JP2018018784A - 有機el表示パネル - Google Patents

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Toshio Fukuda
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Abstract

【課題】列状塗布領域内で機能層の膜厚の均一化を図ることにより輝度ムラを改善する。【解決手段】少なくとも画素電極層119の行方向外縁間に位置する基板100x上方に並設された複数の列絶縁層522Yと、行方向に隣接する列絶縁層522Y間の間隙それぞれに、列絶縁層522Yの列方向端部間にわたって列方向に連続して配されている有機発光層123と、有機発光層123上方に配された透光性の対向電極層125とを備え、列絶縁層522Yの列方向端部から列方向に所定の長さLplの第1列区間522Ypl内には、行方向に隣接する2つの列絶縁層522Y間の間隙幅Wplが、第1列区522Ypl間よりも基板の平面視内方に位置する第2列区間522Ycl内における、2つの列絶縁層522Y間の間隙と連通した隣接する2つの列絶縁層間の間隙幅Wclよりも狭い狭隙部522Yaが存在する。【選択図】図6

Description

本開示は、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた、及びそれを用いた有機EL表示パネルとその製造方法に関する。
近年、デジタルテレビ等の表示装置に用いられる表示パネルとして、基板上に有機EL素子をマトリックス状に複数配列した有機EL表示パネルが実用化されている。この有機EL表示パネルは、各有機EL素子が自発光を行うので視認性が高い。
この有機EL表示パネルでは、一般に各有機EL素子の発光層と、隣接する有機EL素子とは、絶縁材料からなる絶縁層で仕切られている。カラー表示用の有機EL表示パネルにおいては、このような有機EL素子が、RGB各色の画素を形成し、隣り合うRGBの画素が合わさってカラー表示における単位画素が形成されている。各有機EL素子は、陽極と陰極の一対の電極の間に有機発光材料を含む発光層等の機能膜が配設された素子構造を有し、駆動時には、一対の電極対間に電圧を印加し、陽極から発光層に注入されるホールと、陰極から発光層に注入される電子との再結合に伴って発光する。
近年、デバイスの大型化が進み、効率の良い機能膜の成膜方法として、機能性材料を含むインクをインクジェット法等に基づいて塗布するウエットプロセスが提案されている。ウエットプロセスは機能膜を塗り分ける際の位置精度が基板サイズに依存せず、デバイスの大型化への技術的障壁が比較的低いメリットがある。代表的なインクジェット法のウエットプロセスでは、塗布装置の作業テーブル上に塗布対象基板を載置する。基板表面に対してインクヘッドを一方向に走査し、インクジェットヘッドの複数のノズルから基板表面の所定領域にインクを滴下する。その後はインクの溶媒を蒸発乾燥させて機能膜を成膜する。
ところで、このような基板上にインクを充填し乾燥する方法で機能層を形成するウエットプロセスに於いては、インクの溶媒を蒸発乾燥させるプロセスにおいて、成膜エリアの中央部分と周縁部分では、周縁部分の方が中央部分よりも溶媒蒸気圧が低くなることにより溶媒の乾燥速度が大きい。その結果、基板中央部分に形成される画素の機能層と基板端部に形成される画素の機能層とは膜厚が互いに異なる傾向がある。このように、基板中央部分の画素と基板周縁部分の画素とで機能層の膜厚が異なると、各機能層の特性も互いに異なるため、有機EL表示パネルとして輝度ムラの原因となっていた。
これに対して、例えば、特許文献1では、基板中心部を含む表示素子配列領域の周囲の基板上に、インクあるいは溶媒を塗布した非発光領域(ダミー領域)を設けて面内の溶媒蒸気濃度ムラが改善することにより、有機層の形状ムラを改善して輝度ムラを低減する有機ELディスプレイパネルが提案されている。
特開2010−277944号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている、表示素子配列領域において2以上の互いに平行な列状絶縁層間に列状塗布領域を規定して、列状塗布領域に有機発光材料を含むインクを塗布する構成では、表示素子配列領域の周囲に非発光領域を設けて面内の溶媒蒸気濃度ムラを改善した場合でも、列という形状をとるためにインク対流を発生しやすく、また影響を受けやすいために、列状塗布領域内で機能層の膜厚が不均一になり輝度ムラの要因となるという課題があった。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであって、列状塗布領域内で機能層の膜厚の均一化を図ることにより輝度ムラを改善する有機EL表示パネル、及び有機EL表示パネルの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る有機EL表示パネルは、複数の画素が行列状に配された有機EL表示パネルであって、基板と、基板上に行列状に配された複数の画素電極層と、少なくとも画素電極層の行方向外縁間に位置する基板上方に列方向に延伸して行方向に並設された複数の列絶縁層と、行方向に隣接する列絶縁層間の間隙それぞれに、列絶縁層の列方向端部間にわたり列方向に連続して配されている有機発光層と、有機機能層上方に配された透光性の対向電極層とを備え、複数の列絶縁層の一部には、列絶縁層の列方向端部から列方向に所定の長さの第1列区間内には、行方向に隣接する2つの列絶縁層間の間隙幅が、第1列区間よりも基板の平面視内方に位置する第2列区間内における、2つの列絶縁層間の間隙と連通した隣接する2つの列絶縁層間の間隙幅よりも狭い狭隙部が存在することを特徴とする。
本開示の一態様に係る有機EL表示パネル、及び有機EL表示パネルの製造方法では、列状塗布領域内で機能層の膜厚の均一化を図ることにより輝度ムラを改善することができる。
実施の形態に係る有機EL表示装置1の回路構成を示す模式ブロック図である。 有機EL表示装置1に用いる有機EL表示パネル10の各サブ画素100seにおける回路構成を示す模式回路図である。 有機EL表示パネル10の模式平面図である。 図3におけるX0部の拡大平面図である。 有機EL表示素子100のサブ画素100seに相当する絶縁層の部分を斜め上方から視した斜視図である。 図3におけるX1部の拡大平面図である。 図3におけるにおけるA1−A1で切断した模式断面図である。 図3におけるにおけるB−Bで切断した模式断面図である。 (a)〜(d)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図3におけるにおけるA−Aと同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(d)は、有機EL表示パネル10の製造におけるCF基板131製造の各工程での状態を示す模式断面図である。 (a)〜(b)は、有機EL表示パネル10の製造におけるCF基板131と背面パネルとの貼り合わせ工程での状態を示す図3におけるにおけるA−Aと同じ位置で切断した模式断面図である。 有機EL表示パネル10の実施例における、膜厚の測定位置を示す模式平面図である。 (a)は、有機EL表示パネル10の実施例における膜厚の測定結果であり、(b)は比較例における膜厚の測定結果である。 (a)は、比較例における列絶縁層端部付近の模式平面図、(b)は(a)におけるA2−A2で切った模式側断面図、(c)は、時間経過に伴う膜厚の変化を示す模式側断面図である。 (a)は、有機EL表示パネル10の列絶縁層端部付近の模式平面図、(b)は(a)におけるA3−A3で切った模式側断面図、(c)は、時間経過に伴う膜厚の変化を示す模式側断面図である。 (a)は、有機EL表示パネル10の実施例における膜形状を示す模式図であり、(b)は比較例における膜形状を示す模式図である。 有機EL表示パネル10Aにおける、図3におけるX1部と同じ部分を示した拡大平面図である。 (a)は、有機EL表示パネル10Bにおける、図3におけるX1部と同じ部分を示した拡大平面図、(b)は、(a)におけるX2部の拡大平面図である。
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本実施の形態に係る有機EL表示パネルは、複数の画素が行列状に配された有機EL表示パネルであって、基板と、基板上に行列状に配された複数の画素電極層と、少なくとも画素電極層の行方向外縁間に位置する基板上方に列方向に延伸して行方向に並設された複数の列絶縁層と、行方向に隣接する列絶縁層間の間隙それぞれに、列絶縁層の列方向端部間にわたり列方向に連続して配されている有機発光層と、有機機能層上方に配された透光性の対向電極層とを備え、複数の列絶縁層の一部には、列絶縁層の列方向端部から列方向に所定の長さの第1列区間内には、行方向に隣接する2つの列絶縁層間の間隙幅が、第1列区間よりも基板の平面視内方に位置する第2列区間内における、2つの列絶縁層間の間隙と連通した隣接する2つの列絶縁層間の間隙幅よりも狭い狭隙部が存在することを特徴とする。係る構成により、基板上の列状塗布領域内に有機発光材料を含むインクを塗布して製造する有機EL表示パネルにおいて、列状塗布領域内で機能層の膜厚の均一化を図ることにより、成膜エリアの周縁部分と中央部分において発光層の膜厚の不均一性に起因して生じる輝度ムラを改善することができる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、前記第1列区間における行方向に隣接する2つの前記列絶縁層間の間隙幅が、前記第2列区間内における前記2つの前記列絶縁層間の間隙幅よりも狭い構成としてもよい。係る構成により、第1列区間において、列絶縁層の行方向幅を異ならせる簡易な構成により、第1列区間の行方向に隣接する2つの列絶縁層間の間隙幅が、第2列区間内の列絶縁層間の間隙幅よりも狭い狭隙部を形成できる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、前記複数の列絶縁層は、前記画素電極層の行方向の外縁上方と、行方向外縁間に位置する前記基板上方とに配されている複数の第1列絶縁層と、前記第1列区間において、行方向に隣接する2つの前記第1列絶縁層間に、列方向に延伸して配された第2列絶縁層とを含む構成としてもよい。係る構成により、第1列区間において、前記第1列区間において隣接する2つの前記第1列絶縁層間に、列方向に延伸する第2列絶縁層を設けるという簡易な構成により、第1列区間の間隙幅が、第2列区間内の間隙幅よりも狭い狭隙部を形成できる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、前記列絶縁層の表面には、前記第1列区間において基板の平面視方向に突出する凸部を有し、行方向に隣接する2つの前記列絶縁層上の凸部間の間隔が、前記第2列区間内における前記2つの列絶縁層間の間隙幅よりも狭い構成としてもよい。