JP2018026347A - 燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物および燃料電池セル - Google Patents

燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物および燃料電池セル Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池内に積層した場合の厚みを薄くして、膜電極接合体とセパレータとで挟み込んで積層した時の密着性を高めて電気抵抗を下げることのできる燃料電池ガス拡散層用の炭素繊維織物であり、同時に、燃料電池内で優れたガス拡散性を有し、効率よく発電できる燃料電池ガス拡散層用の炭素繊維織物を提供する。【解決手段】経糸2および緯糸3が交織されて形成された燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物1であって、経糸2または緯糸3の一方の糸が実質的に無撚糸とする。また、燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物1の片面において、無撚糸である経糸2または緯糸3と交織されている他方の糸(緯糸3または経糸2)の上になる無撚糸の本数が他方の糸の下になる無撚糸の本数より多い燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物1とする。【選択図】図1

Description

本発明は、車両、船舶、航空機等の交通機関に搭載される燃料電池ガス拡散層(シート)用の炭素繊維織物および、その炭素繊維織物を組み込んだ燃料電池セルに関する。
従来、環境問題の関心の高さから新たなエネルギー源として燃料電池による発電が注目されており、その中でも家庭用や車両用として主流である固体高分子形燃料電池(以下、「燃料電池」とする)は、高分子膜の両面に電極触媒層が接合された膜電極接合体と、燃料ガス、酸化剤ガスを電極反応域に導くガス拡散層(ガス拡散シート)と、ガス導入・排出溝を持つセパレータやシール材等からなる単位ユニット(以下、「燃料電池セル」とする)が繰り返し積層されており、概略A4版サイズの面積で数百枚の燃料電池セルを積層して組み上げ、これらを両側から板で締め上げる構造である。
中でも、燃料電池セルに組み込まれるガス拡散層は、低コストでの大量生産に向けて大いに期待されている炭素繊維が主な原料である。ここで、ガス拡散層とは一般的に1mm以下の薄いシート状に形成された部材である。
このガス拡散層は、燃料電池セル外部からの水素を含む燃料ガス或いは酸素を含む酸化剤ガスの2つの反応ガスを膜電極接合体の電極触媒層に円滑に供給できる機能を有することが第一である。この他に、ガス拡散層の基本的な機能として、
1)電気エネルギーを効率的に取り出すために十分に低い電気抵抗を有すること、
2)大電流を取り出すための十分なガス透過性および電池で生成する生成水を目詰まり(クロッギング)させることなく排出させる良好な拡散性を有し、大電流を発電可能とすること、
3)積層部材の厚みムラを吸収できるクッション性(弾力性)を有すること、
などが必要となる。
そのようなガス拡散層は大部分が紙構造であるため、厚みムラを吸収するクッション性も低く、何よりもエネルギーを消費する工程が多いので、製造コストがかかるという問題があった。したがって、燃料電池システムを普及させるには低い電気抵抗、十分なガス拡散性、適度なクッション性、十分な耐腐食性をもち、省エネ工程かつ低コストであることが決定的に重要であった。
そこで、特許文献1では経糸または緯糸において、炭素繊維糸Aと、炭素繊維糸Aよりも細い炭素繊維糸Bとをそれぞれ複数本を交互に配列することによって、炭素繊維糸Aにより織物の表面に帯状に突出した凸条部が形成されてなり、炭素繊維糸Bにより溝状に陥没した凹条部が形成され、炭素繊維糸Aの太さ、炭素繊維糸Bの太さ、糸の太さ比(Aの太さ)/(Bの太さ)、凸条部の幅Wr、凹条部の幅Wd、並びに厚さ方向の電気抵抗値が所定範囲としていることが説明されている。
また、特許文献2ではアノード側電極を構成する第1ガス拡散層およびカソード側電極を構成する第2ガス拡散層は、第1および第2セパレータに設けられている第1および第2流路に対向して第1および第2ガス流路を設けることが説明されている。
特開2012−12719号公報 特開2000−113899号公報
草刈俊明、外3名「1Dセルを用いた燃料電池のガス拡散層のガス拡散抵抗解析」、学術講演会前刷集(秋季)、公益社団法人自動車技術会、No.111−13、p.1−3、2013年10月発行
しかし、特許文献1に開示されている炭素繊維織物を燃料電池の単セル用の電極として組み込む際、炭素繊維織物の表面と膜電極接合体の平面との間は太い繊維部分との接触はまだしも、細い繊維部分は太い繊維部分と比べそれらの繊維径の差の半分の値で離れている。
