以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
<詳細>
本実施形態に係るインターホンシステム1のブロック図を図1に示す。本実施形態のインターホンシステム1は、集合住宅用のインターホンシステムであって、複数の機器10を備えている。本実施形態における複数の機器10は、ロビーインターホン2、複数(図1では2つ)のインターホン親機3、複数(図1では2つ)のインターホン子機4、制御装置6、及び管理室親機5を含んでいる。
ロビーインターホン2は、集合住宅のロビー91(共用玄関)に設置されている。複数のインターホン親機3は、それぞれ複数の住戸92内に設置されている。複数のインターホン子機4は、それぞれ複数の住戸92の外玄関に設置されている。管理室親機5と制御装置6とは、集合住宅の管理室93に設置されている。なお、制御装置6は、管理室93とは異なる場所に設置されていてもよい。
ロビーインターホン2は、通信線81を介して制御装置6に接続されており、制御装置6との間で通信線81を介した有線通信が可能に構成されている。インターホン親機3は、通信線82を介して制御装置6に接続されており、制御装置6との間で通信線82を介した有線通信が可能に構成されている。また、インターホン親機3は、通信線83を介してインターホン子機4に接続されており、インターホン子機4との間で通信線83を介した有線通信が可能に構成されている。管理室親機5は、通信線84を介して制御装置6に接続されており、制御装置6との間で通信線84を介して有線通信が可能に構成されている。制御装置6は、ロビーインターホン2、インターホン親機3、管理室親機5からの信号を中継する中継器としての機能、及び機器10(ロビーインターホン2、インターホン親機3、管理室親機5)間の通信を制御する通信制御機能を有している。制御装置6は、受信した信号に含まれているアドレスが示す機器10(ロビーインターホン2、インターホン親機3、管理室親機5)へ信号を送信(中継)するように構成されている。なお、通信線81,82,83,84を区別しない場合、通信線8という。
ロビーインターホン2は、制御部21、記憶部22、有線通信部23、撮像部24、表示部25、操作部26、及び通話部27を備えている。
制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備えており、CPUが記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより所望の機能を実現する。制御部21は、有線通信部23、撮像部24、表示部25、操作部26、及び通話部27を制御するように構成されている。
有線通信部23は、有線通信を行う通信モジュールである。有線通信部23は、通信線81を介して制御装置6に接続されている。
撮像部24は、例えばカメラであり、来訪者の姿を撮像するように設けられている。
表示部25は、例えば液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
操作部26は、ポインティングデバイスであり、操作を受け付けるように構成されている。本実施形態では、操作部26は、表示部25と共にタッチパネルを構成している。
通話部27は、マイクロホンとスピーカとを備えている。マイクロホンは、音声を集音し、集音した音声を音声信号に変換するように構成されている。スピーカは、音声信号を音声に変換して出力するように構成されている。
来訪者が操作部26を用いて訪問先の住戸92の部屋番号を入力すると、制御部21は、指定された部屋番号の住戸92に設置されているインターホン親機3宛ての呼出信号を、有線通信部23から制御装置6に送信させる。また、制御部21は、撮像部24で撮像された来訪者の映像を表示部25に表示させると共に、映像信号を有線通信部23から制御装置6に送信させる。また、制御部21は、通話部27のマイクロホンが生成した音声信号を、有線通信部23から制御装置6に送信させ、有線通信部23が受信した音声信号をスピーカに出力してスピーカから音声を出力させる。
インターホン親機3は、制御部31、記憶部32、有線通信部33、表示部34、操作部35、及び通話部36を備えている。
制御部31は、例えばCPUを備えており、CPUが記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより所望の機能を実現する。制御部31は、有線通信部33、表示部34、操作部35、及び通話部36を制御するように構成されている。
有線通信部33は、有線通信を行う通信モジュールである。有線通信部23は、通信線82を介して制御装置6に接続される第1通信モジュールと、通信線83を介してインターホン子機4に接続される第2通信モジュールとを備えている。
表示部34は、例えば液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