係る構成により、第1列区間において、前記第1列区間において基板の平面視方向に突出する凸部を有するという簡易な構成により、第1列区間の間隙幅が、第2列区間内の間隙幅よりも狭い狭隙部を形成できる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、前記有機発光層の材料と有機溶媒とを含むインクを前記間隙に充填したときに、行方向に隣接する2つの前記列絶縁層に基づく前記インクの毛細管力は、当該2つの列絶縁層の列方向端部から列方向に所定の長さの第1列区間内において、前記第1列区間よりも基板の平面視内方に位置する第2列区間内よりも大きい構成としてもよい。係る構成により、基板上の列状塗布領域内に有機発光材料を含むインクを塗布して製造する表示パネルにおいて、列状塗布領域内で列状という形状によるインク対流の影響を緩和して、列状塗布領域内で機能層の膜厚が均一性を向上させて輝度ムラを改善することができる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、前記列絶縁層は、前記第1列区間において前記第2列区間よりも。前記インクに対する撥液性が低い構成としてもよい。係る構成により、第1列区間である狭隙部存在区間において列絶縁層からインクに付勢される毛細管力は、狭隙部存在区間よりも内方の第2列区間である広隙区間において列絶縁層からインクに付勢される毛細管力よりも大きくすることができ、具体的には列状塗布領域内で乾燥に伴い中央部分に集まるインクを周縁部分に引き寄せることが可能となり、機能層の膜厚の均一化を図ることができる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、行列状に配された前記画素電極層のうち、列方向の最も外方にある最外画素電極の列方向外縁は、前記列絶縁層の列方向端部よりも所定の長さ以上前記基板内方に位置する構成としてもよい。係る構成により、列絶縁層の列方向端部よりも所定の長さ以上の範囲を、各区画に有機EL表示素子が形成されていない非発光領域とすることができる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、少なくとも前記画素電極層の列方向の外縁上方と、列方向外縁間に位置する前記基板上方とに配されてなる複数の行絶縁層を備え、前記発光層は、前記行絶縁部上を列方向に連続して配されている構成としてもよい。係る構成により、列絶縁層間の間隙における発光層の材料となる有機化合物を含んだインクの列方向への流動を制御することができる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、前記有機発光層は、前記画素電極層上方であって、前記行絶縁層及び前記列絶縁層が存在しない領域において有機電界発光を生ずる構成としてもよい。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、前記所定の長さは、列方向における前記画素電極のピッチの、2倍以上10倍以下である構成としてもよい。係る構成により、列絶縁層の端部から適切な範囲に狭隙部存在区間を形成できる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、前記狭隙部における行方向に隣接する2つの前記列絶縁層間の間隙幅は、前記第2列区間内における前記2つの列絶縁層間の間隙幅の30%以上95%以下である構成としてもよい。係る構成により、列絶縁層に適切な間隙幅の狭隙部存在区間を形成することができ、列状塗布領域内で列状という形状によるインク対流の影響を緩和し、列状塗布領域内で機能層の膜厚が均一性の向上することができる。前記第1列区間内を前記第2列区間内における前記2つの列絶縁層間の間隙幅を30%未満にすると第1列区間内に必要以上の毛細管力が機能し逆に不均一になる可能性がある。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、前記有機発光層には、行方向に順に配された青色有機発光層、緑色有機発光層、赤色有機発光層からなり、前記狭隙部が存在する列絶縁層間の間隙には、青色有機発光層、緑色有機発光層、赤色有機発光層から選択される1以上が形成されている構成としてもよい。係る構成により、インク塗布における膜厚変動が相対的に大きい、例えば、赤色発光層形成領域において、狭隙部存在区間を有する構成として、膜厚変動が相対的に大きい発光層色について選択的に膜厚が均一性を向上させて輝度ムラを改善することができる。
本実施の形態に係る有機EL表示パネルの製造方法は、複数の画素が行列状に配された有機EL表示パネルの製造方法であって、基板を準備する工程と、前記基板上に行列状に複数の画素電極層を形成する工程と、少なくとも前記画素電極層の行方向外縁間に位置する前記基板上方に列方向に延伸して行方向に複数の列絶縁層を並設する工程と、行方向に隣接する前記列絶縁層間の間隙それぞれに、前記列絶縁層の列方向端部間にわたり列方向に連続して有機発光材料を含むインクを塗布して乾燥して有機発光層を形成する工程と、前記有機機能層上方に透光性の対向電極層を形成する工程とを有し、前記複数の列絶縁層を並設する工程では、前記列絶縁層の列方向端部から列方向に所定の長さの第1列区間内には、行方向に隣接する2つの前記列絶縁層間の間隙幅が、前記第1列区間よりも基板の平面視内方に位置する第2列区間内における、前記2つの列絶縁層間の間隙と連通した隣接する2つの列絶縁層間の間隙幅よりも狭い狭隙部が存在するように前記複数の列絶縁層を並設することを特徴とする。係る構成により、輝度ムラの要因となる列状塗布領域内で機能層の膜厚の均一化を図ることができる。
≪実施の形態≫
1.表示装置1の構成
以下では、実施の形態に係る有機EL表示装置1(以後、「表示装置1」とする)の回路構成について、図1を用い説明する。
図1に示すように、表示装置1は、有機EL表示パネル10(以後、「表示パネル10」とする)と、これに接続された駆動制御回路部20とを有し構成されている。
表示パネル10は、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)パネルであって、複数の有機EL素子が、例えば、マトリクス状に配列され構成されている。駆動制御回路部20は、4つの駆動回路21〜24と制御回路25とにより構成されている。
なお、表示装置1において、表示パネル10に対する駆動制御回路部20の各回路の配置形態については、図1に示した形態に限定されない。
2.表示パネル10の回路構成
表示パネル10における、複数の有機EL素子は、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光する3色のサブ画素(不図示)100seからなる単位画素100eから構成される。各サブ画素100seの回路構成について、図2を用い説明する。
図2は、表示装置1に用いる表示パネル10の各サブ画素100seに対応する有機EL表示素子100における回路構成を示す模式回路図である。表示パネル10においては、単位画素100eを構成する有機EL表示素子100がマトリクス状に配されて表示領域を構成している。
図2に示すように、本実施の形態に係る表示パネル10では、各サブ画素100seが2つのトランジスタTr1、Tr2と一つの容量C、および発光部としての有機EL素子部ELとを有し構成されている。トランジスタTr1は、駆動トランジスタであり、トランジスタTr2は、スイッチングトランジスタである。
スイッチングトランジスタTr2のゲートG2は、走査ラインVscnに接続され、ソースS2は、データラインVdatに接続されている。スイッチングトランジスタTr2のドレインD2は、駆動トランジスタTr1のゲートG1に接続されている。
駆動トランジスタTr1のドレインD1は、電源ラインVaに接続されており、ソースS1は、有機EL素子部ELの画素電極層(アノード)に接続されている。有機EL素子部ELにおける対向電極層(カソード)は、接地ラインVcatに接続されている。
なお、容量Cは、スイッチングトランジスタTr2のドレインD2および駆動トランジスタTr1のゲートG1と、電源ラインVaとを結ぶように設けられている。
表示パネル10においては、隣接する複数のサブ画素100se(例えば、赤色(R)と緑色(G)と青色(B)の発光色の3つのサブ画素100se)を組合せて1つの単位画素100eを構成し、各単位画素100eが分布するように配されて画素領域を構成している。そして、各サブ画素100seのゲートG2からゲートラインGLが各々引き出され、表示パネル10の外部から接続される走査ラインVscnに接続されている。同様に、各サブ画素100seのソースS2からソースラインSLが各々引き出され表示パネル10の外部から接続されるデータラインVdatに接続されている。
また、各サブ画素seの電源ラインVa及び各サブ画素100seの接地ラインVcatは集約され電源ラインVa及び接地ラインVcatに接続されている。
3.表示パネル10の全体構成
3.1 概要
本実施の形態に係る表示パネル10について、図面を用いて説明する。なお、図面は模式図であって、その縮尺は実際とは異なる場合がある。
図3は、表示パネル10の模式平面図である。
表示パネル10は、有機化合物の電界発光現象を利用した有機EL表示パネルであり、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が形成された基板100x(TFT基板)に、各々が画素を構成する複数の有機EL表示素子100が行列状に配され、上面より光を発するトップエミッション型の構成を有する。ここで、本明細書では、図3におけるX方向、Y方向、Z方向を、それぞれ表示パネル10における、行方向、Y方向、厚み方向とする。
図3に示すように、表示パネル10は、基板100x上をマトリックス状に区画してRGB各色の発光単位を規制する列絶縁層522Yと行絶縁層122Xとが配された区画領域10a(X、Y方向にそれぞれ10Xa、10Ya、区別を要しない場合は10aとする)と、区画領域10aの周囲に非区画領域10b(X、Y方向にそれぞれ10Xb、10Yb、区別を要しない場合は10bとする)とから構成されている。区画領域10aの列方向の外周縁は列絶縁層522Yの列方向の端部522Yeに相当する。非区画領域10bには、区画領域10aを取り囲む矩形状の封止部材300が形成されている。さらに、区画領域10aは、基板中心を含む表示素子配列領域10eと、表示素子配列領域10eの周囲に非発光領域10neとから構成されている。表示素子配列領域10eは、列絶縁層522Yと行絶縁層122Xにより規制される各区画に有機EL表示素子100が形成されている領域であり、非発光領域10neでは、各区画に有機EL表示素子100が形成されていない領域である。また、X、Y方向における非発光領域10neの長さは、サブ画素100seのX、Y方向の長さに対し、それぞれ、2倍以上10倍以下であることが好ましく、さらに3倍以上5倍以下であることがより一層好ましい。本実施の形態では、X,Y方向とも4倍とした。表示素子配列領域10e、非発光領域10neの詳細については後述する。
3.2 表示素子配列領域10eの構成
図4は、図3におけるX0部の拡大平面図である。図5は、有機EL表示素子100のサブ画素100seに相当する絶縁層の部分を斜め上方から視した斜視図である。
