JP2018024565A - 単結晶製造装置および単結晶製造方法 - Google Patents

単結晶製造装置および単結晶製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギーロスを抑制する技術を提案する。【解決手段】赤外線発生手段41と反射手段42とを備えた加熱部4により形成された溶融帯域Mlを冷却することにより単結晶を製造する単結晶製造装置1において、反射手段42は、回転楕円鏡421aと凹面球面鏡421bとを備え、回転楕円鏡421aにおいて、一方の焦点F1には赤外線発生手段41を配し、もう一方の焦点F0の側を開口させ、かつ、一方の焦点F1を凹面球面鏡421bの球の中心と同一の位置とした、単結晶製造装置1およびその関連技術を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、単結晶製造装置および単結晶製造方法に関する。
従来、単結晶製造方法としては、例えば、回転楕円鏡を利用した赤外線による加熱を用
いた溶融帯域法(フローティングゾーン法)が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載の構成は、以下の通りである。まず、天地方向の天の方向(以降、上
方とも言う。)にペレット状の原料を配置し、天地方向の地の方向(以降、下方とも言う
。)に棒状の種結晶を配置し、その上で、原料と種結晶とを近接させる。この近接する部
分が回転楕円鏡の一方の焦点となるように各部の配置を行う。そして、赤外線の直接照射
と回転楕円鏡による反射光によって上方の原料を溶融することにより溶融帯域を形成する
。この溶融帯域は、種結晶と接触する下方側から結晶成長(固体化、単結晶化)し、原料
および種結晶を共に引き下げることにより連続的に溶融帯域から結晶を成長させることが
できる。
このとき、原料と種結晶との近接部分に対して斜め上から赤外線を照射可能な配置を採
用しておく。それと共に、溶融帯域に対する冷却具合調節部として、原料を水平方向に包
囲する遮蔽筒も配置しておく。
これらの構成により、斜め上の方向から照射される赤外線が遮蔽され、溶融帯域Mlの
内部に陰の部分(特許文献1の図2中斜線部)が形成される。この陰の部分により、当該
溶融帯域Mlを内部からマイルドかつ迅速に冷却し、小口径から大口径に至るまでの結晶
成長における溶融帯域の安定制御を可能とし、産業用途に適した大口径かつ長尺な高品質
単結晶を製造可能としている(特許文献1の[0023][0025]等)。
特開2015−081218号公報
特許文献1について本発明者が鋭意検討したところ、以下の改良すべき点が判明した。
特許文献1の図2(a)が示す単結晶製造装置の構成だと、遮蔽筒を用いることによっ
て当然のことながら赤外線が幾ばくかは遮蔽される。そのため、遮蔽筒を用いない場合に
比べ、原料と種結晶との近接部分に対する赤外線のエネルギーロスが多くなってしまうこ
とは否定できない。また、特許文献1に限った話ではないが、そもそも回転楕円鏡は開口
しており、回転楕円鏡の焦点(集光部分)から外れて開口から出射した赤外線はそのまま
エネルギーロスとなってしまう。そうなると、上記の各エネルギーロスを抑制するための
何らかの手当てを行うのが望ましい。
本発明の課題は、エネルギーロスを抑制する技術を提案することである。
上記の課題を解決すべく、本発明者は鋭意検討を行った。その結果、以下の本発明の態
様すなわち回転楕円鏡に対して凹面球面鏡を設けることにより、仮に、特許文献1に記載
の遮蔽筒を採用したとしても、「エネルギーロスの抑制」を解決することができるという
知見を得た。
以上の知見に基づいて成された本発明の態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
赤外線発生手段により発生した赤外線を反射手段にて原料へと反射させて原料を加熱し
て形成された溶融帯域を冷却することにより単結晶を製造する単結晶製造装置において、
前記反射手段は、回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
前記回転楕円鏡において、一方の焦点F1には前記赤外線発生手段を配し、もう一方の
焦点F0の側を開口させ、かつ、前記一方の焦点F1を前記凹面球面鏡の球の中心と同一
の位置とした、単結晶製造装置である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記回転楕円鏡の前記もう一方の焦点F0は、前記赤外線発生手段が配された焦点F1
から見て天地方向の地の方向に存在する。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、
前記赤外線発生手段と前記反射手段との組を複数有し、前記もう一方の焦点を、各前記
反射手段における前記回転楕円鏡の共通の焦点とする。
本発明の第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に記載の発明において、
天地方向の天の位置に配置された原料把持部と、天地方向の地の位置に配置された種結
晶把持部と、を備える。
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の発明において、
前記凹面球面鏡は、前記回転楕円鏡の開口における天地方向の地の側に対向して配置さ
れる。
