本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(構成の概要)
図1は、本発明の実施形態に係る検出装置の構成の概要を示すブロック図である。
検出装置1は、第1検出部SE1と、第2検出部SE2と、表示部DPと、選択部4と、アナログ処理部5と、ミューチャル駆動信号出力部7と、表示制御部8と、ホストHOSTと、を含む。
第1検出部SE1は、被検出物F1の、カバー部材CGの検出面ISへの接触又は近接を検出する。具体的には、第1検出部SE1は、被検出物F1が検出面ISと垂直な方向で重なる複数の領域の各々の接触又は近接に応じた検出信号Vdet1を出力する。
被検出物F1は、検出面ISと接触して変形する第1の種類の物であっても良いし、検出面ISと接触して変形しない又は第1の種類の物と比較して相対的に変形が少ない第2の種類の物であっても良い。第1の種類の物は、指が例示されるが、これに限定されない。第2の種類の物は、樹脂又は金属のスタイラスペンが例示されるが、これに限定されない。
第1検出部SE1が検出できる被検出物の数は、1個に限定されない。第1検出部SE1は、2個以上の被検出物を検出できることとしても良い。
本発明の実施形態では、被検出物F1は指であるものとし、第1検出部SE1は、被検出物である指F1の接触又は近接位置(タッチ座標)を検出するものとする。
第1検出部SE1は、静電容量方式センサが例示される。静電容量方式は、相互(ミューチャル)静電容量方式又は自己(セルフ)静電容量方式が例示される。
第2検出部SE2は、被検出物F2の、第2検出部SE2への接触又は近接を検出する。具体的には、第2検出部SE2は、被検出物F2が第2検出部SE2の検出面と垂直な方向で重なる複数の領域の各々の接触又は近接に応じた検出信号Vdet2を出力する。
被検出物F2は、第2検出部SE2と接触して変形する第1の種類の物であっても良いし、第2検出部SE2と接触して変形しない又は第1の種類の物と比較して相対的に変形が少ない第2の種類の物であっても良い。第1の種類の物は、指が例示されるが、これに限定されない。第2の種類の物は、樹脂又は金属のスタイラスペンが例示されるが、これに限定されない。
第2検出部SE2が検出できる被検出物の数は、1個に限定されない。第2検出部SE2は、2個以上の被検出物を検出できることとしても良い。
本発明の実施形態では、被検出物F2は指であるものとし、第2検出部SE2は、被検出物である指F2の指紋を検出するものとする。
第2検出部SE2は、静電容量方式センサが例示される。静電容量方式は、相互(ミューチャル)静電容量方式又は自己(セルフ)静電容量方式が例示される。
表示部DPは、検出面IS側に向けて画像を表示する。表示部DPは、液晶表示装置又は有機EL(Electro-Luminescence)表示装置が例示されるが、これらに限定されない。
第1検出部SE1及び表示部DPは、一体化された、いわゆるインセルタイプであっても良い。また、第1検出部SE1及び表示部DPは、表示部DPの上に第1検出部SE1が装着された、いわゆるオンセルタイプであっても良い。なお、第1検出部SE1と表示部DPとを一体化するとは、例えば、表示部DPとして使用される基板や電極などの一部の部材と、第1検出部SE1として使用される基板や電極などの一部の部材とを兼用することを含む。
表示制御部8は、ホストHOST内の制御部47から供給される制御信号に基づいて、表示部DPに画像の表示を行わせる。
第1検出部SE1が相互静電容量方式のセンサの場合に、ミューチャル駆動信号出力部7は、ホストHOST内の制御部47から供給される制御信号に基づいて、相互静電容量検出用のミューチャル駆動信号Vcomtm1を第1検出部SE1に出力する。第1検出部SE1は、ミューチャル駆動信号Vcomtm1の供給を受けて、後述する相互静電容量方式の検出原理に基づいて、検出信号Vdet1を選択部4に出力する。
第2検出部SE2が相互静電容量方式のセンサの場合に、ミューチャル駆動信号出力部7は、ホストHOST内の制御部47から供給される制御信号に基づいて、相互静電容量検出用のミューチャル駆動信号Vcomtm2を第2検出部SE2に出力する。第2検出部SE2は、ミューチャル駆動信号Vcomtm2の供給を受けて、後述する相互静電容量方式の検出原理に基づいて、検出信号Vdet2を選択部4に出力する。
選択部4は、ホストHOST内の制御部47から供給される制御信号に基づいて、第1検出部SE1及び第2検出部SE2の内の一方を選択し、第1検出部SE1及び第2検出部SE2の内の選択した方の検出部とアナログ処理部5とを接続する。アナログ処理部5は、セルフ駆動信号出力部41を含む。
第1検出部SE1が自己静電容量方式のセンサの場合に、セルフ駆動信号出力部41は、ホストHOST内の制御部47から供給される制御信号に基づいて、自己静電容量検出用のセルフ駆動信号Vcomtsを選択部4に出力する。選択部4は、ホストHOST内の制御部47から供給される制御信号に基づいて、第1検出部SE1を選択し、セルフ駆動信号Vcomtsを第1検出部SE1に出力する。第1検出部SE1は、セルフ駆動信号Vcomtsの供給を受けて、後述する自己静電容量方式の検出原理に基づいて、検出信号Vdet1を選択部4に出力する。選択部4は、第1検出部SE1から出力される検出信号Vdet1をアナログ処理部5に出力する。
第2検出部SE2が自己静電容量方式のセンサの場合に、セルフ駆動信号出力部41は、ホストHOST内の制御部47から供給される制御信号に基づいて、自己静電容量検出用のセルフ駆動信号Vcomtsを選択部4に出力する。選択部4は、ホストHOST内の制御部47から供給される制御信号に基づいて、第2検出部SE2を選択し、セルフ駆動信号Vcomtsを第2検出部SE2に出力する。第2検出部SE2は、セルフ駆動信号Vcomtsの供給を受けて、後述する自己静電容量方式の検出原理に基づいて、検出信号Vdet2を選択部4に出力する。選択部4は、第2検出部SE2から出力される検出信号Vdet2をアナログ処理部5に出力する。
第1検出部SE1及び第2検出部SE2の検出方式は、第1検出部SE1が相互静電容量方式且つ第2検出部SE2が相互静電容量方式の場合、第1検出部SE1が相互静電容量方式且つ第2検出部SE2が自己静電容量方式の場合、第1検出部SE1が自己静電容量方式且つ第2検出部SE2が相互静電容量方式の場合、又は、第1検出部SE1が自己静電容量方式且つ第2検出部SE2が自己静電容量方式の場合、の4つの場合があり得る。
第1検出部SE1及び第2検出部SE2の両方が自己静電容量方式のセンサの場合には、ミューチャル駆動信号出力部7は不要である。
第1検出部SE1及び第2検出部SE2の両方が相互静電容量方式のセンサの場合には、セルフ駆動信号出力部41は不要である。
アナログ処理部5は、検出信号Vdet1及びVdet2にアナログ信号処理を実行する信号処理回路である。アナログ処理部5は、増幅部42を含む。増幅部42は、選択部4から供給される検出信号Vdet1又はVdet2を増幅する。なお、増幅部42は、検出信号Vdet1又はVdet2に含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去して出力する低域通過アナログフィルタであるアナログLPF(Low Pass Filter)を備えていてもよい。なお、アナログ処理部5には、検出信号Vdet1及びVdet2それぞれに対応して、増幅部42を設けてもよい。すなわち、アナログ処理部5には、複数の増幅部42を設けてもよい。
アナログ処理部5は、A/D変換部43を含む。A/D変換部43は、ホストHOST内の制御部47から供給される制御信号に基づくタイミングで、増幅部42から供給されるアナログ信号をサンプリングしてディジタル信号に変換する。
ホストHOSTは、制御部47に加えて、信号処理部44と、座標抽出部45と、合成部46と、を含む。
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれるノイズ成分を低減するディジタルフィルタを備えている。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、第1検出部SE1に対する被検出物F1の接触若しくは近接の有無、又は、第2検出部SE2に対する被検出物F2の接触若しくは近接の有無を検出する論理回路である。
座標抽出部45は、信号処理部44において指の接触又は近接が検出されたときに、その検出座標Vout1を求める論理回路である。座標抽出部45は、第1検出部SE1が選択されている場合に、検出座標Vout1を外部に出力する。
合成部46は、第2検出部SE2が選択されている場合に、第2検出部SE2から出力される検出信号Vdet2に基づいて、接触又は近接する被検出物F2の形状つまり指紋を表す二次元情報Vout2を生成し、外部に出力する。
(検出の基本原理)
第1検出部SE1及び第2検出部SE2は、相互静電容量方式又は自己静電容量方式の検出の基本原理に基づいて動作する。
図2から図4までを参照して、相互静電容量方式の検出の基本原理について説明する。
図2は、タッチ検出デバイスに生じる容量の例を示す説明図である。図3は、タッチ検出デバイスの等価回路の例を示す説明図である。図4は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。なお、図3は、検出回路を併せて示している。
例えば、図2に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極である、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2を備えている。図3に示すように、容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端は電圧検出器(タッチ検出部)DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば図1に示す増幅部42に含まれる積分回路である。
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgを印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端)側に接続された電圧検出器DETを介して、出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、前述したミューチャル駆動信号Vcomtm1及びVcomtm2に相当するものである。
被検出物が接触(又は近接)していない状態(非接触状態)では、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。図4に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I0の変動を電圧の変動(実線の波形V0)に変換する。
一方、被検出物が接触(又は近接)した状態(接触状態)では、図2に示すように、指によって形成される静電容量C2がタッチ検出電極E2と接している又は近傍にあることにより、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られ、容量素子C1の容量値よりも容量値の小さい容量素子C1aとして作用する。そして、図3に示す等価回路でみると、容量素子C1aに電流I1が流れる。
図4に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I1の変動を電圧の変動(点線の波形V1)に変換する。この場合、波形V1は、上述した波形V0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、被検出物の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度良く検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resを設けた動作とすることがより好ましい。
図5から図8を参照して、自己静電容量方式の検出の基本原理について説明する。
図5は、自己静電容量方式の検出の基本原理を説明するための、被検出物が接触又は近接していない状態を表す説明図である。図6は、自己静電容量方式の検出の基本原理を説明するための、被検出物が接触又は近接した状態を表す説明図である。図7は、自己静電容量方式の検出の等価回路の例を示す説明図である。図8は、自己静電容量方式の検出の駆動信号及び検出信号の波形の一例を表す図である。
図5左図は、被検出物が接触又は近接していない状態において、スイッチSW1により電源Vddと検出電極E1とが接続され、スイッチSW2により検出電極E1がコンデンサCcrに接続されていない状態を示している。この状態では、検出電極E1が有する容量Cx1が充電される。図5右図は、スイッチSW1により、電源Vddと検出電極E1との接続がオフされ、スイッチSW2により、検出電極E1とコンデンサCcrとが接続された状態を示している。この状態では、容量Cx1の電荷はコンデンサCcrを介して放電される。
図6左図は、被検出物が接触又は近接した状態において、スイッチSW1により電源Vddと検出電極E1とが接続され、スイッチSW2により検出電極E1がコンデンサCcrに接続されていない状態を示している。この状態では、検出電極E1が有する容量Cx1に加え、検出電極E1に近接している被検出物により生じる容量Cx2も充電される。図6右図は、スイッチSW1により、電源Vddと検出電極E1がオフされ、スイッチSW2により検出電極E1とコンデンサCcrとが接続された状態を示している。この状態では、容量Cx1の電荷と容量Cx2の電荷とがコンデンサCcrを介して放電される。
ここで、図5右図に示す放電時(被検出物が接触または近接していない状態)におけるコンデンサCcrの電圧変化特性に対して、図6右図に示す放電時(被検出物が接触又は近接した状態)におけるコンデンサCcrの電圧変化特性は、容量Cx2が存在するために、明らかに異なる。したがって、自己静電容量方式では、コンデンサCcrの電圧変化特性が、容量Cx2の有無により異なることを利用して、被検出物の接触又は近接の有無を判定している。
