JP2018020269A - 静電霧化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラジカルの生成量を増大させることができ、かつ、オゾンが増大することは抑えることができる静電霧化装置を提案する。
【解決手段】放電電極1、電圧印加部2、液体供給部3、対向電極4、通電路5および制限抵抗6を備える静電霧化装置。液体供給部3は、静電霧化用の液体35を放電電極1に供給する。通電路5は、放電電極1と対向電極4を電気的に接続させる。電圧印加部2は、通電路5中に配置され、放電電極1と対向電極4の間に電圧を印加することで、放電電極1と対向電極4をつなぐように絶縁破壊された放電経路を、断続的に生じさせる。制限抵抗6は、通電路5のうち、電圧印加部2と対向電極4を電気的につなぐ第1通電路51中、または電圧印加部2と放電電極1を電気的につなぐ第2通電路52中に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は静電霧化装置に関し、より詳細には、放電電極に保持された液体を静電霧化して帯電微粒子液を生成する静電霧化装置に関する。
従来の静電霧化装置では、放電電極に液体を保持させた状態でコロナ放電を生じさせ、コロナ放電のエネルギーによって該液体を静電霧化させて、ラジカルを含んだ帯電微粒子液を生成する(たとえば特許文献1参照)。
特開2011−67738号公報
静電霧化装置においては、ラジカルの生成量を増大させたいという要求と、このときにオゾンが生じることを抑えたいという要求がある。しかし、上記した従来の静電霧化装置では、2つの要求をともに満たすことは困難である。
本発明は、ラジカルの生成量を増大させることができ、かつ、このときにオゾンが増大することを抑えることのできる静電霧化装置を提案することを、目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の静電霧化装置は、放電電極と、前記放電電極に対向して位置する対向電極と、静電霧化用の液体を前記放電電極に供給する液体供給部と、前記放電電極と前記対向電極を電気的に接続させる通電路と、前記通電路中に配置され、前記放電電極と前記対向電極との間に電圧を印加することで、前記放電電極と前記対向電極をつなぐように絶縁破壊された放電経路を、断続的に生じさせる電圧印加部と、前記通電路に配置される制限抵抗を具備する。
前記制限抵抗は、前記通電路のうち、前記電圧印加部と前記対向電極を電気的につなぐ第1通電路、または前記電圧印加部と前記放電電極を電気的につなぐ第2通電路に配置される。
これにより、絶縁破壊された放電経路を通じて大きな瞬間電流が流れるので、コロナ放電に比べて大量のラジカルの生成し、このラジカルを含んだ帯電微粒子液を放出することができ、かつ、オゾンの増大は抑えられる。
本発明の静電霧化装置は、ラジカルの生成量を増大させることができ、かつ、このときにオゾンが増大することを抑えることができるという効果を奏し、加えて、瞬間電流の電流ピークは抑えることができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態の静電霧化装置を示す概略図である。 図2Aはコロナ放電で流れる電流を概略的に示すグラフ図であり、図2Bは、リーダ放電で流れる電流を概略的に示すグラフ図である。 図3は、同上の静電霧化装置の変形例を示す概略図である。 図4Aは、第2実施形態の静電霧化装置を示す概略図であり、図4Bは、同上の静電霧化装置の変形例を示す概略図である。 図5は、第3実施形態の静電霧化装置を示す概略図である。 図6Aは、第4実施形態の静電霧化装置の要部を示す斜視図であり、図6Bは、第5実施形態の静電霧化装置の要部を示す斜視図であり、図6Cは、第6実施形態の静電霧化装置の要部を示す斜視図である。 図7は、第7実施形態の静電霧化装置を示す斜視図である。 図8は、同上の静電霧化装置を示す平面図である。 図9は、同上の静電霧化装置を示す側断面図である。 図10Aは、同上の静電霧化装置の変形例を示す平面図であり、図10Bは、同上の静電霧化装置の別の変形例を示す平面図である。 図11は、同上の静電霧化装置の別の変形例の要部を示す平面図である。 図12Aは、同上の静電霧化装置の別の変形例の要部を示す側面図であり、図12Bは、図12AのA部拡大図である。 図13は、図12Aと図12Bに示す変形例の針状電極部を成形する工程を示す断面図である。 図14は、同上の静電霧化装置の別の変形例の要部を示す斜視図である。 図15Aは、第8実施形態の静電霧化装置を示す下面図であり、図15Bは、同上の静電霧化装置に蓋を設けた場合を示す斜視図である。 図16は、同上の静電霧化装置の変形例を示す斜視図である。 図17は、同上の静電霧化装置の別の変形例を示す斜視図である。 図18Aは、対向電極−抵抗間の配線長さと有効成分量の関係を示すグラフ図であり、図18Bは、電圧印加部−抵抗間の配線長さと有効成分量の関係を示すグラフ図である。 図19は、図18Aと図18Bのグラフ図の測定を行った装置を示す概略図である。
