本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、本発明の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出部SE1と、表示部DPと、力検出部SE2と、制御部CTRLと、を含む。タッチ検出機能付き表示装置1内の力検出部SE2及び制御部CTRLが、本発明の力検出装置に対応する。
タッチ検出部SE1は、被検出物OBJの、カバー部材CGの入力面ISへの接触又は近接を検出する。具体的には、タッチ検出部SE1は、被検出物OBJが入力面ISと垂直な方向で重なる領域の接触又は近接に応じた信号値を、制御部CTRLに出力する。
被検出物OBJは、入力面ISと接触して変形する第1の種類のものであってもよいし、入力面ISと接触して変形しない又は第1の種類のものと比較して相対的に変形が少ない第2の種類のものであってもよい。第1の種類のものは、ユーザの指が例示されるが、これに限定されない。第2の種類のものは、樹脂又は金属のスタイラスペンが例示されるが、これに限定されない。
タッチ検出部SE1が検出できる被検出物の数は、1個に限定されない。タッチ検出部SE1は、2個以上の被検出物を検出できることとしてもよい。タッチ検出部SE1は、静電容量方式センサ又は抵抗膜方式センサが例示されるが、これらに限定されない。静電容量方式は、相互静電容量方式又は自己静電容量方式が例示される。
表示部DPは、入力面IS側に向けて画像を表示する。表示部DPは、液晶表示装置又は有機エレクトロルミネッセンス(Electro−Luminescence)表示装置が例示されるが、これらに限定されない。
タッチ検出部SE1及び表示部DPは、一体化された、いわゆるインセルタイプであってもよい。また、タッチ検出部SE1及び表示部DPは、表示部DPの上にタッチ検出部SE1が装着された、いわゆるオンセルタイプであってもよい。
力検出部SE2は、被検出物OBJが入力面ISを押す力を検出する。具体的には、力検出部SE2は、被検出物OBJが入力面ISを押す力に応じた信号を、制御部CTRLに出力する。力検出部SE2は、静電容量方式センサが例示される。
制御部CTRLは、力検出部SE2から出力される信号に基づいて、力を表す力信号値を算出する。制御部CTRLは、表示制御部11と、タッチ検出制御部40と、力検出制御部50と、ホストHSTと、を含む。
表示制御部11は、表示部DPのガラス基板上に実装されたICチップが例示される。タッチ検出制御部40は、表示部DPのガラス基板に接続されたプリント基板(例えば、フレキシブルプリント基板)上に実装されたICチップが例示される。力検出制御部50は、表示部DPのガラス基板に接続されたプリント基板上に実装されたICチップが例示される。ホストHSTは、CPU(Central Processing Unit)が例示される。表示制御部11、タッチ検出制御部40、力検出制御部50及びホストHSTは、協働してタッチ検出部SE1、表示部DP及び力検出部SE2を制御する。
制御部CTRLが実行する、力信号値を算出するための処理は、表示制御部11が実行してもよいし、タッチ検出制御部40が実行してもよいし、力検出制御部50が実行してもよいし、ホストHSTが実行してもよいし、表示制御部11、タッチ検出制御部40、力検出制御部50及びホストHSTの内の2つ以上が協働して実行してもよい。
以下に、タッチ検出部SE1、表示部DP及び力検出部SE2の具体的な構成例について説明するが、これらの構成例は例示であり、これらの構成例に限定されない。
<タッチ検出部及び表示部の構成例>
図2は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置のタッチ検出部及び表示部の構成例を示すブロック図である。図2に示すタッチ検出機能付き表示装置1は、いわゆる相互静電容量方式及び自己静電容量方式により、被検出物OBJの座標及び接触面積の検出を行う装置である。
タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示部10と、表示制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、ソースセレクタ部13Sと、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出制御部40と、を含む。
タッチ検出機能付き表示部10は、表示素子として液晶表示素子を用いている液晶表示デバイス20に静電容量型のタッチ検出デバイス30を内蔵して一体化した、いわゆるインセルタイプあるいはハイブリッドタイプの装置である。なお、液晶表示デバイス20に静電容量型のタッチ検出デバイス30を内蔵して一体化するとは、例えば、液晶表示デバイス20として使用される基板や電極などの一部の部材と、タッチ検出デバイス30として使用される基板や電極などの一部の部材とを兼用することを含む。
液晶表示デバイス20が、図1の表示部DPに対応する。タッチ検出デバイス30が、図1のタッチ検出部SE1に対応する。
なお、タッチ検出機能付き表示部10は、表示素子として液晶表示素子を用いた液晶表示デバイス20の上方に、静電容量型のタッチ検出デバイス30が装着された、いわゆるオンセルタイプの装置であってもよい。オンセルタイプの装置の場合、液晶表示デバイス20の直上にタッチ検出デバイス30が設けられていてもよいし、液晶表示デバイス20の直上ではなく他の層を介して上方にタッチ検出デバイス30が設けられていてもよい。
また、本構成例では、表示部DPとして液晶表示デバイス20が採用されているが、表示部DPは、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子を採用した構成であってもよい。この場合、有機EL素子を形成するアノード及びカソードのうち一方を、後述するタッチ検出に係る駆動電極COMLとしてもよい。
液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。
表示制御部11は、ホストHSTより供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、及びタッチ検出制御部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。また、表示制御部11は、1水平ライン分の映像信号Vdispから、液晶表示デバイス20の複数の副画素SPixの画素信号Vpixを時分割多重化した画素信号Vsigを生成し、ソースドライバ13に供給する。
本開示における制御部CTRLは、表示制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14を含む。
ゲートドライバ12は、表示制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
ソースドライバ13は、表示制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の、各画素Pix(副画素SPix)に画素信号Vpixを供給する回路である。ソースドライバ13には、例えば6ビットのR(赤)、G(緑)及びB(青)の画像信号Vsigが与えられる。
ソースドライバ13は、表示制御部11から画素信号Vsigを受け取り、ソースセレクタ部13Sに供給する。また、ソースドライバ13は、画像信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vselを生成し、画素信号Vpixとともにソースセレクタ部13Sに供給する。ソースセレクタ部13Sは、ソースドライバ13と表示制御部11との間の配線数を少なくすることができる。ソースセレクタ部13Sはなくてもよい。また、ソースドライバ13の一部の制御は、表示制御部11が行ってもよく、ソースセレクタ部13Sのみが配置されていてもよい。
駆動電極ドライバ14は、表示制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の、後述する駆動電極COMLに駆動信号Vcom(相互静電容量方式のタッチ検出用の駆動信号(タッチ用駆動信号、以下駆動信号という。)Vcomtm、自己静電容量方式のタッチ検出用の駆動信号Vcomts2及び表示用の電圧である表示用駆動電圧VcomDC)を供給する回路である。
タッチ検出制御部40は、自己静電容量方式によるタッチ検出動作を行う際に、後述するタッチ検出電極TDLに駆動信号Vcomts1を供給するための駆動ドライバ47を含む。
タッチ検出デバイス30は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出電極TDLは、検出信号Vdet1を出力する。また、タッチ検出デバイス30は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出電極TDLは、検出信号Vdet2を出力する。また、タッチ検出デバイス30は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理に基づいて動作し、駆動電極COML及び中間電極ELCは、電圧検出器を介して検出信号Vdet3を出力する。
タッチ検出デバイス30は、相互静電容量方式だけでも、タッチ検出をすることができる。しかし、入力面ISに付着した水滴等の影響を好適に抑制するため及びスタイラスペン等を好適に検出するため、本構成例では、タッチ検出デバイス30は、相互静電容量方式のタッチ検出及び自己静電容量方式のタッチ検出の両方を実行する。但し、本発明は、相互静電容量方式のタッチ検出及び自己静電容量方式のタッチ検出の両方を実行する場合に限定されない。
図3から図5までを参照して、本構成例のタッチ検出機能付き表示装置1の相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。
図3は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、被検出物が接触又は近接した状態を表す説明図である。図4は、相互静電容量方式のタッチ検出の等価回路の例を示す説明図である。図5は、相互静電容量方式のタッチ検出の駆動信号及び検出信号の波形の一例を表す図である。なお、図4は、検出回路を併せて示している。
例えば、図3に示すように、容量素子C11は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極である、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2を備えている。図4に示すように、容量素子C11は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端は電圧検出器(タッチ検出部)DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば図2に示すタッチ検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C11の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgを印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C11の他端)側に接続された電圧検出器DETを介して、出力波形(検出信号Vdet1)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する駆動信号Vcomtmに相当するものである。
被検出物が接触(又は近接)していない状態(非接触状態)では、容量素子C11に対する充放電に伴って、容量素子C11の容量値に応じた電流I0が流れる。図5に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I0の変動を電圧の変動(実線の波形V0)に変換する。
一方、被検出物が接触(又は近接)した状態(接触状態)では、図3に示すように、ユーザの指によって形成される静電容量C12がタッチ検出電極E2と接している又は近傍にあることにより、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られ、容量素子C11の容量値よりも容量値の小さい容量素子C11’として作用する。そして、図4に示す等価回路でみると、容量素子C11’に電流I1が流れる。
図5に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I1の変動を電圧の変動(点線の波形V1)に変換する。この場合、波形V1は、上述した波形V0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、被検出物の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度良く検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resを設けた動作とすることがより好ましい。
図2を参照すると、タッチ検出デバイス30は、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcomtmに従って、1検出ブロックずつ順次走査して検出信号Vdet1を出力する。
次に、図6から図9を参照して、本構成例のタッチ検出機能付き表示装置1の自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。
図6は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、被検出物が接触又は近接していない状態を表す説明図である。図7は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、被検出物が接触又は近接した状態を表す説明図である。図8は、自己静電容量方式のタッチ検出の等価回路の例を示す説明図である。図9は、自己静電容量方式のタッチ検出の駆動信号及び検出信号の波形の一例を表す図である。
図6左図は、被検出物が接触又は近接していない状態において、スイッチSW11により電源Vddと検出電極E1とが接続され、スイッチSW12により検出電極E1がコンデンサCcrに接続されていない状態を示している。この状態では、検出電極E1が有する容量Cx1が充電される。図6右図は、スイッチSW11により、電源Vddと検出電極E1との接続がオフされ、スイッチSW12により、検出電極E1とコンデンサCcrとが接続された状態を示している。この状態では、容量Cx1の電荷はコンデンサCcrを介して放電される。
図7左図は、被検出物が接触又は近接した状態において、スイッチSW11により電源Vddと検出電極E1とが接続され、スイッチSW12により検出電極E1がコンデンサCcrに接続されていない状態を示している。この状態では、検出電極E1が有する容量Cx1に加え、検出電極E1に近接している被検出物により生じる容量Cx2も充電される。図7右図は、スイッチSW11により、電源Vddと検出電極E1がオフされ、スイッチSW12により検出電極E1とコンデンサCcrとが接続された状態を示している。この状態では、容量Cx1の電荷と容量Cx2の電荷とがコンデンサCcrを介して放電される。
ここで、図6右図に示す放電時(被検出物が接触または近接していない状態)におけるコンデンサCcrの電圧変化特性に対して、図7右図に示す放電時(被検出物が接触又は近接した状態)におけるコンデンサCcrの電圧変化特性は、容量Cx2が存在するために、明らかに異なる。したがって、自己静電容量方式では、コンデンサCcrの電圧変化特性が、容量Cx2の有無により異なることを利用して、被検出物の接触又は近接の有無を判定している。
具体的には、検出電極E1に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sg(図9参照)が印加される。図8に示す電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(波形V3、V4)に変換する。電圧検出器DETは、例えば図2に示すタッチ検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。
上述のように、検出電極E1は、スイッチSW11及びスイッチSW12で切り離すことが可能な構成となっている。図9において、時刻T01のタイミングで、交流矩形波Sgは、電圧V0に相当する電圧レベルに上昇する。このとき、スイッチSW11はオンしており、スイッチSW12はオフしている。このため、検出電極E1の電圧も、電圧V0に上昇する。
次に時刻T11のタイミングの前に、スイッチSW11をオフとする。このとき、検出電極E1はフローティング状態であるが、検出電極E1の容量Cx1(図6参照)、あるいは検出電極E1の容量Cx1に被検出物の接触又は近接よる容量Cx2を加えた容量(Cx1+Cx2、図7参照)によって、検出電極E1の電位はV0が維持される。さらに、時刻T11のタイミングの前にスイッチSW13をオンさせ、所定の時間経過後にオフさせ、電圧検出器DETをリセットさせる。このリセット動作により、電圧検出器DETの出力電圧(検出信号)Vdetは、基準電圧Vrefと略等しい電圧となる。
続いて、時刻T11のタイミングでスイッチSW12をオンさせると、電圧検出器DETの反転入力部が検出電極E1の電圧V0となる。その後、検出電極E1の容量Cx1(またはCx1+Cx2)と電圧検出器DET内の容量C5の時定数に従って、電圧検出器DETの反転入力部は、基準電圧Vrefまで低下する。このとき、検出電極E1の容量Cx1(またはCx1+Cx2)に蓄積されていた電荷が電圧検出器DET内の容量C5に移動するので、電圧検出器DETの出力電圧(検出信号)Vdet2及びVdet3が上昇する。
電圧検出器DETの出力電圧Vdet2は、検出電極E1に被検出物が近接していないときは、実線で示す波形V3となり、Vdet2=Cx1×V0/C5となる。同様に、電圧検出器DETの出力電圧Vdet3は、検出電極E1に被検出物が近接していないときは、実線で示す波形V3となり、Vdet3=Cx1×V0/C5となる。
電圧検出器DETの出力電圧Vdet2は、被検出物の影響による容量が付加されたときは、点線で示す波形V4となり、Vdet2=(Cx1+Cx2)×V0/C5となる。同様に、電圧検出器DETの出力電圧Vdet3は、被検出物の影響による容量が付加されたときは、点線で示す波形V4となり、Vdet3=(Cx1+Cx2)×V0/C5となる。
