図60(A)に示すような「左」の可変表示部DLと「右」の可変表示部DRに飾り図柄となる合成画像が停止表示されたときに、例えばスプライト画像表示制御パターンから読み出したスプライト画像表示制御データに基づき図42に示すステップS423〜S426の処理を実行することなどにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに記憶されて合成画像A2、A3、A7を表示するために用いられるキャラクタの表示画像C2、C3、C7及び番号の表示画像N2、N3、N7のそれぞれを示す画像データが指定される固定アドレス指定転送指令と、固定アドレスエリア156Aに記憶された番号の表示画像N8を示す画像データが指定される固定アドレス指定転送指令とを、VDP141に対して伝送させる。続いて、CPU131は、例えば動画像表示制御パターンから読み出した動画像表示制御データに基づき図43に示すステップS443の処理を実行することなどにより、画像データメモリ142の動画像データエリア142Bに記憶されたスーパーA−01キャラクタC8分離演出用の動画像データMBA−01−08を示す動画像表示開始設定指令を、VDP141に対して伝送させる。
これらの表示制御指令に基づいて、VDP141では、例えば描画回路155が仮想空間画像を生成する。このときには、例えば図72に示すように、固定アドレスエリア156Aからはキャラクタの表示画像C2、C3、C7のそれぞれを示す画像データと番号の表示画像N2、N3、N7、N8のそれぞれを示す画像データとが読み出され、画像データメモリ142の動画像データエリア142BからはスーパーA−01キャラクタC8分離演出用の動画像データMBA−01−08が読み出される。こうして、番号「8」の表示画像N8から分離したキャラクタの表示画像C8を動作させるための動画像データや、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに事前に転送されて一時記憶された番号「8」の表示画像N8を示す画像データなどを合成して、分離演出用の演出画像を構成する合成画像を示す仮想空間画像が生成される。このときには、キャラクタの表示画像C2及び番号「2」の表示画像N2を合成して図柄番号が「2」の飾り図柄となる合成画像A2を作成し、キャラクタの表示画像C3及び番号「3」の表示画像N3を合成して図柄番号が「3」の飾り図柄となる合成画像A3を作成し、キャラクタの表示画像C7及び番号「7」の表示画像N7を合成して図柄番号が「7」の飾り図柄となる合成画像A7を作成すればよい。この仮想空間画像を描画領域でクリッピングしてフレームバッファメモリ157に表示用データを書き込んだ後、表示回路158が表示用データを読み出して走査信号の生成及び出力を行う。
上記実施の形態では、図2に示すように、「1」〜「8」の番号を示す表示画像N1〜N8の部位と、表示画像N1〜N8の周縁部分(枠部分)に配置されるキャラクタを示す表示画像C1〜C8の部位とからなる合成画像A1〜A8が、図柄番号「1」〜「8」に対応した飾り図柄となって可変表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば所定の画像枠内に、番号を示す表示画像の部位と、キャラクタを示す表示画像の部位とが設けられるように合成された合成画像を、飾り図柄として可変表示するようにしてもよい。一例として、「一」〜「八」の番号を示す表示画像K1〜K8の部位と、各図柄に対応したキャラクタを示す表示画像F1〜F8の部位とが設けられるように合成された合成画像X1〜X8を、飾り図柄として可変表示するものとする。この場合、例えばスーパーA−01の演出制御パターンでは、図59に示すステップST11の処理と同様の処理を実行することにより、図73(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて飾り図柄の可変表示を開始する。
その後、図59に示すステップST12の処理と同様の処理を実行することにより、図73(B)に示すように「左」の可変表示部DLに図柄番号「7」に対応した飾り図柄となる合成画像X7を停止表示する。続いて、図59に示すステップST13の処理と同様の処理を実行することにより、図73(C)に示すように「右」の可変表示部DRに図柄番号「6」に対応した飾り図柄となる合成画像X6を停止表示する。このとき停止表示された飾り図柄の組合せは、通常ハズレの組合せを構成するものであり、この時点では、飾り図柄の可変表示態様がリーチとはなっていない。
このときには、例えば図59に示すステップST14の処理と同様の処理を実行することにより、動画像の再生表示を開始するための設定を行い、さらに図59に示すステップST15の処理と同様の処理を実行することにより、例えば図73(D)に示すように「左」の可変表示部DLに停止表示された合成画像X7の画像枠内に含まれるキャラクタを示す表示画像F7の部位が、合成画像X7から飛び出して「七」の番号を示す表示画像K7の部位と分離する分離演出が開始される。そして、例えば図73(E)に示すように、キャラクタを示す表示画像F7が手に持っている剣を「右」の可変表示部DRに対して振り下ろすような、他の飾り図柄に作用する演出表示が行われる。この演出表示により、「右」の可変表示部DRに停止表示されていた飾り図柄が更新され、例えば図73(F)に示すように、「左」の可変表示部DLと同一の図柄番号「7」に対応した飾り図柄となる合成画像X7が停止表示されることで、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなる。
