JP2018019640A - ハイブリダイゼーション用バッファー組成物及びハイブリダイゼーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非ターゲット核酸と核酸プローブとの非特異的なハイブリダイズを防止するためにブロッキング用核酸を使用する場合において、ターゲット核酸の更に優れた検出効率を達成する。
【解決手段】ターゲット核酸と核酸プローブとのハイブリダイゼーションに使用するバッファー組成物であって、上記ターゲット核酸と非ターゲット核酸とからなる核酸混合物の核酸濃度に対して、非ターゲット核酸における少なくとも非検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を含むブロッキング用核酸を1倍以上の量として含有する。
【選択図】図1−1

Description

本発明は、非検出対象塩基を含む非ターゲット核酸における少なくとも非検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を有するブロッキング用核酸を含むハイブリダイゼーション用バッファー組成物及びこれを用いたハイブリダイゼーション方法に関する。
測定対象の核酸分子を核酸プローブとのハイブリダイゼーションにより正確に検出するには、核酸プローブが核酸分子を正確に認識することが重要である。よって従来、ハイブリダイゼーションを行う際は、反応液の塩濃度や反応温度を適宜調節する方法や、核酸プローブと測定対象以外の核酸分子との非特異的なハイブリダイズを抑制するブロッキング剤を使用する方法が用いられている。ブロッキング剤としては、例えば、サケ精子DNAや酵母tRNAなどの測定対象の核酸分子や核酸プローブに対して、相補的な塩基配列を有しない核酸成分、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、Nラウロイルサルコシン(N−LS)などの界面活性剤、牛血清アルブミン(BSA)、カゼインなどのタンパク質が知られている。
しかし、測定対象でない核酸分子が多くある場合、核酸成分からなるブロッキング剤ではブロッキング効果が不十分であり、また界面活性剤やタンパク質では塩基配列を正確に認識できないためブロッキング効果は弱いといった問題があった。
また、特許文献1には、測定対象の核酸分子における固有の配列にハイブリダイズし、且つ固相上へ捕捉される核酸配列を含む捕捉配列プローブに対して特異的にハイブリダイズするブロッカープローブを使用する方法が開示されている。特許文献1に記載の方法では、捕捉配列プローブが測定対象の核酸分子にハイブリダイズした後、ブロッカープローブを反応液に添加することで、ハイブリダイズしていない捕捉配列プローブが測定対象の核酸分子に存在する交差反応性核酸配列にハイブリダイズすることを防ぎ、そのために検出の特異性を向上させることができる。
さらに、特許文献2には、測定対象の核酸分子をマイクロアレイを用いて検出する際にブロッキング剤として、ロックド核酸(LNA)といった改変ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを使用することが開示されている。
さらにまた、特許文献3には、測定対象の核酸分子における検出対象塩基よりも5’末端側にハイブリダイズする5’末端側ブロック核酸、検出対象塩基よりも3’末端側にハイブリダイズする3’末端側ブロック核酸を用いて、測定対象の核酸分子を核酸プローブで検出する方法が開示されている。特許文献3によれば、プローブ核酸と標的核酸とのハイブリダイゼーションにおける塩基配列特異性が高く、塩基配列中の一塩基のみの相違を高精度に検出する必要のあるSNPのタイピングや、特定の塩基配列を有する核酸の検出や分離の効率及び特異性を向上できるとされている。
さらにまた、特許文献4には、検出対象塩基を含むターゲット核酸と、上記検出対象塩基に対応する非検出対象塩基を含む非ターゲット核酸とを試料が含む場合、非ターゲット核酸に対して相補的な塩基配列を含むブロッキング用核酸を使用することで、ターゲット核酸とプローブ核酸との特異的ハイブリダイズに基づくターゲット核酸の検出効率を大幅に向上できることを開示している。特に、特許文献4では、ブロッキング用核酸を核酸プローブの塩基長に対して60%以上の長さとすることが好ましいとしている。
特表2004−511220号公報 特表2005−502346号公報 特開2010−200701号公報 国際公開2015/045741号公報
本発明は、上述のように、非ターゲット核酸と核酸プローブとの非特異的なハイブリダイズを防止するためにブロッキング用核酸を使用する場合において、ターゲット核酸の更に優れた検出効率を達成することを目的としている。
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、核酸プローブと非ターゲット核酸との非特異的ハイブリダイズを効果的抑制できるブロッキング用核酸の濃度を見いだすことに成功し、本発明を完成するに至った。本発明は以下を包含する。
(1)検出対象塩基を含むターゲット核酸と、当該ターゲット核酸における少なくとも検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を含む核酸プローブとのハイブリダイゼーションに使用するバッファー組成物であって、上記ターゲット核酸と、上記検出対象塩基に対応する非検出対象塩基を含む非ターゲット核酸とからなる核酸混合物の核酸濃度に対して、非ターゲット核酸における少なくとも非検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を含むブロッキング用核酸を1倍以上の濃度として含有する、ハイブリダイゼーション用バッファー組成物。
(2)上記ブロッキング用核酸は、上記核酸混合物の核酸濃度に対して1〜5倍の濃度であることを特徴とする(1)記載のハイブリダイゼーション用バッファー組成物。
(3)検出対象塩基を含むターゲット核酸と、当該ターゲット核酸における少なくとも検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を含む核酸プローブとのハイブリダイゼーション方法であって、上記ターゲット核酸と上記検出対象塩基に対応する非検出対象塩基を含む非ターゲット核酸とからなる核酸混合物を含む溶液と、非ターゲット核酸における少なくとも非検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を含むブロッキング用核酸を核酸混合物の核酸濃度に対して1倍以上の濃度として含有するハイブリダイゼーション用バッファー組成物とを混合し、その後、上記核酸プローブと上記ターゲット核酸とのハイブリダイズを行う、ハイブリダイゼーション方法。