具体的には、検出電極E1に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sg(図8参照)が印加される。図7に示す電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(波形V3、V4)に変換する。電圧検出器DETは、例えば図1に示す増幅部42に含まれる積分回路である。
上述のように、検出電極E1は、スイッチSW1及びスイッチSW2で切り離すことが可能な構成となっている。図8において、時刻T01のタイミングで、交流矩形波Sgは、電圧V0に相当する電圧レベルに上昇する。このとき、スイッチSW1はオンしており、スイッチSW2はオフしている。このため、検出電極E1の電圧も、電圧V0に上昇する。
次に時刻T11のタイミングの前に、スイッチSW1をオフとする。このとき、検出電極E1はフローティング状態であるが、検出電極E1の容量Cx1(図5参照)、あるいは検出電極E1の容量Cx1に被検出物の接触又は近接よる容量Cx2を加えた容量(Cx1+Cx2、図6参照)によって、検出電極E1の電位はV0が維持される。さらに、時刻T11のタイミングの前にスイッチSW3をオンさせ、所定の時間経過後にオフさせ、電圧検出器DETをリセットさせる。このリセット動作により、電圧検出器DETの出力電圧Vdetは、基準電圧Vrefと略等しい電圧となる。
続いて、時刻T11のタイミングでスイッチSW2をオンさせると、電圧検出器DETの反転入力部が検出電極E1の電圧V0となる。その後、検出電極E1の容量Cx1(またはCx1+Cx2)と電圧検出器DET内の容量C5の時定数に従って、電圧検出器DETの反転入力部は、基準電圧Vrefまで低下する。このとき、検出電極E1の容量Cx1(またはCx1+Cx2)に蓄積されていた電荷が電圧検出器DET内の容量C5に移動するので、電圧検出器DETの出力電圧Vdetが上昇する。
電圧検出器DETの出力電圧Vdetは、検出電極E1に被検出物が近接していないときは、実線で示す波形V3となり、Vdet=Cx1×V0/C5となる。電圧検出器DETの出力電圧Vdetは、被検出物の影響による容量が付加されたときは、点線で示す波形V4となり、Vdet=(Cx1+Cx2)×V0/C5となる。
その後、検出電極E1の容量Cx1(またはCx1+Cx2)の電荷が容量C5に十分移動した後の時刻T31のタイミングでスイッチSW2をオフさせ、スイッチSW1及びスイッチSW3をオンさせることにより、検出電極E1の電位を交流矩形波Sgと同電位のローレベルにするとともに電圧検出器DETをリセットさせる。なお、このとき、スイッチSW1をオンさせるタイミングは、スイッチSW2をオフさせた後、時刻T02以前であればいずれのタイミングでもよい。また、電圧検出器DETをリセットさせるタイミングは、スイッチSW2をオフさせた後、時刻T12以前であればいずれのタイミングとしてもよい。
以上の動作を所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)で繰り返す。波形V3と波形V4との差分の絶対値|ΔV|に基づいて、被検出物の有無(タッチの有無)を検出することができる。なお、検出電極E1の電位は、図8に示すように、被検出物が近接していないときはV1の波形となり、被検出物の影響による容量Cx2が付加されるときはV2の波形となる。波形V1と波形V2とが、それぞれ所定の閾値電圧VTHまで下がる時間を測定することにより外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することも可能である。
図9は、合成部による指紋検出の仕組みを示す模式図である。合成部46は、複数の検出電極E1からの検出信号Vdet2を組み合わせて、検出電極E1に対して接触又は近接する被検出物の形状を示す二次元情報を生成する。具体的には、合成部46は、例えば被検出物(例えば、ヒトの指等)が有する凸凹によって生じる第2検出部SE2(図1参照)への接触の度合いの差に応じて現れる検出強度の差異を色の濃淡(例えば、グレースケール)として表す二次元の画像を生成する。合成部46を有するホストHOSTの出力信号Vout2は、例えば、上記で説明した二次元情報の出力である。
図9では、分かりやすさを目的として接触又は近接の有無のみを示す2階調検出を例示しているが、実際には各ブロックにおける検出結果は多階調とすることができる。また、図9では、検出されている被検出物が二重丸状の突起を有する物体であるが、被検出物が指紋を有するヒトの指である場合、二次元情報として指紋が現れることになる。また、合成部46の機能は、ホストHOST以外の構成が有していてもよい。例えば、座標抽出部45の出力信号Vout1に基づいて、外部の構成が二次元情報を生成するようにしてもよい。また、二次元情報の生成に係る構成は、回路等のハードウェアであってもよいし、所謂ソフトウェア処理によってもよい。
(第1の実施形態)
図10は、第1の実施形態に係る検出装置の構成例を示す図である。第1の実施形態では、第1検出部SE1は、相互静電容量方式のセンサである。第1検出部SE1及び表示部DPは、一体化された、いわゆるインセルタイプである。第2検出部SE2は、自己静電容量方式のセンサである。
検出装置1の表示部DPは、第1基板(例えば、画素基板2)と、第2基板(例えば、対向基板3)を備えている。画素基板2は、第1絶縁基板(例えば、TFT基板21)を有する。対向基板3は、第2絶縁基板31を有する。なお、TFT基板21及び第2絶縁基板31は、例えば、ガラス基板、または、フィルム基板である。また、TFT基板21には、駆動ICチップ(例えば、COG(Chip On Glass)19)が実装されている。また、画素基板2(TFT基板21)には、表示部DPの表示領域Adと、額縁Gdとが形成されている。
COG19は、TFT基板21に実装されたドライバであるICチップであり、図1に示した表示制御部8等、表示部DPの駆動に必要な各回路を内蔵した制御装置である。また、第1検出部SE1が相互静電容量方式のセンサであるので、COG19は、図1に示したミューチャル駆動信号出力部7等、第1検出部SE1の駆動に必要な各回路を内蔵した制御装置である。
COG19は、TFT基板21と基板61との間に設けられたプリント基板FPC2を経由して、基板61上に実装されたホストHOSTに接続されている。プリント基板FPC2及び基板61は、フレキシブルプリント基板であっても良いし、リジッド基板であっても良いし、リジッドフレキシブル基板であっても良い。COG19は、ホストHOSTから供給される制御信号に基づいて、第1検出部SE1及び表示部DPを駆動する。
ゲートドライバ12A及び12Bは、COG19から供給される制御信号に基づいて、表示部DPの表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
ソースドライバ13は、COG19から供給される制御信号に基づいて、表示部DPの、後述する各画素Pix(副画素SPix)に画素信号Vpixを供給する回路である。ソースドライバ13には、例えば6ビットのR(赤)、G(緑)及びB(青)の画像信号Vsigが与えられる。
ソースドライバ13は、COG19から画素信号Vsigを受け取り、ソースセレクタ部13Sに供給する。また、ソースドライバ13は、画像信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vselを生成し、画素信号Vpixとともにソースセレクタ部13Sに供給する。ソースセレクタ部13Sは、ソースドライバ13とCOG19との間の配線数を少なくすることができる。ソースセレクタ部13Sはなくても良い。また、ソースドライバ13の一部の制御は、COG19が行ってもよく、ソースセレクタ部13Sのみが配置されていてもよい。
駆動電極ドライバ14A及び14Bは、COG19から供給される制御信号に基づいて、相互静電容量方式の検出用のミューチャル駆動信号Vcomtm1及び表示用の駆動電圧VcomDCを、表示部DPの、後述する駆動電極COMLに、供給する回路である。
検出装置1は、COG19に駆動電極ドライバ14A及び14B、ゲートドライバ12A及び12Bなどの回路を内蔵してもよい。なお、COG19はあくまで実装の一形態であってこれに限られるものでない。例えば、COG19と同様の機能を有する構成をCOF(Chip On Film又はChip On Flexible)としてプリント基板FPC2上に実装しても良い。
図10に示すように、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの駆動電極ブロックBと、タッチ検出電極TDLとは、立体交差するように形成されている。
また、駆動電極COMLは、一方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出動作を行う際は、各電極パターンには、駆動電極ドライバ14A及び14Bによってミューチャル駆動信号Vcomtm1が順次供給される。ミューチャル駆動信号Vcomtm1が同時に供給される、駆動電極COMLの複数のストライプ状の電極パターンが図10に示す駆動電極ブロックBである。
駆動電極ブロックB(駆動電極COML)は、第1検出部SE1の短辺と平行な方向に形成されている。後述するタッチ検出電極TDLは、駆動電極ブロックBの延在方向と交差する方向に形成されており、例えば、第1検出部SE1の長辺と平行な方向に形成されている。
ソースセレクタ部13Sは、TFT基板21上の表示領域Adの近傍に、TFT素子を用いて形成されている。表示領域Adには、後述する画素Pixがマトリックス状(行列状)に多数配置されている。額縁Gdは、TFT基板21の表面を垂直な方向からみて画素Pixが配置されていない領域である。ゲートドライバ12A及び12Bと、駆動電極ドライバ14A及び14Bとは、額縁Gdに配置されている。
ゲートドライバ12A及び12Bは、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。ゲートドライバ12A及び12Bは、後述する副画素SPix(画素)がマトリックス状に配置された表示領域Adを挟んで両側から駆動することができるようになっている。また、走査線は、ゲートドライバ12Aとゲートドライバ12Bとの間に配列する。このため、走査線は、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの延在方向と平行な方向に延びるように設けられている。
本構成例では、ゲートドライバ12A及び12Bの2つの回路が設けられているが、これはゲートドライバの具体的構成の一例であってこれに限られるものでない。例えば、ゲートドライバは、走査線の一方端のみに設けられた1つの回路であってもよい。
駆動電極ドライバ14A及び14Bは、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。駆動電極ドライバ14A及び14Bは、COG19から、表示用配線LDCを介して表示用の駆動電圧VcomDCの供給を受けると共に、タッチ用配線LACを介して相互静電容量の検出用のミューチャル駆動信号Vcomtm1の供給を受ける。
駆動電極ドライバ14A及び14Bは、並設された複数の駆動電極ブロックBのそれぞれを、両側から駆動することができるようになっている。表示用の駆動電圧VcomDCを供給する表示用配線LDCと、相互静電容量の検出用のミューチャル駆動信号Vcomtm1を供給するタッチ用配線LACとは、並列に額縁Gd,Gdに配置されている。表示用配線LDCは、タッチ用配線LACよりも表示領域Ad側に配置されている。
この構造により、表示用配線LDCにより供給される表示用の駆動電圧VcomDCが、表示領域Adの端部の電位状態を安定させる。このため、特に、横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスにおいて、表示が安定する。
本構成例では、駆動電極ドライバ14A及び14Bの2つの回路が設けられているが、これは駆動電極ドライバの具体的構成の一例であってこれに限られるものでない。例えば、駆動電極ドライバは、駆動電極ブロックBの一方端のみに設けられた1つの回路であっても良い。
第1検出部SE1は、上述したタッチ検出信号Vdet1を、第1検出部SE1の短辺側から出力する。これにより、第1検出部SE1は、端子部であるプリント基板FPC1を経由して選択部4に接続する際の配線の引き回しが容易になる。
図11は、第1の実施形態に係る検出装置の第1検出部及び表示部の概略断面構造を表す断面図である。図12は、第1の実施形態に係る検出装置の表示部の画素配置を表す回路図である。第1検出部SE1及び表示部DPは、画素基板2と、この画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された第2基板(例えば、対向基板3)と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された表示機能層(例えば、液晶層6)と、を含む。
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上に行列状に配設された複数の画素電極22と、TFT基板21及び画素電極22の間に形成された複数の駆動電極COMLと、画素電極22と駆動電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。
TFT基板21には、図12に示す各副画素SPixの薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)素子Tr、図11に示す各画素電極22に画素信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFT素子Trを駆動する走査信号線GCL等の配線が形成されている。画素信号線SGLは、TFT基板21の表面と平行な平面に延在し、画像を表示するための画素信号Vpixを副画素SPixに供給する。なお、副画素SPixとは、画素信号Vpixで制御される構成単位を示す。また、副画素SPixは、画素信号線SGLと走査信号線GCLで囲われた領域であって、TFT素子Trによって制御される構成単位を示す。