上記実施の形態では、図10に示すように、VDP141が備える転送制御回路152は、画像データメモリインタフェース153などが接続されたバスとともに、フレームバッファメモリ157などが接続されたバスにも、接続されるように構成されている。このような接続構成であれば、例えば転送制御回路152がフレームバッファメモリ157に記憶されている表示用データを読み出して一時記憶メモリ156に一時記憶させ、その表示用データを演出制御用マイクロコンピュータ120などにより読出可能とすることができる。これに対して、転送制御回路152は、例えば図74に示すように、画像データメモリインタフェース153などが接続されたバスのみに接続され、フレームバッファメモリ157などが接続されたバスには、接続されないように構成されてもよい。このような接続構成において、フレームバッファメモリ157に記憶されている表示用データを読み出して一時記憶メモリ156に一時記憶させるには、例えば描画回路155がフレームバッファメモリ157の記憶データを読み出して一時記憶メモリ156に転送すればよい。
上記実施の形態では、図50に示すステップS714の処理や図51に示すステップS734の処理において、これからフレームバッファメモリ157に書き込もうとする表示用データ(書込側データ)と、既にフレームバッファメモリ157に記憶されている表示用データ(記憶側データ)との間で優先度の比較を行い、書込側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込む一方で、記憶側データの優先度が高い画素については表示用データを書き込まないようにして、例えば背景画像の前面にキャラクタの画像を出現させることができるようにするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、表示用データの書き込みを行う際には、優先度の比較だけでなく、透明度の設定なども行われるようにしてもよい。例えば、スプライト画像表示制御パターンに含まれるスプライト画像表示制御データには、飾り図柄の可変表示速度を示す表示制御データとともに、その可変表示速度に応じて異なる飾り図柄の透明度を示す制御データが含まれるようにする。例えば、可変表示速度が「高速」である期間では、飾り図柄を半透明とするための透明度が設定される。そして、図50に示すステップS714の処理や図51に示すステップS734の処理では、スプライト画像表示制御データにより設定された透明度に対応して、例えばアルファブレンド処理を実行することなどにより、これからフレームバッファメモリ157に書き込もうとする表示用データ(書込側データ)における表示色と、各画素に対応して既にフレームバッファメモリ157に記憶されている表示用データ(記憶側データ)における表示色との間で、中間色となるような表示用データを作成し、作成された表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込むようにすればよい。これにより、例えば飾り図柄の可変表示速度が「高速」となる期間では、飾り図柄の視認が困難になる一方で、背景画像などの視認が容易となり、遊技者における目の疲労を軽減することや、背景画像などにより実行される予告演出の認識を容易にすることができる。
上記実施の形態では、キャラクタを示す表示画像の部位が停止表示されている飾り図柄に作用することで出現する所定の表示態様が、リーチであるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、飾り図柄に作用することで出現する表示態様は、例えば大当り組合せの確定飾り図柄といった、リーチとは異なる表示態様であってもよい。一例として、「左」と「右」の可変表示部DL、DRにて所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が停止してリーチとなった後、「中」の可変表示部DCにて飾り図柄が停止表示する以前に、「左」の可変表示部DLで停止表示された飾り図柄となる合成画像からキャラクタを示す画像が飛び出して番号を示す画像と分離する分離演出が開始される。そして、キャラクタを示す表示画像が「中」の可変表示部DCにて変動している飾り図柄を受け止めるような、他の飾り図柄に作用する演出表示が行われる。その後、「中」の可変表示部DCでは、リーチとなっている有効ライン上に大当り組合せを構成する飾り図柄を停止表示させるようにすればよい。また、「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにてリーチハズレ組合せとなる飾り図柄を停止表示した後、「左」、「中」、「右」の可変表示部DL、DC、DRのいずれかで停止表示された飾り図柄となる合成画像からキャラクタを示す画像が飛び出して番号を示す画像と分離する分離演出が開始され、キャラクタを示す表示画像が「中」の可変表示部DCにて停止表示されている飾り図柄に作用する演出表示を行って、大当り組合せを構成する飾り図柄に変更させるようにしてもよい。
上記実施の形態では、例えば図24に示すように、合成画像A1〜A8を示すスプライト画像データが画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aに予め記憶され、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を表示するための画像データとして、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送されて記憶されるものとして説明した。