本発明の第6の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に記載の発明において、
天地方向の地の位置に配置された原料把持部と、天地方向の天の位置に配置された種結
晶把持部と、を備える。
本発明の第7の態様は、第1〜第6のいずれかの態様に記載の発明において、
前記凹面球面鏡は、前記回転楕円鏡の開口に対する位置および開口を覆う範囲のうち少
なくともいずれかを変更自在である。
本発明の第8の態様は、第7の態様に記載の発明において、
前記凹面球面鏡は、前記回転楕円鏡内へと赤外線を反射する際に、前記凹面球面鏡の球
の中心の位置を、前記一方の焦点F1と同一の位置の状態からずらすことを可能とする構
成を有する。
本発明の第9の態様は、
赤外線発生手段と反射手段とを備えた加熱部により形成された溶融帯域を冷却すること
により単結晶を製造する単結晶製造方法において、
前記反射手段は、回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
前記回転楕円鏡において、一方の焦点F1には前記赤外線発生手段を配し、もう一方の
焦点F0の側を開口させ、かつ、前記一方の焦点F1を前記凹面球面鏡の球の中心と同一
の位置とする、単結晶製造方法である。
また、別の態様としては以下のものがあげられる。
前記凹面球面鏡は可動である。
2つの焦点を結ぶ直線を遮らないように前記凹面球面鏡(好ましくはその中心)に穴が
設けられている。
光源と反射手段とを備えた加熱部を備えた単結晶製造装置において、
前記反射手段は、回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
前記回転楕円鏡において、一方の焦点F1には前記光源を配し、もう一方の焦点F0の
側を開口させ、かつ、前記一方の焦点F1を前記凹面球面鏡の球の中心と同一の位置とし
た、単結晶製造装置(または製造方法)である。
光源と反射手段とを備えた加熱部を備えた熱処理装置において、
前記反射手段は、回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
前記回転楕円鏡において、一方の焦点F1には前記光源を配し、もう一方の焦点F0の
側を開口させ、かつ、前記一方の焦点F1を前記凹面球面鏡の球の中心と同一の位置とし
た、熱処理装置(または熱処理方法)である。
凹面鏡である回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
前記回転楕円鏡の2つの焦点のうち前記回転楕円鏡の凹面の底に近い方の焦点を前記凹
面球面鏡の球の中心と同一の位置とした、反射手段(反射鏡)である。
赤外線発生手段と反射手段とを備えた加熱部により形成された溶融帯域を冷却すること
により単結晶を製造する単結晶製造装置において、
前記反射手段は、
回転楕円鏡と、
前記回転楕円鏡に対向して配される対面鏡と、
を備え、
前記対面鏡は、前記回転楕円鏡の2つの焦点間において前記回転楕円鏡の開口の少なく
とも一部に被さる一方で、2つの焦点を結ぶ直線を遮らないように配された、単結晶製造
装置(または製造方法)である。
赤外線発生手段により発生した赤外線を反射手段にて原料へと反射させて原料を加熱し
て形成された溶融帯域を冷却することにより単結晶を製造する単結晶製造装置において、
前記反射手段は、回転楕円鏡と赤外線遮蔽部材とを備え、
前記赤外線遮蔽部材は、前記回転楕円鏡の2つの焦点間において前記回転楕円鏡の開口
の少なくとも一部に被さる一方で、2つの焦点を結ぶ直線を遮らないように配された、単
結晶製造装置(または製造方法)である。
本発明によれば、エネルギーロスを抑制可能となる。
本実施形態における単結晶製造装置の概略断面図である。 本実施形態における反射手段の概略図であり、(a)は平面図であり、(b)はA−A’の断面図である。 本実施形態において、回転楕円鏡および凹面球面鏡に着目した、単結晶製造装置の概略断面図である。 変形例において、回転楕円鏡および凹面球面鏡に着目した、単結晶製造装置の概略断面図である。 変形例における反射手段の概略図であり、(a)は平面図であり、(b)はA−A’の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、次の順序で説明を行う。
1.単結晶製造装置
1−A)単結晶製造装置の概要
1−B)原料把持部
1−C)種結晶把持部
1−D)加熱部
1−E)遮蔽筒
2.単結晶製造方法
2−A)準備工程
2−B)加熱工程
2−C)単結晶成長工程
3.実施の形態による効果
4.変形例等
なお、以下に記載が無い内容については、溶融帯域法による単結晶製造装置およびその
方法に関する技術における公知の構成(例えば本出願人による特開2015−08121
7号公報や特開2015−081218号公報(特許文献1)、特許第5926432号
に記載の構成)を適宜採用しても構わない。
本実施形態では主に特開2015−081218号公報に記載の構成(例えば種結晶を
地の方向に配置し、原料を天の方向に配置したもの)を採用する例を挙げる。そのため、
以下に記載が無い内容については、特開2015−081218号公報の内容が記載され
ているものとする。
また、特開2015−081217号公報に記載の構成(例えば種結晶を天の方向に配
置し、原料を地の方向に配置)を採用する例については<4.変形例等>で挙げる。
また、本明細書においては「〜」は所定の値以上かつ所定の値以下を指す。