その後、検出電極E1の容量Cx1(またはCx1+Cx2)の電荷が容量C5に十分移動した後の時刻T31のタイミングでスイッチSW12をオフさせ、スイッチSW11及びスイッチSW13をオンさせることにより、検出電極E1の電位を交流矩形波Sgと同電位のローレベルにするとともに電圧検出器DETをリセットさせる。なお、このとき、スイッチSW11をオンさせるタイミングは、スイッチSW12をオフさせた後、時刻T02以前であればいずれのタイミングでもよい。また、電圧検出器DETをリセットさせるタイミングは、スイッチSW12をオフさせた後、時刻T12以前であればいずれのタイミングとしてもよい。
以上の動作を所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)で繰り返す。波形V3と波形V4との差分の絶対値|ΔV|に基づいて、被検出物の有無(タッチの有無)を検出することができる。なお、検出電極E1の電位は、図9に示すように、被検出物が近接していないときはV1の波形となり、被検出物の影響による容量Cx2が付加されるときはV2の波形となる。波形V1と波形V2とが、それぞれ所定の閾値電圧VTHまで下がる時間を測定することにより外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することも可能である。
本構成例において、タッチ検出デバイス30は、図2に示す駆動ドライバ47から供給される駆動信号Vcomts1に従って、タッチ検出電極TDLにそれぞれ電荷が供給され、自己静電容量方式によるタッチ検出を行い、タッチ検出電極TDLは、検出信号Vdet2を出力する。また、タッチ検出デバイス30は、図2に示す駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcomts2に従って、駆動電極COMLにそれぞれ電荷が供給され、自己静電容量方式によるタッチ検出を行い、駆動電極COMLは、検出信号Vdet3を出力する。
再び図2を参照すると、タッチ検出制御部40は、表示制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示部10のタッチ検出デバイス30から供給される検出信号Vdet1、Vdet2及びVdet3と、に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチ(上述した接触状態)の有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標及び接触面積などを求める回路である。
タッチ検出制御部40は、タッチ検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46と、を含む。
相互静電容量方式のタッチ検出の際に、タッチ検出デバイス30は、複数の後述するタッチ検出電極TDLから、図4に示す電圧検出器DETを介して、検出信号Vdet1を出力し、タッチ検出制御部40のタッチ信号増幅部42に供給するようになっている。
自己静電容量方式のタッチ検出の際に、タッチ検出デバイス30は、複数の後述するタッチ検出電極TDLから、図6に示す電圧検出器DETを介して、検出信号Vdet2を出力し、タッチ検出制御部40のタッチ信号増幅部42に供給するようになっている。また、自己静電容量方式のタッチ検出の際に、タッチ検出デバイス30は、複数の後述する駆動電極COMLから、図6に示す電圧検出器DETを介して、検出信号Vdet3を出力し、タッチ検出制御部40のタッチ信号増幅部42に供給するようになっている。
タッチ検出信号増幅部42は、タッチ検出デバイス30から供給される検出信号Vdet1、Vdet2及びVdet3を増幅する。タッチ検出信号増幅部42によって増幅されたタッチ検出信号は、A/D変換部43に供給される。タッチ検出信号増幅部42は、検出信号Vdet1、Vdet2及びVdet3に含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタを備えていてもよい。なお、タッチ検出制御部40は、タッチ検出信号増幅部42を有さなくてもよい。つまり、タッチ検出デバイス30からの検出信号Vdet1、Vdet2及びVdet3は、A/D変換部43に供給されてもよい。
A/D変換部43は、駆動信号Vcomtm、Vcomts1及びVcomts2に同期したタイミングで、タッチ検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号Vcomtm、Vcomts1及びVcomts2をサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減するデジタルフィルタを備えている。
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、ユーザの指による差分の信号のみ取り出す処理を行う。ユーザの指による差分の信号は、上述した波形V0と波形V1との差分の絶対値|ΔV|である。
信号処理部44は、1検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これにより、信号処理部44は、ノイズによる影響を低減できる。
信号処理部44は、検出した指による差分の信号を所定の閾値電圧Vthと比較し、検出した差分の信号が閾値電圧Vth以上であれば、外部近接物体の非接触状態と判断する。
一方、信号処理部44は、検出した差分の信号を所定の閾値電圧Vthと比較し、検出した差分の信号が閾値電圧Vth未満であれば、外部近接物体の接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出制御部40は、タッチ検出が可能となる。
座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。座標抽出部45は、タッチパネル座標を信号Voutとして出力する。
図10は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールの例を示す図である。タッチ検出機能付き表示装置1は、第1基板(例えば、画素基板2)と、プリント基板(例えば、フレキシブルプリント基板)Tとを備えている。
画素基板2は、第1絶縁基板(例えば、TFT基板21)を有する。なお、TFT基板21は、例えば、ガラス基板又はフィルム基板である。また、TFT基板21には、駆動ICチップ(例えば、COG(Chip On Glass)19)が実装されている。また、画素基板2(TFT基板21)には、液晶表示デバイス20の表示領域Adと、額縁Gdとが形成されている。
COG19は、TFT基板21に実装されたドライバであるICチップであり、図2に示した表示制御部11等、表示動作に必要な各回路を内蔵した制御装置である。
本構成例では、ソースドライバ13及びソースセレクタ部13Sは、TFT基板21上に形成されている。ソースドライバ13及びソースセレクタ部13Sは、COG19に内蔵されていてもよい。
駆動電極ドライバ14の一部である、駆動電極走査部14A及び14Bは、TFT基板21上に形成されている。
ゲートドライバ12は、ゲートドライバ12A及び12Bとして、TFT基板21上に形成されている。
タッチ検出機能付き表示装置1は、COG19に駆動電極走査部14A及び14B、ゲートドライバ12などの回路を内蔵してもよい。なお、COG19はあくまで実装の一形態であってこれに限られるものでない。例えば、COG19と同様の機能を有する構成をCOF(Chip On Film又はChip On Flexible)としてフレキシブルプリント基板T上に実装してもよい。
図10に示すように、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの駆動電極ブロックBと、タッチ検出電極TDLとは、立体交差するように形成されている。
また、駆動電極COMLは、一方向に延在する複数の帯状の電極パターンに分割されている。タッチ検出動作を行う際は、各電極パターンには、駆動電極ドライバ14によって駆動信号VcomACが順次供給される。同時に駆動信号VcomACが供給される、駆動電極COMLの複数の帯状の電極パターンが図10に示す駆動電極ブロックBである。
駆動電極ブロックB(駆動電極COML)は、タッチ検出機能付き表示部10の短辺と平行な方向に形成されている。後述するタッチ検出電極TDLは、駆動電極ブロックBの延在方向と交差する方向に形成されており、例えば、タッチ検出機能付き表示部10の長辺と平行な方向に形成されている。
タッチ検出電極TDLは、タッチ検出機能付き表示部10の短辺側に接続されたフレキシブルプリント基板T上に実装されたタッチIC49に、接続されている。タッチIC49は、フレキシブルプリント基板Tに実装されたドライバであるICチップであり、図2に示したタッチ検出制御部40等、タッチ動作に必要な各回路を内蔵した制御装置である。このように、タッチIC49は、フレキシブルプリント基板T上に実装され、並設された複数のタッチ検出電極TDLのそれぞれと接続されている。フレキシブルプリント基板Tは、端子であれば良く、基板に限られない。この場合、タッチIC49は、モジュールの外部に備えられる。なお、タッチIC49は、フレキシブルプリント基板T上に配置される場合に限らず、TFT基板21または第2絶縁基板31上に配置されていてもよい。
本構成例では、タッチIC49は、タッチ検出制御部40として機能する制御装置であるが、タッチ検出制御部40の一部の機能は、他のMPUの機能として設けられてもよい。
具体的には、タッチドライバであるICチップの機能として設けられ得るA/D変換、ノイズ除去等の各種機能のうち一部の機能(例えば、ノイズ除去等)は、タッチドライバであるICチップと別個に設けられたMPU等の回路で実施されてもよい。また、ドライバであるICチップを1つ(1チップ構成)にする場合等、例えば、フレキシブルプリント基板T等の配線を介して検出信号をアレイ基板上のタッチドライバであるICチップに伝送するようにしてもよい。
ソースセレクタ部13Sは、TFT基板21上の表示領域Adの近傍に、TFT素子を用いて形成されている。表示領域Adには、後述する画素Pixがマトリックス状(行列状)に多数配置されている。額縁Gdは、TFT基板21の表面を垂直な方向からみて画素Pixが配置されていない領域である。ゲートドライバ12と、駆動電極ドライバ14のうち駆動電極走査部14A及び14Bとは、額縁Gdに配置されている。
ゲートドライバ12は、例えば、ゲートドライバ12A及び12Bを備え、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。ゲートドライバ12A及び12Bは、後述する副画素SPix(画素)がマトリックス状に配置された表示領域Adを挟んで両側から駆動することができるようになっている。また、走査線は、ゲートドライバ12Aとゲートドライバ12Bとの間に配列する。このため、走査線は、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの延在方向と平行な方向に延びるように設けられている。
本構成例では、ゲートドライバ12として、ゲートドライバ12A及び12Bの2つの回路が設けられているが、これはゲートドライバ12の具体的構成の一例であってこれに限られるものでない。例えば、ゲートドライバ12は、走査線の一方端のみに設けられた1つの回路であってもよい。
駆動電極ドライバ14は、例えば、駆動電極走査部14A及び14Bを備え、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。駆動電極走査部14A及び14Bは、COG19から、表示用駆動電圧VcomDCの供給を受けると共に、駆動信号Vcomtm及びVcomts2の供給を受ける。駆動電極走査部14A及び14Bは、並設された複数の駆動電極ブロックBのそれぞれを、両側から駆動することができるようになっている。
本構成例では、駆動電極ドライバ14として、駆動電極走査部14A及び14Bの2つの回路が設けられているが、これは駆動電極ドライバ14の具体的構成の一例であってこれに限られるものでない。例えば、駆動電極ドライバ14は、駆動電極ブロックBの一方端のみに設けられた1つの回路であってもよい。
タッチ検出機能付き表示装置1は、上述した検出信号Vdet1、Vdet2及びVdet3を、タッチ検出機能付き表示部10の短辺側から出力する。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、端子部であるフレキシブルプリント基板Tを介してタッチ検出制御部40に接続する際の配線の引き回しが容易になる。
図11は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールの他の例を示す図である。実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、自己静電容量方式の基本原理に基づき、タッチ検出を行う。図11に示すように、自己静電容量方式の場合、マトリックス状に設けられた複数の電極ELをタッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLの機能を兼用する電極として用いるようにしてもよい。この場合、複数の電極ELの各々が、配線L1及びL2等の接続部を介して駆動電極走査部14A及び14B及びタッチ検出制御部40に接続される。なお、図11では、一部の電極ELの配線L2のみ図示されているが、実際には全ての電極ELに個別に配線L2又はそれに類する接続部が設けられる。
電極ELの形状及び大きさは任意であるが、電極ELの大きさを例えば画素の大きさに対応させてもよい。この場合、画素を構成する電極(例えば、液晶表示装置の画素における画素電極22又は対向電極としての駆動電極COML)の1つを電極ELとして用いてもよい。すなわち、電極ELは、複数の画素を有する表示装置の画素の各々に設けられた電極と兼用されていてもよい。
図12は、タッチ検出機能付き表示部の概略断面構造を表す断面図である。図13は、タッチ検出機能付き表示部の画素配置を表す回路図である。図12に示すように、タッチ検出機能付き表示部10は、画素基板2と、この画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された第2基板(例えば、対向基板3)と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された表示機能層(例えば、液晶層6)と、を含む。
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上に行列状に配設された複数の画素電極22と、TFT基板21及び画素電極22の間に形成された複数の駆動電極COMLと、画素電極22と駆動電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。表示機能層(例えば、液晶層6)と駆動電極COMLとが平面視で重なり合う位置にある。本実施形態において、平面視とは、画素基板2又は対向基板をZ方向に見た状態をいう。
TFT基板21には、図13に示す、各副画素SPixの薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)素子Tr、図13に示す、各画素電極22に画素信号Vpixを供給する画素信号線SGL、図13に示す、各TFT素子Trを駆動する走査信号線GCL等の配線が形成されている。画素信号線SGLは、TFT基板21の表面と平行な平面に延在し、画像を表示するための画素信号Vpixを副画素SPixに供給する。なお、副画素SPixとは、画素信号Vpixで制御される構成単位を示す。また、副画素SPixは、画素信号線SGLと走査信号線GCLで囲われた領域であって、TFT素子Trによって制御される構成単位を示す。
図13に示すように、液晶表示デバイス20は、行列状に配置した複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、TFT素子Tr及び液晶素子LCを含む。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。
TFT素子Trのソース又はドレインの一方は画素信号線SGLに結合され、ゲートは走査信号線GCLに結合され、ソース又はドレインの他方は液晶素子LCの一端に結合されている。液晶素子LCは、例えば、一端がTFT素子Trのドレインに結合され、他端が駆動電極COMLに結合されている。なお、図12において、TFT基板21の側から、駆動電極COML、絶縁層24、画素電極22の順で積層されているが、これに限られない。TFT基板21の側から、画素電極22、絶縁層24、駆動電極COMLの順で積層されていてもよいし、駆動電極COMLと画素電極22とが、絶縁層24を介して同一層に形成されていてもよい。
副画素SPixは、走査信号線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12と結合され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。
また、副画素SPixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13と結合され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。
さらに、副画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14と結合され、駆動電極ドライバ14より駆動信号Vcomが供給される。つまり、この例では、同じ一行に属する複数の副画素SPixが一本の駆動電極COMLを共有するようになっている。
本構成例の駆動電極COMLが延在する方向は、走査信号線GCLが延在する方向と平行である。駆動電極COMLが延在する方向は、これに限定されない。例えば、駆動電極COMLが延在する方向は、画素信号線SGLが延在する方向と平行な方向であってもよい。また、タッチ検出電極TDLが延在する方向は、画素信号線SGLが延在する方向に限らない。タッチ検出電極TDLが延在する方向は、走査信号線GCLが延在する方向と平行な方向であってもよい。
図2に示すゲートドライバ12は、走査信号Vscanを、図12に示す走査信号線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、液晶表示デバイス20に行列状に形成されている副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。
図2に示すソースドライバ13は、画素信号Vpixを、図12に示す画素信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される1水平ラインを構成する各副画素SPixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。
