JP2022135215A - 学習器の学習方法、及び画像生成システム - Google Patents

学習器の学習方法、及び画像生成システム Download PDF

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Abstract

Figure 2022135215000001
【課題】適切な低品質画像と高品質画像を用いた学習を行う学習方法、学習器に適切な学習を施す画像生成システム及び非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【解決手段】学習方法は、入力画像と変換画像との間の誤差が抑制されるようにパラメータ調整を行う学習器に、第1の画像生成条件で生成された第1の画像と、第1の画像生成条件とは異なる第2の画像生成条件で生成された第2の画像を入力することによって学習を実行する。第2の画像は、当該第2の画像から抽出される指標値が、第1の画像から抽出される指標値と同じ、若しくは所定の関係にあるものが選択されているか又は第1の画像を生成するための第1の画像生成ツールとは異なる第2の画像生成ツールから出力される。
【選択図】図6

Description

本開示は、画像を生成する学習器の学習方法、システム、及び非一時的コンピュータ可読媒体に係り、特に試料に対するビーム照射に基づいて画像を生成する学習器の学習方法、システム、及び非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
半導体ウェハ等の試料に対し、電子ビーム等の荷電粒子ビームを照射すると、対象物(パターン)がシュリンク、ビームの照射領域が帯電することがある。特許文献1では荷電粒子ビームの照射によりシュリンクする物質で形成されたパターンのシュリンク前の形状や寸法を推定する方法が開示されている。また、特許文献2にはシュリンクを抑制すべく、低ドーズのビーム照射によって得られる低品質画像の入力に基づいて高品質画像を推定する方法が開示さている。
特許第5813413号(対応米国特許USP9,830,524) 特許第6668278号(対応米国特許USP10,559,074)
特許文献1に開示されている方法では、シュリンク後の画像からシュリンク前の画像を推定することはできるが、荷電粒子ビームの照射によるシュリンクを抑えて画像を生成することについての開示はない。特許文献2に開示されている方法では、低ドーズのビーム照射で高品質画像の推定を行うことができるが、低品質画像と高品質画像との間に生じるシュリンクなどの影響が考慮されていない。
以下に適切な低品質画像と高品質画像を用いた学習を行うことを目的とする学習法、学習器に適切な学習を施すことを目的とする画像生成システム、及び非一時的コンピュータ可読媒体について説明する。
上記目的を達成するための一態様として、画像生成ツールによって取得された入力画像の入力に基づいて変換画像を生成する学習器の学習方法であって、前記入力画像と前記変換画像との間の誤差が抑制されるようにパラメータ調整を行う前記学習器に、1回以上、第1の画像生成条件で生成された第1の画像と、前記第1の画像生成条件とは異なる第2の画像生成条件で生成された第2の画像を入力することによって学習を実行し、前記第2の画像は、当該第2の画像から抽出される指標値が、前記第1の画像から抽出される指標値と同じ、若しくは所定の関係にあるものが選択されている、又は、前記第2の画像は、前記第1の画像を生成するための第1の画像生成ツールとは異なる第2の画像生成ツールから出力される学習方法を提案する。
また、上記目的を達成するための他の態様として、入力画像の入力に基づいて、変換画像を生成するように構成されたシステムであって、前記入力画像の入力に基づいて変換画像を生成するように構成された学習器を学習させる1以上のコンピュータサブシステムと、当該1以上のコンピュータサブシステムによって実行される1以上のコンポーネントを備え、当該1以上のコンポーネントは、学習時に、前記入力画像と前記変換画像との間の誤差が抑制されるようにパラメータ調整を行う前記学習器に、1回以上、第1の画像生成条件で生成された第1の画像と、前記第1の画像生成条件とは異なる第2の画像生成条件で生成された第2の画像を前記入力装置からの入力することによって学習を実行し、前記第2の画像は、当該第2の画像から抽出される指標値が、前記第1の画像から抽出される指標値と同じ、若しくは所定の関係にあるものが選択されている、又は、前記第2の画像は、前記第1の画像を生成するための第1の画像生成ツールとは異なる第2の画像生成ツールから出力される、システム、或いは非一時的コンピュータ可読媒体を提案する。
上記構成によれば、低品質画像から高品質画像の推定を行う学習器に対する適切な学習、更に適切な学習によって学習された学習器を用いた適切な画像生成を行うことが可能となる。
画像生成ツールの一種である走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)の一例を示す図である。 画像生成ツールと学習器を含むコンピュータシステムを備えた画像生成システムの一例を示す図。 学習に用いられる教師データを生成する教師データ生成部304を含むシステムの一例を示す図。 ニューラルネットワークの構成の一例を示す図。 積算画像と、被積算画像との関係を示す図。 学習器の学習工程を説明するフローチャート。 ビーム走査時のフレーム数と、指標値(線幅)との関係を示すグラフ。 学習器の学習条件を入力するGUI画面の一例を示す図。 複数の画像生成ツールを含む画像生成システムの一例を示す図。 学習器の学習に供する画像を出力する画像生成ツールを選択するためのGUI画面の一例を示す図。 学習器の学習に供する画像を出力する画像生成ツールの装置条件を設定するためのGUI画面の一例を示す図。