第1の発明は、放電電極と、前記放電電極に対向して位置する対向電極と、静電霧化用の液体を前記放電電極に供給する液体供給部と、前記放電電極と前記対向電極を電気的に接続させる通電路と、前記通電路中に配置され、前記放電電極と前記対向電極との間に電圧を印加することで、前記放電電極と前記対向電極をつなぐように絶縁破壊された放電経路を、断続的に生じさせる電圧印加部と、前記通電路に配置される制限抵抗を具備する静電霧化装置である。前記制限抵抗は、前記通電路のうち、前記電圧印加部と前記対向電極を電気的につなぐ第1通電路、または前記電圧印加部と前記放電電極を電気的につなぐ第2通電路に配置される。
第1の発明では、絶縁破壊された放電経路を通じて大きな瞬間電流が流れるので、コロナ放電に比べて大きなエネルギーでラジカルを生成し、このラジカルを含んだ帯電微粒子液を外部に放出することができ、かつ、オゾンが増大することは抑えられる。加えて、瞬間電流の電流ピークが高くなり過ぎることは制限抵抗で抑えられるので、NOxの発生や電気的ノイズの影響は抑制される。
第2の発明においては、特に、第1の発明の前記制限抵抗が、前記第1通電路に配置され、前記第1通電路における前記対向電極と前記制限抵抗の間の配線の長さは、30mm以内で設定される。これにより、前記放電電極と前記対向電極の間で生じる放電が、配線の浮遊容量の影響によって不安定化することが、抑えられる。
第3の発明においては、特に、第2の発明の前記制限抵抗が、前記対向電極に対して電気的にかつ機械的に直接接続される。これにより、前記放電電極と前記対向電極の間で生じる放電が、配線の浮遊容量の影響によって不安定化することが、抑えられる。
第4の発明においては、特に、第1の発明の前記制限抵抗が、前記第1通電路に配置され、前記第1通電路における前記電圧印加部と前記制限抵抗の間の配線の長さは、200mm以内で設定される。これにより、前記放電電極と前記対向電極の間で生じる放電が、配線の浮遊容量の影響によって不安定化することが、抑えられる。
第5の発明においては、特に、第1の発明の前記制限抵抗が、前記第2通電路に配置され、前記第2通電路における前記放電電極と前記制限抵抗の間の配線の長さは、30mm以内で設定される。これにより、前記放電電極と前記対向電極の間で生じる放電が、配線の浮遊容量の影響によって不安定化することが、抑えられる。
第6の発明においては、特に、第1の発明の前記制限抵抗が、前記第2通電路に配置され、前記第2通電路における前記電圧印加部と前記制限抵抗の間の配線の長さは、200mm以内で設定される。これにより、前記放電電極と前記対向電極の間で生じる放電が、配線の浮遊容量の影響によって不安定化することが、抑えられる。
第7の発明においては、特に、第1〜6のいずれか1つの発明の前記制限抵抗が、抵抗素子とこれに電気的に接続されたリード線を有する抵抗器であり、前記リード線には、屈曲抑制のためのカバーが設けられている。これにより、前記リード線が曲げられたときの曲率半径を前記カバーによって大きく保ち、前記リード線の破損を抑制することができる。
第8の発明においては、特に、第1〜6のいずれか1つの発明の前記制限抵抗が固定される固定台をさらに具備する。前記制限抵抗は、抵抗素子とこれに電気的に接続されたリード線を有する抵抗器である。これにより、前記リード線が繰り返し曲げられることを抑え、前記リード線の破損を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されず、以下の各実施形態の構成を適宜に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1には、第1実施形態の静電霧化装置の基本的な構成を示している。本実施形態の静電霧化装置は、放電電極1、電圧印加部2、液体供給部3、対向電極4、通電路5および制限抵抗6を備える。
放電電極1は、細長く形成された針状の電極である。放電電極1は、その軸方向の一端側に先端部分13を有し、軸方向の他端側(先端部分13の反対側)に基端部分15を有する。本文で用いる針状の文言は、先端が鋭く尖っているものに限定されず、先端が丸みを帯びる場合を含む。
電圧印加部2は、放電電極1と対向電極4の間に高電圧を印加するように、放電電極1と対向電極4に対して電気的に接続されている。
