JP2018019519A - 誘導電動機および誘導電動機システム - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導電動機の始動電流を抑制する。
【解決手段】誘導電動機システムは、ロータシャフトと回転子鉄心とを有する回転子と、2つの軸受と、固定子鉄心と、固定子鉄心の内周面に沿って形成され周方向に互いに間隔をあけて軸方向に延びた複数のスロット内を貫通する第1固定子巻線71および第1固定子巻線71と直列に配された第2固定子巻線72とを有する固定子と、第2固定子巻線72を起動時のみ生かすための切り替え部80と、フレームとを備える。切り替え部80は、第1固定子巻線71と第2固定子巻線72を接続する内部接続部76に接続された配線上に設けられた第1スイッチ81と、第2固定子巻線72の内部接続部76と反対側に接続された配線上に設けられた第2スイッチ82とを有してもよい。
【選択図】図2
【解決手段】誘導電動機システムは、ロータシャフトと回転子鉄心とを有する回転子と、2つの軸受と、固定子鉄心と、固定子鉄心の内周面に沿って形成され周方向に互いに間隔をあけて軸方向に延びた複数のスロット内を貫通する第1固定子巻線71および第1固定子巻線71と直列に配された第2固定子巻線72とを有する固定子と、第2固定子巻線72を起動時のみ生かすための切り替え部80と、フレームとを備える。切り替え部80は、第1固定子巻線71と第2固定子巻線72を接続する内部接続部76に接続された配線上に設けられた第1スイッチ81と、第2固定子巻線72の内部接続部76と反対側に接続された配線上に設けられた第2スイッチ82とを有してもよい。
【選択図】図2
Description
本発明は、始動電流を抑制可能な誘導電動機および誘導電動機システムに関する。
一般に、電動機の始動時の定格回転数に至るまでの間、電動機の固定子には始動電流が流れる。始動電流は、通常、定格電流の数倍たとえば5倍程度となる。たとえば始動電流が定格電流の約5倍の場合、電動機内で発生する銅損はその二乗の約25倍となり、この発熱量による温度上昇が問題となる。このため、大容量機の場合には、所定の時間内に起動しない場合には、自動的に電動機を停止するなどの対応が必要となってくる。あるいは、起動頻度の制限、起動間隔の制限が必要となる場合がある。
また、特に電動機の容量が大きい場合には、大きな始動電流が流れることにより、その電動機に電力を供給する電源母線の上流の電力ケーブルでの電圧降下も大きくなり、電源母線の電圧の低下にも注意を要する。
このように、起動完了までの間に大きな始動電流が流れることにより、種々の影響がある。
従来、電力インフラが貧弱な地域で、誘導電動機を起動させる際には、他の電気機器に悪影響を与えないよう、インバータ駆動やリアクトル起動などの低始動電流起動を行っていた。
図10は、従来の誘導電動機の固定子巻線および始動用リアクトルの1相分の回路図である。誘導電動機1の固定子巻線22に直列に、起動リアクトル25が設けられている。起動リアクトル25に並列に、起動リアクトル25を短絡するためのスイッチ26が設けられている。誘導電動機1の起動時には、スイッチ26を開状態として電機子電流が固定子巻線22および起動リアクトル25を流れるようにして、始動電流を制限する(特許文献1、2参照)。
誘導電動機1が起動し、定格回転数近傍となった状態で、スイッチ26を閉鎖し、電流の制限を解除するということにより、過剰な電流の発生を防止できる。
一方、インバータは高価であり、また、電動機が一定用途の場合にまで、インバータ駆動方式を採用することは経済的ではない。ただし、電動機そのものの始動電流を低くできることが好ましい。
そこで、本発明は、誘導電動機の始動電流を抑制することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明に係る誘導電動機システムは、軸方向に延びたロータシャフトと、前記ロータシャフトの径方向外側に設けられた回転子鉄心とを有する回転子と、前記ロータシャフトの前記回転子鉄心を挟んで両側のそれぞれを支持する2つの軸受と、前記回転子鉄心の径方向外側に間隙を開けて配された円筒状の固定子鉄心と、前記固定子鉄心の内周面に沿って形成され周方向に互いに間隔をあけて前記軸方向に延びた複数のスロット内を貫通する第1固定子巻線および前記第1固定