JP2018026925A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】端部の軸方向通風溝の排気側における冷却性能の低下による導体の高温化を防止する。
【解決手段】周方向に所定の間隔をもって複数形成されたコイルスロットには導体19を通電するための矩形状の導体19を径方向に積層して構成された界磁コイルが収納されていると共に、軸方向に対してコイルスロット外に位置する導体19の端部が最端側に位置する入気孔20と導体19に形成されている軸方向通風溝21−2、及びリテイニングリング24の下流側に位置する排気孔22が連通して回転子端部の通風構造が形成されており、導体19の軸方向最端部からコイルスロットの開始端までの端部領域(L1)26−1における軸方向通風溝内の熱抵抗をR1、コイルスロットの開始端から排気孔22までの端部領域(L2)26−2における軸方向通風溝内の熱抵抗をR2とした時、R1>R2なる関係の回転子端部の通風構造としたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】周方向に所定の間隔をもって複数形成されたコイルスロットには導体19を通電するための矩形状の導体19を径方向に積層して構成された界磁コイルが収納されていると共に、軸方向に対してコイルスロット外に位置する導体19の端部が最端側に位置する入気孔20と導体19に形成されている軸方向通風溝21−2、及びリテイニングリング24の下流側に位置する排気孔22が連通して回転子端部の通風構造が形成されており、導体19の軸方向最端部からコイルスロットの開始端までの端部領域(L1)26−1における軸方向通風溝内の熱抵抗をR1、コイルスロットの開始端から排気孔22までの端部領域(L2)26−2における軸方向通風溝内の熱抵抗をR2とした時、R1>R2なる関係の回転子端部の通風構造としたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は回転電機に係り、特に、タービン発電機などの回転子の界磁コイル端部に通風流路を備え、当該通風流路に冷却媒体を通気して界磁コイルを冷却するものに好適な回転電機に関するものである。
一般に、タービン発電機などの回転電機では、固定子(ステータ)や回転子(ロータ)に通風流路を設け、当該通風流路に冷却媒体である空気や水素を循環させて、ジュール損や鉄損などによって発熱するコイルや鉄心(コア)などを冷却する構造が知られている。
代表的な従来構造について、図7〜図10を用いて説明する。
図7は、ラジアルフロー冷却方式回転子を備えたタービン発電機の概略構造の一部の断面(軸方向−径方向断面)を示すものである。
該図において、1は固定子枠であり、2は固定子枠1内に収納された固定子、3は固定子2と対向配置された回転子、4は回転子3と一体に回転する回転子軸(シャフト)、5は回転子軸4の端部に設置された軸流ファン、6は軸流ファン5によってタービン発電機の各部位に送風される冷却媒体(流れを矢印で表示)、7は冷却媒体6を回転子3内に導くための軸方向通風路であるサブスロット、8は回転子3の通電導体である界磁コイル、9はサブスロット7からの冷却媒体を界磁コイル8に導くための径方向通風路であるラジアル流路、10は回転子3の外表面に設けた排気孔、11は固定子2の内周面と回転子3の外周面との間に設けた隙間であるエアギャップ(間隙)、12は電磁鋼板を軸方向に積層して構成される固定子鉄心、13は固定子2内に冷却媒体6を導くための径方向通風路である固定子冷却ダクト、14は固定子2の通電導体である固定子コイル、15は各部位の冷却によって昇温した冷却媒体6を冷却するための冷却器、16は固定子2内の固定子冷却ダクト13内を冷却媒体6が内径側から外径側に向かって通風する領域のフォワードゾーン、17は逆に外径側から内径側に向かって通風する領域のリバースゾーン、18はフォワードゾーン16間やリバースゾーン17間を連通させる通風管である。
このように構成される回転電機では、回転子3が回転すると、軸流ファン5の押込み作用とラジアル流路9内の遠心力によるポンプ作用により、冷却媒体6がサブスロット7内に流入する。また、軸流ファン5からの冷却媒体6の一部は、エアギャップ11及び固定子コイル14の端部へと流れる。サブスロット7内に流入した冷却媒体6は、回転子3の中央に向かって流れながら各ラジアル流路9に順次分岐され、各ラジアル流路9において界磁コイル8を冷却し、排気孔10よりエアギャップ11内に排出される。
