JP2008231937A - シリンダブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】ウォータジャケットの内側に設けられるシリンダのシリンダヘッド側の部分での変形を抑制することが可能であり、しかも、そのシリンダの十分な冷却性を確保することが可能なオープンデッキタイプのシリンダブロックを提供する。
【解決手段】オープンデッキタイプのシリンダブロックを次のような構成とする。ウォータジャケット20には、浅底部分21と深底部分22とが設けられている。浅底部分21は、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分に設けられる一方、深底部分22は、ヘッドボルト穴17から比較的近い部分に設けられている。浅底部分21のシリンダ軸方向のクランクケース側の部分には、ブロック外壁がシリンダ中心側に向けて延びる肉抜き部18が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車用エンジン等の内燃機関に使用されるシリンダブロックの構造に関する。
自動車用エンジン等に使用されるシリンダブロックは、一般的には鋳造加工により製造されるが、最近では、高い加工精度や加工時間の短縮化を図る観点から、ダイキャスト成形により製造される場合も多くなってきている。これに加え、その軽量化等を図る観点から、アルミニウム合金製のものが普及しつつある。
また、シリンダブロックの形状として、その内部に成形される冷却水通路としてのウォータジャケットがブロック上面(シリンダヘッドとの合わせ面:デッキ面)に開放するオープンデッキタイプと、ウォータジャケットがブロック上面に開放しないクローズドデッキタイプとがあるが、このうち、オープンデッキタイプによれば鋳造加工に中子を必要としないので、特に、上述のダイキャスト製のシリンダブロックに適している。
ダイキャスト製のオープンデッキタイプのシリンダブロックの従来例として、例えば、特許文献1に示されるような技術が提案されている。シリンダヘッドを組み付けるためのヘッドボルトを締め付けるヘッドボルト穴の近傍のウォータジャケットを浅底化構造としている。この浅底化によりウォータジャケットの幅を狭くして、シリンダボアとヘッドボルト穴とを近づけることで、ヘッドボルトの締め付け力をシリンダボア周囲に伝えやすくして、シリンダボア周囲のシール性を向上させたり、ウォータジャケットの外壁と内壁(シリンダ)との剛性を向上させるようにしている。
実開昭63−141862号公報
ところで、最近では、エンジンの高出力化を図るために膨張行程時の筒内圧力を高めることが要求されている。特に、ディーゼルエンジンにあってはガソリンエンジンに比べて筒内圧力が高いので(現在、一般的には16MPa程度)、さらに筒内圧力を高めて高出力化を図ろうとすると、シリンダブロックには、より高い強度が必要になってくる。
シリンダブロックに要求される強度は、エンジンの膨張行程時の筒内圧力に耐え得るものであることが要求される。より詳しくは、筒内圧力が最大となる膨張行程初期時(例えば、ピストンの上死点位置からクランク角度で十数度だけクランク回転角が進んだ時点)の筒内圧力(燃焼圧)が作用する部分、つまり、シリンダブロックにおけるシリンダヘッド側の部分(シリンダ軸が鉛直方向に延びるエンジンにあっては上側部分)には、特に高い応力が作用するため、この部分には高い強度が必要である。
特に、上述したようなオープンデッキタイプのシリンダブロックにおいては、上記応力がウォータジャケットの内側に設けられるシリンダ(シリンダボア外壁部分)の部分に大きく作用することになるため、このシリンダのシリンダヘッド側の部分での変形を抑制するべく十分な強度を確保しておかねばならない。しかし、一方では、シリンダの冷却性も十分に確保しておく必要もある。シリンダの冷却性について言えば、シリンダのシリンダヘッド側の部分では、その反対側のクランクケース側の部分(シリンダ軸が鉛直方向に延びるエンジンにあっては下側部分)に比べて、より十分な冷却性が必要とされる。
上記特許文献1には、ヘッドボルト穴の近傍のウォータジャケットを浅底化構造として、シリンダボア周囲のシール性を向上させたり、ウォータジャケットの外壁と内壁(シリンダ)との剛性を向上させる点については言及されているものの、シリンダの冷却性については対策がなされていない。
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、ウォータジャケットの内側に設けられるシリンダ(シリンダボア外壁部分)のシリンダヘッド側の部分での変形を抑制することが可能であり、しかも、そのシリンダの十分な冷却性を確保することが可能なオープンデッキタイプのシリンダブロックを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、シリンダの周囲にウォータジャケットが形成され、このウォータジャケットがデッキ面に開放されたオープンデッキタイプのシリンダブロックであって、前記ウォータジャケットには、浅底部分と深底部分とが設けられ、前記浅底部分は、シリンダヘッドを組み付けるためのヘッドボルトを締め付けるヘッドボルト穴から比較的遠い部分に設けられる一方、前記深底部分は、前記ヘッドボルト穴から比較的近い部分に設けられ、前記浅底部分のシリンダ軸方向のクランクケース側の部分には、ブロック外壁がシリンダ中心側に向けて延びる肉抜き部が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、ウォータジャケットの浅底部分では、浅底化構造を採用しないウォータジャケットに比べて、頂面(開放面)から底面までの距離が小さくなり、シリンダの変形可能なシリンダ軸方向の長さが小さくなるので、シリンダの剛性が大きくなる。これにより、筒内圧力によるシリンダのシリンダヘッド側の部分における変形を抑制することができる。
