JP2018018775A - ハイブリッド電池 - Google Patents

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健治 川部
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俊彦 河合
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康貴 田中
壽 塚本
Hisashi Tsukamoto
壽 塚本
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Kunio Kanamaru
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Abstract

【課題】電池の内部構造を変更することなく、回生電流で充電する場合でも、効率よく充電することができるハイブリッド電池を提供する。【解決手段】充電電流が所定値以上のときに充放電効率の高い第1の電池Aと、充電電流が所定値以上のときに充放電効率が第1の電池Aよりも低い第2の電池Bとが並列に接続されており、並列に接続された両端の接続点D、E間で、所定値以上の充電電流に対して、第2の電池B側の接続点D、E間のインピーダンスが、第1の二次電池A側の接続点D、E間のインピーダンスより大きくなるように、接続点D、E間で第2の電池Bと直列にインピーダンス調整回路2が接続されている。【選択図】図1A

Description

本発明は、走行車両の動力源や電力貯蔵設備などに用いられる二次電池に関する。さらに詳しくは、リチウムイオン電池などの有機溶液系二次電池と、鉛電池やニッケル水素電池などの水溶液系二次電池とを並列に接続することにより、それぞれの二次電池の特色を発揮させることができるハイブリッド電池に関する。
従来の化石燃料を駆動エネルギーとする自動車は、その排気ガスにより自然環境を悪化させるため、近年では、ハイブリッド型の自動車や電気自動車への転換が期待されている。しかし、電池によって、それぞれの特徴があり、例えば鉛電池は、エネルギー当たりの単価は安いが、非常に重いという問題があり、また、リチウムイオン電池は、軽いという利点はあるが、非常に高価であるため、また、過電圧などにより破壊されやすいため、保護回路の必要な有機溶液系電池と鉛電池などの水溶液系電池とを並列接続したハイブリッド蓄電池が開示されている(例えば特許文献1参照)。
すなわち、この電池の組合せは、例えば図9Aに示されるように、二次電池(以下、二次電池(蓄電池)を単に電池ともいう)Aと電池Bとが並列に接続され、その出力がモータMに直列に接続されている。なお、図9Aでは、簡略化して描かれているが、実際には、電池A等は同種のセルが直列および/または並列に接続された所望の容量および電圧になるように形成された組電池になっている場合が多い。また、同図で電池Aは、リチウムイオン電池のように、容量が電池Bよりは小さく、高価な電池で、電池Bは、例えば鉛電池のような大容量で低価格な電池である。これにより、高エネルギーで軽いが保護回路等が必要で高価なリチウムイオン電池と、安価で電池容量が大きいが重い鉛電池の両特性を有する電池を並列に接続することが開示されている。また、鉛電池の充電終止電圧をリチウムイオン電池の過充電危険電圧より低く設定することにより、別途リチウムイオン電池の保護回路を形成しなくても、鉛電池の水系電解液の分解反応を行わせることにより、高価なリチウムイオン電池が保護されることも開示されている。
また、特許文献2には、例えば鉛電池とニッケル水素電池のような水溶液系二次電池の中で種類の異なる2種類の水溶液系電池と、リチウムイオン電池のような有機溶液系電池とを並列に接続することにより、例えば鉛電池とニッケル水素電池のような水溶液系電池の水分解電圧をリチウム電池の過充電危険電圧より低くすることにより、前述のリチウムイオン電池の過充電を防止しながら、例えばニッケル水素電池の放電電圧をリチウムイオン電池の放電電圧より高くなるように設定することにより、放電特性を改良することができるハイブリッド電池も開示されている。
特許第5373999号公報 特開2015−92444号公報
前述のように、鉛電池のような水溶液系電池とリチウムイオン電池のような有機溶液系電池とを並列に接続したハイブリッド電池は、定置した電源として使用する場合には、電圧が低下した場合に商用電源で充電して使用するが、このような商用電源による充電は、低い充電電流で充電するため、両電池の充電特性上、特段の不都合はない。しかし、例えば電気自動車やハイブリッド自動車のように、アクセルペダルを踏まないとき、またはブレーキペダルを踏んだときのモータの回転を利用した回生電流は通常上記商用電源による充電電流の2〜5倍に達する。そのため、回生電流により前述のハイブリッド電池を充電するときは、ハイブリッド電池構成上の電圧電流特性により水溶液系電池にこの電流が流れやすく、電圧上昇による酸素発生損失を伴う。従って、モータの回転に応じた電力により充電する場合、充分に回生エネルギーを再利用することができないことを本発明者らは見出した。
また、例えば水溶液系電池と、有機溶液系電池とでは、一般的にはリチウムイオン電池などの有機系電池の方が現状では、非常に高価であると共に、過充電などにより発火したり、破損したりしやすいため、有機溶液系電池が過充電状態にならないようにする必要がある。一方、この有機溶液系電池と水溶液系電池とを並列に接続することにより、回生電流は水溶液系電池に流れやすいので、有機溶液系電池を保護しやすい。しかし、水溶液系電池は充放電効率が低いので、充放電効率を高く維持しながら、有機溶液系電池の保護をしやすくすることが望まれる。