図12に示すように、表示部DPは、行列状に配置された複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、TFT素子Tr1及び液晶素子LCを含む。TFT素子Tr1は、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。
TFT素子Tr1のソース又はドレインの一方は画素信号線SGLに結合され、ゲートは走査信号線GCLに結合され、ソース又はドレインの他方は液晶素子LCの一端に結合されている。液晶素子LCは、例えば、一端がTFT素子Tr1のドレインに結合され、他端が駆動電極COMLに結合されている。なお、図11において、TFT基板21に対して、画素電極22、絶縁層24、駆動電極COMLの順で積層されているが、これに限られない。TFT基板21に対して、駆動電極COML、絶縁層24、画素電極22の順で積層してもよいし、駆動電極COMLと画素電極22を絶縁層24を介して同一層に形成してもよい。
副画素SPixは、走査信号線GCLにより、表示部DPの同じ行に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12A及び12Bと結合され、ゲートドライバ12A及び12Bより走査信号Vscanが供給される。
また、副画素SPixは、画素信号線SGLにより、表示部DPの同じ列に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13と結合され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。
さらに、副画素SPixは、駆動電極COMLにより、表示部DPの同じ行に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14A及び14Bと結合され、駆動電極ドライバ14A及び14Bから駆動信号Vcomが供給される。つまり、この例では、同じ一行に属する複数の副画素SPixが一本の駆動電極COMLを共有するようになっている。
本構成例の駆動電極COMLが延在する方向は、走査信号線GCLが延在する方向と平行である。駆動電極COMLが延在する方向は、これに限定されない。例えば、駆動電極COMLが延在する方向は、画素信号線SGLが延在する方向と平行な方向であってもよい。また、タッチ検出電極TDLが延在する方向は、画素信号線SGLが延在する方向に限らない。タッチ検出電極TDLが延在する方向は、走査信号線GCLが延在する方向と平行な方向であってもよい。
図10に示すゲートドライバ12A及び12Bは、走査信号Vscanを、図12に示す走査信号線GCLを介して、画素PixのTFT素子Tr1のゲートに印加することにより、表示部DPに行列状に形成されている副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。
図10に示すソースドライバ13は、画素信号Vpixを、図12に示す画素信号線SGLを介して、ゲートドライバ12A及び12Bにより順次選択される1水平ラインを構成する各副画素SPixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。
図10に示す駆動電極ドライバ14A及び14Bは、ミューチャル駆動信号Vcomtm1又は駆動電圧VcomDCを印加することで、所定の本数の駆動電極COMLからなるブロックごとに駆動電極COMLを駆動する。
上述したように、表示部DPは、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択される。また、表示部DPは、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14A及び14Bは、その1水平ラインに対応する駆動電極COMLを含むブロックに対して駆動電圧VcomDCを印加するようになっている。
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものである。駆動電極COMLの駆動時、画素電極22に供給された画素信号Vpixに応じた電圧が液晶層6に印加され、電界が生じることで、液晶層6を構成する液晶が電界に応じた配向を示して液晶層6を通過する光を変調する。
このように、画素電極22及び駆動電極COMLは、液晶層6に電界を生じさせる第1電極及び第2電極として機能する。すなわち、表示部DPは、第1電極及び第2電極に与えられる電荷に応じて表示出力内容が変化する表示装置として機能する。なお、以下の説明では、画素電極22を第1電極とし、駆動電極COMLを第2電極としているが、逆でもよい。ここで、画素電極22は、少なくとも画素Pix若しくは副画素SPix毎に配置され、駆動電極COMLは、少なくとも複数の画素Pix若しくは副画素SPix毎に配置される。
本構成例では、表示部DPとして、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)を含むIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスが用いられる。なお、図11に示す液晶層6と画素基板2との間、及び液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
表示部DPは、横電界モードに対応した構成を有しているが、他の表示モードに対応した構成を有していても良い。例えば、表示部DPは、TN(Twisted Nematic)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、VA(Vertical Aligned)モード等の主として基板主面間に生じる縦電界を利用するモードに対応した構成を有していてもよい。縦電界を利用する表示モードでは、例えば画素基板2に画素電極22が備えられ、対向基板3に駆動電極COMLが備えられた構成が適用可能である。
対向基板3は、第2絶縁基板31と、この第2絶縁基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。第2絶縁基板31の他方の面には、第1検出部SE1の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成され、さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
なお、カラーフィルタ32の実装方式は、アレイ基板である画素基板2にカラーフィルタ32が形成された所謂カラーフィルタ・オン・アレイ(COA:Color-filter On Array)方式であってもよい。
図11に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)及び青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域を周期的に配置して、各副画素SPixにR、G及びBの3色の色領域32R,32G及び32Bが対応付けられ、色領域32R,32G及び32Bを1組として画素Pixを構成している。
画素Pixは、走査信号線GCLに平行な方向及び画素信号線SGLに平行な方向に沿って行列状に配置され、後述する表示領域Adを形成する。カラーフィルタ32は、TFT基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。このように、副画素SPixは、単色の色表示を行うことができる。
なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、カラーフィルタ32は、なくてもよい。このように、カラーフィルタ32が存在しない領域、すなわち着色しない副画素SPixがあってもよい。また、画素Pixが有する副画素SPixは4以上であってもよい。
図13は、第1の実施形態に係る検出装置の第1検出部の駆動電極及びタッチ検出電極の構成例を表す斜視図である。本構成例に係る駆動電極COMLは、表示部DPの駆動電極として機能するとともに、第1検出部SE1の駆動電極としても機能する。
駆動電極COMLは、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、画素電極22に対向している。第1検出部SE1は、画素基板2に設けられた駆動電極COMLと、対向基板3に設けられたタッチ検出電極TDLにより構成されている。
タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と交差する方向に延びるストライプ状の電極パターンから構成されている。そして、タッチ検出電極TDLは、TFT基板21の表面に対する垂直な方向において、駆動電極COMLと対向している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、選択部4に接続されている。
駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとが互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を生じさせる。第1検出部SE1では、駆動電極ドライバ14A及び14Bが駆動電極COMLに対してミューチャル駆動信号Vcomtm1を印加することにより、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdet1を出力し、タッチ検出が行われるようになっている。
つまり、駆動電極COMLは、図2から図4までに示したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応する。そして、第1検出部SE1は、この基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。
このように、第1検出部SE1は、第1電極又は第2電極のいずれか一方の電極(例えば、第2電極としての駆動電極COML)と静電容量を形成するタッチ検出電極TDLを有し、静電容量の変化に基づいてタッチ検出を行う。
駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとが互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、検出装置1は、第1検出部SE1の入力面全体にわたって走査することにより、被検出物F1の接触又は近接が生じた位置及び接触面積の検出も可能となっている。
つまり、第1検出部SE1では、タッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14A及び14Bが、図10に示す駆動電極ブロックBを時分割的に線順次走査するように駆動する。これにより、スキャン方向Scanに駆動電極COMLの駆動電極ブロックB(1検出ブロック)は、順次選択される。そして、第1検出部SE1は、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdet1を出力する。このように第1検出部SE1は、1検出ブロックのタッチ検出が行われるようになっている。
検出ブロックと表示出力におけるライン数との関係は任意であるが、第1の実施形態では、2ライン分の表示領域Adに対応するタッチ検出領域が1検出ブロックとなっている。言い換えると、検出ブロックと、対向する画素電極、走査信号線、又は、画素信号線のいずかとの関係は任意であるが、第1の実施形態では、2つの画素電極または2つの走査信号線と、1つの駆動電極COMLが対向する。
なお、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロックB)は、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロックB)は、櫛歯形状であってもよい。あるいはタッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロックB)は、複数に分割されていればよく、駆動電極COMLを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
検出装置1の動作方法の一例として、検出装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出期間)と指紋検出動作(指紋検出期間)と表示動作(表示動作期間)とを時分割に行う。タッチ検出動作と指紋検出動作と表示動作とはどのように分けて行っても良い。
再び図10を参照すると、プリント基板FPC1の一方の短辺は、第1検出部SE1の短辺に接続されている。つまり、プリント基板FPC1は、長手方向が第1検出部SE1の長辺に平行になるように、第1検出部SE1に接続されている。プリント基板FPC1の他方の短辺は、基板61に接続されている。なお、プリント基板FPC1は、フレキシブルプリント基板であっても良いし、リジッド基板であっても良いし、リジッドフレキシブル基板であっても良い。
プリント基板FPC1は、長手方向の中央付近に、長手方向と交差する方向に突出する突出部FPC1aを有している。突出部FPC1aは、第2検出部SE2の基板51に接続されている。プリント基板FPC1の、第1検出部SE1から突出部FPC1aよりも遠い部分には、アナログ処理部5が設けられている。アナログ処理部5は、半導体集積回路装置として作成され、プリント基板FPC1上に実装されても良い。
第2検出部SE2は、基板51の表面を垂直な方向から視て、一部が画素基板2に重なっているが、これに限定されない。第2検出部SE2は、基板51の表面を垂直な方向から視て、画素基板2に重ならなくても良い。また、第2検出部SE2は、基板51の表面を垂直な方向から視て、一部が画素基板2に重なっている場合に、画素基板2と接触していなくても良いし、接触していても良い。