図2に示す駆動電極ドライバ14は、駆動信号Vcomを印加し、所定の本数の駆動電極COMLからなるブロック毎に駆動電極COMLを駆動する。
上述したように、液晶表示デバイス20は、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択される。また、液晶表示デバイス20は、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、その1水平ラインに対応する駆動電極COMLを含むブロックに対して駆動信号Vcomを印加するようになっている。
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものである。駆動電極COMLの駆動時、画素電極22に供給された画素信号Vpixに応じた電圧が液晶層6に印加され、電界が生じることで、液晶層6を構成する液晶が電界に応じた配向を示して液晶層6を通過する光を変調する。
このように、画素電極22及び駆動電極COMLは、液晶層6に電界を生じさせる一対の電極として機能する。すなわち、液晶表示デバイス20は、一対の電極に与えられる電荷に応じて表示出力内容が変化する表示部DPとして機能する。ここで、画素電極22は、少なくとも副画素SPix毎に配置される。駆動電極COMLは、少なくとも全ての複数の画素Pix毎又は全ての副画素SPix毎に平面視で重畳する位置に配置される。
本構成例では、液晶表示デバイス20として、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)を含むIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスが用いられる。なお、図12に示す液晶層6と画素基板2との間、及び液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
液晶表示デバイス20は、横電界モードに対応した構成を有しているが、他の表示モードに対応した構成を有していてもよい。例えば、液晶表示デバイス20は、TN(Twisted Nematic)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、VA(Vertical Aligned)モード等の主として基板主面間に生じる縦電界を利用するモードに対応した構成を有していてもよい。縦電界を利用する表示モードでは、例えば画素基板2に画素電極22が備えられ、対向基板3に駆動電極COMLが備えられた構成が適用可能である。
対向基板3は、第2絶縁基板31と、この第2絶縁基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。第2絶縁基板31の他方の面には、タッチ検出デバイス30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成され、さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
なお、カラーフィルタ32の実装方式は、アレイ基板である画素基板2にカラーフィルタ32が形成された所謂カラーフィルタ・オン・アレイ(COA:Color−filter On Array)方式であってもよい。
図12に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)及び青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域を周期的に配置して、各副画素SPixにR、G及びBの3色の色領域32R,32G及び32Bが対応付けられ、色領域32R,32G及び32Bを1組として画素Pixを構成している。
画素Pixは、走査信号線GCLに平行な方向及び画素信号線SGLに平行な方向に沿って行列状に配置され、後述する表示領域Adを形成する。カラーフィルタ32は、TFT基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。このように、副画素SPixは、単色の色表示を行うことができる。
なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、カラーフィルタ32は、なくてもよい。このように、カラーフィルタ32が存在しない領域、すなわち着色しない副画素SPixがあってもよい。また、画素Pixが有する副画素SPixは4以上であってもよい。
図14は、タッチ検出機能付き表示部の駆動電極及びタッチ検出電極の構成例を表す斜視図である。本構成例に係る駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の駆動電極として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能する。
駆動電極COMLは、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、画素電極22に対向している。タッチ検出デバイス30は、画素基板2に設けられた駆動電極COMLと、対向基板3に設けられたタッチ検出電極TDLにより構成されている。
タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と交差する方向に延びる帯状の電極パターンから構成されている。そして、タッチ検出電極TDLは、TFT基板21の表面に対する垂直な方向において、駆動電極COMLと対向している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出制御部40のタッチ検出信号増幅部42の入力にそれぞれ接続されている。
駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとが互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を生じさせる。タッチ検出デバイス30では、駆動電極ドライバ14が駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomtmを印加することにより、タッチ検出電極TDLから検出信号Vdet1を出力し、タッチ検出が行われるようになっている。
つまり、駆動電極COMLは、図3から図5までに示した相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応する。そして、タッチ検出デバイス30は、この基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。
このように、タッチ検出デバイス30は、画素電極22又は駆動電極COMLのいずれか一方の電極(例えば、駆動電極COML)と相互静電容量を形成するタッチ検出電極TDLを有し、相互静電容量の変化に基づいてタッチ検出を行う。
駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとが互いに交差した電極パターンは、相互静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチ検出制御部40は、タッチ検出デバイス30の入力面IS全体にわたって走査することにより、被検出物OBJの接触又は近接が生じた位置及び接触面積の検出も可能となっている。
つまり、タッチ検出デバイス30では、タッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14が、図10に示す駆動電極ブロックBを時分割的に線順次走査するように駆動する。これにより、スキャン方向Scanに駆動電極COMLの駆動電極ブロックB(1検出ブロック)は、順次選択される。そして、タッチ検出デバイス30は、タッチ検出電極TDLから検出信号Vdet1を出力する。このようにタッチ検出デバイス30は、1検出ブロックのタッチ検出が行われるようになっている。
検出ブロックと表示出力におけるライン数との関係は任意であるが、本実施形態では、2ライン分の表示領域Adに対応するタッチ検出領域が1検出ブロックとなっている。言い換えると、検出ブロックと、対向する画素電極、走査信号線、又は、画素信号線のいずかとの関係は任意であるが、本実施形態では、2つの画素電極または2つの走査信号線と、1つの駆動電極COMLが対向する。
なお、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロックB)は、複数に分割された帯形状に限られない。例えば、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロックB)は、櫛歯形状であってもよい。あるいはタッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロックB)は、複数に分割されていればよく、駆動電極COMLを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
タッチ検出機能付き表示装置1の動作方法の一例として、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出期間)と表示動作(表示動作期間)とを時分割に行う。タッチ検出動作と表示動作とはどのように分けて行ってもよい。
図15は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成例を示す分解斜視図である。図15に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示部10と、タッチ検出機能付き表示部10を照らす照明部(例えば、バックライトユニットBL)と、電極SUSと、タッチ検出機能付き表示部10及びバックライトユニットBLを制御するホストHSTと、筐体CAと、カバー部材CGと、を含む。
タッチ検出機能付き表示部10は、互いに直交する第1方向であるX方向と第2方向であるY方向とで規定されるX−Y平面と、平行な平面を有している。本構成例において、第1方向であるX方向及び第2方向であるY方向は、互いに直交しているが、90°以外の角度で交差していてもよい。第3方向であるZ方向は、第1方向であるX方向及び第2方向であるY方向の各々と互いに直交している。第3方向であるZ方向は、タッチ検出機能付き表示部10の厚み方向である。
筐体CAは、上部に開口を有する箱形状を有しており、タッチ検出機能付き表示部10、バックライトユニットBL及びホストHSTを収容している。筐体CAは、金属等の導電体で形成される場合や、樹脂で形成してその表面層を金属材料等の導電体とする場合があり得る。
カバー部材CGは、筐体CAの開口を閉塞し、タッチ検出機能付き表示部10、バックライトユニットBL及びホストHSTを覆っている。
平面視において、カバー部材CGの寸法は、第2基板の寸法や、第1基板の寸法より大きい。カバー部材CGは、ガラス基板又は樹脂基板などの光透過性を有する基板が例示される。カバー部材CGがガラス基板である場合、カバー部材CGは、カバーガラスと称される場合がある。
第3方向であるZ方向において、タッチ検出機能付き表示部10、バックライトユニットBL及び電極SUSは、筐体CAの底面とカバー部材CGとの間に位置し、バックライトユニットBL及び電極SUSは、筐体CAとタッチ検出機能付き表示部10との間に位置している。バックライトユニットBL及び電極SUSは、タッチ検出機能付き表示部10と間隔を空けて配置され得る。また、バックライトユニットBL及び電極SUSは、筐体CAに間隔を空けて配置され得る。
力検出部SE2が力を検出する力検出領域は、表示領域Adと同じにしてもよい。
図16は、バックライトユニットを示す分解斜視図である。バックライトユニットBLは、導光体LG、光源LS、光反射体RS、光拡散シートDI、輝度向上フィルムBEF及びフレームFRを有している。バックライトユニットBLは、タッチ検出機能付き表示部10に対応した形状及びサイズを有している。
導光体LGは、タッチ検出機能付き表示部10と筐体CAとの間に配置されている。本構成例において、導光体LGは、扁平な矩形状に形成されている。光源LSは、導光体LGに光を出射する。本構成例において、光源LSは、発光ダイオード(LED)を利用し、導光体LGの一側面に対向配置されている。
光反射体RSは、導光体LGと筐体CAとの間に配置されている。光反射体RSは、導光体LGからタッチ検出機能付き表示部10とは反対方向に出された光を反射させ、タッチ検出機能付き表示部10側に出射する。光反射体RSは、光のロスを減らすことにより、表示画像の輝度レベルを向上させることができる。本構成例において、光反射体RSは、矩形のシート状に形成されている。X−Y平面において、光反射体RSの面積は、導光体LGの面積と略同一である。例えば、光反射体RSは、ポリエステル系樹脂を用いた多層膜構造を有していてもよい。
光拡散シートDIは、導光体LGとタッチ検出機能付き表示部10との間に配置されている。光拡散シートDIは、導光体LG側から入射する光を拡散させてタッチ検出機能付き表示部10に出射させる。すなわち、光拡散シートDIを透過した光は拡散されるので、光拡散シートDIは、バックライトユニットBLの出射光のX−Y平面における輝度ムラを抑制することができる。本構成例において、光拡散シートDIは、矩形のシート状に形成されている。X−Y平面において、光拡散シートDIの面積は導光体LGの面積と略同一である。
輝度向上フィルムBEFは、光拡散シートDIとタッチ検出機能付き表示部10との間に配置されている。輝度向上フィルムBEFは、バックライトユニットBLの出射光の輝度レベルを向上させる作用を有している。本構成例において、輝度向上フィルムBEFは、矩形の膜状に形成されている。X−Y平面において、輝度向上フィルムBEFの面積は導光体LGの面積と略同一である。
フレームFRは、バックライトユニットBLのモジュール化に用いられている。フレームFRには、導光体LG、光源LS、光反射体RS、光拡散シートDI及び輝度向上フィルムBEFが取り付けられる。これにより、導光体LGと光源LSとの相対的な位置が固定される。
本構成例において、フレームFRは、矩形枠状に形成されている。X−Y平面において、フレームFRは、導光体LG及び光源LSの集合体を全体的に囲んでいる。フレームFRには、光源LSに接続されるフレキシブルプリント基板Tが通るパスFRPが形成されている。フレームFRは、金属などの導電材料で形成される場合があり得る。
なお、X−Y平面におけるフレームFRの形状は、種々変形可能であり、タッチ検出機能付き表示部10の照明を妨げることの無い形状であればよい。例えば、X−Y平面におけるフレームFRの形状は、導光体LGの隣り合う2辺と対向したL字状、導光体LGの隣り合う3辺と対向したΠ字状又は導光体LGの対向する2辺と対向したII字状が例示される。
ここで、図16にはバックライトユニットBLを例示的に示したが、バックライトユニットBLとしては種々の形態が適用可能である。例えば、光反射体RS、光拡散シートDI及び輝度向上フィルムBEFの少なくとも一部を除いてバックライトユニットBLが形成されていてもよい。又は、図16に示していない光学部材を付加してバックライトユニットBLが形成されていてもよい。バックライトユニットBLは、タッチ検出機能付き表示部10に光を放出するように構成されていればよい。
図17は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成例を示す断面図である。図17に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示部10と、COG19と、カバー部材CGと、第1光学素子OD1と、第2光学素子OD2と、タッチIC49と、バックライトユニットBLと、第1プリント基板、第2プリント基板及び第3プリント基板(例えば、フレキシブルプリント基板T、T2及びT3)と、クッション層CUSと、電極SUSと、を含む。
タッチ検出機能付き表示部10とバックライトユニットBLとの間には、空気層(エアギャップ)AGが設けられている。
COG19は、タッチ検出機能付き表示部10の画素基板2上に実装されている。フレキシブルプリント基板T2は、画素基板2に接続されている。コネクタCO1及びコネクタCO2は、フレキシブルプリント基板T2上に実装されている。フレキシブルプリント基板T2は、コネクタCO1を介してホストHSTに接続されている。
フレキシブルプリント基板Tは、タッチ検出電極TDLとコネクタCO2との間を接続している。COG19は、フレキシブルプリント基板T2、コネクタCO2及びフレキシブルプリント基板Tを介して、タッチIC49に接続されている。タッチIC49の配置に関して例示的に示すと、タッチIC49は、フレキシブルプリント基板T、T2、T3、及び、対向基板3の内のいずれか1個の基板上に実装されたり、いずれか2つ以上の基板上に分割して実装されたりすることができる。
フレキシブルプリント基板T3は、光源LSとフレキシブルプリント基板T2との間を接続している。ホストHSTは、コネクタCO1及びフレキシブルプリント基板T3を介して光源LSに接続され、光源LSに電力を供給し、光源LSの駆動を制御する。なお、光源LSは、フレキシブルプリント基板T3及びフレキシブルプリント基板T2を介してCOG19と接続され、COG19によって光源LSが制御されてもよい。言い換えると、表示制御部11には、光源を制御する光源制御部を含んでもよい。
フレキシブルプリント基板T3は、バックライトユニットBLの背面側(Z方向と反対方向の側)にまで延在し、バックライトユニットBLの背面側を覆っており、中間電極ELCが形成されている。中間電極ELCは、表示領域Adに対応した位置に形成されている。
フレキシブルプリント基板T3と電極SUSとの間には、クッション層CUSが設けられている。クッション層CUSは、不導体であり、ポリウレタンが例示される。
弱い力が入力面ISに加えられた場合には、空気層AGの厚みだけが薄くなり、クッション層CUSは変形しないので、タッチ検出機能付き表示装置1は、弱い力を好適に検出できる。また、強い力が入力面ISに加えられた場合には、空気層AGの厚みがゼロに至り、クッション層CUSが力に応じて弾性変形するので、タッチ検出機能付き表示装置1は、強い力を好適に検出できる。
中間電極ELCは、フレキシブルプリント基板T3、コネクタCO2及びフレキシブルプリント基板Tを介して、タッチIC49に接続されている。中間電極ELCは、タッチIC49によって、基準電位(例えば、接地電位)にされ、又は、駆動信号Vcomts2と同相かつ同振幅の信号が供給される。なお、中間電極ELCは、COG19又はホストHSTによって、基準電位にされ、又は、駆動信号Vcomts2と同相かつ同振幅の信号が供給されてもよい。
