JP2018024528A - 液中搬送装置および液中搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体中において、長尺のシートを低い搬送張力で、かつ製品不良部を生じずに高速搬送する液中搬送装置、およびその液中搬送装置を用いたシートの液中搬送方法を提供する。【解決手段】本発明の液中搬送装置は、液体中で長尺のシートを搬送する液中搬送装置であって、シートを支持して搬送するための複数本の搬送ローラであって、少なくとも1本の搬送ローラが液体中でシートを支持する複数の搬送ローラと、前記搬送ローラ間の少なくとも1箇所において、シート走行面の片側または両側に間隔をあけて設けられ、シート走行面に対向する略平行な面を有する整流板と、を備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、長尺のシートを液中において搬送する装置、およびその装置を用いた長尺のシートの液中搬送方法に関する。
フィルムなどの長尺のシートを製膜する過程や、長尺のシートの表面に塗膜を形成する過程において、シートの洗浄や化学処理を目的として、シートを液体中に浸漬しながら搬送する工程が含まれる場合がある。長尺のシートを空中または液体中で搬送する方法としては、複数本の搬送ローラを用いてシートを支持し、かつシートが弛まないよう、シートの搬送方向に搬送張力を付与して搬送する方法が一般的である。シートを液体中で搬送する場合、シートに付与する搬送張力は、シートを空中で搬送する場合に比べて高く設定する必要がある。これは、液体の粘度が空気の粘度に比べて非常に高いことに起因して、シートと周囲の液体との間に搬送方向と逆向きに粘性抵抗が働くためである。この粘性抵抗は、静止した液体中をシートが移動することで、シートの周囲の液体がシートに随伴して流れる境界層を形成するために発生し、シートの搬送速度が大きいほど粘性抵抗が大きくなる性質がある。そのため、シートの搬送速度を大きくすると、シートを弛みなく搬送するのに必要な搬送張力が増大する。さらに、シートの搬送速度が大きい場合には、シートの周囲の液体が層流から乱流に遷移するため、シートに働く粘性抵抗がより大きくなることが知られている。
ところで、液体中で長尺のシートを低い搬送張力で搬送する方法として、シートの幅方向端部をシートと並走する搬送クランプ群で把持することで、シート自体には搬送張力を付与せずにシートを液中搬送する方法が知られている。(特許文献1)
シートを弛みなく搬送するのに必要な搬送張力は、一般的にはシートの剛性に比べて小さい値であるので、特に問題となることはない。しかしながら、シートの種類によっては、高い搬送張力を付与できない場合もある。例えば、薄膜で剛性の小さいシートや、多孔フィルムのような伸縮性のあるシートが挙げられる。これらのシートに高い搬送張力を付与すると、シートが搬送方向に伸びてシワや幅方向に収縮を生じてしまう。あるいは、これらのシートの表面に塗膜を形成している場合は、シートの伸縮によって塗膜に亀裂を生じてしまう。その結果、製品の品質が低下してしまう。この問題を回避するため、シートの搬送速度を落として低い搬送張力で運転することが必要となり、シートの生産効率が低下してしまう。
特許文献1に開示されている液中搬送方法であれば、シート自体には搬送張力を付与せずにシートを搬送できるが、シートの端部を接触保持するため、シートの端部にキズや塗膜の剥がれなどを有する製品不良部が生じ、製品ロスが大きくなってしまう。
そこで本発明では、液体中において、長尺のシートを低い搬送張力で、かつ製品不良部を生じずに高速で搬送する液中搬送装置、およびその液中搬送装置を用いたシートの液中搬送方法を提供する。
上記課題を解決する本発明の液中搬送装置は、液体中で長尺のシートを搬送する液中搬送装置であって、
シートを支持して搬送するための複数本の搬送ローラであって、少なくとも1本の搬送ローラが液体中でシートを支持する複数の搬送ローラと、
前記搬送ローラ間の少なくとも1箇所において、シート走行面の片側または両側に間隔をあけて設けられ、液体中にあるシート走行面に対向する略平行な面を有する整流板と、を備えている。
シートを支持して搬送するための複数本の搬送ローラであって、少なくとも1本の搬送ローラが液体中でシートを支持する複数の搬送ローラと、