そのため、その部分での接触が相対的に弱く、細い繊維部分の導通が少なく膜電極接合体の触媒部分の発電効率が低下する。同文献の実施例で開示された発電性能も0.6mA/cmの条件で0.65Vしか出力されておらず、決して良好とはいえない。これでは大電力を必要とする移動車両用の燃料電池用途には多量の単セルが必要になる。
また、特許文献2に開示されている燃料電池に組み込まれたガス拡散層では、ガス拡散層に用いられる素材(カーボンペーパ或いはポーラス状カーボン)に微細な溝を切り込むという精密加工が必要である。そのため、部材としてのガス拡散層とするのには歩留まり等の問題を含め、製造コストが高くなる。これでは組み込まれる部材の数が大きい移動車両用の燃料電池の実現にむけた低コストでの部材供給の実現は困難となる。
そこで、本発明においては燃料電池内に積層した場合の厚みを小さく(薄く)し、膜電極接合体とセパレータとで挟み込んで積層した時の密着性を高めて電気抵抗を下げることのできるガス拡散層用の炭素繊維織物を提供することを課題とする。
同時に、ガス拡散層として燃料電池内にて優れたガス拡散性を有し、大電流を発電できる低コストの燃料電池ガス拡散層用の炭素繊維織物を提供することを課題とする。
前述した課題を解決するために、本発明者は炭素繊維織物に注目して鋭意研究を重ねた結果、それを応用したガス拡散層により燃料電池を構成した場合に、従来に無い優れた性能を発揮する特殊な織り方の炭素繊維織物の存在を知見するに至った。
すなわち、燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の発明については、経糸および緯糸が交織されて形成された燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物において、経糸または緯糸の一方の糸が実質的に無撚糸とする。また、その燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の片面においては、無撚糸と交織されている他方の糸の上になる無撚糸の本数が無撚糸と交織されている他方の糸の下になる無撚糸の本数より多い燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物とした。
また、経糸および緯糸のいずれもが実質的な無撚糸であっても構わない。すなわち、経糸および緯糸が交織されて形成された燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物において、経糸および緯糸が共に実質的に無撚糸であり、燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の片面において、経糸または緯糸のいずれか一方の糸は、交織されている他方の糸の上になる本数がその他方の糸の下になる本数よりも多い燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物とすることもできる。
さらに、前述した燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の片面とは反対側の面に凹条部を形成した燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物でもよい。また、凹条部が形成された反対側の面の剛性を、もう一方の片面側の剛性より高くした燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物でもよい。
前述の燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物を利用した燃料電池セルの発明については、燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物から成り凹条部を有するガス拡散層と、複数の溝部を有するセパレータと、を備える燃料電池セルであって、ガス拡散層の凹条部を有する面と、セパレータの溝部を有する面とが互いに接触し、かつガス拡散層の凹条部とセパレータの溝部との成す角度θを10°以上35°以下の範囲とする燃料電池セルとした。
また、燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物から成り凹条部を有するガス拡散層と、平面を有するセパレータと、を備える燃料電池セルであって、ガス拡散層の凹条部を有する面と、セパレータの平面とが互いに接触している燃料電池セルであっても構わない。
なお、本願発明にて「実質的に無撚糸」とは、織物工程で糸切れが多発するような甘撚紡績糸、さらに糸にならないほど撚数の少ない紡績糸、もしくは撚りのほとんど無い長繊維を言うものとする。