表示パネル10の表示素子配列領域10eには、有機EL表示素子100に対応する単位画素100eが行列状に配されている。各単位画素100eには、有機化合物により光を発する領域である、赤色に発光する100aR、緑色に発光する100aG、青色に発光する100aB(以後、100aR、100aG、100aBを区別しない場合は、「100a」と略称する)の3種類の自己発光領域100aが形成されている。すなわち、図4に示すように行方向に並んだ自己発光領域100aR、100aG、100aBのそれぞれに対応する3つのサブ画素100seが1組となりカラー表示における単位画素100eを構成している。
また、図4に示すように、表示パネル10には、複数の画素電極層119が基板100x上に行及び列方向にそれぞれ所定の距離だけ離れた状態で行列状に配されている。画素電極層119は、平面視において矩形形状であり、光反射材料からなる。行列状に配された画素電極層119は、行方向に順に並んだ3つの自己発光領域100aR、G、Bに対応する。
表示パネル10では、絶縁層122の形状は、いわゆるライン状の絶縁層形式を採用し、行方向に隣接する2つの画素電極層119の行方向外縁119a3、119a4及び外縁119a3、119a4間に位置する基板100x上の領域上方には、各条が列方向(図3のY方向)に延伸する列絶縁層522Yが複数行方向に並設されている。そのため、自己発光領域100aの行方向外縁は、列絶縁層522Yの行方向外縁により規定される。
一方、列方向に隣接する2つの画素電極層119の列方向外縁119a1、119a2及び外縁119a1、119a2間に位置する基板100x上の領域上方には、各条が行方向(図3のX方向)に延伸する行絶縁層122Xが複数列方向に並設されている。行絶縁層122Xが形成される領域は、画素電極層119上方の発光層123において有機電界発光が生じないために非自己発光領域100bとなる。そのため、自己発光領域100aの列方向における外縁は、行絶縁層122Xの列方向外縁により規定される。
隣り合う列絶縁層522Y間を間隙522zと定義したとき、間隙522zには、自己発光領域100aRに対応する赤色間隙522zR、自己発光領域100aGに対応する緑色間隙522zG、自己発光領域100aBに対応する青色間隙522zB(以後、間隙522zR、間隙522zG、間隙522zBを区別しない場合は、「間隙522z」とする)が存在し、表示パネル10は、列絶縁層522Yと間隙522zとが交互に多数並んだ構成を採る。
また、図4に示すように、表示パネル10では、複数の自己発光領域100aと非自己発光領域100bとが、間隙522zに沿って列方向に交互に並んで配されている。非自己発光領域100bには、画素電極層119とTFTのソースS1とを接続する接続凹部119c(コンタクトホール)があり、画素電極層119に対して電気接続するための画素電極層119上のコンタクト領域119b(コンタクトウインドウ)が設けられている。
図4、5に示すように、1つのサブ画素100seにおいて、列方向に設けられた列絶縁層522Yと行方向に設けられた行絶縁層122Xとは直交し、自己発光領域100aは列方向において行絶縁層122Xと行絶縁層122Xの間に位置している。
3.3 非発光領域10neの構成
図6は、図3におけるX1部の拡大平面図である。表示パネル10では、上述のとおり、基板100x上の区画領域10aの外縁から所定の区画数だけ、各区画に有機EL表示素子100が形成されていない非発光領域10neが形成されている。本実施の形態では、非発光領域10ne内において、基板100x上の各区画に画素電極層119が配設されていない構成を採る。
図6に示すように、列絶縁層522Yは列方向の端部522Yeから所定の距離Lplまでの第1列区間522Yplでは行方向の厚みtplが、第1列区間522Yplより内方の第2列区間522Yclにおける厚みtclに比べて拡幅した構成を採る。これにより、第1列区間522Yplにおける隣接する列絶縁層522Yの間隙522zの幅Wplは、第1列区間522Yplより基板内方の第2列区間522Yclにおける間隙522zの幅Wclに対し狭く形成されている。寸法の比率では、幅Wplは、幅Wclに対し30%以上95%以下に形成されていることが好ましく、さらに50%以上85%以下であることがより一層好ましい。い。本実施の形態では、当該比率は80%とした。係る構成により、列絶縁層522Yに適切な間隙幅の狭隙部存在区間522Yplを形成することができ、列状塗布領域内で列状という形状によるインク対流の影響を緩和し、列状塗布領域内で機能層の膜厚が均一性の向上することができる。
また、第1列区間522Yplの長さは、単位画素100eの列方向長さに対し、2倍以上10倍以下であることが好ましく、さらに3倍以上5倍以下であることがより一層好ましい。本実施の形態では、当該比率は4倍とした。
係る構成により、列絶縁層522Yの端部522Yeから適切な範囲に狭隙部存在区間522Yplを形成できる。なお、本例では、端部522Yeから所定の距離Lplの範囲は、非発光領域10ne内に位置する。その理由は、列絶縁層522Yの行方向厚み変化位置を非発光領域10ne内に設けることにより、列絶縁層522Yの厚みの変化に起因する輝度変化を生じさせないためである。
なお、第1列区間522Yplにおける、行方向に隣接する列絶縁層522Yの間の間隙幅Wplが狭い列絶縁層522Yの部分を狭隙部522Yplとする。本例では、第1列区間522Ypl内の列絶縁層522Y全部が狭隙部522Yplである。また、本明細書では、狭隙部522Yplが形成された状態における第1列区間522Yplを狭隙部存在区間522Yplとし、狭隙部522Yplが形成された状態における第1列区間522Yplより基板内方の第2列区間522Yclを広隙区間522Yplとする。
4.表示パネル10の各部構成
表示パネル10における有機EL表示素子100の構成を図7及び図8の模式断面図を用いて説明する。図7は、図4におけるA1−A1で切断した模式断面図である。図8は、図4におけるB−Bで切断した模式断面図である。
本実施の形態に係る表示パネル10は、Z軸方向下方に薄膜トランジスタが形成された基板100x(TFT基板)が構成され、その上に有機EL素子部が構成されている。
4.1 基板100x(TFT基板)
基板100xは表示パネル10の支持部材であり、基材(不図示)と、基材上に形成された薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)層(不図示)と、基材上及びTFT層上に形成された層間絶縁層(不図示)とを有する。
基材は、表示パネル10の支持部材であり、平板状である。基材の材料としては、電気絶縁性を有する材料、例えば、ガラス材料、樹脂材料、半導体材料、絶縁層をコーティングした金属材料などを用いることができる。
TFT層は、基材上面に形成された複数のTFT及び配線からなる。TFTは、表示パネル10の外部回路からの駆動信号に応じ、自身に対応する画素電極層119と外部電源とを電気的に接続するものであり、電極、半導体層、絶縁層などの多層構造からなる。配線は、TFT、画素電極層119、外部電源、外部回路などを電気的に接続している。
基板100xの上面に位置する層間絶縁層は、TFT層によって凹凸が存在する基板100xの上面の少なくともサブ画素100seを平坦化するものである。また、層間絶縁層は、配線及びTFTの間を埋め、配線及びTFTの間を電気的に絶縁している。
4.2 有機EL素子部
(1)画素電極層119
基板100xの上面に位置する層間絶縁層上には、サブ画素100se単位で画素電極層119が設けられている。画素電極層119は、発光層123へキャリアを供給するためのものであり、例えば陽極として機能した場合は、発光層123へホールを供給する。また、表示パネル10がトップエミッション型であるため、画素電極層119は、光反射性を有し、画素電極層119の形状は、矩形形状をした平板状であり、画素電極層119は行方向に間隔δXをあけて、間隙522zのそれぞれにおいて列方向に間隔δYをあけて基板100x上に配されている。また、基板100xの上面に開設されたコンタクトホールを通して、画素電極層119の一部を基板100x方向に凹入された画素電極層119の接続凹部119cとTFTのソースS1とが接続される。
(2)ホール注入層120、ホール輸送層121
画素電極層119上には、ホール注入層120、ホール輸送層121が順に積層され、ホール輸送層121はホール注入層120に接触している。ホール注入層120、ホール輸送層121は、画素電極層119から注入されたホールを発光層123へ輸送する機能を有する。
(3)絶縁層122
画素電極層119、ホール注入層120及びホール輸送層121の端縁を被覆するように絶縁物からなる絶縁層122が形成されている。絶縁層122は、列方向に延伸して行方向に複数並設されている列絶縁層522Yと、行方向に延伸して列方向に複数並設されている行絶縁層122Xとがあり、図4に示すように、列絶縁層522Yは絶縁層122Xと直交する行方向に沿った状態で設けられており、列絶縁層522Yと行絶縁層122Xとで格子状をなしている(以後、行絶縁層122X、列絶縁層522Yを区別しない場合は「絶縁層122」とする)。また、列絶縁層522Yは絶縁層122Xの上面122Xbよりも高い位置に上面522Ybを有する。
具体的には、行絶縁層122Xは、画素電極層119の列方向における外縁119a1、a2上方に存在し、画素電極層119の一部119bと重なった状態で形成され、行絶縁層122Xが形成される非自己発光領域100bの列方向長さは、画素電極層119の列方向外縁119a1、a2間の距離δYより所定長さ大きく構成されている。これにより、画素電極層119の列方向外縁119a1、2を被覆することにより対向電極層125との間の電気的リークを防止するとともに、列方向における各サブ画素100seの発光領域100aの外縁を規定する。
行絶縁層122Xの形状は、行方向に延伸する線状であり、列方向に平行に切った断面は上方を先細りとする順テーパー台形状である。行絶縁層122Xは、各列絶縁層522Yを貫通するようにして、列方向と直交する行方向に沿った状態で設けられており、各々が列絶縁層522Yの上面522Ybよりも低い位置に上122Xbを有する。そのため、行絶縁層122Xと列絶縁層522Yとにより、自己発光領域100aに対応する開口が形成されている。
行絶縁層122Xは、発光層123の材料となる有機化合物を含んだインクの列方向への流動を制御するためのものである。そのため、行絶縁層122Xはインクに対する親液性が所定の値以上であることが必要である。係る構成により、発光層123の材料となる有機化合物を含んだインクの列方向への流動性を高めサブ画素間のインク塗布量の変動を抑制する。行絶縁層122Xにより画素電極層119は露出することはなく、行絶縁層122Xが存在する領域では発光せず輝度には寄与しない。
絶縁層122Xの厚みの上限膜厚は、2μmより厚い場合はインクの濡れ広がりが悪く、1.2μm以下の場合には、インクの濡れ広がりが更に良化する。また、下限膜厚は、下限膜厚は、0.1μm以上あれば、画素電極層119端部が絶縁層122で被覆され画素電極層119と対向電極層125がショートする事なく一定の歩留りで製造可能となる。0.2μm以上あれば、膜厚バラつきにともなう上記のショート不良が軽減され安定的に製造可能となる。絶縁層122に接続溝部を設ける場合における、溝部の底における膜厚も同様である。