以下、添付図面を参照して本実施の形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号又は対応する番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った実施の形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではない。
本実施の形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成、構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
以下に説明する実施の形態では、第1の画像を第2の画像に変換する方法、システム、及びコンピュータ可読媒体に係り、信頼性が低い画像から信頼性が高い画像を推定する方法、システム、及びコンピュータ可読媒体について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る画像生成システムに入力される画像を生成する画像生成ツールの一種である走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)の一例を示す図である。なお、以下の説明では荷電粒子線装置の一種であるSEMを画像生成ツールとして説明するが、これに限られることはなく、例えばイオンビームの走査に基づいて画像を生成する集束イオンビーム装置を画像生成ツールとすることも可能である。更に、他にも高品質画像を生成するより低品質画像を生成する方が処理の簡素化等ができるような画像生成ツールを用いるようにしても良い。
図1に例示する走査電子顕微鏡システム100は、撮像部101(走査電子顕微鏡本体)、コンピュータシステム102、信号処理部103、入出力部104、記憶部105を備えている。記憶部105は、本システムの動作を司るコンピュータプログラムを記憶する非一時的記録媒体としても機能する。コンピュータシステム102は、撮像部101が備える以下の光学系を制御する。
撮像部101は、電子ビーム107を照射する電子銃106、電子ビーム107を集束する集束レンズ108、集束レンズ108を通過した電子ビーム107をさらに集束する集束レンズ109を備えている。撮像部101はさらに、電子ビーム107を偏向する偏向器110、電子ビーム107の集束する高さを制御する対物レンズ111を備えている。
撮像部101の光学系を通過した電子ビーム107は、試料ステージ113上に載せられた試料112に照射される。電子ビーム107の照射によって試料112から放出される二次電子(Secondary Electron:SE)や後方散乱電子(Backscattered Electron:BSE)等の放出電子114は、その軌道上に設置された下段検出器115と上段検出器116によって検出される。上段検出器116に設けられた開口は、電子ビーム107を通過させるものである。この開口を十分小さくすることにより、試料112上に形成された深孔や深溝の底から放出され、パターン中心近傍を通過して試料表面上に脱出した二次電子を検出することができる。上段検出器116の直前にあるエネルギーフィルタ117a、又は下段検出器115の直前にあるエネルギーフィルタ117bを用いたエネルギーフィルタリングにより、放出電子114をエネルギー弁別することができる。
撮像部101はさらに、電子ビーム107を光軸外に偏向することによって試料112へ電子ビーム107が到達することを制限するブランキング偏向器118、及びブランキング偏向器118によって偏向された電子ビーム107を受け止めるブランキング用電極119を備える。
信号処理部103は、下段検出器115と上段検出器116の出力に基づいてSEM画像を生成する。信号処理部103は、図示しない走査偏向器の走査と同期して、フレームメモリ等に検出信号を記憶させることにより画像データを生成する。フレームメモリに検出信号を記憶する際、フレームメモリの走査位置に対応する位置に検出信号を記憶させることにより、信号プロファイル(1次元情報)、及びSEM画像(二次元情報)を生成する。また、必要に応じて偏向器120で二次電子を偏向することにより、深孔等から脱出した光軸近傍を通過する二次電子を、下段検出器115の開口外(下段検出器115の検出面)に導くことができる。
信号処理部103では、視野(Field Of View)に対する複数回の二次元走査に基づいて得られた画像データを積算する。画像積算は、試料表面の観察領域に電子ビーム107を複数回走査させて繰り返し照射することにより、該観察領域で一次電子線を走査させる回数(フレーム数)を増やし、フレーム毎の画像を積算・合成する方法である。この画像積算によれば、各フレームの画像を積算・合成することによる相殺効果によりノイズの減少を図りつつ、フレーム数の増大に応じて検出信号量を単純積算により増大させることができるので、S/N比の改善が可能となる。以下の実施例では主にFOV単位で画像積算を行う例について説明するが、これに限られることはなく、例えば視野内の特定の部位や興味領域(ROI)の画像データを選択的に積算して合成画像を生成するようにしても良い。
図2は、画像生成ツールの一種である走査電子顕微鏡システム100と、走査電子顕微鏡システム100から出力された画像データを入力することによって推定画像を生成するコンピュータシステム201を含む画像生成システムの一例を示す図である。コンピュータシステム201は、1以上のCPUやGPUを含む1以上のコンピュータサブシステムで構成されている。また、図4に例示するコンピュータシステム201は、当該1以上のコンピュータサブシステムによって実行される1以上のコンポーネントを備える。1以上のコンピュータサブシステムは、後述するような処理を1以上のプロセッサを用いてソフトウェアで実現することもできるし、その処理の一部または全部を電子回路などのハードウェアで実現するようにしても良い。
