JP2018021132A - 粘着テープ - Google Patents

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安洋 武田
Yasuhiro Takeda
安洋 武田
義武 重松
Yoshitake Shigematsu
義武 重松
公平 武田
Kohei Takeda
公平 武田
宗重 中川
Muneshige Nakagawa
宗重 中川
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Abstract

【課題】適度に調整された透湿性、優れた通気性、優れた伸縮性を有する粘着テープを提供する。【解決手段】本発明の粘着テープは、支持体と粘着剤層とを有する粘着テープであって、該支持体がポリオレフィン系多孔質フィルムであり、水蒸気透過度計により測定される透湿度が500g/m2・day〜3500g/m2・dayである。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着テープに関する。本発明の粘着テープは、特に、皮膚貼付用に好適である。
絆創膏などの伸縮性粘着テープには、優れた伸縮性が要求されるだけでなく、用途に応じて、適度に調整された透湿性、優れた通気性が求められることがある。例えば、従来の代表的な絆創膏(例えば、特許文献1参照)は、それが有する伸縮性フィルムのポリマー成分としてポリ塩化ビニルを用いているため、防水性はある程度有するものの、通気性が悪く、皮膚に貼付している間に該貼付された部分の皮膚が蒸れてしまって白くなるという浸軟現象が起こってしまう問題がある。また、皮膚貼付用の伸縮性粘着テープにおいては、透湿性も重要なファクターとなる。このような透湿性は、低すぎると、上記浸軟現象が起こってしまうという問題があり、他方、高すぎると、例えば、該伸縮性粘着テープを皮膚に貼付した状態で、その部分を石けん等で洗浄すると、界面活性剤が該粘着テープ表面から浸入してしまい、該伸縮性粘着テープが皮膚から剥がれてしまう等の問題がある。
特開2000−167037号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、適度に調整された透湿性、優れた伸縮性を有する粘着テープを提供することにある。
本発明の粘着テープは、
支持体と粘着剤層とを有する粘着テープであって、
該支持体がポリオレフィン系多孔質フィルムであり、
水蒸気透過度計により測定される透湿度が500g/m・day〜3500g/m・dayである。
一つの実施形態においては、上記透湿度が1000g/m・day〜3400g/m・dayである。
一つの実施形態においては、本発明の粘着テープは、王研式透気度計により測定される透気度が600sec/100cc以上である。
一つの実施形態においては、上記粘着剤層が、該粘着剤層の材料をベタ塗り塗工することによって形成された粘着剤層である。
一つの実施形態においては、上記粘着剤層の材料がアクリル系粘着剤組成物である。
一つの実施形態においては、上記アクリル系粘着剤組成物が(メタ)アクリル系ポリマーを含む。
一つの実施形態においては、上記アクリル系粘着剤組成物がポリプロピレングリコールを含む。
一つの実施形態においては、上記アクリル系粘着剤組成物が架橋剤を含む。
一つの実施形態においては、上記粘着剤層が、該粘着剤層の材料をスプレー塗布、メルトブロー塗布、または格子状塗布によって形成された粘着剤層である。
一つの実施形態においては、上記ポリオレフィン系多孔質フィルムが、ヒステリシス試験において、幅20mm、チャック間距離30mmから、引張速度50mm/分にてチャック間距離60mmまで引張り、1分間保持した後、チャック間距離の引張りをなくしたときの残留歪みが10mm以下となる引張り方向を有する。
一つの実施形態においては、本発明の粘着テープは、皮膚貼付用である。
本発明によれば、適度に調整された透湿性、優れた伸縮性を有する粘着テープを提供することができる。
本発明の粘着テープの一つの実施形態の概略平面図である。 本発明の粘着テープが有するポリオレフィン系多孔質フィルムの一つの実施形態の概略平面図である。 本発明の粘着テープが有するポリオレフィン系多孔質フィルムの別の一つの実施形態の概略平面図である。 残留歪みを測定する際のヒステリシス試験の応力と歪みとの関係を表す図である。
≪粘着テープ≫
本発明の粘着テープは、支持体と粘着剤層とを有する。本発明の粘着テープは、支持体と粘着剤層とを有するものであれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を有していてもよい。本発明の粘着テープは、好ましくは、支持体と粘着剤層とからなる。
図1は、本発明の粘着テープの一つの実施形態の概略平面図である。図1において、本発明の粘着テープ1000は、支持体100と粘着剤層200とからなる。
支持体は、ポリオレフィン系多孔質フィルムである。支持体がポリオレフィン系多孔質フィルムであることにより、適度に調整された透湿性、優れた伸縮性を有する粘着テープを提供することができる。ポリオレフィン系多孔質フィルムについては、後に詳述する。
本発明の粘着テープの厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、好ましくは50μm〜300μmであり、より好ましくは60μm〜250μmであり、さらに好ましくは70μm〜200μmであり、特に好ましくは80μm〜150μmである。本発明の粘着テープの厚みがこのような範囲にあることにより、本発明の効果がより発現し得る。
本発明の粘着テープは、水蒸気透過度計により測定される透湿度が500g/m・day〜3500g/m・dayであり、好ましくは700g/m・day〜3450g/m・dayであり、より好ましくは800g/m・day〜3450g/m・dayであり、さらに好ましくは900g/m・day〜3400g/m・dayであり、特に好ましくは1000g/m・day〜3400g/m・dayである。本発明の粘着テープの水蒸気透過度計により測定される透湿度がこのような範囲にあることにより、適度に調整された透湿性を有する粘着テープを提供することができる。上記透湿度が500g/m・dayより低いと、例えば、そのような粘着テープを皮膚に貼付した場合に、皮膚に貼付している間に該貼付された部分の皮膚が蒸れてしまって白くなるという浸軟現象が起こってしまうおそれがある。上記透湿度が3500g/m・dayより高いと、例えば、そのような粘着テープを皮膚に貼付した状態で、その部分を石けん等で洗浄すると、界面活性剤が該粘着テープ表面から浸入してしまい、該粘着テープが皮膚から剥がれてしまうおそれがある。