したがって、行絶縁層122Xの厚み、例えば、0.1μm以上2μm以下、より好ましくは0.2μm以上1.2μm以下であることが好ましい。本実施の形態では、約1.0μmとした。
列絶縁層522Yは、発光層123の材料となる有機化合物を含んだインクの列方向への流動を堰き止めて形成される発光層123の行方向外縁を規定するものである。列絶縁層522Yの形状は、行方向に延伸する線状であり、列方向に平行に切った断面は上方を縮幅する台形形状である。
具体的には、列絶縁層522Yは、画素電極層119の行方向における外縁119a3、a4上方に存在し、画素電極層119の一部と重なった状態で形成され、列絶縁層522Yが形成される領域の行方向の幅WXは、画素電極層119の行方向外縁119a3、a4間の距離δXより所定幅大きく構成されている。これにより、画素電極層119の行方向外縁119a3、a4を被覆することにより対向電極層125との間の電気的リークを防止するとともに、行方向における各サブ画素100seの発光領域100aの外縁を規定する。上述のとおり列方向における各画素の自己発光領域の外縁を規定している。そのため、列絶縁層522Yはインクに対する撥液性が所定の値以上であることが必要である。
列絶縁層522Yの厚み、例えば、0.1μm以上5μm以下、より好ましくは0.2μm以上3μm以下であることが好ましい。本実施の形態では、約2.0μmとした。
絶縁層122は、画素電極層119の外縁119a1、a2、a3、a4(以後、区別しない場合には「外縁119a」とする)と、対向電極層125との間における厚み方向(Z方向)の電流リークを防止するために、絶縁層122は、体積抵抗率が1×106 Ωcm以上の絶縁性を備えていることが必要である。そのために、絶縁層122は、は後述するように所定の絶縁材料からなる構成を採る。
(4)発光層123
表示パネル10は、列絶縁層522Yと間隙522zとが交互に多数並んだ構成を有する。列絶縁層522Yにより規定された間隙522zには、発光層123が列方向に延伸して形成されている。自己発光領域100aRに対応する赤色間隙522zR、自己発光領域100aGに対応する緑色間隙522zG、自己発光領域100aBに対応する青色間隙522zBには、それぞれ各色に発光する発光層123が形成されている。
発光層123は、有機化合物からなる層であり、内部でホールと電子が再結合することで光を発する機能を有する。間隙522z内では、発光層123は列方向に延伸するように線状に設けられている。
発光層123は、画素電極層119からキャリアが供給される部分のみが発光するので、層間に絶縁物である行絶縁層122Xが存在する範囲では、有機化合物の電界発光現象が生じない。そのため、発光層123は、行絶縁層122Xがない部分のみが発光して、この部分が自己発光領域100aとなり、自己発光領域100aの列方向における外縁は、行絶縁層122Xの列方向外縁により規定される。
発光層123のうち行絶縁層122Xの側面及び上面122Xb上方にある部分119bは発光せず、この部分は非自己発光領域100bとなる。すなわち、非自己発光領域100bとは、行絶縁層122Xを平面視方向に投影した領域となる。発光層123は、自己発光領域100aにおいてはホール輸送層121の上面に位置し、非自己発光領域100bにおいては行絶縁層122Xの上面及び側面上に位置する。
なお、図7に示すように、発光層123は、自己発光領域100aだけでなく、隣接する非自己発光領域100bまで連続して延伸されている。このようにすると、発光層123の形成時に、自己発光領域100aに塗布されたインクが、非自己発光領域100bに塗布されたインクを通じて列方向に流動でき、列方向の画素間でその膜厚を平準化することができる。但し、非自己発光領域100bでは、行絶縁層122Xによって、インクの流動が程良く抑制される。よって、列方向に大きな膜厚むらが発生しにくく画素毎の輝度むらが改善される。
(5)電子輸送層124
絶縁層122上及び絶縁層122により規定された開口内には、発光層123の上に電子輸送層124が形成されている。また、本例では、発光層123から露出する各列絶縁層522Yの上面522Yb上にも配されていている。電子輸送層124は、対向電極層125から注入された電子を発光層123へ輸送する機能を有する。
(6)対向電極層125
電子輸送層124を被覆するように、対向電極層125が積層形成されている。対向電極層125については、表示パネル10全体に連続した状態で形成され、ピクセル単位あるいは数ピクセル単位でバスバー配線に接続されていてもよい(図示を省略)。対向電極層125は、画素電極層119と対になって発光層123を挟むことで通電経路を作り、発光層123へキャリアを供給するものであり、例えば陰極として機能した場合は、発光層123へ電子を供給する。対向電極層125は、電子輸送層124の表面に沿って形成され、各発光層123に共通の電極となっている。
対向電極層125は、表示パネル10がトップエミッション型であるため、光透過性を有する導電材料が用いられる。
(7)封止層126
対向電極層125を被覆するように、封止層126が積層形成されている。封止層126は、発光層123が水分や空気などに触れて劣化することを抑制するためのものである。封止層126は、対向電極層125の上面を覆うように表示パネル10全面に渡って設けられている。
(8)接合層127
封止層126のZ軸方向上方には、上部基板130のZ軸方向下側の主面にカラーフィルタ層128が形成されたCF基板131が配されており、接合層127により接合されている。接合層127は、基板100xから封止層126までの各層からなる背面パネルとCF基板131とを貼り合わせるとともに、各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。
(9)上部基板130
接合層127の上に、上部基板130にカラーフィルタ層128が形成されたCF基板131が設置・接合されている。上部基板130には、表示パネル10がトップエミッション型であるため、例えば、カバーガラス、透明樹脂フィルムなどの光透過性材料が用いられる。また、上部基板130により、表示パネル10、剛性向上、水分や空気などの侵入防止などを図ることができる。
(10)カラーフィルタ層128
上部基板130には画素の各色自己発光領域100aに対応する位置にカラーフィルタ層128が形成されている。カラーフィルタ層128は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させるために設けられる透明層であり、各色画素から出射された光を透過させて、その色度を矯正する機能を有する。例えば、本例では、赤色間隙522zR内の自己発光領域100aR、緑色間隙522zG内の自己発光領域100aG、青色間隙522zB内の自己発光領域100aBの上方に、赤色、緑色、青色のフィルタ層128R、G、Bが各々形成されている。カラーフィルタ層128は、具体的には、例えば、複数の開口部を画素単位に行列状に形成されたカラーフィルタ形成用のカバーガラスからなる上部基板130に対し、カラーフィルタ材料および溶媒を含有したインクを塗布する工程により形成される。
4.3 各部の構成材料
図4、5に示す各部の構成材料について、一例を示す。
(1)基板100x(TFT基板)
下部基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、硫化モリブデン、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、鉄、ニッケル、金、銀などの金属基板、ガリウム砒素基などの半導体基板、プラスチック基板等を採用することができる。また、可撓性を有するプラスチック材料として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂を用いてもよい。材料としては、電気絶縁性を有する材料、例えば、樹脂材料を用いることができる。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、、ポリスチレン、、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、変形ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。 TFTを構成するゲート電極、ゲート絶縁層、チャネル層、チャネル保護層、ソース電極、ドレイン電極などには公知の材料を用いることができる。ゲート電極としては、例えば、銅(Cu)とモリブデン(Mo)との積層体を採用している。ゲート絶縁層としては、例えば、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiNx)など、電気絶縁性を有する材料であれば、公知の有機材料や無機材料のいずれも用いることができる。チャネル層としては、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)から選択される少なくとも一種を含む酸化物半導体を採用することができる。チャネル保護層としては、例えば、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン(SiN)、あるいは酸化アルミニウム(AlOx)を用いることができる。ソース電極、ドレイン電極としては、例えば、銅マンガン(CuMn)と銅(Cu)とモリブデン(Mo)の積層体を採用することができる。
TFT上部の絶縁層は、例えば、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)や酸窒化シリコン(SiON)、酸化シリコン(SiO)や酸窒化シリコン(SiON)を用いることもできる。TFTの接続電極層としては、例えば、モリブデン(Mo)と銅(Cu)と銅マンガン(CuMn)との積層体を採用することができる。なお、接続電極層の構成に用いる材料としては、これに限定されるものではなく、導電性を有する材料から適宜選択することが可能である。
基板100xの上面に位置する層間絶縁層は、例えば、ポリイミド系樹脂、、アクリル系樹脂、シロキサン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂などの有機化合物を用い形成されており、層厚は、例えば、2.0μm〜8.0μm の範囲とすることができる。
(2)画素電極層119