(4)上記ハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、上記核酸混合物の核酸濃度に対して1〜5倍の濃度のブロッキング用核酸を含むことを特徴とする(3)記載のハイブリダイゼーション方法。
(5)上記核酸混合物を含む溶液は、ターゲット核酸を0.66nM以上の濃度で含有することを特徴とする(3)記載のハイブリダイゼーション方法。
(6)上記核酸混合物を含む溶液は、ターゲット核酸及び非ターゲット核酸の合計を100%としたときにターゲット核酸を0.5〜10%で含有することを特徴とする(3)記載のハイブリダイゼーション方法。
(7)上記核酸混合物を含む溶液は、ターゲット核酸及び非ターゲット核酸の合計を100%としたときにターゲット核酸を0.5〜10%で含有し、且つ、ターゲット核酸を0.66nM以上の濃度で含有することを特徴とする(3)記載のハイブリダイゼーション方法。
(8)上記核酸プローブが基板上に固定されてなるマイクロアレイに、上記ハイブリダイゼーション用バッファー組成物と、上記核酸混合物を含有する溶液とを混合した混合液を接触させることを特徴とする(3)記載のハイブリダイゼーション方法。
(9)上記核酸混合物を含有する溶液は、上記ターゲット核酸を増幅する核酸増幅反応の後の反応液であり、当該反応液と上記ハイブリダイゼーション用バッファー組成物とを混合することを特徴とする(3)記載のハイブリダイゼーション方法。
本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物及びハイブリダイゼーション方法によれば、検出対象塩基を含むターゲット核酸以外の核酸分子とプローブ核酸との非特異的ハイブリダイズを抑制することができる。したがって、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物及びハイブリダイゼーション方法を適用することにより、ターゲット核酸とプローブ核酸との特異的ハイブリダイズに基づく、ターゲット核酸の検出効率を大幅に向上させることができる。
実施例1に関して、変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物をDNAチップにハイブリダイズさせたときの変異型プローブの蛍光強度比から、野生型オリゴDNAのみをハイブリダイズさせたときの蛍光強度比を差し引いた、蛍光強度比の差分を示す特性図である。 実施例1に関して、変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物をDNAチップにハイブリダイズさせたときの変異型プローブの蛍光強度比から、野生型オリゴDNAのみをハイブリダイズさせたときの蛍光強度比を差し引いた、蛍光強度比の差分を示す特性図である。 実施例2に関して、変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物をDNAチップにハイブリダイズさせたときの変異型プローブの蛍光強度比から、野生型オリゴDNAのみをハイブリダイズさせたときの蛍光強度比を差し引いた、蛍光強度比の差分を示す特性図である。 実施例2に関して、変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物をDNAチップにハイブリダイズさせたときの変異型プローブの蛍光強度比から、野生型オリゴDNAのみをハイブリダイズさせたときの蛍光強度比を差し引いた、蛍光強度比の差分を示す特性図である。 実施例3に関して、変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物をDNAチップにハイブリダイズさせたときの変異型プローブの蛍光強度比から、野生型オリゴDNAのみをハイブリダイズさせたときの蛍光強度比を差し引いた、蛍光強度比の差分を示す特性図である。 実施例3に関して、変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物をDNAチップにハイブリダイズさせたときの変異型プローブの蛍光強度比から、野生型オリゴDNAのみをハイブリダイズさせたときの蛍光強度比を差し引いた、蛍光強度比の差分を示す特性図である。 実施例3に関して、変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物をDNAチップにハイブリダイズさせたときの変異型プローブの蛍光強度比から、野生型オリゴDNAのみをハイブリダイズさせたときの蛍光強度比を差し引いた、蛍光強度比の差分を示す特性図である。
本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、検出対象塩基を含むターゲット核酸と、当該ターゲット核酸における少なくとも検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を含む核酸プローブとのハイブリダイゼーションに使用するバッファー組成物である。特に、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物には、核酸プローブに対する非特異的ハイブリダイズを抑制する機能を有するブロッキング用核酸が含まれている。
ここで、ターゲット核酸とは、検出対象塩基を含む核酸分子、すなわち核酸断片を意味する。ターゲット核酸は、DNAからなる核酸分子でも良いし、RNAからなる核酸分子でも良いし、DNAとRNAとを含む核酸分子(DNA−RNA複合体)でもよい。また、核酸としては、アデニン、シトシン、グアニン、チミン及びウラシル、並びに、ペプチド核酸(PNA)及びロックド核酸(LNA)等の人工核酸を含む意味である。
検出対象塩基とは、例えば染色体の所定の位置における1又は複数の核酸残基を意味しており、特に限定されないが、一塩基多型(SNP)等の塩基配列における特定の塩基の種類を意味している。例えば、所定の一塩基多型がA(アデニン)又はC(シトシン)を取りうるとして、いずれか一方の塩基、すなわち当該一塩基多型におけるA(アデニン)を検出対象塩基とすることができる。ここで、検出対象塩基としては、遺伝子多型におけるメジャーアレル及びマイナーアレルのいずれでも良いし、リスクアレルであってもなくても良い。
検出対象塩基を含むターゲット核酸は、検出対象塩基を含む所定の領域を核酸増幅法により増幅することで調整することができる。また、ターゲット核酸としては、生物個体、組織及び細胞採取から採取した転写産物から逆転写反応により得られるcDNAとしても良い。ターゲット核酸の塩基長としては、特に限定されないが、例えば60〜1000塩基とすることができ、60〜500塩基とすることが好ましく、60〜200塩基とすることがより好ましい。
