JP2018019189A - 受信装置および方法、並びに復調装置 - Google Patents

受信装置および方法、並びに復調装置 Download PDF

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雄一 平山
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Abstract

【課題】同期信号の周波数誤差に対するシンボル間干渉による影響を抑制する。
【解決手段】同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値を推定し、推定値のシンボル間干渉による成分を制御する。例えば、推定値は、2個のシンボル間の位相差から推定することができる。例えば、2個のシンボル間の距離は、2以上とすることができる。例えば、推定値は、シンボル間干渉の成分が抑制されるように、位相差を検出するシンボルを選択することができる。例えば、予め記憶されているシンボル間干渉の成分に対応する値を減算することで、推定値のシンボル間干渉による成分を制御することができる。
【選択図】図12

Description

本技術は、受信装置および方法、並びに復調装置に関し、特に同期信号の周波数誤差に対するシンボル間干渉による影響を抑制するようにした受信装置および方法、並びに復調装置に関する。
衛星放送が普及し、多くのコンテンツが放送されている。それに伴い、最近、より高精細度の画像を放送することが望まれている。高精細度の画像を放送するには高速に信号を同期させる必要があり、種々の提案がなされている(例えば特許文献1)。
また、高精細度の画像信号を放送するには、データ量が多くなるので、効率的に伝送する必要がある。そこで、送信側においてロールオフ率が小さい帯域制限フィルタを通して信号を送信する必要がある。
特開2008-278188号公報
送信側から送信されてきた信号を受信する受信装置の構成は、基本的に、送信側に対応させる必要がある。従って送信側で低ロールオフ率のフィルタを使用する場合には、受信側でも同じ低ロールオフ率のフィルタを用いる必要がある。具体的には、ロールオフ率が0.03のフィルタの使用が予想される。
ところで、低ロールオフ率のフィルタを使用すると、フィルタのタップ数が多くなり、回路規模が大きくなる。その結果、コストが増加する。また、同期ループのループ遅延が長くなり、同期性能が低下する。そこで受信装置においては、フィルタのタップ数がそれほど大きくならないようにすることが望まれる。
しかし、受信装置におけるフィルタのタップ数が十分でないと、受信信号に対するシンボル間干渉(ISI:Intersymbol Interference)による成分を除去することができない。その結果、受信装置において、受信信号に含まれる同期信号を用いて周波数誤差を検出し、周波数を同期させようとすると、検出される周波数誤差に、シンボル間干渉に基づく偏り(誤差)が発生し、正確に周波数を同期させることが困難になる。
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、同期信号の周波数誤差に対するシンボル間干渉による影響を抑制するものである。
本技術の一側面は、受信信号の同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値を推定する推定部と、前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する制御部とを備える受信装置である。
前記推定値は、2個の前記シンボル間の位相差から推定されることができる。
2個の前記シンボル間の距離は、2以上であることができる。
受信するI信号とQ信号の反転の状態を検出する検出部をさらに備えることができる。
前記推定値を推定する2個の前記シンボル間の距離は、3以上の奇数であることができる。
前記推定値は、前記シンボル間の距離が偶数である2個の前記シンボルから推定され、前記I信号と前記Q信号の反転の状態は、前記シンボル間の距離が奇数である2個の前記シンボルから検出されることができる。
受信する前記I信号と前記Q信号の反転が検出された場合、処理する前記I信号と前記Q信号を切り替える切り替え部をさらに備えることができる。
前記推定値は、前記シンボル間干渉の成分が抑制されるように、位相差を検出する前記シンボルが選択されることができる。
前記シンボル間干渉の成分が最小になるように前記シンボル間の位相差が平均されることができる。
予め記憶されている前記シンボル間干渉の成分に対応する値を減算することで、前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御することができる。
前記受信信号を、前記推定値に対応して制御された周波数の信号に基づき検波して、周波数を同期させ、検波された信号の周波数帯域を制限し、前記周波数が制限された前記信号の位相を同期させることができる。
前記受信装置は、高度広帯域衛星放送を受信することができる。
本技術の一側面は、受信信号の同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値を推定し、前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する受信方法である。
本技術の一側面は、受信信号の同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値を推定する推定部と、前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する制御部とを備える復調装置である。
本技術の一側面においては、受信信号の同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値が推定され、推定値のシンボル間干渉による成分が制御される。
以上のように、本技術の一側面によれば、シンボル間干渉による影響を抑制することができる。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
高度広帯域衛星放送システムの構成を説明する図である。 本技術の受信装置の構成を示すブロック図である。 高度広帯域衛星放送のフレーム構成を示す図である。 受信処理を説明するフローチャートである。 本技術の衛星復調部の構成を示すブロック図である。 本技術のマッチドフィルタの構成を示すブロック図である。 本技術の同期処理を説明するフローチャートである。 シンボル間の位相差を説明する図である。 周波数誤差がある場合のシンボル間の位相差を説明する図である。 シンボル間干渉を説明する図である。 周波数誤差に対するシンボル間干渉による影響を説明する図である。 本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。 本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。 シンボル間の位相差の検出を説明する図である。 シンボル間の位相差の検出を説明する図である。 本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。 シンボル間の位相差を説明する図である。 本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。 タップによる影響を説明する図である。 本技術の衛星復調部の構成を示すブロック図である。 同期処理を説明するフローチャートである。 本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。 本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。 I信号とQ信号の反転を説明する図である。 本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。 I信号とQ信号の反転を説明する図である。 本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。 I信号とQ信号の反転を説明する図である。 本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。 本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。 本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。 本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。
以下、本技術を実施するための実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1 高度広帯域衛星放送システム(図1乃至図4)
(1)高度広帯域衛星放送システムの構成(図1)
(2)受信装置(図2)
(3)フレームの構成(図3)
(4)受信の動作(図4)