基板51は、指紋検出を行う検出領域52と、額縁53と、を有する。検出領域52内には、複数の検出電極54が、マトリクス状に配置されている。額縁53は、基板51の表面を垂直な方向から視て複数の検出電極54が配置されていない領域である。
図14は、第1の実施形態に係る検出装置の第2検出部の平面図である。図15は、第1の実施形態に係る検出装置の第2検出部の概略断面構造を表す断面図である。なお、図15では、第2検出部SE2が電子機器の筐体101に組み込まれた状態の断面図を示している。第2検出部SE2は、例えばスマートフォン等の電子機器に組み込まれ、表示部DPの画像を表示する表示面と同じ側(正面側)に配置される。筐体101の開口部分に第2検出部SE2が組み込まれ、第2検出部SE2が設けられた部分に指F2を接触又は近接させることで、指紋が検出されるようになっている。
図14及び図15に示すように、第2検出部SE2は、基板51と、基板51に設けられた複数の検出電極54とを含む。基板51は、第1面51aと、第1面51aの反対側の第2面51bとを有する。基板51の第1面51aは、接触又は近接する指F2の凹凸を検出するための検出面である。複数の検出電極54は、基板51の第2面51b上に設けられている。
複数の検出電極54が配置された領域が、指F2の凹凸を検出することが可能な検出領域52であり、検出領域52の外側は額縁53である。選択部4とプリント基板FPC1の突出部FPC1aとは、額縁53に設けられる。
図15に示すように、基板51の第1面51aには、基板51を保護するための保護層56が設けられていてもよく、第2面51bには保護層57が設けられていてもよい。基板51の第2面51bには、さらに選択部4が設けられ、プリント基板FPC1の突出部FPC1aが接続されている。選択部4は、基板51の第2面51b上の額縁53内に、TFT素子を用いて形成されても良い。また、選択部4は、半導体集積回路装置として作成され、基板51の第2面51b上の額縁53内又はプリント基板FPC1上に実装されても良い。複数の検出電極54から出力される検出信号Vdet2は、選択部4に出力される。
基板51は、ガラス基板を用いることができる。基板51は、例えば強化ガラスを用いることで、強度を維持しつつ薄くすることができる。強化ガラスとしては、例えばガラスの表面のナトリウム(Na)イオンをイオン半径の大きいカリウム(K)イオンと交換することで、表面に圧縮応力層を形成した化学強化ガラスや、加熱したガラス基板に空気を送り急冷することで表面に圧縮応力層を形成した強化ガラスを用いることができる。基板51は、6面強化ガラスであってもよい。
複数の検出電極54は、基板51の第2面51bに設けられている。図14に示すように、複数の検出電極54は、それぞれ矩形状であり、行列状に複数配置される。複数の検出電極54は、例えば行方向に50μmのピッチで配列され、列方向に50μmのピッチで配列される。なお、行方向の配列ピッチと列方向の配列ピッチとは異なっていてもよい。行列状に配置された複数の検出電極54により、指F2の指紋が検出される。複数の検出電極54の各々は、上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理における検出電極E1に対応しており、複数の検出電極54の各々の静電容量変化に基づいて接触又は近接する指の指紋を検出することが可能となっている。複数の検出電極54は、例えばモリブデン(Mo)等の金属材料を用いることができる。複数の検出電極54は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)又はこれらの合金の少なくとも1つの金属材料を用いてもよい。
また、基板51の第2面51bの額縁53には、さらに、ゲートドライバ61A及び61Bが形成されている。ゲートドライバ61A及び61Bは、制御部47から供給される制御信号に基づいて、複数の検出電極54を1行ごとに順次選択する。
本構成例では、ゲートドライバ61A及び61Bの2つの回路が設けられているが、これはゲートドライバの具体的構成の一例であってこれに限られるものでない。例えば、ゲートドライバは、額縁53の一辺のみに設けられた1つの回路であってもよい。
図15に示すように、基板51の額縁53が筐体101の固定部分101aに固定される。基板51の第1面51aは筐体101の開口部分に露出する。このとき検出領域52が開口部分に重畳して配置される。これにより、操作者の指F2が筐体101の開口部分に接触又は近接したときに、第2検出部SE2は、指F2の指紋を検出することが可能となっている。
このように、第2検出部SE2は、第1面51aが検出面であり、検出面の反対側の第2面51bに複数の検出電極54、選択部4及びプリント基板FPC1の突出部FPC1aが設けられている。このため基板51を筐体101に固定する際に、選択部4及びプリント基板FPC1の突出部FPC1aの凹凸による制約が少なくなる。つまり、基板51の第1面51a側が固定される筐体101の構造を簡便にして、筐体の加工や第2検出部SE2の筐体101への取り付けを容易にすることができる。また、選択部4やプリント基板FPC1の突出部FPC1aが第2面51bに設けられるので、複数の検出電極54よりも第1面51a側に配線などの導体が存在しないため、検出誤差や検出感度の低下を抑制することができる。
図16は、第1の実施形態に係る検出装置の第2検出部の電極配置を表す図である。第2検出部SE2は、複数の検出電極54と、セレクタ62と、を含む。
図16に示すように、第2検出部SE2は、行列状に配置された複数の検出電極54を含んでいる。複数の検出電極54には、複数のTFT素子Tr2のソース又はドレインの一方が、それぞれ結合されている。TFT素子Tr2は、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS型のTFTで構成されている。TFT素子Tr2のソース又はドレインの他方は信号線H1,H2,…,Hmに結合され、ゲートは走査線G1,G2,…,Gqに結合されている。
検出電極54は、走査線G1,G2,…,Gqにより、第2検出部SE2の同じ行に属する他の検出電極54と互いに結合されている。走査線G1,G2,…,Gqは、ゲートドライバ61A及び61Bと結合され、ゲートドライバ61A及び61Bから走査信号が供給される。ゲートドライバ61A及び61Bは、制御部47から供給される制御信号に基づいて、複数の検出電極54を1行ごとに順次選択する。
また、検出電極54は、信号線H1,H2,…,Hmにより、第2検出部SE2の同じ列に属する他の検出電極54と互いに結合されている。信号線H1,H2,…,Hmは、セレクタ62と結合され、セレクタ62を経由して選択部4からセルフ駆動信号Vcomtsが供給される。
セレクタ62は、制御部47から供給される制御信号に基づいて、選択部4から供給されるセルフ駆動信号Vcomtsを、検出電極54側に接続された複数の信号線のうちいずれか1つの信号線に出力する機能を有する。
具体的には、セレクタ62には、連結部D1,D2,…,Drが設けられている。連結部D1,D2,…,Drの各々は、例えば、x方向に並ぶ3つの検出電極54のそれぞれに接続された信号線がスイッチを介して接続されている。連結部D1,D2,…,Drの各々は、選択部4側が単一系統となっている。連結部D1,D2,…,Drの選択部4側は、配線J1,J2,…,Jrにそれぞれ接続されている。第1の実施形態のセレクタ62は、選択部4側の配線数が連結部D1,D2,…,Drの数(r)と同一であり、検出電極54側の配線数が信号線H1,H2,…,Hmの数(m)と同一である。すなわち、3つの信号線毎に1つの連結部が設けられることで、セレクタ62は、選択部4から供給されるセルフ駆動信号Vcomtsを、x方向について3つ分までの検出電極54のうちいずれか1つに出力する。
また、セレクタ62は、制御部47から供給される制御信号に基づいて、検出電極54側に接続された複数の信号線のうちいずれか1つの信号線を介して供給される、検出電極54の検出信号Vdet2を選択部4に出力する機能を有する。3つの信号線毎に1つの連結部が設けられることで、セレクタ62は、x方向について3つ分までの検出電極54の検出信号Vdet2のうちいずれか1つを、選択部4に出力する。
図17は、第1の実施形態に係る検出装置の選択部の回路構成を示す図である。図17に示すように、選択部4は、第1検出部SE1とアナログ処理部5との間を接続するための第1接続部4aと、第2検出部SE2とアナログ処理部5との間を接続するための第2接続部4bと、第1接続部4aを制御するための第1制御部4cと、第2接続部4bを制御するための第2制御部4dと、を含む。
第1接続部4aは、配線K1,K2,…,K8を介して、第1検出部SE1に接続されている。配線K1,K2,…,K8は、第1検出部SE1内のタッチ検出電極TDLにそれぞれ接続されている。従って、第1接続部4aは、第1検出部SE1内のタッチ検出電極TDLに接続されている。なお、第1の実施形態では、配線Kの数を8本としたが、これに限定されない。
第2接続部4bは、配線J1,J2,…,J8を介して、第2検出部SE2に接続されている。配線J1,J2,…,J8は、第2検出部SE2のセレクタ62内の連結部D1,D2,…,D8にそれぞれ接続されている。連結部D1,D2,…,D8は、検出電極54にそれぞれ接続されている。従って、第2接続部4bは、第2検出部SE2内の検出電極54に接続されている。なお、第1の実施形態では、配線Jの数を8本としたが、これに限定されない。
第1の実施形態では、配線K及びJの数を同じとしたが、これに限定されない。配線Kの数と配線Jの数とは、異なっていても良い。
選択部4は、配線L1,L4,L5及びL6を介して、ホストHOSTに接続されている。配線L1には、第1検出部SE1及び第2検出部SE2の内の第1検出部SE1を選択するための選択信号SELが、ホストHOSTから供給される。配線L4には、第1検出部SE1及び第2検出部SE2の内の第2検出部SE2を選択するための反転選択信号xSELが、ホストHOSTから供給される。第1の実施形態では、反転選択信号xSELは、選択信号SELの論理反転信号である。
配線L5には、クロック信号CLKが、ホストHOSTから供給される。第1制御部4c及び第2制御部4dは、クロック信号CLKをカウントすることにより、第1接続部4a及び第2接続部4bをそれぞれ制御する。第1制御部4c及び第2制御部4dは、カウンタ回路又はデコーダ回路が例示される。
第1制御部4cは、配線M1から配線M4までを介して第1接続部4aに接続されており、クロック信号CLKのカウント値に応じて、配線M1→配線M2→配線M3→配線M4→配線M1→・・・の順序で、ハイレベルの信号を配線M1から配線M4までに順次出力する。第2制御部4dは、クロック信号CLKのカウント値に応じて、配線N1→配線N2→配線N3→配線N4→配線N1→・・・の順序で、ハイレベルの信号を配線N1から配線N4までに順次出力する。
配線L6には、第1制御部4c及び第2制御部4dをリセットするためのリセット信号RSTが、ホストHOSTから供給される。第1制御部4c及び第2制御部4dは、リセット信号RSTが供給されると、クロック信号CLKのカウント値をリセットする。
選択部4は、配線L2及びL3を介して、アナログ処理部5に接続されている。第1の実施形態において、アナログ処理部5は、2つのアナログ信号を同時に入力又は出力できる、2つのアナログ処理チャネルを有するものとする。つまり、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41(図1参照)は、2つのアナログ出力チャネルを有し、2つのセルフ駆動信号Vcomts(1)及びVcomts(2)を同時に出力できるものとする。また、アナログ処理部5内の増幅部42(図1参照)は、2つのアナログ入力チャネルを有し、検出信号Vdet1(1)及びVdet1(2)、又は、検出信号Vdet2(1)及びVdet2(2)を同時に増幅できるものとする。また、アナログ処理部5内のA/D変換部43(図1参照)は、2つのA/D変換回路を有し、増幅部42から出力される2つのアナログ信号をディジタル信号に同時に変換できるものとする。
配線L2は、アナログ処理部5の一方のアナログ処理チャネルに接続され、配線L3は、アナログ処理部5の他方のアナログ処理チャネルに接続されている。配線L2には、自己静電容量を検出するためのセルフ検出信号Vcomts(1)が、セルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給される。配線L3には、自己静電容量を検出するためのセルフ検出信号Vcomts(2)が、セルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給される。
第1接続部4aは、アナログ処理部5が2つのアナログ処理チャネルを有することに対応して、第1検出部SE1とアナログ処理部5との間を接続するための第1回路部4a1及び第2回路部4a2を含む。第1回路部4a1は、配線K1から配線K4までの第1配線群111と、アナログ処理部5の一方のアナログ処理チャネルと、を接続する。第2回路部4a2は、配線K5から配線K8までの第2配線群112と、アナログ処理部5の他方のアナログ処理チャネルと、を接続する。
詳細には、第1回路部4a1は、配線M1から配線M4までに供給される信号に応じて、第1配線群111の配線K1から配線K4までの内のいずれか1つを順次選択して、配線L2に接続する。これにより、第1検出部SE1から配線K1から配線K4までに供給される検出信号Vdet1(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに順次供給される。
第2回路部4a2は、配線M1から配線M4までに供給される信号に応じて、第2配線群112の配線K5から配線K8までの内のいずれか1つを選択して、配線L3に接続する。これにより、第1検出部SE1から配線K5から配線K8までに供給される検出信号Vdet1(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに順次供給される。