電極SUSとフレキシブルプリント基板T3との間には、導電テープ101が設けられており、電極SUSは、導電テープ101、フレキシブルプリント基板T3、コネクタCO2及びフレキシブルプリント基板Tを介して、COG19、タッチIC49又はホストHSTに接続されている。電極SUSは、COG19、タッチIC49又はホストHSTによって、基準電位にされる。また、電極SUSは、フレキシブルプリント基板T3以外の部材を介して、基準電位にされてもよい。
ホストHST、タッチ検出機能付き表示部10、タッチ検出電極TDL、光源LS、中間電極ELC及び電極SUSを接続する手段は、種々変形可能である。
例えば、上記の独立した3個のフレキシブルプリント基板T、T2及びT3とコネクタCO1及びCO2の代わりに、1個のフレキシブルプリント基板を利用してもよい。この場合、1個のフレキシブルプリント基板をホストHSTに接続し、フレキシブルプリント基板の第1分岐部をタッチ検出機能付き表示部10に接続し、フレキシブルプリント基板の第2分岐部をタッチ検出電極TDLに接続し、フレキシブルプリント基板の第3分岐部を光源LS、中間電極ELC及び電極SUSに接続することができる。また、フレキシブルプリント基板間、又は、フレキシブルプリント基板とホストHST若しくは基板とは、コネクタCO1及びコネクタCO2のようなコネクタを介して接続されていてもよいし、コネクタの代わりに半田等で接続されていてもよい。
ホストHST、COG19及びタッチIC49は、タッチ検出機能付き表示部10の駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとを有するタッチ検出部SE1を制御する制御部CTRLとして機能する。
また、ホストHST、COG19及びタッチIC49は、タッチ検出機能付き表示部10の駆動電極COMLと中間電極ELCと電極SUSとを有する力検出部SE2を制御する制御部CTRLとして機能する。
ホストHSTをアプリケーションプロセッサと言い換えることができる。タッチIC49は、タッチ検出部SE1及び力検出部SE2の駆動時期を知らせるタイミング信号をCOG19に与えることができる。又は、COG19は、駆動電極COMLの駆動時期を知らせるタイミング信号をタッチIC49に与えることができる。又は、ホストHSTは、COG19及びタッチIC49の各々にタイミング信号を与えることができる。このタイミング信号により、COG19の駆動と、タッチIC49の駆動と、の同期化を図ることができる。
カバー部材CGは、タッチ検出機能付き表示部10の外側に位置し、対向基板3に対向している。この構成例では、タッチ検出機能付き表示装置1の入力面ISは、カバー部材CGの表面である。タッチ検出機能付き表示装置1は、被検出物OBJが入力面ISに接触したときに、被検出物OBJの位置及び接触面積を検出することができる。
また、タッチ検出機能付き表示装置1の力検出部SE2は、被検出物OBJによって入力面ISに力が加えられた場合に、力に応じた信号を制御部CTRLに出力することができる。力に応じた信号とは、被検出物OBJが入力面ISを押下する力に応じた信号であり、力の大きさによって変化する信号である。
第1光学素子OD1は、画素基板2とバックライトユニットBLとの間に配置されている。第1光学素子OD1は、画素基板2に貼り付けられている。
第2光学素子OD2は、タッチ検出機能付き表示部10とカバー部材CGとの間に配置されている。第2光学素子OD2は、対向基板3及びタッチ検出電極TDLに貼り付けられている。
第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2の各々は、少なくとも偏光板を含んでおり、必要に応じて位相差板を含んでいてもよい。第1光学素子OD1に含まれる偏光板の吸収軸は、第2光学素子OD2に含まれる偏光板の吸収軸と互いに交差している。例えば、第1光学素子OD1に含まれる偏光板の吸収軸と、第2光学素子OD2に含まれる偏光板の吸収軸とは、互いに直交している。
カバー部材CGは、接着層ALにより第2光学素子OD2に貼り付けられている。接着層ALは、光学用透明樹脂(OCR:Optically Clear Resin)が例示される。タッチ検出機能付き表示部10は力を検出するので、接着層ALは、弾性変形してもよいが、カバー部材CGから加えられる力を第2光学素子OD2に伝えることができればよい。
タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLとカバー部材CGとの間に配置されている。この構成例において、タッチ検出電極TDLは、対向基板3の、第2光学素子OD2に対向する側の面の上方に設けられている。タッチ検出電極TDLは、対向基板3に接していてもよく、対向基板3から離れていてもよい。タッチ検出電極TDLが対向基板3から離れている場合、対向基板3とタッチ検出電極TDLとの間には、図示しない絶縁膜等の部材が介在する。タッチ検出電極TDLは、第2方向であるY方向に延在している。
駆動電極COML及びタッチ検出電極TDLは、相互静電容量方式及び自己静電容量方式のタッチ検出部SE1を構成する。駆動電極COMLは、表示用の電極として機能するとともに、センサ駆動電極としても機能する。タッチ検出部SE1は、被検出物OBJの位置及び接触面積を検出するために用いられる。
本構成例では、電極SUSは、導電体(例えば、アルミニウム)で形成されている。電極SUSの電位は、基準電位である。基準電位は、接地電位(GND)が例示される。なお、タッチIC49、COG19、ホストHSTのいずれかと、電極SUSとが接続配線等で電気的に接続され、タッチIC49、COG19、ホストHSTのいずれかから基準電位が供給されてもよい。
電極SUSは、タッチ検出機能付き表示部10と間隔を空けて配置されている。本構成例において、タッチ検出機能付き表示部10と電極SUSとの間には、クッション層CUSが設けられている。すなわち、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示部10とバックライトユニットBLとの間の空気層AGと、バックライトユニットBLと電極SUSとの間のクッション層CUSと、を有する。
電極SUSと駆動電極COMLとの間には、空気層AG及びクッション層CUSが設けられている。空気層AG及びクッション層CUSが存在することにより、電極SUSと駆動電極COMLとの間隔は、入力面ISを押す力の大きさに応じて変化可能である。また、入力面ISを押す力が取り除かれた際、電極SUSと駆動電極COMLとの間隔は、時間の経過とともに、元の間隔に復帰する。
駆動電極COMLが、本発明の「第1電極」に対応する。中間電極ELCが、本発明の「第2電極及び第3電極」に対応する。電極SUSが、本発明の「導電体」に対応する。空気層AGが、本発明の「第1誘電層」に対応する。クッション層CUSが、本発明の「第2誘電層」に対応する。力検出部SE2が本発明の「力検出装置」に対応する。液晶層6が本発明の「液晶層」に対応する。タッチ検出機能付き表示装置1が本発明の「液晶表示装置」に対応する。
なお、本構成例では、空気層AGがタッチ検出機能付き表示部10とバックライトユニットBLとの間に設けられているが、これに限定されない。空気層AGに代えて、バックライトユニットBLから出射される光の透過率が高い樹脂層がタッチ検出機能付き表示部10とバックライトユニットBLとの間に設けられてもよい。この場合、力に対する樹脂層の厚みの変化の度合いは、力に対するクッション層CUSの厚みの変化の度合いより、大きくてもよい。つまり、樹脂層は、クッション層CUSよりも柔らかいものであってもよい。この場合、樹脂層が、本発明の「第1誘電層」に対応する。
電極SUSから駆動電極COMLまでの距離d3は、第3方向であるZ方向の距離であり、電極SUSの駆動電極COMLに対向する側の面から、駆動電極COMLの電極SUSに対向する側の面までの距離である。距離d3は、カバー部材CGに加えられる力の大きさ及び力が加えられる位置に応じて変化する。
駆動電極COMLと電極SUSとの間には、容量C3が存在する。また、駆動電極COMLと中間電極ELCとの間には容量C1が存在し、中間電極ELCと電極SUSとの間には容量C2が存在する。容量C3は容量C1、C2の合成容量である。容量C1、C2及びC3は、距離d3に対応して変化する。従って、COG19は、容量C1、C2及びC3の変化を検出することにより、力情報を検出することができる。なお、力検出の原理については、後で詳しく説明する。
容量C1が、本発明の「第1容量」に対応する。容量C2が、本発明の「第2容量」に対応する。
力検出制御部50は、駆動電極COMLを駆動し、容量C1、C2及びC3の変化に基づいた力情報を駆動電極COMLから取り出す。例えば、力検出制御部50は、COG19に含まれ、COG19は、駆動電極COMLに信号を出力し、容量C1、C2及びC3の変化に基づく信号を駆動電極COMLから読み出す。また、力検出制御部50は、タッチIC49又はホストHSTに含まれてもよい。表示制御部11、タッチ検出制御部40、力検出制御部50及びホストHSTは、協働してタッチ検出部SE1、表示部DP及び力検出部SE2を制御してもよい。
本構成例では、駆動電極COMLは、タッチ検出部SE1、表示部DP及び力検出部SE2で兼用される。
図18は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置のタッチ検出電極、駆動電極ブロック、中間電極及び電極を示す斜視図である。複数のタッチ検出電極TDL並びに駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Be及びBfは、図1のタッチ検出部SE1を構成する。
駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Be及びBf、中間電極ELC、並びに、電極SUSは、図1の力検出部SE2を構成する。
なお、本発明の実施形態において、タッチ検出部SE1と力検出部SE2とで駆動する駆動ブロックの単位を共通にしているが、これに限られない。例えば、タッチ検出部SE1は、駆動電極ブロックを個別に駆動し、力検出部SE2は、全ての駆動電極ブロック、または、2以上の複数の駆動電極ブロックを同時に駆動するようにしてもよい。また、図18では、駆動電極COMLを構成する駆動電極ブロックとして、5つの駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Be及びBfを示しているが、駆動電極ブロックの数は5つに限定されるものでない。駆動電極ブロックの数は任意である。図18に示すように、実施形態に係る駆動電極COMLの駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Be間には、それぞれスペースが設けられている。
図18に示すように、実施形態に係る中間電極ELCは、例えば、帯状に分割された複数の中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Efを有する。中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee、EfはそれぞれX方向に延在している。また、中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Efは、例えば、駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Be及びBfとZ方向で重なる位置にそれぞれ配置されている。中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee間には、それぞれスペースが設けられている。
なお、図18では、中間電極ELCとして、5つの中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Efを示しているが、中間電極ブロックの数は5つに限定されるものでない。中間電極ELCを構成する中間電極ブロックの数は任意である。実施形態では、例えば、中間電極ELCを構成する中間電極ブロックは、駆動電極COMLを構成する駆動電極ブロックと同じ数だけ用意される。
電極SUSの平面視による大きさは、中間電極ELCのサイズと同じか、又は中間電極ELCの大きさよりも大きくてもよい。
図19は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の光源近傍の構成の一例を示す断面図である。図19に示す構成例では、電極SUSの上には、導電テープ101と、クッション層CUSと、が配置されている。そして、導電テープ101及びクッション層CUSの上には、フレキシブルプリント基板T3が配置されている。電極SUSには、導電テープ101及びフレキシブルプリント基板T3を介して、COG19、タッチIC49又はホストHSTから基準電位が供給される。
クッション層CUSの上方であって、フレキシブルプリント基板T3の上には、中間電極ELCが形成されている。これにより、中間電極ELCは、フレキシブルプリント基板T3を介して、COG19、タッチIC49又はホストHSTに接続されている。
中間電極ELCの上には、バックライトユニットBLの光反射体RSが配置されている。導電テープ101の上方であって、フレキシブルプリント基板T3の上には、テープ103を挟んで、バックライトユニットBLの導光体LGが配置されている。また、フレキシブルプリント基板T3の上には、導光体LGの側面に接するように、光源LSが配置されている。導光体LG及び光源LSの上方には、スペーサ104aが配置され、バックライトユニットBLの光拡散シートDIの上には、スペーサ104bが配置されている。スペーサ104a及び104b並びにバックライトユニットBLの輝度向上フィルムBEFの上には、テープ105が配置されている。
図19に示す構成例によれば、光源LSに電力を供給するためのフレキシブルプリント基板T3をバックライトユニットBLの背面側にまで延在させることで、フレキシブルプリント基板T3の上に中間電極ELCを形成できる。これにより、構成の簡易化及び部品点数の削減が可能である。
図20は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の光源近傍の構成の他の例を示す断面図である。図20に示す構成例では、中間電極ELCは、バックライトユニットBLの光反射体RSの下面に成膜されている。
フレキシブルプリント基板T3の先端部T3aは、導電テープ101とクッション層CUSとの間で、電極SUS上に配置されている。先端部T3aの上には、導電テープ106が配置され、導電テープ106は、中間電極ELCに接続されている。これにより、中間電極ELCは、導電テープ106及びフレキシブルプリント基板T3を介して、COG19、タッチIC49又はホストHSTに接続されている。
図20に示す構成例によれば、光源LSに電力を供給するためのフレキシブルプリント基板T3を、光反射体RSの下面に成膜された中間電極ELCに接続できる。これにより、構成の簡易化及び部品点数の削減が可能である。
図21は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の全体構成の一例を示す断面図である。図21に示す構成例では、タッチ検出機能付き表示部10とバックライトユニットBLとは、端部がスペーサSP1及びSP2によって接続されており、タッチ検出機能付き表示部10とバックライトユニットBLとの間には、空気層AGが設けられている。バックライトユニットBLと電極SUSとの間には、クッション層CUSが設けられている。図21に示す構成例では、図16で示したフレームFRを備えていない。電極SUSと筐体CAとの間には、空気層AG2が設けられている。
<比較例>
図22は、比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成を示す断面図である。この比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置111は、本実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1(図18参照)と比較して、中間電極ELCを備えていない。
駆動電極COMLとクッション層CUSとの間には、容量C1が存在し、クッション層CUSと電極SUSとの間には、容量C2が存在する。なお、容量C1と容量C2との境界は、空気層AGとバックライトユニットBLとの境界でもよいし、バックライトユニットBLとクッション層CUSとの境界でもよい。
図22に示すように、被検出物(例えば、ユーザの指)OBJが入力面ISに接触したとき、駆動電極COMLと被検出物OBJとの間には、容量Cfingerが発生する。
図23は、比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成を示す断面図である。図23に示すように、被検出物OBJが入力面ISに力を加えたとき、タッチ検出機能付き表示部10がたわむ。タッチ検出機能付き表示部10がたわむと、空気層AGの厚みが薄くなり、駆動電極COMLとクッション層CUSとの間の距離が短くなるので、駆動電極COMLとクッション層CUSとの間の容量は、ΔC1だけ増加し、(C1+ΔC1)になる。従って、駆動電極COMLと電極SUSとの間の容量C3=1/(1/(C1+ΔC1)+1/C2)になる。タッチ検出機能付き表示装置111は、駆動電極COMLと電極SUSとの間の容量C3に基づいて、力を検出する。
図24は、比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成を示す断面図である。図24に示すように、被検出物OBJが入力面ISに更に強い力を加えたとき、タッチ検出機能付き表示部10がたわみ、空気層AGの厚みがゼロに至り、タッチ検出機能付き表示部10がバックライトユニットBLに接触し、クッション層CUSが圧縮され弾性変形する。
クッション層CUSが圧縮され弾性変形すると、クッション層CUSと電極SUSとの間の距離が短くなるので、クッション層CUSと電極SUSとの間の容量は、ΔC2だけ増加し、(C2+ΔC2)になる。従って、駆動電極COMLと電極SUSとの間の容量C3=1/(1/(C1+ΔC1)+1/(C2+ΔC2))になる。タッチ検出機能付き表示装置111は、駆動電極COMLと電極SUSとの間の容量C3に基づいて、力を検出する。
図25は、比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置の入力面を押す力と、力信号値との関係を示すグラフである。図25において、横軸は、入力面ISを押す力[gf]を表す。縦軸は、駆動電極COMLと電極SUSとの間の容量に基づく信号値を表す。以下、駆動電極COMLと電極SUSとの間の容量に基づく信号値を、力信号値ともいう。力信号値は、自己静電容量方式の基本原理により、駆動電極COMLから出力される電圧に基づく信号値である。