また、例えば図69に示すように、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を表示するための画像データとして、キャラクタの表示画像C1〜C8を示す画像データと番号の表示画像N1〜N8を示す画像データとが画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aに予め記憶され、これらの各画像データが、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送されて記憶されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、飾り図柄となる合成画像A1〜A8を表示するための画像データを画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに一時記憶させることができる任意の構成を有するものであればよい。一例として、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aには、キャラクタの表示画像C1〜C8を示すスプライト画像データと、番号の表示画像N1〜N8を示すスプライト画像データとを予め記憶しておき、転送制御回路152が図45に示すステップS605の事前転送処理を実行する際に、画像データメモリ142から読み出したキャラクタの表示画像C1〜C8を示すスプライト画像データと番号の表示画像N1〜N8を示すスプライト画像データとを、描画回路155によりそれぞれ合成することにより合成画像A1〜A8を示す画像データを作成し、作成された合成画像A1〜A8を示す画像データを、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに記憶させるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図28に示すステップS102の始動入賞処理で、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データとともに、可変表示パターン決定用の乱数値MR2を示す数値データやリーチ判定用の乱数値MR3を示す数値データも抽出して、特図保留記憶部161にセットするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば始動入賞処理では特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データのみを抽出して、特図保留記憶部161にセットするようにしてもよい。この場合、図30に示すステップS223の処理では、例えばCPU111が乱数回路114に伝送される出力制御信号をオン状態に設定した後に乱数回路114から伝送される乱数値出力信号を取り込むことや、乱数回路114とは異なるランダムカウンタにてソフトウェアにより更新される数値データを抽出することなどにより、リーチ判定用の乱数値MR3を示す数値データを取得すればよい。また、図30に示すステップS227の処理では、例えばCPU111が乱数回路114に伝送される出力制御信号をオン状態に設定した後に乱数回路114から伝送される乱数値出力信号を取り込むことや、乱数回路114とは異なるランダムカウンタにてソフトウェアにより更新される数値データを抽出することなどにより、可変表示パターン決定用の乱数値MR2を示す数値データを取得すればよい。
上記実施の形態では、図55に示すステップSC20、SC22などにて表示位置バッファ値を更新するごとに演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141に対して表示制御指令を伝送させて飾り図柄となる合成画像A1〜A8のいずれかを配置することで、図57(A)〜(C)や図58(A)〜(C)に示すような仮想空間画像を作成するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、仮想空間画像内でクリッピングを行う描画領域を時間の経過に伴って移動させることで、スクロール表示を行うようにしてもよい。一例として、図57(A)に示すような仮想空間画像VA0を作成した後、図57(A)にて太破線で囲まれた領域を描画領域となる表示枠WLとしてクリッピングすれば、図57(D)に示すような画像の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込むことができる。その後、仮想空間画像はそのまま保持しておき、表示枠WLを「1Y」分だけ上側に移動させてクリッピングすれば、図57(E)に示すような画像の表示用データをフレームバッファメモリ157に書き込むことができる。さらに表示枠WLを上側に移動させてクリッピングすることで、例えば「左」の可変表示部DLで下方向にスクロールする飾り図柄を可変表示するための表示用データを作成することができる。こうして表示枠WLを上側に移動させて図57(C)の場合と同様に表示枠WLの上端が合成画像A8の上端と一致したときには、例えば画像指定バッファ値を更新することなどにより基準となる図柄を変更し、変更後の飾り図柄を配置した仮想空間画像を作成するようにすればよい。これにより、仮想空間画像を毎回作成する必要がなくなるので、仮想空間画像を毎回作成する場合に比べて、飾り図柄の可変表示を行うための制御負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、描画回路155が飾り図柄を配置した仮想空間画像を作成した後、描画領域でクリッピングしてフレームバッファメモリ157に表示用データの書き込みを行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、描画回路155による仮想空間画像の作成を行うことなく、フレームバッファメモリ157に書き込む画像データを特定するようにしてもよい。一例として、画像データメモリ142から合成画像A1〜A8を示す画像データを読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送する際には、固定アドレスエリア156Aにて連続する記憶領域に、合成画像A1〜A8を示す画像データのそれぞれを所定順序で記憶させることで、仮想のリール上に飾り図柄となる各合成画像A1〜A8が貼り付けられた状態に対応する画像データを保持しておく。