操作部35は、ポインティングデバイスであり、操作を受け付けるように構成されている。本実施形態では、操作部35は、表示部34と共にタッチパネルを構成している。
通話部36は、マイクロホンとスピーカとを備えている。マイクロホンは、音声を集音し、集音した音声を音声信号に変換するように構成されている。スピーカは、音声信号を音声に変換して出力するように構成されている。
制御部31は、有線通信部33が呼出信号を受信すると、スピーカから呼出し音を発生させる。また、制御部31は、有線通信部33が受信した映像信号を表示部34に出力し、表示部34にロビーインターホン2の撮像部24(又はインターホン子機4の撮像部44)の撮像データを表示させる。制御部31は、操作部35応答操作を受け付けると、通話部36のマイクロホンが生成した音声信号を、有線通信部33から制御装置6(又はインターホン子機4)に出力させる。また、制御部31は、有線通信部33が受信した音声信号をスピーカに出力してスピーカから音声を出力させる。
インターホン子機4は、制御部41、記憶部42、有線通信部43、撮像部44、操作部45、及び通話部46を備えている。
制御部41は、例えばCPUを備えており、CPUが記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより所望の機能を実現する。制御部41は、有線通信部43、撮像部44、操作部45、及び通話部46を制御するように構成されている。
有線通信部43は、有線通信を行う通信モジュールである。有線通信部43は、通信線83を介してインターホン親機3の有線通信部33に接続されている。
撮像部44は、例えばカメラであり、来訪者を撮像するように設けられている。
通話部46は、マイクロホンとスピーカとを備えている。マイクロホンは、音声を集音し、集音した音声を音声信号に変換するように構成されている。制御部41は、マイクロホンが生成した音声信号を、有線通信部43からインターホン親機3の有線通信部33に送信させる。スピーカは、音声信号を音声に変換して出力するように構成されている。制御部41は、有線通信部43が受信した音声信号をスピーカに出力して、スピーカから音声を出力させる。
操作部45は、例えば押ボタンスイッチ等の入力デバイスを備えており、操作を受け付けるように構成されている。
制御部41は、操作部45が呼出操作を受け付けると、有線通信部43から呼出信号をインターホン親機3の有線通信部33に送信させる。また、制御部41は、撮像部44が撮像した映像の信号(映像信号)を、有線通信部43からインターホン親機3の有線通信部33に送信させる。また、制御部41は、通話部46のマイクロホンが生成した音声信号を、有線通信部43からインターホン親機3に送信させ、有線通信部43が受信した音声信号をスピーカに出力してスピーカから音声を出力させる。
管理室親機5は、制御部51、記憶部52、有線通信部53、表示部54、操作部55、及び通話部56を備えている。
制御部51は、例えばCPUを備えており、CPUが記憶部52に記憶されたプログラムを実行することにより所望の機能を実現する。制御部51は、有線通信部53、表示部54、操作部55、及び通話部56を制御するように構成されている。
有線通信部53は、有線通信を行う通信モジュールである。有線通信部53は、通信線84を介して制御装置6に接続されている。
表示部54は、例えば液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
操作部55は、ポインティングデバイスであり、操作を受け付けるように構成されている。本実施形態では、操作部55は、表示部54と共にタッチパネルを構成している。
通話部56は、マイクロホンとスピーカとを備えている。マイクロホンは、音声を集音し、集音した音声を音声信号に変換するように構成されている。スピーカは、音声信号を音声に変換して出力するように構成されている。
管理者が操作部55を操作して住戸92の部屋番号を入力すると、制御部51は、指定された部屋番号の住戸92に設置されているインターホン親機3に対する呼出信号を、有線通信部53から制御装置6に送信させる。また、制御部51は、有線通信部53が呼出信号を受信すると、スピーカから呼出し音を発生させる。制御部51は、操作部55が応答操作を受け付けると、通話部56のマイクロホンが生成した音声信号を、有線通信部53から制御装置6に出力させ、有線通信部53が受信した音声信号をスピーカに出力してスピーカから音声を出力させる。
制御装置6は、制御部61、記憶部62、有線通信部63、及び操作部64を備えている。
制御部61は、例えばCPUを備えており、CPUが記憶部62に記憶されたプログラムを実行することにより所望の機能を実現する。制御部61は、有線通信部63、及び操作部64を制御するように構成されている。