2 第1の衛星復調部(図5乃至図19)
(1)第1の衛星復調部の構成と動作(図5乃至図7)
(2)周波数誤差推定の原理(図8乃至図11)
(3)第1の周波数推定部(距離Kが2以上の場合:図12乃至図14)
(4)第2の周波数推定部(ISIの平均が最小になるシンボルの選択の場合:図15)
(5)第3の周波数推定部(ISIの減算の場合:図16乃至図18)
(6)タップ数による影響(図19)
3 第2の衛星復調部(IQ反転検出の場合:図20乃至図32)
(1)第2の衛星復調部の構成と動作(図20、図21)
(2)第4の周波数推定部(IQ反転検出、距離Kが2以上で奇数の場合:図22乃至図24)
(3)第5の周波数推定部(IQ反転検出、ISIの平均が最小になるシンボルの選択、距離Kが奇数の場合:図15、図22、図23)
(4)第6の周波数推定部(IQ反転検出、距離Kが2以上で偶数の場合:図25乃至図28)
(5)第7の周波数推定部(IQ反転検出、ISIの平均が最小になるシンボルの選択、距離Kが偶数の場合:図15、図25、図27)
(6)第8の周波数推定部(IQ反転検出、ISIの減算、距離Kが奇数の場合:図29、図30)
(7)第9の周波数推定部(IQ反転検出、ISIの減算、距離Kが偶数の場合:図31、図32)
4 その他
<1 高度広帯域衛星放送システム>
(1)高度広帯域衛星放送システムの構成(図1)
図1は、高度広帯域衛星放送システムの構成を説明する図である。高度広帯域衛星放送システム1においては、放送事業者2−1乃至2−nが放送するコンテンツをデジタル化し、送信装置3に伝送する。送信装置3は多くの場合、放送事業者2−1乃至2−nとは異なる事業者により運営されるが、同じ事業者であってもよい。各放送事業者2−1乃至2−nからの複数のコンテンツは、必要に応じてまとめられ、アンテナ4を介して衛星5に送信される。衛星5は、BS(Broadcast Satellite)またはCS(Communication Satellite)である。
なお、図1には1つのアンテナ4のみが示されているが、同一または異なる事業者のアンテナ4を複数設けることもできる。
衛星5はアンテナ4から送信されてきた信号を必要に応じて所定の処理を施した後、各家庭等に配置されている受信装置7−1乃至7−mに送信する。受信装置7−1乃至7−mは対応するアンテナ6−1乃至6−mを介して衛星5からの信号を受信する。
(2)受信装置(図2)
図2は、本技術の受信装置の構成を示すブロック図である。この受信装置11は、図1の各受信装置7−1乃至7−mに対応する。
受信装置11は、チューナ21、復調装置22、デコーダ23およびモニタ24により構成されている。チューナ21は、衛星5からの信号を受信し、そのベースバンド信号であるI信号とQ信号を復調装置22に出力する。チューナ21は地上波の放送信号も受信する機能を有しており、その中間周波数信号(IF:Intermediate Frequency)を出力する。
復調装置22は、例えばLSI(large-scale integrated circuit)により構成され、アナログフロントエンド41と復調ブロック42とを有している。アナログフロントエンド41はアナログデジタルコンバータ(ADC:Analog-to-Digital Converter)51により、チューナ21からのベースバンド信号のI信号とQ信号をそれぞれAD変換し、復調ブロック42の衛星復調部71に出力する。アナログフロントエンド41のADC52は、チューナ21からのIF信号をAD変換し、復調ブロック42の地上復調部72に出力する。
アナログフロントエンド41は、PLL(Phase Locked Loop)53を有する。PLL53は水晶54を有し、所定の周波数のクロックを生成する。PLL53で生成されたクロックは、ディバイダ55で分周され、所定の周波数とされ、ADC51,52に供給される。また、PLL53で生成されたクロックは、クロック発生部56に供給される。クロック発生回路56は、各回路が必要とする所定の周波数のクロックを生成し、各回路に供給する。
復調ブロック42においては、衛星復調部71がアナログフロントエンド41のADC51から出力されたI信号とQ信号を直交復調し、誤り訂正部74に出力する。また、地上復調部72がアナログフロントエンド41のADC52から出力されたIF信号を復調し、誤り訂正部74に出力する。
誤り訂正部74は、LDPC(Low-Density Parity-Check)/BCHデコーダ81とビタビ(Viterbi)/リードソロモン(RS:Reed−Solomon)デコーダ74を有し、衛星復調部71と地上復調部72からの信号の誤り訂正処理を行い、出力制御部76に出力する。
また、復調ブロック42においては、ケーブル復調部73がADC52から供給されたケーブルテレビジョン信号を復調し、誤り訂正部75に出力する。リードソロモン(RS)デコーダ91を有する誤り訂正部75は、復調されたケーブルテレビジョン信号の誤りを訂正し、出力制御部76に出力する。
出力制御部76は、ユーザからの指示に基づいて、衛星放送信号、地上波信号、またはケーブルテレビジョン信号のいずれかを選択し、デコーダ23に出力する。デコーダ23は出力制御部76から入力された映像信号や音声信号に対してデコード処理を施し、モニタ24に出力する。モニタ24は入力された信号に対応する画像を表示し、対応する音声を出力する。
(3)フレームの構成(図3)
図3は、図1の高度広帯域衛星放送システム1で使用される高度広帯域衛星放送のフレーム構成を示す図である。具体的には、ISDB-S3(Integrated Services Digital Broadcasting for Satellite 3)方式のフレーム構成を表している。ISDB-S3においては、解像度が所謂4Kおよび8Kの画像を伝送することが予定されている。伝送レートは33.7561MSpsである。信号はフレーム単位で送信され、1フレームは、120個の変調スロット(変調スロット#1乃至#120)で構成される。
各変調スロットの先頭には、24シンボルで構成される同期信号が配置されている。同期信号は、FSync,SSyncまたは!Syncの3種類のいずれかとされる。変調スロット#1の同期信号はFSyncとされ、変調スロット#2の同期信号はSSyncとされる。変調スロット#3以降の変調スロットにおいては、!FSyncとSSyncの同期信号が交互に配置される。!FSyncはFSyncを反転した同期信号である。
同期信号の次には、32シンボルで構成されるパイロット信号(図3においてPで示される)が配置される。これは、伝送信号点の配置を表す伝送信号点配置信号である。
以下、136シンボルのデータと、4シンボルのTMCC(Transmission and Multiplexing configuration and Control)信号の組が、66組配置される。従って1変調スロットは、9,296シンボルで構成され、0.285msの長さとなる。また、1変調スロットのデータ(Data#1乃至Data#66)は、8,976シンボルで構成され、1変調スロットのTMCC信号は、264(=4×66)シンボルで構成される。1フレームでは、136シンボルのデータが、7920個(Data#1乃至Data#7920)伝送され、4シンボルのTMCC信号が7920個(31,680シンボル=4シンボル×7,920バースト)伝送される。1フレームのシンボル数は、1,115,520(=9296×120)個となる。
高度広帯域衛星放送では、1フレーム内に複数の変調方式を混在させることができる。例えば1フレーム内に最大8個の伝送モードを定義することができ、個々の伝送モードにおいては異なる変調方式を採用することができる。変調方式としては、BPSK(Binary Phase Shift Keying),QPSK(Quadrature Phase Shift Keying),8PSK、16APSK(Amplitude & Phase Shift Keying)、32APSKの5種類の変調方式のいずれかを用いることができる。ただし、同期信号と伝送TMCC信号は、π/2シフトBPSK方式で変調される。
(4)受信の動作(図4)
次に図2に示す受信装置11の動作について、図4を参照して説明する。図4は受信処理を説明するフローチャートである。なお、以下においては、衛星5からの信号を受信する場合を例として説明する。
ステップS1において、チューナ21は衛星5を介して送信されてきた信号を受信し、I信号とQ信号からなるベースバンド信号を出力する。ステップS2においてADC51は、入力されたI信号とQ信号をAD変換する。
ステップS3において衛星復調部71は復調処理を実行する。図7等を参照して後述するが、I信号とQ信号は周波数同期されるとともに、位相同期される。そして、I信号とQ信号は直交復調される。
ステップS4において誤り訂正部74は、LDPC/ BCHデコーダ81とビタビ/RSデコーダ82を利用して信号を誤り訂正する。ステップS5において出力制御部76は、ユーザからの指示に基づいて、衛星放送の受信が指示された場合には、衛星復調部71により復調された信号を選択する。