固定子コイル14の端部方向に流れた一部の冷却媒体6は、リバースゾーン17間の通風管18Aを通って各リバースゾーン17内の固定子冷却ダクト13に流入し、リバースゾーン17内の固定子鉄心12や固定子コイル14を冷却した後、エアギャップ11に排出され、回転子3を冷却した冷却媒体6と合流する。
エアギャップ11で合流した冷却媒体6は、フォワードゾーン16内の固定子冷却ダクト13に流入し、フォワードゾーン16内の固定子鉄心12や固定子コイル14を冷却し、フォワードゾーン16間の通風管18Bを通って冷却器15に流入する。各発熱部位の冷却によって昇温した冷却媒体6は、冷却器15によって降温され、軸流ファン5に戻る一巡した流れを形成する。
図8、図9(A)、図9(B)及び図10を用いて、界磁コイル8の端部冷却について詳細に説明する。
図8は、ラジアルフロー冷却方式回転子の端部通風構造概略の断面(軸方向-径方向断面)を、図9(A)は図8におけるスロット外のA−A線に沿った断面(周方向−径方向断面)を、図9(B)はスロット内のB−B線に沿った断面で、図10は界磁コイル8を構成する導体端部の通風構造概略の断面(軸方向−周方向断面)を、それぞれ示すものである。
図8、図9(A)、図9(B)及び図10において、6−1及び6−2は界磁コイル8の端部を流れる冷却媒体、19は界磁コイル8を構成し通電するための導体、20は導体19の端部に設けた端部入気孔、21−1及び21−2は導体19の端部を冷却するために設置された軸方向通風溝、22は導体19の端部に導いた冷却媒体6−1及び6−2をエアギャップ11に排気するための端部排気孔、23は導体19を径方向に積層して界磁コイル8を構成する際に、導体19間を電気的に絶縁するための導体間絶縁材(図9(A)及び図9(B)参照)、24は界磁コイル8の端部を回転時の遠心力に耐えるために設置される強度部材のリテイニングリング、25は界磁コイル8の胴部内に設けられたコイルスロット領域、26−1は導体19の端部領域において、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域、26−2はコイルスロット開始から端部排気孔22までの領域、27はリテイニングリング24の軸方向距離である。また、図9(A)において、28は周方向の界磁コイル8間に生じる自然対流である。
そして、上述したように、回転子3が回転すると、軸流ファン5の押し込み作用と回転子3内の通風流路(ラジアル流路9)内の遠心力によるポンプ作用により、回転子3内の各通風流路(サブスロット7)に冷却媒体6が流れる。端部においては、冷却媒体6−1が端部入気孔20から入気し、径方向に積層した各導体19の軸方向通風溝21−1に分流し、軸方向通風溝21−2を通って端部排気孔22からエアギャップ11に排気される流れが生じる。端部排気孔22は、リテイニングリング24より下流側(胴部中央側)に設置されるのが一般的である。なぜなら、リテイニングリング24に端部排気孔22を設けることは、リテイニングリング24の強度確保のことから避けている。
導体19は通電によってジュール発熱が生じるが、導体19の端部は、軸方向通風溝21−1を流れる冷却媒体6−1によって除熱されている。
また、スロット外の周方向の界磁コイル8間には、図9(A)に示すように、導体19と周囲の冷却媒体6−3との温度差によって自然対流28が発生し、これによっても、導体19が冷却されている。
一方、図9(B)に示すスロット内の界磁コイル8は、回転子軸4の周方向に所定の間隔で設けたコイルスロット(図示しない)内に格納され、周方向の界磁コイル8間に空間領域が存在しない。そのため、自然対流28は、周方向の界磁コイル8間に空間領域が存在する最端部からコイルスロット開始位置までの領域26−1のみで生じる。
従って、界磁コイル8の端部においては、端部領域26−1では軸方向通風溝21−1を流れる冷却媒体6−1による強制対流と自然対流、端部領域26−2では軸方向通風溝21−2を流れる冷却媒体6−2による強制対流で冷却することになる。
なお、上記のような回転電機の先行技術文献として特許文献1を挙げることができる。この特許文献1には、回転電機の回転子において、回転子の鉄心部に巻線された複数本の回転子導体のうち、少なくとも1本以上の回転子導体に冷却溝を有し、そのうちの少なくとも1個以上の冷却溝において角部にR加工を施すことにより、冷却溝の角部近傍で発生するピーク応力を低減することが記載されている。
