JP2018021466A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
Description
このような形状記憶合金の形状回復力を利用したアクチュエータは、装置の小型化、軽量性、静音性などの諸点において優れた特徴を持っている。
固定子は、貫通孔を有する。貫通孔の一方から筒部材が挿入され、貫通孔の他方から筒部材に差し込み部材が挿入される。線材は筒部材および差し込み部材の一方に固定される。
以下、アクチュエータ100の長軸方向をx軸、短軸方向をy軸、アクチュエータ100の高さ方向をz軸とする。アクチュエータ100の利用場面はさまざまであるが、本実施形態におけるアクチュエータ100は、スマートフォンなどの携帯端末に内蔵され、触覚を作るためのデバイスである、として説明する。アクチュエータ100は、x方向に約20mm、y方向およびz方向はそれぞれ5mm程度の大きさを有する小さな部品である。
固定子102は、携帯端末の筐体に固定される。固定子102には、突起112とくぼみ114が交互に形成される。同様に、移動子104にも、突起116とくぼみ118が交互に形成される。固定子102の突起112が移動子104のくぼみ118に嵌めこまれ、移動子104の突起116が固定子102のくぼみ114に嵌めこまれた状態で、移動子104は固定子102に載置される。固定子102の突起112と移動子104のくぼみ118,移動子104の突起116と固定子102のくぼみ114の噛みあわせにより、移動子104のx方向へのずれが規制される。
スプリング110は、固定子102および移動子104の双方に差し渡され、移動子104がy方向およびz方向へずれるのを抑制する。
アルマイト加工とは、アルミニウムの表面に薄い酸化アルミニウム被膜(絶縁膜)を形成する処理である。酸化アルミニウム被膜の膜厚は20〜40μm程度である。
常温時、SMAワイヤ106は、突起112およびくぼみ114に沿って、固定子102の上に差し渡される。固定子102の突起112には、両側の壁部128により溝126が形成される。同様に、移動子104の突起116にも両側の壁部134により溝132が形成される。固定子102の突起112(移動子104のくぼみ118)においては、SMAワイヤ106は固定子102の溝126の上を通り、固定子102のくぼみ114(移動子104の突起116)にいては、SMAワイヤ106は移動子104の溝132の下を通る。固定子102の壁部128および移動子104の壁部134がSMAワイヤ106の左右方向へのずれを規制することにより、SMAワイヤ106がアクチュエータ100から外れるのを防ぐ。
固定部材108には貫通孔140が形成され、貫通孔140に固定部材108が挿入される。固定部材108は、差し込み部材136と筒部材138を含む。差し込み部材136の溝130にSMAワイヤ106がカシメ固定される。固定子102の下部から、固定部材108a(筒部材138)に電流が供給されると、SMAワイヤ106にも電流が流れる。SMAワイヤ106に電流が流れると、SMAワイヤ106はオースティナイト相に相転移して硬化し、直線状に伸びようとする。SMAワイヤ106が伸長すると、移動子104は上方向(z軸正方向)に押し上げられる。上昇した移動子104が、タッチパネルの裏面を押すことで、タッチパネル表面にあるユーザの指に対して触覚が付与される。
固定子102における貫通孔140の下部からは、まず、筒部材138が挿入される。筒部材138は、円筒形状の部材である(図8等に関連して詳述)。筒部材138の挿入後、貫通孔140の上部から差し込み部材136が挿入される。差し込み部材136は、上凹部120に嵌り込む頭部142と、筒部材138に圧入される脚部144を含む(図8等に関連して詳述)。頭部142に形成される溝130にSMAワイヤ106を差し入れた状態で、脚部144を筒部材138に挿入し、頭部142の上から強い力を加えると、頭部142が筒部材138に当接するまで差し込み部材136の脚部144は筒部材138に圧入される。このとき、溝130も潰されてSMAワイヤ106は差し込み部材136にカシメ固定される。すなわち、筒部材138を下から挿入したあと、SMAワイヤ106をくわえた状態の差し込み部材136を上から圧入することにより、固定部材108の固定子102への固定と、SMAワイヤ106の固定部材108への固定が同時に行われる。
図7は、第1実施形態における固定部材108の外観斜視図である。図8は、第1実施形態(Aタイプ)における固定部材108の分解斜視図である。
筒部材138は、筒部148と台部150を有する。差し込み部材136は、頭部142と脚部144を有する。差し込み部材136の脚部144は筒部材138の筒部148に挿入される。筒部材138の台部150は、固定子102の下凹部122に嵌め込まれる。差し込み部材136の頭部142は、固定子102の上凹部120に嵌め込まれる。上述したように、脚部144を筒部148に圧入したとき、貫通孔140と当接する筒部148を内側から押し広げる方向に大きな力がかかるため、固定部材108は固定子102に強く固定される。
