JP2018025360A - 熱源システム及びその制御方法 - Google Patents

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智 二階堂
浩毅 立石
Hiroki Tateishi
浩毅 立石
祐介 筈井
Yusuke Hazui
祐介 筈井
宮本 学
Manabu Miyamoto
学 宮本
勝彦 大塚
Katsuhiko Otsuka
勝彦 大塚
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Abstract

【課題】複数の熱源システムを束ねた熱源システム群内において、熱源システムの台数制御後の割り当て負荷を容易に推定すること。【解決手段】複数の熱源ユニット12,22を備える各熱源群10,20に対応して設けられ、熱源ユニット12,22に起動停止指令を出力する各群制御装置11,21と、各群制御装置11,21の上位に設けられ、各群制御装置11,21それぞれに対し、外部負荷に基づいて算出されるシステム全体負荷を出力する台数制御装置30とを備え、各群制御装置11,21は、台数制御装置30から取得した各群制御装置11,21に割り当てられる負荷の情報と、システム全体負荷とに基づいて、熱源ユニット12,22の増段後、または、減段後における熱源ユニット12,22、1台あたりの割り当て負荷率を算出する算出部14,24を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、熱源システム及びその制御方法に関するものである。
空冷ヒートポンプ等では複数台の熱源ユニットを束ねて構成した熱源群を制御する群制御装置があり、それら群制御装置が複数並列に設置された場合に、上位側で複数の群制御装置を制御する上位コントローラを設置した熱源システムを構成することがある(下記特許文献1)。
特開2015−87087号公報
こうした上記特許文献1の群制御装置は、上位コントローラにより割り当てられた負荷と、配下に設置される熱源ユニットの運転可能範囲に応じて、熱源ユニットの台数制御をしている。
図2は、熱源ユニットの冷却水温度に応じて高COP(Coefficient Of Performance;成績係数)状態となる負荷域(「最適負荷範囲」ともいう:網掛け部分)が変化する特性を示している。例えば、上記特許文献1の方法を用いて、図2の最適負荷範囲に入るように群制御装置によって熱源ユニットの台数制限を実施しようとすると、他の群制御装置の状態によっては熱源ユニット1台起動後における熱源ユニット1台あたりの負荷予測を誤るという問題があった。
すなわち、熱源システム全体の負荷は、複数の群制御装置に分配して割り当てられ、所定の群制御装置に熱源ユニットが追加される場合には、該群制御装置の配下の熱源ユニット1台あたりの負荷配分は、当該群制御装置に割り当てられた負荷を当該群制御装置の配下の熱源ユニット起動数で除算し、均等分配することにより負荷予測されると考えられる。しかし、実際には、熱源ユニットが追加された熱源群の近隣には他の熱源群が存在しており、熱源ユニットが追加された熱源群の負荷は、それら近隣の熱源群とも分担しているにも関わらず、近隣の熱源群と負荷を分担していることを勘案していない。そのため、均等分配によって算出された負荷予測と、実際の運転による負荷分配とに乖離が生じていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数の熱源システムを束ねた熱源システム群内において、熱源システムの台数制御後の割り当て負荷を容易に、かつ、精度よく推定できる熱源システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、複数の熱源ユニットを有する複数の熱源群を備える熱源システムにおいて、複数の前記熱源群に対応して設けられ、前記熱源ユニットに起動停止指令を出力する複数の群制御手段と、複数の前記群制御手段の上位に設けられ、各前記群制御手段に対し、外部負荷に基づいて算出される前記熱源システムのシステム全体負荷を出力する上位制御手段とを備え、前記群制御手段は、前記上位制御手段から取得した該群制御手段に割り当てられる負荷の情報と、前記システム全体負荷とに基づいて、前記熱源ユニットの増段後、または、減段後における前記熱源ユニット1台あたりの割り当て負荷率を算出する算出手段を備える熱源システムを提供する。