本発明の粘着テープは、王研式透気度計により測定される透気度が、好ましくは600sec/100cc以上である。本発明の粘着テープの王研式透気度計により測定される透気度がこのような範囲にあることにより、より適度に調整された透湿性、優れた通気性を有する粘着テープを提供することができる。上記透気度が600sec/100ccより低いと、例えば、そのような粘着テープを皮膚に貼付した状態で、その部分を石けん等で洗浄すると、界面活性剤が該粘着テープ表面から浸入してしまい、該粘着テープが皮膚から剥がれてしまうおそれがある。
本発明の粘着テープの王研式透気度計により測定される透気度は、粘着剤層が、該粘着剤層の材料をベタ塗り塗工することによって形成された粘着剤層である場合、より好ましくは1000sec/100cc以上であり、さらに好ましくは2000sec/100cc以上であり、特に好ましくは3000sec/100cc以上である。上記透気度がこのような範囲にあることにより、より適度に調整された透湿性、優れた通気性を有する粘着テープを提供することができる。
本発明の粘着テープの王研式透気度計により測定される透気度は、粘着剤層が、該粘着剤層の材料をスプレー塗布または格子状塗布によって形成された粘着剤層である場合、より好ましくは600sec/100cc〜50000sec/100ccであり、さらに好ましくは800sec/100cc〜40000sec/100ccであり、特に好ましくは1000sec/100cc〜30000sec/100ccである。上記透気度がこのような範囲にあることにより、より適度に調整された透湿性、優れた通気性を有する粘着テープを提供することができる。
<支持体>
支持体はポリオレフィン系多孔質フィルムである。ポリオレフィン系多孔質フィルムは、好ましくは、表面に空隙を有する伸縮性多孔質フィルムである。ポリオレフィン系多孔質フィルムは、表面に空隙を有することにより、優れた通気性を有する。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、王研式透気度計により測定される透気度が、好ましくは99999sec/100cc未満であり、より好ましくは80000sec/100cc未満であり、さらに好ましくは70000sec/100cc未満であり、さらに好ましくは60000sec/100cc未満であり、特に好ましくは50000sec/100cc未満であり、最も好ましくは40000sec/100cc未満である。ポリオレフィン系多孔質フィルムの王研式透気度計により測定される透気度が上記範囲内にあれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた通気性を有することができ、ひいては、本発明の粘着テープは、より適度に調整された透湿性、より優れた通気性を有することができる。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、100%伸長した状態での王研式透気度計により測定される透気度が60000sec/100cc未満となる伸長方向を有する。この透気度は、好ましくは50000sec/100cc未満であり、より好ましくは40000sec/100cc未満であり、さらに好ましくは30000sec/100cc未満であり、特に好ましくは10000sec/100cc未満であり、最も好ましくは5000sec/100cc未満である。ポリオレフィン系多孔質フィルムが、100%伸長した状態での王研式透気度計により測定される透気度が上記範囲内となる伸長方向を有すれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、伸長状態において優れた通気性を有することができ、ひいては、本発明の粘着テープは、伸長状態において、より適度に調整された透湿性、より優れた通気性を有することができる。
なお、上記「伸長方向を有する」とは、ポリオレフィン系多孔質フィルムにおいて、上記透気度が上記範囲内となる伸長方向を少なくとも1方向有すればよいことを意味する。このような伸長方向としては、代表的には、ポリオレフィン系多孔質フィルムが未延伸のフィルムである場合は該フィルムの全ての方向が好ましく挙げられ、ポリオレフィン系多孔質フィルムが一軸延伸されたフィルムである場合は該延伸の方向と直交する方向(長手(MD)方向に延伸した場合はCD方向)が好ましく挙げられる。また、ポリオレフィン系多孔質フィルムが二軸延伸されたフィルムである場合は、同時延伸か逐次延伸か、二軸の延伸倍率の違い、などの各種条件により、上記透気度が上記範囲内となる伸長方向が決まることになる。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、好ましくは、ヒステリシス試験において、幅20mm、チャック間距離30mmから、引張速度50mm/分にてチャック間距離60mmまで引張り、1分間保持した後、チャック間距離の引張りをなくしたときの残留歪みが10mm以下となる引張り方向を有する。この残留歪みは、好ましくは9mm〜1mmであり、より好ましくは8mm〜1mmであり、さらに好ましくは7mm〜1mmであり、特に好ましくは6mm〜2mmであり、最も好ましくは5mm〜3mmである。ポリオレフィン系多孔質フィルムが、上記残留歪みが上記範囲内となる引張り方向を有すれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、優れた伸縮性を有することができ、ひいては、本発明の粘着テープは、優れた伸縮性を有することができる。