本発明では、経糸および緯糸が交織されて形成された燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物であって、経糸または緯糸の少なくとも一方の糸が実質的に無撚糸として、燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の片面において、無撚糸と交織されている他方の糸の上になる無撚糸の本数が無撚糸と交織されている他方の糸の下になる無撚糸の本数より多い燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物とした。
無撚糸と交織されている他方の糸の上になる無撚糸の本数が無撚糸と交織されている他方の糸の下になる無撚糸の本数より多い面側に膜電極接合体(MEA)の触媒層を接触させることで、織物と膜電極接合体の触媒層との密着性が向上する。膜電極接合体の触媒層ではイオン交換が行われるため、イオン交換と電子の授受が効率良く行われる。
その結果、電気エネルギーを効率的に取り出すために十分に低い電気抵抗が実現できる。同時に、織物の表面の無撚糸が膜電極接合体の触媒層と接触することでより無撚糸と交織されている他方の糸の上になる無撚糸の本数が無撚糸と交織されている他方の糸の下になる無撚糸の本数より多い面が扁平化して、ガス拡散層としての作用を維持しながら厚みを減少させることもできる。さらに、織物構造であるため厚み方向の寸法ばらつきを吸収する柔軟性がカーボンペーパに比べて向上する。
また、燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の片面(無撚糸と交織されている他方の糸の上になる無撚糸の本数が無撚糸と交織されている他方の糸の下になる無撚糸の本数より多い面)とは反対側の面において凹条部を形成すると、この凹条部が形成された面と、溝を有するセパレータの溝面とを接触させることで、より広範囲なガス流路が形成される。
その結果、このガス流路を通して、酸化剤ガスを供給・拡散させ、同時に膜電極接合体の触媒層にて生成する水蒸気をガス拡散層内で目詰まりさせることなく速やかに吸い出し、系外に排出できるため、大電流を取り出すことができる。つまり、燃料電池を使用する際の大電流領域では燃料電池セル内が過加湿状態になり、良好なガス拡散抵抗が得られる。
さらに、その反対面(無撚糸と交織されている他方の糸の上になる無撚糸の本数が無撚糸と交織されている他方の糸の下になる無撚糸の本数より多い面)の剛性よりも高くする。
これにより、ガス拡散層の凹条部を形成する面側に溝を有するセパレータの溝面を接触させた場合に、セパレータの溝内にガス拡散層が入り込むことが軽減される。その結果、ガスの流路が確保されて、酸化剤ガスを供給する或いは生成水等を排水する能力を損なうことがなく、高い発電能力が維持される。
また、ガス拡散層の凹条部の面とセパレータの平面とを互いに接触させた燃料電池セルとすることで、厚みの薄い燃料電池の単セルを実現可能とし、発電能力が高く、かつ数百枚の単セルを組み合わせた大電力取り出し可能な燃料電池スタックを薄型で軽量かつ低コストで実現できる。
本発明の一実施形態である炭素繊維織物1の織形態を示す模式(斜視)図である。 経糸が実質的に無撚糸である場合の本発明の一実施形態を示す炭素繊維織物11の織組織図(綾織の場合)である。 経糸が実質的に無撚糸である場合の本発明の一実施形態を示す炭素繊維織物21の織組織図(朱子織の場合)である。 経糸が実質的に無撚糸である場合の本発明の一実施形態を示す炭素繊維織物31の織組織図(たてうね織の場合)である。 図4に示す炭素繊維織物31のA−A線模式断面図である。 炭素繊維織物の片面側の剛性を測定する方法を示す模式図である。 炭素繊維織物の剛性の測定方法において当該織物の片面側への加圧後の状態を示す模式図である。 本発明の燃料電池セル10の構成を示す模式図である。 図8に示す溝付きセパレータ5のB矢視図である。 図8に示す炭素繊維織物41のA矢視図である。 炭素繊維織物41の凹条部4と溝付きセパレータ5の溝7とが交差する角度(交差角)θを説明する模式図である。 実施例2の通水試験に用いた試験装置の模式平面図である。 図12に示す通水試験に用いた試験装置のX−X断面図である。
本発明である燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の実施形態の一例について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物1(以下、「炭素繊維織物1」とする)の織形態を示す模式(斜視)図である。この炭素繊維織物1は、図1に示すように複数の経糸2(2A〜2J)および緯糸3(3a〜3j)が綾織によって交織された場合のものである。
図1に示す炭素繊維織物1は、経糸2が実質的に無撚糸であり、緯糸3が撚りのある糸である場合を示している。撚りのある緯糸3は図1に示すようにその断面が比較的円形に近い形状を呈している。これに対して、実質的に無撚糸である緯糸2はその断面が楕円形状である。
