JP2018025110A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関を構成するシリンダブロックにおいて、シリンダボアを画成するボア側壁を効率よく冷却する。
【解決手段】ボア側壁22の、ウォータジャケット18に臨む側壁(外壁部)には、ガスケット面14を始点とし、オイルパン面16側(鉛直下方)に向かって延在する複数本の凹溝30が形成される。隣接する凹溝30、30同士の間には、相対的に突出した複数個の凸部32が介在する。ウォータジャケット18内の冷却媒体は、この凸部32に接触する。なお、凹溝30は、好ましくは、圧縮行程後半、及び燃焼行程前半にシリンダ内のガス温度が特に高温となる領域に形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピストンが往復動作するシリンダの周囲にウォータジャケットが形成された内燃機関に関する。
自動車を走行させる駆動源である内燃機関は、シリンダボア及びウォータジャケットが形成されたシリンダブロックを含んで構成される。ここで、シリンダボアとウォータジャケットは、周知の通りボア側壁を介して区画される空間である。シリンダボア内には、例えば、中空体であるシリンダスリーブ(「シリンダライナ」とも呼称される)が挿入されるとともに、該シリンダスリーブのスリーブ孔内でピストンが往復移動する。なお、シリンダボア、ウォータジャケット及びスリーブ孔は、シリンダヘッドで閉塞される。
上記の往復動作時、燃焼室で燃料と空気の混合気体が燃焼する。この燃焼や、スリーブ孔の内周壁に対するピストンスカートの摺接により、シリンダスリーブやボア側壁が熱を帯びる。一方、ウォータジャケットには、冷却水が予め供給されている。前記熱がボア側壁を介して冷却水に伝達されることにより、シリンダスリーブやボア側壁が冷却される。
シリンダスリーブやボア側壁を速やかに冷却するべく、シリンダスリーブから冷却水に至るまでの熱伝達の効率速度、換言すれば、冷却速度を向上させることが試みられている。例えば、特許文献1には、シリンダスリーブの外周壁に、該シリンダスリーブの高さ方向に沿って延在する複数本の条痕を形成するとともに、隣接する条痕同士の間の凹部を冷却溝とする技術が提案されている。すなわち、この場合、シリンダブロックとシリンダスリーブの間にウォータジャケットが形成される。なお、この技術では、シリンダヘッドが設けられるガスケット面に近接するにつれて条痕同士の間隔を小さくしている。
特許第2876828号公報
一般的に、シリンダブロックはアルミニウム合金からなり、シリンダスリーブは鋳鉄からなる。このため、両者の熱膨張係数が相違する。従って、特に内燃機関を運転する際、シリンダブロックとシリンダスリーブの間のシールを確保することが容易ではない。仮にシール不良が生じたときには、シリンダブロックとシリンダスリーブの間から冷却水が漏洩してしまう。
特許文献1記載の技術では、条痕同士の間隔が変化する境界で大径のシール部を設けるようにしている。従って、条痕を形成するためには、シール部同士の間の部位に対して加工を施さなければならない。このような加工は煩雑であり、しかも、困難である。そして、このために製造コストが高騰するという不都合が惹起される。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、構成が複雑となることを回避し得るために作製することが容易であり、しかも、冷却効率に優れ、さらに、ウォータジャケットから漏洩が起こる懸念を払拭し得る内燃機関を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、ブロック側壁とボア側壁との間にウォータジャケットが形成されるシリンダブロックと、前記ボア側壁によって画成されるシリンダボア内を往復移動するピストンとを有する内燃機関において、
前記ボア側壁の、前記ウォータジャケットを臨む側の側壁に、ガスケット面を始点として前記ピストンの往復移動方向に沿って延在する複数本の凹溝と、前記凹溝同士の間に介在する複数個の凸部とを有することを特徴とする。
この構成では、ウォータジャケットに供給された冷却媒体が、ボア側壁の、ウォータジャケットを臨む側の側壁に設けられた凸部に接触することにより、該凸部の下流側で渦流が生じる。すなわち、層流から乱流に変化する。このために温度境界層の厚みが小さくなるので、ボア側壁から冷却媒体への熱伝達の効率が向上する。