第1接続部4aは、第1検出部SE1のタッチ検出電極TDLの2つの群を、アナログ処理部5の2つのアナログ処理チャネルにそれぞれ同時に接続する。
第2接続部4bは、アナログ処理部5が2つのアナログ処理チャネルを有することに対応して、第2検出部SE2とアナログ処理部5との間を接続するための第3回路部4b1及び第4回路部4b2を含む。第3回路部4b1は、配線J1から配線J4までの第3配線群113とアナログ処理部5の他方のアナログ処理チャネルとを接続する。第2回路部4a2は、配線J5から配線J8までの第4配線群114とアナログ処理部5の他方のアナログ処理チャネルとを接続する。
詳細には、第3回路部4b1は、配線N1から配線N4までに供給される信号に応じて、第3配線群113の配線J1から配線J4までの内のいずれか1つを順次選択して、配線L2に接続する。これにより、セルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから配線L2に供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)が、配線J1から配線J4までに順次供給される。また、第2検出部SE2から配線J1から配線J4までに供給される検出信号Vdet2(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに順次供給される。
第4回路部4b2は、配線N1から配線N4までに供給される信号に応じて、第4配線群114の配線J5から配線J8までの内のいずれか1つを順次選択して、配線L3に接続する。これにより、セルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから配線L3に供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)が、配線J5から配線J8までに順次供給される。また、第2検出部SE2から配線J5から配線J8までに供給される検出信号Vdet2(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに順次供給される。
第2接続部4bは、第2検出部SE2の検出電極54の2つの群を、アナログ処理部5の2つのアナログ処理チャネルにそれぞれ同時に接続する。
第1回路部4a1は、Nチャネルのトランジスタ71及び81から84までを含む。トランジスタ71のゲートは、配線L1に接続されている。ハイレベルの選択信号SELが配線L1を介してホストHOSTから供給されると、トランジスタ71は、オン状態になる。
トランジスタ71のソース及びドレインの内の一方は、配線L2を介して、アナログ処理部5の一方のアナログ処理チャネルに接続されている。
トランジスタ81から84までのソース及びドレインの内の一方は、トランジスタ71のソース及びドレインの内の他方に接続されている。トランジスタ81のソース及びドレインの内の他方は、配線K1に接続されている。トランジスタ82のソース及びドレインの内の他方は、配線K2に接続されている。トランジスタ83のソース及びドレインの内の他方は、配線K3に接続されている。トランジスタ84のソース及びドレインの内の他方は、配線K4に接続されている。
第2回路部4a2は、Nチャネルのトランジスタ72及び85から88までを含む。トランジスタ72のゲートは、配線L1に接続されている。ハイレベルの選択信号SELが配線L1を介してホストHOSTから供給されると、トランジスタ72は、オン状態になる。
トランジスタ72のソース及びドレインの内の一方は、配線L3を介して、アナログ処理部5の他方のアナログ処理チャネルに接続されている。
トランジスタ85から88までのソース及びドレインの内の一方は、トランジスタ72のソース及びドレインの内の他方に接続されている。トランジスタ85のソース及びドレインの内の他方は、配線K5に接続されている。トランジスタ86のソース及びドレインの内の他方は、配線K6に接続されている。トランジスタ87のソース及びドレインの内の他方は、配線K7に接続されている。トランジスタ88のソース及びドレインの内の他方は、配線K8に接続されている。
トランジスタ81及び85のゲートは、配線M1を介して第1制御部4cに接続されている。ハイレベルの信号が第1制御部4cから配線M1に供給されると、トランジスタ81及び85は、オン状態になる。
トランジスタ82及び86のゲートは、配線M2を介して第1制御部4cに接続されている。ハイレベルの信号が第1制御部4cから配線M2に供給されると、トランジスタ82及び86は、オン状態になる。
トランジスタ83及び87のゲートは、配線M3を介して第1制御部4cに接続されている。ハイレベルの信号が第1制御部4cから配線M3に供給されると、トランジスタ83及び87は、オン状態になる。
トランジスタ84及び88のゲートは、配線M4を介して第1制御部4cに接続されている。ハイレベルの信号が第1制御部4cから配線M4に供給されると、トランジスタ84及び88は、オン状態になる。
第3回路部4b1は、Nチャネルのトランジスタ73及び91から94までを含む。トランジスタ73のゲートは、配線L4に接続されている。ハイレベルの反転選択信号xSELが配線L4を介してホストHOSTから供給されると、トランジスタ73は、オン状態になる。
トランジスタ73のソース及びドレインの内の一方は、配線L2を介して、アナログ処理部5の一方のアナログ処理チャネルに接続されている。
トランジスタ91から94までのソース及びドレインの内の一方は、トランジスタ73のソース及びドレインの内の他方に接続されている。トランジスタ91のソース及びドレインの内の他方は、配線J1に接続されている。トランジスタ92のソース及びドレインの内の他方は、配線J2に接続されている。トランジスタ93のソース及びドレインの内の他方は、配線J3に接続されている。トランジスタ94のソース及びドレインの内の他方は、配線J4に接続されている。
第4回路部4b2は、Nチャネルのトランジスタ74及び95から98までを含む。トランジスタ74のゲートは、配線L4に接続されている。ハイレベルの反転選択信号xSELが配線L4を介してホストHOSTから供給されると、トランジスタ74は、オン状態になる。
トランジスタ74のソース及びドレインの内の一方は、配線L3を介して、アナログ処理部5の他方のアナログ処理チャネルに接続されている。
トランジスタ95から98までのソース及びドレインの内の一方は、トランジスタ74のソース及びドレインの内の他方に接続されている。トランジスタ95のソース及びドレインの内の他方は、配線J5に接続されている。トランジスタ96のソース及びドレインの内の他方は、配線J6に接続されている。トランジスタ97のソース及びドレインの内の他方は、配線J7に接続されている。トランジスタ98のソース及びドレインの内の他方は、配線J8に接続されている。
トランジスタ91及び95のゲートは、配線N1を介して第2制御部4dに接続されている。ハイレベルの信号が第2制御部4dから配線N1に供給されると、トランジスタ91及び95は、オン状態になる。
トランジスタ92及び96のゲートは、配線N2を介して第2制御部4dに接続されている。ハイレベルの信号が第2制御部4dから配線N2に供給されると、トランジスタ92及び96は、オン状態になる。
トランジスタ93及び97のゲートは、配線N3を介して第2制御部4dに接続されている。ハイレベルの信号が第2制御部4dから配線N3に供給されると、トランジスタ93及び97は、オン状態になる。
トランジスタ94及び98のゲートは、配線N4を介して第2制御部4dに接続されている。ハイレベルの信号が第2制御部4dから配線N4に供給されると、トランジスタ94及び98は、オン状態になる。
図18は、第1の実施形態に係る検出装置の選択部の動作を示すタイミングチャートである。図18は、選択部4が、第1検出部SE1及び第2検出部SE2の内の第1検出部SE1を選択し、選択した第1検出部SE1とアナログ処理部5とを接続する場合のタイミングチャートである。
図18を参照すると、タイミングt0において、ホストHOSTから供給される選択信号SELがローレベルからハイレベルに変化すると、第1接続部4a内のトランジスタ71及び72がオン状態になる。また、ホストHOSTから供給される反転選択信号xSELがハイレベルからローレベルに変化すると、第2接続部4b内のトランジスタ73及び74がオフ状態になる。また、リセット信号RSTがハイレベルからローレベルに変化すると、第1制御部4cのカウント値のリセットが解除される。
次のタイミングt1において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第1制御部4cは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=1)に応じて、ハイレベルの信号を配線M1に出力する。これにより、第1接続部4a内のトランジスタ81及び85がオン状態になる。
次のタイミングt2において、COG19(図10参照)から第1検出部SE1内の1つの駆動電極ブロックBに供給されるミューチャル駆動信号Vcomtm1がハイレベルになると、相互静電容量の検出原理(図2から図4まで参照)で示した検出信号Vdet1が、タッチ検出電極TDLに現れる。タイミングt2では、トランジスタ81及びトランジスタ71がオン状態になっているので、配線K1に現れる検出信号Vdet1(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。また、タイミングt2では、トランジスタ85及びトランジスタ72がオン状態になっているので、配線K5に現れる検出信号Vdet1(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
なお、図18では、検出信号Vdet1(1)及びVdet1(2)は、タッチ検出電極TDLに現れる生の波形ではなく、増幅部42内の電圧検出器DETの出力波形を示している。
次のタイミングt3において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第1制御部4cは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=2)に応じて、ハイレベルの信号を配線M2に出力する。これにより、第1接続部4a内のトランジスタ82及び86がオン状態になる。
次のタイミングt4において、COG19から第1検出部SE1内の1つの駆動電極ブロックBに供給されるミューチャル駆動信号Vcomtm1がハイレベルになると、相互静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet1が、タッチ検出電極TDLに現れる。タイミングt4では、トランジスタ82及びトランジスタ71がオン状態になっているので、配線K2に現れる検出信号Vdet1(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。また、タイミングt4では、トランジスタ86及びトランジスタ72がオン状態になっているので、配線K6に現れる検出信号Vdet1(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
次のタイミングt5において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第1制御部4cは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=3)に応じて、ハイレベルの信号を配線M3に出力する。これにより、第1接続部4a内のトランジスタ83及び87がオン状態になる。
次のタイミングt6において、COG19から第1検出部SE1内の1つの駆動電極ブロックBに供給されるミューチャル駆動信号Vcomtm1がハイレベルになると、相互静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet1が、タッチ検出電極TDLに現れる。タイミングt6では、トランジスタ83及びトランジスタ71がオン状態になっているので、配線K3に現れる検出信号Vdet1(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。また、タイミングt6では、トランジスタ87及びトランジスタ72がオン状態になっているので、配線K7に現れる検出信号Vdet1(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
次のタイミングt7において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第1制御部4cは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=4)に応じて、ハイレベルの信号を配線M4に出力する。これにより、第1接続部4a内のトランジスタ84及び88がオン状態になる。
次のタイミングt8において、COG19から第1検出部SE1内の1つの駆動電極ブロックBに供給されるミューチャル駆動信号Vcomtm1がハイレベルになると、相互静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet1が、タッチ検出電極TDLに現れる。タイミングt8では、トランジスタ84及びトランジスタ71がオン状態になっているので、配線K4に現れる検出信号Vdet1(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。また、タイミングt8では、トランジスタ88及びトランジスタ72がオン状態になっているので、配線K8に現れる検出信号Vdet1(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
検出装置1は、タイミングt1からタイミングt8までにより、第1検出部SE1の1つの駆動電極ブロック分の検出を行うことができる。検出装置1は、タイミングt1からタイミングt8までを、駆動電極ブロックBの数だけ繰り返すことにより、第1検出部SE1の検出領域全面の検出を行うことができる。