また、ウォータジャケットの浅底部分では、冷却水の流路断面積が小さく、冷却水の流速が大きくなるので、シリンダのシリンダヘッド側の部分における冷却性を向上させることができる。これにより、シリンダのシリンダヘッド側の部分における十分な冷却性を確保することができる。そして、筒内圧力が最大となる膨張行程初期時に、シリンダのシリンダヘッド側の部分の温度上昇を抑制でき、これにともなって、シリンダのシリンダヘッド側の部分とクランクケース側の部分と温度差を低減できるようになる。つまり、シリンダ軸方向に沿う方向におけるシリンダの温度差を抑制することができ、その結果として、燃費の向上等に貢献できる。
また、肉抜き部が設けられるヘッドボルト穴から比較的遠い部分では、その肉抜き部からの放熱によって、シリンダのクランクケース側の部分の冷却が行われる。一方、ヘッドボルト穴から比較的近い部分では、ウォータジャケットの深底部分の下側部分を流れる冷却水による冷却によって、シリンダのクランクケース側の部分の冷却が行われる。これにより、シリンダのクランクケース側の部分における冷却性を確保することができる。この場合、ヘッドボルト穴から比較的遠い部分では、上記のような浅底化構造を採用していることにともなって、肉抜き部のシリンダ軸方向の幅を大きくすることが可能になるので、シリンダのクランクケース側の部分の冷却性を向上させることができる。
ここで、ヘッドボルト穴から比較的遠い部分において、浅底化構造を採用しただけで肉抜き部を設けない場合、シリンダのクランクケース側の部分が厚肉化してその熱容量が大きくなる。その結果、シリンダのクランクケース側の部分の冷却性を損なうことになる。このため、ヘッドボルト穴から比較的遠い部分において、浅底化構造を採用するだけではなく、浅底部分に対応する部分に肉抜き部も併せて設け、シリンダのクランクケース側の部分における冷却性を確保するようにしている。しかも、肉抜き部を設けることで、シリンダブロックの軽量化に貢献できる。
これに対し、ヘッドボルト穴から比較的近い部分においては、ヘッドボルトの締め付け力を確保して組み付け時のシリンダボアの変形を抑制するために、ヘッドボルト穴のボス部の肉厚をある程度は確保しなければならないので、肉抜き部のような部分を設けることは困難である。このため、この部分においてもウォータジャケットの浅底化構造を採用したのでは、シリンダのクランクケース側の部分の冷却性を損なうことになる。したがって、ヘッドボルト穴から比較的近い部分では、浅底化構造を採用せずに、ウォータジャケットの深底部分によって、シリンダのクランクケース側の部分の冷却性を確保するようにしている。
以上では、ウォータジャケットの浅底部分のシリンダ軸方向のクランクケース側の部分に、肉抜き部が設けられる構成としたが、そのような肉抜き部の代わりに、冷却水通路を設ける構成としてもよい。また、そのような肉抜き部と併せて冷却水通路を設ける構成としてもよい。ここで、冷却水通路は、例えば、ドリル加工によって形成することが可能である。
また、ウォータジャケットの浅底部分と深底部分との間には、底面が傾斜している傾斜部分を設けることが好ましい。
このように、浅底部分と深底部分との間に傾斜部分を設けることで、そのような傾斜部分を設けない場合に比べて、冷却水の流れがスムーズになるので、シリンダの冷却性をより向上できる。また、傾斜部分を設けることで、冷却水通路の加工が容易になる。例えば、ドリル加工で冷却水通路を形成する場合、傾斜部分の底面をドリル加工の加工面とするができる。
本発明によれば、オープンデッキタイプのシリンダブロックにおいて、ウォータジャケットの内側に設けられるシリンダ(シリンダボア外壁部分)のシリンダヘッド側の部分での変形を抑制することが可能であり、しかも、そのシリンダの十分な冷却性を確保することが可能になる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下では、自動車用直列4気筒ディーゼルエンジンに使用されるサイアミーズ構造のダイキャスト製シリンダブロックに本発明を適用した第1,第2実施形態についてそれぞれ説明する。
[第1実施形態]
(シリンダブロックの概略構成)
まず、第1実施形態に係るシリンダブロックの概略構成について、図1、図2を用いて説明する。
図1は、この第1実施形態に係る直列4気筒ディーゼルエンジンの各シリンダボア11a、および、その周辺部を示すシリンダブロック10の平面図(シリンダブロック10上部の端面図)であって、シリンダヘッドとの合わせ面であるデッキ面10a(シリンダブロック頂面)、シリンダ列、ウォータジャケット(冷却水通路)20の配置状態を示している。図2は、図1におけるX1−X1線に沿った断面図であり、ウォータジャケット20の浅底部分21と、その下方に位置する肉抜き部18とを示している。
なお、シリンダ軸は鉛直方向に沿って延びていることとし、シリンダブロック10のデッキ面10a側を上方とし、スカート部14側を下方として説明する。また、図1において、左端に位置する気筒を第1番気筒♯1、その右側に位置する気筒を第2番気筒♯2、そのさらに右側に位置する気筒を第3番気筒♯3、そして、右端に位置する気筒を第4番気筒♯4として説明する。また、図1における上側を吸気側とし、下側を排気側として説明する。ただし、シリンダ軸の方向や、気筒番号、吸・排気系の形態は一例であって、これに限るものではない。