子巻線と直列に配された第2固定子巻線とを有する固定子と、前記第2固定子巻線を起動時のみ生かすための切り替え部と、前記回転子鉄心および前記固定子を収納するフレームと、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る誘導電動機は、軸方向に延びたロータシャフトと、前記ロータシャフトの径方向外側に設けられた回転子鉄心とを有する回転子と、前記ロータシャフトの前記回転子鉄心を挟んで両側のそれぞれを支持する2つの軸受と、前記回転子鉄心の径方向外側に間隙を開けて配された円筒状の固定子鉄心と、前記固定子鉄心の内周面に沿って形成され周方向に互いに間隔をあけて前記軸方向に延びた複数のスロット内を貫通する第1固定子巻線および前記第1固定子巻線と直列に配された第2固定子巻線とを有する固定子と、前記回転子鉄心および前記固定子を収納するフレームと、を備え、起動時には前記第1固定子巻線と前記第2固定子巻線に電流が流れ、定格運転時には前記第1固定子巻線のみに電流が流れることを特徴とする。
本発明によれば、誘導電動機の始動電流を抑制することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る誘導電動機について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る誘導電動機の構成を示す縦断面図である。誘導電動機システム200は、誘導電動機100、切り替え部80および起動制御部90を有する。
図1は、第1の実施形態に係る誘導電動機の構成を示す縦断面図である。誘導電動機システム200は、誘導電動機100、切り替え部80および起動制御部90を有する。
誘導電動機100は、回転子10、固定子20、軸受30、フレーム40、および軸受ブラケット45を有する。
回転子10は、水平方向に延びるロータシャフト11とロータシャフト11の周囲に設けられた回転子鉄心12とを有する。ロータシャフト11の回転子鉄心12を挟んだ両側は、それぞれ軸受30により回転可能に支持されている。
固定子20は、回転子鉄心12の径方向外側に、間隙を介して設けられた固定子鉄心21と、固定子鉄心21の内周に沿って周方向に互いに間隔をあけて設けられた軸方向に延びるスロット(図示せず)内を貫通する固定子巻線70を有する。
回転子鉄心12および固定子20の径方向外側は、フレーム40により囲まれている。フレーム40の軸方向の両端には、それぞれ軸受ブラケット45が設けられ、軸受ブラケット45により閉止されている。軸受ブラケット45は、それぞれ軸受30を固定支持している。
切り替え部80および起動制御部90は、制御筐体48内に収納されている。制御筐体48は、誘導電動機100のフレーム40の外側に取り付けられている。なお、制御筐体48は、自立型でもよい、あるいは、切り替え部80および起動制御部90のいずれか一方、あるいは両方とも制御盤等に収納されていてもよい。
図2は、第1の実施形態に係る誘導電動機システムの固定子巻線の1相分を含む回路図である。
固定子巻線70は、第1固定子巻線71および第2固定子巻線72を有する。固定子巻線70内では、第1固定子巻線71と第2固定子巻線72とは内部接続部76で接続され、互いに直列に配されている。
固定子巻線70は、外部接続部73、74、および75において、切り替え部80と接続する。外部接続部73と外部接続部74の間に第1固定子巻線71が配されている。また、外部接続部74と外部接続部75の間に第2固定子巻線72が配されている。
切り替え部80は、外部端子である第1端子83と第2端子84とで、それぞれ電源2と接続する。
切り替え部80は、第1スイッチ81および第2スイッチ82を有する。外部接続部73は、第1端子83に接続されている。また、外部接続部74は、第1スイッチ81を介して第2端子84に接続されている。外部接続部75は、第2スイッチ82を介して外部端子84に接続されている。
第1スイッチ81の入り切り状態と第2スイッチ82の入り切り状態が常に互いに逆となるように、第1スイッチ81と第2スイッチ82の制御回路が構成されている。すなわち、第1スイッチ81が「入り」の状態のときには、第2スイッチ82は「切り」の状態に、また、第1スイッチ81が「切り」の状態のときには、第2スイッチ82は「入り」の状態となる。
