JP2018022561A - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速なパルス形成を行うような場合であっても、試料上における一次荷電粒子線の照射位置ずれを防止可能な荷電粒子線装置を提供する。
【解決手段】荷電粒子源101と、荷電粒子光学系に挿入され、荷電粒子線102の進行方向を荷電粒子光学系の光軸外に偏向させ、或いは荷電粒子光学系の光軸内に偏向させるセパレータ103と、荷電粒子光学系の光軸外に偏向された荷電粒子線を吸収、或いはセパレータの方向へ反射する荷電粒子線照射切替器104と、荷電粒子線照射切替器を制御する制御装置110と、を有する荷電粒子線装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子線装置に関する。
試料の微細な形状の観察や局所的な組成分析などに、試料上に電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を照射し、発生した二次電子等の二次荷電粒子の信号を取得する荷電粒子線装置が使われている。このような荷電粒子線装置の一つとして、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)が使用されており、その分解能の高さから、たとえば、半導体や磁気ディスクの製造プロセスにおいて形成されたパターンの形状や寸法の測定、及び欠陥の有無の判定に適用されている。
荷電粒子線装置において、試料が絶縁体である場合には、荷電粒子線の照射によって試料の表面が帯電することがある。SEMにおいては、帯電が発生すると、電子線に対して予期せぬ偏向等の作用を及ぼし、画像のドリフトやシェーディング等の像障害が発生する。再現性の高いSEM観察を行うためには、この帯電現象を回避することが重要である。このような帯電現象を回避する方法の一つとして、電子線をパルス状にして試料への照射と非照射を切り替えることによって、電子線の照射量とそのタイミングを制御する方法が適用されている。例えば特許文献1には、電子線をパルス状に照射するためのパルスゲートを備え、電子ビームの間引き走査により帯電現象を抑制する手法が開示されている。
また、特許文献2には、電子線発生部の電極に加速電圧より高い負電圧を印加することによって電子線を追い返す機能を備え、電子線の照射と非照射を切り替える手段が開示されている。
特開平4−17248号公報 特開平11−101896号公報
電子線のパルス化は、最も一般的には、特許文献1に記載されているように偏向器を用いて絞りの上で電子線を偏向し、その通過或いは遮断により試料への電子線の照射と非照射を切り替えることによって実現されている。しかしながら、今後更なる要求が高まると思われる微細構造を有する試料への電子線パルス照射の際の課題について発明者等が検討した結果、この方法では、照射から非照射、あるいは非照射から照射に切り替えるその過渡状態において、試料上での電子線の到達位置が変動すること、特に、高速なパルス形成を行う場合には、配線に基づく浮遊容量やインダクタンスの影響で信号波形にオーバーシュート或いはアンダーシュートが発生するため、到達位置の変動が無視できなくなる恐れのあることが判明した。すなわち、不要な電子線照射が起こるため、予期しない帯電や試料へのダメージを引き起こす恐れがある。
特許文献2に示された方法においては電子線を偏向しないため、試料上での到達位置の変動は発生しない。しかしながら、照射と非照射の切り替えの際に、加速電圧相当、例えば5kV等の大きな電圧変化を電極に与える必要がある。この電圧変化が大きいほど電子線の照射/非照射の切り替え信号の発生が難しくなり、電源装置のコスト増大、或いは切り替え信号の精度が劣化するという課題が生じる恐れがある。
本発明の目的は、高速なパルス形成を行うような場合であっても、試料上における一次荷電粒子線の照射位置ずれを抑制或いは防止可能な荷電粒子線装置を提供することにある。
上記目的を達成するための一実施形態として、
荷電粒子源と、
試料を載置するステージと、
前記荷電粒子源で発生した荷電粒子線を前記試料に照射するための荷電粒子光学系と、
前記荷電粒子光学系に挿入され、前記荷電粒子線の進行方向を前記荷電粒子光学系の光軸外に偏向させ、或いは前記荷電粒子光学系の光軸内に偏向させるセパレータと、
前記荷電粒子光学系の光軸外に偏向された前記荷電粒子線を吸収、或いは前記セパレータの方向へ反射する荷電粒子線照射切替器と、
前記荷電粒子線照射切替器を制御する制御装置と、
を有することを特徴とする荷電粒子線装置とする。
また、他の実施形態として、
荷電粒子源と、
印加電圧の切替えによって前記荷電粒子源からの荷電粒子線を吸収および反転させ、試料への前記荷電粒子線の照射を切替える荷電粒子線反射制御電極と、
を有することを特徴とする荷電粒子線装置とする。
本発明によれば、高速なパルス形成を行うような場合であっても、試料上における一次荷電粒子線の照射位置ずれを抑制或いは防止可能な荷電粒子線装置を提供することができる。