本発明の構成によれば、複数の熱源ユニットを備える複数の熱源群は、対応する群制御手段から熱源ユニットの起動停止指令が入力される。複数の群制御手段の上位に設けられた上位制御手段では、各群制御手段に対し、空調機等の外部負荷への水の供給温度差と流量に基づいて算出されるシステム全体負荷を出力する。システム全体負荷は、全ての制御群への割り当て負荷合計値と等しい。群制御手段において、上位制御手段から割り当てられる負荷の情報とシステム全体負荷とに基づいて、熱源ユニットの増段後、または、減段後における熱源ユニット1台あたりの負荷率が算出される。
このように、群制御手段は、隣接する他の群制御手段の詳細情報(例えば、他の群制御手段に割り当てられる負荷の情報等)を把握していなくても、台数制御実施後の割り当て負荷を当該群制御手段単体で推定し、最適な負荷を狙った台数制御を実行できる。また、システム全体負荷の情報を勘案することで、実際の増段後或いは減段後の負荷に近似した値を算出することができる。
上記熱源システムは、前記システム全体負荷に対する前記群制御手段の負荷の比率を熱源容量比とし、前記算出手段は、前記熱源ユニットを増段または減段した後のシステム全体に対する一の前記群制御手段の前記熱源容量比である第1熱源容量比と、システム全体に対する一の前記群制御手段以外の他の前記群制御手段の前記熱源容量比である第2熱源容量比とに基づいて、前記熱源ユニットを増段後または減段後の、一の前記群制御手段に対する将来負荷を算出し、一の前記群制御手段に対する将来負荷と、前記第1熱源容量比とに基づいて、将来の増段後または減段後の前記熱源ユニットあたりの前記割り当て負荷率を算出してもよい。
このように、将来の増段後または減段後(台数制御実施後)のシステム全体負荷に対する群制御手段の負荷に基づいて、増段後または減段後の熱源ユニットあたりの負荷率を算出するので、実際の熱源ユニットの負荷率に近似させることができる。
上記熱源システムの前記算出手段は、当該熱源システムの前記熱源ユニットの仕様が共通の場合には、前記熱源ユニットの運転台数を用いて、前記割り当て負荷率を算出してもよい。
熱源ユニットの仕様が共通の場合には運転台数を用いて、負荷を簡便に算出できる。
上記熱源システムの前記算出手段は、当該熱源システムの前記熱源ユニットの仕様が異なる場合には、前記熱源ユニットの仕様値情報を用いて前記割り当て負荷率を算出してもよい。
定格能力や最適負荷等の仕様値の情報を用いることにより、熱源ユニットの能力が変更されても割り当て負荷率を簡便に算出することができる。
本発明は、複数の熱源ユニットを有する複数の熱源群を備える熱源システムの制御方法において、複数の前記熱源群に対応して設けられる複数の群制御手段から、前記熱源ユニットに起動停止指令を出力する第1工程と、複数の前記群制御手段の上位に設けられる上位制御手段から、各前記群制御手段に対し、外部負荷に基づいて算出される前記熱源システムのシステム全体負荷を出力する第2工程と、前記上位制御手段から、前記群制御手段に割り当てられる負荷の情報と、前記システム全体負荷とを取得し、割り当てられた前記負荷の情報と、前記システム全体負荷の情報とに基づいて、前記熱源ユニットの増段後、または、減段後における前記熱源ユニット1台あたりの割り当て負荷率を算出する第3工程とを有する熱源システムの制御方法を提供する。
本発明は、複数の熱源システムを束ねた熱源システム群内において、熱源システムの台数制御後の割り当て負荷を容易に推定するという効果を奏する。
本発明の第1実施形態、第2実施形態に係る熱源システムを示した概略構成図である。 COPの一般的な特性を示す図である。