ステップS6においてデコーダ23は、出力制御部76から入力された信号の映像信号と音声信号をデコードする。
ステップS7においてモニタ24は、デコーダ23から供給された信号に対応する画像をディスプレイに出力し、表示させたり、スピーカから音声を出力させる。
ステップS8において、ユーザからの指示に基づいて処理を終了するかが判定され、処理の終了がまだ指示されていない場合には処理はステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。処理の終了が指示された場合には、処理は終了される。
<2 第1の衛星復調部(図5乃至図19)>
(1)第1の衛星復調部の構成と動作(図5乃至図7)
次に、図2の衛星復調部71の構成について図5を参照して説明する。なお、主に、直交復調する前の、周波数同期と位相同期のための構成について説明する。
図5は、本技術の衛星復調部の構成を示すブロック図である。図5に示されるように、衛星復調部71においては、乗算部201がADC51から入力された搬送波を、周波数同期部206のNCO(Numerical Controlled Oscillator)213が発振出力した所定の周波数の発振信号を乗算することで周波数検波する。タイミング同期部202は、検波信号のタイミングを調整する。すなわち、ADC51にPLL53から入力されるサンプリングのためのクロックの位相は外部環境の状態に影響され、必ずしも安定していない。そこで信号が過不足なく復調できるように、タイミングが調整される。
マッチドフィルタ203はバンドパスフィルタであり、SNを最大化するために、所定の周波数帯域の信号のみを通過させる。マッチドフィルタ203は、例えば図6に示されるように構成される。図6は、本技術のマッチドフィルタの構成を示すブロック図である。図6に示されるように、マッチドフィルタ203は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタにより構成されている。
入力された信号は、遅延部2511乃至遅延部251N-1により1クロック分ずつ順次遅延され、後段に出力される。乗算部2520は入力されたI信号またはQ信号に、係数C0を乗算する。乗算部2521乃至252N-1は、対応する遅延部2511乃至251N-1から出力されたI信号に係数C1乃至CN-1を乗算する。各乗算部252Iの出力は、加算部253により加算される。1つの遅延部251i(i=1,2,・・・,N−1)と1つの乗算部252i(i=1,2,・・・,N−1)が、タップを構成する。
入力される信号の値をx[n]とすると、加算部253の出力y[n]は、次式で表される。
y[n]=C0・x[n]+C1・x[n-1] +C2・x[n-2]+・・・
+CN-1・x[n-(N-1)] (1)
高度広帯域衛星放送においては、マッチドフィルタ203のロールオフ率を0.03とすることが要求される。そのためには、タップ数が多くなる。しかし、本実施の形態の場合、マッチドフィルタ203のタップ数は、そのロールオフ率を0.03とする場合ほどには多くしない。すなわち、それより少ない数のタップ数で構成される。その結果、通過する周波数帯域を十分狭くすることができず、そのままではシンボル間干渉が発生し、最終的にロールオフ率0.03を実現することができない。そこで本実施の形態においては、周波数推定部212において、シンボル間干渉による影響を制限する制御を行うことで、最終的に、ロールオフ率が0.03である場合と同等の機能を実現する。
図5の等化部204は周波数応答が各周波数において等しくなるように信号を調整する。位相同期部205はPLLで構成され、乗算部201に入力される受信信号の搬送波の位相と、NCO213が乗算部201に出力する発振信号の位相を同期させる。
周波数同期部206は、乗算部201に入力される受信信号の搬送波の周波数と、NCO213が乗算部201に出力する発振信号の周波数が同期するように調整する。このため、フレーム同期部211は、同期信号の先頭の位置を検出する。例えば、I信号の同期検出値(FSync,SSync,!FSyncと相関をとった結果)と、Q信号の同期検出値(FSync,SSync,!FSyncと相関をとった結果)のそれぞれの2乗和が演算される。そしてこの2乗和の値が最も大きい位置が変調スロットの先頭位置とされる。同期検出値の複素平面上のシンボルの角度(すなわち座標(I信号の同期検出値,Q信号の同期検出値)で表される)を用いて周波数が検出される。
周波数推定部212は、作動相関により同期信号のシンボル間の位相差を検出し、それに基づいて、周波数誤差を推定する。NCO213は、周波数推定部212により推定された周波数誤差に対応する周波数の信号を発生し、乗算部201に出力する。
周波数同期部206を含むループにより、受信信号の搬送波と、NCO213が乗算部201に出力する発振信号の周波数が同期するように粗調整され、位相同期部205により位相が同期するように微調整される。位相同期部205により位相同期された信号が、図示せぬ後段に出力され、直交復調処理される。
次に図7を参照して、図5の衛星復調部71の同期動作について説明する。図7は、同期処理を説明するフローチャートである。
ステップS11において乗算部201は、NCO213により発生された所定の周波数に調整された発振信号を受信信号の搬送波信号に乗算し、搬送波を検波する。
ステップS12においてタイミング同期部202は、検波信号のタイミングを同期させる。すなわち、図2のADC51にPLL53から入力されるサンプリングのためのクロックの位相が外部環境の状態に影響され、安定していなくても、受信信号が過不足なく復調できるように、信号の出力のタイミングが調整される。
ステップS13においてマッチドフィルタ203はタイミングが調整された受信信号の周波数帯域を制限し、所定の周波数帯域の信号のみを通過させる。
ステップS14において等化部204は、周波数帯域が制限された信号を、周波数応答が各周波数において等しくなるように等化する。
ステップS15においてPLLで構成される位相同期部205は、乗算部201に入力される受信信号の搬送波の位相と、NCO213が乗算部201に出力する発振信号の位相を同期させ、後段に出力し、直交検波させる。
ステップS16において周波数同期部206のフレーム同期部211は、同期信号の先頭の位置を検出する。すなわち、FSync,SSync,!FSyncの先頭の位置が検出される。
周波数推定部212は、差動相関に基づいて、周波数誤差を推定する。すなわち、フレーム同期部211により検出された先頭位置から始まる24個のシンボルで構成される同期信号のシンボル間の位相差に基づいて、周波数誤差が推定され、誤差に対応する数値の制御信号が生成される。この実施の形態の場合、周波数誤差の推定に際し、シンボル間干渉による影響が軽減されるように制御される。これによりマッチドフィルタ203のタップ数を少なくしても、ロールオフ率を0.03とする場合のタップ数と同様のSNを実現することができる。
ステップS18においてNCO213は、周波数推定部212より供給された制御信号に基づいて、周波数誤差に対応する周波数の発振信号を発生する。発振信号は乗算部201に出力される。
ステップS19において乗算部201は、ユーザからの指示に基づいて、処理を終了するかを判定する。まだ処理の終了が指示されていない場合には、処理はステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
以上の処理が繰り返されることにより、乗算部201に入力される受信信号の搬送波の周波数と、NCO213が乗算部201に出力する発振信号の周波数の誤差が小さくなるように制御され(復調初期の粗調整が行われ)、さらに、両者の位相差が小さくなるように制御される(微調整される)。
なお、以上においては、図5の各ブロックに合わせて動作を説明したが、実際には、タイミング同期部202によるタイミング調整、周波数同期部206による周波数同期、そして位相同期部205による位相同期の順番に調整が行われる。
(2)周波数誤差推定の原理(図8乃至図11)
次に、図5の周波数推定部212が図7のステップS17で行う周波数誤差推定の原理について説明する。図8は、シンボル間の位相差を説明する図である。搬送波と発振信号に周波数誤差が存在しない理想的な場合、同期信号を構成する24個の各シンボル(Sync系列)におけるI軸とQ軸からなる複素平面(信号点配置図)上の信号点は、図8の上段に示されるようになる。すなわち、複素平面上の信号点は、第1シンボルでは右上(第1
象限)、第2シンボルでは左上(第2象限)、第3シンボルでは左下(第3象限)、第4シンボルでは左上(第2象限)、・・・、第24シンボルでは右下(第4象限)といったように、隣接するシンボル間の位相差は、90度進むかまたは遅れる。
従って、同期信号の変調を解いた後の隣接するシンボル間の位相差は、図8の下段に示されるようになる。すなわち、信号点は、第1シンボルでは右上(第1象限)、第2シンボルでは左上(第2象限)、第3シンボルでは右上(第1象限)、・・・第24シンボルでは左上(第2象限)となる。従って、第1シンボルと第2シンボルの位相差は+90度、第2シンボルと第3シンボルの位相差は−90度、第3シンボルと第4シンボルの位相差は+90度となり、以下同様に、位相差は+90度と−90度が交互に表れるようになる。