第1の実施例に係る電子線観察装置の一例を示す概略構成図である。 図1に示す電子線観察装置における電子線照射切替器の動作(パルスON)を説明するための側面図である。 図1に示す電子線観察装置における電子線照射切替器の動作(パルスOFF)を説明するための側面図である。 図1に示す電子線観察装置における電子線照射切替器の電子線反射制御電極へ接続された電子線反射制御電源の制御信号の一例を示す信号波形図である。 第2の実施例に係る電子線観察装置における電子線照射切替器の動作(パルスON)を説明するための側面図である。 図3Aに示す電子線照射切替器の動作(パルスOFF)を説明するための側面図である。 第2の実施例に係る電子線観察装置における電子線照射切替器の光軸調整を行うためのフローチャートである。 第2の実施例に係る電子線観察装置における電子線照射切替器の光軸調整画面の一例である。 第3の実施例に係る電子線観察装置における電子線照射切替器の動作(パルスON)を説明するための側面図である。 図6Aに示す電子線照射切替器の動作(パルスOFF)を説明するための側面図である。 第4の実施例に係る電子線観察装置の電子線照射切替器における電子線反射制御電極の表面の一例を示す拡大断面図である。 第1の実施例に係る電子線観察装置の走査用偏向器への制御信号の一例を示す信号波形図であり、上図はX方向、下図はY方向を示す。 第1の実施例に係る電子線観察装置の走査用偏向器によるビーム走査の一例を示す図である。 第1の実施例に係る電子線観察装置の走査用偏向器及び電子線照射切替器への制御信号の一例を示す信号波形図であり、上図が走査用偏向器、下図が電子線照射切替器を示す。 第1の実施例に係る電子線観察装置を用いた画像観察のフローチャートである。 第1の実施例に係る電子線観察装置における画像観察画面である。 第1の実施例に係る電子線観察装置における電子線照射切替器への制御信号の他の例を示す信号波形図である。
発明者等は、位置ずれが生じない特許文献2の構成について、小電圧の切替えで電子線の照射と非照射とを切替えできないか検討した。その結果、電子線反射制御電極を用いることに思い至った。特許文献2では電子を放出するフィラメントと加速電極との間にスイッチを設けこれを切り替えていたために、高電圧の切り替えが必要となっていた。これに対し、加速電極とは別に電子線反射制御電極を設け、この電子線反射制御電極に電子エネルギーを相殺する電圧を与えることによりこの電子線反射制御電極に到達するときには電子エネルギーをゼロにできる。このため、先の電圧に負の小電圧を重畳した電圧を電子線反射制御電極に印加することにより電子線は反射され、先の電圧に正の小電圧を重畳した電圧を電子線反射制御電極に印加することにより電子線は吸収される。この場合、重畳する小電圧を切替えるたけであり電圧の高速切り替えが可能となる。なお、電子線に代えて正イオン線を用いる場合には正負逆転した小電圧を重畳すればよい。この電子線反射制御電極の設置場所について更に検討し、光軸外(例えば、光軸と直交する方向)に配置することとした。これにより電子線反射制御電極を新たに設置することによる元の電子光学系への影響を抑制することができる。本発明は、この新たな知見により生まれたものである。なお、電子線を光軸外に曲げる手段としては、例えばビームセパレータを用いることができる。
すなわち、電子線が光学系の途中でビームセパレータにより光軸外に軌道を曲げられて電子線反射制御電極に向かって入射し、この電子線反射制御電極によって電子線の軌道を反転させて再度ビームセパレータに軌道を入射させる構成であり、試料に電子線を照射する通常の条件では電極が電子線を反射し、電子線を非照射とするときには電子線を電極に吸収させることとした。これによって高速で高精度な電子線の照射と非照射の切り替えを可能とし、電子線の試料上での位置ずれを生じることなく、高感度、高効率な検査および計測技術を実現できる。
以下、本発明を実施例により図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一の要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、電子線を使用した試料の観察装置における実施例を示すが、イオンビームを使用する場合においても本発明の効果は失わない。
本発明の第1の実施例に係る電子線観察装置について説明する。
図1は、本実施例に係る電子線観察装置の一例を示す概略構成図である。
まず、装置構成について説明する。電子源101から電子線102が引出される。下流方向には、ビームセパレータ103、電子線照射切替器104、検出器105、走査偏向用偏向器106、対物レンズ107が配置されている。更に、電子光学系には、一次ビームの中心軸(光軸)調整用アライナ、収差補正器等も付加されている(図示せず)。なお、本実施例における対物レンズ107は励磁電流によってフォーカスを制御する電磁レンズである例を示すが、静電レンズまたは電磁レンズと静電レンズの複合であってもよい。
ステージ108は、上に試料109を載置して移動できる構成を有する。電子源101、ビームセパレータ103、電子線照射切替器104、検出器105、走査偏向用偏向器106、対物レンズ107、ステージ108の各部には制御装置110が接続されており、さらに制御装置110にはシステム制御部111が接続されている。
システム制御部111は、機能的には記憶装置112及び演算部113を含み、画像表示装置を備えた入出力部114が接続されている。また、図示していないが、制御系、回路系以外の構成要素は真空容器内に配置されており、真空内で動作させることは言うまでもない。また、真空外から試料をステージ上に配置する試料搬送系が具備されていることも言うまでもない。