空気層AGの厚みだけが薄くなりクッション層CUSは変形しない力の第1範囲R1では、力と力信号値との関係が直線状になる。
同様に、空気層AGの厚みがゼロに至りクッション層CUSが力に応じて弾性変形する力の第2範囲R2でも、力と力信号値との関係が直線状になる。
しかし、空気層AGの誘電率とクッション層CUSの誘電率とは、異なる。また、力に対する空気層AGの厚みの変化の度合いと、力に対するクッション層CUSの厚みの変化の度合いと、は異なる。力に対するクッション層CUSの厚みの変化の度合いは、ヤング率(Young’s modulus)が例示される。クッション層CUSは、空気層AGよりも変形しづらい。そのため、第1範囲R1と第2範囲R2との境目では、力と力信号値との関係に変曲点P1ができてしまう。従って、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3では、力と力信号値との関係が直線状にならない。そのため、タッチ検出機能付き表示装置111は、力を好適に検出できない。つまり、タッチ検出機能付き表示装置111は、力の検出精度の向上を図ることができない。
なお、図25において、縦軸の目盛りは、変曲点P1での力信号値を「1」として正規化したものである。
<実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成>
次に、本発明の実施形態の一例として、実施形態1を説明する。
図26は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置のタッチ検出電極、駆動電極ブロック、中間電極及び電極を示す斜視図である。
図26に示すように、実施形態1に係る中間電極ELCは、複数の中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Efを有する。中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Efは、Z方向から見てそれぞれ帯状であり、X方向にそれぞれ延在している。中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Efは、第1中間電極71と第2中間電極72とを有する。第1中間電極71と第2中間電極72は、Z方向から見てそれぞれ帯状であり、X方向にそれぞれ延在している。また、第1中間電極71と第2中間電極72との間にはスペースが設けられている。
図27は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成例を示す断面図である。また、図28は、図27の破線で囲む部分を拡大して示す断面図である。図27及び図28は、被検出物OBJ(例えば、ユーザの指)が入力面ISに力を加えていないときのタッチ検出機能付き表示装置1Aを示している。
図27及び図28に示すように、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1Aは、入力面ISの側から順に、カバー部材CGと、第2光学素子OD2と、対向基板3と、駆動電極COMLを含むTFT基板21と、第1光学素子OD1と、バックライトユニットBLと、中間電極ELCと、クッション層CUSと、導電膜60と、を備える。また、図示しないが、対向基板3と駆動電極COMLとの間には液晶層6(図12参照)が設けられている。第1光学素子OD1とバックライトユニットBLとの間には、空気層AGが設けられている。
駆動電極COMLは、被検出物OBJが力を加える入力面ISに対向しており、導電膜60と、クッション層CUS及び中間電極ELCよりも入力面IS側に配置されている。例えば、駆動電極COMLを構成する複数の駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beには、それぞれ駆動電極ドライバ14(図2参照)に接続されている。また、駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beには、電圧検出器DETがそれぞれ接続されている。駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beは、互いに同一の形状で同一の大きさである。
導電膜60は、駆動電極COMLと対向する位置に配置されている。導電膜60は、基準電位(例えば、接地電位)に接続される。導電膜60は、例えば、銅又はステンレス等の導電性材料からなる。ただし、導電膜60は、導電性を有すればよく、その材料は限定されない。
中間電極ELCは、駆動電極COMLと導電膜60との間に設けられている。中間電極ELCは、入力面IS側から加えられる力によって変形可能な空気層AGを挟んで駆動電極COMLと対向し、かつ、入力面IS側から加えられる力によって変形可能なクッション層CUSを挟んで導電膜60と対向している。空気層AG及びクッション層CUSは力による変形のし易さが互いに異なり、例えば空気層AGはクッション層CUSよりも変形し易い。
中間電極ELCは、駆動電極COMLが有する複数の駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beに対応して、複数の中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeを有する。例えば、中間電極ブロックEaは駆動電極ブロックBaとZ方向で重なる位置に配置されており、中間電極ブロックEbは駆動電極ブロックBbとZ方向で重なる位置に配置されている。同様に、中間電極ブロックEc、Ed、Eeは、駆動電極ブロックBc、Bd、BeとZ方向で重なる位置にそれぞれ配置されている。
中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeは、第1中間電極71と第2中間電極72と、をそれぞれ有する。力検出部SE2(図1参照)が力検出を行う際、第1中間電極71は基準電位(例えば、接地電位)に接続され、第2中間電極72には力検出用の駆動信号と同じ信号(例えば、力検出用の駆動信号と同相かつ同振幅の信号)が印加される。以下、力検出用の駆動信号と同相かつ同振幅の信号を、ガード(Guard)信号という。第1中間電極71と第2中間電極72は、それぞれ駆動電極ドライバ14に接続されている。また、第2中間電極72は電圧検出器DETに接続されている。
タッチ検出機能付き表示装置1Aでは、力検出部SE2(図1参照)が力検出を行う際、駆動電極ドライバ14がスキャン方向(例えば、Y方向)に沿って1つまたは複数の駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beを順次選択する。そして、駆動電極ドライバ14は、選択した駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beに力検出用の駆動信号として、交流矩形波Sg(駆動信号Vcomts2)を供給する。また、駆動電極ドライバ14は、選択した駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beに対応する中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeの第2中間電極72に、力検出用の駆動信号に同期したガード信号を供給する。電圧検出器DETは、中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeの第2中間電極72から出力される電圧信号と、駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beから出力される電圧信号とを検出する。
例えば図28に示すように、駆動電極ドライバ14は駆動電極ブロックBcに駆動信号Vcomts2を供給すると共に、中間電極ブロックEcの第2中間電極72に駆動信号Vcomts2に同期したガード信号を供給する。
駆動電極ブロックBcに駆動信号Vcomts2が供給されると、中間電極ブロックEcの第1中間電極71は基準電位(例えば、接地電位)に接続されているため、駆動電極ブロックBcと第1中間電極71との間に電位差が生じ、容量C1が生じる。また、中間電極ブロックEcの第2中間電極72にガード信号が供給されると、導電膜60は基準電位(例えば、接地電位)に接続されているため、第2中間電極72と導電膜60との間に電位差が生じ、容量C2が生じる。
一方、駆動電極ブロックBcと中間電極ブロックEcの第2中間電極72との間には、図28の破線で示すような容量は生じない。その理由は、第2中間電極72に駆動電極ブロックBcに供給される駆動信号Vcomts2と同期して、ガード信号が供給されることで、駆動電極ブロックBcと第2中間電極72とが同電位になるからである。また、第1中間電極71と導電膜60との間にも図27の破線で示すような容量は生じない。その理由は、第1中間電極71と導電膜60とがそれぞれが基準電位(例えば、接地電位)に接続されることで、第1中間電極71と導電膜60とが同電位になるからである。
実施形態1では、電圧検出器DETに接続された駆動電極COMLと、中間電極ELCの第2中間電極72が力検出のセンサ部として機能する。実施形態1では、駆動電極COML及び中間電極ELCの第2中間電極72とが、電圧検出器DETを介して検出信号Vdet3を出力する。
図29は、中間電極の構成例1を示す平面図である。図29は、中間電極ELCを構成する中間電極ブロックとして、3つの中間電極ブロックEa、Eb、Ecを示している。また、図29は、Z方向における駆動電極COMLの駆動ブロックと中間電極ELCの中間電極ブロックとの位置関係を示すために、駆動電極COMLの駆動電極ブロックBa、Bb、Bcを破線で示している。
なお、図29と、後述の図34から図37では、駆動電極ブロックBa、Bb、Bcを又は電極EL示す破線が、中間電極ブロックEa、Eb、Ec又は中間電極Ex、Eyを示す実線の外側に記載されているが、これは図面において破線と実線とを区別し易くするためであり、電極の大小を規定するものではない。また、図29と、後述の図34から図37では、中間電極ブロックEa、Eb、Ec間又は電極EL間のスペースが電極内のスペースよりも大きく記載されているが、これも図面において電極内と電極間とを区別し易くするためであり、スペースの大小を規定するものではない。
図29に示すように、複数の駆動電極ブロックBa、Bb、BcとZ方向で重なる位置に、複数の中間電極ブロックEa、Eb、Ecがそれぞれ位置する。中間電極ブロックEa、Eb、EcはそれぞれX方向に帯状に延在している。また、中間電極ブロックEa、Eb、Ecはそれぞれ、Y方向に並んでいる。中間電極ブロックEa、Eb、Ecの平面視による外周の形状は、例えば、駆動電極ブロックBa、Bb、Bcの平面視による外周の形状とそれぞれ同じである。また、中間電極ブロックEa、Eb、Ecの平面視による外周の大きさは、例えば、駆動電極ブロックBa、Bb、Bcの平面視による外周の大きさと同じである。
図29に示すように、中間電極ブロックEa、Eb、Ecは、1つの第1中間電極71と、Y方向において第1中間電極71の両側に配置された2つの第2中間電極72とを有する。第1中間電極71はX方向に帯状に延在している。第2中間電極72もX方向に帯状に延在している。第1中間電極71と第2中間電極72は、Y方向で隣り合っている。
Y方向で隣り合う第1中間電極71と第2中間電極72との間、及び、Y方向で隣り合う第2中間電極72同士の間には、例えば、それぞれ同じ幅のスペースが設けられている。
図29に示す例では、第1中間電極71のX方向における長さと、第2中間電極72のX方向における長さとが互いに同じである。図29において、1つの駆動電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第1中間電極71は1つであり、その面積S1は、S1=W1×L1、で算出される。L1は、第1中間電極71のX方向の長さであり、第2中間電極72のX方向の長さでもある。W1は、第1中間電極71のY方向の長さである。また、図29において、1つの駆動電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第2中間電極72の面積S2は、S2=W2×L1×2、で算出される。W2は、第2中間電極72のY方向の長さである。面積S1とS2の比率は、面積S1、S2をL1で除算することにより、W1、W2の比で示すことが可能である。また、図29に示す例では、第1中間電極71の配置間隔n1は、駆動電極ブロックBa、Bb、Bcの配置間隔m1と同じである。
このように、図29に示す例では、第1中間電極71のX方向の長さと、第2中間電極72のX方向の長さとが同じL1であるため、第1中間電極71と第2中間電極72の面積比率は、W1、W2の比で決まる。
実施形態1では、駆動電極COMLの駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Be、Bfが、本発明の「第1電極」に対応する。中間電極ELCの「中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Ef」が、本発明の「第2電極及び第3電極」に対応する。導電膜60が、本発明の「導電体」に対応する。空気層AGが、本発明の「第1誘電層」に対応する。クッション層CUSが、本発明の「第2誘電層」に対応する。容量C1が、本発明の「第1容量」に対応する。容量C2が、本発明の「第2容量」に対応する。第1中間電極71が本発明の「第2電極」に対応する。第2中間電極72が本発明の「第3電極」に対応する。X方向が本発明の「第1方向」に対応する。Y方向が本発明の「第2方向」に対応する。力検出部SE2が本発明の「力検出装置」に対応する。液晶層が本発明の「液晶層」に対応する。タッチ検出機能付き表示装置1Aが本発明の「液晶表示装置」に対応する。
<実施形態1における容量変化の検出例>
次に、実施形態1における単位力当たりの容量変化の検出例について説明する。
図30は、実施形態1に係る第1、第2中間電極の面積比率と、単位力当たりの容量変化量との関係を示すグラフである。図30の横軸は、第1中間電極71と第2中間電極72との面積比率S1/(S1+S2)を示す。面積S1は、1つの駆動電極ブロック(例えば、駆動電極ブロックBc)とZ方向で重なる位置にある第1中間電極71のZ方向から見た面積である。面積S2は、1つの駆動電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第2中間電極72のZ方向から見た面積である。図30の縦軸は、入力面IS側から加えられる単位力当たりの容量変化量[pF/gf]を示す。縦軸のaは定数である。
図30に示す直線C1は、図29に示した容量C1について、単位力当たりの容量変化量と面積比率S1/(S1+S2)との関係を示す直線である。図30の直線C2は、図29に示した容量C2について、単位力当たりの容量変化量と面積比率S1/(S1+S2)との関係を示す直線である。
容量C1の単位力当たりの変化量は、ε1×S1×Δd1/(d×(d−Δd1))、で与えられる。ε1は空気層AGの誘電率、d1は第1層の厚さ、Δd1は空気層AGに単位力が加えられたときの厚さの変化量である。
容量C2の単位力当たりの容量変化量は、ε2×S2×Δd2/(d×(d−Δd2))、で与えられる。ε2はクッション層CUSの誘電率、d2はクッション層CUSの厚さ、Δd2はクッション層CUSに単位力が加えられたときの厚さの変化量である。
図30に示すように、面積比率S1/(S1+S2)が1に近いほど、容量C1の単位力当たりの変化量は大きくなり、容量C2の単位力当たりの変化量は小さくなる。また、面積比率S1/(S1+S2)が0に近いほど、容量C1の単位力当たりの変化量は小さくなり、容量C2の単位力当たりの変化量は大きくなる。直線C1の傾きは正であり、直線C2の傾きは負であり、面積比率S1/(S1+S2)が0から1の間で直線C1と直線C2は交差する。
図30に示すように、実施形態1において、直線C1と直線C2とが交差するときの面積比率をα1とする。面積比率S1/(S1+S2)がα1を満たすとき、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが一致し、式(1)が成り立つ。なお、α1は0よりも大きく1よりも小さい数である。
(数1)
ε1×S1×Δd1/(d×(d−Δd1))=ε2×S2×Δd2/(d×(d−Δd2))…(1)
図30に示す面積比率α1、つまり、式(1)が成り立つときの面積S1、S2の比は、式(1)にε1、ε2、d1、d2、Δd1、Δd2の各値を代入することで、算出可能である。また、シミュレーションから面積比率α1を求めることも可能である。
なお、面積比率S1/(S1+S2)は、図29に示した例では、第1中間電極71のY方向の長さW1と、第2中間電極72のY方向の長さW2の比率と同じである。このため、タッチ検出機能付き表示装置1Aの設計者は、タッチ検出機能付き表示装置1Aの設計時にW1とW2の比を調節することで、面積比率S1/(S1+S2)をα1に合わせ込むことができる。
図31は、タッチ検出機能付き表示装置の入力面を押す力と、容量に基づく信号値との関係について、実施形態1と比較例とを比べた図である。図31の横軸は入力面を押す力[gf]を示す。図31の縦軸は容量に基づく信号値を示す。
図31に示すように、比較例では、力と力信号値との関係を示す直線の傾きは、空気層AGの厚みだけが薄くなりクッション層CUSは変形しない力の第1範囲R1と、空気層AGの厚みがなくなりクッション層CUSが力に応じて弾性変形する力の第2範囲R2とで異なっていた。比較例では、第1範囲R1で力と力信号値との関係を示す直線121と、第2範囲で力と力信号値との関係を示す直線122との間に、傾きが変わる変曲点P1が存在していた。
これに対し、実施形態1に係る力検出部SE2では、複数の中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Efの各々において、第1中間電極71と第2中間電極72との面積比率S1/(S1+S2)は図30に示したα1となっている。つまり、力によって空気層AGの厚みが減少するときの第1容量C1の単位力あたりの変化量と、力によってクッション層CUSの厚みが減少するときの第2容量C2の単位力あたりの変化量とが同じとなっている。これにより、複数の中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Efの各々とZ方向で重なる領域において、容量C1の単位力当たりの変化量と、容量C2の単位力当たりの変化量とが同じとなっている。