これに対して搬送波と発振信号に周波数誤差が存在する場合、次のようになる。図9は、周波数誤差がある場合のシンボル間の位相差を説明する図である。図9の上段は、変調を解く前の状態を表している。図9の上段を図8の上段と比較して明らかなように、図9の信号点の位置は、図9の信号点の位置から若干ずれている。すなわち位相がずれている。
図9の下段は、変調を解いた後の状態を表している。第2シンボルでは周波数誤差が存在しない場合の位相(図8の下段の位相)より角度θだけ進んでいる。第3シンボルでは周波数誤差が存在しない場合の位相(図8の下段の位相)より角度2θだけ進んでおり、第4シンボルでは周波数誤差が存在しない場合の位相(図8の下段の位相)より角度3θだけ進んでいる。そして、第24シンボルでは周波数誤差が存在しない場合の位相(図8の下段の位相)より角度23θだけ進んでいる。
従って、第1シンボルと第2シンボルの位相差は+(90度+θ)、第2シンボルと第3シンボルの位相差は−(90度+θ)、第3シンボルと第4シンボルの位相差は+(90度+θ)となる。以下同様に、位相差は+(90度+θ)と−(90度+θ)が交互に表れるようになる。従って、この偏角θを検出することで周波数誤差を検出することができる。
すなわち、偏角θから次の式に基づいて、周波数誤差Δfを求めることができる。
Δf=(θ/360)×33.7561 (2)
なお、33.7561(MHz)は、シンボルレートである。
次に、シンボル間干渉について説明する。図10は、シンボル間干渉を説明する図である。シンボル間干渉とは、ある1つのシンボルの信号が他のシンボルの信号に漏れ込むことをいう。図10は、周波数誤差は存在しないが、第2シンボルの信号が、他の第1シンボル、第3シンボル、第4シンボル、・・・第24シンボルに漏れ込んだ状態を示している。
漏れ込みは、ベクトルで表すことができる。すなわち、第2シンボルの信号点を表す図中矢印で示されるベクトルが、他の第1シンボル、第3シンボル、第4シンボル、・・・第24シンボル等の他のシンボルに、所定の割合で加算される。漏れ込み量は、シンボル間の距離に対応し、距離が遠くなる程小さくなる。図10においても、距離が遠くなる程、ベクトルの長さが短くなっている。
なお、図10には第2シンボルの他のシンボルに対する漏れ込みが示されているが、第2シンボル以外のシンボルも同様に他のシンボルに漏れ込むことになる。
このようなシンボル間干渉が発生すると、それが周波数誤差として誤検出される。図11は、周波数誤差に対するシンボル間干渉による影響を説明する図である。図11の上段は、周波数誤差が存在しないが、シンボル間干渉が発生している場合における変調を解く前の状態を表している。
図11の下段は、図11の上段のSync系列の変調を解いた状態を表している。図11の下段に示されているように、第1シンボルと第2シンボルの位相差は+(90度+X1)、第2シンボルと第3シンボルの位相差は−(90度+X2)、第3シンボルと第4シンボルの位相差は+(90度+X3)となり、以下同様に、位相差は+(90度+Xn)と−(90度+Xn-1)が交互に表れるようになる。従って、シンボル間干渉が発生すると、この角度Xj(j=1,2,3,・・・、23)が周波数誤差として誤検出される。本実施の形態では、周波数推定部212において、このシンボル間干渉による成分が抑制されるように制御される。
(3)第1の周波数推定部(距離Kが2以上の場合:図12乃至図14)
次に、図5の周波数推定部212の構成について説明する。図12は、本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。この周波数推定部212においては、同期信号抽出部301がフレーム同期部211から供給される信号から同期信号を抽出する。同期信号復調部302は同期信号抽出部301により抽出された同期信号を復調する。位相差検出部303は同期信号復調部302により復調された同期信号から位相差を検出する。これによりシンボル間干渉による成分が制御される。
90度補正部304は、位相差検出部303により検出された位相差のうち、90度の分を補正する。シンボル平均部305は、90度補正部304の出力からシンボル間の位相差の平均値を演算する。変換部306は、シンボル平均部305により演算された平均値を対応する周波数誤差に変換する。すなわち、推定された周波数誤差に対応する推定値が出力される。
次に図13を参照して、図12の周波数推定部212の動作について説明する。図13は、本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。ステップS51において同期信号抽出部301は、同期信号を抽出する。すなわち、フレーム同期部211より検出された同期信号の先頭位置を基準にして、そこから24シンボル分のFSync,SSync,!FSyncが抽出される。
ステップS52において同期信号復調部302は、同期信号を復調する。すなわち、π/2シフトBPSK変調されている同期信号が復調される。ステップS53において位相差検出部303は、同期信号の位相差を検出する。この位相差検出方法について図14を参照して説明する。
図14は、シンボル間の位相差の検出を説明する図である。図14は、周波数誤差が無い場合の変調を解いた後の状態を表している。この実施の形態においては図14に示されるように、隣接するシンボルではなく、2個離れた(シンボル間の距離K(式3)を参照して後述する)が2である)シンボルとの位相差が検出される。すなわち、第1シンボルと第3シンボルの位相差(0度+Y1)、第2シンボルと第4シンボルの位相差(0度+Y2)、・・・第22シンボルと第24シンボルの位相差(0度+Y22)(図示せず)がそれぞれ検出される。
周波数誤差が無いにも拘わらず現れる成分の値Yi(i=1,2,・・・,22)は、シンボル間干渉によるものである。2個離れたシンボルとの位相差が検出される場合の値Yiは、図11の隣接する(シンボル間の距離Kが1である)シンボルとの位相差が検出される場合の値Xj(j=1,2,・・・,23)に比べて、無視できるほど十分小さくなる。従って、シンボル間干渉による影響は無視することができる。シンボル間の距離Kが大きい程、シンボル間干渉の影響は小さくなる。
図14においては2個離れた(シンボル間の距離Kが2である)シンボルとの位相差が検出されるが、3個以上離れた(シンボル間の距離Kが3以上である)シンボルとの位相差でもよい。2個以上離れた(シンボル間の距離Kが2以上である)シンボルとの位相差が検出される場合、周波数誤差は次式で表される。
Δf=(θ/360)×(33.7561/K) (3)
なお、Kは、離したシンボル間の距離を表す。図14の例では、K=2となる。K=1の場合は、隣接するシンボル間の位相差が検出される場合である。この場合、式(3)は、式(2)と同一となる。θは、式(4)を参照して後述するように、周波数誤差に対応する角度(偏角)である。
距離Kが偶数である場合、0度からのずれ量で角度が推定され、奇数である場合、90度からのずれ量で角度が推定される。
説明は図13に戻って、ステップS54において90度補正部304は、検出された位相から90度を補正する。つまり、図11に示されるように、シンボル間の位相差に、(90度+Xi)、−(90度+Xi+1)のように、90度の成分が出現する場合、その値が位相差の平均値に影響しないようにするために制御(除去)される。ただし、図14の例では、出現する値は0度なので、90度補正部304では実質的には何も処理されず、信号はそのまま出力される。
ステップS55においてシンボル平均部305は、位相差を平均する。すなわち図14の例では、24個のシンボルを処理して、22個のシンボル間位相差が得られるので、その平均値が演算される。具体的には、図14に示される値Yiの平均値が周波数誤差に対応する偏角θとして、次式に示されるように演算される。
θ=(Y1+Y2+Y3+・・・Y22)/22 (4)
ステップS56において変換部306は、位相差を対応する周波数に変換する。すなわち、ステップS55の処理で得られた偏角θを用いて、式(3)に従って、周波数誤差Δfが演算される。この周波数誤差Δfが入力された図5のNCO213は、周波数誤差Δfに対応する周波数の発振信号を発生し、乗算部201に供給する。このようにして各変調スロットの先頭に配置されている同期信号に同期するように発振信号の周波数が変調スロット毎に制御される。
なお、所定の基準値に周波数誤差を加算した値で発振周波数を制御することもできる。
ステップS57において同期信号抽出部301は、ユーザの指示に基づいて処理を終了するかを判定する。ユーザからまだ終了が指示されていない場合には、処理はステップS51に戻り、それ以降の処理が繰り返される。終了が指示された場合には、処理は終了される。
以上のようにして、差動相関方式における周波数誤差の偏りを低減することができる。
(4)第2の周波数推定部(ISIの平均が最小になるシンボルの選択の場合:図15)