第1スイッチ81が「入り」でかつ第2スイッチ82が「切り」の状態において、第1端子83と第2端子84との間では、固定子巻線70のうちの第1固定子巻線71には電流が流れるが、第2固定子巻線72には流れない。逆に、第1スイッチ81が「切り」でかつ第2スイッチ82が「入り」の状態において、第1端子83と第2端子84間では、固定子巻線70の第1固定子巻線71および第2固定子巻線72に電流が流れる。
図3は、固定子鉄心スロット内の固定子巻線導体の配列を示す横断面図である。各スロット23は、前述のように、固定子鉄心21の内周面に沿って周方向に互いに間隔をおいて配され、軸方向に延びている。各スロット23内には、斜線で表示された第2固定子巻線導体72aが径方向外側(スロット23の奥側)に、第1固定子巻線導体71aが第2固定子巻線導体72aの径方向内側(スロット23の開口側)に積層され、これが2列に並んでいる。なお、スロット23内の配列については、これに限定されず他の配列でもよい。
図4は、固定子巻線の配列を示す斜視図である。第1固定子巻線71を構成する第1固定子巻線導体71aが上下に積層され、その上に第2固定子巻線72を構成する第2固定子巻線導体72aが積層されている。ここで、図4の上方向は、固定子鉄心21内の径方向外側方向であり、図4の下方向は、回転子10側方向である。また、図4の横方向が、ロータシャフト11の軸方向である。軸方向に向いた図4中の手前側の部分は、一つのスロット23内に収納されている。同様に、軸方向に向いた図4中の奥側の部分も、別の一つのスロット23内に収納されている。
図5は、本実施形態に係る誘導電動機の起動制御部の構成を示すブロック図である。誘導電動機100には、誘導電動機100の回転子10の回転数を検出する回転数検出器5が設けられている。
誘導電動機システム200において、起動制御部90は、操作スイッチ91、論理積要素92、論理和要素93、解除要素94、論理積要素95、および解除要素96を有する。
操作スイッチ91は、誘導電動機100の起動または停止を選択するスイッチである。論理積要素92は、操作スイッチ91が起動側の選択状態であり、かつ後述する論理積要素95の出力が有りの場合に出力する。論理和要素93は、論理積要素92の出力または、自らの出力のフィードバック信号すなわち自己保持信号のいずれかが有りで、出力する。解除要素94は、操作スイッチ91が停止側選択状態となったときに、論理和要素93の出力を、強制的に解除する。
電源2は、解除要素94の出口側の論理和要素93の出力が有りで、電源入りとなる。また、操作スイッチ91が停止側選択の状態となると、電源切りとなる。
第1スイッチ81は、操作スイッチ91が起動側選択の状態となると、開状態に移行する。すなわち、第1スイッチ81は切となる。第2スイッチ82は、操作スイッチ91が起動側選択の状態となると、閉状態に移行する。すなわち、第2スイッチ82は入りとなる。
回転数検出器5は、検出した回転数が、(NS−Δ)ないしNSとなると定格到達信号を出力する。ここで、NSは、電源周波数に対応する同期回転数である。すなわち、誘導電動機100の極数をp、電源周波数をfとすると、NS=120f/pである。また、Δは、スリップに対応する回転数に余裕を見た値である。すなわち、スリップをsとし、見込む余裕をp倍とすると、Δ=psNS/100である。
回転数検出器5から定格到達信号が出力されると、第1スイッチ81が閉、第2スイッチ82が開となる。また、操作スイッチ91からの信号は、強制解除される。論理積要素95は、第1スイッチ81が閉かつ第2スイッチ82が開となると、論理積要素92に成立信号を出力する。
なお、回転数検出器5の信号を用いて起動状態が終了した後の切り替えを行う場合を示したが、たとえば、固定子巻線を流れる電流が起動時の数倍の電流から通常のレベル近くに復帰したことを以て切り替えを行ってもよい。あるいは、タイマを用いて、電源入りからの所定の時間の経過をもって切り替えてもよい。
以上のような構成により、操作スイッチ91により起動信号が出力されると、第1スイッチ81と第2スイッチ82により、第1固定子巻線71と第2固定子巻線72が直列となるような状態にした後に、電源を投入する。また、定格回転数近くになると、自動的に第2固定子巻線72を除外した状態に移行させる。
以上のように構成された本実施形態の作用を説明する。図6は、第1の実施形態に係る誘導電動機の作用を示すフロー図である。