次に、炭素繊維織物1を構成する1本の経糸2Aと、それと交織している複数の緯糸3A〜3Jとの関係において、片面(図1の上面)側に着目して説明する。実質的に無撚糸である経糸2Aは、図1に示すようにまず経糸3aの上を飛び越えて、その後の2本の経糸3b、3cの下をくぐっている。次に、経糸2Aは3本の緯糸3d、3e、3fの上を飛び越した後、同様に2本の緯糸3gおよび3hの下をくぐっている。
つまり、本発明の炭素繊維織物1が図1に示す交織形態である場合、無撚糸(経糸2)はもう一方の糸(緯糸3)に対して、3本の糸(緯糸)の上を飛び越えて(上になる)、その後2本の糸(緯糸)の下をくぐる(下になる)という規則性を保った状態で交織されている。
したがって、炭素繊維織物1の片面において、図1に示すように無撚糸である経糸2Aは、経糸2Aと交織されている他方の糸(緯糸3a〜3j)に対して、他方の糸(緯糸)の上になる無撚糸(経糸)の本数がその無撚糸(経糸)と交織されている他方の糸(緯糸)の下になる無撚糸(経糸)の本数より多くなっている。この規則性は、経糸2Bなど他の経糸2B〜2Jについても同様である。
なお、本願発明の炭素繊維織物1を形成している経糸2に着目した場合には緯糸3を飛び越している経糸2の本数、または炭素繊維織物1を形成している緯糸3に着目した場合には経糸2を飛び越している緯糸3の本数をそれぞれ「浮き(の)本数」と呼ぶこともできる。
次に、本願発明の炭素繊維織物1の別の実施形態を織形態ごとに説明する。図2は経糸12が実質的に無撚糸である場合の本発明の一実施形態を示す炭素繊維織物11の織組織図(綾織の場合)、図3は経糸22が実質的に無撚糸である場合の本発明の一実施形態を示す炭素繊維織物21の織組織図(朱子織の場合)、図4は経糸32が実質的に無撚糸である場合の本発明の一実施形態を示す炭素繊維織物31の織組織図(たてうね織の場合)をそれぞれ示す。
図2に示す織組織は、10本の経糸(12A〜12J)および10本の緯糸(13a〜13j)の計100本の糸を用いて綾織により交織された場合の炭素繊維織物11の織組織である。図2中の黒い部分は経糸12が緯糸13よりも上に織り込まれている(浮いている)箇所を示し、白い部分は緯糸13が経糸12よりも上に織りこまれている(浮いている)箇所を示す。図2に示す織組織(綾織)の場合、本発明の炭素繊維織物11は実質的に無撚りである経糸12が緯糸13に対して上に交織されている本数が60本となることから、緯糸13の下になる経糸12の本数(40本)よりも多いことになる。
図3に示す織組織は、図2の織組織と同様に10本の経糸(22A〜22J)および10本の緯糸(23a〜23j)の計100本の糸を用いて朱子織により交織された場合の炭素繊維織物21の織組織である。図3中の黒い部分は図2の場合と同様に経糸22が緯糸23よりも上に織り込まれている(浮いている)箇所を示し、白い部分は緯糸23が経糸22よりも上に織りこまれている(浮いている)箇所を示す。図3に示す織組織の場合、本発明の炭素繊維織物21は実質的に無撚りである経糸22が緯糸23に対して上に交織されている本数が80本となることから、緯糸23の下になる経糸22の本数(20本)よりも多いことになる。
図4に示す織組織は、16本の経糸(32A〜32P)および15本の緯糸(33a〜33o)の計240本の糸を用いて、たてうね織により交織された場合の炭素繊維織物31の織組織である。図4中の黒い部分は図2、3の場合と同様に経糸32が緯糸33よりも上に織り込まれている(浮いている)箇所を示し、白い部分は緯糸33が経糸32よりも上に織りこまれている(浮いている)箇所を示す。図4に示す織組織の場合、本発明の炭素繊維織物31は実質的に無撚りである経糸32が緯糸33に対して上に交織されている本数が168本となることから、緯糸33の下になる経糸32の本数(72本)よりも多いことになる。
以上より、燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物を形成する経糸または緯糸の一方が実質的に無撚糸である場合について説明したが、本発明の燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物は経糸および緯糸のいずれもが実質的な無撚糸であって構わない。すなわち、経糸および緯糸が交織されて形成された燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物において、経糸および緯糸が共に実質的に無撚糸であり、燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の片面において、経糸または緯糸のいずれか一方の糸が交織されている他方の糸の上になる無撚糸の本数がその無撚糸と交織されている他方の糸の下になる本数より多くすることもできる。