この実施形態に係るシリンダブロック10は、アルミニウム合金製であって、ダイキャスト成形によって製造される。シリンダブロック10は、4つのシリンダ11,11,・・・が直列状態で配置されたシリンダ部12と、このシリンダ部12の外周側に配置されるブロック外壁部13と、シリンダ部12およびブロック外壁部13の下側に配置されるクランクケース部(スカート部)14とを備えている。
シリンダ部12は、各気筒のシリンダ11となる4つの円筒体を連続して直列に繋げた形状に形成されている。このように、シリンダブロック10は、その小型軽量化やシリンダ列方向の長さの短縮化を図るために、いわゆるサイアミーズ構造を呈している。各シリンダ11は、ピストンが摺動するシリンダボア11aの外壁部分となっている。つまり、各シリンダ11がシリンダボア11aの内面を構成している。
ブロック外壁部13は、シリンダ部12と所定の間隔をあけて対向するように形成されている。そして、シリンダ部12の外壁面と、ブロック外壁部13の内壁面とによって、ウォータジャケット20が形成されている。ウォータジャケット20は、4つのシリンダ11,11,・・・のほぼ全周囲を囲むように設けられており、これらのシリンダ11,11,・・・の外壁面である円筒面形状に沿って延びている。また、ウォータジャケット20は、シリンダヘッドの組み付け面(ヘッド載置面)であるデッキ面10aに開放されている。つまり、シリンダブロック10はオープンデッキタイプに構成されている。
ブロック外壁部13には、ウォータポンプ(図示省略)からの冷却水(冷却液)をウォータジャケット20に導入するための冷却水入口通路16がシリンダ列方向の一端側(図1における左端側)、つまり、第1番気筒♯1の近傍に形成されている。ウォータジャケット20における冷却水の主な流れとしては、冷却水入口通路16から導入された冷却水がシリンダ列方向に沿ってほぼ水平方向に流れていき、これによってシリンダブロック10の冷却を行う。具体的には、冷却水入口通路16から流入した冷却水が、シリンダ部12の一方側(図1における上側である吸気側)および他方側(図1における下側である排気側)に分流されて、それぞれが第1番気筒♯1から第4番気筒♯4に向かってほぼ水平方向に流れ(図1における矢印参照)、これによってシリンダブロック10が冷却されるようになっている。また、このシリンダブロック10を冷却した冷却水は、その後、シリンダヘッドのウォータジャケットに流入されてシリンダヘッドの冷却を行うことになる。なお、シリンダブロック10における冷却水入口通路16の位置や、ウォータジャケット20における冷却水の流通経路は一例であって、これに限るものではない。例えば、冷却水入口通路を、ブロック外壁部13の排気側の部分で第2番気筒♯2と第3番気筒♯3との間の部分に設ける構成としてもよい。
また、ブロック外壁部13の複数箇所には、シリンダヘッドガスケットおよびシリンダヘッドを一体的に組み付けるためのヘッドボルトが締め付けられるヘッドボルト穴17,17,・・・が形成されている。この実施形態では、ヘッドボルト穴17は、各シリンダ11(シリンダボア11a)ごとに4つずつ設けられている。詳細には、4つのヘッドボルト穴17,17,・・・は、各シリンダボア11aの周囲にほぼ等間隔で、言い換えれば、シリンダボア11aの中心(気筒中心)から見て90度おきに設けられている。また、隣り合う一対のシリンダボア11a,11a間に設けられる吸気側および排気側のヘッドボルト穴17,17は、その一対のシリンダボア11a,11aに共通になっている。そして、4つのシリンダボア11a,11a,・・・に対して、合計10のヘッドボルト穴17,17,・・・が設けられている。つまり、隣り合うシリンダボア11a,11a間に設けられる計6つのヘッドボルト穴17(例えば、図3のヘッドボルト穴17A)と、左右両端部に設けられる計4つのヘッドボルト穴17(例えば、図3のヘッドボルト穴17B)とが設けられている。
(第1実施形態の特徴部分)
次に、この実施形態のシリンダブロック10の特徴部分について、図1〜図3を用いて説明する。
図3は、ウォータジャケットに設けられる浅底部分と深底部分と傾斜部分とを示す図であって、図3(a)は、その一部分を示す平面図、図3(b)は、その一部分のウォータジャケットの深さの変化を示す図である。
この実施形態では、シリンダブロック10のウォータジャケット20の深さ、つまり、頂面(開放面)から底面までの距離は、一定ではなく、場所に応じて異なっており、ウォータジャケット20の一部に浅底化構造を採用している。具体的には、図3に示すように、ウォータジャケット20には、浅底部分21と深底部分22とが設けられている。また、浅底部分21と深底部分22との間の部分が傾斜部分23となっている。なお、図1では、浅底部分21と深底部分22と傾斜部分23の図示を省略している。
浅底部分21は、ウォータジャケット20の深さが浅い部分、つまり、開放面21bから底面21aまでの距離が小さい部分である。浅底部分21の底面21aは開放面21bに平行な平面になっている。ウォータジャケット20には、複数の浅底部分21,21,・・・が設けられており、これらの浅底部分21,21,・・・の深さは同一になっている。