そして、描画回路155は、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された表示制御指令で指定された画像データや表示位置から、フレームバッファメモリ157に書き込むためにクリッピングする画像データの記憶位置を、固定アドレスエリア156Aのアドレスなどにより特定して、読み出すようにすればよい。あるいは、固定アドレスエリア156Aにて離散した記憶領域に合成画像A1〜A8を示す画像データが記憶される場合でも、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送される表示制御指令などにより、描画回路155が各画像データの読出位置を特定することができれば、描画領域となる表示枠内に含まれる画像データを固定アドレスエリア156Aから読み出し、フレームバッファメモリ157にて表示枠内の位置に対応した書込位置に書き込むことで、仮想空間画像の作成を行うことなく、フレームバッファメモリ157に表示用データの書き込みを行うことができる。
上記実施の形態では、例えば図16(B)に示すようなスーパーA演出決定テーブル260を参照することにより、飾り図柄の可変表示中における演出動作の態様に応じて、可変表示結果が大当りとなる可能性が異なるようにするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、飾り図柄の可変表示中における演出動作の態様に応じて、可変表示結果が「確変大当り」となる可能性が異なるようにしてもよい。一例として、スーパーA演出決定テーブル260は、スーパーA演出制御パターンのそれぞれと、演出制御パターン決定用の乱数値SR1とを、確変大当り時であるか否かに応じて異なる割当てとなるように対応付ける設定データ(決定用データ)などにより構成すればよい。
上記実施の形態では、図59に示すステップST19の処理や図62に示すステップST37の処理により、「中」の可変表示部DCにて飾り図柄を停止表示させてから、図59に示すステップST20の処理や図62に示すステップST38の処理により、動画像の再生表示を終了するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば図59に示すステップST17の処理や図62に示すステップST35の処理により、「右」の可変表示部DRにて飾り図柄を停止表示してリーチが成立したことに対応して、動画像の再生表示を終了するようにしてもよい。この場合、その後のリーチ演出でも動画像の再生表示を行うために、例えば図59に示すステップST14の処理や図62に示すステップST33の処理と同様にして、再び動画像の再生表示を開始するための設定を行うようにすればよい。そして、リーチ演出が終了したときには、図59に示すステップST20の処理や図62に示すステップST38の処理と同様にして、動画像の再生表示を終了すればよい。
上記実施の形態では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部DL、DC、DRにて、飾り図柄が画面上の上側から下側に向けてスクロール表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば下側から上側へ向けてスクロール表示されるようにしてもよい。また、上下方向といった縦方向ではなく、左右方向(左側から右側へ向けて、あるいは、右側から左側へ向けて)といった横方向にスクロール表示されるようにしてもよい。この場合には、描画回路155が作成する仮想空間画像における飾り図柄の配置や、描画領域としてクリッピングする表示枠などを、スクロール表示を行う方向に応じて設定するように制御を行えばよい。このとき、描画回路155は、上記実施の形態において図55に示すステップSC13やステップSC19の処理と同様にして演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された表示制御指令に応じて、複数の飾り図柄を左右方向に仮想空間画像を作成すればよい。これにより、固定アドレスエリア156Aにて離散して記憶された複数の飾り図柄を示す画像データであっても、それらの画像データを連結して複数の飾り図柄を配置した仮想空間画像を容易に作成することができ、飾り図柄の可変表示を行うための制御負担を軽減することができる。また、パチンコ遊技機1における遊技状態などに応じて、スクロール表示の方向を切り替えるようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときには、飾り図柄が画像表示装置5の画面上で上側から下側へ向けてスクロール表示される一方で、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態であるときには、飾り図柄が画像表示装置5の画面上で左側から右側へ向けてスクロール表示されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行う機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、この発明は、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1に限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。以下、この発明を他の遊技機の一例であるスロットマシンに適用した場合について説明する。