しかも、前記側壁に凹溝及び凸部が存在するため、これらが存在しない場合に比して表面積が大きくなる。すなわち、冷却媒体に対する接触面積が大きくなる。このことも、ボア側壁から冷却媒体への熱伝達の効率の向上に寄与する。
すなわち、ボア側壁が効率よく冷却される。その結果として、いわゆるノッキングタフネスが向上する。このため、ノック改善を図ることができる。
しかも、この場合、ボア側壁に凹溝を形成すればよいので、シリンダブロックの構成が複雑となることが回避される。従って、該シリンダブロックを作製することが容易であるとともに、製造コストが高騰することを回避することができる。
加えて、シリンダブロックとシリンダスリーブの間に冷却媒体を導入することがないので、これらシリンダブロックとシリンダスリーブの間から冷却媒体が漏洩する懸念が払拭される。すなわち、シリンダブロックとシリンダスリーブの間のシールが確保される。
シリンダブロックは、一般的には鋳造によって作製される。従って、上記凹溝の延在方向は、型開きに際して鋳造型の抜き方向である。すなわち、抜き方向に沿って凹溝を形成することができる。このことも相俟って、シリンダブロックを作製することが容易となる。
また、鋳造型に抜き勾配を形成することにより、型開きが一層容易となる。この場合、凹溝が、抜き勾配に対応する形状となる。すなわち、凹溝の深さが、ウォータージャケットの底部(終点)に向かうにつれて漸次的に小さくなる(浅くなる)。なお、凹溝の深さは、終端近傍でのみ変化していてもよいし、始点から終点に至る全体にわたって変化していてもよい。
又は、凹溝の幅を変化させることで抜き勾配を形成するようにしてもよい。この場合、凹溝の幅を、ウォータジャケットの底部に向かうにつれて漸次的に狭くすればよい。
隣接する凸部同士間のピッチをP、凸部の突出高さをHとするとき、P/Hが7.5〜12.5の範囲内となるように凸部を設けることが好ましい。この場合、上記の温度境界層が一層薄くなるからである。このことは、ボア側壁から冷却媒体への熱伝達の効率が一層向上することを表す。なお、P/Hは10であることが最も好ましい。
内燃機関は、シリンダボアが単一個である単気筒型であってもよいし、複数個である多気筒型であってもよい。多気筒型の場合、隣接する気筒同士の間に位置する凸部のピッチを、他の部位に位置する凸部に比して小さくすることが好ましい。このような構成とすることにより、隣接する気筒同士の間においても凸部の下流側で温度境界層を薄くし、ボア側壁から冷却媒体へ熱伝達を効率よく伝達することができる。
圧縮行程の後半、及び燃焼行程の前半では、シリンダ内のガス温度が他の行程時に比して高い。すなわち、ボア側壁への入熱量が多い。従って、凹溝の長さは、例えば、圧縮行程の後半、燃焼行程の前半時にシリンダ内のガス温度が特に高温となる領域に重なるように設定することが好ましい。このような領域は、車種によって相違するが、概ね、ガスケット面から10〜40mmの深さである。
従って、凹溝の始点から終点までの距離(長さ)を10〜40mmの範囲内とすることが好ましい。そして、この場合、シリンダスリーブの下方で過度に冷却される懸念が払拭される。
本発明によれば、ボア側壁の、ウォータジャケットを臨む側の側壁に、凹溝と、隣接する凹溝同士の間に介在する凸部とを形成するようにしている。この構成では、ウォータジャケットに供給された冷却媒体が凸部に接触すると、該凸部の下流側で渦流が生じるために層流から乱流に変化する。従って、温度境界層の厚みが小さくなる。また、前記側壁に凹溝及び凸部が存在することから、冷却媒体に対するボア側壁の接触面積が大きくなる。
以上のことが相俟って、ボア側壁から冷却媒体に熱が効率よく伝達される。すなわち、ボア側壁が効率よく冷却されるので、ノッキングタフネスの向上とノック改善を図ることができる。
しかも、この場合、ボア側壁に凹溝を形成すれば十分であることから、シリンダブロックを作製することが容易である。また、製造コストが高騰することが回避される。
さらに、シリンダブロックとシリンダスリーブの間に冷却媒体を導入することがないので、両者間から冷却媒体が漏洩する懸念が払拭されるとともに、両者間のシールが確保される。
本発明の実施の形態に係る内燃機関を構成するシリンダブロックの概略全体斜視図である。 図1のシリンダブロックのボア側壁近傍を拡大した要部斜視図である。 図1のシリンダブロックの要部縦断面図である。 図1のシリンダブロックの要部平面図である。 図1のシリンダブロックの、隣接する気筒間近傍の要部平面図である。 P/Hを5、10、19としたときの温度境界層の分布を求めた解析チャートである。 P/Hを変更した場合におけるボア側壁から冷却水への熱伝達率の変化率を示したグラフである。