前記搬送ローラ間の少なくとも1箇所において、シート走行面の片側または両側に間隔をあけて設けられ、液体中にあるシート走行面に対向する略平行な面を有する整流板と、を備えている。
本発明の液中搬送装置は下記のような構成であることが好ましい。
・前記シート走行面から前記整流板のシート走行面に対向する面までの距離が3mm以上30mm以下である。
・前記整流板が前記シート走行面の両側に間隔をあけて設けられている。
・前記整流板が、前記シート走行面に対向する面とその面とは反対側の面との間で、液体が透過可能な構造である。
・前記整流板が、前記シート走行面に対向する面とその面とは反対側の面との間を貫通する複数の穴が形成されている。
・前記整流板が、多孔質体である。
・前記整流板のシート走行面に対向する面が前記シートの搬送方向と同じ方向に移動できる。
・ベルトコンベアを備え、前記整流板がベルトコンベアのベルトであり、前記整流板のシート走行面に対向する面がベルトの面である。
・前記シート走行面から前記整流板のシート走行面に対向する面までの距離が3mm以上30mm以下である。
・前記整流板が前記シート走行面の両側に間隔をあけて設けられている。
・前記整流板が、前記シート走行面に対向する面とその面とは反対側の面との間で、液体が透過可能な構造である。
・前記整流板が、前記シート走行面に対向する面とその面とは反対側の面との間を貫通する複数の穴が形成されている。
・前記整流板が、多孔質体である。
・前記整流板のシート走行面に対向する面が前記シートの搬送方向と同じ方向に移動できる。
・ベルトコンベアを備え、前記整流板がベルトコンベアのベルトであり、前記整流板のシート走行面に対向する面がベルトの面である。
本発明のシートの液中搬送方法は、本発明の液中搬送装置を用い、前記複数の搬送ローラでシートを支持させながら、シートを液体中で搬送する方法である。
前記整流板のシート走行面に対向する面がシートの搬送方向と同じ方向に移動できる本発明の液中搬送装置を用いた本発明のシートの液中搬送方法は、前記複数本の搬送ローラでシートを支持し、前記略平行な面をシートの搬送速度以上の速さで移動させながら、シートを液体中で搬送する方法である。
本発明の液中搬送装置によれば、整流板がシートの周囲に形成される境界層の発達を阻害し、シートに随伴して流れる液体の総量を少なくするため、シートが液体から受ける粘性抵抗が低減され、その結果、シートを低い搬送張力で高速搬送することができる。また、整流板はシートと非接触に設けられるため、シートにキズや塗膜の剥がれなどの製品不良部を生じさせず、製品ロスを生じることもない。これらの結果、シートの生産効率を高くすることができる。
本発明の望ましい実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は本発明の実施形態の1つを例示するものであり、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
[従来の液中搬送装置]
図7は従来の液中搬送装置1の概略断面図である。液中搬送装置1には液体2を貯留する液槽3と、液槽3の内部に搬送ローラ4が設けられている。シート5は液体2の中を、搬送ローラ4に支持されてAの方向に搬送される。
図7は従来の液中搬送装置1の概略断面図である。液中搬送装置1には液体2を貯留する液槽3と、液槽3の内部に搬送ローラ4が設けられている。シート5は液体2の中を、搬送ローラ4に支持されてAの方向に搬送される。
シート5に発生する粘性抵抗Sについて説明する。シート5をAの方向に搬送する際、シート5の周囲の液体2aには、シート5から搬送方向に向かう力を受けて、シート5の搬送方向に向かう随伴流Xを生じる。逆に、シート5は周囲の液体2aから、シート5の搬送方向とは逆向きの力を受けることになり、これがシート5に働く粘性抵抗Sとなる。また、シート5の周囲で随伴流Xが発生する液体2aの範囲を境界層と呼ぶ。境界層は下流に行くほど発達して厚くなり、境界層が厚いほど随伴流Xの発生する液体2aの総量が多くなり、シート5に働く粘性抵抗Sが大きくなる。シート5を弛みなく搬送するためには、図7に示すシート5を引く搬送張力Tを、粘性抵抗Sよりも大きく設定する必要がある。搬送速度が大きくなって粘性抵抗Sが増大すると、より大きな搬送張力Tをシート5に付与することになり、シートの種類によってはシート5に伸びや幅収縮が発生してしまう。