図75は、この発明を適用したスロットマシンの一例となるスロットマシン500の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン500は、大別して、前面が開口するする筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成されている。スロットマシン500の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリールRL、RC、RRを水平方向に並設した可変表示装置501が設置されている。また、スロットマシン500の前面扉には、表示機能を有する画像表示装置510が設けられている。
リールRL、RC、RRの外周部には、例えば「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リールRL、RC、RRの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置501にて各々上中下三段に表示されている。各リールRL、RC、RRは、各々対応して設けられたリールモータ651L、651C、651R(図76)によって回転させることで、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リールRL、RC、RRの回転を停止させることで、3つの連続する図柄が表示結果として、視認可能に導出表示されるようになっている。
スロットマシン500の前面扉における画像表示装置510の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、メダルを投入可能なメダル投入口502、メダルを1枚分の賭数を設定(BET)するためのBETスイッチ503、1ゲームで賭けることのできる最高枚数分(本例では3枚分)の賭数を設定するためのMAXBETスイッチ504、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)として記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算するための精算スイッチ508が設けられている。メダル投入口502に投入されたメダルは、所定の投入メダルセンサによって検知される。
操作テーブル520の手前側には、スロットマシン500にてゲームを開始する際に操作されるスタートレバー505、リールRL、RC、RRの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ506L、506C、506Rが設けられている。操作テーブル520の下部には、メダルが払い出されるメダル払出口507が設けられている。
スロットマシン500の前面扉における画像表示装置510の上部には、スロットマシン500での遊技に関する各種の情報を表示するための遊技情報表示部が設けられている。例えば、遊技情報表示部は、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器や、ビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される補助表示器、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器などを備えていればよい。遊技情報表示部の左右には、効果音を発する2つのスピーカ511L、511Rが設けられている。その他、画像表示装置510の上部には、遊技効果ランプ512が設けられており、操作テーブル520の前面左右には、それぞれ遊技効果ランプ513、514が設けられている。
スロットマシン500においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口502から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはBETスイッチ503またはMAXBETスイッチ504を操作する。こうして賭数が設定されると、賭数に応じた複数の入賞ラインのいずれかが有効となり、スタートレバー505の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが実行可能な状態となって、可変表示の実行条件が成立する。なお、前回のゲームにてリプレイなどの再遊技役の入賞が発生した場合にも、続けて次のゲームが実行可能となり、可変表示の実行条件が成立する。
こうしてゲームが実行可能な状態でスタートレバー505が操作されると、その操作がスタートレバースイッチ505A(図76)により検知されたことに基づき、可変表示の開始条件が成立したことに対応して、各リールRL、RC、RRが回転し、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ506L、506C、506Rが操作されると、対応するリールRL、RC、RRの回転が停止し、表示結果が視認可能に導出表示される。
そして、全てのリールRL、RC、RRの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各リールRL、RC、RRの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞となる役の種類には、大別して、メダルの付与を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン500では、スタートレバー505が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
スロットマシン500における遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば466枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了させるようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