Bタイプの差し込み部材136は、脚部144に切り欠き(スリット)152が形成される点においてAタイプと異なる。差し込み部材136の圧入時において切り欠き152の両脇の分岐脚154が内側に押し込まれる。このため、差し込み部材136を筒部材138に圧入しやすくなる。また、圧入後は、分岐脚154が元の位置、すなわち、外側に戻ろうとするため、この力が筒部材138の内側面に伝わり、固定部材108は貫通孔140に強く固定される。
図10は、第2実施形態における固定部材108の外観斜視図である。図11は、第2実施形態(Aタイプ)における固定部材108の分解斜視図である。
第2実施形態においては、頭部142に形成される溝130によってSMAワイヤ106をカシメ固定するのではなく、筒部材138と差し込み部材136によりSMAワイヤ106を挟むことでSMAワイヤ106を固定部材108に固定する。第2実施形態における筒部材138は、筒部148の両端に上縁部156と下縁部158を含む。上縁部156および下縁部158は、筒部148の外径よりも大きな外径を有する。このため、筒部材138は、上縁部156および下縁部158により貫通孔140と当接する。
Bタイプの差し込み部材136は、第1実施形態と同様、脚部144に切り欠き152が形成される。差し込み部材136の圧入時において切り欠き152の両脇の分岐脚154が内側に押し込まれる。このため、差し込み部材136を筒部材138に圧入しやすくなる。また、圧入後は、分岐脚154が元の位置、すなわち、外側に戻ろうとするため、この力が筒部材138の内側面に伝わり、固定部材108は貫通孔140に強く固定される。分岐脚154の一部には傾斜面160が形成される。図12に示すように、傾斜面160は内側に傾斜するため、差し込み部材136の筒部材138への圧入作業時のガイドとなる。
図13は、第3実施形態における固定部材108の外観斜視図である。図14は、第3実施形態における固定部材108の外観斜視図である。
第3実施形態においては、差し込み部材136の上面に縦方向の溝130が形成される。差し込み部材136の下部には、下方向ほど縮径する傾斜面162が形成される(図14)。第3実施形態においては、筒部材138を固定子102の下部から貫通孔140に挿入し、差し込み部材136を固定子102の上部から筒部材138に圧入する。そのあと、溝130にSMAワイヤ106を差し渡し、差し込み部材136を溝130の両側面から圧迫することでSMAワイヤ106を溝130にカシメ固定する。
図15および図16においても、SMAワイヤ106の固定方法は図6に示した方法と同様である。ここでは、図9に示した差し込み部材136を固定子102に固定する方法の一例を示す。
固定子102の下方から筒部材138を挿入し、固定子102の上方から差し込み部材136を圧入する固定方法であるため、固定子102に固定部材108を効率的かつ安定的に固定できる。貫通孔140の内側面にネジ溝を切るなどの加工が不要であり、接着剤も必須ではないため作業性に優れる。特に、数mm程度の小さなアクチュエータ100においては有効な固定方法である。
Claims (7)
- 形状記憶合金で形成される線材と、
前記線材が差し渡され、かつ、前記線材の端部を固定する固定子と、
前記線材を挟んで前記固定子と対向し、前記線材の伸縮により移動する移動子と、を備え、
前記固定子は、貫通孔を有し、
前記貫通孔の一方から筒部材が挿入され、前記貫通孔の他方から前記筒部材に差し込み部材が挿入され、前記線材は前記筒部材および前記差し込み部材の一方に固定されることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記線材は、前記筒部材および前記差し込み部材の一方にカシメ固定されることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記線材は、前記筒部材および前記差し込み部材に挟まれて固定されることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記差し込み部材は、前記筒部材に挿入される脚部を有し、
前記脚部には、切り欠きが形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記差し込み部材は、前記筒部材に挿入される脚部を有し、
前記脚部の外側面は、前記脚部の先端において内側に傾斜することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記差し込み部材は、前記固定子に当接する頭部、を有し、
前記固定子は凹部を有し、前記凹部に前記貫通孔が形成され、
前記頭部は、前記固定子の凹部にはめ込まれることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記固定子は、アルミニウムにより形成され、かつ、その表面をアルマイト加工される部材であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のアクチュエータ。
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