まず、第2スイッチ82を閉状態とする(ステップS01)。この結果、第1スイッチ81は、開状態となる。第1端子83と第2端子84間は、第1固定子巻線71と第2固定子巻線72が直列の状態となっている。
次に、誘導電動機100の電源2(図2)を投入する(ステップS02)。この結果、始動電流が、第1固定子巻線71と第2固定子巻線72を流れる(ステップS03)。電源電圧が、直列に結線された第1固定子巻線71と第2固定子巻線72に掛かるため、第1固定子巻線71のみに電源電圧がかかる場合に比べて、始動電流が低く抑えられる。
誘導電動機100の回転子10の回転数が、ほぼ定格回転数に到達し軌道を完了すると、固定子巻線70を流れる電流は減少する(ステップS04)。
固定子巻線70を流れる電流の減少が確認されたら、第1スイッチ81を閉とする(ステップS05)。これにより、第2スイッチ82は開となり、第1端子83と第2端子84間には、第1固定子巻線71が配された状態となる。この結果、固定子巻線70を流れる電流は、第1固定子巻線71と第2固定子巻線72のうち定格運転状態に対応するように設計された第1固定子巻線71のみを流れ、定常状態となる(ステップS06)。
図7は、第1の実施形態に係る誘導電動機の効果を説明する概念的なグラフである。横軸は誘導電動機の回転数、縦軸はトルクである。破線は従来方式の場合を示し、電動機トルクTM0(N)の最大値は最大トルクTMAX0である。実線は本実施形態の場合を示し、電動機トルクTM1(N)の最大値は最大トルクTMAX1である。負荷トルクTLと釣り合った回転数NFが回転数上昇後の運転点の回転数となる。なお、NSは同期回転数である。本実施形態の場合の最大トルクTMAX1は、以下に示すように、従来方式の場合の最大トルクTMAX0よりも、通常、大きくなる。
誘導電動機の等価回路を想定して、1次側(固定子巻線側)の抵抗をr1、リアクタンスをx1、2次側(回転子側)の抵抗をr2、リアクタンスをx2、誘導電動機の入力端子に印加される電圧をVM、誘導電動機の極数をp、電源周波数をfとする。このとき誘導電動機の最大トルクTMAXは、次の式(1)により与えられる。ただし、πは円周率である。
TMAX=pVM 2/[8πf{r1+√(r1 2+(x1+x2)2)}]
…(1)
TMAX=pVM 2/[8πf{r1+√(r1 2+(x1+x2)2)}]
…(1)
ここで、1次抵抗が、1次側および2次側のリアクタンスの合計に対して無視できれば、最大トルクTMAXは、次の式(2)により近似できる。
TMAX=pVM 2/[8πf(x1+x2)] …(2)
TMAX=pVM 2/[8πf(x1+x2)] …(2)
以下、1次抵抗が、1次側リアクタンスに対しても無視できるものとする。一般的に、固定子巻線の抵抗の値は、リアクタンスの値に比べて十分小さいので、この仮定は現実的であり、このような誘導電動機の場合には、以下の作用がある。
従来方式の場合の、1次側リアクタンスをx10、起動リアクトルのリアクタンスをx1Sとすると、本実施形態における1次側のリアクタンスは、(x10+x1S)である。
また、従来方式の場合において、直列に配された起動リアクトルと誘導電動機に印加される電圧をVTとすると、誘導電動機に印加される電圧VM0は、次の式(3)となる。
VM0=VT・x10/(x10+x1S) …(3)
VM0=VT・x10/(x10+x1S) …(3)
一方、本実施形態の場合の誘導電動機に印加される電圧VM1は、VTである。
したがって、従来方式の場合の最大トルクTMAX0に対する本実施形態での最大トルクTMAX1の比kは、次の式(4)により与えられる。
k=TMAX1/TMAX0
=[VM1 2/(x10+x1S+x2)]/[VM0 2/(x10+x2)]
=[VT 2/(x10+x1S+x2)]/[VT 2・x10 2/(x10+x1S)2/(x10+x2)]
=[(x10+x1S)2(x10+x2)]/[x10 2(x10+x1S+x2)]
…(4)
したがって、従来方式の場合の最大トルクTMAX0に対する本実施形態での最大トルクTMAX1の比kは、次の式(4)により与えられる。
k=TMAX1/TMAX0
=[VM1 2/(x10+x1S+x2)]/[VM0 2/(x10+x2)]