なお、システム制御部111は、より具体的には、演算部113である中央処理部や記憶装置112である記憶部を備えた構成とし、この中央処理部を上述の演算部113として記憶装置112に記憶されたプログラム等を実行させることにより、たとえば、欠陥検査や寸法計測にかかわる画像処理、あるいは制御装置110等の制御を行うことができる。本明細書において、このシステム制御部111、入出力部114、制御装置110等をも含め、制御部と総称する場合がある。更に、入出力部114は、キーボードやマウス等の入力手段と、液晶表示デバイスなどの表示手段が、入力部、出力部として別構成とされていても良いし、タッチパネルなどを利用した一体型の入出力手段で構成されていても良い。
次に、本実施例の装置を用いて実施される画像観察に関して説明する。なお、電子線照射切替器104は試料への電子線の照射と非照射を切り替える要素であり、本説明においては電子線を試料に照射する場合について示す。照射と非照射を切り替える方法(電子線のパルス化法)に関しては後述する。
電子源101から放出された電子線102は、ビームセパレータ103を通過して電子線照射切替器104の方へと出射する。電子線102は電子線照射切替器104によりその軌道の方向を反転し、ビームセパレータ103に再度入射し、対物レンズ107に入射する。電子線102は、対物レンズ107によってそのフォーカスを制御され、試料109上にビーム径が極小になるように集束される。走査偏向用偏向器106は、電子線102が試料109の定められた領域を走査するように制御装置110により制御される。
試料109の表面に到達した電子線102は、表面付近の物質と相互に作用する。これにより、反射電子、二次電子、オージェ電子等の二次的な電子が試料から発生し、取得すべき信号となる。本実施例においては信号が二次電子である場合について示す。
電子線102が試料109に到達した位置から発生した二次電子115は検出器105により検出される。検出器105から検出される二次電子115の信号処理が、制御装置110から走査偏向用偏向器106に送られる走査信号と同期して行われることによりSEM画像が形成され、試料109の観察が実施される。
なお、本実施例においては、検出器105は対物レンズ107や走査偏向用偏向器106より上流に配置したが、配置の順序は入れ替わっていてもよい。また、図示しないが電子源101と対物レンズ107の間には電子線の光軸を補正するアライナが配置され、電子線の中心軸が絞りや電子光学系に対してずれている場合に補正できる構成となっている。なお、図1において、電子線102及び二次電子115は、その進行方向を矢印で示した。
なお、本実施例において、ビームセパレータ103には磁場セクターを使用したが、EXBや、静電の偏向器を複数組み合わせる構成で実現してもよい。
次に、本実施例における、電子線102の試料109への照射と非照射を切り替える方法について説明する。図2A及び図2Bは、図1に示す電子線照射切替器の動作を説明するための側面図である。本実施例において、電子線照射切替器104は、電子線反射制御電極201と電子線反射制御電源202から構成されている。電子線反射制御電源202は、その発生電圧を電子線反射制御電極201に印加するために、制御装置110により制御される電圧源である。なお、電子線反射制御電極に関しその形状は問わないが、電場を考慮すると円形が望ましい。
まず、電子線を試料に照射する場合に関して図2Aを用いて説明する。電子線102を試料に照射する場合には、電子線照射切替器104により電子線102の軌道を反転する。加速電極(図示せず)により加速された電子線102の加速電圧をVとすると、電子線102の軌道の進行方向を反転するために、電子線反射制御電極201に印加される電圧Vonが下記の(1)及び(2)式を満たすように電子線反射制御電源202を制御する。
Figure 2018022561
Figure 2018022561
電子線反射制御電極201には負の電圧が印加されているため、電子線102は、電子線反射制御電極201付近で加速電圧がVから徐々に減少して減速し、加速電圧が0、すなわち速度が0となった後、その進行方向を反転して逆向きに進行する。電子線102が電子線反射制御電極201から十分離れると、電子線102の加速電圧はVとなる。このようにして電子線102は、加速電圧を維持したまま軌道の進行方向を反転する。図1に示したように、電子線102はこの後ビームセパレータ103に入射して対物レンズ107の方に出射し、試料109に照射される。
次に、電子線を試料に照射しない、非照射の場合に関して図2Bを用いて説明する。非照射の場合には、電子線反射制御電源202が発生し電子線反射制御電極201に印加する電圧Voffは下記の(3)式を満たすように制御する。
Figure 2018022561
offが(3)式を満たすとき、電子線102は加速電圧が0にならないため、その軌道の進行方向は反転せず、電子線反射制御電極201に衝突して吸収される。従って試料109には電子線102は照射されない。
図2Cは、時刻tにおいて電子線照射切替器104を照射の条件から非照射の条件に切り替える場合の、電子線反射制御電源202の制御信号の一例を示す信号波形図である。なお、図2Cにおいては、すべての電圧VでV<0である。(1)式及び(3)式より、|Von|は|V|より高く、|Voff|は|V|より低く設定する。