図19は、第1の実施形態に係る検出装置の選択部の動作を示すタイミングチャートである。図19は、選択部4が、第1検出部SE1及び第2検出部SE2の内の第2検出部SE2を選択し、選択した第2検出部SE2とアナログ処理部5とを接続する場合のタイミングチャートである。
図19を参照すると、タイミングt20において、ホストHOSTから供給される選択信号SELがハイレベルからローレベルに変化すると、第1接続部4a内のトランジスタ71及び72がオフ状態になる。また、ホストHOSTから供給される反転選択信号xSELがローレベルからハイレベルに変化すると、第2接続部4b内のトランジスタ73及び74がオン状態になる。また、リセット信号RSTがハイレベルからローレベルに変化すると、第2制御部4dのカウント値のリセットが解除される。
次のタイミングt21において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第2制御部4dは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=1)に応じて、ハイレベルの信号を配線N1に出力する。これにより、第2接続部4b内のトランジスタ91及び95がオン状態になる。
次のタイミングt22において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ73及び91を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(1)が配線J1に供給される。
同様に、タイミングt22において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ74及び95を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(2)が配線J5に供給される。
次のタイミングt23において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理(図5から図8まで参照)で示した検出信号Vdet2(1)が、配線J1に現れる。タイミングt23では、トランジスタ91及びトランジスタ73がオン状態になっているので、配線J1に現れる検出信号Vdet2(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。
同様に、タイミングt23において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet2(2)が、配線J5に現れる。タイミングt23では、トランジスタ95及びトランジスタ74がオン状態になっているので、配線J5に現れる検出信号Vdet2(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
なお、図19では、検出信号Vdet2(1)及びVdet2(2)は、配線J1及びJ5に現れる生の波形ではなく、増幅部42内の電圧検出器DETの出力波形を示している。
次のタイミングt24において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第2制御部4dは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=2)に応じて、ハイレベルの信号を配線N2に出力する。これにより、第2接続部4b内のトランジスタ92及び96がオン状態になる。
次のタイミングt25において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ73及び92を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(1)が配線J2に供給される。
同様に、タイミングt25において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ74及び96を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(2)が配線J6に供給される。
次のタイミングt26において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet2(1)が、配線J2に現れる。タイミングt26では、トランジスタ92及びトランジスタ73がオン状態になっているので、配線J2に現れる検出信号Vdet2(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。
同様に、タイミングt26において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet2(2)が、配線J6に現れる。タイミングt26では、トランジスタ96及びトランジスタ74がオン状態になっているので、配線J6に現れる検出信号Vdet2(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
次のタイミングt27において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第2制御部4dは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=3)に応じて、ハイレベルの信号を配線N3に出力する。これにより、第2接続部4b内のトランジスタ93及び97がオン状態になる。
次のタイミングt28において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ73及び93を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(1)が配線J3に供給される。
同様に、タイミングt28において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ74及び97を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(2)が配線J7に供給される。
次のタイミングt29において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet2(1)が、配線J3に現れる。タイミングt29では、トランジスタ93及びトランジスタ73がオン状態になっているので、配線J3に現れる検出信号Vdet2(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。
同様に、タイミングt29において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet2(2)が、配線J7に現れる。タイミングt29では、トランジスタ97及びトランジスタ74がオン状態になっているので、配線J7に現れる検出信号Vdet2(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
次のタイミングt30において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第2制御部4dは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=4)に応じて、ハイレベルの信号を配線N4に出力する。これにより、第2接続部4b内のトランジスタ94及び98がオン状態になる。
次のタイミングt31において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ73及び94を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(1)が配線J4に供給される。
同様に、タイミングt31において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ74及び98を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(2)が配線J8に供給される。
次のタイミングt32において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet2(1)が、配線J4に現れる。タイミングt32では、トランジスタ94及びトランジスタ73がオン状態になっているので、配線J4に現れる検出信号Vdet2(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。
同様に、タイミングt32において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet2(2)が、配線J8に現れる。タイミングt32では、トランジスタ98及びトランジスタ74がオン状態になっているので、配線J8に現れる検出信号Vdet2(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
検出装置1は、タイミングt21からタイミングt32までにより、第2検出部SE2の1ライン分の検出を行うことができる。検出装置1は、タイミングt21からタイミングt32までを、検出電極54のラインの数だけ繰り返すことにより、第2検出部SE2の検出領域全面の検出を行うことができる。
なお、第1の実施形態に係る検出装置1では、アナログ処理部5が2つのアナログ処理チャネルを有する場合について説明したが、これに限定されない。アナログ処理部5が1つのアナログ処理チャネルを有する場合には、第1接続部4a内のトランジスタ72を削除し、トランジスタ81から88までをトランジスタ71に接続すれば良い。同様に、第2接続部4b内のトランジスタ74を削除し、トランジスタ91から98までをトランジスタ73に接続すれば良い。
また、アナログ処理部5が3つのアナログ処理チャネルを有する場合には、第1接続部4a内のトランジスタ71及び72に並列に、もう1個のトランジスタを設け、トランジスタ81から88までの幾つかのトランジスタを、もう1個のトランジスタ71に接続すれば良い。同様に、第2接続部4b内のトランジスタ73及び74に並列に、もう1個のトランジスタを設け、トランジスタ91から98までの幾つかのトランジスタを、もう1個のトランジスタに接続すれば良い。アナログ処理部5が4つ以上のアナログ処理チャネルを有する場合も、同様である。
[比較例]
図20は、比較例に係る検出装置を示す図である。比較例に係る検出装置102では、第1検出部SE1は、プリント基板FPC1を介して、基板61に接続されている。第2検出部SE2は、プリント基板FPC3を介して、基板61に接続されている。プリント基板FPC1上には、アナログ処理部5が設けられている。プリント基板FPC3上には、アナログ処理部5と同様の回路構成を有するアナログ処理部5aが設けられている。検出装置102の変形例として、アナログ処理部5aを基板51上に形成してもよい。
アナログ処理部5は、第1検出部SE1から供給される検出信号Vdet1にアナログ処理を実行して、ホストHOSTに出力する。アナログ処理部5aは、第2検出部SE2から供給される検出信号Vdet2にアナログ処理を実行して、ホストHOSTに出力する。図20に示すように、比較例に係る検出装置102では、2個のアナログ処理部5及び5aを備える必要がある。
[効果]
第1の実施形態に係る検出装置1は、ホストHOST内の制御部47から供給される制御信号に基づいて、第1検出部SE1及び第2検出部SE2の内の一方を選択し、第1検出部SE1及び第2検出部SE2の内の選択した方の検出部とアナログ処理部5とを接続する選択部4を備える。検出装置1は、選択部4を備えることにより、1個のアナログ処理部5で、第1検出部SE1から供給される検出信号Vdet1及び第2検出部SE2から供給される検出信号Vdet2にアナログ処理を実行できる。
これにより、第1の実施形態に係る検出装置1は、比較例に係る検出装置102のアナログ処理部5aを不要にすることができる。選択部4の回路規模は、アナログ処理部5aの回路規模より小さい。また、検出装置1は、検出装置102のプリント基板FPC3を不要にすることができる。従って、検出装置1は、検出装置102と比較して、小型化でき、省スペース化及び低コスト化を図ることができる。
また、選択部4は、アナログ処理部5が2つのアナログ処理チャネルを有することに対応して、第1配線群111の配線K1から配線K4までの内のいずれか1つを順次選択して配線L2に接続するとともに、第2配線群112の配線K5から配線K8までの内のいずれか1つを選択して、配線L3に接続する。
これにより、第1検出部SE1から配線K1からK4までに供給される検出信号Vdet1(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに順次供給されるとともに、第1検出部SE1から配線K5から配線K8までに供給される検出信号Vdet1(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに順次供給される。従って、検出装置1は、第1検出部SE1で被検出物F1を検出するのに要する時間を、実質的に半分に抑制することができる。
また、選択部4は、アナログ処理部5が2つのアナログ処理チャネルを有することに対応して、第3配線群113の配線J1から配線J4までの内のいずれか1つを順次選択して配線L2に接続するとともに、第4配線群114の配線J5から配線J8までの内のいずれか1つを選択して、配線L3に接続する。
これにより、第2検出部SE2から配線J1から配線J4までに供給される検出信号Vdet2(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに順次供給されるとともに、第2検出部SE2から配線J5から配線J8までに供給される検出信号Vdet2(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに順次供給される。従って、検出装置1は、第2検出部SE2で被検出物F2を検出するのに要する時間を、実質的に半分に抑制することができる。