以下、本発明に係る内燃機関につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る内燃機関を構成するシリンダブロック10の概略全体斜視図である。このシリンダブロック10は、4個のシリンダボア12が並列配置された並列4気筒型である。
シリンダボア12の周囲には、シリンダヘッド(図示せず)が連結されるガスケット面14を始点とし、オイルパン(図示せず)が連結されるオイルパン面16に向かって延在する有底のウォータジャケット18が形成されている。このウォータジャケット18により、シリンダブロック10がブロック側壁20とボア側壁22に区分される。換言すれば、ウォータジャケット18は、ボア側壁22を介してシリンダボア12を囲繞している。
また、ボア側壁22によって4個のシリンダボア12が画成される。すなわち、シリンダボア12はボア側壁22の内方に形成され、且つ前記ウォータジャケット18はボア側壁22の外方に形成される。以下、ボア側壁22の、ウォータジャケット18を臨む側壁を外壁部と表記することもある。
ボア側壁22は、隣接する気筒同士の間を区画する部位を有する。この部位により、隣接するシリンダボア12同士が離隔されるとともに、ボア側壁22が平面視で2個の眼鏡が連なったような形状をなす。4個のシリンダボア12には、円筒形状体であるシリンダスリーブ24がそれぞれ挿入される。
シリンダスリーブ24のスリーブ孔26には、ピストンが収容される。ピストンは、コネクティングロッドを介してクランクシャフトに連結され、該クランクシャフトが回転することに伴ってスリーブ孔26内、ひいてはシリンダボア12内を往復移動する。この際、スリーブ孔26の内周壁に対し、ピストンを構成するピストンスカートが摺接する。以上の構成は周知であり、従って、これらの構成要素の図示及び詳細な説明を省略する。
図1及び図2に示すように、ボア側壁22の外壁部には、複数本の凹溝30が形成されている。シリンダボア12の中心から凹溝30の底部に至るまでの距離は、ボア側壁22の外径よりも小さく設定される。このため、隣接する凹溝30、30同士の間に、ボア側壁22の直径方向外方に指向して突出した凸部32が介在する。凸部32の頂面は、ボア側壁22の外壁部と面一である。
各凹溝30は、外壁部のガスケット面14を始点とし、オイルパン面16に向かって直線状に延在する。すなわち、凹溝30は、外壁部の上端から鉛直下方に向かうように形成され、結局、前記ピストンの往復移動方向に沿って延在する。凹溝30の長さは、例えば、圧縮行程の後半〜燃焼行程の前半における燃焼室の長さに対応するように設定される。この行程時、シリンダ(燃焼室)内のガス温度が特に高温となる。
燃焼行程中にシリンダ内のガスが特に高温となる領域は、車種によって相違するが、ほとんどの場合、ガスケット面14から10〜40mm下方である。従って、凹溝30の始点から終点までの好適な距離、換言すれば、好適な長さLは10〜40mmである。凹溝30の一層好適な長さLは、20〜30mmである。なお、凹溝30の長さLが、ガスケット面14を基準位置(0mm)としていることは勿論である。
本実施の形態において、凹溝30は、図3に示すように終点近傍において漸次的に浅くなる(深さが小さくなる)。また、終点近傍では、凹溝30の幅が漸次的に狭くなっている(先細りとなっている)。このような深さ及び幅の変化は、シリンダブロック10の鋳造型の抜き勾配に対応する。なお、図3では、終点近傍で浅く且つ幅狭となる例を示しているが、始点から終点に至る全体にわたって漸次的に浅く且つ幅狭となる凹溝30を形成するようにしてもよい。
図4に示すように、凸部32は、直径方向内方から外方(突出方向)に向かうに従って漸次的に幅狭となる。該凸部32は、凹溝30の底部から湾曲するように立ち上がっている。すなわち、凸部32の基端はR部34である。
凸部32の基端から頂面までの距離(突出高さ)をH、凹溝30の一端から隣接する別の凹溝30の一端までの距離(ピッチ)をPとするとき、P/Hが7.5〜12.5の範囲内となるように突出高さ及びピッチを設定することが好ましい。後述するように、この場合、優れた冷却効率を示すからである。最も好ましいP/Hは10である。なお、ガスケット面14における凸部32の頂面の幅Wは、例えば、Hの3倍に設定することができる。
図5に示すように、凸部32は、隣接する気筒同士の間で、その他の部位に比して密に形成される。すなわち、隣接する気筒同士の間では、凸部32のピッチが小さくなっている。