深底部分22は、ウォータジャケット20の深さが深い部分、つまり、開放面22bから底面22aまでの距離が大きい部分である。深底部分22の底面22aは開放面22bに平行な平面になっている。ウォータジャケット20には、複数の深底部分22,22,・・・が設けられており、これらの深底部分22,22,・・・の深さは同一になっている。
傾斜部分23は、浅底部分21と深底部分22との間に設けられる部分である。傾斜部分23の底面23aは開放面23bに対し所定の角度で傾斜している平面になっている。ウォータジャケット20には、複数の傾斜部分23,23,・・・が設けられている。
そして、シリンダブロック10における浅底部分21と深底部分22と傾斜部分23の配置構成は、吸気側と排気側との間で対称的になっている。また、第1番気筒♯1と第4番気筒♯4との間で対称的になっている。また、第2番気筒♯2と第3番気筒♯3との間で対称的になっている。さらに、第2番気筒♯2では、気筒中心を通るX1−X1線に対称的になっている。また、第3番気筒♯3では、気筒中心を通り、上記X1−X1線に平行な線に対称的になっている。
ウォータジャケット20の浅底部分21および深底部分22が設けられる場所は、ヘッドボルト穴17との位置関係に応じて設定されている。具体的には、ヘッドボルト穴17から比較的近い部分(ヘッドボルト穴17の近傍の部分)に深底部分22が設けられ、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分(ヘッドボルト穴17の近傍以外の部分)に浅底部分21が設けられるようになっている。以下、隣り合うシリンダボア11a,11a間に設けられるヘッドボルト穴17(例えば、図3のヘッドボルト穴17A)の周辺の場合と、左右両端に設けられるヘッドボルト穴17(例えば、図3のヘッドボルト穴17B)の周辺の場合とに分けて説明する。
まず、シリンダブロック10の隣り合うシリンダボア11a,11a間に設けられる6つのヘッドボルト穴17,17,・・・の周辺のウォータジャケット20について説明する。ここでは、図3に示すヘッドボルト穴17Aの周辺の場合について代表して説明する。
この場合、ヘッドボルト穴17Aから最も近い部分に深底部分22および一対の傾斜部分23,23が設けられている。具体的に、平面視で、ヘッドボルト穴17Aとシリンダボア11a,11a間のサイアミーズ部(接続部分)との対向部分に深底部分22が設けられており、その対向部分の両側に、傾斜部分23,23が設けられている。
より詳細には、一方の傾斜部分23が、平面視で、一方のシリンダボア11aの中心OAから延びるヘッドボルト穴17Aへの2本の接線L11,L12に挟まれた範囲G11に設けられている。また、他方の傾斜部分23が、平面視で、他方のシリンダボア11aの中心OBから延びるヘッドボルト穴17Aへの2本の接線L13,L14に挟まれた範囲G13に設けられている。そして、これら一対の傾斜部分23,23の間に、深底部分22が設けられている。つまり、深底部分22は、平面視で、上記2本の接線L12,L13に挟まれた範囲G12に設けられている。
また、上記接線L11の外側(図3(a)では右側)および接線L14(図3(a)では左側)の外側に、つまり、上記2本の接線L11,L14で挟まれた範囲G11,G12,G13の外側に、それぞれ浅底部分21,21が設けられている。そして、各浅底部分21,21は、それぞれ他のヘッドボルト穴17,17の周辺に設けられる傾斜部分23,23との境界まで設けられている。
各傾斜部分23,23の底面23a,23aは、所定の角度(この場合、45度)で傾斜している。つまり、深底部分22の底面22aと傾斜部分23の底面23aとのなす角が135度になっている。また、浅底部分21の底面21aと傾斜部分23の底面23aとのなす角が225度(135度)になっている。この場合、各傾斜部分23,23の範囲が上述した範囲G11,G13に設定されているので、各傾斜部分23,23の底面23a,23aの傾斜角度がそれぞれ45度になるように、浅底部分21の底面21aと深底部分22の底面22aとの高低差h11を設定することが可能である。
このように、ヘッドボルト穴17Aの周辺では、深底部分22および一対の傾斜部分23,23がヘッドボルト穴17Aから比較的近い部分に設けられているのに対し、浅底部分21,21がヘッドボルト穴17Aから比較的遠い部分に設けられている。
次に、シリンダブロック10の左右両端に設けられる4つのヘッドボルト穴17,17,・・・の周辺のウォータジャケット20について説明する。ここでは、図3に示すヘッドボルト穴17Bの周辺の場合について代表して説明する。
この場合、ヘッドボルト穴17から最も近い部分に深底部分22が設けられている。具体的に、平面視で、ヘッドボルト穴17Bとシリンダボア11aの中心OBとが対向する方向において、ヘッドボルト穴17Bの対向部分に深底部分22が設けられている。
より詳細には、深底部分22が、平面視で、シリンダボア11aの中心OBから延びるヘッドボルト穴17Bへの2本の接線L21,L22に挟まれた範囲G21に設けられている。そして、深底部分22の両側に、一対の傾斜部分23,23が設けられ、一対の傾斜部分23,23のさらに両側に、浅底部分21,21が設けられている。そして、各浅底部分21,21は、他のヘッドボルト穴17,17の周辺に設けられる傾斜部分23,23との境界まで設けられている。