画素電極層119は、金属材料から構成されている。トップエミッション型の本実施の形態に係る表示パネル10の場合には、層厚を最適に設定して光共振器構造を採用することにより出射される光の色度を調整し輝度を高めているため、画素電極層119の表面部が高い反射性を有することが必要である。本実施の形態に係る表示パネル10では、画素電極層119は、金属層、合金層、透明導電膜の中から選択される複数の膜を積層させた構造であってもよい。金属層としては、例えば、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)を含む金属材料から構成することができる。合金層としては、例えば、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)等を用いることができる。透明導電層の構成材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用いることができる。
(3)ホール注入層120
ホール注入層120は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物、あるいは、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる層である。
ホール注入層120を遷移金属の酸化物から構成する場合には、複数の酸化数をとるためこれにより複数の準位をとることができ、その結果、ホール注入が容易になり駆動電圧を低減することができる。
(4)ホール輸送層121
ホール輸送層121は、例えば、ポリフルオレンやその誘導体、あるいはポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物などを用いることができる。
(5)絶縁層122
絶縁層122は、樹脂等の有機材料を用い形成されており絶縁性を有する。絶縁層122の形成に用いる有機材料の例としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等があげられる。絶縁層122は、有機溶剤耐性を有することが好ましい。より好ましくは、アクリル系樹脂を用いることが望ましい。屈折率が低くリフレクターとして好適であるからである。
または、絶縁層122は、無機材料を用いる場合には、屈折率の観点から、例えば、酸化シリコン(SiO)を用いることが好ましい。あるいは、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの無機材料を用い形成される。
上述のとおり、絶縁層122Xは、約1μmの層である。ただし、層厚は、これに限定されるものではなく、例えば、0.1μm〜2μmの範囲とすることができる。また、絶縁層522Yは、約2μmの層である。ただし、層厚は、これに限定されるものではなく、例えば、0.1μm〜5μmの範囲とすることができる。
さらに、絶縁層122は、製造工程中において、エッチング処理、ベーク処理など施されることがあるので、それらの処理に対して過度に変形、変質などをしないような耐性の高い材料で形成されることが好ましい。
また、表面に撥水性をもたせるために、表面をフッ素処理することもできる。また、絶縁層122の形成にフッ素を含有した材料を用いてもよい。また、絶縁層122の表面に撥水性を低くするために、絶縁層122に紫外線照射を行う、低温でベーク処理を行ってもよい。
(6)発光層123
発光層123は、上述のように、ホールと電子とが注入され再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。発光層123の形成に用いる材料は、湿式印刷法を用い製膜できる発光性の有機材料を用いることが必要である。
具体的には、例えば、特許公開公報(日本国・特開平5−163488号公報)に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質で形成されることが好ましい。
(7)電子輸送層124
電子輸送層124は、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などを用い形成されている。
(8)対向電極層125
対向電極層125は、光透過性を有する導電材料が用いられる。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)若しくは酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用い形成される。また、銀(Ag)又はアルミニウム(Al)などを薄膜化した電極を用いてもよい。また、銀(Ag)又はアルミニウム(Al)などを薄膜化した電極を用いてもよい。
(9)封止層126
封止層126は、発光層123などの有機層が水分に晒されたり、空気に晒されたりすることを抑制する機能を有し、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの透光性材料を用い形成される。また、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの材料を用い形成された層の上に、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料からなる封止樹脂層を設けてもよい。
封止層126は、トップエミッション型である本実施の形態に係る表示パネル10の場合においては、光透過性の材料で形成されることが必要となる。
(10)接合層127
接合層127の材料は、例えば、樹脂接着剤等からなる。接合層127は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの透光性材料樹脂材料を採用することができる。
(11)上部基板130
上部基板130としては、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等に透光性材料を採用することができる。
(12)カラーフィルタ層128
カラーフィルタ層128としては、公知の樹脂材料(例えば市販製品として、JSR株式会社製カラーレジスト)等を採用することができる。
5.表示パネル10の製造方法
(1)画素電極層119の形成
図9(a)に示すように、層間絶縁層までが形成されたTFT基板100x0を準備する。層間絶縁層にコンタクト孔を開設し、画素電極層119を形成する。
画素電極層119の形成は、スパッタリング法あるいは真空蒸着法などを用い金属膜を形成した後、フォトリソグラフィー法およびエッチング法を用いパターニングすることでなされる。なお、画素電極層119は、TFTの電極と電気的に接続された状態となる。
(2)ホール注入層120、ホール輸送層121の形成
図9(b)に示すように、画素電極層119上に対して、ホール注入層120、ホール輸送層121を形成し、その縁部を覆うように絶縁層122を形成する。
ホール注入層120、ホール輸送層121は、スパッタリング法を用い酸化金属(例えば、酸化タングステン)からなる膜を形成した後、フォトリソグラフィー法およびエッチング法を用い各画素単位にパターニングすることで形成される。
(3)絶縁層122の形成
図9(b)に示すように、ホール輸送層121の縁部を覆うように絶縁層122を形成する。絶縁層122の形成では、先ず行絶縁層122Xを形成し、その後、各画素を規定する間隙522Zを形成するように列絶縁層522Yを形成し、間隙522Z内の行絶縁層122Xと行絶縁層122Xとの間にホール輸送層121の表面が露出するように設けられる。
絶縁層122の形成は、先ず、ホール輸送層121上に、スピンコート法などを用い、絶縁層122の構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、樹脂膜をパターニングして行絶縁層122X、列絶縁層522Yを順に形成する。行絶縁層122X、列絶縁層522Yのパターニングは、樹脂膜の上方にフォトマスクを利用し露光を行い、現像工程、焼成工程(約230℃、約60分)をすることによりなされる。
具体的には、絶縁層122Xの形成工程では、先ず、有機系の感光性樹脂材料、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等からなる感光性樹脂膜を形成した後、乾燥し、溶媒をある程度揮発させてから、所定の開口部が施されたフォトマスクPMを重ね、その上から紫外線照射を行い感光性樹脂等からなるフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクPMが有するパターンを転写する。次に、感光性樹脂を現像によって絶縁層122Xをパターニングした絶縁層を形成する。
一般にはポジ型と呼ばれるフォトレジストが使用される。ポジ型は露光された部分が現像によって除去される。。露光されないマスクパターンの部分は、現像されず絶縁層122が約5m程度の厚みで残存する。
列絶縁層522Yの形成は、先ず、スピンコート法などを用い、列絶縁層522Yの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、樹脂膜をパターニングして間隙522zを開設して列絶縁層522Yを形成する。間隙522zの形成は、樹脂膜の上方にマスクを配して露光し、その後で現像することによりなされる。列絶縁層522Yは、列方向に延設され、行方向に間隙522zを介して並設される。このとき、列絶縁層522Yは列方向の端部522Yeから所定の距離Lplまでの第1列区間522Yplでは、第1列区間522Yplより基板内方に位置する第2列区間522Yclよりも、列絶縁層522Yの行方向の幅が大きくパターニングされる。これにより、第1列区間522Yplでは、第1列区間522Yplより基板内方に位置する第2列区間522Yclよりも、隣接する列絶縁層522Yの間隙522zの長さが小さく形成される。
また、列絶縁層522Yは、発光層123の材料となる有機化合物を含んだインクの列方向への流動を堰き止めて、形成される発光層123の行方向外縁を規定するため、列絶縁層522Yはインクに対する撥液性が所定の値以上であることが必要である。他方、行絶縁層122Xは、発光層123のインクの列方向への流動を制御するために、行絶縁層122Xはインクに対する親液性が所定の値以上であることが必要である。
、列絶縁層522Yの表面に撥水性をもたせるために、列絶縁層522Yの表面をCF4プラズマ処理することもできる。また、列絶縁層522Yの形成にフッ素を含有した材料、もしくはフッ素を含有した材料を混合した組成物を用いてもよい。
また、基板100x上の行絶縁層122Xはストライプ状となるために、例えば、ダイコート法を用いて基板100xに行絶縁層122X、又は列絶縁層522Yのペーストをストライプ状に塗布し焼成して絶縁層122を製造してもよい。パターンマスクを介した紫外線照射等の工程が不要となり製造コストを低減できる。
製造上、絶縁層122の上限膜厚は、5μm以上では、製造時の膜厚バラツキがより大きくなると共にボトム線幅の制御が困難となる。また、コスト増大による生産性低下の観点から4μm以下が望ましい。また、下限膜厚は、膜厚が薄くなるとともに膜厚とボトム線幅とを同程度にする必要があり、下限膜厚が1μm未満では、解像度の制約により所望のボトム線幅を得ることが困難となる。また溶液塗布をともなうプロセスの場合、下地の凹凸が膜厚の均一性に影響する。このことよりTFTの段差をできるだけ低減する必要があることより絶縁膜の下限膜厚が決定し2μmが限界となる。したがって、絶縁層122の厚みは、製造プロセスの観点では、例えば、1μm以上5μm以下、より好ましくは2μm以上4μ以下であることが好ましい。