なお、上記「引張り方向を有する」とは、ポリオレフィン系多孔質フィルムにおいて、上記残留歪みが上記範囲内となる引張り方向が少なくとも1方向有すればよいことを意味する。このような引張り方向としては、代表的には、ポリオレフィン系多孔質フィルムが未延伸のフィルムである場合は該フィルムの全ての方向が好ましく挙げられ、ポリオレフィン系多孔質フィルムが一軸延伸されたフィルムである場合は該延伸の方向と直交する方向(長手(MD)方向に延伸した場合はCD方向)が好ましく挙げられる。また、ポリオレフィン系多孔質フィルムが二軸延伸されたフィルムである場合は、同時延伸か逐次延伸か、二軸の延伸倍率の違い、などの各種条件により、上記残留歪みが上記範囲内となる引張り方向が決まることになる。
ポリオレフィン系多孔質フィルムの厚みは、好ましくは30μm〜300μmであり、より好ましくは40μm〜200μmであり、さらに好ましくは50μm〜150μmであり、特に好ましくは60μm〜140μmであり、最も好ましくは70μm〜120μmである。ポリオレフィン系多孔質フィルムの厚みが上記範囲内にあれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性およびより優れた通気性を有することができ、ひいては、本発明の粘着テープは、より優れた伸縮性およびより優れた通気性を有することができる。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、好ましくは、ポリマー成分と充填剤を含む。
図2は、本発明の一つの実施形態によるポリオレフィン系多孔質フィルムの一例の概略平面図である。図1において、伸縮性多孔質フィルム100は、ポリマー成分10と充填剤20を含む。
図2は、本発明の粘着テープが有するポリオレフィン系多孔質フィルムの一つの実施形態の概略平面図である。図2において、ポリオレフィン系多孔質フィルム(支持体)100は、ポリマー成分10と充填剤20を含み、さらに空隙30を含む。
ポリオレフィン系多孔質フィルムが図2に示すような実施形態である場合、伸長を行うことで図3に示すような実施形態となり得る。すなわち、ポリオレフィン系多孔質フィルムが図2に示すような実施形態である場合、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、伸長を行うことで表面に適度な空隙が生じ得る。この適度な空隙により、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、十分な通気性を発現することできる。さらに、従来の代表的な絆創膏と同様、防水性も有することができる。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、図2に示すような実施形態である場合、充填剤の存在によって、ポリマー成分と充填剤との界面が存在するため、伸長を行わなくても優れた通気性を発現し得る。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、用いる部位の要求性能に応じて、図2に示すような実施形態や図3に示すような実施形態を採用し得る。
ポリオレフィン系多孔質フィルムにおいて、ポリマー成分は、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なポリマー成分を採用し得る。
ポリマー成分は、好ましくはポリオレフィン系ポリマーであり、より好ましくはプロピレン系エラストマーを含む。
ポリマー成分がプロピレン系エラストマーを含むことにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、ポリマー成分がプロピレン系エラストマーを含むことにより、充填剤と組み合わせることで、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた通気性を発現し得る。
プロピレン系エラストマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリオレフィン系多孔質フィルムがプロピレン系エラストマーを含むことによって、熱安定性が向上し、例えば、ポリオレフィン系多孔質フィルムを製造する際の熱劣化を抑制し得る。また、ポリオレフィン系多孔質フィルムがプロピレン系エラストマーを含むことによって、保存安定性が向上し、ポリオレフィン系多孔質フィルムを保存している間における物性値の変動を抑制し得る。
ポリオレフィン系多孔質フィルムがプロピレン系エラストマーを含むことによって、ポリオレフィン系多孔質フィルムの製造工程が簡素化でき、加工費を抑制し得る。これは、プロピレン系エラストマーを採用すると、ポリオレフィン系多孔質フィルムを製造する際に押出成形することが可能となり、マスターバッチを作製する必要がなくなり得るからである。
ポリマー成分中のプロピレン系エラストマーの含有割合は、本発明の効果がより発現する点で、好ましくは30重量%〜100重量%であり、より好ましくは40重量%〜95重量%であり、さらに好ましくは50重量%〜90重量%であり、特に好ましくは55重量%〜85重量%であり、最も好ましくは60重量%〜80重量%である。ポリマー成分中のプロピレン系エラストマーの含有割合を上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、ポリマー成分中のプロピレン系エラストマーの含有割合を上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
プロピレン系エラストマーとしては、例えば、プロピレンコポリマー、プロピレンオレフィンブロックコポリマー、プロピレンオレフィンランダムコポリマー、プロピレンエチレンオレフィンブロックコポリマー、アモルファスポリプロピレンなどが挙げられる。
プロピレン系エラストマーとしては、その密度が、好ましくは0.890g/cm〜0.830g/cmであり、より好ましくは0.888g/cm〜0.835g/cmであり、さらに好ましくは0.886g/cm〜0.835g/cmであり、特に好ましくは0.885g/cm〜0.840g/cmであり、最も好ましくは0.885g/cm〜0.845g/cmである。プロピレン系エラストマーの密度を上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、プロピレン系エラストマーの密度を上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