なお、本発明の燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の織り方は、前述の綾織や朱子織などの他に平二重織で溝パターンが縦溝、横溝、ジグザグ(階段状)溝、斜め溝等の空間的に連続した溝が形成される織物でもよい。
また、織り上がった織物の片面には前述の実質的に無撚りの糸束が表面に現れ、各糸束の断面が扁平になり膜電極接合体の触媒面との接触面積を増やすように広がり平滑に当てることができる形態が望ましい。
さらに、綾織では経緯比(経糸と緯糸との割合)が2:3もしくは3:4が望ましく、朱子織なら3、4、5本の朱子織が良い。また、平二重織においては、緯糸を例えばメートル番手表示で1/20Nmと1/100Nmのように太糸と細糸を交互に打ち込めば焼成収縮時に経糸の均等ピッチが図5のようにずれて経糸方向に溝を形成する織物(いわゆる縦畝織物)とすることもできる。
次に、炭素繊維織物に設けられる凹条部の構造について図5を用いて説明する。図5は、図4に示すたてうね織により交織された炭素繊維織物31のA−A切断線における模式断面図である。図5に示す炭素繊維織物31は図4の場合と同様に経糸32が無撚糸であるので、経糸32はA−A断面方向から見ると図5に示すように比較的に扁平形状を呈している。また、緯糸33も経糸32と同様には無撚りの糸であることから図1に示す炭素繊維織物1の場合と同様にその断面形状はほぼ楕円形状である。
そして、炭素繊維織物31は太さが数倍以上差のある緯糸が交互に打ち込まれており、太くて実質的に無撚の緯糸は一本の経糸の上になるが7本の経糸の下になる7/1の朱子織とし、また細くて実質的に無撚の緯糸は経糸と平織となる、いわゆる2重織とする。
その結果、炭素繊維織物31は図5に示す下面側が膜電極接合体の触媒部分側に当接するのに適当な平滑面を得る。次に、セパレータに当接する一方の面(図5の上面)について述べる。生機(きばた)では残っていた消失繊維は焼成収縮時には消失させてすき間ができており、収縮時に動かされやすい経糸が糸寄りして、等間隔で無くなる。
そのために経糸32Fと経糸32Hおよび経糸32Hと経糸32Jの経糸同士の間隔が他の間隔より広くなり、経糸方向に都合のよい凹条部4(二点鎖線で示す包絡線部分)が形成される炭素繊維織物31を得る。ここでさらに重要なことは、経糸(太糸)33g等が膜電極接合体の触媒部分側に多く存在するため、断面方向にスライスした時の単位厚み当たりの空隙率は膜電極接合体の触媒部分側よりセパレータ側のほうが大きく、膜電極接合体の触媒部分側で発生する水蒸気は結露せずにセパレータ側に排出させやすい形態となる。
次に、本発明の炭素繊維織物の剛性について説明する。まず、炭素繊維織物の片面もしくは両面側に硬化樹脂を塗布し、乾燥させることで、その樹脂が塗布された面側の剛性を当該樹脂を塗布する前に比べて高めることができる。
具体的には、例えば炭素繊維織物の片面もしくは両面側にレゾール型の熱硬化性樹脂を分散させた液を塗布して、乾燥させた後、不活性ガス雰囲気内にて平滑板で圧縮し、加熱・冷却することにより、ガスの供給および透過性、ガスの拡散性を維持しながら樹脂を硬化させる。この際、炭化処理時と同じ要領で加圧し、不活性ガス中で樹脂が低抵抗になる600℃〜1250℃の温度範囲で焼成する。
レゾール型の熱硬化性樹脂としては水フェノールが好ましく、蒸留水に導電性カーボンブラックやグラファイトを均一に分散させた水フェノールのインキもしくはペーストを利用することができる。また、塗布方法としてはグラビア印刷方式、ドクターブレード法およびスプレー噴霧方式でもよく、また口金幅が均一のダイによる直接塗布法でもよい。
いずれの方法でも樹脂を塗布する前の炭素繊維織物の重量に対して、分散液を塗布して加熱硬化させた後の炭素繊維の増加重量が5〜50%の範囲が望ましい。なお、炭素繊維織物の片面側に塗布する硬化樹脂としては、PVA(ポリビニルアルコール)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの硬化樹脂の中から必要な剛性に応じて適宜選択できる。
以上の方法により樹脂を塗布、硬化させた炭素繊維織物の剛性の測定方法について、図6および図7を用いて説明する。図6は炭素繊維織物の片面側の剛性を測定する方法を示す模式図、図7は炭素繊維織物の剛性の測定方法において織物の片面側への加圧後の状態を示す模式図である。
本願発明の炭素繊維織物の剛性を測定する方法については、図6に示すように平坦状ブロック上に炭素繊維織物を置いて、炭素繊維織物の上方よりコの字型の治具(溝付きブロック:溝幅w)を所定の圧力Pで加圧することにより行う。コの字型の治具で押圧された炭素繊維織物は、図7に示すように当該治具のコの字の空隙部分(溝部分)にいくらかの浮き上がりを見せる。この炭素繊維織物の浮き上がり量(溝内への侵入量)δを測定することで、炭素繊維織物の剛性の度合いを測定する。