このため、図31に示すように、実施形態1では、力と力信号値との関係を示す直線について、第1範囲R1での傾きと第2範囲R2での傾きとが同一となる。力と力信号値との関係を示す直線は、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3で直線123のようになり、第1範囲R1と第2範囲R2との間の傾きの変曲点P1は小さくなる。タッチ検出機能付き表示装置1Aは、力と力信号値との関係を示す直線で変曲点P1が小さくなることで、直線の傾き補正の演算量が軽減される。
<実施形態1における力検出動作>
次に、実施形態1における力検出動作について説明する。
図32は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の力検出制御部の機能ブロックを示す図である。力検出制御部50は、接触判定部51と、容量算出部52と、力信号値算出部53と、を含む。また、力検出制御部50は、A/D変換部43を介して電圧検出器DETに接続されている。
接触判定部51、容量算出部52、力信号値算出部53は、COG19、タッチIC49又はホストHSTがプログラムを実行することで実現できる。または、接触判定部51、容量算出部52、力信号値算出部53は、COG19、タッチIC49及びホストHSTの内の2つ以上がプログラムを協働して実行することで実現できる。
接触判定部51は、タッチ検出制御部40(図2参照)から出力される信号Voutに基づいて、被検出物OBJが入力面ISに接触又は近接しているか否かを判定する。
電圧検出器DETは、駆動電極COMLに駆動信号Vcomts2が供給され、中間電極ELCの第1中間電極71及び導電膜60が基準電位(例えば、接地電位)にそれぞれ接続され、中間電極ELCの第2中間電極72にガード信号が供給されているときに、電圧信号Vdet3を検出する。A/D変換部43は、電圧検出器DETが検出した電圧信号Vdet3をA/D変換して、容量算出部52に出力する。
容量算出部52は、A/D変換部43がA/D変換したVdet3に基づいて、駆動電極COMLと導電膜60との間に生じている容量C3を算出する。容量C3は、駆動電極COMLと第1中間電極71との間に生じる容量C1と、第2中間電極72と導電膜60との間に生じる容量C2との合成容量である。容量算出部52は、算出した容量C3を力信号値算出部53に出力する。
力信号値算出部53は、容量C3に基づいて力信号値Cforceを算出する。
図33は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の動作タイミングの一例を示すタイミング図である。
1枚の画像(1フレーム)を表示する期間である表示フレーム期間131は、タイミングt0で開始し、タイミングt9で終了する。表示フレーム期間131は、タッチ検出及び力検出を行う期間である2つのタッチフレーム期間132及び133を含む。なお、表示フレーム期間131は、1つだけのタッチフレーム期間を含んでもよいし、3つ以上のタッチフレーム期間を含んでもよい。
タッチフレーム期間132は、タイミングt0で開始し、タイミングt8で終了する。タッチフレーム期間133は、タイミングt8で開始し、タイミングt9で終了する。タッチフレーム期間133の動作タイミングは、タッチフレーム期間132の動作タイミングと同じであるので、タッチフレーム期間132についてだけ説明する。
タッチフレーム期間132は、相互静電容量方式の基本原理に基づいて、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の相互静電容量を検出する期間である相互静電容量検出期間134と、自己静電容量方式の基本原理に基づいて、駆動電極COML及びタッチ検出電極TDLの各々の自己静電容量を検出する期間である自己静電容量検出期間135と、を含む。相互静電容量検出期間134は、タイミングt0で開始し、タイミングt1で終了する。自己静電容量検出期間135は、タイミングt1で開始し、タイミングt8で終了する。
タッチフレーム期間132は、被検出物OBJが入力面ISに接触又は近接していることを検出する期間であるタッチ検出期間136と、被検出物OBJが入力面ISに供給している力を検出する期間である力検出期間137と、を含む。タッチ検出期間136の一部と力検出期間137の一部とは、重なっている。
タッチ検出期間136は、相互静電容量検出期間134の開始タイミングと同じタイミングt0で開始し、自己静電容量検出期間135の開始タイミングであるタイミングt1を跨いで、タイミングt5で終了する。つまり、タッチ検出期間136は、相互静電容量検出期間134及び自己静電容量検出期間135に跨っている。
力検出期間137は、自己静電容量検出期間135の期間中且つタッチ検出期間136の期間中であるタイミングt2で開始し、タッチ検出期間136の終了タイミングであるタイミングt5を跨いで、自己静電容量検出期間135の終了タイミングと同じタイミングt8で終了する。
相互静電容量検出期間134では、画素信号Vpixが表示部DPに供給されて表示部DPが画像を表示する表示期間138と、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の相互静電容量を検出する容量検出期間139と、が交互に繰り返される。容量検出期間139で検出された、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の相互静電容量は、タッチ検出制御部40でのタッチ検出に利用される。
タイミングt1で自己静電容量検出期間135が開始すると、次の表示期間138aが終了した後に、タッチ検出電極TDL検出期間140において、タッチ検出電極TDLの自己静電容量が検出される。タッチ検出電極TDL検出期間140で検出されたタッチ検出電極TDLの自己静電容量は、タッチ検出制御部40でのタッチ検出に利用される。
タイミングt2で力検出期間137が開始すると、次の表示期間138bが終了した後に、駆動電極COML検出期間141において、駆動電極COMLの自己静電容量が検出される。駆動電極COML検出期間141は、タイミングt3で開始し、タイミングt4で終了する。駆動電極COML検出期間141で検出された駆動電極COMLの自己静電容量は、タッチ検出制御部40でのタッチ検出と、力検出制御部50での力検出と、で兼用される。
タッチ検出制御部40は、複数の容量検出期間139で検出された、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の相互静電容量と、タッチ検出電極TDL検出期間140で検出されたタッチ検出電極TDLの自己静電容量と、駆動電極COML検出期間141で検出された駆動電極COMLの自己静電容量と、に基づいて、タッチ検出を行う。タッチ検出制御部40は、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の相互静電容量に加えて、タッチ検出電極TDLの自己静電容量及び駆動電極COMLの自己静電容量を加味することで、水滴等の影響を好適に抑制し、スタイラスペン等を好適に検出できる。
力検出制御部50(図1参照)は、駆動電極COML検出期間141にタイミングを合わせて、基準電位期間144a、144bにおいて、中間電極ELCの第1中間電極71の電位と第2中間電極72の電位をそれぞれ基準電位にする。基準電位期間144a、144bは、駆動電極COML検出期間141の開始タイミングと同じタイミングt3で開始し、駆動電極COML検出期間141の終了タイミングと同じタイミングt4で終了する。
駆動電極COML検出期間141が終了すると、次の表示期間138cが終了した後に、駆動電極COML検出期間142において、駆動電極COMLの自己静電容量と第2中間電極72の自己静電容量とが検出される。駆動電極COML検出期間142は、タイミングt6で開始し、タイミングt7で終了する。
駆動電極COML検出期間141が終了すると、次の表示期間138cが終了した後に、駆動電極COML検出期間142において、駆動電極COMLの自己静電容量が検出される。駆動電極COML検出期間142は、タイミングt6で開始し、タイミングt7で終了する。
力検出制御部50は、駆動電極COML検出期間142にタイミングを合わせて、駆動信号期間145bにおいて、駆動信号Vcomts2と同相且つ同振幅のガード信号を第2中間電極72に出力する。駆動信号期間145bは、駆動電極COML検出期間142の開始タイミングと同じタイミングt6で開始し、駆動電極COML検出期間142の終了タイミングと同じタイミングt7で終了する。
タッチ検出機能付き表示装置1Aは、力と力信号値Cforceとの関係を全範囲で直線状にできる。例えば、ホストHSTは、力との関係が全範囲で直線状の力信号値Cforceを受け取ることができる。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、力を好適に検出できる。つまり、タッチ検出機能付き表示装置1は、力の検出精度の向上を図ることができる。
<実施形態1の変形例>
実施形態1において、中間電極ELCの構成は図29に限定されるものではない。中間電極ELCには、種々の変形例がある。
図34は、中間電極の変形例1を示す平面図である。図34に示すように、中間電極ELCが有する中間電極ブロックEa、Eb、Ecは、Y方向に細かく分割されていてもよく、複数本の第1中間電極71と複数本の第2中間電極72とを有していてもよい。Y方向において、第2中間電極72の両側に第1中間電極71が配置されていてもよい。図34において、第1中間電極71のY方向の長さは1/3×W1であり、第2中間電極72のY方向の長さは1/3×W2である。図29に示した例と比べて、第1中間電極71のY方向の長さと、第2中間電極72のY方向の長さは、それぞれ1/3となっている。
図34に示すように、第1中間電極71及び第2中間電極72がY方向に細かく分割されていれば、中間電極層ELCの駆動電極COMLに対するY方向への位置ずれに冗長性を持たせることができる。例えば、タッチ検出機能付き表示装置1Aを組み立てる際に、中間電極層ELCの駆動電極COMLに対する取り付けがY方向に位置ずれした場合でも、Y方向では第1中間電極71と第2中間電極72とが狭い範囲で交互に配置されているため、第1中間電極71の面積S1と第2中間電極72の面積S2との面積比率の変動を小さく抑えることができる。
図35は、中間電極の変形例2を示す平面図である。図35に示すように、第1中間電極71及び第2中間電極72が延在する方向は、X方向ではなくてY方向でもよい。また、第1中間電極71及び第2中間電極72が並ぶ方向は、Y方向ではなくX方向でもよい。また、複数の第1中間電極71には、X方向に延在する配線73がそれぞれ接続していてもよい。複数の第2中間電極72には、X方向に延在する配線74がそれぞれ接続していてもよい。
これにより、複数の第1中間電極71と、複数の第2中間電極72をそれぞれX方向に引き出すことが可能となる。なお、図示しないが、Z方向において、第1中間電極71及び第2中間電極72と、配線73、74との間には絶縁膜が設けられている。絶縁膜によって、第1中間電極71と配線74との間と、第2中間電極72と配線73との間が、それぞれ絶縁されている。
なお、図35は、Y方向で隣り合う中間電極ブロックEa、Eb、Ec間にそれぞれスペースが設けられている場合を示している。しかし、第1中間電極71には、中間電極ブロックEa、Eb、Ec間のスペースは無くてもよい。つまり、中間電極ブロックEa、Eb、Ec間で第1中間電極71は連続していてもよい。その理由は、第1中間電極71は、力検出期間137(図33参照)中は基準電位に接続されるため、中間電極ブロックEa、Eb、Ecがそれぞれ異なるタイミングで力検出に供される場合でも、特に支障はないからである。また、中間電極ブロックEa、Eb、Ec間で第1中間電極71が連続している場合は、第1中間電極71に接続する配線73の本数を減らすことも可能である。
図36は、中間電極の変形例3を示す平面図である。図11に示したように、タッチ検出機能付き表示装置1は、マトリックス状(行列状)に設けられた複数の電極ELを、タッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLの機能を兼用する電極として用いるようにしてもよい。この場合は、図36に示すように、中間電極ELCは、マトリックス状に設けられた複数の電極Exを備えてもよい。
複数の電極Exの各々は、第1中間電極71と第2中間電極72とを有する。平面視で、電極Exの中心部に第1中間電極71が設けられており、第1中間電極71の外側に第2中間電極72が設けられている。第1中間電極71と第2中間電極72の平面視による外周の形状は、それぞれ矩形である。また、第1中間電極71と中間電極ブロックとの間にはスペースが設けられている。
複数の電極Exの各々には、X方向又はY方向に延在する配線73、74がそれぞれ接続されていてもよい。例えば、図36に示すように、第1中間電極71には配線73が電気的に接続されている。第1中間電極71は配線73を介してX方向に引き出されている。同様に、第2中間電極72には配線74が電気的に接続されている。第2中間電極72は配線74を介してX方向に引き出されている。
図37は、中間電極の変形例4を示す平面図である。図37に示すように、中間電極ELCは、マトリックス状に設けられた複数の電極Eyを備えてもよい。電極Eyは、第1中間電極71と第2中間電極72とを有するが、それらの配置は図36に示した電極Exの逆となっている。つまり、電極Eyの中心部に第2中間電極72が設けられており、電極Eyの外周部に第1中間電極71設けられている。
図36、37のいずれの例においても、第1中間電極71と第2中間電極72の面積比率が、図30に示したような特定の面積比率α1であれば、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じとなる。これにより、図31に示したように、力と力信号値との関係を示す直線は、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3で直線123のようになる。
図38は、実施形態1の変形例1に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成を示す斜視図である。図38に示すように、複数の電極ELは、図1のタッチ検出部SE1を構成する。複数の電極EL、中間電極ELC、並びに、導電膜60は、図1の力検出部SE2を構成する。中間電極ELCは、平面視で、複数の電極ELと重なる位置に配置されている。中間電極ELCのサイズは、複数の電極ELで構成されるタッチ検出領域と同じか、又はタッチ検出領域よりも大きくてもよい。
図38において、導電膜60は、平面視で、中間電極ELCと重なる位置に配置されている。電極SUSのサイズは、中間電極ELCのサイズと同じか、又は中間電極ELCのサイズよりも大きくてもよい。
また、実施形態1では、空気層AGの代わりに、透明なクッション層が配置されていてもよい。
図39は、実施形態1の変形例2に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成を示す断面図である。図39に示すように、第1光学素子OD1とバックライトユニットBLとの間に、第1クッション層CUS1が配置されていてもよい。また、中間電極ELCと導電膜60との間に第2クッション層CUS2が配置されていてもよい。第2クッション層CUS2は、実施形態1で説明したクッション層CUS(図27参照)と同じ構成である。第1クッション層CUS1は、無色透明または有色透明であり、バックライトユニットBLからの光を入力面IS側に透過させることが可能な材料で構成されている。また、第1クッション層CUS1は不導体である。第1クッション層CUS1は、例えば第2クッション層CUS2よりも変形し易い(ヤング率が小さい)材料で構成されている。第1クッション層CUS1として、ポリウレタンが例示される。図39に示す例では、第1クッション層CUS1が本発明の「第1誘電層」に対応し、第2クッション層CUS2が本発明の「第2誘電層」に対応する。
図39に示す例においても、第1中間電極71と第2中間電極72との面積比率S1/(S1+S2)が、図30に示した特定の面積比率α1であれば、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じである。これにより、図31に示したように、力と力信号値との関係を示す直線は、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3で直線123のようになる。
また、図示しないが、実施形態1では、空気層AGとクッション層CUSとが入れ替わっていてもよい。この場合、クッション層が本発明の「第1誘電層」に対応し、空気層AGが本発明の「第2誘電層」に対応する。このような構成であっても、空気層AGの厚みが先に薄くなってゼロになり、その後にクッション層CUSの厚みが薄くなる。したがって、第1中間電極71と第2中間電極72との面積比率が、図30に示した特定の面積比率α1であれば、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じとなる。これにより、図31に示したように、力と力信号値との関係を示す直線は、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3で直線123のようになる。
<実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成>
次に、本発明の実施形態の一例として、実施形態2を説明する。
図40は、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成を示す断面図である。また、図41は、図40の破線で囲む部分を拡大して示す断面図である。
図40及び図41に示すように、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1Bは、入力面ISの側から順に、カバー部材CGと、第2光学素子OD2と、対向基板3と、駆動電極COMLを含むTFT基板21と、第1光学素子OD1と、第1クッション層CUS1と、バックライトユニットBLと、中間電極ELCと、第2クッション層CUS2と、導電膜60と、を備える。また、図示しないが、対向基板3と駆動電極COMLとの間には液晶層が設けられている。
駆動電極COMLは、複数の駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beを有する。実施形態2では、駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beが基準電位(例えば、接地電位)に接続される。または、駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beには、基準電位(例えば、接地電位)ではなく、駆動電極ドライバ14から表示用駆動電圧VcomDCが供給されてもよい。表示用駆動電圧VcomDCは直流の一定電圧である。