しかしながら、上述した従来技術では、軸方向通風溝21−1及び21−2を流れる冷却媒体6−1及び6−2は、端部入気孔20から端部排気孔22に向かって導体19を冷却しながら流れるため、端部排気孔22側に向かうほど温度上昇する傾向にあり、これに伴い導体19も端部排気孔22側に向かうほど高温化の傾向にあると共に、更には、端部領域26−1に比べて端部排気孔22側に位置する端部領域26−2では、強制対流のみでの除熱となるため冷却性能が低下し、導体19の高温化を招く恐れがあった。しかも、上記した特許文献1には、このような課題に対する解決策については、全く記載されていない。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、端部の軸方向通風溝の排気側における冷却性能の低下による導体の高温化を防止することができる回転電機を提供することにある。
本発明の回転電機は、上記目的を達成するために、固定子枠と、該固定子枠内に収納された固定子と、該固定子と径方向に所定の間隙をもって対向配置された回転子とを備え、前記回転子の胴部には周方向に所定の間隔をもって複数形成されたコイルスロットを有し、該コイルスロットには導体を通電するための矩形状の導体を径方向に積層して構成された界磁コイルが収納されていると共に、前記界磁コイルの端部の径方向最外周部には、リテイニングリングが設置され、かつ、軸方向に対して前記コイルスロット外に位置する前記導体の端部が最端側に位置する入気孔と前記導体に形成されている軸方向通風溝、及び前記リテイニングリングの下流側に位置する排気孔が連通して前記回転子端部の通風構造が形成されている回転電機において、前記導体の軸方向最端部から前記コイルスロットの開始端までの端部領域(L1)における前記軸方向通風溝内の熱抵抗をR1、前記コイルスロットの開始端から前記排気孔までの端部領域(L2)における前記軸方向通風溝内の熱抵抗をR2とした時、R1>R2なる関係の前記回転子端部の通風構造としたことを特徴とする。
本発明によれば、端部の軸方向通風溝の排気側における冷却性能の低下による導体の高温化を防止することができる。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の回転電機を説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
本発明の回転電機の実施例1を、図1乃至図4を用いて説明する。本実施例における回転電機の全体構成は、図7に示した構成と略同一なので、ここでの説明は省略する。
図1は、本実施例の回転電機における界磁コイル8を構成する導体端部の概略を断面(軸方向−周方向断面)で示し、図2は、本実施例の回転電機の実施例1における界磁コイル8の端部の通風構造の概略を断面(軸方向−径方向断面)で示す。また、図1には、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1と、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2における導体19の断面の概略も示してある。
該図に示す本実施例では、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1と、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2とで、軸方向通風溝21−1及び21−2の寸法仕様が異なる。これにより、端部領域26−1と端部領域26−2とで、軸方向通風溝21−1及び21−2内の熱抵抗Rを変えることが可能となる。
図3(A)、図3(B)及び図3(C)を用いて、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1と、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2とでの軸方向通風溝21−1及び21−2の寸法仕様の変更による熱抵抗Rへの影響について説明する。
図3(A)は、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1における軸方向通風溝21−1を有する導体19の断面を示し、図3(B)は、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2における軸方向通風溝21−2を矩形形状(矩形溝)とした導体19の断面を示し、図3(C)は、端部領域26−2における軸方向通風溝21−2を三角形状(三角溝)とした導体19の断面をそれぞれ示す。
一般に界磁コイル8の導体19は、高さよりも幅が大きい矩形形状で構成される。本実施例では、導体19の端部領域26−1(L1)において、高さH、幅Wで、W=3Hの軸方向通風溝21−1が設置されていると仮定する。そのため、図3(A)に示した軸方向通風溝21−1の通風面積は、H×Wで定義され3H2となる。また、伝熱面積は、2H+Wで定義され5Hとなる。