[第1の実施形態の液中搬送装置]
図1は本発明の第1の実施形態の液中搬送装置6の概略断面図である。液中搬送装置6には、液体中にある2本の搬送ローラ4、4’の間において、シート5の走行面の両側に整流板10、10’が間隔をあけて設けられている。ここで、「シートの走行面」とは、実際にシートを搬送した状態においてシートが走行する位置となる仮想の面である。液中搬送装置6は、整流板10が設けられている以外は図7の液中搬送装置1と同じであるので、液中搬送装置1と共通する構成要素については説明を省略する。
図1は本発明の第1の実施形態の液中搬送装置6の概略断面図である。液中搬送装置6には、液体中にある2本の搬送ローラ4、4’の間において、シート5の走行面の両側に整流板10、10’が間隔をあけて設けられている。ここで、「シートの走行面」とは、実際にシートを搬送した状態においてシートが走行する位置となる仮想の面である。液中搬送装置6は、整流板10が設けられている以外は図7の液中搬送装置1と同じであるので、液中搬送装置1と共通する構成要素については説明を省略する。
整流板10、10’は、シート5の走行面に対向する面が、シート5の走行面と間隔Dをあけて略平行な面となっている板状の部材であり、液槽3の内部に固定されている。ここで「略平行」には、設計上は平行であるが、製作誤差により厳密には平行ではなくなっている形態も含む。この状態でシート5をAの向きに搬送すると、シート5の周囲の液体2aには随伴流Xが生じるが、整流板10、10’によって境界層の発達が阻害され、境界層の厚みが薄く保たれるため、随伴流Xの発生する液体2aの総量が少なくなる。その結果、シート5に加わる粘性抵抗Sは、整流板10、10’を設けない場合と比較して小さくなり、それに伴ってシート5を引く搬送張力Tを小さく設定して搬送することができる。
本実施形態の液中搬送装置6では、整流板10、10’をシート5の走行面の両側に設けているが、整流板10(10’)をシート5の走行面の片側のみに設けた場合でも、粘性抵抗Sを小さくしてシート5の搬送張力Tを小さくする効果は得られる。ただし、より粘性抵抗Sを小さくするためには、整流板10、10’をシート5の走行面の両側に設けることが好ましい。
本実施形態の液中搬送装置6では、整流板10、10’としてそれぞれ1枚の板状の部材を用いたが、これに限定されず、複数の細長い板状やひも状の部材を長手方向がシート5の搬送方向に略平行となるように平面状に並べた構成でもよい。
[第2の実施形態の液中搬送装置]
図2は本発明の第2の実施形態の液中搬送装置7の概略断面図である。液中搬送装置7には3本の搬送ローラ4、4’、4’’が設置されており、搬送ローラ4と4’’は液面より上で、搬送ローラ4’は液体中でシート5を支持しながら搬送する。そして、搬送ローラ4と4’の間のシート5の走行面のうち、液体中にある部分の走行面を挟むように整流板10と10’が、搬送ローラ4’と4’’の間のシート5の走行面のうち、液体中にある部分の走行面を挟むように整流板10’と10’’が設置されている。
図2は本発明の第2の実施形態の液中搬送装置7の概略断面図である。液中搬送装置7には3本の搬送ローラ4、4’、4’’が設置されており、搬送ローラ4と4’’は液面より上で、搬送ローラ4’は液体中でシート5を支持しながら搬送する。そして、搬送ローラ4と4’の間のシート5の走行面のうち、液体中にある部分の走行面を挟むように整流板10と10’が、搬送ローラ4’と4’’の間のシート5の走行面のうち、液体中にある部分の走行面を挟むように整流板10’と10’’が設置されている。
この第2の実施形態のように、本発明の液中搬送装置は全ての搬送ローラが液体中にある構成でなく、少なくとも1本の搬送ローラが液体中でシートを支持する構成でもよい。少なくとも1本の搬送ローラが液体中にあれば、搬送されるシートは必ず液体中を通過することになるので、その液体中にあるシートは搬送中に粘性抵抗を受ける。液体中にあるシートの走行面の近傍に整流板を設けることで、シートを引く搬送張力を小さくできる効果が得られる。