プロピレン系エラストマーとしては、その230℃で2.16kgfにおけるMFRが、好ましくは0.1g/10分〜18g/10分であり、より好ましくは0.5g/10分〜15g/10分であり、さらに好ましくは1.0g/10分〜10g/10分であり、特に好ましくは1.5g/10分〜7g/10分であり、最も好ましくは2g/10分〜5g/10分である。プロピレン系エラストマーの上記MFRを上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、プロピレン系エラストマーの上記MFRを上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
プロピレン系エラストマーは、市販品として入手することも可能である。このような市販品としては、例えば、三井化学株式会社製の「タフマー」(登録商標)シリーズの中のいくつか、エクソンモービル社製の「ビスタマックス(Vistamaxx)」(登録商標)シリーズの中のいくつか(例えば、ビスタマックス7010等)が挙げられる。
プロピレン系エラストマーは、好ましくは、メタロセン系エラストマー(メタロセン系エラストマーであるプロピレン系エラストマーをメタロセンポリプロピレン系エラストマーと称することがある)である。メタロセン系エラストマーとは、メタロセン触媒を用いて製造されたエラストマーである。プロピレン系エラストマーとしてメタロセン系エラストマーを採用することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、プロピレン系エラストマーとしてメタロセン系エラストマーを採用することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
ポリマー成分は、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンを含む。
ポリマー成分がプロピレン系エラストマーとともに直鎖状低密度ポリエチレンを含むことにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、ポリマー成分がプロピレン系エラストマーとともに直鎖状低密度ポリエチレンを含むことにより、充填剤と組み合わせることで、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた通気性を発現し得る。
直鎖状低密度ポリエチレンは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリオレフィン系多孔質フィルムがプロピレン系エラストマーとともに直鎖状低密度ポリエチレンを含むことによって、熱安定性が向上し、例えば、ポリオレフィン系多孔質フィルムを製造する際の熱劣化を抑制し得る。また、ポリオレフィン系多孔質フィルムがプロピレン系エラストマーとともに直鎖状低密度ポリエチレンを含むことによって、保存安定性が向上し、ポリオレフィン系多孔質フィルムを保存している間における物性値の変動を抑制し得る。
ポリオレフィン系多孔質フィルムがプロピレン系エラストマーとともに直鎖状低密度ポリエチレンを含むことによって、ポリオレフィン系多孔質フィルムの製造工程が簡素化でき、加工費を抑制し得る。これは、プロピレン系エラストマーとともに直鎖状低密度ポリエチレンを採用すると、ポリオレフィン系多孔質フィルムを製造する際に押出成形することが可能となり、マスターバッチを作製する必要がなくなり得るからである。
ポリマー成分中の直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合は、本発明の効果がより発現する点で、好ましくは0重量%〜70重量%であり、より好ましくは5重量%〜60重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜50重量%であり、特に好ましくは15重量%〜45重量%であり、最も好ましくは20重量%〜40重量%である。ポリマー成分中の直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合を上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、ポリマー成分中の直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合を上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
直鎖状低密度ポリエチレンとしては、その密度が、好ましくは0.910g/cm〜0.940g/cmである。直鎖状低密度ポリエチレンの密度を上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、直鎖状低密度ポリエチレンの密度を上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
直鎖状低密度ポリエチレンとしては、その230℃で2.16kgfにおけるMFRが、好ましくは1g/10分〜50g/10分である。直鎖状低密度ポリエチレンの上記MFRを上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、直鎖状低密度ポリエチレンの上記MFRを上記範囲内とすれば、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
直鎖状低密度ポリエチレンは、市販品として入手することも可能である。このような市販品としては、例えば、株式会社プライムポリマー製の「ウルトゼックス」(登録商標)シリーズの中のいくつかが挙げられる。