各傾斜部分23,23の底面23a,23aは、所定の角度(この場合、45度)で傾斜している。つまり、深底部分22の底面22aと傾斜部分23の底面23aとのなす角が135度になっている。また、浅底部分21の底面21aと傾斜部分23の底面23aとのなす角が225度(135度)になっている。この場合、上述したように、浅底部分21の底面21aと深底部分22の底面22aとの高低差がh11に設定されているので、各傾斜部分23,23の底面23a,23aの傾斜角度がそれぞれ45度になるように、傾斜部分23,23の範囲を設定することが可能である。
このように、ヘッドボルト穴17Bの周辺では、深底部分22および一対の傾斜部分23,23がヘッドボルト穴17Bから比較的近い部分に設けられているのに対し、浅底部分21,21がヘッドボルト穴17Bから比較的遠い部分に設けられている。
また、この実施形態では、図2に示すように、ウォータジャケット20の浅底部分21の下方には、ブロック外壁が内方(気筒中心側)に向けて延びる肉抜き部(鋳抜き部)18が設けられている。以下、詳しく説明する。
肉抜き部18は、ブロック外壁部13のウォータジャケット20の底壁を形成する底壁部分13aとスカート部14との間の部分であって、内方に向けて窪ませて形成された部分となっている。肉抜き部18が設けられるシリンダ11の下側部分の外側には、凹状の肉抜き空間が形成されている。なお、肉抜き空間は、ブロック外壁部13の底壁部分13aとスカート部14との間の部分を、内方に向けて窪ませて形成された凹状の空間になっている。
肉抜き部18は、シリンダブロック10のヘッドボルト穴17から比較的遠い部分に設けられている。上述したように、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分には、ウォータジャケット20の浅底部分21が設けられている。このため、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分には、浅底部分21と肉抜き部18とが設けられている。
なお、肉抜き部18を浅底部分21の下方の領域だけに設ける構成としてもよいが、浅底部分21の下方の領域だけではなく、この浅底部分21の両側の傾斜部分23,23の下方の領域にまで肉抜き部18を拡げて設ける構成としてもよい。ただし、深底部分22の下方の領域には、後述するような理由で、肉抜き部18を設けることは困難である。
このように、シリンダブロック10において、肉抜き部18は、ウォータジャケット20の浅底部分21に対応して設けられる。したがって、シリンダブロック10における肉抜き部18の配置構成は、吸気側と排気側との間で対称的になっている。また、第1番気筒♯1と第4番気筒♯4との間で対称的になっている。また、第2番気筒♯2と第3番気筒♯3との間で対称的になっている。さらに、第2番気筒♯2では、気筒中心を通るX1−X1線(図2参照)に対称的になっている。また、第3番気筒♯3では、気筒中心を通り、上記X1−X1線に平行な線に対称的になっている。
(第1実施形態の作用効果)
以上述べたような第1実施形態のシリンダブロック10によれば、次のような作用効果が得られる。
シリンダブロック10のウォータジャケット20の浅底部分21では、浅底化構造を採用しないウォータジャケットに比べて、開放面21bから底面21aまでの距離が小さくなり、シリンダ11の変形可能なシリンダ軸方向の長さが小さくなるので、シリンダ11の剛性が大きくなる。これにより、筒内圧力によるシリンダ11のシリンダヘッド側の部分(この場合、シリンダ11の上側部分)における変形を抑制することができる。
また、ウォータジャケット20の浅底部分21では、冷却水の流路断面積が小さく、冷却水の流速が大きくなるので、シリンダ11の上側部分における冷却性を向上させることができる。これにより、シリンダ11の上側部分における十分な冷却性を確保することができる。そして、筒内圧力が最大となる膨張行程初期時に、シリンダ11の上側部分の温度上昇を抑制でき、これにともなって、シリンダ11の上側部分と下側部分との温度差を低減できるようになる。つまり、シリンダ軸方向に沿う方向におけるシリンダ11の温度差を抑制することができ、その結果として、燃費の向上等に貢献できる。
また、肉抜き部18が設けられているヘッドボルト穴17から比較的遠い部分では、その肉抜き部18から肉抜き空間への放熱によって、シリンダ11のクランクケース側の部分(この場合、シリンダ11の下側部分)の冷却が行われる。一方、肉抜き部18が設けられていないヘッドボルト穴17から比較的近い部分では、ウォータジャケット20の深底部分22の下側部分を流れる冷却水による冷却によって、シリンダ11の下側部分の冷却が行われる。これにより、シリンダ11の下側部分における冷却性を確保することができる。
ここで、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分において、浅底化構造を採用しただけで肉抜き部18を設けない場合、シリンダ11の下側部分が厚肉化してその熱容量が大きくなる。その結果、シリンダ11の下側部分の冷却性を損なうことになる。このため、この実施形態では、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分において、浅底化構造を採用するだけではなく、浅底部分21に対応する部分に肉抜き部18も併せて設け、シリンダ11の下側部分における冷却性を確保するようにしている。しかも、肉抜き部18を設けることで、シリンダブロック10の軽量化に貢献できる。