以下に、本発明にかかる熱源システム及びその制御方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る熱源システム100のシステム構成の概略図である。
熱源システム100は、第1熱源群10と、第1群制御装置(群制御手段)11と、第2熱源群20と、第2群制御装置(群制御手段)21と、台数制御装置(上位制御手段)30とを備えている。本実施形態においては、熱源システム100が備える熱源群は2個とし、各熱源群が備える熱源ユニットはそれぞれ2台として説明しているが、熱源システムが備える熱源群、及び熱源ユニット等の個数は、特に限定されない。また、本実施形態においては、各熱源ユニットの容量(例えば、定格能力、最適負荷等の仕様)が等しいものとして説明する。
空調機等の外部負荷(図示略)を流通した水は、熱源システム100の水入口41から流入し、水出口42から外部負荷に供給される。
第1熱源群10は、複数の熱源ユニット12を備えている。
第1熱源群10の熱源ユニット12は、熱源装置(図示略)と、ユニット統括基板13とを備えている。第1熱源群10の各熱源ユニット12は、入力側が水入口41に連通接続され、出力側が水出口42に連通接続されている。第1熱源群10の各熱源ユニット12は、出力側が、第1群制御装置11を介して台数制御装置30と接続されている。
第1群制御装置11は、ユニット統括基板13から対応する熱源ユニット12の所定のデータを受信し、ユニット統括基板13に対して制御データを送信する。また、第1群制御装置11は、各熱源ユニット12の起動・停止、及び負荷の割り当てを行う。
ここで、ユニット統括基板13は、各熱源ユニット12の成績係数と負荷率との関係を示すCOP情報を所定のデータに含み、第1群制御装置11に出力する。
第2熱源群20は、複数の熱源ユニット22を備えている。
第2熱源群20の熱源ユニット22は、熱源装置(図示略)と、ユニット統括基板23とを備えている。第2熱源群20の各熱源ユニット22は、入力側が水入口41に連通接続され、出力側が水出口42に連通接続されている。第2熱源群20の各熱源ユニット22は、出力側が、第2群制御装置21を介して台数制御装置30と接続されている。
第2群制御装置21は、ユニット統括基板23から対応する熱源ユニット22の所定のデータを受信し、ユニット統括基板23に対して制御データを送信する。第2群制御装置21は、各熱源ユニット12の起動・停止、及び負荷の割り当てを行う。
ここで、ユニット統括基板23は、各熱源ユニット22の成績係数と負荷率との関係を示すCOP情報を所定のデータに含み、第2群制御装置21に出力する。
第1群制御装置11は、算出部(算出手段)14を備えている。
算出部14は、台数制御装置30から取得した第1群制御装置11に割り当てられる負荷Q1の情報と、熱源システム100のシステム全体負荷とに基づいて、熱源ユニット12の増段後、または、減段後における第1熱源群10の熱源ユニット1台あたりの割り当て負荷率を算出する。システム全体負荷は、各熱源群10,20への割り当て負荷の合計とし、「Qall」または「ΣQi(iは、熱源群の個数であり、ここではi=1,2とする)」と示す。例えば、システム全体負荷は、台数制御装置30において第1群制御装置11に対する負荷Q1と、第2群制御装置21に対する負荷Q2とを加算することにより求められる(Q1+Q2=Qall)。
第2群制御装置21は、算出部(算出手段)24を備えている。
第2群制御装置21の算出部24は、台数制御装置30から取得した第2群制御装置21に割り当てられる負荷Q2の情報と、熱源システム100のシステム全体負荷Qallとに基づいて、熱源ユニット22の増段後、または、減段後における第2熱源群20の熱源ユニット1台あたりの割り当て負荷率を算出する。
本実施形態において、システム全体負荷Qallに対し、群制御装置が台数制御を実施した後の群制御装置の負荷の比率を「熱源容量比」という。