有線通信部63は、有線通信を行う通信モジュールである。有線通信部63は、通信線81を介してロビーインターホン2に接続される第1通信モジュールと、通信線82を介してインターホン親機3に接続される第2通信モジュールと、通信線84を介して管理室親機5に接続される第3通信モジュールとを備えている。
操作部64は、例えば押ボタンスイッチ等の入力デバイスを備えており、操作を受け付けるように構成されている。
制御部61は、有線通信部63が受信した信号(呼出信号、音声信号、映像信号)を、送信先の機器10(ロビーインターホン2、インターホン親機3、管理室親機5)に向けて有線通信部63から送信させる。つまり、制御部61は、ロビーインターホン2とインターホン親機3との間、ロビーインターホン2と管理室親機5との間、インターホン親機3と管理室親機5との間、インターホン親機3とインターホン親機3との間のそれぞれの通信を制御する。
また、制御装置6は、無線通信部65、及び検査部66を更に備えている。
無線通信部65は、携帯端末7との間で、電波を媒体とする無線通信を行う通信モジュールである。無線通信部65は、例えば特定小電力無線、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等に準拠した無線通信を行う。
携帯端末7は、可搬型の端末であり、制御部71、記憶部72、無線通信部73、表示部74、及び操作部75を備えている。携帯端末7は、通信検査専用の端末であってもよいし、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンなどの汎用の端末であってもよい。
制御部71は、例えばCPUを備えており、CPUが記憶部72に記憶されたプログラムを実行することにより所望の機能を実現する。制御部71は、無線通信部73、表示部74、及び操作部75を制御するように構成されている。無線通信部73は、制御装置6の無線通信部65との間で、電波を媒体とする無線通信を行う通信モジュールである。表示部74は、例えば液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。操作部75は、ポインティングデバイスであり、操作を受け付けるように構成されている。本実施形態では、操作部75は、表示部74と共にタッチパネルを構成している。
また、無線通信部65は、ロビーインターホン2、インターホン親機3、インターホン子機4、管理室親機5のうちいずれかの機器10から送信された起動信号を有線通信部63が受信したことをトリガとして、起動するように構成されている。本実施形態では、ロビーインターホン2において、制御部21は、操作部26が特定の起動操作を受け付けると、有線通信部23から制御装置6の有線通信部63に向けて起動信号を送信させる。制御装置6において、制御部61は、有線通信部63が起動信号を受信すると、無線通信部65を起動させ無線通信が可能な状態にする。
また、無線通信部65は、ロビーインターホン2、インターホン親機3、インターホン子機4、管理室親機5のうちいずれかの機器10から送信された停止信号を有線通信部63が受信したことをトリガとして、停止するように構成されている。本実施形態では、ロビーインターホン2において、制御部21は、操作部26が特定の停止操作を受け付けると、有線通信部23から制御装置6の有線通信部63に向けて停止信号を送信させる。制御装置6において、制御部61は、有線通信部63が停止信号を受信すると、無線通信部65を停止させ無線通信が不可な状態にする。なお、無線通信部65は、起動してから所定時間後(例えば1時間後)に停止するように構成されていてもよい。
検査部66は、複数の機器10間における通信状態の検査である通信検査を行うように構成されている。具体的には、検査部66は、通信検査において、有線通信部63からロビーインターホン2、複数のインターホン親機3、管理室親機5のそれぞれに向けて通信線8を介して試験信号を送信させる。ロビーインターホン2、複数のインターホン親機3、管理室親機5のそれぞれは、試験信号を受信すると応答信号を制御装置6に送信する。検査部66は、有線通信部63が受信した応答信号を評価し、評価結果に基づいて、ロビーインターホン2、複数のインターホン親機3、管理室親機5のそれぞれと、制御装置6との間の通信状態を検査する。また、検査部66は、通信検査において、インターホン親機3からインターホン子機4に向けて試験信号を送信させる。そして、検査部66は、インターホン親機3が受信したインターホン子機4からの応答信号を評価し、評価結果に基づいてインターホン親機3とインターホン子機4との間の通信状態を検査する。