照射と非照射の切り替えにおいて、制御信号はVonとVoffの差であるΔVだけの電圧変化が必要である。ここで、この制御信号の切り替えが高速に行われる場合、電子線反射制御電源202から電子線反射制御電極201までの配線に基づく浮遊容量やインダクタンスの影響で波形にリンギングが発生することがある。
この場合、図2Cのように理想的な波形とならず、オーバー或いはアンダーシュートが発生する。この電圧のオーバー或いはアンダーシュートの振幅は小さい方が望ましい。この振幅は、ΔVが大きいほど大きくなるため、ΔVとして小さな値を設定する方がよい。この一方で、VoffがVと近い値となると、電子線102が電子線反射制御電極201に衝突する際の加速電圧が、例えば100V程度と低い電圧となり、反射電子のイールドが増加し、ノイズの原因となる可能性がある。以上の2点を考慮して、ΔVとしては以下の(4)式の条件が望ましいことが分かった。
Figure 2018022561
この値は、引用文献2の構成で必要となる電圧の1/10以下であり、高速切替えが可能である。以上、ビームセパレータと電子線反射制御電極とを組み合わせた構成により、電子線の照射と非照射を高速に切替えることができた。
本実施例の方式においては、電子線反射制御電極201に印加する電圧によって電子線の照射と非照射が切り替えられるため、その切り替えの過渡状態において、電子線の位置の移動は発生しない。また、電子線反射制御電極201は、印加する電圧に応じて、電子線102に対するレンズ作用が変化する。従って、電子線の照射と非照射の切り替えの過渡状態においては、試料上でフォーカスが多少ずれる。
この効果を小さくする一つの方法としては、電子線102のクロスオーバーを上記のレンズの中心、すなわち電子線反射制御電極201の近傍に形成することが効果的である。また、電子線反射制御電極よりも後段(本実施例においては対物レンズのみ)を十分小さな縮小率、たとえば1/20以下の倍率となるようにすることによって、そのフォーカスの変動を焦点深度より小さくする方法も効果的である。
なお、本実施例においては、対物レンズの光軸調整などの光学系の設定は全て別途実施されており、オペレーターが直接設定する例に関しては示していないが、試料の観察などの前にオペレーターが実施しても構わないし、画像をもとに制御系にフィードバックする等の方法で、自動的に実施、判断するようにしてもよい。
次に、試料を観察した例について説明する。
図8AはSEM画像を形成する際に、制御装置110から走査偏向用偏向器106に与えられる走査信号(制御信号)の一例を示す信号波形図であり、上図はX方向、下図はY方向を示す。最も一般的な走査信号はラスタスキャンと呼ばれるX方向及びY方向にそれぞれランプ信号を与えるものである。
図8Bは、図8Aの走査信号が走査偏向用偏向器106に与えられた場合の試料での電子線の走査の様子を示すものであり、電子線は、走査軌道801に従ってその位置を変化させ、走査される。まずはX方向に偏向されて時間tの間に一列の走査(ライン)を完了した後、Y方向に1画素分だけ移動して、再度X方向に走査されるという動作を繰り返し、時間tの間に1枚(フレーム)の画像を取得する。符号802は1画素であり、この画素ごとの二次電子の情報を走査と同期させて検出器105にて検出する。符号803は視野であり、図8AにおいてX方向及びY方向への信号の振幅に比例して視野803の領域が定まる。
電子線がパルス化されていない通常のSEM画像を取得する場合においては、図8Aの全走査信号の領域、或いは図8Bの全視野において、画素情報を順次取得する。しかしながら、試料が絶縁体である場合、光学条件によっては、試料が帯電し像障害を発生する。この影響を避けるため、本実施例においては、電子線照射切替器104を制御装置110で制御することによって、電子線の試料への照射と非照射の切り替えを繰り返し、帯電の影響を抑制しながらSEM画像を取得した。
図8Cは、電子線照射切替器104の制御信号を、走査信号と併せて示したものであり、上図が走査信号、下図が電子線照射切替器104の制御信号である。電子線照射切替器104は、電子線の試料への照射の時間tonと、非照射の時間toffを繰り返して切り替える。本実施例においては、この切り替えのタイミングは、X方向或いはY方向の走査信号のランプ波形の一周期(tあるいはt)よりも短い間に行われており、電子線の試料上での走査は間引き走査となっている。このラスタスキャンの走査時間t、tと電子線の試料への照射/非照射の時間ton/toffとの比率は試料の材質や加速電圧、プローブ電流、試料直上の電界強度、走査速度、観察倍率等の観察の光学条件によって適切なものを選択できるようになった。
本実施例の構成を用いて、絶縁体でできた試料を観察する方法に関して、図9及び図10を用いて説明する。図9は本実施例を用いて帯電の影響なく試料を観察するためのフローチャートである。オペレーターは、画像表示装置を備えた入出力部114を介して観察を開始する(図9中ステップS901)。画像表示装置には、例えば図10に示す電子線照射切替器の光軸調整画面が現れる。以下、特に断らない場合は図10を参照する。
オペレーターは読み出し条件設定部1001からあらかじめ決定され記憶装置112に保存されている条件ファイルを選択し、設定ボタン1002を押下することで所望の観察条件及び光学条件を読みだす(ステップS902)。ここで読み出される条件は、上述した試料の材質や加速電圧、プローブ電流、試料直上の電界強度、走査速度、観察倍率等の観察の光学条件によってあらかじめ保存された条件である。