算出部14,24は、熱源ユニット12,22を増段または減段した後の熱源システム全体に対する一の群制御装置の熱源容量比である第1熱源容量比と、熱源システム全体に対する一の群制御装置以外の他の群制御装置の熱源容量比である第2熱源容量比とを求める。算出部14,24は、第1熱源容量比と第2熱源容量比とに基づいて、熱源ユニット12,22を増段後または減段後の将来第i群制御装置に対する負荷Qi_futureを算出し、将来第i群制御装置に対する負荷Qi_futureと、第1熱源容量比とに基づいて、将来の増段後または減段後の熱源ユニット12,22あたりの割り当て負荷率を算出する。
本実施形態のように、熱源システム100の熱源ユニット12,22の容量(仕様)が共通の場合には、算出部14,24は熱源ユニット12,22の運転台数の情報を用いて、割り当て負荷率を算出する。
台数制御装置30は、各群制御装置11,21に対して、上位に設けられる。台数制御装置30は、第1群制御装置11及び第2群制御装置21のそれぞれに対し、各群制御装置の負荷Qi(例えば、i=1,2)の情報とともに、空調機等の外部負荷への水の供給温度差と流量に基づいて算出される熱源システム100のシステム全体負荷Qallの情報を出力する。なお、外部負荷への水の供給温度差とは、熱源システム100を流通する入口と出口での温度差(冷房時は(水入口41の温度)−(水出口42の温度)、暖房時は(水出口42の温度)−(水入口41の温度))とし、流量は水入口41に流れる水の流量である。
以下に、i番目の群制御装置の配下の熱源ユニットを増段・減段し、台数制御実施後の熱源ユニットの負荷率の算出について説明する。
システム全体の現状の熱源機容量を1とすると、i番目の群制御装置の台数制御によってi番目の群制御装置の配下の熱源ユニットの増段(+)または減段(−)後におけるシステム全体の熱源機容量は、下記式(1)として示される。ここで、Qiは各群制御装置の割り当て負荷とし、Qallは全ての群制御装置の割り当て負荷の合計とし、niはi(本実施形態では、i=1,2)番目の熱源群の熱源ユニットの現在の起動数とし、Qall−Qiはi番目の群制御装置以外の群制御装置における割り当て負荷とする。
Figure 2018025360
ここで、上記式(1)におけるA項は、熱源システム100全体に対するi番目の群制御装置が台数制御を実施した後の熱源容量比(+は増段、−は減段である。例えば、ni+1は1台増段、ni−1は1台減段を意味する。)を示し、B項は、熱源システム100全体に対するi番目の群制御装置以外の群制御装置の熱源容量比を示している。
Qallを式(1)の熱源容量で配分し、そのうちA項がi番目の群制御装置の熱源容量であるため、システム全体負荷Qallに、増減段後のシステム全体の熱源機容量に対するi番目の群制御装置の熱源容量比を乗算し、下記式(2)で示される。ここで、Qi_futureは将来第i群制御装置に対する負荷とする。
Figure 2018025360
以下では、数値例を用いて説明をする。例えば、群制御装置が3つあり、各群制御装置に対する負荷がそれぞれ150[kW]である場合に、熱源システム100のシステム全体負荷Qallは、Qall=150+150+150=450[kW]となる。ここで、第1群制御装置には、台数制御装置30からQall=450[kW]及びQ1=150[kW]の情報が送信される。
第1群制御装置は、台数制御装置30からQall=450[kW]及びQ1=150[kW]の情報を取得すると、算出部14は、以下のように演算する。
第1群制御装置が2台から3台への増段判断をする場合には、下記のようになる。niは、現在の群制御装置の起動数とする。
Figure 2018025360
こうして算出された値を上述した式(3)に代入することにより、増段後の熱源ユニット1台あたりの負荷率は、450×{75÷525}≒64[kW]と予測できる(参照1)。
また、第1群制御装置が2台から1台に減段判断をする場合には、下記となる。
Figure 2018025360
こうして算出された値を上述した式(3)に代入することにより、減段後の熱源ユニット1台あたりの負荷率は、450×{75÷375}=90[kW]と予測できる。