コンピュータシステム201は、入力画像の入力に基づいて高品質画像を推定する学習器である。当該学習器には入力画像(第2の画像、或いは低品質画像)を変換して推定画像(第1の画像、或いは高品質画像)を生成する画像変換部207が含まれている。変換誤差算出部208は、画像変換部207によって低品質画像から生成された変換画像(出力層の出力である第2の画像)と、正解データ(高品質画像(教師データ))として入力された画像(第1の画像)との誤差を算出する。より具体的には、変換誤差算出部208は、フォワードプロパゲーションによって導出された変換画像の画素値と、それに対応する正解画像の画素値から、算出される平均絶対誤差や平均二乗誤差等を変換誤差として算出する。変換パラメータ更新部209は、変換誤差に基づいて各画素の変換誤差を抑制するように、ニューラルネットワークの変換パラメータ(変数)を調整し、画像変換部207に供給する。
以上のようなフォワードプロパゲーションとバックプロパゲーションの繰り返しによって、出力の精度を向上させることができる。ニューロンの入力に対する重みが最適化されるまで、画像(教師データ)を用いた学習を行う。
図3は、学習器の学習に用いられる教師データを生成する教師データ生成部304を含むシステムの一例を示す図である。教師データ生成部304には入力インターフェース303を介して入出力装置202や他の記憶媒体から学習用データ、或いは推定画像を生成するための元画像などが入力される。学習用データは例えば高品質画像データと、コンピュータシステム102によって選択された低品質画像データである。入力される画像は例えば図1に例示するような画像生成ツールがビーム走査に基づいて生成する画像が含まれている。
図3に例示するコンピュータシステム201は、学習用画像データ記憶媒体301に記憶された低品質画像データと高品質画像データの入力インターフェース303を介した入力に基づいて、教師データを生成する教師データ生成部304を備えている。教師データ生成部304は、低品質画像と高品質画像のデータセットに基づいて教師データを生成する。教師データ生成部304で生成された教師データは、教師データ格納部305に格納され、更に学習器を学習させる学習部306に入力される。学習モデル格納部307は、学習部306にて生成された学習モデルを格納する。
画像推定部308は、学習部306によって生成された学習モデルを用いて、低品質画像から高品質画像を推定する。
画像推定部308は、図1に例示するような画像生成ツールの出力画像、或いは記憶媒体302に記憶されている画像(低品質画像)を入力画像とし、その入力画像に基づいて推定画像を生成する。画像推定部308は、学習部306で推定パラメータが調整された学習モデルを学習モデル格納部307から読み出し、当該学習モデルを用いた画像推定を実行する。当該学習モデルは例えばニューラルネットワークで構成され、図4に例示するような1以上の入力層、1以上の中間層(隠れ層)、及び1以上の出力層を含んでいる。
ニューラルネットワークは、出力層で所望の結果(例えば高品質画像や正しい測定値など)が出るよう、パラメータ(重みやバイアス等)を調整する学習を施すことで、適正な出力が可能となる。学習は例えば誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)によって、逐次的に変数(重みやバイアス)を更新することによって行われ、データの出力誤差を重み(活性化関数も含む)で偏微分して、出力を少しずつ最適な値へと調整する。なお、画像推定部308が用いる学習モデルは学習モデル格納部307に格納されたものではなく、他のコンピュータシステムの学習器から格納されたものでも良い。
以下に説明する学習モデルは、高品質画像と低品質画像のデータセットを教師データとして学習が施された学習器(推定器)である。また、低品質画像は例えば高品質画像に比較して、フレーム数の少ない画像、ドーズ量が少ないビーム照射によって得られた画像、相対的に性能の低い装置で取得された画像、相対的に悪い条件(例えば走査電子顕微鏡の真空チャンバの真空度が低い場合や試料からの脱ガスの影響を受けた状態など)で取得された画像、相対的に低倍率(相対的に広視野)で取得された画像、相対的に高速ビーム走査によって得られた画像、或いは上記低品質画像条件の組み合わせで取得された画像などである。
第1の画像生成条件で生成される高品質画像と比較して相対的に少フレーム、低ドーズ(低ビーム電流)、低倍率(相対的に視野が大きい)、或いは高速走査で取得された画像(第2の画像生成条件で生成される画像)は、単位面積当たりのビーム照射量が相対的に少ないため、S/N比の低い画像となる。一方で単位面積当たりのビームの照射量を減らすことができれば、ビーム照射によってもたらされるシュリンク、帯電、照射時間を抑制できる。また、高品質画像と比較して悪い条件で画像を取得せざるを得ない場合もある。
以下に、シュリンクや帯電などの影響のない状態で高品質画像を生成するための推定器について説明する。このような推定器を学習するために、例えば、単に高品質画像と低品質画像のデータセットを教師データとするのではなく、高品質画像の状態、及び高品質画像から抽出される特徴量の少なくとも1つと、低品質画像の状態、及び低品質画像から抽出される特徴量の少なくとも1つとの関係が、所定の条件を満たすような低品質画像を選択し、選択された低品質画像と高品質画像のデータセットを教師データとする。このように低品質画像と高品質画像が持つ特徴を近似、或いは一致させたデータセットを教師データとすることによって、高品質画像の高精度推定を行うことが可能となる。
以下、より具体的に学習器の学習法、及び学習器を用いた高品質画像推定法について説明する。本実施の形態では、電子線照射によりパターンがシュリンクするサンプルを観察する場合において、少フレーム画像から多フレーム画像を高精度変換できるような学習モデルと、その学習モデルに対する学習を施すシステムについて説明する。