直鎖状低密度ポリエチレンは、好ましくは、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンである。メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンとは、メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンである。直鎖状低密度ポリエチレンとしてメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンを採用することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、鎖状低密度ポリエチレンとしてメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンを採用することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、好ましくは、充填剤を含む。充填剤としては、好ましくは、無機粒子、有機粒子から選ばれる少なくとも1種である。充填剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。ポリオレフィン系多孔質フィルムが充填剤を含むことにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた通気性を発現し得る。
無機粒子としては、例えば、タルク、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、マイカ、硫酸バリウム、ウィスカー、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
有機粒子としては、例えば、アクリルビーズ、スチレンビーズ、シリコーン樹脂粒子などが挙げられる。
充填剤の平均粒径としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な平均粒径を採用し得る。このような充填剤の平均粒径としては、好ましくは0.5μm〜50μmである。充填剤の平均粒径を上記範囲内に調整することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた通気性を発現し得る。
充填剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有量を採用し得る。このような充填剤の含有量としては、ポリオレフィン系多孔質フィルム中のポリマー成分100重量部に対して、好ましくは50重量部〜400重量部である。充填剤の含有量を上記範囲内に調整することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた通気性を発現し得る。
充填剤は、凝集防止のために、離型剤によってコーティングされていてもよい。このような離型剤としては、例えば、脂肪酸アマイド系離型剤、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキル系離型剤等が挙げられる。好ましくは脂肪酸アマイド系離型剤であり、より好ましくは飽和脂肪酸ビスアマイドである。離型剤の使用量は、任意の適切な使用量を採用し得る。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含んでいても良い。これらは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このような他の成分としては、例えば、紫外線吸収剤、耐熱安定化剤、充填剤、滑剤、着色剤(染料など)、酸化防止剤、目ヤニ防止剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、他のポリマー、粘着付与剤、可塑剤、劣化防止剤、帯電防止剤、光安定化剤などが挙げられる。これらは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物等が挙げられる。紫外線吸収剤の含有量は、成形時にブリードアウトしない限りにおいて、任意の適切な含有量を採用し得る。
耐熱安定化剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物およびシアノアクリレート系化合物等が挙げられる。耐熱安定化剤の含有量は、成形時にブリードアウトしない限りにおいて、任意の適切な含有量を採用し得る。
支持体の、粘着剤層が存在する面と反対側の表面は、背面処理が施されていても良い。すなわち、支持体の、粘着剤層が存在する面と反対側の表面は、背面処理面であってもよい。このような背面処理としては、例えば、シリコーン系剥離剤や長鎖アルキル型剥離剤、非シリコーン系剥離剤、ハードコート剤が挙げられる。
<支持体の製造>
支持体であるポリオレフィン系多孔質フィルムを製造する方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。
ポリオレフィン系多孔質フィルムを製造する方法としては、代表的には、Tダイ成形機を用いて成型して製造する方法が挙げられる。例えば、Tダイ成形機を用いて、本発明の伸縮性多孔質フィルムの材料を、Tダイから押出し、その後、ロール状に巻き取ることによって、伸縮性多孔質フィルムのロール体を製造することができる。Tダイを用いるTダイ法以外に、インフレーション法なども採用し得る。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、未延伸フィルムが延伸処理されたものであってもよい。このような、未延伸フィルムを延伸処理することを、事前伸長と称することがある。ポリオレフィン系多孔質フィルムは、未延伸フィルムが延伸処理されたものであることにより、より優れた伸縮性を発現し得る。また、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、未延伸フィルムが延伸処理されたものであることにより、充填剤と組み合わせることで、優れた通気性をより発現し得る。
事前伸長は、ポリオレフィン系多孔質フィルムが最終利用において再度伸長されること(後伸長)に対して、予め伸長しておくという意味の事前伸長である。
事前伸長は、好ましくは、ポリオレフィン系多孔質フィルムを製造して十分に固化した後に行う。
事前伸長は、少なくとも1方向において、その元の長さまたは幅に対して全体に行っても良いし、部分的に行っても良い。また、事前伸長は、任意の方向に行うことができる。事前伸長は、好ましくは、少なくとも1方向において、その元の長さまたは幅に対して行う。