また、第2の実施形態の液中搬送装置7では、整流板10(10’、10’’)の全体が液体中にある構成となっているが、必ずしも1つの整流板の全体が液体中にある必要はない。整流板の一部分が液面上のある状態であっても、整流板の液体中にある部分がシート走行面と対向する平面を有していればよい。
[第3の実施形態の液中搬送装置]
図3は本発明の第3の実施形態の液中搬送装置8の概略断面図である。この液中搬送装置8には、第1の実施形態の液中搬送装置6に設けられていた整流板10、10’の代わりに、液体2が透過可能な構造の整流板12、12’が設けられている。図1の第1の実施形態の液中搬送装置6でシート5を搬送すると、シート5の周囲の液体2aがXの方向に掻き出され、シート5と整流板10、10’の間の液体2aが不足して、シート5と整流板10、10’の間の空間が減圧される。シート5の搬送速度を大きくしていくと、この減圧が著しくなり、シート5が整流板10または10’のどちらかに貼りつくことがある。これに対し図3の第3の実施形態の液中搬送装置8では、整流板12、12’は液体2が透過可能な構造であるため、シート5の搬送によってシート5の周囲の液体2aが掻き出されても、整流板12、12’を通して図3のYの方向に液体2が透過するので、シート5と整流板12、12’の間の液体2aが不足せず、シート5と整流板10、10’の間の空間が減圧されない。これにより、シート5の搬送速度を大きくした場合でも、シート5が整流板12、12’に貼りつかず、シート5を整流板12、12’に対し非接触で搬送することができる。その結果、シートにキズや塗膜の剥がれなどの製品不良部を生じさせず、製品ロスを生じることもないため、シートの生産効率をより高くすることができる。
図3は本発明の第3の実施形態の液中搬送装置8の概略断面図である。この液中搬送装置8には、第1の実施形態の液中搬送装置6に設けられていた整流板10、10’の代わりに、液体2が透過可能な構造の整流板12、12’が設けられている。図1の第1の実施形態の液中搬送装置6でシート5を搬送すると、シート5の周囲の液体2aがXの方向に掻き出され、シート5と整流板10、10’の間の液体2aが不足して、シート5と整流板10、10’の間の空間が減圧される。シート5の搬送速度を大きくしていくと、この減圧が著しくなり、シート5が整流板10または10’のどちらかに貼りつくことがある。これに対し図3の第3の実施形態の液中搬送装置8では、整流板12、12’は液体2が透過可能な構造であるため、シート5の搬送によってシート5の周囲の液体2aが掻き出されても、整流板12、12’を通して図3のYの方向に液体2が透過するので、シート5と整流板12、12’の間の液体2aが不足せず、シート5と整流板10、10’の間の空間が減圧されない。これにより、シート5の搬送速度を大きくした場合でも、シート5が整流板12、12’に貼りつかず、シート5を整流板12、12’に対し非接触で搬送することができる。その結果、シートにキズや塗膜の剥がれなどの製品不良部を生じさせず、製品ロスを生じることもないため、シートの生産効率をより高くすることができる。
ここで、液体2が透過可能な整流板12、12’の構造としては、例えば、以下のような構造を適用することができる。
・整流板に、シートの走行面に対向する面とその面とは反対側の面との間を貫通する複数の穴が形成されている構造。
・整流板が、多孔質体である構造。
・整流板に、シートの走行面に対向する面とその面とは反対側の面との間を貫通する複数の穴が形成されている構造。
・整流板が、多孔質体である構造。
[第4の実施形態の液中搬送装置]
図4は本発明の第4の実施形態の液中搬送装置9の概略断面図である。この液中搬送装置9には、第1の実施形態の液中搬送装置6に設けられていた板状の整流板10、10’の代わりに、ベルトコンベア11、11’が設けられている。ベルトコンベア11、11’は、シート5の走行面に対向して略平行な面を有するベルト11a、11’aと、一対の駆動ローラ11bで構成されている。駆動ローラ11bが所定の方向に回転することで、シート5の走行面と対向するベルト11a、11’aの表面が、シート5の搬送方向に移動する。このとき、ベルト11a、11’aとシート5の間の液体2aにはベルト11a、11’aによる随伴流X’が生じる。そのため、シート5と周囲の液体2aの相対速度が小さくなり、シート5によって発生する随伴流Xの総量は、図1に示す液中搬送装置6と比較してさらに小さくなる。その結果、シート5に加わる粘性抵抗Sがさらに小さくなり、より小さな搬送張力Tでシート5を搬送することができる。