一方、図3(B)に示した端部領域26−2(L2)における軸方向通風溝21−2を矩形形状(矩形溝)とした構造では、端部領域26−1(L1)に対して、高さH/1.5、幅1.5Wとした矩形形状のため、通風面積は3H2(=H/1.5×1.5(3H))、伝熱面積は5.8H(=2(H/1.5)+1.5(3H))となる。
従って、上記した構成の本実施例によれば、端部領域26−1(L1)に比べ端部領域26−2(L2)の方が、通風面積を同等とし、伝熱面積を増大することが可能となる。また、端部の導体19内の熱抵抗Rは、熱伝達率と伝熱面積の積の逆数で定義され、熱伝達率は冷却媒体6−1や6−2の速度に比例する。
そこで、本実施例では、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1と、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2で通風面積が同等のため、冷却媒体6−1と6−2の速度及び熱伝達率は同等、伝熱面積は端部領域26−1(L1)より端部領域26−2(L2)の方が大きいため、熱抵抗RはR1(L1)>R2(L2)となる。
また、図3(C)に示した構造では、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1に対して、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2における軸方向通風溝21−2を、高さH、幅2Wとした三角形状としているため、通風面積は3H2(=0.5×H×2W)、伝熱面積6.3H(=2×(H2+(3H)2)となる。
従って、図3(C)に示した構造でも、端部の導体19内の熱抵抗Rは、R1(L1)>R2(L2)を実現できる。これは、図3(B)に示した矩形溝構造よりも、端部領域26−1に対して端部領域26−2における伝熱面積を増大できるため、端部領域26−2における熱抵抗Rの低減効果はさらに大きくなる。
図4は、本実施例と従来技術の界磁コイル8における導体19の端部からの軸方向距離と温度との関係を比較して示し、実線が本実施例における特性、破線が従来技術における特性である。
従来技術の界磁コイル8の端部においては、主に導体19内に設けた軸方向通風溝21−1を流れる冷却媒体6−1で冷却される。そして、端部入気孔20から冷却媒体6−1を導体19内の軸方向通風溝21−1に取り込み、導体19内でのジュール発熱を除去し、端部排気孔22より回転子3外に排気する。
そのため、軸方向通風溝21−1及び21−2を通過する冷却媒体6−1及び6−2は、端部入気孔20から端部排気孔22に向かうに従い風温が上昇する。軸方向通風溝21−1及び21−2の通風面積は一定であるため、冷却媒体6−1及び6−2の速度、熱伝達率は同一となるので、界磁コイル8は、軸方向通風溝21−1及び21−2内での風温の上昇に併せて高温化する。即ち、冷却媒体6−1及び6−2と同様に、端部入気孔20から端部排気孔22に向かうほど上昇する。しかし、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1では、周方向の界磁コイル8間で発生する自然対流28による除熱の効果もある。
そのため、軸方向通風溝21−1及び21−2内を流れる冷却媒体6−1及び6−2の熱抵抗が一定である従来技術では、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1と、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2とでは、界磁コイル8の軸方向温度勾配が異なる。自然対流28の除熱効果が無い端部領域26−2での界磁コイル8の温度勾配が、自然対流28の除熱効果がある端部領域26−1よりも大きくなり、図4の破線に示すように、端部排気孔22側での高温化が顕著となる恐れがある。
これに対して、本実施例によれば、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1と、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2とで軸方向通風溝21−1及び21−2の溝寸法仕様を変更し、軸方向通風溝21−1を流れる冷却媒体6−1に比べて、軸方向通風溝21−2を流れる冷却媒体6−2の熱抵抗を低減できるため、図4の実線に示すように、端部排気孔22側での界磁コイル8の高温化を抑制できることが分かる。