条件が選択されると、システム制御部111から制御装置110を介して装置に制御信号が送られ、所望の光学条件が設定される。各種条件が設定された後、帯電制御設定部1003には読みだされた条件に応じて、ラスタスキャンの走査時間t、tと電子線の試料への照射/非照射の時間ton/toffとの関係が表示される。
なお、本実施例においては、スキャンの種類の選択によりラスタスキャンの走査時間t、tを設定し、パルスのON/OFFレートの選択により照射/非照射の時間ton/toffの比を設定し、間引きレートの選択により、tとtonの比を設定できる構成とした。
ここで、オペレーターは、帯電制御設定部内の各パラメータを所望の値に設定し、設定ボタン1004を押下する(ステップS903)。さらに、オペレーターは、必要に応じて、光学条件設定部1005内に表示されたフォーカスや非点、倍率などの各種光学条件を設定する(ステップS904)。
オペレーターが画像取得ボタン群1006のうちのいずれかを押下すると、SEM画像が画面1007に表示(画像取得)される(ステップS905)。オペレーターは画像保存ボタン1008を押下してSEM画像を保存して画像取得のフローを完了(観察終了)する(ステップS906)。
なお、本実施例において、走査偏向用偏向器はラスタ走査をする例を示したが、走査の方向を適宜変更するベクタ走査を適用することもできる。以上により、試料の材質に応じて帯電を抑制するパルスの条件を決定し他条件で観察を実施することができる。
次に、試料の帯電によって発生する信号量の変化を有効活用する例に関して示す。
図11は、本実施例における電子線照射切替器104の制御信号の他の例である。本実施例において、電子線の試料への照射、非照射、照射、非照射のように時間ton1、toff1、ton2、toff2の順で繰り返して切り替えている。すなわち、図8Cにおいては、照射と非照射の時間はそれぞれ一種類ずつであったが、図11では、それぞれ2種類である。このうち、ton1、toff1の時間は、試料への電子線の予備照射を行っており、観察前にあらかじめ帯電を形成することにより、取得する画像のコントラストの強調を行った。ton2、toff2の時間は、連続的に試料に電子線が到達しないように制御することで、帯電による像障害の発生を回避するために使用する。このようにして照射と非照射の信号波形を制御することにより、帯電制御と帯電抑制を両立した観察が実施できた。
図1に示す電子線観察装置における電子線照射切替器として、図2Aや図2Bに示す電子線照射切替器を用いて一次電子線としてパルス幅がナノ秒〜ピコ秒のパルスを形成し試料に照射したところ、帯電の影響が低減されると共に試料上における一次電子線の照射位置ずれが抑制或いは防止され、高感度、高効率な検査および計測を行うことができた。
以上本実施例によれば、高速なパルス形成を行うような場合であっても、試料上における一次荷電粒子線の照射位置ずれを抑制或いは防止可能な荷電粒子線装置を提供することができる。
本発明の第2の実施例について説明する。なお、実施例1に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。
本実施例では、電子線照射切替器104の光軸調整を容易とするため、電子線を検出できる構成が追加された例に関して示す。他の装置構成に関しては実施例1と同一であるため、本実施例においては説明を省略する。
図3A及び図3Bは、電子線照射切替器の動作を説明するための側面図である。図2A及び図2Bと同様に、図3A及び図3Bはそれぞれ試料に対して電子線の照射及び非照射となる条件に対応する。本実施例における電子線照射切替器104の構成において、図2A及び図2Bに示した実施例の構成と異なる部分は、電子線反射制御電極301の中心付近に開口部がある点と、この開口部の後方に検出器302が配置されている点である。また、検出器302は制御装置110に接続されている。これ以外に関しては、実施例1と同様である。なお、電子線反射制御電極の開口部に関し、その形状は問わないが、電場を考慮すると円形が望ましい。
電子線の試料への照射条件は実施例1と同様に(1)、(2)式となり、電子線反射制御電極301に開口があっても、電子線102の軌道の進行方向を逆転させることが可能である。電子線の非照射条件に関しても実施例1と同様に(3)式によって実現でき、また、照射と非照射の切り替えの条件は(4)式に従う。
ここで、図3Bに示すように、非照射の場合においては、電子線反射制御電極301の中心付近に開口部があるために、電子線102は電子線反射制御電極301には衝突せず、その後ろにある検出器302へと入射する。この信号を確認することにより、電子線102が電子線照射切替器104の軸を通過するように調整することが可能である。
また、本実施例においては、検出器302は電子線反射制御電源202に接続せず、検出信号を増幅させるための正のバイアス電圧(図示せず)を印加した。この印加電圧が例えば5kVである場合、検出器に到達するときの電子線102の加速電圧は、|V0|+5kVと高い値に設定可能となり、実施例1において問題となった反射電子の発生を抑制することが可能となった。
続いて、本実施例の構成を用いて、電子線照射切替器104の光軸調整を行う方法に関して、図4及び図5を用いて説明する。図4は電子線照射切替器104の光軸調整を行うためのフローチャートである。オペレーターは、画像表示装置を備えた入出力部114を介して電子線照射切替器104の光軸調整を開始する(図4中ステップS401)。画像表示装置には図5に示す電子線照射切替器104の光軸調整画面が現れる。以下、特に断らない場合は図5を参照する。