この場合、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分では、浅底化構造を採用したことにともなって、肉抜き部18のシリンダ軸方向の幅(高さ)H1を、浅底化構造を採用しない場合に比べて大きくすることが可能になる。詳しくは、ブロック外壁部13の底壁部分13aの厚さを、浅底化構造を採用しない場合と同一にすれば、浅底部分21に対応する底壁部分13aが、浅底化構造を採用しない場合に比べて、上方(例えば、上記浅底部分21の底面21aと深底部分22の底面22aとの高低差h11分だけ上方)に設けられることになる。したがって、その分だけ、肉抜き部18の高さH1が大きくなる。これにより、シリンダ11の下側部分の冷却性を向上させることができる。
これに対し、ヘッドボルト穴17から比較的近い部分においては、ヘッドボルトの締め付け力を確保して組み付け時のシリンダボア11aの変形を抑制するために、ブロック外壁部13のヘッドボルト穴17のボス部の肉厚をある程度は確保しなければならないので、肉抜き部18のような部分を設けることは困難である。このため、この部分においてもウォータジャケットの浅底化構造を採用したのでは、シリンダ11の下側部分の冷却性を損なうことになる。したがって、ヘッドボルト穴17から比較的近い部分では、浅底化構造を採用せずに、ウォータジャケット20の深底部分22によって、シリンダ11の下側部分の冷却性を確保するようにしている。
また、浅底部分21と深底部分22との間に傾斜部分23を設けることで、そのような傾斜部分23を設けない場合に比べて、冷却水の流れがスムーズになるので、シリンダ11の冷却性をより向上できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。この実施形態は、ウォータジャケットの浅底部分の下方に別の冷却水通路が設けられている点で上記第1実施形態とは異なる。一方、この実施形態は、シリンダブロックの概略構成や、ウォータジャケットに浅底部分と深底部分と傾斜部分とが設けられている点では、上記第1実施形態と同様である。つまり、この実施形態においても、ウォータジャケットの一部に浅底化構造を採用している。以下、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図4は、この第2実施形態に係るシリンダブロック10’を示す図2相当図であり、ウォータジャケット20’の浅底部分21と、その下方に位置する冷却水通路24と、さらにその下方に位置する肉抜き部18’とを示している。図5は、ウォータジャケット20’に設けられる浅底部分21と深底部分22と傾斜部分23と冷却水通路24とを示す図であって、図5(a)は、その一部分を抜き出して示す平面図、図5(b)は、その一部分のウォータジャケット20’の深さ(開放面から底面までの距離)の変化を示す図である。
この実施形態では、図4、図5に示すように、シリンダブロック10’のウォータジャケット20’の浅底部分21の下方には、別の冷却水通路24が設けられている。シリンダブロック10’には、複数の冷却水通路24,24,・・・が4つのシリンダ11,11,・・・(シリンダ部12)の周囲に設けられている。各冷却水通路24は、シリンダブロック10’のブロック外壁部13のウォータジャケット20’の底壁を形成する底壁部分13a’に形成された断面円形の孔部分であり、ウォータジャケット20’の幅に比べ小径に形成されている。
具体的には、冷却水通路24は、浅底部分21の両側の傾斜部分23,23からこの浅底部分21側に向けてそれぞれ直線的に延びる孔部24a,24bによって構成される。孔部24a,24bは、例えば、ドリル等による孔加工によって形成される。
ここで、断面視では、冷却水通路24の孔部24a,24bは、傾斜部分23,23の底面23a,23aに対し所定の方向(この場合、直交する方向)に延びている。つまり、孔部24a,24bのデッキ面10aに対する傾斜角度が45度になっている。そして、孔部24a,24bの端部同士が浅底部分21の下方で互いに接続されている(つながっている)。つまり、孔部24a,24b同士は、所定の角度(この場合、90度)で折れ曲がった状態で接続されている。
また、平面視では、冷却水通路24の孔部24a,24bは、ウォータジャケット20’の領域に重なり合って設けられている。孔部24a,24bは、ウォータジャケット20’のブロック外壁部13寄りの部分ではなく、シリンダ11寄りの部分に設けられている。そして、孔部24a,24b同士は、所定の角度で折れ曲がった状態で接続されている。
また、この実施形態では、図4に示すように、ウォータジャケット20’の浅底部分21の下方には、ブロック外壁が内方(気筒中心側)に向けて延びる肉抜き部(鋳抜き部)18’が設けられている。肉抜き部18’は、上記第1実施形態の肉抜き部18(図2参照)とほぼ同様の構成であって、ブロック外壁部13のウォータジャケット20’の底壁を形成する底壁部分13a’とスカート部14との間の部分であって、内方に向けて窪ませて形成された部分となっている。肉抜き部18’が設けられるシリンダ11の下側部分の外側には、凹状の肉抜き空間が形成されている。ただし、上述のような冷却水通路24を設けたことにともなって、ブロック外壁部13の底壁部分13a’が厚くなるため、肉抜き部18’のシリンダ軸方向の幅(高さ)H2が、上記第1実施形態の肉抜き部18の高さH1に比べて小さくなっている。