スロットマシン500では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ506L、506C、506Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
スロットマシン500には、例えば図76に示すような主基板600、演出制御基板620、リールユニット650などが搭載されている。その他にも、スロットマシン500には、主基板600に接続された電源基板や中継基板等の他の基板も搭載されている。主基板600には、遊技制御用マイクロコンピュータ610が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ610は、上記実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAMなどを備えて構成されている。
リールユニット650は、リールモータ651L、651C、651R、リールランプ652、リールセンサ653などを備えて構成される。リールモータ651L、651C、651Rは、各リールRL、RC、RRを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リールRL、RC、RRの内部に設けられ、各リールRL、RC、RRに描かれた図柄のうち、可変表示装置501にて視認可能となる図柄をリールの内側から照射するためのランプである。リールセンサ653は、各リールRL、RC、RRの回転状態や回転数などを検知するためのセンサである。
演出制御基板620には、演出制御用マイクロコンピュータ630や、表示制御部631、音制御部632、ランプ制御部633などが搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ630は、上記実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ120と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAM、リセット/割込みコントローラなどを備えて構成されている。表示制御部631は、画像表示装置510における表示動作の制御を行うものであり、上記実施の形態における表示制御部121と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理を実行するVDPと、画像表示装置510の画面上に画像を表示させるために使用される各種の画像データを記憶する画像データメモリとを備えて構成されている。
表示制御部631が備えるVDPには、上記実施の形態と同様に、ホストインタフェース、転送制御回路、画像データメモリインタフェース、動画像用デコーダ、描画回路、一時記憶メモリ、フレームバッファメモリ、表示回路などが設けられている。
演出制御用マイクロコンピュータ630では、主基板600から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンに従って画像表示装置510やスピーカ511L、511R、遊技効果ランプ512〜514などによる演出動作を制御するための指令や処理が、CPUによって実行される。表示制御部631では、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理が、VDPによって実行される。
画像表示装置510の画面上には、例えば上記実施の形態における画像表示装置5と同様にして、「左」、「中」、「右」の可変表示部DL、DC、DRが設けられ、例えば演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUが上記実施の形態における図55のフローチャートに示すスクロール表示制御処理と同様の処理を実行することにより、可変表示装置501における図柄の可変表示に対応して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄が可変表示される。そして、作用演出表示として、飾り図柄の可変表示中に停止表示された飾り図柄となる合成画像において、第1の部位となるキャラクタを示す表示画像の部位が合成画像から飛び出して第2の部位となる番号を示す表示画像の部位から分離する分離演出が行われる。
例えば、ストップスイッチ506Lが操作されたことによりリールRLの回転を停止させ、続いて、ストップスイッチ506Cが操作されることによりリールRCの回転を停止させることに対応して、画像表示装置510では、「左」の可変表示部DLに飾り図柄となる合成画像を停止表示させ、続いて、「中」の可変表示部DCに飾り図柄となる合成画像を停止表示させる。このとき、可変表示装置501では、リールRLの停止により導出表示された図柄と、リールRCの停止により導出表示された図柄とが、いずれかの入賞ライン上でビッグボーナスとなる特別役の入賞を発生可能な組合せを構成するものとする。他方、画像表示装置510では、「左」の可変表示部DLに停止表示された飾り図柄と、「中」の可変表示部DCに停止表示された飾り図柄とが、いずれの入賞ライン上でも入賞が発生しない組合せを構成するものとする。その後、例えば演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUが上記実施の形態における図59に示すステップST14、ST15と同様の処理を実行することなどにより、「左」の可変表示部DCに停止表示された飾り図柄となる合成画像において、その合成画像を構成するキャラクタを示す表示画像が飛び出して番号を示す表示画像から分離し、「中」の可変表示部DRに停止表示された飾り図柄となる合成画像に作用するような演出表示が行われる。