(4)発光層123、電子輸送層124の形成
列絶縁層522Yで規定された各間隙522z内に、ホール輸送層121側から順に、発光層123、および電子輸送層124を積層形成する。
発光層123の形成は、インクジェット法を用い、構成材料を含むインクを列絶縁層522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、焼成することによりなされる。具体的には、この工程では、サブ画素形成領域となる間隙522zに、インクジェット法によりR、G、Bいずれかの有機発光層の材料を含むインク123RI、123GI、123BIをそれぞれ充填し、充填したインクを減圧下で乾燥させ、ベーク処理することによって、発光層123R、123G、123Bを形成する(図9(c))。このとき、発光層123のインクの塗布では、先ず、液滴吐出装置を用いて発光層123の形成するための溶液の塗布を行う。基板100xに対して赤色発光層、緑色発光層、青色発光層の何れかを形成するためのインクの塗布が終わると、次に、その基板に別の色のインクを塗布し、次にその基板に3色目のインクを塗布する工程が繰り返し行われ、3色のインクを順次塗布する。これにより、基板100x上には、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層が、図の紙面横方向に繰り返して並んで形成される。
次に、真空蒸着法などを用い電子輸送層124を形成する。その後、電子輸送層124を被覆するように、対向電極層125および封止層126を順に積層形成する(図9(c))。対向電極層125および封止層126は、CVD法、スパッタリング法などを用い形成できる。
(5)対向電極層125および封止層126の形成
図9(d)に示すように、間隙522Z内、及び列絶縁層522Y上にベタ膜として電子輸送層124を被覆するように、対向電極層125および封止層126を順に積層形成する。対向電極層125および封止層126は、CVD法、スパッタリング法などを用い形成できる。
(6)CF基板131の形成
次に、図10(a)〜(d)を用いてCF基板131の製造工程を例示する。
透明な上部基板130を準備する(図10(a))。次に、上部基板130表面に、紫外線硬化樹脂成分を主成分とするカラーフィルタ層128(例えば、G)の材料を溶媒に分散させ、ペースト128Xを塗布し(図10(b))、溶媒を一定除去した後、所定のパターンマスクPM2を載置し、紫外線照射を行う(図10(c))。その後はキュアを行い、パターンマスクPM2及び未硬化のペースト128Xを除去して現像すると、カラーフィルタ層128(G)が形成される(図10(d))。この図10(b)、(d)の工程を各色のカラーフィルタ材料について同様に繰り返すことで、カラーフィルタ層128(R)、128(B)を形成する。なお、ペースト127Xを用いる代わりに市販されているカラーフィルタ製品を利用してもよい。
以上でCF基板131が形成される。
(7)CF基板131と背面パネルとの貼り合わせ
次に、基板100xから封止層126までの各層からなる背面パネルに、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの紫外線硬化型樹脂を主成分とする接合層127の材料を塗布する(図11(a))。
続いて、塗布した材料に紫外線照射を行い、背面パネルとCF基板131との相対的位置関係を合せた状態で両基板を貼り合わせる。このとき、両者の間にガスが入らないように注意する。その後、両基板を焼成して封止工程を完了すると、表示パネル10が完成する(図11(b))。
6.表示パネル10の効果について
以下、表示パネル10から得られる効果について説明する。
6.1 膜厚測定結果
発明者は、表示パネル10における発光層123の膜厚の分布を測定した。図12は、表示パネル10の実施例における膜厚の測定位置を示す模式平面図である。本試験では、表示パネル10の実施例における、区画領域10aのX方向中心線上における基板100x上の発光層123の膜厚の分布を、列絶縁層522Yの列方向端部522Yeから端部522Yeまで測定した。
図13(a)は、表示パネル10の実施例における膜厚の測定結果であり、(b)は列絶縁層522Yに狭隙部存在区間522Yplを設けていない比較例における膜厚の測定結果である。図13(b)に示すように、比較例では、列絶縁層522Yの上端部(0mm位置)にて、上端部から約20mmの位置と比較して膜厚が最大18nm減少している。また、下端部(220mm位置)にて、下端部から約40mmの位置と比較して膜厚が最大13nm減少している。これに対し、図13(a)に示すように、表示パネル10の実施例では、列絶縁層522Yの上端部(0mm位置)及び下端部(220mm位置)における膜厚の減少は全く観測されなかった。
以上の結果より、表示パネル10では、比較例に対して隣接する列絶縁層522Y間の間隙522YZに沿った列状塗布領域内で機能層の膜厚の均一性が向上したことが確認できる。
6.2 膜厚測定結果について
表示パネル10から得られた発光層123の膜厚測定結果について考察する。図14(a)−(c)、図15(a)−(c)は、実施例と比較例における時間経過に伴う膜厚の変化を示したものである。また、図16(a)は、有機EL表示パネル10の実施例における膜形状を示す模式図であり、(b)は比較例における膜形状を示す模式図である。
(比較例について)
図14(a)は、列絶縁層522Y0に狭隙部存在区間522Yplを設けていない比較例における列絶縁層522Y0の端部522Ye0付近の基板100X0の模式平面図であり、(b)は(a)におけるA2−A2で切った模式側断面図である。(c)は、時間経過に伴う発光層123Y0の膜厚の変化を示す(a)におけるA2−A2で切った模式側断面図である。図14(a)(b)に示すように、基板100X0には、列絶縁層522Y0及び行絶縁層122XOが配設されている。
図14(c)に示すように、基板100x上に塗布された発光層123Y0のインクは、列絶縁層522Y0の端部522Ye0から溶媒の乾燥は始まる。その理由は、ウエットプロセスに於いては、インクの溶媒を蒸発乾燥させるプロセスにおいて、成膜エリアの中央部分と周縁部分とでは、周縁部分の方が中央部分よりも溶媒蒸気圧が低くなることにより溶媒の乾燥速度が大きいためである。成膜エリアとは、ウエットプロセスによりインクを塗布するエリアであり、図3に示した区画領域10aと同じ領域である。そのため、乾燥により溶媒の蒸発が進み、単位面積あたりの残存溶媒量が少ない端部522Ye0付近のインクよりも、溶媒の蒸発が遅く単位面積あたりの残存溶媒量が多い端部522Ye0より内方のインクの表面張力が不均一となる。そして、端部522Ye0付近のインクは端部522Ye0より内方のインクからの表面張力によって内方に引っ張られ内方に向けたインク対流が生じる。その結果、端部522Ye0付近のインクは端部522Ye0より内方へ移動し、端部522Ye0より内方におけるインク膜厚は増加する。
図14(c)の上段から下段に向けて段階的に示すように、時間経過に伴い端部522Ye0から内方に向けて徐々に溶媒の乾燥が進行し、これに伴い、端部522Ye0から内方に向けたインクの移動により端部522Ye0から内方に向けてインク膜厚も徐々に増加する。最終的には、成膜エリアの中央部分においてインク膜厚が最大となり、図16(b)に示すように、形成される発光層123Y0の膜形状も同様に成膜エリアの中央部分において膜厚が最大となる形状になる。
(実施例について)
図15(a)は、実施例における狭隙部存在区間Lpl付近の基板100Xの模式平面図であり、(b)は(a)におけるA3−A3で切った模式側断面図である。(c)は、時間経過に伴う発光層123Yの膜厚の変化を示す(a)におけるA3−A3で切った模式側断面図である。図15(a)(b)に示すように、基板100Xには、列絶縁層522Y及び行絶縁層122Xが配設されている。
図15(c)に示すように、同様に基板100x上に塗布された発光層123Y0のインクは、列絶縁層522Y0端部522Yeから溶媒の乾燥は始まる。そのため、乾燥により溶媒の蒸発が進み、単位面積あたりの残存溶媒量が少ない端部522Ye付近のインクよりも、溶媒の蒸発が遅く単位面積あたりの残存溶媒量が多い端部522Yeより内方のインクの表面張力が不均一になる。
そして、端部522Ye付近のインクは端部522Yeより内方のインクからの表面張力によって内方に引っ張られ内方に向けたインク対流が生じる。すなわち、乾燥等により表面張力の不均一性が発生してインクの対流(マランゴニ対流)が発生する。その結果、端部522Ye付近のインクは端部522Yeより内方へ移動し、端部522Yeより内方におけるインク膜厚は増加する。
一方、列絶縁層522Yには、列方向端部522Yeから所定距離Lplの範囲には狭隙部存在区間522Yplが設けられているので、狭隙部存在区間522Yplにおいて列絶縁層522Yからインクに付勢される毛細管力は、内方に位置する広隙区間522Yclにおいて列絶縁層522Yからインクに付勢される毛細管力よりも大きい。したがって、狭隙部存在区間522Yplと広隙区間522Yclとの境界においてインクには端部522Ye方向に向けた表面張力が発生して、広隙区間522Ycl内のインクは狭隙部存在区間522Yplのインクからの表面張力によって端部522Ye方向に引っ張られて端部522Ye方向に向けたインク対流が生じる。その結果、広隙区間522Ycl内のインクは狭隙部存在区間522Yplへ移動し、境界より端部522Ye方向におけるインク膜厚は増加する。
図15(c)の上段から下段に向けて段階的に示すように、時間経過に伴い端部522Yeから内方に向けて徐々に溶媒の乾燥が進行し、これに伴い、端部522Yeから内方に向けたインクの移動により端部522Yeから内方に向けて膜厚も徐々に増加しようとするが、広隙区間522Yclから狭隙部存在区間522Yplに向けた逆方向のインクの移動により、端部522Yeから内方に向けたインクの移動は打ち消され、狭隙部存在区間522Yplにおけるインク膜厚の減少は補われる。その結果、狭隙部存在区間522Yplにおけるインク膜厚の減少は緩和されるとともに、境界より内方におけるインク膜厚の増加も抑制される。最終的には、図16(a)に示すように、形成される発光層123Yの膜形状も同様に成膜エリアの周縁部分と中央部分において膜厚が等価な形状になる。すなわち、基板上の列状塗布領域内に有機発光材料を含むインクを塗布して製造する際に、列状塗布領域内で列状という形状によるインク対流の影響を緩和することができる。その結果、成膜エリアの周縁部分と中央部分において発光層123の膜厚の不均一性に起因して生じる輝度ムラを改善することができる。
5.小 括