=[VT 2/(x10+x1S+x2)]/[VT 2・x10 2/(x10+x1S)2/(x10+x2)]
=[(x10+x1S)2(x10+x2)]/[x10 2(x10+x1S+x2)]
…(4)
ここで、α1=x1S/x10、α2=x2/x10とすると、式(4)は、次の式(5)のように表される。
k=(1+α2)(1+α1)2/(1+α1+α2)
=(1+α1)2/[1+α1/(1+α2)] …(5)
k=(1+α2)(1+α1)2/(1+α1+α2)
=(1+α1)2/[1+α1/(1+α2)] …(5)
誘導電動機では、一般にα1>α2であるので、この場合には、次のようにkは1より大きいことが示される。
k>(1+α1)2/(1+α1)=1+α1>1
すなわち、本実施形態での最大トルクTMAX1は、従来方式の場合の最大トルクTMAX0よりも大きくなる。したがって、図7の実線で示すように本実施形態における誘導電動機100の電動機トルクTM1(N)は、破線で示される従来方式の場合の電動機トルクTM0(N)よりも大きい。
k>(1+α1)2/(1+α1)=1+α1>1
すなわち、本実施形態での最大トルクTMAX1は、従来方式の場合の最大トルクTMAX0よりも大きくなる。したがって、図7の実線で示すように本実施形態における誘導電動機100の電動機トルクTM1(N)は、破線で示される従来方式の場合の電動機トルクTM0(N)よりも大きい。
電動機の起動時間Tは、次の式(6)により与えられる。
T=h・∫[I/(TM−TL)]dN …(6)
ただし、hは定数、Iは起動時に回転上昇する範囲の慣性2次モーメント、積分は、回転数0から回転数NFまでの範囲、TMは電動機の駆動トルク、TLは負荷トルクである。
T=h・∫[I/(TM−TL)]dN …(6)
ただし、hは定数、Iは起動時に回転上昇する範囲の慣性2次モーメント、積分は、回転数0から回転数NFまでの範囲、TMは電動機の駆動トルク、TLは負荷トルクである。
式(6)に示されるように、電動機の駆動トルクが大きいほど、電動機の起動時間は短くなる。したがって、本実施形態による誘導電動機は、従来方式に比べて短い時間で起動することができる。従来方式の場合は、起動リアクトルを流れる電流によって生ずる磁束は、誘導電動機の起動には寄与しないが、本実施形態においては、誘導電動機の起動に寄与するという効果が得られる。
以上のように、本実施形態によれば、誘導電動機100の外部に起動リアクトルを接続しなくとも、誘導電動機100の起動時に第1端子83と第2端子84間を流れる電流、すなわち、誘導電動機100の始動電流を抑制することができる。また、起動時間を短縮することにより、始動電流が流れる時間を短縮することができる。
また、固定子巻線70の切り替えを内部で行いつつ誘導電動機100が起動することになり、外部に起動用のリアクトルを備える場合に比べて、操作が簡略化され、運転員の負担が軽減される。
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係る誘導電動機の固定子鉄心スロット内の固定子巻線導体の配列を示す横断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形であり、第1固定子巻線導体71aと第2固定子巻線導体72aのスロット23への収納方法が異なっており、その他は、第1の実施形態と同様である。
図8は、第2の実施形態に係る誘導電動機の固定子鉄心スロット内の固定子巻線導体の配列を示す横断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形であり、第1固定子巻線導体71aと第2固定子巻線導体72aのスロット23への収納方法が異なっており、その他は、第1の実施形態と同様である。
すなわち、スロット23には、第1固定子巻線導体71aを収納するが第2固定子巻線導体72aを収納しないスロット23aと、第2固定子巻線導体72aを収納するが第1固定子巻線導体71aを収納しないスロット23bとがある。
スロット23a内には、第1固定子巻線導体71aが積層され、2列に並んでいる。また、スロット23b内には、第2固定子巻線導体72aが積層され、2列に並んでいる。
図9は、固定子巻線の配列を示す斜視図である。実線で示す第1固定子巻線71と、破線で示す第2固定子巻線72は、互いに異なるスロット23に配されている。