次に、前述した炭素繊維織物41と溝付きセパレータ5から構成させる燃料電池セル10の発明に関する実施の形態について、図8〜図11を用いて説明する。図8は本発明の燃料電池セル10の構成を示す模式図、図9は図8に示す溝付きセパレータ5のB矢視図、図10は図8に示す炭素繊維織物41のA矢視図、図11は炭素繊維織物41の凹条部4と溝付きセパレータ5の溝7とが交差する角度(交差角)θを説明する模式図である。なお、図8において炭素繊維織物41と膜電極接合体8の間に存在する高分子膜や触媒層などの他の構成要素の図示は省略した。
本発明の燃料電池セル10は、図8に示すように前述した炭素繊維織物41と、炭素繊維織物41の凹条部4を有する面側と接触している溝付きセパレータ5と、炭素繊維織物41の凹条部4を有する面側とは反対側の面側で接触している膜電極接合体8と、から構成される。溝付きセパレータ5の溝7は、図9に示すように縦方向に複数条設けられている。これに対して、炭素繊維織物41の凹条部4は斜め方向に複数条設けられている。
そのため、炭素繊維織物41と溝付きセパレータ5とを燃料電池セル10としてこれらの部材を重ね合わせた際には、図11に示すように炭素繊維織物41の凹条部4は溝付きセパレータ5の溝7に対して、角度θを以って構成されている。言い換えると、凹条部4と溝7との成す角度(交差角)θを以って、炭素繊維織物41と溝付きセパレータ5とが接触していることで燃料電池セル10を構成している。この角度θは、燃料電池セル10の特性の一つであるガス拡散抵抗値を向上させる観点から、10°以上35°以下であることが望ましい。
本発明材および比較材の各GDLを用いて燃料電池セル(以下、「セル)という)を作製し、そのセルの発電性能を測定したので、その測定結果について説明する。本測定に使用したGDLは、2種類の本発明材(本発明材1および2)および2種類の比較材(比較材1および2)とした。本発明材1は、図1および図2に示す綾織(1本の経糸が3本の緯糸を乗り越えた後で2本の緯糸の下をくぐる織り方)のGDLであり、経糸のみが実質的に無撚りであるものとした。また、本発明材2は、発明材1と同様に図1および図2に示す綾織のGDLであり、経糸および緯糸が共に実質的に無撚りであるものとした。
これに対して、比較材1は本発明材1と同一の糸で同一ピッチの平織り(1本の経糸が1本の緯糸を乗り越えた後で1本の緯糸の下をくぐる織り方)のGDLであり、経糸のみが実質的に無撚りであるものとした。比較材2は本発明材2と同一の糸で同一ピッチの平織りのGDLであり、経糸および緯糸が共に実質的に無撚りであるものとした。本測定で用いた各GDL(本発明材および比較材)の特徴を表1に示す。
Figure 2018026347
次に、本測定において使用したセルの構造について説明する。本測定に使用したセルは、高分子膜(電解質膜:厚さ20μm)を中央に配置して、アノードおよびカソードの両側に触媒層(密度0.6mg/cm)を密着させた上でGDLを配置した後、各GDLに隣接する形態で最も外側にセパレータ(ストレート溝付)を取り付けた構造とした。
このセルに使用したGDLは、水素極(アノード側)にはSGL社のGDL(品番:SGL24BC)として、空気極(カソード側)には上述の本発明材または比較材(電極面積はいずれも1cm)の各GDLとした。なお、本測定のセルに組み込んだ各GDLの厚みは、100〜150μmの範囲に統一した。
上述のセルに対して、水素極には純水素、空気極には窒素で希釈した空気を毎分1Lの流量をそれぞれ圧送して、同時に水素極および空気極の両極ともにガス加湿温度55℃のガスを、発電部の温度が45℃のセルに供給して過加湿条件になるようにセルの運転条件を設定した。また、このセルにおける両極の平均背圧を0.15MPa(abs)とした。上述の条件でセルのIV(電流−電圧)特性を計測して、電圧が0.2Vの時の電流値を限界電流値として、数式1よりガス拡散抵抗値(GDR)を算出した。
なお、この数式1は先行文献(特開2010−027510号公報)の明細書中において開示されているものと同じ算出式とした。また、下式において、F:ファラデー定数、R:ガス定数、Pav:出入り口の平均絶対圧力をそれぞれ示す。
Figure 2018026347
上述の各セルに共通のならし運転を十分に行った後、0.2Vの限界電流値(Ilim:A/cm)を求めて、過加湿におけるガス拡散抵抗値(s/m)を算出した。その結果、本発明材1を用いたセルのガス拡散抵抗値(GDR)は64s/m、本発明材2を用いたセルのガス拡散抵抗値は68s/mであり、本発明材を用いたセルのガス拡散抵抗値はいずれも70s/mを下回る値であった。
なお、ここで「ならし運転」とは、発電パターン(VI条件やその時間)を変えながら、高分子膜、触媒層、GDLの間の馴染みを良くしながら、発電能力を定常状態に向上させて、性能評価を行う前段階のセルの試運転行為をいうものとする。