[変形例]
第1接続部4aと第2接続部4bとは、同じ回路構成を有する。具体的には、第1接続部4aのトランジスタ71は、第2接続部4bのトランジスタ73に対応する。第1接続部4aのトランジスタ72は、第2接続部4bのトランジスタ74に対応する。第1接続部4aのトランジスタ81から88までは、第2接続部4bのトランジスタ91から98までに対応する。そして、第2接続部4bは、自己静電容量方式の第2検出部SE2に接続されている。従って、第1接続部4aは、第1検出部SE1が自己静電容量方式であっても、第1検出部SE1に接続できる。また、第1接続部4aは、相互静電容量方式の第1検出部SE1に接続されている。従って、第2接続部4bは、第2検出部SE2が相互静電容量方式であっても、第2検出部SE2に接続できる。
図21は、第1の実施形態に係る検出装置の変形例を示す図である。第1の実施形態の変形例に係る検出装置1aでは、第1検出部SE1aは、自己静電容量方式のセンサである。なお、第1の実施形態と同じ構成要素には、同じ参照符号を付して、説明を省略する。
第1検出部SE1aは、複数の検出電極103を有する。複数の検出電極103の電極配置は、図16で説明した第2検出部SE2と同様であるので、説明を省略する。
なお、第1検出部SE1aが自己静電容量方式のセンサであるので、COG19は、ミューチャル駆動信号出力部7(図1参照)を内蔵しなくて良い。
図22は、第1の実施形態の変形例に係る検出装置の選択部の動作を示すタイミングチャートである。図22は、選択部4が、第1検出部SE1a及び第2検出部SE2の内の第1検出部SE1aを選択し、選択した第1検出部SE1aとアナログ処理部5とを接続する場合のタイミングチャートである。
図22を参照すると、タイミングt40において、ホストHOSTから供給される選択信号SELがローレベルからハイレベルに変化すると、第1接続部4a内のトランジスタ71及び72がオン状態になる。また、ホストHOSTから供給される反転選択信号xSELがハイレベルからローレベルに変化すると、第2接続部4b内のトランジスタ73及び74がオフ状態になる。また、リセット信号RSTがハイレベルからローレベルに変化すると、第1制御部4cのカウント値のリセットが解除される。
次のタイミングt41において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第1制御部4cは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=1)に応じて、ハイレベルの信号を配線M1に出力する。これにより、第1接続部4a内のトランジスタ81及び85がオン状態になる。
次のタイミングt42において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ71及び81を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(1)が配線K1に供給される。
同様に、タイミングt42において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ72及び85を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(2)が配線K5に供給される。
次のタイミングt43において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理(図5から図8まで参照)で示した検出信号Vdet1(1)が、配線K1に現れる。タイミングt43では、トランジスタ81及びトランジスタ71がオン状態になっているので、配線K1に現れる検出信号Vdet1(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。
同様に、タイミングt43において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet1(2)が、配線K5に現れる。タイミングt43では、トランジスタ85及びトランジスタ72がオン状態になっているので、配線K5に現れる検出信号Vdet1(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
なお、図22では、検出信号Vdet1(1)及びVdet1(2)は、配線K1及びK5に現れる生の波形ではなく、増幅部42内の電圧検出器DETの出力波形を示している。
次のタイミングt44において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第1制御部4cは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=2)に応じて、ハイレベルの信号を配線M2に出力する。これにより、第1接続部4a内のトランジスタ82及び86がオン状態になる。
次のタイミングt45において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ71及び82を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(1)が配線K2に供給される。
同様に、タイミングt45において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ72及び86を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(2)が配線K6に供給される。
次のタイミングt46において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet1(1)が、配線K2に現れる。タイミングt46では、トランジスタ82及びトランジスタ71がオン状態になっているので、配線K2に現れる検出信号Vdet1(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。
同様に、タイミングt46において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet1(2)が、配線K6に現れる。タイミングt46では、トランジスタ86及びトランジスタ72がオン状態になっているので、配線K6に現れる検出信号Vdet1(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
次のタイミングt47において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第1制御部4cは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=4)に応じて、ハイレベルの信号を配線M3に出力する。これにより、第1接続部4a内のトランジスタ83及び87がオン状態になる。
次のタイミングt48において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ71及び83を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(1)が配線K3に供給される。
同様に、タイミングt48において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ72及び87を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(2)が配線K7に供給される。
次のタイミングt49において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet1(1)が、配線K3に現れる。タイミングt49では、トランジスタ83及びトランジスタ71がオン状態になっているので、配線K3に現れる検出信号Vdet1(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。
同様に、タイミングt49において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet1(2)が、配線K7に現れる。タイミングt49では、トランジスタ87及びトランジスタ72がオン状態になっているので、配線K7に現れる検出信号Vdet1(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
次のタイミングt50において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第1制御部4cは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=4)に応じて、ハイレベルの信号を配線M4に出力する。これにより、第1接続部4a内のトランジスタ84及び88がオン状態になる。
次のタイミングt51において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ71及び84を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(1)が配線K4に供給される。
同様に、タイミングt51において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がローレベルからハイレベルになると、トランジスタ72及び88を経由して、ハイレベルのセルフ駆動信号Vcomts(2)が配線K8に供給される。
次のタイミングt52において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の一方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(1)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet1(1)が、配線K4に現れる。タイミングt52では、トランジスタ84及びトランジスタ71がオン状態になっているので、配線K4に現れる検出信号Vdet1(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。
同様に、タイミングt52において、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41の他方のアナログ出力チャネルから供給されるセルフ駆動信号Vcomts(2)がハイレベルからローレベルになると、自己静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet1(2)が、配線K8に現れる。タイミングt52では、トランジスタ88及びトランジスタ72がオン状態になっているので、配線K8に現れる検出信号Vdet1(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
検出装置1aは、タイミングt41からタイミングt52までにより、第1検出部SE1aの1ライン分の検出を行うことができる。検出装置1aは、タイミングt41からタイミングt52までを、検出電極103のラインの数だけ繰り返すことにより、第1検出部SE1aの検出領域全面の検出を行うことができる。
なお、選択部4が、第1検出部SE1a及び第2検出部SE2の内の第2検出部SE2を選択し、選択した第2検出部SE2とアナログ処理部5とを接続する場合のタイミングチャートは、第1の実施形態の図19と同様であるので、図示及び説明を省略する。
第1の実施形態の変形例に係る検出装置1aは、第1の実施形態に係る検出装置1と同様に、比較例に係る検出装置102のアナログ処理部5aを不要にすることができる。選択部4の回路規模は、アナログ処理部5aの回路規模より小さい。また、検出装置1aは、検出装置102のプリント基板FPC3を不要にすることができる。従って、検出装置1aは、検出装置102と比較して、省スペース化及び低コスト化を図ることができる。
(第2の実施形態)
図23は、第2の実施形態に係る検出装置の選択部の回路構成を示す図である。なお、第1の実施形態と同じ構成要素には、同じ参照符号を付して、説明を省略する。
選択部104は、第1の実施形態に係る検出装置1の選択部4(図17参照)と比較して、第2制御部4dを備えていない。
トランジスタ91及び95のゲートは、配線M1を介して第1制御部4cに接続されている。ハイレベルの信号が第1制御部4cから配線M1に供給されると、トランジスタ91及び95は、オン状態になる。
トランジスタ92及び96のゲートは、配線M2を介して第1制御部4cに接続されている。ハイレベルの信号が第1制御部4cから配線M2に供給されると、トランジスタ92及び96は、オン状態になる。
トランジスタ93及び97のゲートは、配線M3を介して第1制御部4cに接続されている。ハイレベルの信号が第1制御部4cから配線M3に供給されると、トランジスタ93及び97は、オン状態になる。
トランジスタ94及び98のゲートは、配線M4を介して第1制御部4cに接続されている。ハイレベルの信号が第1制御部4cから配線M4に供給されると、トランジスタ94及び98は、オン状態になる。
選択部104の動作を示すタイミングチャートは、第1の実施形態に係る検出装置1の選択部4の動作を示すタイミングチャート(図18及び図19参照)と同様であるので、図示及び説明を省略する。
[効果]
第2の実施形態に係る選択部104は、第1の実施形態に係る検出装置1の選択部4と比較して、第2制御部4dの分だけ回路規模を小さくできる。これにより、第2検出部SE2(選択部104が基板51上に形成される場合)又は選択部104が形成される半導体集積回路装置(選択部104が形成された半導体集積回路装置がプリント基板FPC1上に実装される場合)の歩留まりを向上させることができる。