事前伸長の伸長度合は、好ましくは1.5倍以上5.5倍未満であり、より好ましくは2.0倍以上5.5倍未満であり、さらに好ましくは2.5倍以上5.5倍未満であり、さらに好ましくは3.0倍以上5.5倍未満であり、さらに好ましくは3.5倍以上5.5倍未満であり、さらに好ましくは4.0倍以上5.5倍未満であり、特に好ましくは4.0倍以上5.0倍以下である。このような伸長度合で事前伸長することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、このような伸長度合で事前伸長することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
事前伸長の伸長度合は、好ましくは1.5倍以上2.5倍未満(代表的には2.0倍)、より好ましくは2.5倍以上3.5倍未満(代表的には3.0倍)、さらに好ましくは3.5倍以上4.5倍未満(代表的には4.0倍)、特に好ましくは4.5倍以上5.5倍未満(代表的には5.0倍)である。なお、例えば、2.0倍の事前伸長とは、原長をLとしたときに2Lに伸長(延伸と称する場合もある)することを意味する。このような伸長度合で事前伸長することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、このような伸長度合で事前伸長することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
事前伸長は、好ましくは、ポリマー成分の融点未満の温度で実施される。このような温度で事前伸長することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、より優れた伸縮性を発現し得る。また、このような温度で事前伸長することにより、ポリオレフィン系多孔質フィルムは、充填剤と組み合わせることで、より優れた通気性を発現し得る。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、好ましくは、このように事前伸長させることにより、ポリマー成分が塑性変形したりポリマーの脆性破壊点を超えて伸長されたりして、優れた伸縮性を発現し得る。
<粘着剤層>
粘着剤層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着剤層を採用し得る。このような粘着剤層としては、好ましくは、該粘着剤層の材料である粘着剤組成物から形成される。具体的には、例えば、粘着剤層の材料である粘着剤組成物(a)をベタ塗り塗工することによって形成された粘着剤層、粘着剤層の材料である粘着剤組成物(b)をスプレー塗布、メルトブロー塗布、または格子状塗布によって形成された粘着剤層が挙げられる。
粘着剤層の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、好ましくは5μm〜150μmであり、より好ましくは10μm〜100μmであり、さらに好ましくは20μm〜80μmであり、特に好ましくは20μm〜60μmである。粘着剤層の厚みがこのような範囲にあることにより、本発明の効果がより発現し得る。
粘着剤組成物(a)としては、ベタ塗り塗工することによって粘着剤層を形成できる粘着剤組成物であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着剤組成物を採用し得る。粘着剤組成物(a)としては、好ましくは、透湿性を有する粘着剤組成物が挙げられる。透湿性を有する粘着剤組成物であれば、それを用いてベタ塗り塗工することによって粘着剤層を形成しても、該粘着剤層が透湿性を発現できるからである。
上記のような透湿性を有する粘着剤組成物としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な透湿性を有する粘着剤組成物を採用し得る。透湿性を有する粘着剤組成物としては、例えば、特許第3935619号公報に記載のアクリル系粘着剤組成物が挙げられる。
アクリル系粘着剤組成物としては、好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマーを含む。ここで、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルの意である。(メタ)アクリル系ポリマーは、共重合体の場合、ブロック型、ランダム型など、任意の適切な構造を有し得る。
アクリル系粘着剤組成物としては、例えば、(メタ)アクリル系ポリマーを有機溶媒中に溶解または分散した溶液型の形態、(メタ)アクリル系ポリマーを水中に分散させた水分散型の形態など、任意の適切な形態が含まれる。溶液型の形態のアクリル系粘着剤組成物における有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、酢酸エチルなどが挙げられる。
アクリル系粘着剤組成物中の(メタ)アクリル系ポリマーの含有割合は、好ましくは1重量%〜99重量%であり、より好ましくは3重量%〜97重量%であり、さらに好ましくは5重量%〜95重量%であり、特に好ましくは7重量%〜93重量%である。
(メタ)アクリル系ポリマーを構成するためのモノマー成分は、好ましくは、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;などの(メタ)アクリル系モノマーを含む。
(メタ)アクリル系ポリマーを構成するためのモノマー成分は、他のモノマーを含んでいてもよい。このような他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、スチレンなどが挙げられる。
他のモノマーの中でも、N−ビニルピロリドンが好ましい。(メタ)アクリル系ポリマーを構成するためのモノマー成分中に他のモノマーとしてN−ビニルピロリドンを含む場合、全モノマー成分中のN−ビニルピロリドンの含有割合は、好ましくは1重量部〜10重量部であり、より好ましくは3重量%〜8重量%である。
(メタ)アクリル系ポリマーの好ましい実施形態の一つは、(メタ)アクリル系モノマーとN−ビニルピロリドンとの共重合体を含む。例えば、(メタ)アクリル系モノマーとN−ビニルピロリドンとの共重合体からなる(メタ)アクリル系ポリマー、(メタ)アクリル系モノマーとN−ビニルピロリドンとの共重合体とN−ビニルピロリドンを含まないモノマー成分から構成された(メタ)アクリル系ポリマーとの混合物などが挙げられる。