図14の例においては、距離K=2のシンボル間の位相差を検出することでシンボル間干渉による影響を軽減するようにしたが、24個のシンボルのうちの任意の所定のもののみを選択してシンボル間位相差を検出するようにすることもできる。この場合の周波数推定部212の構成は図12に示される場合と同様である。ただし、位相差検出部303で位相差を検出するシンボルが選択される。この場合、シンボル間干渉による成分の平均値が最小になるシンボルが選択される。
シンボル間の位相差のうち、シンボル間干渉により発生する成分(例えば隣接するシンボル間の位相差の場合であれば図11の値Xi)は、符号間干渉の量(漏れ込み量)と、同期信号のパターン(すなわち、FSync,SSync,!FSyncのパターン)に依存する。符号間干渉の量(漏れ込み量)は、マッチドフィルタ203の構成が決まれば決まり、FSync,SSync,!FSyncのパターンは規格により予め決められている。そこで受信装置11において、24個のシンボルの中から、シンボル間干渉により発生する成分(値Xi)の平均値が最小(理想的には0)になるようなシンボルを計算により特定することができる。そして、そのシンボルの任意の個数の任意の組み合わせが位相差検出対象として選択される。すなわち、最適な位相差検出が行われるように、例えば第1,2,5,・・・23等、任意の数のシンボルの任意の組み合わせが選択される。従って、この場合、距離K=1とすることができる。
図15は、シンボル間の位相差の検出を説明する図である。図15の例では、第1シンボル、第2シンボル、第3シンボル、第4シンボル、・・・第9シンボル、第10シンボル、第11シンボル、等が選択されている。そして、距離K=1とされている。つまり、第1シンボルと第2シンボルの位相差(90度+X1)、第3シンボルと第4シンボルの位相差(0度+X2)、・・・第9シンボルと第10シンボルの位相差−(90度+Xn)、第10シンボルと第11シンボルの位相差(90度+Xn+1)、・・・等が検出される。
図12の位相差検出部303(図13のステップS53)においては、選択されたシンボル間の位相差が検出され、シンボル平均部305(ステップS55)においては選択されたシンボル間の位相差の平均値が演算される。選択されたシンボル間の位相差であるため、この平均値にはシンボル間干渉成分は含まれていないか、含まれていても極めて少ない。その他の処理は図13に示される場合と同様であるのでその説明は省略する。
(5)第3の周波数推定部(ISIの減算の場合:図16乃至図18)
以上のように、図14の例においては、2個以上離れたシンボル間の位相差を検出し、図15の例においては位相差を検出する任意のシンボルを選択することで、シンボル間干渉による影響を軽減するようにした。さらに周波数推定部212を、図16に示されるように構成して、シンボル間干渉による影響を軽減することができる。
図16は、本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。図16を図12と比較して明らかなように、図16の周波数推定部212は、シンボル平均部305と変換部306の間に、減算部321を配置したことが図12の周波数推定部212と異なっている。その他の構成は、図12の周波数推定部212と同様であり、その説明は省略する。
減算部321は、予め所定の値を記憶しており、その記憶値を、シンボル平均部305により演算された平均値から減算して、変換部306に出力する。この記憶値は、シンボル間干渉により発生する成分(値Xi)の平均値に対応する値とされている。
ここで図17を参照して記憶値について説明する。図17は、シンボル間の位相差を説明する図である。図17は、周波数誤差が存在しない、変調を解いた後の状態を表している。図17に示されるように、周波数誤差が存在しない場合における2シンボル間の位相差は、第1シンボルと第2シンボルでは(90度+X1)、第2シンボルと第3シンボルでは−(90度+X2)、第3シンボルと第4シンボルでは(90度+X3)・・・となる。
上述したように、シンボル間干渉により発生する成分(値Xi)は、符号間干渉の量(漏れ込み量)と、同期信号のパターン(すなわち、FSync,SSync,!FSyncのパターン)に依存する。そこで位相差検出部303により隣接するシンボル間の位相差が検出される場合、図17における値X1,X2,X3,・・・X23の平均値、すなわちシンボル間干渉成分の平均値が記憶値とされる。この平均値は、計算、実験等により求めることができる。
次に、図18を参照して図16の周波数推定部212の動作について説明する。図18は、本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。図18の処理は、基本的に図13の処理と同様の処理である。すなわち、図18のステップS81乃至ステップS85の処理は、図13のステップS51乃至ステップS55の処理と同様の処理であり、ステップS87とステップS88の処理は、ステップS56とステップS57の処理と同様の処理である。
ステップS85とステップS87の間にステップS86の処理が挿入されている点が、図18の処理と図13の処理との間の異なっている点である。
すなわち、図16の同期抽出部301乃至シンボル平均部305により、図13のステップS51乃至ステップS55と同様の図18のステップS81乃至ステップS85の処理が実行される。
ステップS83において位相差検出部303により、シンボル間の距離Kが1と最も短い場合の位相差検出が行われる。従って、上述した式(3)からも明らかなように、距離Kの値を2以上とした場合に比べて、周波数誤差Δfの幅を大きくすることができる。検出されるシンボル間の位相差は、次式で表される。θは周波数誤差に対応する偏角であり、Xiはシンボル間干渉成分である。
90度+θ+Xi または −(90度+θ+Xi) (5)
従ってステップS84において90度補正部304により90度の成分が補正された値の、ステップS85においてシンボル平均部305により演算された平均値は、次式で示されるようになる。Av(Xi)はシンボル間干渉成分の平均値である。
θ+Av(Xi) (6)
上述したように、シンボル間干渉成分の平均値が減算部321に予め記憶されており、ステップS86で減算部321はこの記憶値を位相差の平均値から減算する。つまり、式(6)からシンボル間干渉成分の平均値Av(Xi)が減算されるので、偏角θだけがステップS87で変換部306により周波数誤差Δfに変換される。
その他の説明は図13における場合と同様なので省略する。
(6)タップ数による影響(図19)
ここで図19を参照して、マッチドフィルタ203のタップの数が性能に与える影響について説明する。図19は、タップによる影響を説明する図である。図19の横軸はマッチドフィルタ203のタップ数を表し、縦軸は信号電力対干渉電力比(SN)を表している。曲線L1は、ロールオフ率が0.35であり、伝送レートが52Mbpsである現行のBS/110度CSデジタル放送規格(ISDB-S)の特性を表している。曲線L2は、より高品質な画像、音声、データを効率よく伝送する、ロールオフ率が0.03であり、ビットレートが最大142MbpsのISDB-S3の特性を表している。
曲線L1においては、タップ数が10個のときSN値は約46であり、タップ数が60個のときSN値は約77である。曲線L2においては、タップ数が10個のときSN値は約23であり、タップ数が60個のときSN値は約47である。曲線L2(ISDB-S3)においてタップ数を60個とした場合に実現されるSN値(約47)は、曲線L1(ISDB-S)において、タップ数を10個とした場合に実現されるSN値(約46)とほぼ等しい。
曲線L1と曲線L2のいずれにおいても、タップの数が少ない程、SNが劣化していることがわかる。また、曲線L2の方が曲線L1に比べて、全体的にSNがよくないことがわかる。すなわち、ISDB-S3の方が、ISDB-Sに比べて、少しでもSNを劣化させないようにする必要がある(タップ数が多い方がよい)ことがわかる。本実施の形態においては、タップ数を少なくするものの、シンボル間干渉成分を抑制するようにしたので、性能的には、タップ数が多い場合と同様のSNを実現することができる。
以上のような構成の本実施の形態によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)シンボル間干渉による影響を抑制することができる。
(2)周波数の粗調整が行われ、位相の微調整が行われるので、比較的大きな周波数誤差(例えば約1MHz程度)が含まれる場合にも、速やかな同期が可能となる。
(3)適正な復調処理が可能となる。
(4) 構成が簡単で、回路規模が小さくなり、低コスト化することができる。
(5)タップ数が少ないので、同期ループのループ遅延が短くなり、同期性能が向上する。
<3 第2の衛星復調部(IQ反転を検出する場合:図20乃至図32)>
(1)第2の衛星復調部の構成と動作(図20、図21)