中間電極ELCは、駆動電極COMLと導電膜60との間に設けられている。中間電極ELCは、入力面IS側から加えられる力によって変形可能な第1クッション層CUS1を挟んで駆動電極COMLと対向し、かつ、入力面IS側から加えられる力によって変形可能な第2クッション層CUS2を挟んで導電膜60と対向している。
中間電極ELCは、駆動電極COMLが有する複数の駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beに対応して、複数の中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeを有する。ただし、実施形態2は実施形態1と異なり、複数の中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeの各々は、第1中間電極と第2中間電極とには分かれていない。中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeはそれぞれ単一の中間電極である。
また、実施形態2では、力検出用の駆動信号である駆動信号Vcomts2は、駆動電極COMLではなく、中間電極ELCに供給される。例えば、中間電極ELCの中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeはそれぞれ駆動電極ドライバ14に接続されており、駆動電極ドライバ14から駆動信号Vcomts2がそれぞれ供給される。また、中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeは、電圧検出器DETにそれぞれ接続されている。
第1クッション層CUS1と第2クッション層CUS2の構成は、実施形態1の変形例2(図39参照)と同じである。例えば、第1クッション層CUS1は、無色透明または有色透明であり、バックライトユニットBLからの光を入力面IS側に透過させることが可能な材料で構成されている。第1クッション層CUS1及び第2クッション層CUS2はそれぞれ不導体である。第1クッション層CUS1は、第2クッション層CUS2よりも変形し易い(ヤング率が小さい)材料で構成されている。
導電膜60は、第2クッション層CUS2の駆動電極COMLと対向する面の反対側の面に設けられている。実施形態2では、導電膜60は、第1導電膜パターン61と、第2導電膜パターン62と、を有する。
タッチ検出機能付き表示装置1Bでは、力検出部SE2(図1参照)が力検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14がスキャン方向(例えば、Y方向)に沿って1つまたは複数の中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeを順次選択する。そして、駆動電極ドライバ14は、選択した中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeに力検出用の駆動信号として駆動信号Vcomts2を入力する。
また、駆動電極ドライバ14は、選択した中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeに対応する第2導電膜パターン62に、力検出用の駆動信号に同期したガード信号を供給する。
また、駆動電極ドライバ14は、選択した中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeに対応する駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beを基準電位(例えば、接地電位)に接続する。または、駆動電極ドライバ14は、選択した中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeに対応する駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beに表示用駆動電圧VcomDCを供給する。第1導電膜パターン61は基準電位(例えば、接地電位)に接続されている。
例えば図41に示すように、駆動電極ドライバ14は中間電極ブロックEcに駆動信号Vcomts2を供給すると共に、中間電極ブロックEcとZ方向で重なる位置にある第2導電膜パターン62に、駆動信号Vcomts2に同期したガード信号をそれぞれ供給する。また、駆動電極ドライバ14は、中間電極ブロックEcとZ方向で重なる位置にある駆動電極ブロックBcを基準電位(例えば、接地電位)に接続する。これにより、中間電極ブロックEcと駆動電極ブロックBcとの間に電位差が生じ、容量C1が生じる。また、中間電極ブロックEcと、中間電極ブロックEcとZ方向で重なる位置にある第1導電膜パターン61との間にも電位差が生じ、容量C2が生じる。
一方、中間電極ブロックEcと、中間電極ブロックEcとZ方向で重なる位置にある第2導電膜パターン62との間には、図41の破線で示すような容量は生じない。その理由は、第2導電膜パターン62にガード信号が供給されることで、中間電極ブロックEcと第2導電膜パターン62とが同電位になるからである。
このように、実施形態2では、電圧検出器DETに接続された中間電極ELCが力検出のセンサ部として機能する。実施形態2では、中間電極ELCが電圧検出器DETを介して検出信号Vdet3を出力する。
図42は、実施形態2に係る導電膜の構成例を示す平面図である。図42は、Z方向における導電膜60と中間電極ELCとの位置関係を示すために、中間電極ELCの中間電極ブロックEa、Eb、Ecを破線で示している。図42に示すように、第1導電膜パターン61は、平面視による形状が帯状であり、X方向に延在している。第2導電膜パターン62も、平面視による形状が帯状であり、X方向に延在している。Y方向において、第1導電膜パターン61と第2導電膜パターン62は交互に配置されており、第1導電膜パターン61と第2導電膜パターン62との間にはスペースが設けられている。
第1導電膜パターン61のY方向への配置間隔n2は、中間電極ブロックEa、Eb、Ecの配置間隔m2と同じである。中間電極ブロックEa、Eb、EcとZ方向で重なる位置に、第1導電膜パターン61が1つずつ配置されている。
図42に示す例では、第1導電膜パターン61のX方向の長さと、第2導電膜パターン62のX方向の長さとが互いに同じである場合を示している。
図42において、1つの中間電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第1導電膜パターン61は1つであり、その面積S3は、S3=W3×L2で算出される。L2は第1導電膜パターン61のX方向の長さであり、第2導電膜パターン62のX方向の長さでもある。W3は第1導電膜パターン61のY方向の長さである。また、1つの中間電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第2導電膜パターン62は1つ(=1/2×2)であり、その面積S4は、S4=W4×L2×2で算出される。W4は、第2導電膜パターン62のY方向の長さである。面積S3とS4の比率は、面積S3、S4をL2で除算することにより、W3、W4の比で示すことが可能である。また、図42に示す例では、第1導電膜パターン61の配置間隔n2は、中間電極ブロックEa、Eb、Ecの配置間隔m2と同じである。
<実施形態2における容量変化の検出例>
次に、実施形態2における単位力当たりの容量変化の検出例について説明する。
図43は、実施形態2に係る第1、第2導電膜パターンの面積比率と、単位力当たりの容量変化量との関係を示すグラフである。図43の横軸は、第1導電膜パターン61と第2導電膜パターン62との面積比率S3/(S3+S4)を示す。面積S3は、1つの中間電極ブロック(例えば、中間電極ブロックEc)とZ方向で重なる位置にある第1導電膜パターン61のZ方向から見た面積である。面積S4は、1つの中間電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第2導電膜パターン62のZ方向から見た面積である。図43の縦軸は、入力面IS側から加えられる単位力当たりの容量変化量[pF/gf]を示す。縦軸のbは定数である。
また、図43の直線C1は、容量C1の単位力当たりの変化量を示す直線である。図43の直線C2は、容量C2の単位力当たりの変化量を示す直線である。実施形態2では、直線C1の傾きはほぼ0である。その理由は、容量C1の電極板は駆動電極COMLと中間電極ELCであり、電極板ではない導電膜60の面積比率が容量C1の容量値に与える影響はほぼ0であるからである。
実施形態2においても、実施形態1と同様に、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じであるときの面積比率α2を、設計者等が予め求めておく。面積比率α2を求める方法は、実施形態1と同様であり、式(1)を用いたり、シミュレーションを行う方法が挙げられる。なお、α2は0よりも大きく1よりも小さい数である。実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1Bでは、第1導電膜パターン61と第2導電膜パターン62の面積比率S3/(S3+S4)が、図43に示した特定の面積比率α2となっていれば、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じとなる。
これにより、実施形態1と同様、実施形態2においても、力と力信号値との関係を示す直線(図31参照)は、第1クッション層CUS1の厚みだけが薄くなり第2クッション層CUS2は変形しない力の第1範囲R1での傾きと、第1クッション層CUS1の厚みがゼロに至り第2クッション層CUS2が力に応じて弾性変形する力の第2範囲R2での傾きとが同一となる。力と力信号値との関係を示す直線は、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3で直線123のようになり、第1範囲と第2範囲との間の傾きの変曲点P1は小さくなる。タッチ検出機能付き表示装置1Bは、力と力信号値との関係を示す直線で変曲点P1が小さくなることで、直線の傾き補正の演算量が軽減される。
なお、第1クッション層CUS1と第2クッション層CUS2とに用いられる2つの材料は、ヤング率や誘電率が異なり、同じ力が加えられた場合でも容量変化の度合いが違う。また、容量変化の度合いが大きい方が、容量値の検出ばらつきも大きい。そこで、2つの材料がいずれも透明な場合は、容量変化が小さい方の材料を第1クッション層CUS1に用い、容量変化が大きい方の材料を第2クッション層CUS2に用いることが好ましい。その理由は、容量C1の電極面積よりも、容量C2の電極面積の方が小さいからである。一般に、電極面積が小さいほど容量は小さく、容量変化の度合いも小さい。このため、容量変化の度合いが大きい方の材料を第2クッション層CUS2に用いることで、容量値の検出ばらつきを抑制することが可能である。
<実施形態2の変形例>
図44は、実施形態2の変形例1を示す断面図である。また、図45は、図44の破線で囲む部分を拡大して示す断面図である。
実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1Bでは、第1クッション層CUS1及び第2クッション層CUS2の一方(図40参照)が、空気層AG1に置き換えられていてもよい。図44及び図45は、第2クッション層CUS2が空気層AG1に置き換えられている場合を示す。また、導電膜60の第2導電膜パターン62(図40参照)は空気層AG2に置き換えられていてもよい。
例えば図45に示すように、中間電極ブロックEcとZ方向で重なる位置にある空気層AG2の、Z方向から見た面積をS’4とする。図44及び図45に示す例でも、第2導電膜パターン62と空気層AG2の面積比率S3/(S3+S’4)が、図43に示した特定の面積比率α2であれば、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じとなる。これにより、図31に示したように、力と力信号値との関係を示す直線は、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3で直線123のようになる。
図46は、実施形態2の変形例2を示す断面図である。また、図47は、図46の破線で囲む部分を拡大して示す断面図である。図46及び図47に示すように、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1Bは、電極SUSを備えていてもよい。また、導電膜60は絶縁膜(図示せず)を介して電極SUSの表面上に形成されていてもよい。タッチ検出機能付き表示装置1Bを組み立てる際は、電極SUSの導電膜60が形成された面を、第2クッション層CUS2の表面に貼付すればよい。
図46及び図47に示す例でも、第1導電膜パターン61と第2導電膜パターン62の面積比率S3/(S3+S4)が、図43に示した特定の面積比率α2となっていれば、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じとなる。これにより、図31に示したように、力と力信号値との関係を示す直線は、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3で直線123のようになる。
また、電極SUSは金属製であり、第2クッション層CUS2よりも硬くて耐熱性等も優れている。このため、図46及び図47に示す例は、第2クッション層CUS2の表面に導電膜60を形成する場合と比べて、導電膜60の形成が容易である。
図48は、実施形態2の変形例3を示す断面図である。また、図49は、図48の破線で囲む部分を拡大して示す断面図である。実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1Bは、表示部DP(図1参照)として、有機エレクトロルミネッセンス表示部90を備えていてもよい。駆動電極COMLは、有機エレクトロルミネッセンスのアノード又はカソードの一方に接続される。例えば、駆動電極COMLは、有機エレクトロルミネッセンスのアノード電極又はカソード電極の一方であってもよい。タッチ検出機能付き表示装置1Bの力検出部SE2が力を検出する際は、駆動電極COMLは直流の一定電圧に維持される。
図48及び図49に示す例でも、第1導電膜パターン61と第2導電膜パターン62の面積比率S3/(S3+S4)が、図43に示した特定の面積比率α2となっていれば、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じとなる。これにより、図31に示したように、力と力信号値との関係を示す直線は、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3で直線123のようになる。
なお、有機エレクトロルミネッセンス表示部90は、有機エレクトロルミネッセンスそのものが発光する自発光型である。このため、図48、図49に示すタッチ検出機能付き表示装置1Bには、バックライトユニットBLは不要である。一方、タッチ検出機能付き表示装置1Bは、カバー部材CGの側から有機エレクトロルミネッセンス表示部90に向けて光を照射するフロントライトユニットは備えてもよい。
図48及び図49に示す例では、有機エレクトロルミネッセンス表示部90が本発明の「有機エレクトロルミネッセンス表示部」に対応する。タッチ検出機能付き表示装置1Bが本発明の「有機エレクトロルミネッセンス表示装置」に対応する。
<実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成>
図50は、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成を示す断面図である。また、図51は、図50の破線で囲む部分を拡大して示す断面図である。
図50及び図51に示すように、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1Cは、入力面ISの側から順に、カバー部材CGと、第2光学素子OD2と、対向基板3と、駆動電極COMLを含むTFT基板21と、第1光学素子OD1と、バックライトユニットBLと、中間電極ELCと、クッション層CUSと、導電膜60と、を備える。また、図示しないが、対向基板3と駆動電極COMLとの間には液晶層が設けられている。第1光学素子OD1とバックライトユニットBLとの間には、空気層AGが設けられている。
駆動電極COMLは、複数の駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beを有する。ただし、実施形態3は実施形態1と異なり、複数の駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beの各々は、第1駆動電極81と第2駆動電極82と、を有する。第1駆動電極81と第2駆動電極82は、それぞれX方向に延在している。また、第1駆動電極81と第2駆動電極82との間にはスペースが設けられている。
タッチ検出機能付き表示装置1Cの力検出部SE2が力を検出する際は、第1駆動電極81は基準電位(例えば、接地電位)に接続される。または、第1駆動電極81は、表示用駆動電圧VcomDCが供給されてもよい。また、第2駆動電極82には、力検出用の駆動信号と同相且つ同振幅のガード信号が供給される。
例えば、第2駆動電極82は駆動電極ドライバ14に接続されている。駆動電極ドライバ14は、駆動信号Vcomts2と同相且つ同振幅のガード信号を第2駆動電極82に供給する。また、駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beの各第2駆動電極82は、複数の電圧検出器DETにそれぞれ接続されている。
中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeは、実施形態2と同様、第1中間電極と第2中間電極とには分かれておらず、それぞれ単一の中間電極となっている。また、力検出用の駆動信号である駆動信号Vcomts2も、実施形態2と同様に、中間電極ELCに供給される。
例えば、中間電極ELCの中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeはそれぞれ駆動電極ドライバ14に接続されており、駆動電極ドライバ14から駆動信号Vcomts2がそれぞれ供給される。中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeは、電圧検出器DETにそれぞれ接続されている。