液体供給部3は、放電電極1に対して静電霧化用の液体35を供給する手段であり、本実施形態の静電霧化装置では、放電電極1を冷却して結露水を発生させる冷却部30によって液体供給部3が構成されている。冷却部30は放電電極1の基端部分15に接触し、基端部分15を通じて放電電極1全体を冷却する。液体供給部3が放電電極1に供給する液体35は、放電電極1に生じる結露水である。なお、液体供給部3として他の手段を備えることも可能であるし、液体35として水以外の液体を供給することも可能である。
対向電極4は、放電電極1の先端部分13に対向して位置する。対向電極4は、その中央部分に開口部43を有する。開口部43は、対向電極4の厚み方向に貫通する。開口部43は、対向電極4のうち、放電電極1の先端部分13に最も近接した領域に設けられている。開口部43が貫通する方向と、放電電極1の軸方向は、互いに平行である。本文中で用いる平行の文言は、厳密に平行な場合に限定されず、略平行な場合を含む。
通電路5は、対向電極4を放電電極1に対して電気的に接続させる通電路であり、その途中に電圧印加部2が配置されている。つまり通電路5は、電圧印加部2と対向電極4を電気的に接続させる第1通電路51と、電圧印加部2と放電電極1を電気的に接続させる第2通電路52を含む。
制限抵抗6は、通電路5の途中に配置されており、具体的には、通電路5のうち第1通電路51の途中に配置されている。
本実施形態の静電霧化装置では、放電電極1に液体35が保持された状態で、電圧印加部2により、放電電極1と対向電極4の間で7.0kV程度の高電圧を印加することにより、放電電極1と対向電極4の間で放電を生じさせる。
本実施形態の静電霧化装置では、まず放電電極1の先端部分13(先端部分13に保持される液体35の先端)で局所的なコロナ放電を生じさせ、このコロナ放電を、さらに高エネルギーの放電にまで進展させる。この高エネルギーの放電は、放電電極1と対向電極4をつなぐように絶縁破壊(全路破壊)された放電経路が、断続的に(パルス状に)発生する形態の放電である。このような形態の放電を「リーダ放電」と称する。
リーダ放電では、コロナ放電と比較して2〜10倍程度の瞬間電流が、放電電極1と対向電極4の間の絶縁破壊された放電経路を通じて流れる。図2Aにはコロナ放電で流れる電流を概略的に示し、図2Bには、コロナ放電から進展したリーダ放電で流れる電流を概略的に示している。リーダ放電では、コロナ放電と比較して大きなエネルギーによって、コロナ放電と比較して2〜10倍程度の大量のラジカルが生成される。リーダ放電によって生成された大量のラジカルは、帯電微粒子液に含まれた状態で外部に放出される。
この際に、オゾンも生成される。しかし、リーダ放電では、コロナ放電と比較して2〜10倍程度のラジカルが生成されるのに対して、オゾンが生成される量はコロナ放電の場合と同程度に抑えられる。つまり、コロナ放電をさらに進展させてリーダ放電を生じさせることで、ラジカルの発生量に対するオゾンの発生量が、大幅に抑えられる。これは、生成されたオゾンがリーダ放電に晒されながら放出される際に、高エネルギーのリーダ放電によってオゾンの一部が破壊されるからと考えられる。
ここで、リーダ放電についてさらに説明する。
一般的には、対をなす電極間にエネルギーを投入して放電を生じさせると、投入したエネルギーの量に応じて、放電形態がコロナ放電、グロー放電、アーク放電へと進展する。
コロナ放電は、一方の電極で局所的に発生する放電であり、電極間の絶縁破壊を伴わない。グロー放電とアーク放電は、対をなす電極間での絶縁破壊を伴う放電であり、エネルギーが投入されている間は、その絶縁破壊された放電経路が継続的に存在する。
これに対してリーダ放電は、対をなす電極間での絶縁破壊を伴うが、その絶縁破壊が継続的に存在するのではなく、断続的に発生する。
本実施形態の静電霧化装置では、放電電極1と対向電極4の間でこのような形態のリーダ放電が生じるように、電圧印加部2の電気的な容量(単位時間に放出可能な電気の容量)を設定している。つまり、本実施形態の静電霧化装置では、コロナ放電から進展して絶縁破壊に至ると、絶縁破壊された放電経路を通じて大きな瞬間電流が流れるが、その直後に電圧が低下して放電が停止し、また電圧が上昇して絶縁破壊に至るということを繰り返すように、電圧印加部2の電気的な容量が設定されている。この容量設定によって、グロー放電やアーク放電のように絶縁破壊が継続されるのではなく、瞬間的な絶縁破壊と放電停止が交互に繰り返されるリーダ放電が、実現される。
現状確認される一例として、リーダ放電における放電周波数(瞬間電流の頻度)は50Hz〜10kHz程度であり、1回のパルス幅は大きくて200ns程度である。このように、瞬間的な放電(エネルギーの高い状態)と放電停止(エネルギーの低い状態)を繰り返す点において、グロー放電やアーク放電とは明確に相違する。