なお、検出対象塩基を含むターゲット核酸に対して、当該検出対象塩基に対応する非検出対象塩基を含む核酸分子(核酸断片)を非ターゲット核酸と称する。例えば、染色体における所定の位置で取りうる複数の塩基のうち、1つの塩基を検出対象塩基とした場合、検出対象塩基以外の塩基を非検出対象塩基とする。より具体的に、所定の位置における一塩基多型がA(アデニン)又はC(シトシン)を取りうる場合、当該一塩基多型におけるA(アデニン)を検出対象塩基とすると、当該一塩基多型におけるC(シトシン)が非検出対象塩基ということになる。
非検出対象塩基を含む非ターゲット核酸は、染色体上に非検出対象塩基が存在する場合、上述のように検出対象塩基を含むターゲット核酸を取得する際に同時に取得される。例えば、ターゲット核酸をポリメラーゼ連鎖反応等の核酸増幅反応により取得する場合、一方のアレルが非検出対象塩基であれば、ターゲット核酸とともに非ターゲット核酸が増幅されることとなる。
本明細書において、ターゲット核酸と非ターゲット核酸とからなる混合物を核酸混合物と称する。例えば、上述のように、検出対象塩基を含むターゲット核酸をポリメラーゼ連鎖反応等の核酸増幅反応により取得する場合、増幅されたターゲット核酸と非ターゲット核酸とを併せて核酸混合物と称する。
検出対象塩基を含むターゲット核酸を検出するには、ターゲット核酸において、少なくとも検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を有する核酸プローブを使用する。核酸プローブは、特に限定されないが、例えば10〜30塩基長とすることができ、15〜25塩基長とすることが好ましい。また、検出対象塩基に相補的な塩基は、核酸プローブを構成する塩基を文字列として見たときに、当該文字列の中心となる位置とすることが好ましい。なお、文字列の中心とは、偶数個の塩基からなる核酸プローブについては5’末端又は3’末端方向に1つずれている場合を含む意味である。
本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物において、ブロッキング用核酸は、非ターゲット核酸における非検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を有する。よって、ブロッキング用核酸は、ターゲット核酸と核酸プローブとがハイブリダイズできる条件下において、非ターゲット核酸とハイブリダイズすることができる。
特に、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物において、ブロッキング用核酸の濃度は、上述した核酸混合物の核酸濃度に対して1倍以上の濃度としている。例えば、検出対象塩基を含むターゲット核酸をポリメラーゼ連鎖反応等の核酸増幅反応により取得する場合、増幅されたターゲット核酸と非ターゲット核酸とからなる核酸混合物の濃度に対して、1倍以上の濃度となるようにブロッキング用核酸の量を調整する。
ブロッキング用核酸の濃度を上記範囲とすることで、非ターゲット核酸と核酸プローブとの非特異的なハイブリダイズをより効果的に抑制することができ、ターゲット核酸と核酸プローブとの特異的ハイブリダイズを高感度に検出することができる。
一方、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物において、ブロッキング用核酸の濃度範囲の上限は、特に限定されないが、例えば、核酸混合物の濃度に対して5倍以下とすることが好ましい。すなわち、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物において、ブロッキング用核酸の濃度範囲は、核酸混合物の核酸濃度に対して1〜5倍の範囲とすることが好ましい。
なお、核酸混合物の核酸濃度については、定法に従って測定することができる。例えば、核酸増幅反応後の反応液を精製した後、分光光度計を用いて波長260nmの吸光度を測定し、測定値を核酸濃度に換算する。これにより核酸増幅反応により得られた核酸混合物の核酸濃度を測定することができる。また、SYBR Gold , Pico Green等の蛍光色素で増幅産物をインターカレーションし、600nm付近の吸光を測定することで核酸混合物の核酸濃度を測定することができる。あるいは、電気泳動によって増幅産物の電気泳動バンドを検出し、既知濃度の核酸に関する電気泳動バンドと比較することで、核酸混合物の核酸濃度を測定することができる。
また、ブロッキング用核酸としては、特に限定されないが、ターゲット核酸とブロッキング用核酸とがハイブリダイズしたときのTm値と、非ターゲット核酸とブロッキング用核酸とがハイブリダイズしたときのTm値との差(ΔTm)が3℃以上となるように、好ましくは5.5℃以上となるように設計することが好ましい。なお、核酸断片に関するTm値は例えば最近接塩基対モデルによる計算法により算出することができる。以上のように、ブロッキング用核酸の塩基配列を設計することで、ブロッキング用核酸が非ターゲット核酸と優先的にハイブリダイズすることとなり、非ターゲット核酸と核酸プローブとの非特異的なハイブリダイズをより効果的に抑制することができ、ターゲット核酸と核酸プローブとの特異的ハイブリダイズを高感度に検出することができる。
さらに、ブロッキング用核酸としては、国際公開2015/045741号公報に記載されるように、特に限定されないが、核酸プローブの塩基長に対して60%以上の長さであることが好ましい。また、ブロッキング用核酸は、核酸プローブの塩基長よりも短い長さであることが好ましい。例えば核酸プローブの長さが25塩基長とすると、ブロッキング用核酸の塩基長は15〜24塩基長であることが好ましい。
また、ブロッキング用核酸において、非検出対象塩基に相補的な塩基は、ブロッキング用核酸を構成する塩基を文字列として見たときに、当該文字列の中心となる位置とすることが好ましい。なお、文字列の中心とは、偶数個の塩基からなるブロッキング用核酸については5’末端又は3’末端方向に1つずれている場合を含む意味である。
さらに、ブロッキング用核酸は、非ターゲット核酸に含まれる非検出対象塩基以外の塩基に対応する位置にミスマッチな塩基(相補的でない塩基)を含んでいても良い。ブロッキング用核酸が15塩基長である場合、ミスマッチな塩基は1〜3個とすることができ、1〜2個であることが好ましい。また、ブロッキング用核酸が24塩基長である場合、ミスマッチな塩基は1〜3個とすることができ、1〜2個であることが好ましい。