<1.単結晶製造装置>
1−A)単結晶製造装置の概要
本実施形態における単結晶製造装置1の基本的構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態における単結晶製造装置1の概略断面図である。
本実施形態における単結晶製造装置1は、主に、以下の構成を有する。先に述べておく
が、本実施形態における大きな特徴は以下の加熱部4にある。
・天地方向に移動自在かつ天地方向を中心軸として回転自在であって天地方向の天の側(
上方)に配された原料把持部2
・天地方向に移動自在かつ天地方向を中心軸として回転自在であって天地方向の地の側(
下方)に配された種結晶把持部3
・赤外線の照射によって、原料把持部2に把持された原料Mを加熱して原料Mを溶融させ
る加熱部4
・原料把持部2にて把持される原料Mにおける少なくとも一部を水平方向に包囲自在であ
って天地方向に移動自在な赤外線の遮蔽筒51
なお、単結晶を成長させる結晶成長炉は石英炉心管11で密閉されており、下部シャフ
トフランジ12、上部シャフトフランジ13とともに炉内の成長雰囲気を外界から隔離し
ている。炉内には雰囲気導入口14から適切な組成の雰囲気を導入し、雰囲気排出口15
から排出し、炉内の雰囲気成分ならびに圧力を適切に保つことができる。
また、本実施形態において、特開2015−081218号公報と大きく異なるのは「
加熱部4」であり、具体的に言うと回転楕円鏡に対して凹面球面鏡を別途設けたことにあ
る。それ以外の構成については該公報に記載の内容の通りであるため、適宜記載を省略す
る。
以下、上記で列挙した各構成について主に説明する。なお、以降においては、発明を理
解しやすくするために、単結晶製造装置1の各部または各手段を具体化したものについて
述べる。もちろん、本発明は各部または各手段を具体化したものに限定されることはない
1−B)原料把持部
本実施形態における原料把持部2は、種結晶把持部3と対向して上方に配され、固体の
原料Mを把持自在な構成を有する。本実施形態においては、原料Mとして、ペレット状の
原料Mを用いる。これに伴い、原料把持部2が、ペレット状の原料Mと係合自在な形状を
有するようにする。詳しく言うと、本実施形態の原料把持部2は、原料Mを把持する「原
料ホルダー21」と原料ホルダー21の回転軸および上下移動軸となる「上部シャフト2
2」とで構成されている。
また、原料把持部2は、天地方向に移動自在かつ天地方向を中心軸として回転自在な構
成を有している。本実施形態においては、上部シャフト22が中心軸となる。なお、原料
把持部2を駆動する駆動源の図示は省略する。
1−C)種結晶把持部
本実施形態における種結晶把持部3は、原料把持部2と対向して下方に配され、種結晶
Sを把持自在な構成を有し、例えば種結晶ホルダー31と下部シャフト32とを有する。
なお、種結晶把持部3は、公知の構成を採用しても構わない。
なお、種結晶把持部3も、天地方向に移動自在かつ天地方向を中心軸として回転自在な
構成を有している。なお、種結晶把持部3を駆動する駆動源の図示は省略する。
1−D)加熱部4
本実施形態における加熱部4は大きな特徴の一つである。本実施形態における加熱部4
は4つの赤外線発生手段411,412,413,414(以降、まとめて符号41を付
すこともある。)を四方に有し、原料把持部2に把持された原料Mを加熱して原料Mを溶
融させる機能を有する。このとき、単結晶製造装置1を平面視したときに赤外線発生手段
411と412が相対し、赤外線発生手段413と414が相対するように配置する。
また、本実施形態における加熱部4は、赤外線発生手段41の他に、赤外線を原料Mへ
と反射して照射効率を向上させるための反射手段421,422,423,424(以降
、まとめて符号42を付すこともある。)も有している。
そして、この反射手段42の各々は、内面を鏡面とした回転楕円鏡421a,422a
,423a,424a(以降、代表して符号421aを付す、または符号を省略する。)
と、回転楕円鏡421aの開口Oに対向して配される凹面球面鏡421b,422b,4
23b,424b(以降、代表して符号421bを付す、または符号を省略する。また、
単に球面鏡とも称する。)とを有している。
ここで、回転楕円鏡421aは凹面鏡であり、公知のものを用いても差し支えない。図
1等に示すように、回転楕円鏡421aにおいては、一方の焦点F1には赤外線発生手段
41を配し、もう一方の焦点F0の側を開口させている。このとき、回転楕円鏡421a
の2つの焦点のうち回転楕円鏡421aの凹面の底に近い方の焦点をF1、遠い方の焦点
(すなわち溶融帯域Mlが位置する部分)をF0としており、焦点F1には赤外線発生手
段41を設ける。
図1においては、赤外線発生手段41のうち赤外線発生手段411,412のみを図示
し、反射手段42のうち反射手段421,422のみを図示する。図1に示すように、ま
ず、反射手段42のうち回転楕円鏡421a,422aは、共通の焦点F0を有している
。それに加え、もう一方の焦点として、回転楕円鏡421aは焦点F1を、焦点F0の上
方に有している。同様に、回転楕円鏡422aは焦点F2を、焦点F0の上方に有してい
る。
ここで球面鏡421bについて、図1および図2を用いて説明する。なお、図2は、本
実施形態における反射手段421の概略図であり、(a)は平面図であり、(b)はA−
A’の断面図である。
本実施形態においては、図1に示すように、反射手段42のうち球面鏡421bにおい