図4は本発明の第4の実施形態の液中搬送装置9の概略断面図である。この液中搬送装置9には、第1の実施形態の液中搬送装置6に設けられていた板状の整流板10、10’の代わりに、ベルトコンベア11、11’が設けられている。ベルトコンベア11、11’は、シート5の走行面に対向して略平行な面を有するベルト11a、11’aと、一対の駆動ローラ11bで構成されている。駆動ローラ11bが所定の方向に回転することで、シート5の走行面と対向するベルト11a、11’aの表面が、シート5の搬送方向に移動する。このとき、ベルト11a、11’aとシート5の間の液体2aにはベルト11a、11’aによる随伴流X’が生じる。そのため、シート5と周囲の液体2aの相対速度が小さくなり、シート5によって発生する随伴流Xの総量は、図1に示す液中搬送装置6と比較してさらに小さくなる。その結果、シート5に加わる粘性抵抗Sがさらに小さくなり、より小さな搬送張力Tでシート5を搬送することができる。
本実施形態の液中搬送装置9では、移動する整流板としてベルトコンベア11、11’を用いたが、これに限定されず、シート5の走行面と略平行に設けられた整流板がシート5の搬送方向と同じ方向に移動できる構成であればよく、例えば整流板をモーターなどで直接駆動してもよい。
また、本実施形態の液中搬送装置9においても、第1から第3の実施形態の液中搬送装置で説明した様々な構成を適用することができる。例えば、以下に列記するような構成である。
・複数の細長いベルトを並べて幅広のベルトにした構成。
・3本以上の搬送ローラが液体中にある構成。
・液面上にある搬送ローラと液体中にある搬送ローラとが混在した構成。
・整流板の一部分が液面上に出ている構成。
・整流板が、液体が透過可能な構造である構成。
・複数の細長いベルトを並べて幅広のベルトにした構成。
・3本以上の搬送ローラが液体中にある構成。
・液面上にある搬送ローラと液体中にある搬送ローラとが混在した構成。
・整流板の一部分が液面上に出ている構成。
・整流板が、液体が透過可能な構造である構成。
図5は、図1に示した第1の実施形態の液中搬送装置6において、シート5の表面と整流板の表面の間隔Dとシート5に発生する粘性抵抗Sの関係を表したグラフである。このとき、シート5の幅を1m、シート5の搬送速度を80m/分、2つの搬送ローラ4、4’の軸芯間隔を400mm、整流板10の搬送方向長さを300mm、整流板10の幅を1m、整流板10の厚みを5mm、液体2は水とした。整流板10を設けない場合の粘性抵抗Sの大きさは1.37Nであった。本実施形態では、シート5の走行面と整流板10のシート走行面と対向する面の間隔Dを10mmとしたときに、最も粘性抵抗Sが小さくなり、概ね間隔Dが3mm以上30mm以下のときに粘性抵抗Sを低減する効果が得られた。そのため、粘性抵抗Sを小さくしてシート5の搬送張力Tを小さくするためには、間隔Dを3mm以上30mm以下にするのが好ましく、より好ましくは5mm以上15mm以下である。
図6は、図4の第4の実施形態の液中搬送装置9において、ベルト11aの速度と粘性抵抗Sの関係を表したグラフである。このとき、シート5の幅を1m、シート5の搬送速度を80m/分、2つの搬送ローラ4、4’の軸芯間隔を400mm、ベルト11a、11’aの幅を1m、ベルトコンベア11、11’の駆動ローラ11b、11’bの軸芯間隔を300mm、ベルト11a、11’aとシート5の間隔Dを10mm、液体2は水とした。ベルトコンベア11、11’を設けない場合の粘性抵抗Sの大きさは1.37Nであった。ベルト11a、11’aの速度を大きくすると、粘性抵抗Sが小さくなっており、特にベルト11a、11’aの速度をシート5の搬送速度と同じ80m/分か、それ以上に設定すると、粘性抵抗Sが極小となった。すなわち、シート5に働く粘性抵抗Sを小さくして、より低い搬送張力Tでシート5を搬送するためには、整流板であるベルト11a、11’aのシート5に対向する面をシート5の搬送速度以上の速さで移動させるのが好ましい。
1 従来の液中搬送装置
2 液体
2a 随伴流が発生する領域の液体
3 液槽
4、4’、4’’ 搬送ローラ
5 シート
6 本発明の第1の実施形態の液中搬送装置