従って、本実施例のような構成とすることにより、軸方向通風溝21−1及び21−2を有する界磁コイル8の導体19の端部において、自然対流と強制対流とで導体を冷却する端部領域26−1(L1)と強制対流のみで冷却する端部領域26−2(L2)の冷却性能を同等以上に確保できる。そのため、導体19の軸方向通風溝21−2の端部排気孔22側での高温化を防止できる効果がある。
図5に、本発明の回転電機の実施例2における界磁コイルを構成する導体端部の概略を断面(軸方向−周方向断面)で示す。
図5において、29−1はスロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1(L1)における軸方向通風溝21−1の壁面粗さ、29−2はコイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2(L2)における軸方向通風溝21−2の壁面粗さであり、本実施例では、軸方向通風溝21−1の壁面粗さ29−1よりも軸方向通風溝21−2の壁面粗さ29−2の方が粗い構成とした。
一般に、流れに起因する乱流熱伝達率は、速度が同一の場合、乱れが大きいほど増大する。また、粗い壁面ほど乱れを誘起しやすくなる。
本実施例によれば、軸方向通風溝21−1の壁面粗さ29−1に比べ、軸方向通風溝21−2の壁面粗さ29−2の方が粗い構成であるため、乱れ誘起による熱伝達率増大の効果が大きい。
そのため、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1(L1)での冷却媒体6−1に比べて、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2(L2)での冷却媒体6−2の熱抵抗Rを低減する効果が増大(R1(L1)>>R2(L2))でき、端部排気孔22側での界磁コイル8の高温化を抑制できる効果が増大する。
図6に、本発明の回転電機の実施例3における界磁コイルを構成する導体端部の概略を断面(軸方向−周方向断面)で示す。
図6において、30は、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2の軸方向通風溝21−2に、千鳥状に複数設けた突起である。冷却媒体が流れる場内への突起30の設置は、乱れの誘起効果が大きく熱伝達率増大効果も大きい。
そのため、本実施例では、実施例2と同様に、スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域26−1(L1)での冷却媒体6−1に比べて、コイルスロット開始から端部排気孔22までの領域である端部領域26−2(L2)での冷却媒体6−2の熱抵抗Rを低減する効果が増大(R1(L1)>>R2(L2))でき、端部排気孔22側での界磁コイル8の高温化を抑制でき効果が増大する。
図6では、複数の突起30を相対向する側壁面に、軸方向に所定の間隔を有した千鳥配置としたが、複数の突起30を相対向する側壁面に、同一に配置も同様な効果を得ることができる。また、突起30を底面に設置した場合も同様の効果がある。
なお、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…固定子枠、2…固定子、3…回転子、4…回転子軸(シャフト)、5…軸流ファン、6…冷却媒体、6−1、6−2…界磁コイルの端部を流れる冷却媒体、6−3…界磁コイル間周囲の冷却媒体、7…サブスロット、8…界磁コイル、9…ラジアル流路、10…排気孔、11…エアギャップ(間隙)、12…固定子鉄心、13…固定子冷却ダクト、14…固定子コイル、15…冷却器、16…フォワードゾーン、17…リバースゾーン、18、18A、18B…連通管、19…導体、20…端部入気孔、21−1、21−2…軸方向通風溝、22…端部排気孔、23…導体間絶縁、24…リテイニングリング、25…コイルスロット領域、26−1(L1)…スロット外に位置する最端部からコイルスロット開始までの領域である端部領域、26−2(L2)…コイルスロット開始から端部排気孔までの領域である端部領域、27…リテイニングリングの軸方向距離、28…自然対流、29−1…L1での軸方向通風溝の壁面粗さ、29−2…L2での軸方向通風溝の壁面粗さ、30…突起。
Claims (9)
- 固定子枠と、該固定子枠内に収納された固定子と、該固定子と所定の間隙をもって対向配置された回転子とを備え、