ては、回転楕円鏡421aの一つの焦点F1と球面鏡421bの球の中心とが同一の位置
である。同様に、球面鏡422bにおいては、回転楕円鏡422aの一つの焦点F2と球
面鏡422bの球の中心とが同一の位置である。ここでいう同一の位置とは、両位置が完
全に一致する場合はもちろん含むが、2〜3mm程度のずれならば実質的に問題は無い。
なお、本実施形態における球面鏡は、図2(a)(b)に示すように、真球の一部を切
り取った形状の鏡面を有する凹面鏡である。他の422b,423b,424bについて
も同様とする。
回転楕円鏡421aに対してこのように球面鏡421bを配置することにより、図3の
黒矢印が示すように、本来だったら回転楕円鏡421aにて反射した赤外線が開口Oから
出射し、原料Mと種結晶Sとの近接部分(焦点F0)に照射されることなく漏れてしまっ
ていたところ、反射した赤外線を球面鏡421bによって再び回転楕円鏡421a内(す
なわち開口Oと回転楕円鏡421aとで囲まれる領域であって焦点F1が存在する領域)
へと戻すことができる。しかも、回転楕円鏡421aの一つの焦点F1と球面鏡421b
の球の中心とが同一の位置であることから、最終的にもう一つの焦点F0へと効率よく赤
外線を反射させることが可能となる。つまり、エネルギーロスを抑制することが可能とな
る。
さらに、球面鏡421bは赤外線を反射する役割のみならず、本実施形態においては、
溶融帯域Mlの種結晶側をスムーズに冷却することが可能となる。なぜなら、球面鏡42
1bにより、溶融帯域Mlの種結晶側へと赤外線が照射されるのを防ぐことができるため
である。
もちろん、回転楕円鏡421aと球面鏡421bとの間での配置関係を上記のようにす
るのみならず、回転楕円鏡422aと球面鏡422b、回転楕円鏡423aと球面鏡42
3b、回転楕円鏡424aと球面鏡424bについても同様の配置関係とする。
図1に示すように、焦点F1およびF2にはそれぞれ赤外線発生手段411,412が
配置されている。赤外線加熱発生手段そのものは、公知の構成を採用しても構わない。例
えば、ハロゲンランプもしくはキセノンアークランプあるいはその併用で構わない。回転
楕円鏡421a,422aの共通の焦点F0が被加熱部分となり、この被加熱部分に、溶
融した原料Mと種結晶Sとが接触することにより形成される溶融帯域Mlを配置するよう
な構成を採用する。そして、溶融帯域Mlが被加熱部分からずれるように、原料把持部2
と種結晶把持部3とを互いに離間させることにより溶融帯域Mlを冷却させ、単結晶を成
長させる。
また、本実施形態における特徴の一つに、赤外線発生手段41を、溶融帯域Mlよりも
天地方向の天の位置(上方)に配置していることがある。別の言い方をすると、各回転楕
円鏡の共通の焦点F0よりも、各赤外線発生手段41が上方に配置されるように赤外線発
生手段41および反射手段42を構成することにより、以下の効果を奏する。
まず、原料Mの下端と種結晶Sとを接触させ、赤外線を用いた加熱により溶融帯域Ml
を形成する。この際、種結晶Sも溶融している。その後、原料Mと種結晶Sと間の距離を
広げつつ、溶融帯域Mlを赤外線の集光部分(F0)からずらすことにより、これを冷却
する。ただ、上方に原料把持部2を配置する関係上、溶融帯域Mlから単結晶へと成長す
る部分(以降、「成長部分Mc」と言う。また、単結晶のことをMcと言う場合もある。
)が下方に移動するように、原料把持部2および種結晶把持部3を相対移動させる。
ここで、図1に示すように、赤外線発生手段41を溶融帯域Mlよりも上方に配置する
と、成長部分Mcが上方に移動したとしても、赤外線発生手段41が同じく上方にあるた
め、成長部分Mcはある程度加熱され続ける。そのため、単結晶の成長において温度勾配
が緩くなる。その結果、原料Mにおける溶融帯域Mlを適切に維持できる。ひいては、良
質な単結晶を製造することが可能となる。
ちなみに、赤外線発生手段41の具体的な配置としては、原料Mの溶融帯域Mlの水平
方向から見て10度〜20度上方の位置に赤外線発生手段41を配置するのが好ましい。
10度以上ならば、溶融帯域Mlが上方に移動しつつ単結晶が成長する際に、溶融帯域
Mlをある程度加熱し続けることが可能となり、温度勾配が緩くなる。その結果、結晶界
面および小傾角粒界の発生が抑制され、結晶性が向上する。
20度以下ならば、溶融帯域Mlに対して適度に赤外線を集中することが可能となり、
溶融帯域Mlを適切に形成および制御することが可能となる。
1−E)遮蔽筒
本実施形態においては、更に好適な構成として、原料把持部2に対して相対的に、天地
方向へと移動可能な遮蔽筒51を設けている。遮蔽筒51により、原料Mの所定の部分に
対してのみ赤外線を照射することが可能となる。遮蔽筒51の具体的な構成としては、特
許文献1(特開2015−081218号公報)に記載の通りである。
以上、本実施形態における単結晶製造装置1について説明したが、もちろん、上記以外
の構成であっても、単結晶製造装置1という用途に応じて適宜採用しても構わない。
<2.単結晶製造方法>
次に、本実施形態における単結晶製造装置1の操作手順について説明する。なお、以下
の工程の内容は、<1.単結晶製造装置>にて説明した内容と重複する部分もある。その
ため、以下に記載が無い内容については、<1.単結晶製造装置>にて説明した通りであ
る。また、以下に記載が無い内容については、公知の構成(例えば本出願人による特開2