本実施形態の静電霧化装置では、液体供給部3によって放電電極1に供給された液体35がリーダ放電によって静電霧化され、内部にラジカルを含有するナノメータサイズの帯電微粒子液が生成される。生成された帯電微粒子液は、開口部43を通じて外部に放出される。リーダ放電で生成された帯電微粒子液は、コロナ放電で生成された帯電微粒子液と比較して大量のラジカルを含み、しかもオゾンの生成はコロナ放電の場合と同程度に抑えられる。
リーダ放電では、絶縁破壊された放電経路を通じて瞬間電流が流れ、その際の電流抵抗が非常に小さくなる。そのため、本実施形態の静電霧化装置では、第1通電路51に制限抵抗6を設けて瞬間電流の電流ピークを抑えている。瞬間電流の電流ピークを抑えることで、NOxの発生が抑えられるという利点や、電気的ノイズの影響が大きくなり過ぎることが抑えられるという利点がある。制限抵抗6は、専用の素子を用いて構成されるものに限らず、設定どおりの電気的抵抗を有する構造であれば、適宜の構成が採用可能である。
図3には、本実施形態の静電霧化装置の変形例を示している。この変形例では、電圧印加部2と放電電極1を電気的に接続させる第2通電路52の途中に、制限抵抗6を配している。この変形例においても、制限抵抗6によってリーダ放電の瞬間電流のピーク値が抑えられる。
(第2実施形態)
第2実施形態の静電霧化装置について、図4A、図4Bに基づいて説明する。なお、第1実施形態で説明した構成と同様の構成については、詳しい説明を省略する。
図4Aには、本実施形態の静電霧化装置の基本的な構成を示している。本実施形態の静電霧化装置は、対向電極4が針状電極部41とこれを支持する支持電極部42を一体に備える点において、第1実施形態と相違する。
針状電極部41は、支持電極部42から、放電電極1に近づく側にむけて突出している。対向電極4の全体のうち、針状電極部41の先端が最も放電電極1に近く位置する。針状電極部41は、対向電極4が有する開口部43の近傍に位置する。本実施形態の静電霧化装置では、針状電極部41を1つ備えるが、針状電極部41を複数備えることも可能である。
支持電極部42は、平坦な対向面を有する平板状の電極部421と、凹曲した対向面を有するドーム状の電極部422で構成されている。電極部421と電極部422の対向面によって、支持電極部42の対向面420が構成されている。支持電極部42の対向面420は、平坦面と凹曲面が組み合わさった形状を有する。
本実施形態の静電霧化装置は、上記構成を備えるので、対向電極4の針状電極部41と放電電極1の先端部分13(つまり先端部分13に保持される液体35の先端)で電界集中が生じ、対向電極4の針状電極部41と放電電極1の先端部分13の間で、絶縁破壊によるリーダ放電が安定的に発生する。加えて、支持電極部42の対向面420によって、放電電極1の先端部分13での電界集中が一層高められる。
図4Bには、本実施形態の静電霧化装置の変形例を示している。この変形例では、支持電極部42が、凹曲した対向面を有するドーム状の電極部423で構成されている。支持電極部42の対向面420は、放電電極1の先端部分13を中心として凹状に湾曲した凹曲面である。
この変形例においても、対向電極4の針状電極部41と放電電極1の先端部分13の間で、絶縁破壊によるリーダ放電が安定的に発生するという利点や、放電電極1の先端部分13での電界集中が一層高められるという利点がある。なお、対向電極4の支持電極部42の対向面420は、適宜の平坦面、凹曲面、またはこれらが組み合わされた形状の面であればよい。
(第3実施形態)
第3実施形態の静電霧化装置について、図5に基づいて説明する。なお、第1実施形態で説明した構成と同様の構成については、詳しい説明を省略する。
本実施形態の静電霧化装置においては、通電路5の途中に、リーダ放電における放電周波数を調整するコンデンサ7を配している。コンデンサ7は、電圧印加部2と並列に接続されている。上述したように、リーダ放電では、瞬間電流が流れるときの電流抵抗が非常に小さくなるので、通電路5にこのようなコンデンサ7を配置することで、リーダ放電の放電周波数が効果的に調整される。
コンデンサ7は、専用の素子を用いて構成されるものに限らず、設定どおりの容量を有する構造であれば、適宜の構成が採用可能である。
(第4実施形態)
第4実施形態の静電霧化装置について、図6Aに基づいて説明する。なお、第2実施形態で説明した構成と同様の構成については、詳しい説明を省略する。
本実施形態の静電霧化装置では、絶縁破壊を伴うリーダ放電を安定的に発生させるための手段として、第2実施形態のような先鋭状の凸面を有する針状電極部41を設けるのではなく、互いに平行な2つの棒状電極部46を一体に設けている。対向電極4は、円形状の開口部43を有し、放電電極1の軸方向に沿って視たときに、開口部43の内側に2つの棒状電極部46が位置し、2つの棒状電極部46の間に放電電極1が位置する。2つの棒状電極部46における放電電極1の先端部分13との間の最短距離は、互いに同一である。本文中で用いる同一の文言は、厳密に同一な場合に限定されず、略同一な場合を含む。