このように、各群制御装置11,21は、隣接する他の群制御装置21,11に関する詳細情報(例えば、隣接する他の群制御装置に対する割り当て負荷の情報)を取得していなくても、配下の熱源ユニット12,22の台数制御実施後の割り当て負荷を精度よく推定でき、最適負荷をとなる台数制御を実行できる。
以下に、本実施形態に係る熱源システム100の作用を説明する。ここでは、第1群制御装置11の配下の熱源ユニット12を増段する場合を例として説明する。また、熱源ユニットの起動数は説明のために一例を示しているが、本発明はこれに限定されない。
複数の熱源ユニット12,22を備える複数の熱源群10,20に対応して設けられる第1群制御装置11及び第2群制御装置21から、熱源ユニット12,22に起動指令が出力され、熱源ユニット12,22が2台ずつ起動している。
第1群制御装置11,第2群制御装置21の上位に設けられる台数制御装置30から、第1群制御装置11に対し、熱源システム100のシステム全体負荷Qallの情報と、第1群制御装置11の負荷Q1の情報が出力され、第2群制御装置21に対し、システム全体負荷Qallの情報と、第2群制御装置21の負荷Q2の情報が出力される。
第1群制御装置11は、割り当てられた負荷Q1の情報と、熱源システム全体負荷Qallの情報とを取得すると、割り当てられた負荷Q1の情報と、熱源システム全体負荷Qallの情報とに基づいて、熱源ユニット12の増段(または、減段後)における熱源ユニット12の1台あたりの割り当て負荷率が上記式(3)に基づいて算出される。本演算結果とユニット統括基板13から取得した図2に示されるようなCOP情報を参照し、熱源ユニット12の増減段により最適負荷範囲に入るか否かを評価し、増減段の最終判断を行う。
第1群制御装置11は、増段(または減段)すると判断した場合には、熱源群10の熱源ユニット12を増段(または減段)させる。増減段しないと判断した場合には、現状の2台の熱源ユニット12の運転を継続する。
同様に、第2群制御装置21は、割り当てられた負荷Q2の情報と、熱源システム全体負荷Qallの情報とを取得すると、割り当てられた負荷Q2の情報と、熱源システム全体負荷Qallの情報とに基づいて、熱源ユニット22の増段(または、減段後)における熱源ユニット22の1台あたりの割り当て負荷率が上記式(3)に基づいて算出される。本演算結果とユニット統括基板23から取得した図2に示されるようなCOP情報を参照し、熱源ユニット22の増減段により最適負荷範囲に入るか否かを評価し、増減段の判断を行う。
増減段すると判断された場合の制御は第1群制御装置11の場合と同様であり、第2群制御装置21に対応する熱源群20に対する制御を行う。
増減段しないと判断した場合には、現状の2台の熱源ユニット22の運転を継続する。
以上説明してきたように、本実施形態に係る熱源システム100及びその制御方法によれば、複数の熱源ユニット12,22を備える複数の熱源群10,20は、対応する群制御装置11,21から熱源ユニット12,22の起動停止指令が入力される。第1群制御装置11、第2群制御装置21の上位に設けられた台数制御装置30では、第1群制御装置11、第2群制御装置21のそれぞれに対し、システム全体負荷Qallの情報を出力する。第1群制御装置11、第2群制御装置21において、台数制御装置30から割り当てられる負荷Qiの情報とシステム全体負荷Qallとに基づいて、熱源ユニット12,22の増段後、または、減段後における熱源ユニット1台あたりの負荷率が算出される。
このように、群制御装置は、隣接する他の群制御装置の詳細情報(例えば、他の群制御装置に割り当てられる負荷の情報等)を把握(取得)しなくても、熱源システム100のシステム全体負荷Qallの情報を用いることによって、それぞれの群制御装置が単体で(個別に)実際の熱源ユニット12,22の台数制御による増段後または減段後の1台あたりの割り当て負荷が精度よく推定でき、実運用の熱源ユニット12,22の負荷率に近似した台数制御を実現できる。