以上のように、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、所定の濃度範囲のブロッキング用核酸を含むため、非ターゲット核酸と核酸プローブとの非特異的なハイブリダイズを抑制することができ、ターゲット核酸と核酸プローブとの特異的なハイブリダイズが阻害されることを防止できる。このため、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物を使用することによって、例えばターゲット核酸が低濃度であるような場合であっても、核酸プローブを用いてターゲット核酸を高精度に検出することができる。また、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物を使用することによって、例えば、ターゲット核酸に対して一塩基のみが相違する非ターゲット核酸が存在する場合であっても、核酸プローブを用いてターゲット核酸を高精度に検出することができる。
特に、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、ターゲット核酸が0.66nM以上の濃度で含まれている核酸混合物に利用することが好ましい。ターゲット核酸の濃度が上記範囲にある場合、非ターゲット核酸と核酸プローブとの非特異的なハイブリダイズをより効果的に抑制することができ、ターゲット核酸と核酸プローブとの特異的ハイブリダイズを高感度に検出することができる。
また、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、ターゲット核酸が50%(非ターゲット核酸が50%)の割合で含まれている核酸混合物に利用することが好ましく、ターゲット核酸が10%(非ターゲット核酸が90%)の割合で含まれている核酸混合物に利用することがより好ましく、ターゲット核酸が0.5%(非ターゲット核酸が99.5%)の割合で含まれている核酸混合物に利用することが更に好ましい。核酸混合物中のターゲット核酸の割合が上記範囲にある場合、非ターゲット核酸と核酸プローブとの非特異的なハイブリダイズをより効果的に抑制することができ、ターゲット核酸と核酸プローブとの特異的ハイブリダイズを高感度に検出することができる。
さらにまた、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、ターゲット核酸が3.3nM以上の濃度、好ましくは0.66nM以上の濃度で含まれている核酸混合物であって、且つ、ターゲット核酸が10%以下(非ターゲット核酸が90%以上)の割合で含まれている核酸混合物に利用することが好ましく、ターゲット核酸が0.5%以上(非ターゲット核酸が99.5%未満)の割合で含まれている核酸混合物に利用することがより好ましい。核酸混合物中のターゲット核酸の濃度及び割合が上記範囲にある場合、非ターゲット核酸と核酸プローブとの非特異的なハイブリダイズをより効果的に抑制することができ、ターゲット核酸と核酸プローブとの特異的ハイブリダイズを高感度に検出することができる。
ここで、核酸混合物において、ターゲット核酸の含まれる割合の上限は、特に限定されないが、例えばターゲット核酸及び非ターゲット核酸の合計を100%としたときに50%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。核酸混合物においてターゲット核酸の割合が上記範囲を超える場合には、ブロッキング核酸を加えてもターゲット核酸を検出できない、或いはブロッキング核酸を加えなくてもターゲット核酸を検出できるといった不都合が生じる虞がある。
本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、核酸分子同士の相補的な結合を意味するハイブリダイゼーションを含むならば、如何なる系にも使用することができる。すなわち、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、サザンハイブリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーション、in situ ハイブリダイゼーションに使用することができる。特に、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、担体(基板、中空繊維、微粒子を含む)に核酸プローブを固定し、固定化した核酸プローブを用いてターゲット核酸を検出(定性、定量を含む)する系に使用することが好ましい。より具体的に、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、核酸プローブを基板に固定したDNAマイクロアレイ(DNAチップ)を用いてターゲット核酸を検出する際に使用することが最も好ましい。
以下、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物を、DNAマイクロアレイ(DNAチップ)を用いてターゲット核酸を検出する際に使用する系を例示的に説明する。なお、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物の実施形態は、以下の例に限定されるものではない。
K-ras(v-Ki-ras2 Kirsten rat sarcoma viral oncogene homolog(カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ))における12番目のコドン(コドン12)に関して、野生型のGGTGGC配列を含む測定対象のターゲット核酸とする例、及び117番目のコドン(コドン117)に関して、野生型のAAA配列を含む測定対象のターゲット核酸とする例である。よって、コドン12及び/又はコドン117が変異型である配列を含む核酸が非ターゲット核酸である。なお、コドン12についてはp.G12S(c.34G>A)、p.G12C(c.34G>T)、p.G12R(c.34G>C)、p.G12D(c.35G>A)、p.G12V(c.35G>T)及びp.G12A(c.35G>C)変異が知られている。また、コドン117についてはp.K117N(c.351A>C)及びp.K117N(c.351A>T)変異が知られている。
複数の非ターゲット核酸が存在する場合、全ての非ターゲット核酸についてブロッキング用核酸を準備しても良いし、一部の非ターゲット核酸についてブロッキング用核酸を準備しても良い。