特に、積算画像(出力)と積算前の画像データである被積算画像(入力)のデータセットを含む教師データをガイドとして学習された学習器を用いた画像推定処理について、以下に説明する。また、学習の際、シュリンクしたパターンを含むフレームの積算によって生成された積算画像と、当該積算画像と同様にシュリンクの影響を受け、なおかつ当該積算画像の指標値(以下、特徴量と称する場合もあり)と同じ或いは所定の関係を有する指標値が抽出される被積算画像とを選択的に用いた学習を行う。このような学習ができれば、シュリンクが顕在化しないレベルの少フレーム(例えば1フレーム)走査によって得られる少フレーム画像の入力に基づいて、シュリンクが極小化された多フレーム画像の推定が可能な学習器を生成することができる。
図5は、積算画像と、被積算画像との関係を示す図である。積算画像とは同じ視野(Field Of View)を複数回走査し、得られた検出信号を積算(加算平均)した画像である。図5の積算画像Aは被積算画像N1フレームからNnフレームを積算した画像である。図2の画像生成部203は複数の被積算画像を積算することによって積算画像(合成画像)を生成する。積算前の画像はS/Nが悪いため、積算処理を行うことによってS/Nを向上させる。S/Nを向上させるためには、多数フレームの画像信号を積算することが望ましいが、一方で同一個所に繰り返しビームを走査すると、パターンがシュリンクしたり、過度な帯電が蓄積される場合がある。少フレーム走査によって得られる画像信号から、多フレーム走査によって得られる画像が推定できれば、パターンをシュリンクさせたり、試料に帯電を残すことなく、高品質画像を生成することができる。
以下に高品質画像を生成するための学習モデルを生成する学習工程の概要について説明する。図6は、学習モデルの学習工程を示すフローチャートである。走査電子顕微鏡システム100は、所望の計測対象或いは検査対象が位置する試料上の領域に、電子ビーム107を複数回走査して、複数の画像信号(フレーム信号)を生成する(ステップ601)。ここで、後に各フレームの画像信号を評価すべく、フレームメモリなどに各フレームの画像信号を記憶させる。次に画像生成部203は、複数フレームの画像信号を積算して積算画像を生成する(ステップ602)。
次に、寸法測定部204は、フレームメモリ等に記憶された被積算画像と積算画像に含まれるパターンの寸法値を計測する(ステップ603)。寸法値は、例えば特定方向の輝度分布を示すラインプロファイルを生成し、プロファイルに含まれるピーク間の寸法を測定することによって行われる。また、本実施例では画像に含まれる寸法値を指標値(特徴量)として説明するが、寸法値のような一次元情報ではなく、対象物(試料上に形成されたパターンなど)の面積値のような2次元情報を指標値とするようにしても良い。また、寸法値についてもパターン幅、パターン間のスペース幅、ホール径などが考えられる。面積値を計測する場合は例えば画像を2値化し、特定のパターンに属する画素数をカウントする。また、寸法値や面積値は良く用いられる物理単位ではなく、画素数などで定義するようにしても良い。後述するように、高品質画像と低品質画像から抽出可能であり、比較可能な値であれば、その種類は問わない。
判定部205では、寸法測定部204にて測定された複数の被積算画像と積算画像の指標値を比較し、指標値が所定の条件を満たす被積算画像を選択する(ステップ604、605)。判定部205は、例えば積算画像の指標値に一致する指標値を持つ被積算画像を選択する。また、積算画像が持つ指標値との差分が所定値以下の指標値を持つ被積算画像を選択するようにしても良い。更に、後述するようにある程度シュリンクが進んだパターンから選択するようにしても良い。
コンピュータシステム201は、積算画像と、判定部205によって選択されデータ記憶部206に記憶された被積算画像のデータセットを生成し、このデータセットを用いて学習器を学習させる(ステップ606、607)。
以上のようにして生成された学習モデルは、被積算画像と積算画像のため、シュリンク等の影響を受けていない、高品質画像の推定が可能となる。なお、後述するようにシュリンクがある程度進むと、特徴量の変動量が減少する傾向にあるため、経験的にシュリンクの影響が小さくなるフレーム数やフレーム範囲がわかっているような場合は、そのフレームやフレーム範囲の被積算画像と積算画像のデータセットを教師データとするようにしても良い。
図7は、フレーム数とパターン寸法との関係を示すグラフの一例を示す図である。本例ではラインパターンの線幅(縦軸)とフレーム数(横軸)との関係を例示している。図7に例示するグラフは、フレーム数が増加(累積照射量が増加)に伴って、線幅が徐々に細くなっていく状態を示している。128フレームの被積算画像を積算して積算画像を生成し、その積算画像から抽出される線幅がkである場合、被積算画像の中で線幅kのもの(或いはkに近い線幅が計測値として出力される被積算画像)を選択し、その被積算画像と128フレームの積算画像のデータセットを教師データとする。
被積算画像に表示されたパターン寸法を計測する場合、例えば1フレームの画像ではS/N比が低く、正確な計測結果が得られないような場合は、最終的な積算画像を生成するための積算数(例えば128フレーム)よりは少ないけれどもある程度S/N比を向上可能なフレーム数(例えば4フレーム)の被積算画像を積算した積算画像を被積算画像として、計測値を出力するようにしても良い。例えば128フレームの積算画像を生成する場合、128フレームの積算画像を生成すると共に、4フレーム単位で積算画像を生成(1~4フレーム、5~8フレーム、9~12フレーム、、、)し、それらの少フレーム積算画像から、被積算画像の計測値を抽出するようにしても良い。異なるタイミングのそれぞれで得られた少フレーム画像から適切な学習用データを選択することによって、適切な学習モデルを生成することが可能となる。