以上説明したように、実施の形態1に係る表示パネル10は、複数のサブ画素100seが行列状に配された有機EL表示パネル10であって、基板100xと、基板100x上に行列状に配された複数の画素電極層119と、少なくとも画素電極層119の行方向外縁119a3、a4間に位置する基板100x上方に列方向に延伸して行方向に並設された複数の列絶縁層522Yと、行方向に隣接する列絶縁層522Y間の間隙それぞれに、列絶縁層522Yの列方向端部522Ye間にわたって列方向に連続して配されている有機発光層123と、有機発光層123上方に配された透光性の対向電極層125とを備え、列絶縁層522Yの列方向端部522Yeから列方向に所定の長さLplの第1列区間522Ypl内には、行方向に隣接する2つの列絶縁層522Y間の間隙幅Wplが、第2列区間522Ypl間よりも基板の平面視内方に位置する第2列区間522Ycl内における、2つの列絶縁層522Y間の間隙と連通した隣接する2つの列絶縁層間の間隙幅Wclよりも狭い狭隙部522Yaが存在する構成を採る。
係る構成により、第1列区間である狭隙部存在区間522Yplにおいて列絶縁層522Yからインクに付勢される毛細管力は、狭隙部存在区間522Yplよりも内方の第2列区間である広隙区間522Yclにおいて列絶縁層522Yからインクに付勢される毛細管力よりも大きくすることができる。そのため、列状塗布領域内で列状という形状によるインク対流の影響を緩和して、列状塗布領域内で機能層の膜厚が均一性の向上させて輝度ムラを改善することができる。
以上説明したとおり、上記実施の形態に係る表示パネル10によれば、基板上の列状塗布領域内に有機発光材料を含むインクを塗布して製造する表示パネルにおいて、列状塗布領域内で機能層の膜厚の均一化を図ることにより、成膜エリアの周縁部分と中央部分において発光層123の膜厚の不均一性に起因して生じる輝度ムラを改善することができる。
<変形例1>
次に、表示パネル10の変形例1に係る表示パネル10Aについて説明する。
実施の形態1に係る表示パネル10では、絶縁層122の形状は、いわゆるライン絶縁層状の絶縁層形状を採用した。具体的には、列絶縁層522Yの列方向端部522Yeから列方向に所定の長さLplの第1列区間522Ypl内における、行方向に隣接する2つの列絶縁層522Y間の間隙幅Wplが、第1列区間522Yplよりも基板の平面視内方に位置する第2列区間522Ycl内における同じ2つの列絶縁層間の間隙幅Wclよりも狭い構成とした。
しかしながら、第1列区間522Ypl内には、行方向に隣接する2つの列絶縁層522Y間の間隙幅Wplが、第1列区間522Yplよりも基板の平面視内方に位置する第2列区間522Ycl内における、上記2つの列絶縁層522Y間の間隙と連通した隣接する2つの列絶縁層522Y間の間隙幅Wclよりも狭い狭隙部522Yaが存在していればよく、第1列区間522Ypl内に狭隙部522Yaを形成するための絶縁層522Yの形状は適宜変更してもよい。
図17は、変形例1に係る表示パネル10Aにおける、図3におけるX1部と同じ部分を示した拡大平面図である。図17に示すように、表示パネル10Aでは、複数の列絶縁層522Yは、画素電極層119の行方向の外縁上方と、行方向外縁間に位置する基板100x上方とに配されている複数の第1列絶縁層522YAと、列絶縁層522YAの列方向端部522Yeから列方向に所定の長さLplの第1列区間522YAplにおいて、行方向に隣接する2つの第1列絶縁層522YA間に、列方向に延伸して配された第2列絶縁層523YAとを含む構成を採る。係る構成により、第1列区間522YAplにおける、行方向に隣接する第1列絶縁層522YAと第2列絶縁層523YAとの間隙幅Wplは、第1列区間522YAplよりも基板内方に位置する第2列区間522YAclにおける、上記間隙と連通した行方向に隣接する2つの第1列絶縁層522YAの間隙幅Wclよりも狭い構成となる。したがって、第1列絶縁層522YA及び第2列絶縁層523YAにおいて、第1列絶縁層522YA間に第2列絶縁層523YAが存在する列方向の範囲が狭隙部522Yaとなる。第1列区間522YAplの長さLpl、間隙幅Wplと間隙幅Wclとの比率における好適な範囲は、第1の実施の形態における好適な範囲と同じである。
上記構成により、第1列区間において、前記第1列区間において隣接する2つの前記第1列絶縁層間に、列方向に延伸する第2列絶縁層を設ける簡易な構成により、第1列区間の間隙幅が、第2列区間内の間隙幅よりも狭い狭隙部を形成できる。その結果、表示パネル10Aでは、列状塗布領域内で機能層の膜厚の均一化を図ることにより輝度ムラを改善することができる。
<変形例2>
次に、表示パネル10の変形例2に係る表示パネル10Bについて説明する。
図18(a)は、変形例2に係る有機EL表示パネル10Bにおける、図3におけるX1部と同じ部分を示した拡大平面図、(b)は、(a)におけるX2部の拡大平面図である。図18(a)(b)に示すように、表示パネル10Bでは、列絶縁層522YBの表面には、第1列区間522YBplにおいて基板の平面視方向に突出する凸部522YBaを有し(図18(a)一点鎖線の範囲)、行方向に隣接する2つの列絶縁層522YB上の凸部522YBa間の間隔Wplが、第1列区間522YBplよりも基板内方に位置する第2列区間522YBcl内における2つの列絶縁層522YB間の間隙幅Wclよりも狭い構成となる。したがって、列絶縁層522YB上の凸部522YBaの頂部付近が狭隙部522Yaとなる。第1列区間522YBplの長さLpl、間隙幅Wplと間隙幅Wclとの比率における好適な範囲は、第1の実施の形態における好適な範囲と同じである。
上記構成により、第1列区間において、前記第1列区間において基板の平面視方向に突出する凸部を有する簡易な構成により、第1列区間の間隙幅が、第2列区間内の間隙幅よりも狭い狭隙部を形成できる。その結果、表示パネル10Bでは、列状塗布領域内で機能層の膜厚の均一化を図ることにより輝度ムラを改善することができる。
≪その他の変形例≫
実施の形態では、本実施の形態に係る表示パネル10を説明したが、本発明は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。以下では、そのような形態の一例として、表示パネル10の変形例を説明する。
(1)実施の形態では、表示パネル10の量産工程において1枚の基板から表示パネル10を同時に形成する枚数について、枚数を特定した説明は行わなかった。しかしながら、表示パネル10の量産工程において1枚の基板から複数の表示パネル10を同時に形成する多面取りを行う場合にも、各表示パネル10に対するそれぞれの区画領域10aが1つの成膜エリアとなることは言うまでもない。多面取りの場合でも隣接する成膜エリア(区画領域10a)が所定の距離以上離間している場合には、各成膜エリアにおいて周縁部分の方が中央部分よりも溶媒蒸気圧が低くなるからである。この場合、基板の内方に位置する成膜エリアと成膜エリアとの境界付近において、列絶縁層522Yの端部522Yeから所定の長さLplにおいて狭隙部存在区間522Yplを設けることが好ましい。
(2)上記実施の形態では、例えば、図6に示すように、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層の形成領域全てにおいて、列絶縁層522Yは、第1列区間522Yplにおける隣接する列絶縁層522Yの間隙522zの幅Wplは、第1列区間522Yplより基板内方の第2列区間522Yclにおける間隙522zの幅Wclに対し小さく形成されている狭隙部存在区間522Yplを有する構成とした。しかしながら、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層の形成領域から選択される少なくとも1領域において、狭隙部存在区間522Yplを有する構成としてもよい。例えば、インク塗布における膜厚変動が相対的に大きい赤色発光層形成領域において、狭隙部存在区間522Yplを有する構成としてもよい。その結果、膜厚変動が相対的に大きい発光層色について選択的に膜厚が均一性を向上させて輝度ムラを改善することができる。
(3)上記実施の形態では、例えば、図3に示すように、表示パネル10は、基板100x上をマトリックス状に区画してRGB各色の発光単位を規制する列絶縁層522Yと行絶縁層122Xとが配された区画領域10aと、区画領域10aの周囲に非区画領域10b(X、Y方向にそれぞれ10Xb、10Yb、区別を要しない場合は10bとする)とから構成される例を示した。しかしながら、列絶縁層522Yと行絶縁層122Xとが配された区画領域10aの周囲又は周囲の一部に、格子状の絶縁層により区画された周辺区画領域を設ける構成としてもよい。周辺区画領域では、格子状の絶縁層により区画された部分にも区画領域10aと同様に、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層を形成するためのインクが塗布される。さらに周辺区画領域の周囲に非区画領域10bを設けててもよい。かかる構成においても、列絶縁層522Yの端部522Yeから所定の長さLplにおいて狭隙部存在区間522Yplを設けることにより、列状塗布領域内で列状という形状によるインク対流の影響を緩和して、列状塗布領域内で機能層の膜厚が均一性を向上させて輝度ムラを改善することができる。
(4)上記実施の形態では、図6に示すように、表示パネル10では、基板100x上の区画領域10aの外縁から所定の区画数だけ、各区画に有機EL表示素子100が形成されていない非発光領域10neが形成されており、非発光領域10neにおいて、列絶縁層522Yの端部522Yeから所定の長さLplにおいて狭隙部存在区間522Yplを設けた構成とした。しかしながら、列絶縁層522Yの端部522Yeから所定の長さLplの狭隙部存在区間522Yplも、基板100x上の各区画に画素電極層119を配設して表示素子配列領域10eとしてもよい。基板上の成膜エリアを有効に活用することができ表示素子配列領域10eを拡大することができコスト削減に資する。なお、狭隙部存在区間522Yplにおいては、広隙区間522Yclとの間で発光層123の膜厚差により輝度変動が生じるが、狭隙部存在区間522Yplの位置は予め設計的に既定されているので、表示パネル10を駆動する差異に画像信号の変調等によって制御により補正することができる。
(5)表示パネル10では、各色サブ画素100seである間隙522zの上方に、透光性材料からなる上部基板130を備え、カラーフィルタ層128が形成されている構成とした。しかしながら、例示した表示パネル10において、透光性材料からなる上部基板130を設けずに、間隙522zの上方にはカラーフィルタ層128を設けない構成としてもよい。これにより、外光の照り返し抑制と発光効率を向上に加え、製造コストを低減することができる。
(6)表示パネル10では、発光層123は、行絶縁層上を列方向に連続して延伸している構成としている。しかしながら、上記構成において、発光層123は、行絶縁層上において画素ごとに断続している構成としてもよい。係る構成によっても、外光の照り返し抑制と発光効率を向上とを実現することができる。
(7)表示パネル10では、行方向に隣接する列絶縁層522Y間の間隙522zに配されたサブ画素100seの発光層123が発する光の色は互いに異なる構成とし、列方向に隣接する行絶縁層122X間の間隙に配されたサブ画素100seの発光層123が発する光の色は同じである構成とした。しかしながら、上記構成において、行方向に隣接するサブ画素100seの発光層123が発する光の色は同じであり、列方向に隣接するサブ画素100seの発光層123が発する光の色が互いに異なる構成としてもよい。また、行列方向の両方において隣接するサブ画素100seの発光層123が発する光の色が互いに異なる構成としてもよい。係る構成によっても、外光の照り返し抑制と発光効率を向上とを実現することができる。