光軸調整を開始すると、電子線照射切替器104よりも上流側に配置されている偏向器やアライナ(図示せず)に走査信号が与えられ、検出器302上で電子線102が走査される。光軸調整画面上には、このようにして取得された検出画像501が表示される。検出画像501は、電子線102が検出可能である検出面より外側に走査されると信号が取得されないため、検出器の検出面に対応した形状の画像となって観察される。なお、検出器302の前段にメッシュや絞り等を配置し、その形状に基づいた透過画像を取得してもよい。
オペレーターは、検出画像501の明るさや、エッジのぼけが最適な状態になるように光軸調整部502のスライドバーを調整する(ステップS402)。本実施例においては、最適な状態とは、検出画像501の中心が最も明るくなる条件とした。オペレーターは、検出画像501の明るさが十分かどうかを判断し(ステップS403)、十分であれば完了ボタン503を押下し、記憶装置112に条件が保存されて光軸調整を完了する(ステップS404)。
なお、本実施例においては検出画像501の明るさを元にステップS403における判断を行ったが、検出画像501のエッジ部分のぼけや、検出器302の前にメッシュや絞りが配置されている場合には、その透過画像の鮮鋭度から判断してもよい。
また、本実施例においては、ステップS402において、光軸調整部502はビームセパレータ103とアライナ(図示せず)の調整を行った例に関して示したが、これ以外のレンズや偏向器、非点補正器等の光学要素により調整してもよい。
更に、本実施例においては、オペレーターが手動で光軸調整部502を調整する例に関して示したが、調整の途中の検出画像を記憶装置112に保存し、演算部113によって光軸パラメータの変化による画像の変化を数値化して演算し、その最適値を導出してフィードバックすることにより、ステップS402〜ステップS403を自動的に実施する構成としてもよい。なお、図5に示した電子線照射切替器の光軸調整画面はその一例であり、これ以外の画面構成をとってもよいことは言うまでもない。
以上より、電子線の照射と非照射を切り替えることができ、更にそれを実現する電子線照射切替器104の光軸調整を行うことができた。
図1に示す電子線観察装置における電子線照射切替器として、図3Aや図3Bに示す電子線照射切替器を用いて一次電子線としてパルス幅がナノ秒〜ピコ秒のパルスを形成し試料に照射したところ、帯電の影響が低減されると共に試料上における一次電子線の照射位置ずれが抑制或いは防止され、高感度、高効率な検査および計測を行うことができた。
以上本実施例によれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、電子線照射切替器として開口部を有する電子線反射制御電極301及び検出器302を用いることにより、電子線照射切替器104の光軸調整を容易に行うことができる。また、非照射時における二次電子或いは反射電子の発生を抑制することができる。
本発明の第3の実施例について説明する。なお、実施例1又は2に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。
本実施例においては、電子線102のプローブ電流を測定するためにファラデーカップが追加された例に関して示す。他の装置構成に関しては実施例1と同一であるため、本実施例においては説明を省略する。
図6A及び図6Bは、電子線照射切替器の動作を説明するための側面図である。図2A及び図2B、図3A及び図3Bと同様に、図6A及び図6Bはそれぞれ試料に対して電子線の照射及び非照射となる条件に対応する。本実施例における電子線照射切替器の構成において、図3A及び図3Bに示した実施例の構成と異なる部分は、電子線反射制御電極601がファラデーカップ構造となっている点である。これにより、非照射の条件において、電子線102が電子線反射制御電極601に到達する際には、発生した二次電子や反射電子をファラデーカップの外側に逃がしにくくなるため、発生した反射電子が試料まで到達してノイズとなることを回避可能となった。
また、電子線反射制御電極601は制御装置110に接続されており、ファラデーカップ内に到達した電子線102のプローブ電流を測定して入出力部114への表示、或いは記憶装置112への記憶ができるようになっている。これ以外に関しては、実施例1と同様である。
また、ファラデーカップに到達した電流を画像化すれば、実施例2にて示した電子線照射切替器104の光軸調整の方法を使用することが可能である。
以上より、電子線の照射と非照射を切り替えることができ、更にそれを実現する電子線照射切替器104の光軸調整を行うことができた。
図1に示す電子線観察装置における電子線照射切替器として、図6Aや図6Bに示す電子線照射切替器を用いて一次電子線としてパルス幅がナノ秒〜ピコ秒のパルスを形成し試料に照射したところ、帯電の影響が低減されると共に試料上における一次電子線の照射位置ずれが抑制或いは防止され、高感度、高効率な検査および計測を行うことができた。