次に、このような学習モデルを生成するための条件を入力するためのGUI画面の一例を説明する。図8はGUI画面の一例を示す図である。このようなGUI画面は例えばコンピュータシステム102、コンピュータシステム201、或いはその両方に接続された入出力装置202の表示画面等に表示される。学習に供する少フレーム画像の適切な取得条件の設定ができれば、適切な推定が可能な学習モデルを生成することができる。よって、図8を用いて主に入力画像(低品質画像)の取得条件を設定する例について説明する。
図8に例示するGUI画面は主に対象となるパターン(ターゲット)の画像を表示する左上欄、学習に供する画像の選択条件を設定する右上欄、低品質画像の生成条件を設定する左下欄、及び高品質画像の取得条件を設定する右下欄が含まれている。例えば左上欄には予め登録されている画像データ、或いは対象となるパターンのレイアウトデータが表示される。予め被積算画像と積算画像が取得されているような場合は、左上欄に画像を表示し、評価対象となるようなパターンエッジなどを選択するのに用いることができる。図8の例ではラインパターンが表示され、ラインパターンのエッジ801の評価対象エッジを指定するための指定枠802が表示されている。指定枠802は、ポインタ803等で画像内の任意の位置、大きさに設定可能に構成されている。
右上欄には試料名、対象パターン名、対象パターンの座標、パターンの種類、及び評価パラメータの設定欄が設けられている。試料名、対象パターン名、或いは座標情報の入力に基づいて、既に記憶されている画像データを読み出すように構成しても良いし、画像取得ツールである電子顕微鏡の装置条件(レシピ)を生成するようにしても良い。更にパターンの種類の選択肢にはライン、ホールなどの半導体デバイスを構成するパターンが含まれ、画像化対象に応じた選択を可能としておくことが望ましい。また、評価パラメータ設定欄では、幅(寸法)、面積など、対象となるパターンの評価基準の設定を可能としておくことが望ましい。図8の例ではパターンの種類としてラインパターンが選択され、評価パラメータとして線幅が設定されている。画像推定を経て生成された画像を用いた検査、計測用途に応じた設定を行うことによって、目的に応じた適切な画像推定を行うことが可能となる。
図8に例示するGUI画面の左下欄は、低品質画像の生成条件の設定が可能となっており、判定部205では、ここでの設定に基づいて低品質画像の学習データを生成する。図8の例では、画像生成のためのフレーム数と画像生成に供されるフレームの選択条件の入力が可能となっている。図8の例では低品質画像生成のための必要フレーム数として4が設定され、最も良い評価パラメータを持つフレームを学習用データとして選択する条件が設定されている。このような設定を行うことによって、判定部205は、複数の少フレーム積算画像の内、最終的な積算画像とパラメータ(図8の例では線幅)が最も近いものを選択する。この例では最終的な積算画像から抽出された線幅と、複数の少フレーム積算画像から抽出された線幅を比較し、最も近いものを選択することになるが、これに限られることはなく、例えば線幅の許容範囲を設定しておき、最終的な積算画像から抽出された線幅との差分が所定値以下の線幅を持つ少フレーム積算画像を選択するようにしても良い。また、適切な線幅が計測されなかった場合は、教師データを生成しない、という判定を行うようにしても良い。更に経験的に最終的な積算画像と同等の寸法値が得られるフレーム範囲がわかっているような場合は、そのフレーム範囲を選択するようにしても良い。更に、線幅が一致したときのみ教師データを生成するようにしても良いし、上記差分が所定値以下の複数の少フレーム積算画像と積算画像から教師データを生成するようにしても良い。低品質画像のフレーム数は1以上、高品質画像生成に要するフレーム数未満で設定可能としておくことが望ましい。
図8に例示するGUI画面の右下欄は教師データの一部を構成する高品質画像(出力)の取得条件を設定する設定欄となっている。図8の例では高品質画像生成に要するフレーム数が128と設定されている。また、フレーム総数を指定するのではなく、画像生成に要するフレームの範囲を設定するようにしても良い。
例えばコンピュータシステム102は、図8に例示するようなGUI画面上での設定に基づいて、積算画像生成、線幅等の特徴量の評価、及び特徴量評価に基づく画像の選択と、教師データの生成を実行する。
以上のようにして学習された学習器を含むコンピュータシステム201に、少フレーム画像(1フレーム或いは高品質画像より少ないフレーム積算数の画像)を入力することによって、多フレーム画像(高品質画像)の推定を行うことが可能となる。
以上のようにして高品質画像と、当該高品質画像とシュリンク等の条件が一致、或いは近似し、かつ当該高品質画像の指標値と同じ或いは所定の関係を有する指標値が抽出される低品質画像とのデータセットを用いて学習(1回以上のフォワードプロパゲーションとバックプロパゲーションの繰り返し)を行うことによって、シュリンクを抑えた少フレーム画像から、多フレーム画像を高精度推定することができる。
また、以上の第1の実施の形態では電子線照射によりパターンがシュリンクするサンプルを例に述べたが、電子線照射によりパターンがシュリンクしない、もしくはシュリンクの程度が目的の指標値に影響を与えないサンプルにおいても同様に、少フレーム画像から、多フレーム画像を高精度推定することも可能である。
少フレーム画像から多フレーム画像を高精度推定することができれば、少ない撮像回数で多フレーム画像を得ることが可能となるため、多フレーム画像の生成のスループットが向上する。電子線照射によりパターンがシュリンクしない、もしくはシュリンクの程度が目的の指標値に影響を与えないサンプルにおいても同様に、積算画像と、積算画像の測長値と一致するK frame目のフレーム画像とを教師データセットとして用いることにより、条件が一致、或いは近似した教師データのデータセットを生成できる。