冷却水通路24および肉抜き部18’は、シリンダブロック10’のヘッドボルト穴17から比較的遠い部分に設けられている。このヘッドボルト穴17から比較的遠い部分には、ウォータジャケット20’の浅底部分21が設けられている。このため、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分には、浅底部分21と冷却水通路24および肉抜き部18’とが設けられている。
このように、シリンダブロック10’において、冷却水通路24および肉抜き部18’は、ウォータジャケット20’の浅底部分21に対応して設けられる。したがって、シリンダブロック10’における冷却水通路24および肉抜き部18’の配置構成は、吸気側と排気側との間で対称的になっている。また、第1番気筒♯1と第4番気筒♯4との間で対称的になっている。また、第2番気筒♯2と第3番気筒♯3との間で対称的になっている。さらに、第2番気筒♯2では、気筒中心を通るX1−X1線(図2参照)に対称的になっている。また、第3番気筒♯3では、気筒中心を通り、上記X1−X1線に平行な線に対称的になっている。
以上述べたような第2実施形態のシリンダブロック10’によれば、上記第1実施形態のシリンダブロック10とほぼ同様の作用効果が得られる。
詳細には、シリンダブロック10’のウォータジャケット20’の浅底部分21では、浅底化構造を採用しないウォータジャケットに比べて、開放面21bから底面21aまでの距離が小さくなり、シリンダ11の変形可能なシリンダ軸方向の長さが小さくなるので、シリンダ11の剛性が大きくなる。これにより、筒内圧力によるシリンダ11のシリンダヘッド側の部分(この場合、シリンダ11の上側部分)における変形を抑制することができる。
また、ウォータジャケット20’の浅底部分21では、冷却水の流速が大きくなるので、シリンダ11の上側部分における冷却性を向上させることができる。これにより、シリンダ11の上側部分における十分な冷却性を確保することができる。そして、筒内圧力が最大となる膨張行程初期時に、シリンダ11の上側部分の温度上昇を抑制でき、これにともなって、シリンダ11の上側部分と下側部分との温度差を低減できるようになる。つまり、シリンダ軸方向に沿う方向におけるシリンダ11の温度差を抑制することができ、その結果として、燃費の向上等に貢献できる。
また、冷却水通路24および肉抜き部18’が設けられているヘッドボルト穴17から比較的遠い部分では、冷却水通路24を流れる冷却水による冷却および肉抜き部18’から肉抜き空間への放熱によって、シリンダ11のクランクケース側の部分(この場合、シリンダ11の下側部分)の冷却が行われる。一方、冷却水通路24および肉抜き部18’が設けられていないヘッドボルト穴17から比較的近い部分では、ウォータジャケット20’の深底部分22の下側部分を流れる冷却水による冷却によって、シリンダ11の下側部分の冷却が行われる。これにより、シリンダ11の下側部分における冷却性を確保することができる。
ここで、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分において、浅底化構造を採用しただけで冷却水通路24および肉抜き部18’を設けない場合、シリンダ11の下側部分が厚肉化してその熱容量が大きくなる。その結果、シリンダ11の下側部分の冷却性を損なうことになる。このため、この実施形態では、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分において、浅底化構造を採用するだけではなく、浅底部分21に対応する部分に冷却水通路24および肉抜き部18’も併せて設け、シリンダ11の下側部分における冷却性を確保するようにしている。しかも、肉抜き部18’を設けることで、シリンダブロック10の軽量化に貢献できる。この場合、ヘッドボルト穴17から比較的遠い部分では、肉抜き部18’の高さH2が、上記第1実施形態の肉抜き部18の高さH1に比べて小さくなっている分、肉抜き空間への放熱性では上記第1実施形態に比べて低くなる。そこで、冷却水通路24を別途設けてシリンダ11の下側部分を積極的に冷却することで、シリンダ11の下側部分の冷却性を向上させるようにしている。
これに対し、ヘッドボルト穴17から比較的近い部分においては、ヘッドボルトの締め付け力を確保して組み付け時のシリンダボア11aの変形を抑制するために、ブロック外壁部13のヘッドボルト穴17のボス部の肉厚をある程度は確保しなければならないので、冷却水通路や肉抜き部のような部分を設けることは困難である。このため、この部分においてもウォータジャケットの浅底化構造を採用したのでは、シリンダ11の下側部分の冷却性を損なうことになる。したがって、ヘッドボルト穴17から比較的近い部分では、浅底化構造を採用せずに、ウォータジャケット20’の深底部分22によって、シリンダ11の下側部分の冷却性を確保するようにしている。
また、浅底部分21と深底部分22との間に傾斜部分23を設けることで、そのような傾斜部分23を設けない場合に比べて、冷却水の流れがスムーズになるので、シリンダ11の冷却性をより向上できる。また、傾斜部分23を設けることで、底壁部分13a’への冷却水通路24の加工が容易になる。例えば、ドリル加工で、冷却水通路24を形成する場合、冷却水通路24の孔部24a,24b同士を浅底部分21の下方でつなぐ必要があるが、この場合、浅底部分21の底面21aに比べて、傾斜部分23の底面23aに対しては、冷却水通路24の孔部24a,24bのドリル加工を容易に行うことができる。つまり、傾斜部分23の底面23aをドリル加工の加工面とすることで、孔部24a,24b同士をつなぐようなドリル加工を容易に行うことができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態は一例であり、さまざまに変形することが可能である。その一例を以下に挙げる。