015−081218号公報に記載の構成)を適宜採用しても構わない。
2−A)準備工程
まず、図1に示すように、単結晶製造装置1に必要な各構成を、<1.単結晶製造装置
>にて説明したように配置する。
2−B)加熱工程
次に、本工程においては、原料Mと種結晶Sとの近接部分から見て斜め上方から、赤外
線発生手段41により発生させた赤外線を、原料Mに対して直接、および、反射手段42
により反射した上で原料Mに照射する。そうして、種結晶Sと対向する部分であってペレ
ット状の原料Mの下端を溶融する。その溶融部分に、多少溶融した種結晶Sを接触させる
ことで溶融帯域Mlが形成される。
このとき、加熱部4(特に反射手段42であるところの回転楕円鏡421a,422a
,423a,424a、そして各々の回転楕円鏡に対する球面鏡421b,422b,4
23b,424b)を上記のように構成していることから、エネルギーロスを抑制しつつ
も溶融帯域の種結晶側をスムーズに冷却することが可能となる。
2−C)単結晶成長工程
本工程では、溶融帯域Mlから単結晶を成長させる。原料Mおよび種結晶Sを共に引き
下げることにより、また、上記の各球面鏡のおかげで、溶融帯域Mlにおける成長部分M
cがスムーズに冷却され、大口径の単結晶が形成可能である。そして、所定の量の単結晶
が形成されれば、適宜必要な作業を行いつつ、単結晶の製造を終了する。
<3.実施の形態による効果>
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
まず、回転楕円鏡421aに対して上記のように球面鏡421bを配置することにより
、反射した赤外線を球面鏡421bによって再び回転楕円鏡421aへと戻すことができ
る。しかも、回転楕円鏡421aの一つの焦点F1と球面鏡421bの球の中心とを同一
の位置とすることから、最終的にもう一つの焦点F0へと効率よく赤外線を反射させるこ
とが可能となる。つまり、エネルギーロスを抑制することが可能となる。
なお、本発明者が確認したところによれば、このエネルギーロスを抑制した結果、場合
によっては回転楕円鏡421aと溶融帯域Mlとの間にライトガイド等を備えずとも、レ
ーザー光並みの照射量を実現可能となる。
さらに、球面鏡421bにより、溶融帯域Mlの種結晶側へと赤外線が過度に照射され
るのを防ぐことができる。その結果、溶融帯域Mlの種結晶側をスムーズに冷却すること
が可能となる。
<4.変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件
やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や
改良を加えた形態も含む。
(単結晶の種類)
本発明の技術的思想は、単結晶の種類に限定されない。溶融帯域Mlを冷却して製造さ
れる単結晶ならば本発明の技術的思想を適用可能である。例えば、上記で挙げたように、
融点の著しく異なる物質を含む多元素系の結晶や、偏析係数の小さい添加物を含む結晶な
ど(例えばSi−GeやCe:LSO等)であっても構わないし、更に言うと結晶により
構成される金属や合金であっても構わない。
(加熱部の種類)
上記の実施形態では、加熱部4の光源として赤外線発生手段41を用いる場合について
述べた。その一方、赤外線発生手段41以外のものを光源として用いることを否定するも
のではないが、集光という要素を鑑みると、レーザー光の光源ではなく赤外線発生手段4
1を使用するのがコスト的にも好ましい。なお、本明細書における「光」は、赤外線から
紫外線(波長が1nm〜1mm)までの光を指す。
また、本実施形態に挙げた以外の数の回転楕円鏡および赤外線発生手段を設けても構わ
ない。なお、赤外線発生手段41に加え、レーザー光発生手段を、回転楕円鏡421aの
下方に設けても構わない。レーザー光発生手段により、原料Mに対して、赤外線に加え、
レーザー光を照射しても構わない。ターゲットスコープ(図に記載せず)を用い、溶融帯
域Mlに析出した固相に対してレーザー光を集中的に照射することで、原料Mを部分的に
加熱し、溶融帯域Mlに固相を再度溶け込ませることも可能となる。これにより、安定し
た単結晶の成長が可能となる。このため、レーザー光発生手段は、回転楕円鏡421aと
同様に、溶融帯域Mlに向けて傾斜角をつけて配置しても構わない。また、レーザー光発
生手段として、上下、左右および傾斜角度の任意制御が可能な構造を採用しても構わない
。ただ、レーザー光発生手段を備えた装置は高額となるため、基本的には赤外線発生手段
41のみが備えられており、オプションとしてレーザー光発生手段を備え付けることが可
能な単結晶製造装置1とすることが好ましい。
(種結晶と原料の配置)
上記の実施形態では、種結晶Sを下方、原料Mを上方に配置した。その一方、特開20
15−081217号公報に記載のように、下方に原料把持部2、上方に種結晶把持部3
を配置しても構わない。この場合、特開2015−081217号公報に記載の赤外線遮
蔽部の役割を上記の球面鏡にて担わせてもよい。その場合、上記の実施形態と同様に、回
転楕円鏡の開口Oの下方に球面鏡を配置する。
(球面鏡の配置)
上記の実施形態だと回転楕円鏡の開口Oの下方にのみ球面鏡を配置したが、例えば図4
に示すように、さらに開口Oの上方にも球面鏡を別部材として配置しても構わない。この
場合、上方の球面鏡は、遮蔽筒51と同等の役割を担うことが可能となり、遮蔽筒51を
設けなくとも済むようになる。