以上のようにして高品質画像と、当該高品質画像の指標値と同じ或いは所定の関係を有する指標値が抽出される低品質画像とのデータセットを用いて学習(1回以上のフォワードプロパゲーションとバックプロパゲーションの繰り返し)を行うことによって、少フレーム画像から、高精度推定が可能な多フレーム画像を生成することができる。
以上説明した手法により推定した高品質画像を用いて、欠陥検出や検出した欠陥の観察、分類、及び回路パターン計測などを実施しても良い。
本実施例では、高性能な画像取得ツールで高品質画像(第1の画像)を生成し、高性能な画像取得ツールに対して相対的に性能の劣る画像取得ツールで低品質画像(第2の画像)を生成し、両画像のデータセットを教師データとした学習が施された学習器について説明する。本実施例では、性能の異なる2以上の装置で異なる画像生成条件の画像を生成し、それら複数の画像を教師データとする学習法について説明する。図9は、高性能画像取得ツール901と、低性能画像取得ツール902~904を含む画像生成システムの一例を示す図である。高性能画像取得ツール901は、例えば収差補正器905を搭載した走査電子顕微鏡であり、低性能画像取得ツールは、収差補正器905を搭載していない走査電子顕微鏡である。
収差補正器905は例えば多極子構造、或いは電子ミラーのような収差を抑制する光学素子を備えており、収差補正器905のない装置に比べ、相対的に高分解能画像を生成することができる。一方で収差補正器を備えていない装置と比較すると高価である。相対的に安価な装置で取得された画像から、高価な装置で取得される画像を推定できれば、例えば半導体の歩留まり管理などのために、多数の試料の計測や検査を行うための複数の画像取得ツールを用いた安価なシステムを構築することが可能となる。
図9に例示するシステムでは、例えば同じ、或いは設計データ上同じ試料を、高性能画像取得ツール901と、低性能画像取得ツール902~904のそれぞれで取得し、そのデータセットを教師データとしてコンピュータシステム201に含まれる学習器を学習させる。
以上のようにして学習された学習器に、低性能画像取得ツールによって得られた画像を入力することによって、高性能画像取得ツールによって得られる画像を推定することが可能となる。また、1の高性能装置と、複数の低性能装置がある場合、低性能装置ごとに学習器を用意しておくことによって、低性能装置間の機差を低減することが可能となる。
上述の実施例では、収差補正器を搭載した装置を高性能装置として教師データを生成する例について説明したが。これに限られることはなく、例えば低性能装置に対して相対的に高いエネルギーのビームを照射できる装置を高性能装置としても良い。例えば、電子顕微鏡は照射されるビームのエネルギーが高い方が高分解能画像を得ることができる。よって、より高加速でのビーム照射が可能な装置を高性能装置とし、低性能装置ではできない高加速エネルギーのビーム照射に基づいて得られる画像と、低性能装置で得られる画像のデータセットを教師データとするようにしても良い。
また、試料室の真空度が高い装置や大電流ビームの照射が可能な装置でも、相対的に低真空環境しか実現できない装置や小電流ビームしか照射できない装置に対して、相対的に良質の画像が得られる装置を高性能装置とするようにしても良い。また、高性能装置であっても環境上、その性能を十分発揮できないような場合、良い環境で得られた画像を高品質画像として教師データを作成するようにしても良い。
図10、11は、高性能装置と低性能装置から出力される画像データ等から、学習用の教師データの生成条件設定を行うためのGUI画面の一例を示す図である。図10、11に例示するGUI画面はコンピュータシステム201に接続された入出力装置202の表示装置等に表示される。図10、11は、タグの選択により画像データを生成する装置の選択や、画像生成ツールの画像生成条件の選択を行う画面に切り替えることが可能なGUI画面を例示している。図10は画像データを生成する装置を選択する選択画面となっている。例えば出力装置として推定したい高品質画像を出力する装置(例えば高性能画像取得ツール901)を選択し、入力装置として低品質画像を出力する装置(例えば低性能画像取得ツール902~904)を選択すれば、コンピュータシステム201は、低品質画像を入力、高品質画像を出力とするデータセットを含む教師データによって学習器を学習させる。
図11は選択された画像取得ツールの画像取得条件を設定するGUI画面の一例である。左欄は例えば画像生成対象となる試料、パターン情報、パターンの座標情報を設定する設定欄となっている。右欄は、画像生成ツールの画像生成条件を設定する設定欄となっている。画像生成ツールが電子顕微鏡の場合、視野の大きさ(或いは倍率)、試料に照射されるビームのエネルギー、ビーム電流、フレーム数などの光学条件である。更に図11の例では収差補正器を稼働させるための選択欄が設けられている。
以上のように、任意の入力装置と出力装置の設定が可能な設定欄を設けておくことによって、目的に応じた学習器の生成を行うことが可能となる。また、画像生成の対象となる試料は同じ、或いは実質的に同じであることが望ましいので、試料情報は複数の装置間でコピー可能とすることによって、設定の手間を低減することが可能となる。更に装置条件は各装置固有の条件を設定可能とすることによって、任意の高品質画像と低品質画像の生成が可能となる。
また、例えば基準とすべき画像取得ツールであるマスター機で多フレーム画像、それ以外の装置で少フレーム画像を生成し、そのデータセットを教師データとするようにしても良い。このような教師データに基づいて生成される複数の学習モデルを用いた画像生成を行うことによって、機差のない低品質画像を用いた高品質画像の推定を行うことが可能となる。
上記した実施例では主に異なるビーム照射条件で得られた画像を高品質画像、低品質画像として学習させた学習器を例示したが、本実施例では試料に対するビーム照射に基づいて得られる荷電粒子の検出条件、検出器出力の信号処理条件、及び画像処理条件等の条件を変えて、高品質画像と低品質画像を取得し、これらの画像を教師データとして学習させた学習器について説明する。