図2に示されるように、I信号とQ信号は、チューナ21から復調装置22に、それぞれ別のコードで供給される。誤ってまたは意図的に、チューナ21のI信号出力端子が復調装置22のQ信号入力端子に接続され、チューナ21のQ信号出力端子が復調装置22のI信号入力端子に接続される場合がある。意図的に行われるのは、例えばそのように接続した方が、2本の接続コードの長さの差が小さくなり、好ましい特性が得られる場合である。
そこで、I信号とQ信号のコードが逆に接続された場合にも正しい処理ができるようにすることが望まれる。このような場合の衛星復調部71の構成について、図20を参照して説明する。
図20は、本技術の衛星復調部の構成を示すブロック図である。図20の衛星復調部71においては、乗算部201とタイミング同期部202との間に、切り替え部401が挿入されている。その他の構成は図5の衛星復調部71と同様である。
切り替え部401は、乗算部201が出力するI信号をタイミング同期部202のI信号入力端子とQ信号入力端子のいずれか一方に切り替えて入力するように切り替えを行う。同様に、切り替え部401は、乗算部201が出力するQ信号をタイミング同期部202のQ信号入力端子とI信号入力端子のいずれか一方に切り替えて入力するように切り替えを行う。切り替えは周波数推定部212からの切り替え信号に基づいて行われる。
次に、図21を参照して、図20の衛星復調部71の動作について説明する。図21は、同期処理を説明するフローチャートである。図21の処理は、基本的に図7の処理と同様である。すなわち図21のステップS101の処理は、図7のステップS11の理と同様の処理であり、図21のステップS103乃至ステップS110の処理は、図7のステップS12乃至ステップS19の処理と同様の処理である。ステップS101とステップS103の間に、ステップS102が挿入されている点が、図21の処理と図7の処理の相違点である。
ステップS101の処理で検波された信号が切り替え部401に入力されると、ステップS102において切り替え部401は、切り替え信号に対応して切り替えを行う。切り替え信号は周波数推定部212から供給される。
切り替え信号がI信号とQ信号が反転していることを表している場合、切り替え部401はI信号とQ信号の供給先の切り替えを行う。すなわち乗算部201から出力されたI信号は、タイミング同期部202のQ信号入力端子に供給され、Q信号は、タイミング同期部202のI信号入力端子に供給される。切り替え信号がI信号とQ信号が反転していないことを表している場合、切り替え部401はI信号とQ信号の供給先の切り替えを行わない。すなわちI信号はタイミング同期部202のI信号入力端子に、Q信号はタイミング同期部202のQ信号入力端子に、それぞれ供給される。
このように、I信号とQ信号が反転していても、反転していなくても、タイミング同期部202以降の各部には、I信号とQ信号が正しく入力されるので、各処理が正しく行われる。
その他の処理は図7の処理と同様であるので、その説明は省略する。
なお、図20の例では、切り替え部401はタイミング同期部202の前に配置したが、位相同期部205より前であればよく、例えば乗算部201の前、等化部204の前等に配置することもできる。
(2)第4の周波数推定部(IQ反転検出、距離Kが2以上で奇数の場合:図22乃至図24)
次に図20の周波数推定部212の構成例について説明する。図22は、本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。図22の周波数推定部212においては、IQ反転検出部421が設けられている。その他の構成は図12の周波数推定部212と同様である。ただし、図22の周波数推定部212は、位相差検出部303が、シンボル間の距離Kが2以上であり、奇数である場合の位相差検出を行う。
IQ反転検出部421は、位相差検出部303の出力から、IQ反転を検出し、検出結果に対応する切り替え信号を図20の切り替え部401に出力する。
次に図22の周波数推定部212の動作について、図23を参照して説明する。図23は、本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。図23の処理は基本的に図13の処理と同様である。図23のステップS121乃至ステップS123の処理は、図13のステップS51乃至ステップS53の処理と同様であり、図23のステップS125乃至ステップS128の処理は、図13のステップS54乃至ステップS57の処理と同様である。図23においては、ステップS123とステップS125の間にステップS124の処理が挿入されている点が、図23と図13の処理の相違点である。
ステップS121乃至ステップS123、ステップS125乃至ステップS128において、同期信号抽出部301乃至変換部306により、図13を参照して説明した場合と同様の処理が行われる。ただし、ステップS123においては位相差検出部303により、例えば図3に示されるように、シンボル間の距離Kが2以上で、奇数(図24の場合は、距離K=3)である場合の位相差検出処理が行われる。
ここで図24を参照して、シンボル間の距離Kが奇数である場合のI信号とQ信号の反転について説明する。図24は、I信号とQ信号の反転を説明する図である。図24はシンボル間の距離Kが3である場合の例を示している。図24の上段は、I信号とQ信号が反転していない場合の信号を表しており、下段は、反転している場合の信号を表している。反転している場合、虚数部の符号(Q軸の座標)が反転していない場合と逆極性になっている。つまり複素共役の関係になっている。
従って、I信号とQ信号が反転していない上段においては、第1シンボルと第4シンボルの位相差は+90度となっているのに対して、反転している下段においては、第1シンボルと第4のシンボルの位相差は−90度となっている。第2シンボルと第5シンボルの位相差は、上段においては−90度であるのに対して、下段においては+90度になっており、第3シンボルと第6シンボルの位相差は、上段においては+90度であるのに対して、下段においては−90度になっている。
このように、I信号とQ信号が反転している場合においては、反転していない場合に比べて、90度の符号が逆になっている。ステップS124においてIQ反転検出部421は、この符号の反転を検出する。つまり、IQ反転検出部421は、I信号とQ信号が反転していない場合の各シンボル間の位相差の90度成分の符号を記憶しており、検出された符号が記憶されている符号と逆になっている場合には、I信号とQ信号が反転していると判定する。逆に、検出された符号が記憶されている符号と逆になっていない場合には、I信号とQ信号が反転していないと判定される。判定結果は切り替え信号として図20の切り替え部401に供給される。
その他の動作は図12(図13)における場合と同様であるので、その説明は省略する。
このように、位相差検出部303において距離Kが2以上で、奇数であるシンボル間の位相差を検出する場合、後述する図25の例と比較して明らかなように、IQ反転検出のための専用の位相差検出部451を設ける必要がない。従ってその分、構成が簡略化され、コストを低減することができる。
(3)第5の周波数推定部(IQ反転検出、ISIの平均が最小になるシンボルの選択、距離Kが奇数の場合:図15、図22、図23)
図22の位相差検出部303において、図15を参照して説明したように、シンボル間干渉による成分の平均値が最小になるシンボル間の位相差を検出するようにすることもできる。その処理は、図23を参照して説明した場合と同様となる。ただしこの場合のシンボル間の位相差は、IQ反転が検出可能な距離Kが奇数のシンボル間の位相差である必要がある。
(4)第6の周波数推定部(IQ反転検出、距離Kが2以上で偶数の場合:図25乃至図28)
次に図20の周波数推定部212の他の構成例について説明する。図25は、本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。図25の周波数推定部212においては、IQ反転検出部421の前段に位相差検出部451が設けられている。その他の構成は図22の周波数推定部212と同様である。ただし、図25の周波数推定部212は、位相差検出部303が、シンボル間の距離Kが2以上の偶数である場合の位相差検出を行う。これに対して位相差検出部451は、シンボル間の距離Kが奇数である場合の位相差検出を行う。その他の構成は、図22における場合と同様である。
ここで図26を参照して、シンボル間の距離Kが偶数である場合のI信号とQ信号の反転について説明する。図26は、I信号とQ信号の反転を説明する図である。図26は、シンボル間の距離Kが2である場合の例を示している。図26の上段は、I信号とQ信号が反転していない場合の信号を表しており、下段は、反転している場合の信号を表している。反転している場合、虚数部の符号(Q軸の座標)が反転していない場合と逆極性になっている。つまり複素共役の関係になっている。
従って、I信号とQ信号が反転していない上段においては、第1シンボルと第3のシンボルの位相差は0度となっており、反転している下段においても、第1シンボルと第3のシンボルの位相差は0度となっている。第2シンボルと第4のシンボルの位相差は、上段においては0度であり、下段においても0度になっている。