なお、核酸プローブ及びブロッキング用核酸は、より好ましくは一本鎖DNAである。核酸プローブ及びブロッキング用核酸は、例えば、核酸合成装置によって化学的に合成することで取得することができる。核酸合成装置としては、DNAシンセサイザー、全自動核酸合成装置、核酸自動合成装置等と呼ばれる装置を使用することができる。
本例において、核酸プローブは、その5'末端にリンカーを修飾して担体上に固定化することにより、マイクロアレイの形態で用いるのが好ましい。リンカーは特定の単一塩基で構成されていてもよく、そうでなくてもよいが、ターゲット核酸と核酸プローブとのハイブリダイゼーションに関与しない塩基配列で構成することが好ましい。
担体の材料としては、当技術分野で公知のものを使用でき、特に制限されない。例えば、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウム、銀、水銀、タングステンおよびそれらの化合物などの貴金属、およびグラファイト、カ−ボンファイバ−に代表される炭素などの導電体材料;単結晶シリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素などに代表されるシリコン材料、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)などに代表されるこれらシリコン材料の複合素材;ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラスなどの無機材料;ポリエチレン、エチレン、ポリプロビレン、環状ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンなどの有機材料等が挙げられる。担体の形状も特に制限されないが、好ましくは平板状である。
なお担体として、好ましくは表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)等のカーボン層と、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ホルミル基、ヒドロキシル基及び活性エステル基等の化学修飾基とを有する担体を用いる。表面にカーボン層と化学修飾基とを有する担体には、基板の表面にカーボン層と化学修飾基とを有するもの、およびカーボン層からなる基板の表面に化学修飾基を有するものが包含される。基板の材料としては、当技術分野で公知のものを使用でき、特に制限されず、上述の担体材料として挙げたものと同様のものを使用できる。
このように作製したDNAマイクロアレイを用いて被検者における、ターゲット核酸を検出することができる。これには、被検者由来の試料からDNAを抽出する工程と、抽出したDNAを鋳型とし、K-rasにおけるコドン12及び/又はコドン117を含む領域を増幅する工程と、DNAマイクロアレイを用いて増幅された核酸を検出する工程とを含む。
被検者は通常ヒトであり、結腸癌及び直腸癌を含む大腸癌、頭頸部癌又は非小細胞肺癌に罹患した患者を挙げることができる。これらの癌に罹患していない健常者を被検者としてもよい。さらに被検者としては、EGFR陽性の進行・再発の結腸・直腸癌に罹患した患者とすることもできる。被検者由来の試料は特に制限されない。例えば、血液関連試料(血液、血清、血漿など)、リンパ液、糞便、がん細胞、組織または臓器の破砕物および抽出物などが挙げられる。
まず、被検者から採取した試料からDNAを抽出する。抽出手段としては、特に限定されない。例えばフェノール/クロロホルム、エタノール、水酸化ナトリウム、CTABなどを用いたDNA抽出法を用いることができる。
次に、得られたDNAを鋳型として用いて増幅反応を行い、K-RAS遺伝子をコードする核酸、好ましくはDNAを増幅させる。増幅反応としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)、ICAN(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)法等を適用することができる。増幅反応においては、増幅後の領域を識別できるように標識を付加することが望ましい。このとき、増幅された核酸を標識する方法としては、特に限定されないが、例えば増幅反応に使用するプライマーをあらかじめ標識しておく方法を使用してもよいし、増幅反応に標識ヌクレオチドを基質として使用する方法を使用してもよい。標識物質としては、特に限定されないが、放射性同位元素や蛍光色素、あるいはジゴキシゲニン(DIG)やビオチンなどの有機化合物などを使用することができる。
またこの反応系は、核酸増幅・標識に必要な緩衝剤、耐熱性DNAポリメラーゼ、K-RAS遺伝子に特異的なプライマー、標識ヌクレオチド三リン酸(具体的には蛍光標識等を付加したヌクレオチド三リン酸)、ヌクレオチド三リン酸および塩化マグネシウム等を含む反応系である。
増幅反応に用いるプライマーは、K-ras のコドン12及び/又はコドン117を含む領域を特異的に増幅できるものであれば特に制限されず、当業者であれば適宜設計できる。例えば、コドン12に対しては、
プライマー1:5'- gtgtgacatgttctaatatagtcac -3'(配列番号17)及び
プライマー2:5'- gaatggtcctgcaccagtaa -3'(配列番号18)
また、コドン117に対しては、
プライマー3:5’- ctctgaagatgtacctatggtc -3’(配列番号19)及び
プライマー4:5’- gtctactgttctagaaggcaaat -3’(配列番号20)
からなるプライマーのセットが挙げられる。
上記のようにして得られた増幅核酸には、ターゲット核酸及び非ターゲット核酸が含まれる。核酸プローブとターゲット核酸のハイブリダイゼーション反応を行い、核酸プローブにハイブリダイズした核酸の量を、例えば標識を検出することにより測定できる。標識からのシグナルは、例えば、蛍光標識を用いた場合は、蛍光スキャナを用いて蛍光シグナル検出し、これを画像解析ソフトによって解析することによりシグナル強度を数値化することができる。また、核酸プローブにハイブリダイズした増幅核酸は、例えば、既知量のDNAを含む試料を用いて検量線を作成することにより、定量することもできる。
このとき、上述した本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物を使用することで、非ターゲット核酸と核酸プローブとの非特異的なハイブリダイズを抑制することができる。ハイブリダイゼーション用バッファー組成物を用いたハイブリダイゼーション反応は、好ましくはストリンジェントな条件下で実施する。ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいい、例えば、50℃で16時間ハイブリダイズ反応させた後、2×SSC/0.2% SDS、25℃、10分および2×SSC、25℃、5分の条件で洗浄する条件をさす。すなわち、本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物には、ハイブリダイゼーション反応に必要な塩、例えばSSCや、公知のブロッキング剤、例えばSDSが含まれていても良い。