なお、1個の第1制御部4cが第1接続部4a及び第2接続部4bを制御するので、配線Kの本数と配線Jの本数とは、同じであることが好ましい。しかしながら、配線Kの本数と配線Jの本数とが異なっていても、本発明を適用可能である。例えば、第1接続部4a内のトランジスタ71及び72に並列にもう1個のトランジスタを設け、もう1個のトランジスタに配線K9,K10,・・・を接続しても良い。
(第3の実施形態)
図24は、第3の実施形態に係る検出装置に被検出物が接触又は近接した様子を示す図である。図25は、第3の実施形態に係る検出装置に被検出物が接触又は近接した様子を示す模式的な側面図である。図25は、図24の矢印105の方向に検出装置1を視た図である。なお、第1の実施形態と同じ構成要素には、同じ参照符号を付して、説明を省略する。
図24及び図25に示すように、第1検出部SE1の検出領域には、被検出物(ここでは、左手の中指)F1が接触又は近接し、第2検出部SE2の検出領域には、被検出物(ここでは、左手の人差し指)F2が接触又は近接している。
図26は、第3の実施形態に係る検出装置の選択部の動作を示すタイミングチャートである。図26を参照すると、タイミングt80において、ホストHOSTから供給される選択信号SELがハイレベルからローレベルに変化すると、第1接続部4a内のトランジスタ71及び72がオフ状態になる。また、ホストHOSTから供給される反転選択信号xSELがローレベルからハイレベルに変化すると、第2接続部4b内のトランジスタ73及び74がオン状態になる。また、リセット信号RSTがハイレベルからローレベルに変化すると、第2制御部4dのカウント値のリセットが解除される。
次のタイミングt81において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第2制御部4dは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=1)に応じて、ハイレベルの信号を配線N1に出力する。これにより、第2接続部4b内のトランジスタ81及び85がオン状態になる。
次のタイミングt82において、COG19から第1検出部SE1内の1つの駆動電極ブロックBに供給されるミューチャル駆動信号Vcomtm1がハイレベルになると、駆動電極ブロックBでの電圧変化が、矢印106で示すように、駆動電極COML→中指F1→手107→人差し指F2の経路で伝播する。すると、相互静電容量の検出原理(図2から図4まで参照)で示した検出信号Vdet2が、検出電極54に現れる。タイミングt82では、トランジスタ91及びトランジスタ73がオン状態になっているので、配線J1に現れる検出信号Vdet2(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。また、タイミングt82では、トランジスタ95及びトランジスタ74がオン状態になっているので、配線J5に現れる検出信号Vdet2(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
なお、図26では、検出信号Vdet2(1)及びVdet2(2)は、検出電極54に現れる生の波形ではなく、増幅部42内の電圧検出器DETの出力波形を示している。
次のタイミングt83において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第2制御部4dは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=2)に応じて、ハイレベルの信号を配線N2に出力する。これにより、第2接続部4b内のトランジスタ92及び96がオン状態になる。
次のタイミングt84において、COG19から第1検出部SE1内の1つの駆動電極ブロックBに供給されるミューチャル駆動信号Vcomtm1がハイレベルになると、駆動電極ブロックBでの電圧変化が、矢印106で示すように、駆動電極COML→中指F1→手107→人差し指F2の経路で伝播する。すると、相互静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet2が、検出電極54に現れる。タイミングt84では、トランジスタ92及びトランジスタ73がオン状態になっているので、配線J2に現れる検出信号Vdet2(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。また、タイミングt84では、トランジスタ96及びトランジスタ74がオン状態になっているので、配線J6に現れる検出信号Vdet2(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
次のタイミングt85において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第2制御部4dは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=3)に応じて、ハイレベルの信号を配線N3に出力する。これにより、第2接続部4b内のトランジスタ93及び97がオン状態になる。
次のタイミングt86において、COG19から第1検出部SE1内の1つの駆動電極ブロックBに供給されるミューチャル駆動信号Vcomtm1がハイレベルになると、駆動電極ブロックBでの電圧変化が、矢印106で示すように、駆動電極COML→中指F1→手107→人差し指F2の経路で伝播する。すると、相互静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet2が、検出電極54に現れる。タイミングt86では、トランジスタ93及びトランジスタ73がオン状態になっているので、配線J3に現れる検出信号Vdet2(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。また、タイミングt86では、トランジスタ97及びトランジスタ74がオン状態になっているので、配線J7に現れる検出信号Vdet2(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
次のタイミングt87において、ホストHOSTから供給されるクロック信号CLKがローレベルからハイレベルになると、第2制御部4dは、クロック信号CLKをカウントし、カウント値(=4)に応じて、ハイレベルの信号を配線N4に出力する。これにより、第2接続部4b内のトランジスタ94及び98がオン状態になる。
次のタイミングt88において、COG19から第1検出部SE1内の1つの駆動電極ブロックBに供給されるミューチャル駆動信号Vcomtm1がハイレベルになると、駆動電極ブロックBでの電圧変化が、矢印106で示すように、駆動電極COML→中指F1→手107→人差し指F2の経路で伝播する。すると、相互静電容量の検出原理で示した検出信号Vdet2が、検出電極54に現れる。タイミングt88では、トランジスタ94及びトランジスタ73がオン状態になっているので、配線J4に現れる検出信号Vdet2(1)が、アナログ処理部5の増幅部42の一方のアナログ入力チャネルに供給される。また、タイミングt88では、トランジスタ98及びトランジスタ74がオン状態になっているので、配線J8に現れる検出信号Vdet2(2)が、アナログ処理部5の増幅部42の他方のアナログ入力チャネルに供給される。
検出装置1は、タイミングt81からタイミングt88までにより、第2検出部SE2の1ライン分の検出を行うことができる。検出装置1は、タイミングt81からタイミングt88までを、検出電極54のラインの数だけ繰り返すことにより、第2検出部SE2の検出領域全面の検出を行うことができる。
[効果]
第2検出部SE2は指F2の指紋を検出するセンサであるので、検出電極54のサイズは、駆動電極COMLのサイズよりも小さい。具体的には、検出電極54の一辺の長さは、駆動電極COMLの短辺の長さよりも短い。検出電極54のサイズが小さいので、検出電極54に大きな電圧を印加できない。従って、駆動電極54に印加されるセルフ駆動信号Vcomtsの振幅は、駆動電極COMLに印加されるミューチャル駆動信号Vcomtm1の振幅よりも小さい。そのため、第1の実施形態では、第2検出部SE2から出力される検出信号Vdet2のS/N(signal/noise)比は、第1検出部SE1から出力される検出信号Vdet1のS/N比よりも小さい。
一方、第3の実施形態では、駆動電極COMLにミューチャル駆動信号Vcomtm1が印加されるので、第2検出部SE2から出力される検出信号Vdet2の振幅が大きくなる。従って、第3の実施形態では、第2検出部SE2から出力される検出信号Vdet2のS/N比を、第1の実施形態の検出信号Vdet2と比較して、大きくすることができる。
なお、第3の実施形態では、第1検出部SE1が相互静電容量方式である場合について説明したが、第1検出部SE1が自己静電容量方式(図21参照)であっても良い。検出電極54の一辺の長さは、検出電極103(図21参照)の一辺の長さよりも短い。検出電極54のサイズが小さいので、検出電極54に大きな電圧を印加できない。従って、駆動電極54に印加されるセルフ駆動信号Vcomtsの振幅は、検出電極103に印加されるセルフ駆動信号Vcomtsの振幅よりも小さい。そのため、第1の実施形態では、第2検出部SE2から出力される検出信号Vdet2のS/N比は、第1検出部SE1から出力される検出信号Vdet1のS/N比よりも小さい。
一方、検出電極103に振幅の大きなセルフ駆動信号Vcomtsが印加されれば、第2検出部SE2から出力される検出信号Vdet2の振幅が大きくなる。従って、第2検出部SE2から出力される検出信号Vdet2のS/N比を、第1の実施形態の検出信号Vdet2と比較して、大きくすることができる。
第1検出部SE1が自己静電容量方式である場合には、選択部4は、まず第1検出部SE1を選択して、第1検出部SE1とアナログ処理部5とを接続し、アナログ処理部5内のセルフ駆動信号出力部41から出力されるセルフ駆動信号Vcomtsを第1検出部SE1に出力する。次に、選択部4は、第2検出部SE2を選択して、第2検出部SE2とアナログ処理部5とを接続し、第2検出部SE2から出力される検出信号Vdet2をアナログ処理部5内の増幅部42に出力する。
また、第3の実施形態では、指F1が左手の中指であり、指F2が左手の人差し指であるとしたが、これに限定されない。例えば、指F1が左手の指であり、指F2が右手の指であっても良い。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。実施形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
また、本発明は、以下の構成を取ることもできる。
(1)
被検出物の接触又は近接を検出する第1及び第2検出部と、
前記第1及び第2検出部から出力される検出信号に信号処理を実行する信号処理部と、
前記第1及び第2検出部の内の一方を選択し、前記第1及び第2検出部の内の選択した方の検出部と前記信号処理部とを接続する選択部と、
を備える
検出装置。
(2)
前記選択部は、
前記第1検出部と前記信号処理部との間を接続するための第1接続部と、
外部から供給される制御信号に基づいて、前記第1検出部と前記信号処理部との間を接続するように、前記第1接続部を制御するための第1制御部と、
前記第2検出部と前記信号処理部との間を接続するための第2接続部と、
前記制御信号に基づいて、前記第2検出部と前記信号処理部との間を接続するように、前記第2接続部を制御するための第2制御部と、
を含む
(1)に記載の検出装置。
(3)
前記選択部は、
前記第1検出部と前記信号処理部との間を接続するための第1接続部と、
前記第2検出部と前記信号処理部との間を接続するための第2接続部と、
外部から供給される制御信号に基づいて、前記第1検出部と前記信号処理部との間又は前記第2検出部と前記信号処理部との間を接続するように、前記第1及び第2接続部を制御するための第1制御部と、
を含む
(1)に記載の検出装置。
(4)
前記信号処理部は、
複数の信号を同時に入力又は出力できる、複数の信号処理チャネルを有し、
前記第1接続部は、
前記第1検出部の複数の検出電極群を前記複数の信号処理チャネルにそれぞれ同時に接続するための複数の回路部を含み、
前記第2接続部は、
前記第2検出部の複数の検出電極群を前記複数の信号処理チャネルにそれぞれ同時に接続するための複数の回路部を含む
(2)又は(3)に記載の検出装置。
(5)
前記信号処理部は、
前記第1及び第2検出部に接続されたプリント基板上に設けられており、
前記選択部は、
前記第2検出部上又は前記プリント基板上に設けられている
(1)から(4)のいずれか1つに記載の検出装置。
(6)
前記信号処理部は、
前記第1又は第2検出部で自己静電容量方式の検出を行うためのセルフ駆動信号を出力するセルフ駆動信号出力部を含み、
前記選択部は、
前記セルフ駆動信号を、前記第1及び第2検出部の内の選択した方の検出部の検出電極に出力し、前記第1及び第2検出部の内の選択した方の検出部の検出電極から出力される検出信号を前記信号処理部に出力する
(1)から(5)のいずれか1つに記載の検出装置。
(7)
前記第1検出部で相互静電容量方式の検出を行うためのミューチャル駆動信号を前記第1検出部に出力するミューチャル駆動信号出力部を更に備え、
前記選択部は、
前記第1検出部に第1の被検出物が接触又は近接し且つ前記第2検出部に第2の被検出物が接触又は近接した場合に、前記第2検出部を選択し、前記第2検出部の検出電極から出力される検出信号を前記信号処理部に出力する
(1)から(5)のいずれか1つに記載の検出装置。
(8)
前記信号処理部は、
前記第1又は第2検出部で自己静電容量方式の検出を行うためのセルフ駆動信号を出力するセルフ駆動信号出力部を含み、
前記選択部は、
前記第1検出部に第1の被検出物が接触又は近接し且つ前記第2検出部に第2の被検出物が接触又は近接した場合に、まず、前記第1検出部を選択し、前記セルフ駆動信号を前記第1検出部の検出電極に出力し、次に、前記第2検出部を選択し、前記第2検出部から出力される検出信号を前記信号処理部に出力する
(1)から(5)のいずれか1つに記載の検出装置。