このように、熱源システム100のシステム全体負荷Qallの情報を勘案することで、実際の増段後または減段後の負荷率、出力分担を算出することができる。また、複数の熱源ユニット12,22の仕様が共通の場合には本実施形態のように運転台数の情報に基づいて演算するので、負荷を簡便に算出できる。
また、本実施形態に係る算出部14,24における演算は、各群制御装置が取得した負荷Qiの情報と、システム全体負荷Qallの情報と、群制御装置の台数に基づいて行われるものであり、簡素な処理であるため、各群制御装置にかかる演算負荷が比較的少ない。
以下に、熱源群内で熱源ユニットを追加し、熱源ユニット1台あたりの負荷配分予測を従来のように熱源ユニットを追加した熱源群内だけで均等配分する場合と、実運用の熱源ユニット1台あたりの負荷配分とを数値例を用いて比較する。
例えば、熱源群が3つあり、各熱源群それぞれの負荷が150[kW]であるとする。すなわち、第1熱源群負荷Q1=第2熱源群負荷Q2=第3熱源群負荷Q3=150[kW]とする。そして、熱源ユニット追加前はそれぞれの熱源群に2台ずつ熱源ユニットがあるとし、各熱源群内の熱源ユニットの台数nは、第1熱源群の熱源ユニット個数n1=第2熱源群の熱源ユニット個数n2=第3熱源群の熱源ユニット個数n3=2[台]とする。
従来、台数制御装置からの負荷の割り当ては均等分配なので、第1熱源群に1台熱源ユニットが追加された場合には、従来の群制御装置では、熱源ユニット1台あたりの負荷配分予測は、Q1/n1(追加前)から、Q1/(n1+1)の数式に変更される。
つまり、第1群制御装置は、熱源ユニットを2台から3台に増加させると、1台あたりの熱源ユニットに対する負荷は、150/2=75[kW]から、150/(2+1)=50[kW]に変更されると算出される。このため、従来の第1群制御装置であれば、配下の各熱源ユニットに対し、それぞれ50[kW]の負荷を分担させるよう、台数制御判断を行っていた。
これに対し、実際の運転では、3つの熱源群のうち、1つの熱源群の配下に熱源ユニットを1台増段させた場合に、近隣の熱源群の負荷を勘案するとした場合、熱源ユニット1台あたりの負荷配分予測は、(Q1+Q2+Q3)/(n1+n2+n3)から、(Q1+Q2+Q3)/(n1+n2+n3+1)に変更される。
つまり、1台あたりの熱源ユニットの負荷は、(150+150+150)/(2+2+2)=75[kW]から、(150+150+150)/(2+2+2+1)=64[kW]と演算される。
この値は、上記の第1実施形態において(参照1)で演算した結果と一致しており、本発明の第1実施形態の負荷率の算出が実運用での値と近似していることがわかる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においては、熱源システム内の複数の熱源ユニットの仕様が異なる点で第1実施形態と異なる。本実施形態の熱源システムについて、第1実施形態と共通する点については説明を省略し、図1を用いて異なる点について主に説明する。
上記第1実施形態においては、各熱源ユニットの容量が等しいものとして説明していたが、熱源機の仕様(定格能力、最適負荷等)が異なる場合、熱源機台数のみで負荷予測をすると不正確となることを勘案した。
本実施形態においては、各熱源ユニットの容量(例えば、定格能力、最適負荷等の仕様値)が異なる場合に適用できるものとして説明する。
熱源ユニット12,22のユニット統括基板13,23は、各熱源ユニットの容量の情報を第1群制御装置11に出力する。
各群制御装置11,21の算出部14,24は、熱源システム100の熱源ユニット12,22の仕様が異なる場合には、熱源ユニット12,22の定格能力の情報を用いて割り当て負荷率を算出する。
具体的には、第1実施形態の式(1)及び式(2)で熱源ユニットの起動数を入力していた(ni±1)/niの項を定格能力や最適負荷の情報に置き換え、演算する。