以上本実施例によれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、電子線照射切替器としてファラデーカップ構造の電子線反射制御電極601を用いることにより、電子線照射切替器104の光軸調整を容易に行うことができる。また、非照射時における二次電子或いは反射電子の発生を抑制することができる。
本発明の第4の実施例について説明する。なお、実施例1乃至3の何れかに記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。
本実施例においては、電子線が試料へ非照射となる条件において、電子線反射制御電極から発生する二次電子、あるいは反射電子の影響を減らすため、実施例1の構成、すなわち図2A及び図2Bに示す電子線反射制御電極201の表面に加工を施した。
図7は、電子線が試料に対して非照射の場合、すなわち図2Bにおける電子線反射制御電極201の表面の一例を示す拡大断面図である。電子線反射制御電極201の表面には鋸歯状の構造701が形成されている。図2Bにて示したとおり電子線102は電子線反射制御電極201に衝突するが、その際に発生する二次電子、あるいは反射電子702は、鋸歯状の表面構造701によって散乱され、隣接する鋸歯に吸収される。この結果、二次電子或いは反射電子は試料109の方向に進行せず、照射しないため、ノイズが抑制された。
なお、本実施例においては、電子線反射制御電極201の構造として鋸歯状のものを示したが、表面が平坦でなく、発生する二次電子或いは反射電子を閉じ込められる構造であれば、例えば矩形歯状やフラクタル状などであってもよい。また、本実施例においては実施例1における電子線反射制御電極201の表面形状を代表例として示したが、実施例1−3のいずれの場合であってもよい。
なお、本実施例においては電極の表面を直接加工する例を示したが、電極表面にカーボン等を塗布することによって発生する二次電子或いは反射電子を閉じ込める構造を形成してもよい。
図1に示す電子線観察装置の電子線照射切替器における電子線反射制御電極として、図7に示す電子線照射切替器を用いて一次電子線としてパルス幅がナノ秒〜ピコ秒のパルスを形成し試料に照射したところ、帯電の影響が低減されると共に試料上における一次電子線の照射位置ずれが抑制或いは防止され、高感度、高効率な検査および計測を行うことができた。
以上本実施例によれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、電子線照射切替器の電子線が入射する表面に二次電子或いは反射電子を閉じ込める構造を形成することにより、非照射時において試料に照射される二次電子或いは反射電子が抑制され、ノイズが低減される。
以上実施例について説明したが、本発明は以下の実施形態を含む。
(1)荷電粒子源から発生した荷電粒子線を試料上に照射する荷電粒子線装置であって、前記荷電粒子線の進行方向に応じて偏向方向を切り替えるビームセパレータを備え、少なくとも一つの電極を有する切替器を備え、前記切替器を制御する制御装置を備え、前記制御装置は前記電極に第一の電圧が印加される第一の条件と前記電極に第二の電圧が印加される第二の条件を実施するように前記切替器を切り替えて制御し、前記第一の条件では前記切替器が前記荷電粒子線の軌道の進行方向を反転しかつ前記荷電粒子線が前記試料に到達し、前記第二の条件では前記切替器が前記荷電粒子線を吸収しかつ前記荷電粒子線が前記試料に到達しないことを特徴とする荷電粒子線装置とする。
(2)荷電粒子線装置において、印加電圧の切替によって荷電粒子源からの荷電粒子線を吸収および反転させる電極を有し、
前記電極の印加電圧の切替によって、試料への前記荷電粒子線の照射を切り替えることを特徴とする荷電粒子線装置。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本発明は、荷電粒子線装置、特に荷電粒子線を利用した高感度、高効率な観察・検査および計測技術として有用である。
101…電子源、102…電子線、103…ビームセパレータ、104…電子線照射切替器、105…検出器、106…走査偏向用偏向器、107…対物レンズ、108…ステージ、109…試料、110…制御装置、111…システム制御部、112…記憶装置、113…演算部、114…入出力部、115…二次電子、201…電子線反射制御電極、202…電子線反射制御電源、301…電子線反射制御電極、302…検出器、S401…電子線照射切替器光軸調整開始ステップ、S402…光軸パラメータ調整ステップ、S403…判断ステップ、S404…完了ステップ、501…検出画像、502…光軸調整部、503…完了ボタン、601…ファラデーカップ構造を有する電子線反射制御電極、701…鋸歯状の表面構造、702…反射電子、801…走査軌道、802…画素、803…視野、S901…観察開始ステップ、S902…条件読み出しステップ、S903…帯電制御条件決定ステップ、S904…光学条件設定ステップ、S905…SEM画像表示ステップ、S906…観察完了ステップ、1001…読み出し条件設定部、1002…設定ボタン、1003…帯電制御設定部、1004…設定ボタン、1005…光学条件設定部、1006…画像取得ボタン群、1007…SEM画面、1008…画像保存ボタン。

Claims (14)

  1. 荷電粒子源と、
    試料を載置するステージと、
    前記荷電粒子源で発生した荷電粒子線を前記試料に照射するための荷電粒子光学系と、
    前記荷電粒子光学系に挿入され、前記荷電粒子線の進行方向を前記荷電粒子光学系の光軸外に偏向させ、或いは前記荷電粒子光学系の光軸内に偏向させるセパレータと、