(8)その他
実施の形態に係る表示パネル10では、画素100eには、赤色画素、緑色画素、青色画素の3種類があったが、本発明はこれに限られない。例えば、発光層が1種類であってもよいし、発光層が赤、緑、青、黄色に発光する4種類であってもよい。
また、上記実施の形態では、画素100eが、マトリクス状に並んだ構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、画素領域の間隔を1ピッチとするとき、隣り合う間隙同士で画素領域が列方向に半ピッチずれている構成に対しても効果を有する。高精細化が進む表示パネルにおいて、多少の列方向のずれは視認上判別が難しく、ある程度の幅を持った直線上(あるいは千鳥状)に膜厚むらが並んでも、視認上は帯状となる。したがって、このような場合も輝度むらが上記千鳥状に並ぶことを抑制することで、表示パネルの表示品質を向上できる。
また、表示パネル10では、すべての間隙522zに画素電極層119が配されていたが、本発明はこの構成に限られない。例えば、バスバーなどを形成するために、画素電極層119が形成されない間隙522zが存在してもよい。
また、上記実施の形態では、画素電極層119と対向電極層125の間に、ホール注入層120、ホール輸送層121、発光層123及び電子輸送層124が存在する構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、ホール注入層120、ホール輸送層121及び電子輸送層124を用いずに、画素電極層119と対向電極層125との間に発光層123のみが存在する構成としてもよい。また、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層などを備える構成や、これらの複数又は全部を同時に備える構成であってもよい。また、これらの層はすべて有機化合物からなる必要はなく、無機物などで構成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、発光層123の形成方法としては、印刷法、スピンコート法、インクジェット法などの湿式成膜プロセスを用いる構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、気相成長法等の乾式成膜プロセスを用いることもできる。さらに、各構成部位の材料には、公知の材料を適宜採用することができる。
上記の形態では、EL素子部の下部にアノードである画素電極層119が配され、TFTのソース電極110に画素電極層119を接続する構成を採用したが、EL素子部の下部に対向電極層、上部にアノードが配された構成を採用することもできる。この場合には、TFTにおけるドレインに対して、下部に配されたカソードを接続することになる。
また、上記実施の形態では、一つのサブ画素100seに対して2つのトランジスタTr1、Tr2が設けられてなる構成を採用したが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、一つのサブピクセルに対して一つのトランジスタを備える構成でもよいし、三つ以上のトランジスタを備える構成でもよい。
さらに、上記実施の形態では、トップエミッション型のEL表示パネルを一例としたが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、ボトムエミッション型の表示パネルなどに適用することもできる。その場合には、各構成について、適宜の変更が可能である。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、上記の工程が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記工程の一部が、他の工程と同時(並列)に実行されてもよい。
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
また、各実施の形態及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
本発明に係る有機EL表示パネル、及び有機EL表示装置は、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、携帯電話などの装置、又はその他表示パネルを有する様々な電子機器に広く利用することができる。
1 有機EL表示装置
10 有機EL表示パネル
100 有機EL素子
100e 単位画素
100se サブ画素
100a 自己発光領域
100b 非自己発光領域
100x 基板(TFT基板)
119 画素電極層
119a1、a2、a3、a4 外縁
119b コンタクト領域(コンタクトウインドウ)
119c 接続凹部
120 ホール注入層
121 ホール輸送層
122 絶縁層
122X、122AX、122BX 行絶縁層
522Y、522AY、522BY 列絶縁層
123 発光層
124 電子輸送層
125 対向電極層
126 封止層
127 接合層
128 カラーフィルタ層
130 上部基板
131 CF基板
EL.EL素子部
Tr1.駆動トランジスタ
Tr2.スイッチングトランジスタ
C.容量

Claims (13)

  1. 複数の画素が行列状に配された有機EL表示パネルであって、
    基板と、
    前記基板上に行列状に配された複数の画素電極層と、
    少なくとも前記画素電極層の行方向外縁間に位置する前記基板上方に列方向に延伸して行方向に並設された複数の列絶縁層と、
    行方向に隣接する前記列絶縁層間の間隙それぞれに、前記列絶縁層の列方向端部間にわたり列方向に連続して配されている有機発光層と、
    前記有機機能層上方に配された透光性の対向電極層とを備え、
    前記複数の列絶縁層の一部には、前記列絶縁層の列方向端部から列方向に所定の長さの第1列区間内には、行方向に隣接する2つの前記列絶縁層間の間隙幅が、前記第1列区間よりも基板の平面視内方に位置する第2列区間内における、前記2つの列絶縁層間の間隙と連通した隣接する2つの列絶縁層間の間隙幅よりも狭い狭隙部が存在する
    有機EL表示パネル。
  2. 前記第1列区間における行方向に隣接する2つの前記列絶縁層間の間隙幅が、前記第2列区間内における前記2つの前記列絶縁層間の間隙幅よりも狭い
    請求項1に記載の有機EL表示パネル。
  3. 前記複数の列絶縁層は、
    前記画素電極層の行方向の外縁上方と、行方向外縁間に位置する前記基板上方とに配されている複数の第1列絶縁層と、
    前記第1列区間において、行方向に隣接する2つの前記第1列絶縁層間に、列方向に延伸して配された第2列絶縁層とを含む
    請求項1に記載の有機EL表示パネル。
  4. 前記列絶縁層の表面には、前記第1列区間において基板の平面視方向に突出する凸部を有し、行方向に隣接する2つの前記列絶縁層上の凸部間の間隔が、前記第2列区間内における前記2つの列絶縁層間の間隙幅よりも狭い
    請求項1に記載の有機EL表示パネル。
  5. 前記有機発光層の材料と有機溶媒とを含むインクを前記間隙に充填したときに、行方向に隣接する2つの前記列絶縁層に基づく前記インクの毛細管力は、当該2つの列絶縁層の列方向端部から列方向に所定の長さの第1列区間内において、前記第1列区間よりも基板の平面視内方に位置する第2列区間内よりも大きい
    請求項1から4の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  6. 前記列絶縁層は、前記第1列区間において前記第2列区間よりも。前記インクに対する撥液性が低い
    請求項5に記載の有機EL表示パネル。
  7. 行列状に配された前記画素電極層のうち、列方向の最も外方にある最外画素電極の列方向外縁は、前記列絶縁層の列方向端部よりも所定の長さ以上前記基板内方に位置する
    請求項1から6の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  8. 少なくとも前記画素電極層の列方向の外縁上方と、列方向外縁間に位置する前記基板上方とに配されてなる複数の行絶縁層を備え、
    前記発光層は、前記行絶縁部上を列方向に連続して配されている
    請求項1から7の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  9. 前記有機発光層は、前記画素電極層上方であって、前記行絶縁層及び前記列絶縁層が存在しない領域において有機電界発光を生ずる
    請求項1から8の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  10. 前記所定の長さは、列方向における前記画素電極のピッチの、2倍以上10倍以下である
    請求項1から9の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  11. 前記狭隙部における行方向に隣接する2つの前記列絶縁層間の間隙幅は、前記第2列区間内における前記2つの列絶縁層間の間隙幅の30%以上95%以下である
    請求項1から10の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  12. 前記有機発光層には、行方向に順に配された青色有機発光層、緑色有機発光層、赤色有機発光層からなり、
    前記狭隙部が存在する列絶縁層間の間隙には、青色有機発光層、緑色有機発光層、赤色有機発光層から選択される1以上が形成されている
    請求項1から11の何れか1項に記載の有機EL表示パネル。
  13. 複数の画素が行列状に配された有機EL表示パネルの製造方法であって、
    基板を準備する工程と、
    前記基板上に行列状に複数の画素電極層を形成する工程と、
    少なくとも前記画素電極層の行方向外縁間に位置する前記基板上方に列方向に延伸して行方向に複数の列絶縁層を並設する工程と、
    行方向に隣接する前記列絶縁層間の間隙それぞれに、前記列絶縁層の列方向端部間にわたり列方向に連続して有機発光材料を含むインクを塗布して乾燥して有機発光層を形成する工程と、
    前記有機機能層上方に透光性の対向電極層を形成する工程とを有し、
    前記複数の列絶縁層を並設する工程では、前記列絶縁層の列方向端部から列方向に所定の長さの第1列区間内には、行方向に隣接する2つの前記列絶縁層間の間隙幅が、前記第1列区間よりも基板の平面視内方に位置する第2列区間内における、前記2つの列絶縁層間の間隙と連通した隣接する2つの列絶縁層間の間隙幅よりも狭い狭隙部が存在するように前記複数の列絶縁層を並設する
    有機EL表示パネルの製造方法。
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