通信検査には、通信品質を検査する品質検査、通信線8の接続状態を検査する接続検査等の検査項目が含まれている。品質検査の検査項目では、例えば、通信速度、S/N比(Signal-Noise Ratio)、エラー率、受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)等を評価する。接続検査の検査項目では、例えば、通信線8の断線及び短絡、通信線8の接続先の正否、通信線8に接続される終端器の有無等を評価する。なお、通信検査には、上記以外の検査項目が含まれていてもよい。
また、検査部66は、携帯端末7から送信された稼働信号を無線通信部65が受信したことをトリガとして稼働し通信検査を行うように構成されている。具体的には、携帯端末7において、制御部71は、操作部75が特定の稼働操作を受け付けると、無線通信部73から制御装置6の無線通信部65に向けて稼働信号を送信させる。制御装置6において、制御部61は、無線通信部65が稼働信号を受信すると、検査部66を稼働させる。検査部66が稼働することによって、制御装置6の動作モードが検査モードとなる。なお、制御装置6の動作モードが通常モードである場合、機器10(ロビーインターホン2、インターホン親機3、管理室親機5)間の通信を制御する。
また、検査部66は、稼働状態であるときに、無線通信部65が携帯端末7から送信された指示信号を受信すると、指示信号が指示する検査項目の検査を実行するように構成されている。具体的には、携帯端末7において、制御部71は、通信検査の検査項目、検査対象とする機器10の識別情報等を表示させ、これらを選択する選択操作を操作部75が受け付けると、選択内容に基づいた指示信号を無線通信部73から送信させる。制御装置6において、検査部66は、無線通信部65が受信した指示信号が示す検査項目を実行し、検査対象とする機器10との間における通信状態を検査する。なお、選択操作において、通信検査の検査項目は、検査項目が個別に選択されてもよいし、全ての検索項目が選択されてもよい。また、選択操作において、検査対象する機器10は、機器10が個別に選択されてもよいし、全ての機器10が選択されてもよい。
また、検査部66は、通信検査の検査結果を記憶部62に記憶する。さらに、検査部66は、通信検査が完了すると、検査結果(評価結果)のデータを無線通信部65から携帯端末7に送信させる。携帯端末7において、制御部71は、無線通信部73が受信した検査結果のデータを表示部74に表示させる。
<動作例>
以下に、本実施形態のインターホンシステム1の動作例について説明する。ここでは、集合住宅に複数の機器10を設置した後において、作業者が施工確認として通信検査を実施する際の動作の一例について説明する。
作業者は、ロビーインターホン2の操作部26に対して起動操作を行う。ロビーインターホン2は、操作部26が起動操作を受け付けることにより、制御装置6に向けて起動信号を送信する。制御装置6の無線通信部65は、有線通信部63が起動信号を受信することにより起動し、無線通信が可能な状態となる。
作業者は、携帯端末7の操作部75に対して稼働操作を行う。携帯端末7は、操作部75が稼働操作を受け付けることにより、制御装置6に向けて稼働信号を送信する。制御装置6は、無線通信部65が稼働信号を受信することにより検査部66が稼働し、検査モードとなる。
作業者は、携帯端末7の操作部75に対して選択操作を行う。携帯端末7は、操作部75が選択操作を受け付けることにより、制御装置6に向けて指示信号を送信する。制御装置6は、無線通信部65が指示信号を受信することにより、検査部66が、指示信号が示す通信検査の検査項目を実行する。制御装置6は、検査部66が通信検査を完了すると、携帯端末7に向けて検査結果のデータを送信する。携帯端末7は、無線通信部73が受信した検査結果のデータを表示部74に表示させる。これにより、作業者は、携帯端末7の表示部74で通信検査の検査結果を確認することができる。
<変形例>
以下に、本実施形態のインターホンシステム1の変形例について説明する。
上述した例では、制御装置6が無線通信部65を備えているが、この構成に限らない。図2に示すように、ロビーインターホン2、複数のインターホン親機3、複数のインターホン子機4、管理室親機5が、それぞれ、携帯端末7との間で無線通信が可能な無線通信部28,37,47,57を更に備えていてもよい。検査部66は、無線通信部28,37,47,57,65のうちいずれか1つが携帯端末7からの稼働信号を受信すると、稼働するように構成されている。
例えば、ロビーインターホン2において、無線通信部28が携帯端末7からの稼働信号を受信すると、制御部21は、稼働信号を中継した中継稼働信号を、有線通信部23から制御装置6の有線通信部63に向けて送信させる。制御装置6において、制御部61は、有線通信部63が中継稼働信号を受信すると、検査部66を稼働させる。つまり、制御部61は、無線通信部65が稼働信号を受信した場合、又は、有線通信部63が中継稼働信号を受信した場合、検査部66を稼働させる。