    前記荷電粒子光学系の光軸外に偏向された前記荷電粒子線を吸収、或いは前記セパレータの方向へ反射する荷電粒子線照射切替器と、
    前記荷電粒子線照射切替器を制御する制御装置と、
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線照射切替器は荷電粒子線反射制御電極を有し、
    前記制御装置は、前記荷電粒子線反射制御電極の方向に進行してくる前記荷電粒子線の速度エネルギーがゼロとなるような電圧を|V|とした場合、前記電圧|V|よりも高い電圧|Von|、或いは前記電圧|V|よりも低い電圧|Voff|を前記荷電粒子線反射制御電極に印加することにより、前記荷電粒子線照射切替器での前記荷電粒子線の反射或いは吸収を制御することを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2記載の荷電粒子線装置において、
    前記高い電圧|Von|と前記低い電圧|Voff|との差ΔVは、ΔV≦500Vであることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線照射切替器は、
    前記荷電粒子線照射切替器により吸収される前記荷電粒子線が通過する開口を有する荷電粒子線反射制御電極と、
    前記開口を通過した前記荷電粒子線を検出する検出器と、
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線照射切替器は、ファラデーカップ構造を有する荷電粒子線反射制御電極を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線照射切替器は、二次荷電粒子或いは反射荷電粒子を抑制するような表面構造を備えた荷電粒子線反射制御電極を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記表面構造は、鋸歯状の表面構造であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記制御装置は、前記荷電粒子線が前記試料へ照射することに起因する帯電を抑制するために前記荷電粒子線照射切替器における反射の時間長toff及び吸収の時間長tonを制御することを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項8記載の荷電粒子線装置において、
    前記制御装置は、前記荷電粒子線照射切替器における前記荷電粒子線の前記反射の時間長toff及び吸収の時間長tonを含む期間を一周期として繰り返すように前記荷電粒子線照射切替器を制御することを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項9記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線照射切替器における反射と吸収の何れか一つを切替えるタイミングは、前記荷電粒子光学系の光学条件或いは前記試料を構成する材料の種類のいずれかによって決定され、
    前記光学条件は、前記荷電粒子線に対する加速電圧、プローブ電流、走査速度、前記試料の直上の電界強度、及び観察倍率の少なくとも一つを含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項8記載の荷電粒子線装置において、
    前記制御装置は、前記荷電粒子線照射切替器における前記荷電粒子線の第1反射の時間長toff1及び第1吸収の時間長ton1と第2反射の時間長toff2及び第2吸収の時間長ton2とを含む期間を一周期として繰り返すように前記荷電粒子線照射切替器を制御することを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 請求項11記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線照射切替器における第1反射と第1吸収、第2反射と第2吸収の何れか一つを切替えるタイミングは、前記荷電粒子光学系の光学条件或いは前記試料を構成する材料の種類のいずれかによって決定され、
    前記光学条件は、前記荷電粒子線に対する加速電圧、プローブ電流、走査速度、前記試料の直上の電界強度、及び観察倍率の少なくとも一つを含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  13. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線照射切替器は荷電粒子線反射制御電極を有し、
    前記荷電粒子線が形成するクロスオーバーの一つが、前記荷電粒子線反射制御電極の近傍に形成されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  14. 荷電粒子源と、
    印加電圧の切替えによって前記荷電粒子源からの荷電粒子線を吸収および反転させ、試料への前記荷電粒子線の照射を切替える荷電粒子線反射制御電極と、
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
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