また、上記の実施形態だと種結晶Sを下方、原料Mを上方に配置したために回転楕円鏡
の開口Oの下方に球面鏡を配置した。その一方、先ほど挙げた特開2015−08121
7号公報に記載のように、下方に原料把持部2、上方に種結晶把持部3を配置する場合、
種結晶Sは上方に位置する。この場合、溶融帯域Mlの種結晶側は溶融帯域Mlの上方と
なる。そうなると、回転楕円鏡の開口Oの上方に球面鏡を配置することにより、この部分
をスムーズに冷却することも可能となる。
また、図5に示すように、球面鏡421bに(好ましくはその中心に)穴Hをあけ、2
つの焦点を結ぶ直線を遮らないようにしつつも回転楕円鏡421aの開口Oに球面鏡42
1bが被さるようにしても構わない。もちろん、その際にも回転楕円鏡421aの焦点F
1を球面鏡421bの球の中心と同一の位置とするのが非常に好ましい。
球面鏡421bの中心の穴Hの直径としては1mm〜1000mm、別の規定の仕方だ
と回転楕円鏡421aの開口Oの直径の1%〜99%とするのが、原料Mへの赤外線の照
射量の確保、エネルギーロスの抑制、溶融帯域の種結晶側のスムーズな冷却等々のバラン
スを鑑みて好ましい。
なお、溶融帯域の種結晶側へは赤外線が照射されるのを防ぎつつも、最終的にもう一つ
の焦点F0へと効率よく赤外線を反射させることを可能とすべく、球面鏡421bは、2
つの焦点を結ぶ直線を遮らないように配している。
なお、図5に示すように球面鏡421bに穴をあけ、その穴を小さく(例えば3mm以
下、好ましくは1mm以下に)設定し、赤外線を反射させつつ原料Mに照射した場合、照
射量が最たるものとなり、1組の回転楕円鏡421aおよび球面鏡421bのみであった
としてもレーザー光並みの照射量を実現可能となる。
(赤外線発生手段の配置)
上記の実施形態だと種結晶Sが地の位置、原料Mが天の位置に配置された場合を例示し
たが、例えば図4に示すように赤外線発生手段41は溶融帯域Mlに対して水平の位置に
配置されても構わないし、溶融帯域Mlよりも地の方向に配置されても構わない。その場
合、球面鏡の配置にて、溶融帯域Mlの種結晶側に対する照射量と、原料側に対する照射
量とを調整してもよい。
(球面鏡の構造)
上記の調整を容易にするために、球面鏡を可動としても構わない。具体例を挙げると、
水平方向に長軸な球面鏡部材を短軸方向へと数珠つなぎに連結してシャッター形式の球面
鏡を構成した上で、該シャッターを上げ下げすることで、球面鏡が回転楕円鏡の開口Oに
被さる範囲を適宜変更できるようにしても構わない。また、回転楕円鏡に対して球面鏡の
開口に対する位置を変更自在な構造を採用するのが好ましい。こうすることにより、先に
挙げたように回転楕円鏡の下方に球面鏡を配置したり、逆に上方に配置したり、あるいは
回転楕円鏡の開口と正対して正面に球面鏡を配置したり、作業者の要望に応じて適宜調整
可能となる。
つまり、ここでの球面鏡は、回転楕円鏡の開口に対する位置および開口を覆う範囲のう
ち少なくともいずれかを変更自在であるのが好ましい。
また、球面鏡を可動とすることにより、例えば単結晶製造装置1を使用する前だと開口
Oに対向しない位置に球面鏡を収容しておき、単結晶製造装置1を使用する際に開口Oと
対向する位置へと球面鏡をスライドさせて移動可能な機構を採用してもよい。この機構に
着目するのなら、以下の表現も使用可能である。
『前記回転楕円鏡において、一方の焦点F1には前記赤外線発生手段を配し、もう一方の
焦点F0の側を開口させ、かつ、前記一方の焦点F1を前記凹面球面鏡の球の中心と同一
の位置とすることが可能な構成を備えた、単結晶製造装置(または製造方法)。』
(溶融帯域を形成せずに単結晶を製造する方法(CVD)に適用する場合)
上記の実施形態だと溶融帯域Mlを形成することにより単結晶を製造する方法について
述べたが、それ以外の手法(例えばCVD:Chemical Vapor Depos
ition)における集光加熱の際に、上記の反射手段42を採用しても構わない。CV
Dを採用する場合、ターゲットに対して集光加熱を行う際に、上記の反射手段を採用すれ
ば、エネルギーロスを抑制することは可能となる。つまり、本発明の課題として述べた内
容のうち「エネルギーロスを抑制する」という課題を解決することは可能となる。また、
その際の光源については特に限定は無く、赤外線発生手段41、レーザー光の光源等、ま
たはそれらの組み合わせを使用しても構わない。この例について表現すると以下のように
なる。
『光源と反射手段とを備えた加熱部を備えた単結晶製造装置において、
前記反射手段は、回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
前記回転楕円鏡において、一方の焦点F1には前記光源を配し、もう一方の焦点F0の
側を開口させ、かつ、前記一方の焦点F1を前記凹面球面鏡の球の中心と同一の位置とし
た、単結晶製造装置(または製造方法)。』
(熱処理装置または熱処理方法)
上記の実施形態だと原料Mを溶融させて溶融帯域Mlを形成する単結晶製造装置につい
て主に述べたが、物質を溶融させない程度に加熱する装置や方法においても本発明の技術
的思想は適用可能である。例えば、測定装置に付属させて試料を加熱(例えばアニール)
するための熱処理装置などがあげられる。このような熱処理装置においても、本発明の課
題として述べた内容のうち「エネルギーロスを抑制する」という課題を解決することは可
能となる。この例について表現すると以下のようになる。