(1)本発明の適用対象として挙げた自動車用直列4気筒ディーゼルエンジンに使用されるサイアミーズ構造のシリンダブロックは一例であって、本発明は、これに限らず、ガソリンエンジンのシリンダブロックにも適用可能である。また、本発明は、サイアミーズ構造ではないシリンダブロックに対しても適用可能である。さらに、本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンのシリンダブロックにも適用可能である。また、気筒数や、エンジン形式(直列型やV型や水平対向型等の別)についても特に限定されるものではない。
(2)ダイキャスト製のシリンダブロックとして、鋳鉄製のライナを一体的に鋳込んで製造するシリンダブロックを採用する構成であってもよい。このように、鋳鉄製のライナを用いることで、ピストンが摺接するシリンダボア内面の機械的強度、耐摩耗性、耐熱性等を確保することが容易になる。
(3)上記第1,2実施形態では、傾斜部分を浅底部分と深底部分との間に設ける構成としたが、このような傾斜部分を設けない構成としてもよい。また、傾斜部分の底面の傾斜角度は、45度以外であってもよい。さらに、傾斜部分の底面の形状は、平面以外であってもよい。ただし、上述したように、冷却水の流れをスムーズにする点からすれば、浅底部分と深底部分との間に傾斜部分を設けることが好ましく、また、冷却水通路のドリル加工を容易とする点からすれば、傾斜部分の底面を平面にすることが好ましい。
(4)上記第2実施形態では、冷却水通路および肉抜き部を設けた構成としたが、冷却水通路だけによってシリンダの下側部分の冷却性を確保可能であれば、肉抜き部を設けない構成としてもよい。また、冷却水通路の形状、冷却水通路の孔部の断面形状や大きさ(孔径)、冷却水通路の孔部のデッキ面に対する傾斜角度、冷却水通路の孔部同士が接続される角度等は上述した場合だけに限定されない。
第1実施形態に係るシリンダブロックを示す平面図である。 図1におけるX1−X1線に沿った断面図である。 図1のシリンダヘッドのウォータジャケットに設けられる浅底部分と深底部分を示す図である。 第2実施形態に係るシリンダブロックを示す図2相当図である。 図4のシリンダヘッドのウォータジャケットに設けられる浅底部分と深底部分と冷却水通路とを示す図3相当図である。
符号の説明
10 シリンダブロック
10a デッキ面
11 シリンダライナ
11a シリンダボア
12 シリンダライナ部
13 ブロック外壁部
13a 底壁部分
17 ヘッドボルト穴
18 肉抜き部
20 ウォータジャケット
21 浅底部分
21a 底面
22 深底部分
22a 底面
23 傾斜部分
23a 底面

Claims (5)

  1. シリンダの周囲にウォータジャケットが形成され、このウォータジャケットがデッキ面に開放されたオープンデッキタイプのシリンダブロックにおいて、
    前記ウォータジャケットには、浅底部分と深底部分とが設けられ、
    前記浅底部分は、シリンダヘッドを組み付けるためのヘッドボルトを締め付けるヘッドボルト穴から比較的遠い部分に設けられる一方、前記深底部分は、前記ヘッドボルト穴から比較的近い部分に設けられ、
    前記浅底部分のシリンダ軸方向のクランクケース側の部分には、ブロック外壁がシリンダ中心側に向けて延びる肉抜き部が設けられていることを特徴とするシリンダブロック。
  2. シリンダの周囲にウォータジャケットが形成され、このウォータジャケットがデッキ面に開放されたオープンデッキタイプのシリンダブロックにおいて、
    前記ウォータジャケットには、浅底部分と深底部分とが設けられ、
    前記浅底部分は、シリンダヘッドを組み付けるためのヘッドボルトを締め付けるヘッドボルト穴から比較的遠い部分に設けられる一方、前記深底部分は、前記ヘッドボルト穴から比較的近い部分に設けられ、
    前記浅底部分のシリンダ軸方向のクランクケース側の部分には、冷却水通路が設けられていることを特徴とするシリンダブロック。
  3. シリンダの周囲にウォータジャケットが形成され、このウォータジャケットがデッキ面に開放されたオープンデッキタイプのシリンダブロックにおいて、
    前記ウォータジャケットには、浅底部分と深底部分とが設けられ、
    前記浅底部分は、シリンダヘッドを組み付けるためのヘッドボルトを締め付けるヘッドボルト穴から比較的遠い部分に設けられる一方、前記深底部分は、前記ヘッドボルト穴から比較的近い部分に設けられ、
    前記浅底部分のシリンダ軸方向のクランクケース側の部分には、冷却水通路と、ブロック外壁がシリンダ中心側に向けて延びる肉抜き部とが設けられていることを特徴とするシリンダブロック。
  4. 前記冷却水通路がドリル加工によって形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のシリンダブロック。
  5. 前記浅底部分と深底部分との間には、底面が傾斜している傾斜部分が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシリンダブロック。
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