また、増幅反応後のターゲット核酸及び非ターゲット核酸を含む反応液と本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物とを予め混合して、非ターゲット核酸とブロッキング用核酸との特異的なハイブリダイズを行った後、反応液をDNAマイクロアレイに接触させてターゲット核酸と核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応を進行させても良い。或いは、増幅反応後のターゲット核酸及び非ターゲット核酸を含む反応液と本発明に係るハイブリダイゼーション用バッファー組成物とをDNAマイクロアレイ上にて混合して、非ターゲット核酸とブロッキング用核酸との特異的なハイブリダイズ並びにターゲット核酸と核酸プローブとの特異的なハイブリダイズを同時に進行させても良い。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが本発明の技術的範囲は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例では、K-rasにおけるコドン117の野生型の塩基配列(AAA)を非検出対象塩基とし、変異型の塩基配列(AAC, AAT)を検出対象塩基とした。野生型の検体として、コドン117の野生型の塩基配列(AAA)を中心に36塩基からなるオリゴDNA(野生型オリゴDNA1)を使用し、変異型の検体としてコドン117の変異型の塩基配列(AAC, AAT)を中心に36塩基からなるオリゴDNA(変異型オリゴDNA1及び2)を使用した。野生型オリゴDNA1及び変異型オリゴDNA1並びに2は、それぞれ5’末端にCyanine5(Cy5)を標識している。変異型オリゴDNAを3.3nMとして変異割合が0.5%、10%又は50%になるように野生型オリゴDNA及び変異型オリゴDNAを混合し、核酸混合物とした。
本実施例では、非検出対象塩基、すなわち野生型の塩基配列(AAA)と相補的なブロッキング用核酸1(配列:GCAAATCACATTTATTTCCTA:配列番号4)を設計した。上述のように得られた核酸混合物に、ブロッキング用核酸を含むハイブリダイゼーション用バッファー組成物を混合し、ハイブリダイゼーション反応液(1xSSC/0.1%SDSを含む)を調製した。
ハイブリダイゼーション反応液をDNAチップに滴下し、ハイブリカバーを被せ、ハイブリチャンバーにて45℃、1時間反応させた。なお、DNAチップとしては、ジーンシリコン(R)(東洋鋼鈑社製)を使用した。なお、当該DNAチップは、野生型オリゴDNAを検出するための核酸プローブ1:GCAAATCACATTTATTTCCTA(配列番号5)、変異型オリゴDNA1を検出するための核酸プローブ2:CAAATCACAGTTATTTCCT(配列番号6)及び変異型オリゴDNA2を検出するための核酸プローブ3:GCAAATCACAATTATTTCCTA(配列番号7)を備えている。
表1に野生型オリゴDNA1、変異型オリゴDNA1及び2、ブロッキング用核酸1及び核酸プローブ1〜3の塩基配列をまとめて記載した。
Figure 2018019640
表2−1〜表2−3には、各試験区における核酸混合物に含まれる変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAの組成比、ブロッキング核酸濃度及びブロッキング核酸当量等をまとめて記載した。
Figure 2018019640
Figure 2018019640
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反応終了後、1xSSC/0.1%SDSで30回振とう、1xSSCで30回振とうしてDNAチップを洗浄した。その後カバーフィルムを被せ、バイオショットにて蛍光強度を測定した。この時、混合核酸物が660nM未満の条件ではCCDカメラの露光時間を2秒、5秒、10秒、20秒と可変した。また混合核酸物が660nMの条件ではCCDカメラの露光時間を1秒、3秒、5秒、7秒と可変して蛍光強度を得た。
核酸プローブ2(変異型オリゴDNA1検出用)の蛍光強度を核酸プローブ1(野生型オリゴDNA検出用)の蛍光強度で除して蛍光強度比、核酸プローブ3(変異型オリゴDNA2検出用)の蛍光強度を核酸プローブ1の蛍光強度で除して蛍光強度比をそれぞれ算出した。なお、検出された蛍光強度が2000以下のときは、強度不足として、50000以上の時は強度検出飽和域の近傍として、強度比を0(エラー)とした。表2−1〜2−3に各露光時間の中で最も大きい蛍光強度比を示した。
変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物を核酸プローブ1〜3にハイブリダイズさせたとき(表2−1及び表2−2)の蛍光強度比から、野生型オリゴDNAのみを核酸プローブ1〜3にハイブリダイズさせたとき(表2−3)の蛍光強度比を差し引くことで、蛍光強度比の差分を露光時間毎に求めた。蛍光強度比の差分は露光時間毎に求め、最も大きい値を表3−1及び表3−2と図1に示した。
また、得られた蛍光強度及び図1に示した測定結果を用いて、以下のようにDNAチップによる変異判定[1]、[2]及び[3]を行い、その判定結果を表3−1及び表3−2に示した。なお、例えば、図1、表3−1及び表3−2の試験条件の欄における“AB-1-1”との表記は、表2−1に示した試験条件“A-1-1”で実施した試験結果と、表2−3に示した試験条件“B-1-1”で実施した試験結果とに基づくものである。
Figure 2018019640
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まず、変異判定[1]としては、変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物を核酸プローブ1〜3にハイブリダイズさせたとき、核酸プローブ2又は3の蛍光強度が核酸プローブ1の蛍光強度よりも高く(蛍光強度比>1)、且つ、野生型オリゴDNAのみを核酸プローブ1〜3にハイブリダイズさせたとき、核酸型プローブ2又は3の蛍光強度が核酸プローブ1の蛍光強度よりも低い(蛍光強度比<1)ときに変異判定結果を”○“とした。すなわち、変異判定[1]における陽性判定では、変異型オリゴDNAが存在するときは核酸プローブ2又は3の蛍光強度の方が高く、存在しないときは核酸プローブ1の蛍光強度の方が高いため、変異判定が容易な条件であることを意味する。