『光源と反射手段とを備えた加熱部を備えた熱処理装置において、
前記反射手段は、回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
前記回転楕円鏡において、一方の焦点F1には前記光源を配し、もう一方の焦点F0の
側を開口させ、かつ、前記一方の焦点F1を前記凹面球面鏡の球の中心と同一の位置とし
た、熱処理装置(または熱処理方法)。』
(発明としての反射手段)
本発明は、単結晶製造装置や単結晶製造方法に係るものではあるが、本発明の技術的思
想は上記の反射手段42そのものに反映されており、本発明の課題を解決可能である。そ
のため、上記の反射手段42そのものも発明として成り立ちうる。この例について表現す
ると以下のようになる。
『凹面鏡である回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
前記回転楕円鏡において、一方の焦点F0の側を開口させ、かつ、もう一方の焦点F1
を前記凹面球面鏡の球の中心と同一の位置とした、反射手段(反射鏡)。』
また、別の表現だと以下のようになる。
『凹面鏡である回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
前記回転楕円鏡の2つの焦点のうち前記回転楕円鏡の凹面の底に近い方の焦点を前記凹
面球面鏡の球の中心と同一の位置とした、反射手段(反射鏡)。』
(球面鏡以外の対面鏡)
上記の実施形態だと球面鏡について説明したが、それ以外の形状の鏡面を有する部材(
例えば平板鏡等)を使用しても構わない。球面鏡以外の対面鏡であっても、回転楕円鏡の
開口Oから赤外線が出射しそうになってもこれを回転楕円鏡内へと戻すこと自体は可能で
ある。そのため、該対面鏡を設けない場合に比べ、エネルギーロスを抑制可能である。ま
た、該対面鏡はその名の通り回転楕円鏡に対する合わせ鏡であって開口Oに対向して設け
られたものであり、溶融帯域の種結晶側へと赤外線が照射されるのを遮蔽可能であり、溶
融帯域の種結晶側をスムーズに冷却することも可能である。この例について表現すると以
下のようになる。
『赤外線発生手段と反射手段とを備えた加熱部により形成された溶融帯域を冷却すること
により単結晶を製造する単結晶製造装置において、
前記反射手段は、
回転楕円鏡と、
前記回転楕円鏡に対向して配される対面鏡と、
を備え、
前記対面鏡は、前記回転楕円鏡の2つの焦点間において前記回転楕円鏡の開口の少なく
とも一部に被さる一方で、2つの焦点を結ぶ直線を遮らないように配された、単結晶製造
装置(または製造方法)。』
とはいえ、対面鏡が球面鏡の場合、回転楕円鏡の一つの焦点F1と球面鏡の球の中心を
同じ位置とすることが可能となるため、原料Mに対する照射効率を著しく向上させられる
ため、上記の実施形態のように球面鏡を採用する方が非常に好ましい。
この対面鏡は、回転楕円鏡421aの2つの焦点F1−F0間において回転楕円鏡42
1aの開口Oの少なくとも一部に被さるように配される。
ここで、「2つの焦点F1−F0間」とは、以下のことを指す。回転楕円鏡421aは
楕円球を一部切り取った形状を有しているが、ここでは該楕円球を仮想する。そして、仮
想楕円球内において、回転楕円鏡421aひいては楕円球の焦点F1と焦点F0とを結ぶ
直線に垂直な面であって焦点F1を通過する該垂直面と焦点F0を通過する該垂直面とで
挟まれる領域が、ここでいう2つの焦点F1−F0間のことを指す。この領域に対面鏡が
存在することになる。別の言い方をすると、仮想楕円球内において焦点F1と溶融帯域M
lとの間の領域に対面鏡を存在させることになる。なお、該領域に対面鏡の少なくとも一
部が存在すればよく、それ以外の領域にも対面鏡の一部が存在することは妨げない。
また、「対面鏡が回転楕円鏡421aの開口Oの少なくとも一部に被さる」とは、回転
楕円鏡421aの開口Oに対して垂直方向から平面視した際に(以降、特記なければ平面
視とする。)、該開口Oに対して対面鏡の少なくとも一部が被さって見える状態を指す。
言い方を変えると、被さって見える状態であれば、回転楕円鏡421aの開口Oの縁から
遠ざけて対面鏡を配置しても構わないし、逆に図1に示すように回転楕円鏡421aの開
口Oの縁から多少内側に対面鏡を配置しても構わない。
それに加え、対面鏡は、2つの焦点F1−F0を結ぶ直線を遮らないように配される。
対面鏡は、回転楕円鏡421aの円形の開口Oの中心には被さらないように配される。例
えば、図2に示すように、回転楕円鏡421aの円形の開口Oの下方側(すなわち種結晶
側の溶融帯域が存在する側)であって開口Oの下半分の面積のうち、開口Oの最下端を含
むようにして30%〜95%に、対面鏡が被さっていてもよい。下限以上なら回転楕円鏡
421aから漏れる赤外線を回転楕円鏡421a内の焦点F1へと十分に戻すことが可能
となるうえ溶融帯域の種結晶側をよりスムーズに冷却することが可能となり、上限以下な
ら赤外線は過度には遮蔽されないため原料Mを赤外線により十分に加熱することが可能と
なる。
(球面鏡によるデフォーカス)
先ほど、対面鏡が球面鏡の場合、回転楕円鏡の一つの焦点F1と球面鏡の球の中心を同
じ位置とすることが可能となり、好ましいと述べた。その一方、先に挙げた可動の球面鏡
の構造を利用して、単結晶の製造中に、意図的に、球面鏡の球の中心と回転楕円鏡の一つ
の焦点F1とが同一の位置である状態から、球の中心を焦点F1からずらし、その上で、
回転楕円鏡内へと赤外線を反射することも有用である。こうすることにより確かに集光度