このように、本来の周波数誤差検出のための信号処理経路中の位相差検出部303においては、シンボル間の距離Kが2(偶数)である場合の位相差が検出されるので、IQ反転を検出することができない。そこで図25の周波数推定部212においては、IQ反転検出部421の前段に、周波数誤差検出のための位相差検出部303とは別に、IQ反転検出のための位相差検出部451が設けられる。そこで、同期信号復調部303の出力から、シンボル間の距離Kが奇数である場合(例えば図24に示されるようなシンボル間の距離Kが3である場合)の位相差検出が行われる。
次に図25の周波数推定部212の動作について、図27を参照して説明する。図27は、本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。図27の処理は、基本的に図23の処理(従って図13の処理)と同様の処理である。すなわち、ステップS141、ステップS142の処理は、図23のステップS121、ステップS122の処理(図13のステップS51、ステップS52の処理)と同様の処理であり、ステップS145乃至ステップS149の処理は、図23のステップS123、ステップS125乃至ステップS128の処理(図13のステップS53乃至ステップS57の処理)と同様の処理である。また、図27のステップS144の処理は、図23のステップS124の処理と同様の処理である。結局、ステップS144でIQ反転検出処理を行うために、ステップS143において専用の位相差検出が行われる点が、図23の場合と異なっている。
図27のステップS141、ステップS142、ステップS145乃至ステップS149において、同期信号抽出部301乃至変換部306により、図23の場合と同様の処理(従って図13の場合と同様の処理)が行われる。ただし、ステップS145において位相差検出部303は、シンボル間の距離Kが2以上の偶数である場合(例えば図14に示されるようなK=2である場合)の位相差検出処理を行う。
ステップS143において位相差検出部451は、ステップS142において同期信号復調部302により復調された同期信号の位相差を検出する。ここでは、シンボル間の距離Kが奇数である場合(例えば図24に示されるようなK=3である場合)の位相差検出処理が行われる。ステップS144においてIQ反転検出部421は、位相差検出部451により検出された位相差から、図24を参照して説明したように、I信号とQ信号の反転の状態を検出し、判定結果を切り替え信号として図20の切り替え部421に出力する。
その他の処理は図23(図13)の処理と同様であり、その説明は省略する。
なお、図25の位相差検出部451は、IQ反転検出専用であり、周波数誤差の推定には用いられないので、若干シンボル間干渉による影響があっても許容される。そこで、図28に示されるように、シンボル間の距離Kが1である場合の位相差を検出するようにしてもよい。
すなわち、図28は、I信号とQ信号の反転を説明する図である。図28はシンボル間の距離Kが1である場合の例を示している。図28の上段は、I信号とQ信号が反転していない場合の信号を表しており、下段は、反転している場合の信号を表している。反転している場合、虚数部の符号(Q軸の座標)が反転していない場合と逆極性になっている。つまり複素共役の関係になっている。
従って、I信号とQ信号が反転していない上段においては、第1シンボルと第2のシンボルの位相差は+90度となっているのに対して、反転している下段においては、第1シンボルと第2のシンボルの位相差は−90度となっている。第2シンボルと第3のシンボルの位相差は、上段においては−90度であるのに対して、下段においては+90度になっており、第3シンボルと第4のシンボルの位相差は、上段においては+90度であるのに対して、下段においては−90度になっている。
このように、位相差検出部451においては、シンボル間の距離Kが1である場合の位相差を検出するようにしてもよい。このことは、後述する図31の例においても同様である。
(5)第7の周波数推定部(IQ反転検出、ISIの平均が最小になるシンボルの選択、距離Kが偶数の場合:図15、図25、図27)
図25の位相差検出部303においては、距離Kが偶数のシンボル間の位相差を検出し、位相差検出部451においては、距離Kが奇数のシンボル間の位相差を検出するようにした。位相差検出部303において、図15を参照して説明したように、シンボル間干渉による成分の平均値が最小になるシンボル間の位相差を検出し、そのシンボル間位相差では、IQ反転が検出できない場合にも、周波数推定部212の構成は、図25に示されるようになる。その処理は、図27を参照して説明した場合と同様となる。ただしこの場合の位相差検出部451は、IQ反転が検出可能なシンボル間の位相差を検出する必要がある。
(6)第8の周波数推定部(IQ反転検出、ISIの減算、距離Kが奇数の場合:図29、図30)
次に図20の周波数推定部212のさらに他の構成例について説明する。図29は、本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。図29の周波数推定部212は、基本的に図16の周波数推定部212と同様の構成である。図29の周波数推定部212においては、IQ反転検出部421が設けられている点が、図16の周波数推定部212と異なっている。ただし、図29の周波数推定部212の位相差検出部303では、シンボル間の距離Kが奇数である場合(例えば図24に示されるようなK=3である場合)の位相差検出処理が行われる。
次に図30を参照して、図29の周波数推定部212の動作について説明する。図30は、本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。図30のステップS181乃至ステップS183、ステップS185乃至ステップS189の処理は、図18のステップS81乃至ステップS88の処理と同様の処理である。ステップS183とステップS185の間に、ステップS184が挿入されている点で、図30の処理は図18の処理と異なっている。
ステップS181乃至ステップS183、ステップS185、ステップS186、ステップS188、ステップS189において、図18のステップS81乃至ステップS85、ステップS87、ステップS88の処理と同様の処理、すなわち、図13のステップS51乃至ステップS57の処理と同様の処理が実行される。ステップS187において図18のステップS86と同様の記憶値を減算する処理が行われる。
そして図30の周波数誤差推定処理では、ステップS184においてIQ反転検出部421が、ステップS183で位相差検出部303により検出された位相差から、I信号とQ信号の反転の状態が検出される。検出結果は切り替え信号として図20の切り替え部401に出力される。
その他の処理は、図18を参照して説明した場合と同様であり、その説明は省略する。
なお、IQ反転検出のためのシンボル間位相差には、若干シンボル間干渉による影響があっても許容される場合、図29の位相差検出部303において、図28に示されるような、距離Kが1であるシンボル間位相差を検出するようにすることができる。なぜならば、周波数誤差の推定に用いられる信号については、そのシンボル間干渉の成分が減算部321により減算されるからである。
(7)第9の周波数推定部(IQ反転検出、ISIの減算、距離Kが偶数の場合:図31、図32)
次に図20の周波数推定部212のさらに他の構成例について説明する。図31は、本技術の周波数推定部の構成を示すブロック図である。図31の周波数推定部212は、基本的に図16の周波数推定部212と同様の構成である。図31の周波数推定部212においては、IQ反転検出部421と、その前段に位相差検出部451が設けられている点が、図16の周波数推定部212と異なっている。ただし、図31の周波数推定部212の位相差検出部303では、シンボル間の距離Kが偶数である場合(例えば図14に示されるようなK=2である場合)の位相差検出処理が行われる。これに対して位相差検出部451は、シンボル間の距離Kが奇数である場合(例えば図24に示されるようなK=1である場合)の位相差検出を行う。その他の構成は、図16における場合と同様である。
図31と図29の周波数推定部212の相違点は、IQ反転検出部421がI信号とQ信号の反転を検出するために、専用の位相差検出部451が設けられている点である。
次に図32を参照して、図31の周波数推定部212の動作について説明する。図32は、本技術の周波数誤差推定処理を説明するフローチャートである。図32のステップS201、ステップS202、ステップS205乃至ステップS210の処理は、図18のステップS81乃至ステップS88の処理と同様の処理である。ステップS202とステップS205の間に、ステップS203とステップS204が挿入されている点が、図18の処理と異なっている。