これに対して、比較材1を用いたセルのガス拡散抵抗値は107s/m、比較材2を用いたセルのガス拡散抵抗値は109s/mであり、比較材を用いたセルのガス拡散抵抗値はいずれも100s/mを超える値であった。
以上の測定結果より、経糸または緯糸の一方の糸または両方の糸が実質的に無撚糸であり、燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の片面において、無撚糸と交織されている他方の糸の上になる無撚糸の本数がその無撚糸と交織されている他方の糸の下になる無撚糸の本数より多い燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物(GDL)とすることで、前述した片面側とは反対側の面に凹条溝が形成される。
その結果、その反対側の面にセパレータを接触させることで、セル内(高分子膜や触媒層)で発生した水蒸気がGDLの凹条溝を通ってセルの外部へ速やかに排出されるので、水素ガスや空気中の酸素をより多くセル中に取り込むことができて、燃料電池のガス拡散性能を向上することができた。
次に、本発明材および比較材の各GDLにおける流体(水)の流れやすさを比較するために通水試験を行った。本試験に用いたGDLは実施例1で用いた本発明材2および比較材2とした(以下、本発明材3、比較材3という)。本試験において使用した試験装置の模式平面図を図12に、図12のX−X断面図を図13に示す。
本試験装置は、図12および図13に示すように鋼製の台座上に厚さ0.1mm×幅50mm×長さ100mmの大きさのGDLおよびその周囲にパッキンを設置した状態で上方から透明の樹脂プレートと鋼製の押さえ板でGDLを密閉する。密閉されたGDLは、図13に示すように中央部が開口された押さえ板と透明の樹脂プレートを通して、GDLの通水状況を確認できる。その後、本装置のパイプ(図面左側)から水圧0.3MPaの水道水を供給して、反対側のパイプ(図面右側)から排出される単位時間当たりの流量を測定し、水の流れ易さを比較した。
水道水の流量を測定した結果、本発明材3を用いた試験装置の通水量は1分間当たり38ccであった。これに対して、比較材3を用いた試験装置の通水量は1分間当たり22ccであった。以上の測定結果より、本発明材は比較材よりも流体を通し易い構造であることがわかった。そのため、本発明のGDLはセル中でセパレータ(溝の有無に関わらず)と接触した状態であっても、セル内で発生する水蒸気をセル外へ速やかに排出できる。
発明材および比較材を用いて所定の押圧下におけるたわみ量の違いを測定したので、その測定結果について説明する。また、同じ発明材および比較材を用いて実施例1と同様の発電性能の測定も行ったので、その測定結果についても合わせて説明する。
本実施例のGDLのたわみ量測定および発電性能測定に用いたGDLは、発明材として実施例1で使用した本発明材1の両面に硬化処理を施したもの(以下、本発明材4とする)および比較材として実施例1で使用した比較材1の両面に熱硬化性樹脂で硬化処理を施したもの(以下、比較材4とする)の2種類とした。
本発明材4および比較材4の両面に施した硬化処理については、実施例1で用いた本発明材1および比較材1をレゾール型フェノール水溶液(重量比率で水:レゾール型フェノール樹脂=100:25の割合で混合したもの)に浸漬し、乾燥、200℃の雰囲気下で熱硬化させた後、さらにPTFE溶液(重量比率で水:PTFE=100:3の割合で混合したもの)を浸漬して乾燥、340℃の雰囲気下で熱処理させたものを本発明材4および比較材4とした。
次に、GDLのたわみ量の測定方法について説明する。図6に示した平坦状ブロック上に前述のGDLを設置して、溝幅(w)1mmの溝付きブロックを上方から1.7MPaの圧力(P)を押圧した状態で図7に示す浮き上がり量(溝内に侵入したGDLの寸法)δを測定した。GDLの浮き上がり量δの測定は、片面側および反対面側の両側についてそれぞれ測定した。
上述した測定方法に基づいて本発明材4を用いたGDLの浮き上がり量δを測定した結果、本発明材4の片面側の浮き上がり量δ1=81μmであり、反対面側の浮き上がり量δ2=43μmであった。ここで、本発明材4の片側面とは、経糸のみが実質的に無撚りであって、緯糸の上になる経糸の本数が緯糸の下になる本数より多い(1本の経糸が3本の緯糸を乗り越えた後で2本の緯糸の下をくぐる形態)面を指す。
つまり、本発明材4の片面側はその反対面側に比べて表出されている炭素繊維の量が多いので、GDLの浮き上がり量δ1も反対面側の浮き上がり量δ2よりも大きくなったと思われる。これに対して、その面の反対面側のGDLには前述したように凹条溝が形成されている。そのため、前述の片面側の炭素繊維が表出されている量は反対面側に比べて少なくなるので、GDLの浮き上がり量δ2は片面側の浮き上がり量δ1に比べて小さくなったと思われる。