前記回転子の胴部には周方向に所定の間隔をもって複数形成されたコイルスロットを有し、該コイルスロットには導体を通電するための矩形状の導体を径方向に積層して構成された界磁コイルが収納されていると共に、前記界磁コイルの端部の径方向最外周部には、リテイニングリングが設置され、かつ、軸方向に対して前記コイルスロット外に位置する前記導体の端部が最端側に位置する入気孔と前記導体に形成されている軸方向通風溝、及び前記リテイニングリングの下流側に位置する排気孔が連通して前記回転子端部の通風構造が形成されている回転電機において、
前記導体の軸方向最端部から前記コイルスロットの開始端までの端部領域(L1)における前記軸方向通風溝内の熱抵抗をR1、前記コイルスロットの開始端から前記排気孔までの端部領域(L2)における前記軸方向通風溝内の熱抵抗をR2としたとき、R1>R2なる関係の前記回転子端部の通風構造としたことを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記端部領域L1とL2の前記軸方向通風溝は、伝熱面積がL1<L2で、かつ、通風面積がL1=L2であることを特徴とする回転電機。 - 請求項1又は2に記載の回転電機において、
前記端部領域L1とL2の前記軸方向通風溝は、前記端部領域L1とL2の前記軸方向通風溝の高さをH、幅をWとしたとき、前記端部領域L2の前記軸方向通風溝が、前記端部領域L1の前記軸方向通風溝より前記幅(W)が高さ(H)より大きい矩形形状に形成されていることを特徴とする回転電機。 - 請求項3に記載の回転電機において、
前記端部領域L2の前記軸方向通風溝は、前記端部領域L1の前記軸方向通風溝がW=3Hに対して、H/1.5、1.5Wの矩形形状であることを特徴とする回転電機。 - 請求項1又は2に記載の回転電機において、
前記端部領域L1とL2の前記軸方向通風溝は、前記端部領域L1の前記軸方向通風溝が矩形形状で、前記端部領域L2の前記軸方向通風溝が三角形状であることを特徴とする回転電機。 - 請求項5に記載の回転電機において、
前記端部領域L1とL2の前記軸方向通風溝は、前記端部領域L1とL2の前記軸方向通風溝の高さをH、幅をWとしたとき、前記端部領域L1の前記軸方向通風溝がW=3Hの矩形形状で、前記端部領域L2の前記軸方向通風溝の高さがH、幅が2Wの三角形状であることを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記端部領域L1とL2の前記軸方向通風溝は、前記端部領域L2の前記軸方向通風溝の壁面粗さを、前記端部領域L1の前記軸方向通風溝の壁面より粗く形成することで、前記軸方向通風溝内の熱抵抗をR1>R2としたことを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記端部領域L2の前記軸方向通風溝の側壁に複数の突起を設けることで、前記軸方向通風溝内の熱抵抗をR1>R2としたことを特徴とする回転電機。 - 請求項8に記載の回転電機において、
前記複数の突起は、前記軸方向通風溝の相対向する側壁の軸方向に、所定の間隔をもって千鳥配置或いは同一配置されていることを特徴とする回転電機。
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JP2016156418A JP2018026925A (ja) | 2016-08-09 | 2016-08-09 | 回転電機 |
Publications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2018026925A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021095343A1 (ja) * | 2019-11-12 | 2021-05-20 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | モータ |
-
2016
- 2016-08-09 JP JP2016156418A patent/JP2018026925A/ja active Pending
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WO2021095343A1 (ja) * | 2019-11-12 | 2021-05-20 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | モータ |
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