表示制御部631が備えるVDPでは、例えば描画回路が、演出制御用マイクロコンピュータ630から伝送された各種の表示制御指令に基づいて仮想空間画像を生成する。このときには、例えばVDPの一時記憶メモリにおける固定アドレスエリアからは「左」と「中」の各可変表示部DL、DCにて分離されずに停止表示されている飾り図柄となる合成画像のそれぞれを示す画像データが読み出され、表示制御部631が備える画像データメモリのスプライト画像データエリアからは、分離した番号の表示画像を示す画像データが読み出され、画像データメモリの動画像データエリアからは、分離したキャラクタを示す表示画像を動作させるための動画像データが読み出される。こうして、番号の表示画像から分離したキャラクタを示す表示画像を動作させるための画像データや、分離した番号の表示画像を示す画像データなどを合成して、分離演出用の演出画像を構成する合成画像を示す仮想空間画像が生成される。この仮想空間画像を描画領域でクリッピングして、表示制御部631が備えるVDPのフレームバッファメモリに表示用データを書き込んだ後、VDPの表示回路が表示用データを読み出して走査信号を生成し、画像表示装置510に対して出力する。
こうして分離演出が開始された後、分離したキャラクタを示す表示画像が「中」の可変表示部DCに停止表示された飾り図柄に作用するような演出表示が行われる。その後、「中」の可変表示部DCに停止表示されていた飾り図柄を、例えば再び変動させることなどにより更新し、いずれかの入賞ライン上で特別役の入賞を発生可能な図柄の組合せとなるように、「中」の可変表示部に飾り図柄を停止表示させる。これにより、飾り図柄の可変表示態様が入賞を発生可能な表示態様といった所定の表示態様となることに意外性を持たせ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、画像表示装置510の画面上に飾り図柄となる合成画像を表示するための画像データは、例えば上記実施の形態における図54(A)や図70(A)に示すような事前転送設定テーブル220と同様の事前転送設定テーブルを構成するテーブルデータの設定に基づき、演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUが上記実施の形態における図33に示すステップS53にて事前転送指令処理を実行するのと同様の処理を実行することにより、演出制御用マイクロコンピュータ630におけるCPUの起動に対応して、表示制御部631が備える画像データメモリのスプライト画像データエリアから読み出され、一時記憶メモリの固定アドレスエリアに転送されて記憶される。そして、例えば表示制御部631が備えるVDPの描画回路は、演出制御用マイクロコンピュータ630から伝送された表示制御指令や固定アドレスエリアに記憶された画像データに基づいて作成した表示用データを、フレームバッファメモリに書き込む。これにより、飾り図柄となる合成画像を表示するための画像データについては、一時記憶メモリにおける読出位置を指定することで、一時記憶メモリに事前に記憶されている画像データを容易に再利用することができ、画像データメモリから毎回読み出す必要がなくなるので、飾り図柄の可変表示における制御負担を軽減することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、上記実施の形態における図43に示すステップS442と同様の処理を実行し、表示制御部631が備えるVDPに対して動画像表示初期設定指令を伝送させることにより、表示制御部631が備える画像データメモリからVDPに画像データを読み出す際のデータバス幅が、第2のバス幅として予め定められた32ビットに変更される。これに伴い、チップセレクトの設定をCS#1として、画像データメモリに含まれる複数のメモリチップのうち、動画像用のメモリチップから動画像データを読み出すように設定される。これに対して、上記実施の形態における図33に示すステップS54の初期表示設定処理や図43に示すステップS447の処理と同様の処理を実行し、表示制御部631が備えるVDPに対して画像表示初期設定指令や動画像表示終了設定指令を伝送させることにより、表示制御部631が備える画像データメモリからVDPに画像データを読み出す際のデータバス幅が、第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定される。これに伴い、チップセレクトの設定をCS#0として、画像データメモリに含まれる複数のメモリチップのうち、スプライト画像用のメモリチップからスプライト画像データを読み出すように設定される。このように、スプライト画像データを画像データメモリから読み出す場合には、動画像データを読み出す場合に比べて、広い(ビット数の多い)データバス幅で読み出しを行えるようにすることで、表示制御部631が備えるVDPにおける処理効率を向上させることができ、また、画像データメモリの記憶容量を変更する際に用意すべきメモリチップの柔軟性を高めて、製造コストの増大を抑制することができる。また、画像データメモリの使用効率を向上させることもできる。