このため、切り替え部80の配線は、第1の実施形態に比べて、スロット23間の接続が多くなる。ただし、それぞれのスロット23内での配列は、第1固定子巻線導体71aと第2固定子巻線導体72aいずれか一方のみであるため、作業過程でも確認が単純化され、作業性が向上する。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、ロータシャフトが水平に設けられた横型の誘導電動機を例にして示したが、縦型の誘導電動機であってもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、ロータシャフトが水平に設けられた横型の誘導電動機を例にして示したが、縦型の誘導電動機であってもよい。
また、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…誘導電動機、2…電源、5…回転数検出器、10…回転子、11…ロータシャフト、12…回転子鉄心、20…固定子、21…固定子鉄心、22…固定子巻線、23、23a、23b…スロット、25…起動リアクトル、26…スイッチ、30…軸受、40…フレーム、45…軸受ブラケット、48…制御筐体、70…固定子巻線、71…第1固定子巻線、71a…第1固定子巻線導体、72…第2固定子巻線、72a…第2固定子巻線導体、73、74、75…外部接続部、76…内部接続部、80…切り替え部、81…第1スイッチ、82…第2スイッチ、83…第1端子、84…第2端子、90…起動制御部、91…操作スイッチ、92…論理積要素、93…論理和要素、94…解除要素、95…論理積要素、96…解除要素、100…誘導電動機、200…誘導電動機システム
Claims (4)
- 軸方向に延びたロータシャフトと、前記ロータシャフトの径方向外側に設けられた回転子鉄心とを有する回転子と、
前記ロータシャフトの前記回転子鉄心を挟んで両側のそれぞれを支持する2つの軸受と、
前記回転子鉄心の径方向外側に間隙を開けて配された円筒状の固定子鉄心と、前記固定子鉄心の内周面に沿って形成され周方向に互いに間隔をあけて前記軸方向に延びた複数のスロット内を貫通する第1固定子巻線および前記第1固定子巻線と直列に配された第2固定子巻線とを有する固定子と、
前記第2固定子巻線を起動時のみ生かすための切り替え部と、
前記回転子鉄心および前記固定子を収納するフレームと、
を備えることを特徴とする誘導電動機システム。 - 前記切り替え部は、前記第1固定子巻線と前記第2固定子巻線を接続する内部接続部に接続された配線上に設けられた第1スイッチと、前記第2固定子巻線の前記内部接続部と反対側に接続された配線上に設けられた第2スイッチとを有することを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機システム。
- 起動制御部をさらに備え、
前記起動制御部は、定格近傍回転数への到達により自動的に前記第2固定子巻線を用いない状態に切り替えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導電動機システム。 - 軸方向に延びたロータシャフトと、前記ロータシャフトの径方向外側に設けられた回転子鉄心とを有する回転子と、
前記ロータシャフトの前記回転子鉄心を挟んで両側のそれぞれを支持する2つの軸受と、
前記回転子鉄心の径方向外側に間隙を開けて配された円筒状の固定子鉄心と、前記固定子鉄心の内周面に沿って形成され周方向に互いに間隔をあけて前記軸方向に延びた複数のスロット内を貫通する第1固定子巻線および前記第1固定子巻線と直列に配された第2固定子巻線とを有する固定子と、
前記回転子鉄心および前記固定子を収納するフレームと、
を備え、
起動時には前記第1固定子巻線と前記第2固定子巻線に電流が流れ、定格運転時には前記第1固定子巻線のみに電流が流れることを特徴とする誘導電動機。
Priority Applications (1)
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- 2016-07-28 JP JP2016148488A patent/JP2018019519A/ja active Pending
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