図1に例示するような複数の検出器を備えた電子顕微鏡の場合、検出器の種類、配置条件などによって、それぞれの検出器出力に基づいて生成される画像が異なる。例えば図1に例示する上段検出器116と下段検出器115では、試料から異なる仰角範囲に向かって放出される電子が検出されることになる。例えば上段検出器116では仰角α~αの角度範囲に放出される電子、下段検出器115では仰角α~αの角度範囲に放出される電子が検出される(α>α>α>α)。
例えば電子顕微鏡の走査領域内にコンタクトホールや溝がある場合、下段検出器115と比較して上段検出器116の方が、検出される全電子に含まれるホール底や溝底から放出された電子の比率が高くなる。即ち、計測対象をコンタクトホール底とした場合、上段検出器116の出力に基づいて生成される画像の方が、下段検出器115の出力に基づいて生成される画像より、ホールの底が鮮明な画像となり、計測目的に鑑みれば、上段検出器116の出力に基づいて生成される画像の方が高品質画像となる。
例えば、上段検出器116に相当する検出器のみを搭載する電子顕微鏡から出力される画像データと、下段検出器115に相当する検出器のみを搭載する電子顕微鏡から出力される画像データのセットを教師データとする学習器によれば、上段検出器116に相当する検出器を持たない装置から出力された画像から、上段検出器116に相当する検出器を有する装置が出力する画像を推定することが可能となる。
また、検出器自体の性能差のある装置が出力する画像データを用いて学習器を学習させても良い。例えば、電子の検出面にシンチレータを備え、当該シンチレータに電子が衝突することによって発生する光を光電子増倍管に導くライトガイドを備えた検出器の場合、シンチレータの性能によっては検出器出力に基づいて生成される画像の画質に差が生じることがある。より具体的には、同じ条件でシンチレータに電子が衝突した場合であっても、シンチレータの変換特性(発光の程度や残光特性など)に違いがあると、同じ画像を得ることはできない。そこで、変換特性に優れたシンチレータを有する検出器の出力に基づいて生成される画像を高品質画像とし、相対的に変換特性が劣るシンチレータを有する検出器の出力に基づいて生成される画像を低品質画像として学習器を学習させ、当該学習済の学習器に低品質画像を入力することによって、低品質画像からでも高品質画像を推定することが可能となる。また、ライトガイドもその種類によって光の伝達特性が異なる。よって、光の伝達特性に優れたライトガイドを有する装置から出力される画像を高品質画像、特性の劣るライトガイドを有する装置から出力される画像を低品質画像として、学習器を学習させるようにしても良い。また、画質は1の光学素子の性能で決まるものではなく、検出素子の構造や画像処理条件などの複合条件で決まるため、出力される画像の画質が優れたものを高品質画像として選択するようにしても良い。
更に検出器の数が多い装置から出力される画像を高品質画像、相対的に検出器の数が少ない装置から出力される画像を低品質画像として、学習器を学習させるようにしても良い。この例の場合、検出器の数が多い方が、試料から放出される電子の軌道をカバーする範囲が広くなり、より多くの電子を検出できるため、高品質画像としているが、検出器の数が同じ、或いは少ない場合であってもカバー可能な範囲が大きい方の装置の出力に基づいて生成される画像を高品質画像とするようにしても良い。また、複数検出器の出力を合成することによって得られる合成画像を、高品質画像とするようにしても良い。
例えばビーム光軸に対し直交する方向であって、異なる複数の方向(複数の方位角方向)に検出器を配置し、その複数の検出器の出力を合成すると、パターンや異物などの対象物の高さ情報を反映した画像を生成することが可能となる。このような画像を高品質画像、高品質画像を生成するのに用いた検出器の数より少ない数の検出器の出力に基づいて生成される画像、或いは性能の劣る検出器の出力に基づいて生成される画像を低品質画像として学習器を学習させることによって、低品質画像の入力に基づいて、高さ情報を反映した高品質画像を生成することが可能となる。
更に、特殊な検出条件に基づいて生成された画像を高品質画像とすることもできる。例えば図1に例示したような走査電子顕微鏡には、エネルギーフィルタ117が設けられている。エネルギーフィルタ117は、例えば3層のメッシュ状電極を含み、負電圧が印加される中央のメッシュ電極が、接地電位の2枚のメッシュ電極に挟まれる構造となっている。エネルギーフィルタは、印加する負電圧を調整することによって、低いエネルギーの電子の通過を制限するハイパスフィルタである。このようなエネルギーフィルタを利用することによって、高いエネルギーを持つ電子を選択的に検出することができる。エネルギーフィルタを利用することによって、例えば特定の組成や凹凸情報を強調した画像を生成することができる。このような特定情報を強調した画像を高品質画像、それ以外の条件で取得された画像を低品質画像とすることもできる。
また、エネルギーアナライザを搭載した装置から出力される画像を、高品質画像とするようにしても良い。エネルギーアナライザはバンドパスフィルタであり、特定のエネルギー範囲の電子を選択的に通過させることができる。
エネルギーフィルタやエネルギーアナライザを用いることによって、特定のエネルギーの電子の選択的検出が可能となる一方で、それ以外の電子をフィルタリングするため、検出量は低下する。例えばエネルギーフィルタによって選択された電子に基づいて生成される画像データを複数フレーム(mフレーム)積算することによって高品質画像を生成する。一方でエネルギーフィルタリングを行わない少フレーム(oフレーム:m>o)積算画像を低品質画像として学習器を学習させるようにしても良い。