演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、上記実施の形態における図38に示すステップS304と同様の処理を実行し、画像表示装置510の画面上にデモンストレーション画像を表示するための設定が行われることに対応して、事前転送指令処理を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、上記実施の形態における図44に示すステップS374と同様の処理を実行し、飾り図柄の可変表示が終了するときに特別役となる入賞の発生に基づき遊技状態がビッグボーナスに移行することなどに対応して、事前転送指令処理を実行する。このように、画像表示装置510の画面上にデモンストレーション画像を表示することや、ビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生したことといった、所定の転送条件が成立したことに対応して、事前転送指令処理が実行され、事前転送設定テーブルに登録された画像データを、表示制御部631の画像データメモリから読み出してVDPの一時記憶メモリにおける固定アドレスエリアに転送する旨の指令が行われる。VDPでは、例えば転送制御回路が上記実施の形態における図45に示すステップS605での事前転送処理と同様の処理を実行することで、例えば合成画像を示す画像データ、あるいは、キャラクタの表示画像を示す画像データ及び番号の表示画像を示す画像データといった、飾り図柄となる合成画像を表示するための画像データが、画像データメモリのスプライト画像データエリアから読み出され、一時記憶メモリの固定アドレスエリアに転送されて記憶される。これにより、飾り図柄となる合成画像を表示するための画像データについて、一時記憶メモリの記憶内容にノイズなどによる誤りが発生した場合でも、その記憶内容を自動的に復元させることができる。
演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、上記実施の形態における図55に示すステップSC11と同様の処理を実行することで、画像指定バッファ値に対応して、飾り図柄となる合成画像のいずれかを表示するための画像データを特定する。また、上記実施の形態における図55に示すステップSC12と同様の処理を実行することで、表示位置バッファ値に対応して、飾り図柄の表示位置を特定する。表示制御部631が備えるVDPの描画回路は、上記実施の形態における図55に示すステップSC13と同様の処理により演出制御用マイクロコンピュータ630から伝送された表示制御指令に応じた仮想空間画像を作成する。さらに、上記実施の形態における図55に示すステップSC14〜SC18と同様の処理を実行し、表示位置バッファ値に応じて、画像指定バッファ値により指定される飾り図柄の前や後に配置する飾り図柄となる合成画像のいずれかを表示するための画像データや表示位置を特定する。描画回路は、上記実施の形態における図55に示すステップSC19と同様の処理により演出制御用マイクロコンピュータ630から伝送された表示制御指令に応じた仮想空間画像を作成する。こうして作成された仮想空間画像を、画像表示装置510の表示範囲に対応した描画領域でクリッピングして表示用データを抽出し、フレームバッファメモリに書き込んだ後、表示回路が表示用データを読み出して走査信号を生成し、画像表示装置510に供給する。こうして、画像指定バッファ値により指定された飾り図柄の画像を表示位置バッファ値により指定された表示位置に表示するとともに、画像指定バッファ値により指定される飾り図柄の前や後に生じた空白にも飾り図柄を配置して表示する。このように、画像指定バッファ値により指定される飾り図柄の前や後に配置する飾り図柄となる合成画像のいずれかを表示するための画像データや表示位置を特定することで、全ての飾り図柄となる合成画像を連結して配置した表示用データを作成する場合に比べて、飾り図柄の可変表示に要するデータ容量を低減することができ、飾り図柄の可変表示を行うための制御負担も軽減することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUが上記実施の形態における図42に示すステップS430と同様の処理を実行することにより伝送される自動転送指令に応じて、表示制御部631が備えるVDPの転送制御回路は、上記実施の形態における図45に示すステップS607での自動転送制御処理と同様の処理を実行し、表示制御部631が備えるVDPの描画回路は、上記実施の形態における図49に示すステップS705での自動転送描画処理を実行する。このときには、転送制御回路が上記実施の形態における図48に示すステップS631〜S635と同様の処理を実行して、表示制御部631が備える画像データメモリから読み出した画像データをVDPの一時記憶メモリにおける可変アドレスエリアに転送して記憶させた後、描画回路が上記実施の形態における図51に示すステップS731〜S736と同様の処理を実行して、可変アドレスエリアから読み出した画像データをフレームバッファメモリに書き込んで記憶させる。これにより、可変アドレスエリアに記憶される画像データについては、画像データメモリにおける読出位置と、フレームバッファメモリにおける書込位置とを指定すれば、可変アドレスエリアの記憶位置を指定しなくても表示用データの作成に利用することができ、アドレス管理が容易になり、プログラム設計の負担を軽減することができる。また、一時記憶メモリにおける固定アドレスエリアに記憶された画像データについては、例えば演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUが上記実施の形態における図42に示すステップS423〜S426と同様の処理を実行して、固定アドレスエリアの読出位置を指定する固定アドレス指定転送を作成して伝送させることで、固定アドレスエリアに事前に記憶されている画像データを容易に再利用することができ、画像データメモリから毎回読み出す必要がなくなるので、画像データを処理するための制御負担を軽減することができる。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明の遊技機は、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能なスロットマシンに限らず、例えばパチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンなどにも適用することができる。
パチンコ遊技機1やスロットマシン500の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。