タッチ検出機能付き表示装置1Cでは、力検出部SE2(図1参照)が力検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14がスキャン方向(例えば、Y方向)に沿って1つまたは複数の中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeを順次選択する。そして、駆動電極ドライバ14は、選択した中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeに力検出用の駆動信号として駆動信号Vcomts2を供給する。また、駆動電極ドライバ14は、選択した中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeに対応する第2駆動電極82に、力検出用の駆動信号に同期したガード信号を供給する。また、駆動電極ドライバ14は、選択した中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeに対応する第1駆動電極81を基準電位(例えば、接地電位)に接続する。または、駆動電極ドライバ14は、選択した中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeに対応する第1駆動電極81に表示用駆動電圧VcomDCを供給する。導電膜60は基準電位(例えば、接地電位)に接続されている。
例えば図51に示すように、駆動電極ドライバ14は、中間電極ブロックEcに駆動信号Vcomts2を供給すると共に、中間電極ブロックEcとZ方向で重なる位置にある第2駆動電極82に、駆動信号Vcomts2に同期したガード信号をそれぞれ供給する。また、駆動電極ドライバ14は、中間電極ブロックEcとZ方向で重なる位置にある第1駆動電極81を基準電位(例えば、接地電位)に接続する。これにより、中間電極ブロックEcと第1駆動電極81との間に電位差が生じ、容量C1が生じる。また、中間電極ブロックEcと、中間電極ブロックEcとZ方向で重なる位置にある導電膜60との間にも電位差が生じ、容量C2が生じる。
一方、中間電極ブロックEcと、中間電極ブロックEcとZ方向で重なる位置にある第2駆動電極82との間には、図51の破線で示すような容量は生じない。その理由は、第2駆動電極82にガード信号が供給されることで、中間電極ブロックEcと第2駆動電極82とが同電位になるからである。
実施形態3では、電圧検出器DETに接続された中間電極ELC及び第2駆動電極82が力検出のセンサ部として機能する。実施形態3では、中間電極ELC及び第2駆動電極82が、電圧検出器DETを介して検出信号Vdet3を出力する。
図52は、実施形態3における駆動電極COMLの構成例を示す平面図である。図52は、Z方向における駆動電極COMLと中間電極ELCとの位置関係を示すために、中間電極ELCの中間電極ブロックEa、Eb、Ecを破線で示している。図52に示すように、第1駆動電極81は、平面視による形状が帯状であり、X方向に延在している。第2駆動電極82も、平面視による形状が帯状であり、X方向に延在している。Y方向において、第1駆動電極81と第2駆動電極82は交互に配置されており、第1駆動電極81と第2駆動電極82との間にはスペースが設けられている。また、第1駆動電極81のY方向への配置間隔n3は、中間電極ブロックEa、Eb、Ecの配置間隔m3と同じである。これにより、中間電極ブロックEa、Eb、EcとZ方向で重なる位置に、第1駆動電極81が1つずつ配置されている。
図52に示す例では、第1駆動電極81のX方向の長さと第2駆動電極82のX方向の長さとが互いに同じである場合を示している。図52において、1つの中間電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第1駆動電極81は1つであり、その面積S5は、S5=W5×L3で算出される。L3は第1駆動電極81のX方向の長さであり、第2駆動電極82のX方向の長さでもある。W5は第1駆動電極81のY方向の長さである。また、1つの中間電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第2駆動電極82は2つであり、その面積S6は、S6=W6×L3×2で算出される。W6は、第2駆動電極82のY方向の長さである。面積S5とS6の比率は、面積S5、S6をL3で除算することにより、W5、W6で示すことが可能である。また、図52に示す例では、第1駆動電極81の配置間隔n2は、中間電極ブロックEa、Eb、Ecの配置間隔m3と同じである。
<実施形態3における容量変化の検出例>
次に、実施形態3における単位力当たりの容量変化の検出例について説明する。
図53は、実施形態3に係る第1、第2駆動電極の面積比率と、単位力当たりの容量変化量との関係を示すグラフである。図53の横軸は、第1駆動電極81と第2駆動電極82との面積比率S5/(S5+S6)を示す。面積S5は、1つの中間電極ブロック(例えば、中間電極ブロックEc)とZ方向で重なる位置にある第1駆動電極81のZ方向から見た面積である。面積S6は、1つの中間電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第2駆動電極82をZ方向から見た面積である。図53の縦軸は、入力面IS側から加えられる単位力当たりの容量変化量[pF/gf]を示す。縦軸のcは定数である。
また、図53の直線C1は、容量C1の単位力当たりの変化量を示す直線である。図53の直線C2は、容量C2の単位力当たりの変化量を示す直線である。実施形態3では、直線C2の傾きはほぼ0である。その理由は、容量C2の電極板は中間電極ELCと導電膜60であり、電極板ではない駆動電極COMLの面積比率が容量C2の容量値に与える影響はほぼ0であるからである。
実施形態3においても、実施形態1と同様に、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じであるときの面積比率α3を、設計者等が予め求めておく。面積比率α3を求める方法は、実施形態1と同様であり、式(1)を用いたり、シミュレーションを行う方法が挙げられる。なお、α3は0よりも大きく1よりも小さい数である。実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1Cでは、第1駆動電極81と第2駆動電極82の面積比率S5/(S5+S6)が、図53に示した特定の面積比率α3となっていれば、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じとなる。
これにより、実施形態1と同様、実施形態3においても、力と力信号値との関係を示す直線(図31参照)について、空気層AGの厚みだけが薄くなりクッション層CUSは変形しない力の第1範囲R1での傾きと、空気層AGの厚みがゼロに至りクッション層CUSが力に応じて弾性変形する力の第2範囲R2での傾きとが同一となる。力と力信号値との関係を示す直線は、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3で直線123のようになり、第1範囲と第2範囲との間の傾きの変曲点P1が小さくなる。タッチ検出機能付き表示装置1Cは、力と力信号値との関係を示す直線で変曲点P1が小さくなることで、直線の傾き補正の演算量が軽減される。
<実施形態3の変形例>
図54は、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置の変形例を示す断面図である。図54に示すように、第2駆動電極82に電圧検出器DETは接続されていなくてもよい。この場合でも、第2駆動電極82は駆動電極ドライバ14に接続されている。そして、駆動電極ドライバ14から第2駆動電極82に駆動信号Vcomts2と同じ信号(例えば、駆動信号Vcomts2と同相且つ同振幅のガード信号)が駆動信号Vcomts2と同期して供給される。これにより、例えば図51に示したように、中間電極ブロックEcと第2駆動電極82とが同電位になるので、中間電極ブロックEcと第2駆動電極82との間には、破線で示すような容量は生じない。また、図54に示すタッチ検出機能付き表示装置1Cでは、第2駆動電極82は電圧検出器DETに接続されていないので、力検出のセンサ部として機能しない。第2駆動電極82と被検出物OBJとの間の容量が、第2駆動電極82から電圧検出器DETを介して検出さることはないため、容量算出部52は、駆動電極COMLと導電膜60との間の容量をより高精度に検出することが可能となる。
また、実施形態3においても、実施形態1と同様に、空気層AGを透明なクッション層に置き換えてもよい。例えば図50において、第1光学素子OD1とバックライトユニットBLとの間に、第1クッション層CUS1が配置されていてもよい。この場合、第1クッション層CUS1は、例えば、中間電極ELCと導電膜60との間のクッション層(第2クッション層CUS2)よりも変形し易い(ヤング率が小さい)材料で構成されている。このような構成であっても、第1駆動電極81と第2駆動電極82との面積比率S5/(S5+S6)が、図53に示した特定の面積比率α3であれば、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じとなる。これにより、図31に示したように、力と力信号値との関係を示す直線は、第1範囲R1と第2範囲R2とを合わせた全範囲R3で直線123のようになる。
また、実施形態3の変形例では、第1クッション層CUS1又は第2クッション層CUS2に用いられる2つの材料がいずれも透明な場合は、容量変化が小さい方の材料を第2クッション層CUS2に用い、容量変化が大きい方の材料を第1クッション層CUS1に用いることが好ましい。その理由は、実施形態3では、容量C2の電極面積よりも容量C1の電極面積の方が小さいからである。容量C1の方が電極面積が小さく、容量変化の度合いも小さいため、容量変化の度合いが大きい方の材料を第1クッション層CUS1に用いることで、容量値の検出ばらつきを抑制することが可能である。
以上説明したように、実施形態3及び実施形態3の変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1Cは、第1駆動電極81及び第2駆動電極82と、導電膜60と、中間電極ELCと、第1誘電層(例えば、空気層AG又は第1クッション層CUS1)と、第2誘電層(例えば、クッション層CUS又は第2クッション層CUS2)と、を備える。第1駆動電極81及び第2駆動電極82は、被検出物OBJが力を加える入力面ISに対向し、駆動信号Vcomts2が供給される。導電膜60は、第1駆動電極81及び第2駆動電極82と対向し、基準電位(例えば、接地電位)に接続される。中間電極ELCは、第1駆動電極81及び第2駆動電極82と、導電膜60との間に配置される。第1誘電層(例えば、空気層AG又は第1クッション層CUS1)は、第1駆動電極81及び第2駆動電極82と、中間電極ELCとの間に配置される。第2誘電層(例えば、クッション層CUS又は第2クッション層CUS2)は、中間電極ELCと、導電膜60との間に配置される。第1駆動電極81は基準電位(例えば、接地電位)に接続される。第2駆動電極82には駆動信号Vcomts2と同じ信号(例えば、駆動信号Vcomts2と同相且つ同振幅のガード信号)が駆動信号Vcomts2と同期して供給される。
<実施形態4に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成>
本発明の実施形態では、複数の走査信号線GCLは、液晶素子LC(図13参照)を駆動する信号が供給される配線として動作し、かつ、力検出部SE2(図1参照)の駆動電極COMLとして動作してもよい。例えば、実施形態1から3では、力検出部SE2の駆動電極COMLとして、複数本の走査信号線GCLが用いられてもよい。
図55は、実施形態4に係る、力検出部の駆動電極として動作する走査信号線と、電圧検出器DETとの結線例を示す図である。
図55に示すように、実施形態4に係るタッチ検出機能付き表示装置1Dにおいて、力検出部SE2の駆動電極COMLとして動作する複数本の走査信号線GCLは、互いに隣り合って並んでいる。また、走査信号線ブロックDUaを構成する複数本の走査信号線にはそれぞれスイッチSW21が取り付けられている。力検出期間137(図33参照)中は、例えばスイッチSW21がオンすることで、複数本の走査信号線GCLが並列に接続されて1つの走査信号線ブロックDUaが構成されるとともに、1つの走査信号線ブロックDUaが1つの電圧検出器DETに接続される。図55に示すように、実施形態4に係るタッチ検出機能付き表示装置1Dは、複数の走査信号線ブロックDUaを備える。
1つの走査信号線ブロックDUaが1つの駆動電極ブロック(例えば、図27に示した駆動電極ブロックBa、Bb、Bc、Bd、Beのいずれか1つ)として用いられる。1つの走査信号線ブロックDUaとZ方向で重なる位置に、1つの中間電極ブロック(例えば、図27に示した中間電極ブロックEa、Eb、Ec、Ed、Eeのいずれか1つ)が位置する。
力検出部SE2では、駆動電極ドライバ14(図1参照)が、スキャン方向SC1に沿って1つまたは複数の走査信号線ブロックDUaを順次選択する。そして、駆動電極ドライバ14は、選択した走査信号線ブロックDUaに力検出用の駆動信号又はガード信号を供給する。または、駆動電極ドライバ14は、選択した走査信号線ブロックDUaを基準電位に接続する。
実施形態1において、力検出部SE2の駆動電極COMLとして走査信号線ブロックDUaが用いられる場合、走査信号線ブロックDUaには力検出用の駆動信号(例えば、駆動信号Vcomts2)が供給される。スイッチSW21がオンされることで、走査信号線ブロックDUaから力検出器DETに電圧信号が出力される。電圧検出器DETの出力信号は、自己静電容量方式の基本原理による検出信号Vdet3である。
また、実施形態2において、力検出部SE2の駆動電極COMLとして走査信号線ブロックDUaが用いられる場合、走査信号線ブロックDUaは基準電位(例えば、接地電位)に接続される。または、走査信号線ブロックDUaは表示用駆動電圧VcomDCが供給される。
また、実施形態3において、力検出部SE2の駆動電極COMLとして走査信号線ブロックDUaが用いられる場合、走査信号線ブロックDUaは、第1駆動電極81(図51参照)としての第1走査信号線と、第2駆動電極82(図51参照)としての第2走査信号線とに分けて用いられる。駆動電極ドライバ14によって、第1走査信号線には基準電位又は表示用駆動電圧VcomDCが供給され、第2走査信号線には駆動信号Vcomts2に同期したガード信号が供給される。
なお、実施形態3において、力検出部SE2の駆動電極COMLとして走査信号線ブロックDUaが用いられる場合、第1駆動電極81の面積S5と、第2駆動電極82の面積S6の比率は、1つの中間電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第1走査信号線の本数S’5と、1つの中間電極ブロックとZ方向で重なる位置にある第2走査信号線の本数をS’6の比率に置き換えることができる。その理由は、第1、第2走査信号線の延在方向の長さは互いに同じであり、第1、第2走査信号線の幅も互いに同じであり、第1、第2走査信号線の面積比率は、第1、第2走査信号線の本数の比と合致するからである。
図53に示すグラフにおいて、第1、第2走査信号線の本数の比率S’5/(S’5+S’6)が、直線C1と直線C2とが交差するときの特定の比率α3となっていれば、容量C1の単位力当たりの変化量と容量C2の単位力当たりの変化量とが同じとなる。
また、図55に示すように、複数本の画素信号線SGLにもそれぞれスイッチSW22が取り付けられている。複数本の画素信号線SGLはスイッチSW22を介して駆動電極ドライバ14(図1参照)に接続されている。力検出期間137(図33参照)中は、スイッチSW22がオンすることで、複数本の画素信号線SGLが並列に接続されて1つの画素信号線ブロックDUbが構成される。
駆動電極ドライバ14は、選択した走査信号線ブロックDUaへの力検出用の駆動信号又はガード信号の供給と同期して、選択した走査信号線ブロックDUaと交差する画素信号線ブロックDUbにガード信号を供給する。これにより、選択した走査信号線ブロックDUaと画素信号線ブロックDUbとの間の寄生容量の生成を抑制することができ、寄生容量による容量C1の変動を低減することができる。
また、駆動電極ドライバ14は、選択した走査信号線ブロックDUaを基準電位に接続する場合は、選択した走査信号線ブロックDUaと交差する画素信号線ブロックDUbも基準電位に接続する。または、駆動電極ドライバ14は、選択した走査信号線ブロックDUaに表示用駆動電圧VcomDCを供給する場合は、選択した走査信号線ブロックDUaと交差する画素信号線ブロックDUbにも表示用駆動電圧VcomDCを供給する。これにより、選択した走査信号線ブロックDUaと画素信号線ブロックDUbとの間の寄生容量の生成を抑制することができ、寄生容量による容量C1の変動を低減することができる。
また、駆動電極ドライバ14は、画素信号線ブロックDUbだけでなく、駆動COMLにも、ガード信号等を供給してもよい。例えば、駆動電極ドライバ14は、選択した走査信号線ブロックDUaへの力検出用の駆動信号又はガード信号の供給と同期して、選択した走査信号線ブロックDUaとZ方向で重なる位置にある駆動COMLにガード信号を供給する。
また、駆動電極ドライバ14は、選択した走査信号線ブロックDUaを基準電位に接続する場合は、選択した走査信号線ブロックDUaとZ方向で重なる位置にある駆動COMLも基準電位に接続する。あるいは、駆動電極ドライバ14は、選択した走査信号線ブロックDUaに表示用駆動電圧VcomDCを供給する場合は、選択した走査信号線ブロックDUaとZ方向で重なる位置にある駆動COMLにも表示用駆動電圧VcomDCを供給する。これにより、選択した走査信号線ブロックDUaと駆動電極COMLとの間で寄生容量の生成を抑制することができ、寄生容量による容量C1の変動を低減することができる。
実施形態4では、複数の走査信号線GCLの各々を電圧検出器DETに接続してもよいが、図55に示す例では、複数本の走査信号線GCLを並列接続し、1つの電圧検出器DETに接続している。これにより、複数の走査信号線GCLの各々を電圧検出器DETに接続する場合と比べて、電圧検出器DETの数を低減させることができる。
なお、実施形態4では、力検出部SE2の駆動電極COMLとして、走査信号線CGLを用いる場合と同様に、画素信号線SGLや、複数本の画素信号線SGLを並列に接続した画素信号線Dubを用いてもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。