また、ロビーインターホン2において、無線通信部28が携帯端末7からの指示信号を受信すると、制御部21は、指示信号を中継した中継指示信号を有線通信部23から制御装置6の有線通信部63に向けて送信させる。中継指示信号には、指示信号が示す検査項目の情報が含まれている。制御装置6において、検査部66は、有線通信部63が受信した中継指示信号が示す通信検査の検査項目を実行する。また、検査部66は、通信検査の検査結果のデータを、有線通信部63からロビーインターホン2に向けて送信させる。ロビーインターホン2の制御部21は、有線通信部23が受信した通信検査の検査結果のデータを、無線通信部28から携帯端末7に送信させる。
なお、無線通信部28を介して稼働信号、指示信号が中継される場合を示したが、無線通信部37,47,57についても無線通信部28と同様に、無線通信部37,47,57を介して稼働信号、指示信号が中継される。
つまり、検査部66は、インターホンシステム1が備える複数の機器10それぞれに設けられた無線通信部28,37,47,57,65のうちいずれか1つが携帯端末7からの稼働信号を受信すると稼働する。なお、インターホンシステム1が備える複数の機器10の全てが携帯端末7との間で無線通信が可能な無線通信部(28,37,47,57,65)を有する必要はない。インターホンシステム1が備える複数の機器10のうち少なくとも1つの機器10が無線通信部を有していればよい。
また、上述した例では、ロビーインターホン2が起動信号を送信するように構成されているが、これに限らない。インターホン親機3、インターホン子機4、管理室親機5、制御装置6のそれぞれが有する操作部35,45,55,64が起動操作を受け付けるように構成されていてもよい。操作部35,45,55,64のいずれかが起動操作を受け付けることによって、無線通信部(28,37,47,57,65)を有する機器10に向けて起動信号を送信する。
例えば、インターホン子機4は、操作部45が特定の起動操作を受け付けると、インターホン親機3へ起動信号を送信する。インターホン親機3の無線通信部37は、有線通信部33がインターホン子機4からの起動信号を受信したことをトリガとして起動する。なお、インターホン子機4の操作部45は、呼出操作を受け付ける第1押ボタンスイッチとは別に、起動操作を受け付ける第2押ボタンスイッチを備えていることが好ましい。第2押ボタンスイッチは、来訪者等が誤って操作しないように、隠れた位置に設けられていることが好ましい。
また、インターホン親機3、インターホン子機4、管理室親機5、制御装置6のそれぞれが有する操作部35,45,55,64が停止操作を受け付けるように構成されていてもよい。操作部35,45,55,64のいずれかが停止操作を受け付けることによって、無線通信部(28,37,47,57,65)を有する機器10に向けて停止信号を送信する。
また、上述した例では、制御装置6が検査部66を有しているが、他の機器10が、通信検査を行う検査部66を有していてもよい。
また、上述した例では、携帯端末7は、稼働信号と指示信号とを別々に送信しているが、稼働信号と指示信号とをまとめた1つの信号を送信するように構成されていてもよい。
また、携帯端末7は、ロビーインターホン2、インターホン親機3、インターホン子機4、管理室親機5、制御装置6それぞれの記憶部22,32,42,52,62に記憶されたプログラムの更新データを含む無線信号を送信するように構成されていてもよい。記憶部22,32,42,52,62それぞれに記憶されているプログラムは、更新データに基づいてアップデートされる。
例えば、制御装置6の無線通信部65が、記憶部62に記憶されているプログラムの更新データを含む無線信号を受信した場合、制御部61は、更新データに基づいて記憶部62に記憶されているプログラムをアップデートする。また、制御装置6の無線通信部65が、ロビーインターホン2の記憶部22に記憶されているプログラムの更新データを含む無線信号を受信した場合、制御部61は、更新データを含む信号を有線通信部63からロビーインターホン2に向けて送信させる。ロビーインターホン2の制御部21は、制御装置6から送信された信号に含まれる更新データに基づいて記憶部22に記憶されているプログラムをアップデートする。
また、上述した例では、インターホンシステム1が備える機器10の例として、ロビーインターホン2、インターホン親機3、インターホン子機4、管理室親機5、及び制御装置6を挙げたが、これらの機器10に限らない。インターホンシステム1は、例えば集合住宅の共用エリアに設けられる電子掲示物(デジタルサイネージ、液晶モニタ)等を機器10として備えていてもよい。また、管理室93がない集合住宅である場合、管理室親機5が省略されていてもよい。
<まとめ>