本実施の形態に係る内燃機関は、基本的には以上のように構成されるシリンダブロック10を含んで構成されるものであり、次に、その作用効果につき説明する。
シリンダブロック10は、例えば、アルミニウム合金の溶湯を用いる鋳造によって作製することができる。なお、シリンダスリーブ24は、シリンダブロック10を得るキャビティ内に予め収容される。すなわち、シリンダスリーブ24は、いわゆる鋳ぐるみによってシリンダブロック10と一体化される。
ボア側壁22の外壁部に凹溝30を形成するためには、シリンダブロック10を成形する鋳造型の、ウォータジャケット18を形成する部位に凸部を予め設けておけばよい。この凸部の形状がボア側壁22の外壁部に転写されることで、前記凹溝30が形成される。このように、凹溝30を形成するためには鋳造型に凸部を設ければよく、特別な加工を行う必要はない。しかも、シリンダブロック10の簡素な構成を維持することもできるので、シリンダブロック10を作製することも容易である。以上のような理由から、内燃機関の製造コストが高騰する懸念が払拭される。
鋳造型の1つが、ガスケット面14の面方向に対して直交する方向に離脱することで型開きが行われる。この際、鋳造型の移動方向(抜き方向)は、凹溝30の延在方向と一致する。従って、型開きが円滑に進行する。
ここで、凹溝30を成形するための前記凸部に、抜き勾配を設けておくことが好ましい。これにより、型開きを行う際に鋳造型がボア側壁22から容易に離脱するようになるからである。この場合、抜き勾配に基づいて凹溝30の深さ及び幅が変化する。すなわち、図3に示すように、凹溝30の終点近傍で深さが漸次的に小さくなり且つ幅が狭くなる。
ボア側壁22の、凹溝30が形成された部位の肉厚は、その他の部位に比して小さい。しかしながら、凸部32の頂面がボア側壁22の外壁部と面一であり、且つ凹溝30は最長で40mm程度である。このため、ボア側壁22の上端に十分な剛性が確保される。すなわち、凹部を形成したことに伴ってボア側壁22の上端の剛性が過度に低下することはない。
このようにして得られたシリンダブロック10に対し、オイルパン、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、シリンダヘッド、吸気バルブ、排気バルブ等が組み付けられる。これにより、内燃機関が構成されるに至る。ガスケット面14にシリンダヘッドが取り付けられることに伴い、ウォータジャケット18やシリンダボア12、スリーブ孔26が閉塞される。
内燃機関は自動車車体に搭載され、走行駆動源として機能する。すなわち、シリンダヘッドを介して燃料及び空気が燃焼室に導入される。ピストンは、クランクシャフトが回転することに伴い、スリーブ孔26内、ひいてはシリンダボア12内で往復移動する。すなわち、ピストンは、オイルパン面16側からガスケット面14側に向かう移動と、ガスケット面14からオイルパン面16側に向かう移動とを繰り返す。
この往復移動の最中、ピストンスカートがスリーブ孔26の内周壁に摺接する。また、ピストンが上死点から下死点に移動する際に、燃焼室で燃料と空気の混合気体が燃焼する。この摺接や燃焼に伴って、シリンダスリーブ24やボア側壁22が熱を帯びる。
ここで、シリンダブロック10には図示しない冷媒導入孔が形成されており、該冷媒導入孔を介してウォータジャケット18に冷却水(冷却媒体)が供給される。冷却水は、ボア側壁22の並列方向に沿って流通し(図5中の矢印参照)、この際、ボア側壁22の外壁部に接触する。冷却水は、凸部32の突出方向に対して略直交するように流通する。
上記したように、外壁部には凹溝30及び凸部32が存在する。この場合、凹溝30及び凸部32が存在しないものに比して冷却水に対する接触面積が大きい。従って、ボア側壁22から冷却水に効率よく熱が伝達される。
加えて、凸部32が冷却水に接触する。これにより、図6中に矢印で示すように、凸部32の下流側で渦流が生じる。すなわち、凸部32の近傍で層流から乱流に変化する。この乱流化により、シリンダスリーブ24及びボア側壁22から冷却水への熱伝達効率が向上する。この現象は、冷却水の流通方向に対して直交する方向に突出した凸部32において特に顕著である。なお、図6では、一部の凸部32の下流側で渦流を示しているが、全ての凸部32の下流側で渦流が生じることは勿論である。
該図6は、冷却水の流量を7L/分、Hを200μmに設定し、且つP/Hを5、10、19としたときの温度境界層の分布をシミュレーションによって求めた解析チャートである。この図6から、P/H=10である場合、P/H=5又はP/H=19である場合に比して温度境界層が薄い(厚さが小さい)ことが分かる。この結果は、P/H=10であるとき、凸部32の下流側で渦流(乱流)が生じていることを表す。