なお、電子顕微鏡による電子の検出方式として、試料から放出された電子の軌道にシンチレータなどの検出器の検出面を配置する直接検出と、電子の軌道に金属製の板(反射板)を配置し、当該反射板に電子が衝突することによって発生する電子(3次電子)を検出器に引き込んで検出するものがある。反射板を用いた検出法の場合、最終的に検出器に到達する電子は、反射板への2次電子等の衝突によって生じたものである。よって、電子顕微鏡を用いた組成分析などを行う場合、反射板の情報が混在することになる。そこで、直接検出器の出力に基づいて生成される画像を高品質画像、反射板を備えた装置の出力に基づいて生成される画像を低品質画像として学習器を学習させる。このような学習が施された学習器に、低品質画像を入力することによって、直接検出器の出力に基づいて生成される画像を推定することが可能となる。
100…走査電子顕微鏡システム、101…撮像部、102…コンピュータシステム、201…コンピュータシステム、202…入出力装置、203…画像生成部、204…寸法測定部、205…判定部、206…データ記憶部、207…画像変換部、208…変換誤差算出部、209…変換パラメータ更新部、210…データ記憶部

Claims (12)

  1. 画像生成ツールによって取得された入力画像の入力に基づいて変換画像を生成する学習器の学習方法であって、
    前記入力画像と前記変換画像との間の誤差が抑制されるようにパラメータ調整を行う前記学習器に、1回以上、第1の画像生成条件で生成された第1の画像と、前記第1の画像生成条件とは異なる第2の画像生成条件で生成された第2の画像を入力することによって学習を実行し、
    前記第2の画像は、当該第2の画像から抽出される指標値が、前記第1の画像から抽出される指標値と同じ、若しくは所定の関係にあるものが選択されている、又は、
    前記第2の画像は、前記第1の画像を生成するための第1の画像生成ツールとは異なる第2の画像生成ツールから出力される、
    学習方法。
  2. 請求項1において、
    前記第の1の画像は前記第2の画像より高品質である学習方法。
  3. 請求項1において、
    前記画像生成ツールは、荷電粒子線装置であって、前記第1の画像は前記第2の画像より前記荷電粒子線装置の単位面積あたりのドーズ量が多い条件で取得される学習方法。
  4. 請求項3において、
    前記第1の画像は、前記第2の画像より、前記荷電粒子線装置のフレーム積算数、若しくはビーム電流が多い、荷電粒子ビームの走査速度が遅い、或いは荷電粒子線装置の視野が小さい状態で取得される学習方法。
  5. 請求項1において、
    前記第1の画像と、複数の第2の画像を取得し、当該複数の第2の画像から、複数の第2の指標値を抽出し、当該抽出された複数の第2の指標値と、前記第1の画像から抽出される第1の指標値を比較する学習方法。
  6. 請求項1において、
    前記指標値は、前記第1の画像及び第2の画像内に含まれるパターンの寸法値、或いは面積値である学習方法。
  7. 請求項1において、
    前記第1の画像生成ツールは、前記第2の画像生成ツールより高品質画像を生成するように構成されている学習方法。
  8. 請求項1において、
    前記第1の画像生成ツールには、収差補正器が搭載されている学習方法。
  9. 入力画像の入力に基づいて、変換画像を生成するように構成されたシステムであって、
    前記入力画像の入力に基づいて変換画像を生成するように構成された学習器を学習させる1以上のコンピュータサブシステムと、当該1以上のコンピュータサブシステムによって実行される1以上のコンポーネントを備え、
    当該1以上のコンポーネントは、学習時に、前記入力画像と前記変換画像との間の誤差が抑制されるようにパラメータ調整を行う前記学習器に、1回以上、第1の画像生成条件で生成された第1の画像と、前記第1の画像生成条件とは異なる第2の画像生成条件で生成された第2の画像を前記入力装置からの入力することによって学習を実行し、
    前記第2の画像は、当該第2の画像から抽出される指標値が、前記第1の画像から抽出される指標値と同じ、若しくは所定の関係にあるものが選択されている、又は、
    前記第2の画像は、前記第1の画像を生成するための第1の画像生成ツールとは異なる第2の画像生成ツールから出力される、
    システム。
  10. 請求項9において、
    前記1以上のコンポーネントは、前記第1の画像と、前記選択された第2の画像を含む教師データによって、前記学習器を学習させるシステム。
  11. 請求項10において、
    前記1以上のコンポーネントは、前記第2の画像生成条件によって生成される複数の第2の画像に含まれるパターンの寸法計測、或いは面積計測の実行に基づいて、所定の条件を満たす第2の画像を選択し、当該選択された第2の画像の計測値と、前記第1の画像の計測値を比較し、当該比較に基づいて前記第2の画像を選択するシステム。
  12. プロセッサに、画像の入力に基づいて変換画像を生成するように構成された学習器を学習させるような指示をするように構成されたプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、
    前記プログラムは、学習時に、前記入力画像と前記変換画像との間の誤差が抑制されるようにパラメータ調整を行う前記学習器に、1回以上、第1の画像生成条件で生成された第1の画像と、前記第1の画像生成条件とは異なる第2の画像生成条件で生成された第2の画像を前記入力装置からの入力することによって学習を実行させ、
    前記第2の画像は、当該第2の画像から抽出される指標値が、前記第1の画像から抽出される指標値と同じ、若しくは所定の関係にあるものが選択されている、又は、
    前記第2の画像は、前記第1の画像を生成するための第1の画像生成ツールとは異なる第2の画像生成ツールから出力される、
    非一時的コンピュータ可読媒体。
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