(メタ)アクリル系ポリマーとしては、「粘着技術ハンドブック」(発行所:日刊工業新聞社、1997年3月31日発行)の「アクリル系粘着剤」の章の第435頁〜第494頁に記載された粘着剤、特に、第488頁〜第494頁に記載のモノマー類から得られるポリマーをいずれも採用し得る。
アクリル系粘着剤組成物は、好ましくは、ポリプロピレングリコールを含む。アクリル系粘着剤組成物がポリプロピレングリコールを含むことにより、粘着剤層の形成時に、粘着剤層に十分な透湿性を与えることができる。
ポリプロピレングリコールの数平均分子量は、好ましくは400〜6000であり、より好ましくは400〜4000であり、さらに好ましくは1000〜4000であり、特に好ましくは2000〜4000である。数平均分子量が2000より小さいポリプロピレングリコールを使用すると、粘着剤層を剥がした時に、被着体の表面に粘着剤層が残る場合がある。しかしながら、粘着剤層を剥がす必要のない用途、残っても問題を生じない用途では、2000より小さい数平均分子量のポリプロピレングリコールを使用しても差し支えない。なお、ポリプロピレングリコールとしては、例えば、三洋化成社製のニューポールシリーズPP−4000,PP−3000,PP−2000,PP−1000,PP−400(いずれも商品名)を使用することができる。
アクリル系粘着剤組成物中のポリプロピレングリコールの含有割合は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、好ましくは5重量部〜35重量部であり、より好ましくは10重量部〜25重量部である。
アクリル系粘着剤組成物中のポリプロピレングリコールの含有割合が、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して5重量部より少ない場合、粘着剤層に所望の透湿性を与えることができないおそれがある。アクリル系粘着剤組成物中のポリプロピレングリコールの含有割合が、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して35重量部より多い場合、正常な粘着剤層の形成が困難であるおそれがある。ただし、上記でも説明したように、粘着剤層が残っても問題のない用途であれば、この範囲以外の含有割合でも差し支えない。
アクリル系粘着剤組成物は、凝集力を高めかつ被着体への粘着性を向上させる等の目的のために、架橋剤が含まれていてもよい。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤が好ましい。具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチロールプロパン(TMP)−TDI付加物、多官能性芳香族ポリイソシアネート(TDI重合体)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、およびこれらの部分変性体、などが挙げられる。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤以外に、他の架橋剤も採用し得る。このような他の架橋剤としては、(メタ)アクリル系ポリマーの架橋に使用し得るものが挙げられ、例えば、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、メラミン系架橋剤、特公平6−99671号公報に記載された変性イソシアネート系架橋剤などが挙げられる。
架橋剤は、好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して0.05重量部〜5重量部含まれる。
アクリル系粘着剤組成物には、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、安定剤、着色剤、充填剤、可塑剤、タッキファイヤー樹脂などが挙げられる。
粘着剤組成物(b)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着剤組成物を採用し得る。このような粘着剤組成物(b)としては、例えば、アクリル系粘着剤組成物、オレフィン系粘着剤組成物、スチレン系粘着剤組成物などが挙げられる(例えば、特許第3935619号公報、特開平6−16542号公報、特開平1−297069号公報などに記載)。
≪粘着テープの用途≫
本発明の粘着テープは、本発明の効果を有効に利用できる任意の適切な用途に用いることができる。このような用途としては、好ましくは、皮膚貼付用である。皮膚貼付用の本発明の粘着テープとしては、代表的には、例えば、絆創膏などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。また、特に断りがない限り、部は重量部を意味し、%は重量%を意味する。
<透湿度>
透湿度は、水蒸気透過度計(g/m・day)(Lyssy社製、L80−5000型)を用いて、温度40℃×湿度90%の条件下において測定した。
<透気度>
透気度は、王研式透気度計(sec/100cc)(旭精工株式会社製、商品名:EG01−7−7MR)を用いて測定した。
<残留歪み>
図3に示すようなヒステリシス試験を、幅20mmの試験片について、チャック間距離30mmから、引張速度50mm/分にてチャック間距離60mmまで引張り、1分間保持した後、チャック間距離の引張りをなくすまで行い、チャック間距離の引張りをなくしたときの残留歪みを測定した。なお、残留歪みの測定については、製造したフィルムが一軸延伸されたフィルムである場合は、引張り方向を、該延伸の方向と直交する方向(長手(MD)方向に延伸した場合はCD方向)とした。
<浸軟現象の評価>
サンプルを、CD方向80mm×長手方向20mmにカットし、指先に巻き付け、24時間後の巻き付け部の皮膚の状態を観察し、下記の基準で評価した。
皮膚が通常と変わらない場合:○
皮膚が白くなっている場合:×
<粘着テープ表面からの界面活性剤の浸入の評価>
台所用合成洗剤(P&G社製、JOY、界面活性剤濃度34%)を水で薄めて、界面活性剤濃度17%の液を調製した。
サンプルを、CD方向80mm×長手方向20mmにカットし、SUS板に貼付し、上記で調製した界面活性剤濃度17%の液に浸けて、30分後にSUS板を引き上げ、剥がれの様子を確認した。
容易に剥がれない:○
粘着テープ表面から界面活性剤が浸入してすぐに剥がれる:×