また、図32のステップS201、ステップS202、ステップS205乃至ステップS210の処理は、図30のステップS181乃至ステップS183、ステップS185乃至ステップS189の処理に対応している。図30においては、ステップS184においてIQ反転の状態を検出するために、ステップS183での位相差検出結果が用いられる。これに対して、図32においては、ステップS204でIQ反転の状態を検出するのに、ステップS203におけるIQ反転の状態を検出するための専用の位相差検出結果が用いられる。
ステップS201、ステップS202、ステップS205乃至ステップS207、ステップS208、ステップS210において、図18のステップS81乃至ステップS85、ステップS87、ステップS88の処理と同様の処理、すなわち、図13のステップS51乃至ステップS57の処理と同様の処理が実行される。ただしステップS205において位相差検出部303は、シンボル間の距離Kが偶数である場合(例えば図14に示されるようなK=2である場合)の位相差検出処理を行う。ステップS208において図18のステップS86と同様の記憶値を減算する処理が行われる。
また、ステップS203において位相差検出部451は、シンボル間の距離Kが奇数である場合(例えば図24に示されるようなK=3である場合)の位相差検出処理を行う。位相差検出部451により検出された位相差に基づいて、ステップS204においてIQ反転検出部421が、I信号とQ信号の反転の状態を検出する。検出結果は切り替え信号として図20の切り替え部401に出力される。
その他の処理は、図18を参照して説明した場合と同様であり、その説明は省略する。
以上のような構成の本実施の形態によれば、上述した第1の衛星復調部において述べた効果の他、次のような効果を奏することができる。
(1)I信号とQ信号が反転している場合においても、適正に信号を復調処理することができる。
(2)距離Kが奇数であるシンボル間の位相差を検出するようにすることで、構成をより簡単にすることができる。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。本技術は、ロールオフ率が0.05その他の場合にも適用することができる。
<4 その他>
本技術は、以下のような構成もとることができる。
(1)
受信信号の同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値を推定する推定部と、
前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する制御部と
を備える受信装置。
(2)
前記推定値は、2個の前記シンボル間の位相差から推定される
前記(1)に記載の受信装置。
(3)
2個の前記シンボル間の距離は、2以上である
前記(1)または(2)に記載の受信装置。
(4)
受信するI信号とQ信号の反転の状態を検出する検出部をさらに備える
前記(1)、(2)または(3)に記載の受信装置。
(5)
前記推定値を推定する2個の前記シンボル間の距離は、3以上の奇数である
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の受信装置。
(6)
前記推定値は、前記シンボル間の距離が偶数である2個の前記シンボルから推定され、
前記I信号と前記Q信号の反転の状態は、前記シンボル間の距離が奇数である2個の前記シンボルから検出される
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の受信装置。
(7)
受信する前記I信号と前記Q信号の反転が検出された場合、処理する前記I信号と前記Q信号を切り替える切り替え部をさらに備える
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の受信装置。
(8)
前記推定値は、前記シンボル間干渉の成分が抑制されるように、位相差を検出する前記シンボルが選択される
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の受信装置。
(9)
前記シンボル間干渉の成分が最小になるように前記シンボル間の位相差が平均される
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の受信装置。
(10)
予め記憶されている前記シンボル間干渉の成分に対応する値を減算することで、前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する
前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の受信装置。
(11)
前記受信信号を、前記推定値に対応して制御された周波数の信号に基づき検波して、周波数を同期させ、
検波された信号の周波数帯域を制限し、
前記周波数が制限された前記信号の位相を同期させる
前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の受信装置。
(12)
前記受信装置は、高度広帯域衛星放送を受信する
前記(1)乃至(11)のいずれかに記載の受信装置。
(13)
受信信号の同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値を推定し、
前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する
受信方法。
(14)
受信信号の同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値を推定する推定部と、
前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する制御部と
を備える復調装置。
11 受信装置, 22 復調装置, 42 復調ブロック, 71 衛星復調部, 201 乗算部, 202 タイミング同期部, 203 マッチドフィルタ, 204 等化部, 205 位相同期部, 206 周波数同期部, 211 フレーム同期部, 212 周波数推定部, 213 NCO, 301 同期抽出部, 302 同期信号復調部, 303 位相検出部, 304 90度補正部,305 シンボル平均部, 306 変換部, 321 減算部, 401切り替え部, 421 IQ反転検出部, 451 位相差検出部

Claims (14)

  1. 受信信号の同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値を推定する推定部と、
    前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する制御部と
    を備える受信装置。
  2. 前記推定値は、2個の前記シンボル間の位相差から推定される
    請求項1に記載の受信装置。
  3. 2個の前記シンボル間の距離は、2以上である
    請求項2に記載の受信装置。
  4. 受信するI信号とQ信号の反転の状態を検出する検出部をさらに備える
    請求項2に記載の受信装置。
  5. 前記推定値を推定する2個の前記シンボル間の距離は、3以上の奇数である
    請求項4に記載の受信装置。
  6. 前記推定値は、前記シンボル間の距離が偶数である2個の前記シンボルから推定され、
    前記I信号と前記Q信号の反転の状態は、前記シンボル間の距離が奇数である2個の前記シンボルから検出される
    請求項4に記載の受信装置。
  7. 受信する前記I信号と前記Q信号の反転が検出された場合、処理する前記I信号と前記Q信号を切り替える切り替え部をさらに備える
    請求項4に記載の受信装置。
  8. 前記推定値は、前記シンボル間干渉の成分が抑制されるように、位相差を検出する前記シンボルが選択される
    請求項2に記載の受信装置。
  9. 前記シンボル間干渉の成分が最小になるように前記シンボル間の位相差が平均される
    請求項8に記載の受信装置。
  10. 予め記憶されている前記シンボル間干渉の成分に対応する値を減算することで、前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する
    請求項2に記載の受信装置。
  11. 前記受信信号を、前記推定値に対応して制御された周波数の信号に基づき検波して、周波数を同期させ、
    検波された信号の周波数帯域を制限し、
    前記周波数が制限された前記信号の位相を同期させる
    請求項2に記載の受信装置。
  12. 前記受信装置は、高度広帯域衛星放送を受信する
    請求項2に記載の受信装置。
  13. 受信信号の同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値を推定し、
    前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する
    受信方法。
  14. 受信信号の同期信号を構成するシンボルの周波数誤差の推定値を推定する推定部と、
    前記推定値のシンボル間干渉による成分を制御する制御部と
    を備える復調装置。
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