表3−1及び表3−2に示す結果より、変異判定[1]では変異割合50%であれば、ブロッキング核酸0〜1倍、変異割合10%ではブロッキング核酸3倍のみで陽性判定となった。
次に、変異判定[2]としては、変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物を核酸プローブ1〜3にハイブリダイズさせたときの蛍光強度比から、野生型オリゴDNAのみを核酸プローブ1〜3にハイブリダイズさせたときの蛍光強度比を差し引いた、蛍光強度比の差分について、いずれかの露光時間における強度比の差分>0.1となれば変異判定結果を”○“とした。すなわち、変異判定[2]における陽性判定では、変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAとの核酸混合物に含まれる変異型オリゴDNAの変異割合が低く、核酸プローブ2又は3の蛍光強度が核酸プローブ1の蛍光強度よりも低い場合であっても、変異型オリゴDNAが存在しないときの蛍光強度と比較することによって、DNAチップによる陽性判定が可能であるということを意味する。
表3−1及び表3−2に示す結果より、変異判定[2]では変異割合50%であればブロッキング核酸0〜1倍、変異割合10%であれば0〜3倍、変異割合0.5%であれば1〜3倍において陽性判定となり、変異割合が0.5%の条件でも陽性判定可能であることがわかった。
次に、変異判定[3]としては、ブロッキング核酸を加えた条件における蛍光強度比の差分からブロッキング核酸を加えない条件における蛍光強度比の差分を差し引いた強度比の二重差分を算出し、この強度比の二重差分>0.1となれば変異判定結果を”○“とした。すなわち、変異判定[3]における陽性判定では、ブロッキング核酸を加えた条件の方が、ブロッキング核酸を加えない条件よりも判定感度が高く、ブロッキング核酸を加えることが変異判定に有効であることを意味する。
表3−1及び表3−2に示す結果より、変異割合が50%ではほとんど判定不可となり、ブロッキング核酸の効果は得られないことがわかる。一方で変異割合10%及び0.5%であれば1〜3倍で陽性判定となったことから、変異型オリゴDNAを3.3nMを含む混合核酸中で変異割合が0.5〜10%の時、ブロッキング核酸を1〜3倍加えることが変異判定に好ましい添加量であることが判明した。
〔実施例2〕
本実施例では実施例1と同様に、K-rasにおけるコドン117の野生型の塩基配列(AAA)を非検出対象塩基とし、変異型の塩基配列(AAC, AAT)を検出対象塩基とし、これらの塩基配列が変異型の検体を0.66nMとした以外は実施例1と同様に実験を行った。
表4−1〜表4−3には、各試験区における核酸混合物に含まれる変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAの組成比、ブロッキング核酸濃度及びブロッキング核酸当量等をまとめて記載した。
Figure 2018019640
Figure 2018019640
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本実施例2において、実施例1と同様にして蛍光強度比の差分を露光時間ごとに算出し、最も大きい値を表5−1及び表5−2と図2に示した。
得られた蛍光強度、並びに図2の測定結果を用いて、DNAチップによる変異判定を行い、実施例1と同様にして変異判定[1]、[2]及び[3]を行い、その判定結果を表5−1及び表5−2に示した。なお、例えば、図2、表5−1及び表5−2の試験条件の欄における“CD-1-1”との表記は、表4−1に示した試験条件“C-1-1”で実施した試験結果と、表4−3に示した試験条件“D-1-1”で実施した試験結果とに基づくものである。
Figure 2018019640
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表5−1及び表5−2に示すように、本実施例2では、変異判定[1]に関して陽性判定に該当する条件は存在しなかった。しかしながら、変異判定[2]に関しては、変異割合50%であればブロッキング核酸0〜5倍で変異判定可能であり、変異割合が10%及び0.5%であれば1倍の場合にのみ変異判定可能であることが明らかとなった。さらに、変異判定[3]に関しては、変異割合50%であればブロッキング核酸0.5〜5倍で変異判定可能であり、変異割合10%及び0.5%であれば1倍の場合にのみ変異判定可能であることが明らかとなった。
以上の結果から、変異型オリゴDNAの濃度が0.66nMである核酸混合物において変異割合が0.5〜10%の場合、ブロッキング核酸を1倍で加えることで良好に変異判定が可能であることが判明した。
〔実施例3〕
本実施例では、K-rasにおけるコドン12の野生型の塩基配列(GGT)を非検出対象塩基とし、変異型の塩基配列(GAT, GTT, GCT)を検出対象塩基とした。野生型の検体として、コドン12の野生型の塩基配列(GGT)を中心に26塩基からなるオリゴDNA(野生型オリゴDNA2)を使用し、変異型の検体としてコドン12の変異型の塩基配列(GAT, GTT, GCT)を中心に24塩基からなるオリゴDNA(変異型オリゴDNA3〜5)を使用した。野生型オリゴDNA2及び変異型オリゴDNA3〜5は、それぞれ5’末端にCyanine5(Cy5)を標識している。変異型オリゴDNAを0.66nMとして変異割合が0.5%, 1%又は5%になるように野生型オリゴDNA及び変異型オリゴDNAを混合し、核酸混合物とした。
本実施例では、非検出対象塩基、すなわち野生型の塩基配列(GGT)と相補的なブロッキング用核酸2(配列:GAGCTGGTGGCGTA:配列番号12)を設計した。上述のように得られた核酸混合物に、ブロッキング用核酸を含むハイブリダイゼーション用バッファー組成物を混合し、ハイブリダイゼーション反応液(1xSSC/0.1%SDSを含む)を調製した。
ハイブリダイゼーション反応液をDNAチップに滴下し、ハイブリカバーを被せ、ハイブリチャンバーにて45℃、1時間反応させた。なお、DNAチップとしては、ジーンシリコン(R)(東洋鋼鈑社製)を使用した。なお、当該DNAチップは、野生型オリゴDNA2を検出するための核酸プローブ4:GAGCTGGTGGCGTA(配列番号13)、変異型オリゴDNA3を検出するための核酸プローブ5:GAGCTGATGGCGTAG(配列番号14)、変異型オリゴDNA4を検出するための核酸プローブ6:AGCTGTTGGCGTAG(配列番号15)及び変異型オリゴDNA5を検出するための核酸プローブ7:GCTGCTGGCGTAG(配列番号16)を備えている。