本実施形態の静電霧化装置では、対向電極4の各棒状電極部46のうち放電電極1の先端部分13に最も近い部分と、放電電極1の先端部分13との間で、絶縁破壊によるリーダ放電を安定的に発生させることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態の静電霧化装置について、図6Bに基づいて説明する。なお、第2実施形態で説明した構成と同様の構成については、詳しい説明を省略する。
本実施形態の静電霧化装置では、リーダ放電を安定的に発生させるための手段として、針状電極部41を設けるのではなく、対向電極4の開口部43の開口縁の形状を多角形状(四角形)に設けている。放電電極1の軸方向に沿って視たときに、開口部43の中央に放電電極1が位置する。開口部43の内周面は、周方向に連続する複数(4つ)の平坦面で構成されている。各平坦面における放電電極1の先端部分13との最短距離は、互いに同一である。
本実施形態の静電霧化装置では、放電電極1の先端部分13と、開口部43の内周面を構成する各平坦面のうち放電電極1の先端部分13に最も近い部分との間で、リーダ放電を安定的に発生させることができる。
(第6実施形態)
第6実施形態の静電霧化装置について、図6Cに基づいて説明する。なお、第2実施形態で説明した構成と同様の構成については、詳しい説明を省略する。
本実施形態の静電霧化装置では、リーダ放電を安定的に発生させるための手段として、針状電極部41を設けるのではなく、対向電極4の開口部43の開口縁の形状を楕円形状に設けている。放電電極1の軸方向に沿って視たときに、開口部43の中央に放電電極1が位置する。
本実施形態の静電霧化装置では、放電電極1の先端部分13と、開口部43の内周面のうち放電電極1の先端部分13に最も近い2箇所の部分との間で、リーダ放電を安定的に発生させることができる。
(第7実施形態)
第7実施形態の静電霧化装置について、図7〜図14に基づいて説明する。なお、第2実施形態で説明した構成と同様の構成については、詳しい説明を省略する。
図7〜図9に示すように、本実施形態の静電霧化装置は、放電電極1、電圧印加部2、液体供給部3(冷却部30)、対向電極4、通電路5および制限抵抗6を備えている。放電電極1や対向電極4は、筐体80によって所定の位置および姿勢で保持されている。制限抵抗6は、第2実施形態と同様に、電圧印加部2と対向電極4を電気的に接続させる第1通電路51の途中に配されている。
液体供給部3を構成する冷却部30は、一対のペルチェ素子301と、一対のペルチェ素子301に対して一対一で接続された一対の放熱板302を備え、一対のペルチェ素子301への通電によって放電電極1を冷却するように構成された熱交換器である。各放熱板302は、その一部が合成樹脂製の筐体80に埋め込まれ、各放熱板302のうちペルチェ素子301に接続される部分とその周辺部分は、放熱可能に露出している。
一対のペルチェ素子301のそれぞれの冷却側は、放電電極1の基端部分15に対して、半田を介して機械的にかつ電気的に接続されている。一対のペルチェ素子301のそれぞれの放熱側は、一対一に対応する放熱板302に対して、半田を介して機械的にかつ電気的に接続されている。一対のペルチェ素子301への通電は、一対の放熱板302と放電電極1を通じて行われる。
対向電極4は、放電電極1の軸方向と直交する姿勢で保持される平板状の支持電極部42と、支持電極部42よりも放電電極1に近く位置するように支持電極部42によって支持される4つの針状電極部41を備える。本文中で用いる直交の文言は、厳密な意味での直交に限定されず、略直交の場合を含む。
各針状電極部41は、細長い片状の電極部であり、その長手方向の一側に先鋭状の先端部分413を有し、長手方向の他側(先端部分413の反対側)に基端部分415を有する。各針状電極部41は、対向電極4が備える円形状の開口部43の周縁部から、開口部43の中心に向けて伸びるように形成されている。4つの針状電極部41は、開口部43の周縁部のうち周方向に等間隔を隔てた4箇所の部分から、互いに近づく方向に伸びている。本文中で用いる等間隔の文言は、厳密に等間隔な場合に限定されず、略等間隔な場合を含む。
図8に示すように、放電電極1の軸方向に沿って平面視したときに、各針状電極部41の先端部分413は、放電電極1を中心とした同一円上に位置し、かつ、その同一円の周方向において、互いに等距離を隔てて位置する。
図7や図9に示すように、各針状電極部41は、支持電極部42と平行な姿勢(放電電極1の軸方向に直交する姿勢)から、僅かに傾いた姿勢で保持されている。この傾きは、各針状電極部41の先端部分413を放電電極1に近づける方向の傾きである。放電電極1の軸方向において、先端部分413と放電電極1の距離D1は、基端部分415と放電電極1の距離D2よりも小さい。