7 本発明の第2の実施形態の液中搬送装置
8 本発明の第3の実施形態の液中搬送装置
9 本発明の第4の実施形態の液中搬送装置
10、10’、10’’ 整流板
11、11’ ベルトコンベア
11a、11’a ベルト
11b、11’b 駆動ローラ
12、12’ 液体が透過可能な構造の整流板
A シート5の搬送方向
D シート5と整流板10の間隔
S シート5に働く粘性抵抗
T シート5の搬送張力
X シート5によって発生する随伴流
X’ ベルト11aによって発生する随伴流
Y 整流板12を透過する液体2の流れ
2 液体
2a 随伴流が発生する領域の液体
3 液槽
4、4’、4’’ 搬送ローラ
5 シート
6 本発明の第1の実施形態の液中搬送装置
7 本発明の第2の実施形態の液中搬送装置
8 本発明の第3の実施形態の液中搬送装置
9 本発明の第4の実施形態の液中搬送装置
10、10’、10’’ 整流板
11、11’ ベルトコンベア
11a、11’a ベルト
11b、11’b 駆動ローラ
12、12’ 液体が透過可能な構造の整流板
A シート5の搬送方向
D シート5と整流板10の間隔
S シート5に働く粘性抵抗
T シート5の搬送張力
X シート5によって発生する随伴流
X’ ベルト11aによって発生する随伴流
Y 整流板12を透過する液体2の流れ
Claims (10)
- 液体中で長尺のシートを搬送する液中搬送装置であって、
シートを支持して搬送するための複数本の搬送ローラであって、少なくとも1本の搬送ローラが液体中でシートを支持する複数の搬送ローラと、
前記搬送ローラ間の少なくとも1箇所において、シート走行面の片側または両側に間隔をあけて設けられ、液体中にあるシート走行面に対向する略平行な面を有する整流板と、
を備えた液中搬送装置。 - 前記シート走行面から前記整流板のシート走行面に対向する面までの距離が3mm以上30mm以下である、請求項1の液中搬送装置。
- 前記整流板が前記シート走行面の両側に間隔をあけて設けられた、請求項1または2の液中搬送装置。
- 前記整流板が、前記シート走行面に対向する面とその面とは反対側の面との間で、液体が透過可能な構造である、請求項1〜3のいずれかの液中搬送装置。
- 前記整流板が、前記シート走行面に対向する面とその面とは反対側の面との間を貫通する複数の穴が形成されている、請求項4の液中搬送装置。
- 前記整流板が多孔質体である、請求項4の液中搬送装置。
- 前記整流板が、前記シート走行面に対向する面が前記シートの搬送方向と同じ方向に移動できる、請求項1〜6のいずれかの液中搬送装置。
- ベルトコンベアを備え、前記整流板がベルトコンベアのベルトであり、前記シート走行面に対向する面がベルトの面である、請求項7の液中搬送装置。
- 請求項1〜6のいずれかの液中搬送装置を用い、前記複数本の搬送ローラでシートを支持させながら、シートを液体中で搬送する、液中搬送方法。
- 請求項7または8の液中搬送装置を用い、前記複数本の搬送ローラでシートを支持し、前記整流板のシート走行面に対向する面をシートの搬送速度以上の速さで移動させながら、シートを液体中で搬送する、液中搬送方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021077550A (ja) * | 2019-11-12 | 2021-05-20 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池セパレータの製造装置 |
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2017
- 2017-07-07 JP JP2017133332A patent/JP2018024528A/ja active Pending
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JP2021077550A (ja) * | 2019-11-12 | 2021-05-20 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池セパレータの製造装置 |
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