これに対して、比較材4を用いたGDLの浮き上がり量δを測定した結果、両面側の浮き上がり量δ1、δ2は共に54μmで同じ値であった。これは、比較材4の織り方が両面側ともに平織りによるものであり、いずれの面も経糸、緯糸の表出形態に違いが無いためであると思われる。
次に、同じ本発明材4および比較材4の各GDLを用いて、実施例1の場合と同様に発電性能の測定も行ったので、その測定結果について説明する。なお、本測定に用いたセルの構造およびガス拡散抵抗値の測定と算出根拠については、実施例1の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本発明材4のGDLを用いたセルのガス拡散抵抗値(GDR)は、53s/mであった。一方、比較材4を用いたセルのガス拡散抵抗値は、(GDR)は151s/mであり、本発明材4のGDLの抵抗値の約3倍近い測定結果となった。本発明材4のガス拡散抵抗値は、実施例1の測定で用いた本発明材1および2の測定結果(本発明材1=64s/m、本発明材2=68s/m)のいずれの結果をも上回るものであった。
以上のたわみ量の測定結果および発電性能(ガス拡散抵抗値)の測定結果より、発明材4のGDLの織り方の形態によって一方の面には凹条溝が形成されるので、その面に硬化処理を施すことでGDL自体の剛性を高めることができた。結果として、GDLとセパレータとが互いに接触する場合でもGDLの炭素繊維がセパレータの溝内へ侵入することを防止し、セパレータの溝を流れる水素ガスや空気の流通を妨げることを抑制できるので、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
1、11、21、31、41 (燃料電池ガス拡散層用)炭素繊維織物
2、12、22、32 経糸
3、13、23、33 緯糸
4 凹条部
5 (溝付き)セパレータ
7 セパレータ5の溝
8 膜電極接合体
10 燃料電池セル
θ 交差角

Claims (6)

  1. 経糸および緯糸が交織されて形成された燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物であって、前記経糸または前記緯糸の一方の糸が実質的に無撚糸であり、前記燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の片面において、前記無撚糸と交織されている他方の糸の上になる前記無撚糸の本数が前記他方の糸の下になる前記無撚糸の本数より多いことを特徴とする燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物。
  2. 経糸および緯糸が交織されて形成された燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物であって、前記経糸および前記緯糸が共に実質的に無撚糸であり、前記燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の片面において、前記経糸または前記緯糸のいずれか一方の糸は、交織されている他方の糸の上になる本数が前記他方の糸の下になる本数よりも多いことを特徴とする燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物。
  3. 前記燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物の片面とは反対側の面に凹条部が形成されている請求項1または2に記載の燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物。
  4. 前記反対側の面の剛性は、前記片面の剛性よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物。
  5. 請求項3または4に記載の燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物から成り前記凹条部を有するガス拡散層と、複数の溝部を有するセパレータと、を備える燃料電池セルであって、前記ガス拡散層の凹条部を有する面と、前記セパレータの溝部を有する面とが互いに接触し、かつ前記ガス拡散層の凹条部と前記セパレータの溝部との成す角度θが、10°以上35°以下の範囲であることを特徴とする燃料電池セル。
  6. 請求項3または4に記載の前記燃料電池ガス拡散層用炭素繊維織物から成り前記凹条部を有するガス拡散層と、平面を有するセパレータと、を備える燃料電池セルであって、前記ガス拡散層の凹条部を有する面と、前記セパレータの平面と、が互いに接触していることを特徴とする燃料電池セル。
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