各針状電極部41の姿勢をこのように設定することで、各針状電極部41の先端部分413で電界集中が生じやすくなり、その結果、各針状電極部41の先端部分413と放電電極1の先端部分13の間で、リーダ放電が安定的に生じやすくなるという利点がある。
さらに対向電極4は、支持電極部42と各針状電極部41の基端部分415の間に介在する段差部45を備える。段差部45は、開口部43の周縁部を構成する。各針状電極部41は、段差部45から開口部43の中心部に向けて伸びている。支持電極部42と各針状電極部41の間に段差部45が介在することで、放電電極1の軸方向において、基端部分415と放電電極1の距離D2は、支持電極部42と放電電極1の距離D3よりも大きく設けられている。
対向電極4が段差部45を備えることで、針状電極部41の先端部分413が大きく突出することが抑えられる。そのため、搬送や組み立ての際に対向電極4を何らかの平面上に置いたときに、その平面に先端部分413が押し当たって針状電極部41が変形するというリスクが低減される。
さらに各針状電極部41には、基端部分415から先端部分413に向けて伸びるような外形の溝部417が設けられている。溝部417は、針状電極部41の一部が、針状電極部41の厚み方向に押し曲げられることで形成されている。各針状電極部41は、溝部417を備えることで断面二次モーメントが高められている。
以上説明した本実施形態の静電霧化装置は、針状電極部41を4つ備え、各針状電極部41の先端部分413と、放電電極1の先端部分13との間で、絶縁破壊された放電経路をそれぞれ断続的に形成し、リーダ放電を生じさせる。ここで生じるリーダ放電は、針状電極部41が1つだけの場合と比較して、放電電極1と対向電極4の間の三次元的に広範な領域で発生する。このリーダ放電によって生成された帯電微粒子液は、4つの針状電極部41と放電電極1の間に形成される電界の向きに沿って、開口部43を通じて効率的に外部に放出される。
加えて、本実施形態の静電霧化装置では、4つの針状電極部41のそれぞれの先端部分413が同一円上に位置し、かつ、その同一円の周方向において互いに等距離を隔てて位置するので、生成された帯電微粒子液は、開口部43を通じてより効率的に放出される。
なお、針状電極部41は4つに限定されず、複数であればよいが、帯電微粒子液を効率的に外部に放出するためには、針状電極部41は3つ以上であることが好ましい。
図10Aと図10Bには、それぞれ変形例を示している。図10Aに示す変形例は、対向電極4が3つの針状電極部41を備える変形例であり、図10Bに示す変形例は、対向電極4が8つの針状電極部41を備える変形例である。これらの変形例において、溝部417と段差部45は省略されている。
開口部43に3つ以上の針状電極部41が配置された対向電極4においては、放電電極1の軸方向に沿って視たときに、開口部43の開口面積が、3つ以上の針状電極部41の総面積よりも大きく設定されることが好ましい。このように開口面積を設定すれば、各針状電極部41の先端部分413に電界が集中しやすくなり、リーダ放電が安定的に生じやすくなる。
ところで、本実施形態の静電霧化装置のように、対向電極4が複数の針状電極部41を備える場合に、各針状電極部41の先端部分413での電界集中の強度は、なるべく均一であることが望ましい。電界集中の強度に大きなばらつきが生じれば、帯電微粒子液が、開口部43を通じて効率的に放出されにくくなる。
図11には、各針状電極部41の先端部分413の突端4135に、丸みを帯びさせた変形例を示している。突端4135は、各針状電極部41をその厚み方向から視たときに最も先端に位置する角部である。各針状電極部41の先端部分413が丸みを帯びた形状となることで、電界集中が或る程度緩和される。そのため、各針状電極部41を成形する際の製造上のばらつきによって、電界集中の強度に大きなばらつきが生じることが抑えられる。
図12A、図12Bには、各針状電極部41の先端部分413の端縁部4137に、面取りを施した変形例を示している。端縁部4137は、先端部分413の厚み方向T1(図12B参照)の両側の端縁部のうち、放電電極1に近い部分の端縁部である。各針状電極部41の端縁部4137に面取りが施されることで、電界集中が或る程度緩和される。そのため、各針状電極部41を成形する際の製造上のばらつきによって、電界集中の強度に大きなばらつきが生じることが抑えられる。