合いは低くなるが、これは逆に言うと焦点F2近傍での赤外線の照射範囲が大きくなるこ
とを意味する。それに伴い、溶融帯域の冷却度合いを任意に調整することが可能となる。
なお、このデフォーカスは、球面鏡以外の対面鏡を採用した場合(すなわち球の中心が
焦点F1と一致しないことになる場合)にも期待できる。
(対面鏡を用いずに単に赤外線遮蔽部材を使用する場合)
上記の変形例だと対面鏡を採用したが、対面鏡の代わりに単に赤外線遮蔽部材(例えば
黒塗りの金属部材)を採用することも可能である。対面鏡とは異なり、回転楕円鏡へと赤
外線を戻すことはできなくなるものの、溶融帯域Mlの種結晶側を遮蔽することは可能と
なるため、溶融帯域Mlの種結晶側をスムーズに冷却することが可能となる。この例につ
いて表現すると以下のようになる。
『赤外線発生手段により発生した赤外線を反射手段にて原料へと反射させて原料を加熱し
て形成された溶融帯域を冷却することにより単結晶を製造する単結晶製造装置において、
前記反射手段は、回転楕円鏡と赤外線遮蔽部材とを備え、
前記赤外線遮蔽部材は、前記回転楕円鏡の2つの焦点間において前記回転楕円鏡の開口
の少なくとも一部に被さる一方で、2つの焦点を結ぶ直線を遮らないように配された、単
結晶製造装置(または製造方法)。』
以上の変形例の各々を上記の実施形態に適用しても構わないし、各々を適宜組み合わせ
たものを上記の実施形態に適用しても構わない。例えば、溶融帯域を形成せずに単結晶を
製造する方法(CVD)に適用する場合の変形例における球面鏡や、発明としての反射手
段にて記載した球面鏡を、赤外線遮蔽部材と適宜読み替えても構わない。
1………単結晶製造装置
11……石英炉心管
12……下部シャフトフランジ
13……上部シャフトフランジ
14……雰囲気導入口
15……雰囲気排出口
2………原料把持部
21……原料ホルダー
22……上部シャフト
3………種結晶把持部
31……種結晶ホルダー
32……下部シャフト
4………加熱部
41……赤外線発生手段
42……反射手段
421a,422a……回転楕円鏡
O……開口
421b,422b……(凹面)球面鏡
H……穴
51……遮蔽筒
52……駆動機構
M………原料
Ms……固体部分
Ml……溶融帯域
Mc……成長部分(単結晶)
S………種結晶

Claims (9)

  1. 赤外線発生手段により発生した赤外線を反射手段にて原料へと反射させて原料を加熱し
    て形成された溶融帯域を冷却することにより単結晶を製造する単結晶製造装置において、
    前記反射手段は、回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
    前記回転楕円鏡において、一方の焦点F1には前記赤外線発生手段を配し、もう一方の
    焦点F0の側を開口させ、かつ、前記一方の焦点F1を前記凹面球面鏡の球の中心と同一
    の位置とした、単結晶製造装置。
  2. 前記回転楕円鏡の前記もう一方の焦点F0は、前記赤外線発生手段が配された焦点F1
    から見て天地方向の地の方向に存在する、請求項1に記載の単結晶製造装置。
  3. 前記赤外線発生手段と前記反射手段との組を複数有し、前記もう一方の焦点F0を、各
    前記反射手段における前記回転楕円鏡の共通の焦点とした、請求項1または2に記載の単
    結晶製造装置。
  4. 天地方向の天の位置に配置された原料把持部と、天地方向の地の位置に配置された種結
    晶把持部と、を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  5. 前記凹面球面鏡は、前記回転楕円鏡の開口における天地方向の地の側に対向して配置さ
    れる、請求項4に記載の単結晶製造装置。
  6. 天地方向の地の位置に配置された原料把持部と、天地方向の天の位置に配置された種結
    晶把持部と、を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  7. 前記凹面球面鏡は、前記回転楕円鏡の開口に対する位置および開口を覆う範囲のうち少
    なくともいずれかを変更自在である、請求項1〜6のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  8. 前記凹面球面鏡は、前記回転楕円鏡内へと赤外線を反射する際に、前記凹面球面鏡の球
    の中心の位置を、前記一方の焦点F1と同一の位置の状態からずらすことを可能とする構
    成を有する、請求項7に記載の単結晶製造装置。
  9. 赤外線発生手段と反射手段とを備えた加熱部により形成された溶融帯域を冷却すること
    により単結晶を製造する単結晶製造方法において、
    前記反射手段は、回転楕円鏡と凹面球面鏡とを備え、
    前記回転楕円鏡において、一方の焦点F1には前記赤外線発生手段を配し、もう一方の
    焦点F0の側を開口させ、かつ、前記一方の焦点F1を前記凹面球面鏡の球の中心と同一
    の位置とする、単結晶製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113337878A (zh) * 2021-05-27 2021-09-03 上海交通大学 优化单晶叶片定向凝固温度场分布的引晶装置及其应用

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