第1態様に係るインターホンシステム1は、集合住宅に設置される複数の機器10を備えるインターホンシステム1である。複数の機器10は、ロビーインターホン2と、インターホン親機3と、制御装置6とを含む。ロビーインターホン2は、集合住宅のロビー91に設置される。インターホン親機3は、集合住宅の住戸92内に設置される。制御装置6は、ロビーインターホン2とインターホン親機3との間の通信を制御する。複数の機器10のうち1つの機器10は、複数の機器10間の通信状態の検査である通信検査を行う検査部66を有する。複数の機器10の少なくとも1つの機器10は、携帯端末7と無線通信が可能な無線通信部(28,37,47,57,65)を有する。検査部66は、携帯端末7から送信された稼働信号を無線通信部(28,37,47,57,65)が受信すると、稼働するように構成されている。
上記構成により、無線通信によって検査部66を稼働させることができる。つまり、検査部66を有する機器10から離れた位置で検査部66を稼働させることができる。したがって、検査部66を有する機器10が設置された空間に、作業者が立ち入ることなく通信検査を行うことが可能となる。作業者は、機器10が設置された空間への立ち入り許可を得るのを待つ必要がないので、作業効率の向上を図ることが可能となる。また、作業者は、椅子、机等がある場所で、携帯端末7を操作して通信検査を実施することができるので、作業者が立ち作業をする必要がなく作業効率の向上を図ることが可能となる。
第2態様に係るインターホンシステム1は、第1態様において、検査部66は、携帯端末7から送信された指示信号を無線通信部65が受信すると、指示信号が指示する検査項目の検査を実行することが好ましい。
上記構成により、作業者が携帯端末7を用いて、任意の検査項目の検査を行わせることができ、作業効率の向上を図ることが可能となる。
第3態様に係るインターホンシステム1は、第1又は第2態様において、制御装置6は、検査部66を有することが好ましい。
上記構成により、制御装置6が管理室93に設置されている場合、作業者が管理室93に立ち入ることなく通信検査を行うことが可能となる。作業者が管理室93に立ち入れない理由として、例えば集合住宅の施工時において管理室93が工事中である、深夜での作業により管理室93が開いていない等がある。また、集合住宅の改装中、改修中であって管理人が管理室93で管理業務を行っている、管理室93が狭く作業者が作業スペースの確保が困難である等の理由によって、作業者が管理室93に立ち入ることが好ましくない場合もある。このような場合でも、作業者が管理室93に立ち入ることなく通信検査を実施することが可能となるので、作業効率の向上を図ることが可能となる。例えば、作業者は、管理室93の工事が完了することなく通信検査を実施することが可能となる。
第4態様に係るインターホンシステム1は、第1〜第3態様のいずれかにおいて、無線通信部(28,37,47,57,65)は、複数の機器10のうち当該無線通信部(28,37,47,57,65)を有する第1機器とは別の第2機器から、第1機器に送信された起動信号によって起動するように構成されていることが好ましい。
上記構成により、複数の機器10が無線通信部(28,37,47,57,65)を備えている場合であっても、作業者は、携帯端末7とペアリングする機器10を選択することが可能となる。これにより、携帯端末7との間の無線通信において通信環境が良好な機器10が有する無線通信部(28,37,47,57,65)を起動させることができ、無線通信の通信不良を抑制することが可能となる。また、無線通信が不要である場合、無線通信部(28,37,47,57,65)が停止状態となるので、消費電力の低減を図ることが可能となる。
第5態様に係るインターホンシステム1は、第1〜第4態様のいずれかにおいて、検査部66は、無線通信部65を介して携帯端末7に検査結果を出力することが好ましい。
上記構成により、作業者は、携帯端末7を用いて通信検査の検査結果を確認することが可能となる。
第6態様に係るインターホンシステム1は、第1〜第5態様のいずれかにおいて、前記無線通信部(28,37,47,57,65)は、複数の機器10のうち少なくとも1つの機器10が有する記憶部(22,32,42,52,62)に記憶されているプログラムの更新データを含む無線信号を受信可能に構成されていることが好ましい。
上記構成により、インターホンシステム1が備える複数の機器10のアップデートを容易に行うことが可能となる。
第7態様に係る携帯端末7は、第1〜第6態様のいずれかのインターホンシステム1の無線通信部65と無線通信が可能であり、稼働信号を無線通信部65に送信する。
上記構成により、無線通信によって検査部66を稼働させることができる。つまり、検査部66を有する機器10から離れた位置で検査部66を稼働させることができる。したがって、検査部66を有する機器10が設置された空間に、作業者が立ち入ることなく通信検査を実施することが可能となり、作業効率の向上を図ることが可能となる。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。