図13には、各針状電極部41の端縁部4137に面取りを施す金型装置9の要部を示している。金型装置9は、曲げ加工用の上型91と下型92を備える。金型装置9は、上型91と下型92の間で各針状電極部41に曲げ加工を施す際に、下型92の側に設けられた平坦な一面93上で、各針状電極部41の端縁部4137を一括して押し潰し、面取りを施す。この金型装置9によれば、各針状電極部41に曲げ加工を施す際に、あわせて端縁部4137の面取りを施すことができる。加えて、各針状電極部41に面取りを施すときに、各針状電極部41の先端部分413の位置(端縁部4137の位置)が揃えられ、その結果、各針状電極部41の先端部分413と放電電極1との距離が均一化されるという利点がある。
これらの変形例では、各針状電極部41の先端部分413での電界集中が緩和され、電界集中の強度のばらつきが抑えられるが、電界集中が緩和されるとリーダ放電に進展しにくくなるという傾向もある。しかし、上述したように、開口部43の開口面積を、複数の針状電極部41の総面積よりも大きく設定したことによって、リーダ放電への進展は安定的に促進される。
図14には、対向電極4が備える針状電極部41と支持電極部42を、別の材質で形成した変形例を示している。この変形例では、リーダ放電に晒される針状電極部41を、放電に対する耐性が高いチタン、タングステン等の材質で形成し、支持電極部42は、針状電極部41よりも放電に対する耐性の低いステンレス鋼等の材質で形成することができる。この変形例によれば、対向電極4のリーダ放電に対する耐性が、安価な構造で高められるという利点がある。
(第8実施形態)
第8実施形態の静電霧化装置について、図15A〜図19に基づいて説明する。なお、第8実施形態で説明した構成と同様の構成については、詳しい説明を省略する。
図15Aに示すように、本実施形態の静電霧化装置が備える制限抵抗6は、専用の素子を用いて形成された高圧用の抵抗器60である。抵抗器60は、抵抗素子601と、抵抗素子601に電気的にかつ機械的に接続された一対のリード線602と、各リード線602の端部に電気的にかつ機械的に接続された端子603を有する。高圧用の抵抗器60において、各リード線602は単線で構成されることが一般的であり、曲げに弱い性質(特に繰り返しの曲げに弱い性質)を有するが、これに対して各リード線602は屈曲を抑制することのできる可撓性のカバー605で覆われている。カバー605に覆われたリード線602は、曲げたときの曲率半径が大きく保たれるので、曲げによる応力集中が緩和される。
図15A、図15Bに示すように、本実施形態の静電霧化装置は、抵抗器60を固定するための固定台81をさらに備える。固定台81は、放電電極1や対向電極4を支持する筐体80に対して、一体に装着されている。
固定台81には、抵抗素子601と各端子603がそれぞれの所定位置に固定される。これにより、各リード線602は固定台81の所定位置に保持され、各リード線602が繰り返し曲げられるリスクが抑えられる。固定台81の周縁部からは、周壁811が起立している。周壁811は、抵抗器60の少なくとも抵抗素子601と一対のリード線602を囲むように位置する。
図15Bに示すように、固定台81には蓋82を着脱自在に被せることが可能である。抵抗素子601と一対のリード線602は、周壁811と蓋82によって、外部から触ることができないように覆われる。
図16と図17には、図15A、図15Bに示すような固定台81を備えずに抵抗器60を設置した変形例をそれぞれ示している。図16の変形例では、対向電極4に対して抵抗器60の一方のリード線602を、電気的にかつ機械的に直接接続させている。
図17の変形例では、対向電極4に対して、抵抗器60を電気的にかつ機械的に直接接続させ、さらに抵抗器60を筐体80の外面に固定している。この変形例では、筐体80の裏面側(対向電極4が位置する側と反対側)の部分が、固定台81を兼ねている。
図16と図17の変形例は、対向電極4に対して制限抵抗6を直付けした例であり、言い換えれば、対向電極4と制限抵抗6の間の配線の長さを0mmに設定した例である。制限抵抗6を第1通電路51中に配置する場合、対向電極4と制限抵抗6の間の配線の長さは、0〜30mmの範囲内で設定されることが好ましい。これは、絶縁破壊された放電経路を通じて瞬間電流が流れるときは電流抵抗が非常に小さくなるので、対向電極4と制限抵抗6の間の配線の長さが30mmを超えると、その配線の浮遊容量の影響によって放電が不安定化するからである。
図18Aのグラフに示す測定結果からも、対向電極4と制限抵抗6の間の配線の長さが30mmを超えると、リーダ放電により生成される有効成分量(ラジカル量)が低下することが確認される。図18Aの縦軸には数値を示していないが、発生するラジカル量の上限は5兆個/sec程度である。
また、制限抵抗6を第1通電路51中に配置する場合、第1通電路51における電圧印加部2と制限抵抗6の間の配線の長さは、0〜200mmの範囲内で設定されることが好ましい。これは、瞬間電流が流れるときは電流抵抗が非常に小さくなるので、電圧印加部2と制限抵抗6の間の配線の長さが200mmを超えると、その配線の浮遊容量の影響によって放電が不安定化するからである。