表6に野生型オリゴDNA2、変異型オリゴDNA3〜5、ブロッキング用核酸2及び核酸プローブ4〜7の塩基配列をまとめて記載した。
Figure 2018019640
表7−1〜表7−4には、各試験区における核酸混合物に含まれる変異型オリゴDNAと野生型オリゴDNAの組成比、ブロッキング核酸濃度及びブロッキング核酸当量等をまとめて記載した。
Figure 2018019640
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本実施例3において、蛍光強度比の差分を露光時間ごとに算出し、最も大きい値を表8−1、表8−2及び表8−3と図3に示した。
得られた蛍光強度、並びに図3の測定結果を用いて、DNAチップによる変異判定を行い、実施例1と同様にして変異判定[1]、[2]及び[3]を行い、その判定結果を表8−1〜表8−3に示した。なお、例えば、図3、表8−1〜表8−3の試験条件の欄における“EF-1-1”との表記は、表7−1に示した試験条件“E-1-1”で実施した試験結果と、表7−4に示した試験条件“F-1-1”で実施した試験結果とに基づくものである。
Figure 2018019640
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表8−1〜表8−3に示すように、本実施例3では、変異判定[1]に関して、変異割合が0.5〜5%の全ての場合において、ほぼ全ての条件で陽性判定であった。また、変異判定[2]に関しても、変異割合が0.5〜5%の全ての場合において、ほぼ全ての条件で陽性判定であった。さらに、変異判定[3]に関して、変異割合が1〜5%の場合においてほぼ全ての条件で陽性判定であり、変異割合が0.5%の場合においてはブロッキング核酸の混合割合が3倍以上で変異判定可能であった。
表9には、本実施例で用いた核酸プローブのGC比率と、最近接塩基法を用いて計算した[野生型オリゴDNA−ブロッキング核酸]間のTm(w)と[変異型オリゴDNA−ブロッキング核酸]間のTm(m)から、Tm(w)とTm(m)の差分(ΔTm)を算出して示した。
Figure 2018019640
表9から判るように、K-rasにおけるコドン12の核酸プローブのGC率は57%以上であり、[野生型オリゴDNA−ブロッキング核酸]間のTm(w)と[変異型オリゴDNA−ブロッキング核酸]間のTm(m)から、Tm(w)とTm(m)の差分(ΔTm)は8℃以上であったのに対して、K-rasにおけるコドン117の核酸プローブのGC率は32%以下であり、そのΔTmは6.6℃以下であったことがわかる。このことから、コドン12の核酸プローブの方が変異判定に有利な条件で設計されていると言える。したがって、本実施例におけるブロッキング核酸は、GC率が32%以下でΔTmが6.6℃以下、好ましくは5.5〜6.6℃となる、変異判定には不利なターゲットとプローブの組み合わせにおいて適用する場合に特に有効であり、変異型オリゴDNA0.66〜3.3nMを含む変異割合0.5〜10%の核酸混合物に対して、ブロッキング核酸が1〜3倍の濃度で加えた時、変異判定が可能であり、1倍の時がより好ましい。

Claims (9)

  1. 検出対象塩基を含むターゲット核酸と、当該ターゲット核酸における少なくとも検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を含む核酸プローブとのハイブリダイゼーションに使用するバッファー組成物であって、
    上記ターゲット核酸と、上記検出対象塩基に対応する非検出対象塩基を含む非ターゲット核酸とからなる核酸混合物の核酸濃度に対して、非ターゲット核酸における少なくとも非検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を含むブロッキング用核酸を1倍以上の濃度として含有する、ハイブリダイゼーション用バッファー組成物。
  2. 上記ブロッキング用核酸は、上記核酸混合物の核酸濃度に対して1〜5倍の濃度であることを特徴とする請求項1記載のハイブリダイゼーション用バッファー組成物。
  3. 検出対象塩基を含むターゲット核酸と、当該ターゲット核酸における少なくとも検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を含む核酸プローブとのハイブリダイゼーション方法であって、
    上記ターゲット核酸と上記検出対象塩基に対応する非検出対象塩基を含む非ターゲット核酸とからなる核酸混合物を含む溶液と、非ターゲット核酸における少なくとも非検出対象塩基を含む領域に対して相補的な塩基配列を含むブロッキング用核酸を核酸混合物の核酸濃度に対して1倍以上の濃度として含有するハイブリダイゼーション用バッファー組成物とを混合し、その後、上記核酸プローブと上記ターゲット核酸とのハイブリダイズを行う、ハイブリダイゼーション方法。
  4. 上記ハイブリダイゼーション用バッファー組成物は、上記核酸混合物の核酸濃度に対して1〜5倍の濃度のブロッキング用核酸を含むことを特徴とする請求項3記載のハイブリダイゼーション方法。
  5. 上記核酸混合物を含む溶液は、ターゲット核酸を0.66nM以上の濃度で含有することを特徴とする請求項3記載のハイブリダイゼーション方法。
  6. 上記核酸混合物を含む溶液は、ターゲット核酸及び非ターゲット核酸の合計を100%としたときにターゲット核酸を0.5〜10%で含有することを特徴とする請求項3記載のハイブリダイゼーション方法。
  7. 上記核酸混合物を含む溶液は、ターゲット核酸及び非ターゲット核酸の合計を100%としたときにターゲット核酸を0.5〜10%で含有し、且つ、ターゲット核酸を0.66nM以上の濃度で含有することを特徴とする請求項3記載のハイブリダイゼーション方法。
  8. 上記核酸プローブが基板上に固定されてなるマイクロアレイに、上記ハイブリダイゼーション用バッファー組成物と、上記核酸混合物を含有する溶液とを混合した混合液を接触させることを特徴とする請求項3記載のハイブリダイゼーション方法。
  9. 上記核酸混合物を含有する溶液は、上記ターゲット核酸を増幅する核酸増幅反応の後の反応液であり、当該反応液と上記ハイブリダイゼーション用バッファー組成物とを混合することを特徴とする請求項3記載のハイブリダイゼーション方法。
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