ここで、ΣLh_iはi番目の群制御装置で現在稼働している熱源ユニットの定格能力の総和を示し、Lh_nextは次に起動・停止させる熱源ユニットの定格能力を示す。熱源ユニットの台数を、定格能力等の情報に置き換えると、式(1)は、式(4)と表され、式(2)は式(5)と表される。
Figure 2018025360
以上説明したように、本実施形態に係る熱源システム100及びその制御方法によれば、熱源システム100の群制御装置の算出部14,24は、当該熱源システム100の熱源ユニット12の仕様が異なる場合には、熱源ユニット12の定格能力の情報を用いて割り当て負荷率を算出する。
このように、定格能力の情報を用いることにより、複数の熱源ユニットの能力が異なる場合や変更される場合であっても、システム全体負荷Qallの情報と各群制御装置の割り当て負荷Qiに基づいて、熱源ユニットの割り当て負荷率を簡便に精度よく算出することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。
11 第1群制御装置(群制御手段)
12,22 熱源ユニット
13,23 ユニット統括基板
14,24 算出部(算出手段)
21 第2群制御装置(群制御手段)
30 台数制御装置(上位制御手段)
100 熱源システム

Claims (5)

  1. 複数の熱源ユニットを有する複数の熱源群を備える熱源システムにおいて、
    複数の前記熱源群に対応して設けられ、前記熱源ユニットに起動停止指令を出力する複数の群制御手段と、
    複数の前記群制御手段の上位に設けられ、各前記群制御手段に対し、外部負荷に基づいて算出される前記熱源システムのシステム全体負荷を出力する上位制御手段とを備え、
    前記群制御手段は、前記上位制御手段から取得した該群制御手段に割り当てられる負荷の情報と、前記システム全体負荷とに基づいて、前記熱源ユニットの増段後、または、減段後における前記熱源ユニット1台あたりの割り当て負荷率を算出する算出手段を備える熱源システム。
  2. 前記システム全体負荷に対する前記群制御手段の負荷の比率を熱源容量比とし、
    前記算出手段は、
    前記熱源ユニットを増段または減段した後のシステム全体に対する一の前記群制御手段の前記熱源容量比である第1熱源容量比と、システム全体に対する一の前記群制御手段以外の他の前記群制御手段の前記熱源容量比である第2熱源容量比とに基づいて、前記熱源ユニットを増段後または減段後の、一の前記群制御手段に対する将来負荷を算出し、一の前記群制御手段に対する将来負荷と、前記第1熱源容量比とに基づいて、将来の増段後または減段後の前記熱源ユニットあたりの前記割り当て負荷率を算出する請求項1に記載の熱源システム。
  3. 前記算出手段は、
    前記熱源システムの前記熱源ユニットの仕様が共通の場合には、前記熱源ユニットの運転台数を用いて、前記割り当て負荷率を算出する請求項1または請求項2に記載の熱源システム。
  4. 前記算出手段は、
    前記熱源システムの前記熱源ユニットの仕様が異なる場合には、前記熱源ユニットの仕様値情報を用いて前記割り当て負荷率を算出する請求項1または請求項2に記載の熱源システム。
  5. 複数の熱源ユニットを有する複数の熱源群を備える熱源システムの制御方法において、
    複数の前記熱源群に対応して設けられる複数の群制御手段から、前記熱源ユニットに起動停止指令を出力する第1工程と、
    複数の前記群制御手段の上位に設けられる上位制御手段から、各前記群制御手段に対し、外部負荷に基づいて算出される前記熱源システムのシステム全体負荷を出力する第2工程と、
    前記上位制御手段から、前記群制御手段に割り当てられる負荷の情報と、前記システム全体負荷とを取得し、割り当てられた前記負荷の情報と、前記システム全体負荷の情報とに基づいて、前記熱源ユニットの増段後、または、減段後における前記熱源ユニット1台あたりの割り当て負荷率を算出する第3工程と
    を有する熱源システムの制御方法。


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