図18Bのグラフに示す測定結果からも、電圧印加部2と制限抵抗6の間の配線の長さが200mmを超えると、リーダ放電により生成される有効成分量(ラジカル量)が低下することが確認される。図18Bにおいても、発生するラジカル量の上限は5兆個/sec程度である。
図18Aと図18Bのグラフに示す測定結果は、図19に概略的に示す装置を用いて測定された結果である。この装置では、対向電極4と電圧印加部2を電気的に接続させる配線中に制限抵抗6を配置し、制限抵抗6から距離D4(=4mm)だけ隔てた箇所にグラウンドとなる金属板89を配置して、図示略の放電電極との間に7.0kVの高電圧を印加し、リーダ放電により生成されるラジカル量を測定した。
以上の結果は、第1通電路51に制限抵抗6が配置される場合の結果であるが、放電電極1と電圧印加部2を電気的につなぐ第2通電路52に制限抵抗6が配置される場合(図4B参照)も、同様の結果が得られる。
つまり、制限抵抗6が第2通電路52中に配置される場合、第2通電路52における放電電極1と制限抵抗6の間の配線の長さを30mm以内で設定することが、リーダ放電を安定的に生じさせるために好ましい。また、第2通電路52における電圧印加部2と制限抵抗6の間の配線の長さは、200mm以内で設定することが、リーダ放電を安定的に生じさせるために好ましい。
以上のように、本発明に係る静電霧化装置は、リーダ放電によってラジカルを含んだ帯電微粒子液を生成し、オゾンが増大することは抑えることができるので、冷蔵庫、洗濯機、ドライヤー、空気調和機、扇風機、空気清浄機、加湿器、美顔器、自動車等の多様な用途に適用することができる。
1 放電電極
2 電圧印加部
3 液体供給部
35 液体
4 対向電極
5 通電路
51 第1通電路
52 第2通電路
6 制限抵抗
60 抵抗器
601 抵抗素子
602 リード線
605 カバー

Claims (8)

  1. 放電電極と、
    前記放電電極に対向して位置する対向電極と、
    静電霧化用の液体を前記放電電極に供給する液体供給部と、
    前記放電電極と前記対向電極を電気的に接続させる通電路と、
    前記通電路中に配置され、前記放電電極と前記対向電極との間に電圧を印加することで、前記放電電極と前記対向電極をつなぐように絶縁破壊された放電経路を、断続的に生じさせる電圧印加部と、
    前記通電路に配置される制限抵抗を具備し、
    前記制限抵抗は、
    前記通電路のうち、前記電圧印加部と前記対向電極を電気的につなぐ第1通電路、または前記電圧印加部と前記放電電極を電気的につなぐ第2通電路に配置される
    ことを特徴とする静電霧化装置。
  2. 前記制限抵抗は、前記第1通電路に配置され、前記第1通電路における前記対向電極と前記制限抵抗の間の配線の長さは、30mm以内で設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  3. 前記制限抵抗は、前記対向電極に対して電気的にかつ機械的に直接接続される
    ことを特徴とする請求項2に記載の静電霧化装置。
  4. 前記制限抵抗は、前記第1通電路に配置され、前記第1通電路における前記電圧印加部と前記制限抵抗の間の配線の長さは、200mm以内で設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  5. 前記制限抵抗は、前記第2通電路に配置され、前記第2通電路における前記放電電極と前記制限抵抗の間の配線の長さは、30mm以内で設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  6. 前記制限抵抗は、前記第2通電路に配置され、前記第2通電路における前記電圧印加部と前記制限抵抗の間の配線の長さは、200mm以内で設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  7. 前記制限抵抗は、抵抗素子とこれに電気的に接続されたリード線を有する抵抗器であり、
    前記リード線には、屈曲抑制のためのカバーが設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  8. 前記制限抵抗が固定される固定台をさらに具備し、
    前記制限抵抗は、抵抗素子とこれに電気的に接続されたリード線を有する抵抗器である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
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