〔実施例1〕
メタロセンポリプロピレン系エラストマー(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス7010、密度=0.861g/cm、MFR=3g/10分):140重量部、炭酸カルシウム(平均粒子径=1.1μm):200重量部、ステアリン酸:1重量部、酸化防止剤:1重量部を、180℃で溶融混練し、混合材料を得た。
得られた混合材料を押出機に投入し、Tダイから溶融押出を行い、1軸ロール延伸方式により、延伸温度60℃、延伸倍率4倍で長手(MD)方向に延伸して、厚みが100μmの伸縮性多孔質フィルム(1)を得た。伸縮性多孔質フィルム(1)の残留歪みは3.0mmであった。
有機溶剤型アクリル系粘着剤(ビッグテクノス社製、リキダインAR−2404):100重量部に、架橋剤としてコロネートL−55E(東ソー株式会社製):1重量部を添加し、剥離紙上に厚み30μmになるようにベタ塗り塗工し、100℃の乾燥機に通し、粘着剤層(1)を得た。
伸縮性多孔質フィルム(1)と粘着剤層(1)を貼り合せ、粘着テープ(1)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例2〕
SIS系共重合体(日本ゼオン株式会社製、クインタック3433N):100重量部に、芳香族変性テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製、YSレジンTO−L):100重量部、芳香族変性水添テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製、クリアロンM105):50重量部を添加して混合した。これを、剥離紙上に30g/mの坪量でスプレー塗布(温度180℃)し、粘着剤層(2)を得た。
実施例1で得られた伸縮性多孔質フィルム(1)と粘着剤層(2)を貼り合せ、粘着テープ(2)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例3〕
延伸倍率を5倍に変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚みが100μmの伸縮性多孔質フィルム(3)を得た。伸縮性多孔質フィルム(3)の残留歪みは3.1mmであった。
伸縮性多孔質フィルム(3)と実施例2で得られた粘着剤層(2)を貼り合せ、粘着テープ(3)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例1〕
延伸しなかった以外は、実施例1と同様に行い、厚みが100μmの伸縮性多孔質フィルム(C1)を得た。伸縮性多孔質フィルム(C1)の残留歪みは4.8mmであった。
伸縮性多孔質フィルム(C1)と実施例1で得られた粘着剤層(1)を貼り合せ、粘着テープ(C1)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例2〕
延伸倍率を2倍に変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚みが100μmの伸縮性多孔質フィルム(C2)を得た。伸縮性多孔質フィルム(C2)の残留歪みは2.8mmであった。
伸縮性多孔質フィルム(C2)と実施例2で得られた粘着剤層(2)を貼り合せ、粘着テープ(C2)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例3〕
延伸倍率を6倍に変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚みが100μmの伸縮性多孔質フィルム(C3)を得た。伸縮性多孔質フィルム(C3)の残留歪みは3.2mmであった。
伸縮性多孔質フィルム(C3)と実施例2で得られた粘着剤層(2)を貼り合せ、粘着テープ(C3)を得た。
結果を表1に示した。
Figure 2018021132
本発明の粘着テープは、本発明の効果を有効に利用できる任意の適切な用途に用いることができる。このような用途としては、好ましくは、皮膚貼付用である。
ポリマー成分 10
充填剤 20
空隙 30
支持体(伸縮性多孔質フィルム) 100
粘着剤層 200
粘着テープ 1000

Claims (11)

  1. 支持体と粘着剤層とを有する粘着テープであって、
    該支持体がポリオレフィン系多孔質フィルムであり、
    水蒸気透過度計により測定される透湿度が500g/m・day〜3500g/m・dayである、
    粘着テープ。
  2. 前記透湿度が1000g/m・day〜3400g/m・dayである、請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 王研式透気度計により測定される透気度が600sec/100cc以上である、請求項1または2に記載の粘着テープ。
  4. 前記粘着剤層が、該粘着剤層の材料をベタ塗り塗工することによって形成された粘着剤層である、請求項1から3までのいずれかに記載の粘着テープ。
  5. 前記粘着剤層の材料がアクリル系粘着剤組成物である、請求項4に記載の粘着テープ。
  6. 前記アクリル系粘着剤組成物が(メタ)アクリル系ポリマーを含む、請求項5に記載の粘着テープ。
  7. 前記アクリル系粘着剤組成物がポリプロピレングリコールを含む、請求項6に記載の粘着テープ。
  8. 前記アクリル系粘着剤組成物が架橋剤を含む、請求項6または7に記載の粘着テープ。
  9. 前記粘着剤層が、該粘着剤層の材料をスプレー塗布、メルトブロー塗布、または格子状塗布によって形成された粘着剤層である、請求項1から3までのいずれかに記載の粘着テープ。
  10. 前記ポリオレフィン系多孔質フィルムが、ヒステリシス試験において、幅20mm、チャック間距離30mmから、引張速度50mm/分にてチャック間距離60mmまで引張り、1分間保持した後、チャック間距離の引張りをなくしたときの残留歪みが10mm以下となる引張り方向を有する、請求項1から9までのいずれかに記載の粘着テープ。
  11. 皮膚貼付用である、請求項1から10までのいずれかに記載の粘着テープ。

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