また、図7は、P/Hを変更した場合におけるボア側壁22から冷却水への熱伝達率の変化率を示したグラフである。この図7から、P/Hを7.5〜12.5、最も好ましくは10としたときに、レイノルズ数(図7中の「Re数」)が2000、7000である場合の双方で熱伝達率が向上していることが分かる。
隣接する気筒同士の間では、滞留が起こり易い。そこで、本実施の形態では、気筒同士の間で凸部32を密に設けるようにしている。このため、気筒同士の間であっても滞留が起こり難くなり、シリンダスリーブ24及びボア側壁22の熱が冷却水に効率よく伝達される。
以上により、シリンダ上部においてボア側壁22及びシリンダスリーブ24が全体にわたって効率よく冷却される。その結果、いわゆるノッキングタフネスが向上するので、ノック改善を図ることができる。
ここで、圧縮行程の後半や燃焼行程の前半でシリンダ(燃焼室)内のガス温度が特に高温となる領域よりも下方(例えば、ガスケット面14から40mmを超える下方)に凹溝30を形成していないときには、シリンダスリーブ24の下方が過度に冷却されることを回避することができる。
また、ボア側壁22とシリンダスリーブ24との間に冷却水を導入することがないので、これらボア側壁22とシリンダスリーブ24との間から冷却水が漏洩する懸念が払拭される。すなわち、ボア側壁22とシリンダスリーブ24との間のシールを確保することが可能である。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、凹溝30の深さ及び幅を、始点から終点に至るまで一定としてもよい。
また、凹溝30を、シリンダ(燃焼室)の全周にわたって形成する必要は特になく、一部に形成するようにしてもよい。
さらに、内燃機関は、気筒が並列配置される並列型に限定されるものではなく、偶数個の気筒中の1組がV字型に設けられる、いわゆるV型であってもよい。さらに、内燃機関が単気筒であってもよいことは勿論である。
10…シリンダブロック 12…シリンダボア
14…ガスケット面 16…オイルパン面
18…ウォータジャケット 20…ブロック側壁
22…ボア側壁 24…シリンダスリーブ
26…スリーブ孔 30…凹溝
32…凸部

Claims (6)

  1. ブロック側壁とボア側壁との間にウォータジャケットが形成されるシリンダブロックと、前記ボア側壁によって画成されるシリンダボア内を往復移動するピストンとを有する内燃機関において、
    前記ボア側壁の、前記ウォータジャケットを臨む側の側壁に、ガスケット面を始点として前記ピストンの往復移動方向に沿って延在する複数本の凹溝と、前記凹溝同士の間に介在する複数個の凸部とを有することを特徴とする内燃機関。
  2. 請求項1記載の内燃機関において、前記凹溝の深さが、前記ウォータジャケットの底部に向かうにつれて漸次的に小さくなることを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項1又は2記載の内燃機関において、前記凹溝の幅が、前記ウォータジャケットの底部に向かうにつれて漸次的に狭くなることを特徴とする内燃機関。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関において、隣接する前記凸部同士間のピッチをP、前記凸部の突出高さをHとするとき、P/Hが7.5〜12.5の範囲内であることを特徴とする内燃機関。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関において、前記シリンダボアが複数個形成された多気筒型であり、且つ隣接する気筒同士の間に形成された前記凸部のピッチが、他の部位に形成された前記凸部に比して小さいことを特徴とする内燃機関。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関において、前記凹溝の前記始点から終点までの距離が10〜40mmの範囲内であることを特徴とする内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113464305A (zh) * 2020-03-31 2021-10-01 本田技研工业株式会社 水套

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