本発明は、このように、高価な有機溶液系電池と安価で電池容量の大きい水溶液系電池とを並列接続して有機溶液系電池の保護を図りながら、大電流回生時のエネルギー損失を招くという問題を解決するためになされたもので、電池の内部構造を変更することなく、回生電流で充電する場合でも、効率よく充電することができるハイブリッド電池を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、回生電流の大きい電力が供給されても、リチウムイオン電池などの高価な有機溶液系電池を特別な保護回路が無くても保護することができるハイブリッド電池を提供することにある。
前述のような、例えば鉛電池とリチウムイオン電池を並列に接続したハイブリッド電池を電気自動車などに用いて、回生電力により充電しても、その回生電力を充分に利用することができず、無駄になっていることを本発明者らは見出した。そして、本発明者らは、その原因を追究したところ、充放電効率の低い鉛電池に回生電流の大部分が流れ、充放電効率の高いリチウムイオン電池には殆ど回生電流が流れないことに起因していることを見出した。すなわち、鉛電池のような水溶液系電池は、電極での溶解析出型であることから電流依存性が顕著になり、大電流の充電電流では水の電気分解が発生してガスを放出するため、充放電効率が低下し、例えば100Aの充電電流では92%程度の充放電効率しか得られない。これに対し、リチウムイオン電池では、電解液はイオンの通り道の役割を果たすだけで反応に寄与しないので、充放電時にガス発生反応は基本的になく、また、充電電圧も鉛電池より低いため、低電流から大電流までの広い範囲で充放電効率が高く、100A程度の回生電流に対しても、99%程度の高い充放電効率が得られる。
本発明者らは、さらに鋭意検討を重ねて回生電流の殆ど大部分が鉛電池に流れ込み、リチウムイオン電池に流れない理由を調べた。その結果、電池の内部インピーダンスは、電池により異なり、図6に充電時(左側ほど充電電流が大きい)および放電時(右側ほど放電電流が大きい)のそれぞれの電池の電流に対する電圧の関係が示されるように、充電領域でのある電流値では、リチウムイオン電池Aの内部インピーダンスが鉛電池の内部インピーダンスよりも大きく、すなわち同じ電流値に対して、電圧が高いことを見出した。電池構成上充電領域ではリチウム電池を保護するため、必然的にリチウムイオン電池の電圧は鉛電池の電圧より高くなるように各電池の直列セル数が決められている。そのため、回生電流で大きな充電電流が流れ込んできても、その電流値に対して、内部インピーダンスが小さく、かつ、電圧の低い鉛電池Bに回生電流の大部分が流れ込んでしまい、前述のように、鉛電池Bの充放電効率は低いため、折角の回生電流を有効に利用できないのが原因であることを本発明者らは見出した。
そして、本発明者らが、さらに鋭意検討を重ねて調べた結果、充放電効率の低い水溶液系電池B側には余り回生電流を流さないようにし、充放電効率の優れた有機溶液系電池A側に回生電流を流すように、鉛電池B側にインピーダンス調整回路が挿入され、鉛電池側のインピーダンスを大きくし、かつ、充電電圧を高くすることにより、相対的に内部インピーダンスが小さく、かつ、電圧が低くなった、充放電効率の高いリチウムイオン電池A側に回生電流が流れ込みやすくなって、回生電流を効率よく充電に利用することができることを見出した。なお、ハイブリッド電池の使用によりハイブリッド電池が消耗してリチウムイオン電池Aおよび鉛電池Bの両方の電圧が下がった場合には、通常の商用電源で充電が行われるが、この場合は、充電電流が回生電流のピークの1/5〜1/2程度、具体的には25A程度と非常に小さいため、前述の電解液の電気分解も起こらず、インピーダンス調整回路を経由しないようにすることにより、両電池とも効率よく充電される。
本発明のハイブリッド電池は、充電電流が所定値以上のときに充放電効率の高い第1の二次電池と、充電電流が前記所定値以上のときに充放電効率が前記第1の二次電池よりも低い第2の二次電池と、が並列に接続されており、前記並列に接続された両端の接続点間で、前記所定値以上の充電電流に対して、前記第2の二次電池側の前記接続点間のインピーダンスが、前記第1の二次電池側の前記接続点間のインピーダンスより大きくなるように、前記接続点間で前記第2の二次電池と直列にインピーダンス調整回路が接続されている。なお、インピーダンス調整回路には、インピーダンスを無限大にすることができるスイッチ素子を含む。
ここに「充電電流が所定値以上であるとき」とは、前述のように、充電の際に水溶液系電池の水溶液が電気分解をしてガスが発生し得る状態の電圧に対応する電流を意図している。すなわち、鉛電池ではセル電圧が約2.4V以上、ニッケル水素電池ではセル電圧が約1.5V以上で水の電気分解を引き起こす。電気自動車に使用される典型的な60Ahの鉛電池では、ガス発生電圧に対応する電流値は50Aから100A程度になる。このガス発生電圧は、電池の充電状態にも依存し、例えば充電状態が高ければ低い電流(電圧)でガスを発生する。そのため、ガスが発生し得る状態の電流値にも幅が生じる。
本発明のハイブリッド電池によれば、所定電流以上の充電電流に対して、充放電効率の低い第2の電池B側にインピーダンス調整回路が挿入されているので、並列接続された接続点間で相対的にインピーダンスが小さくなる、充放電効率の高い第1の電池A側に回生電流が流れ易くなっている。そのため、例えば100A程度の大きな回生電流が供給されても、その電流は殆ど第1の電池Aに流れ込み、効率よく充電に寄与する。すなわち、従来のハイブリッド電池では、100A程度の大きな回生電流は、第1の電池Aの内部インピーダンスが第2の電池Bの内部インピーダンスより遥かに大きいため、その大部分が第2の電池Bに流れ込み、充放電効率が低かった。しかし、本発明では、並列接続された接続点間で第2の電池B側のインピーダンスが第1の電池Aの内部インピーダンスより大きくなっているため、回生電流の大部分が第1の電池A側に流れ込む。そのため、第1の電池Aで効率よく充電される。
本発明の一実施形態の回路図である。 図1Aの回路のときのそれぞれの電池側での充電時と放電時の電流と電圧の関係を示す図である。 図1Aの変形例を示す回路図である。 本発明の他の実施形態の回路図である。 図2Aの回路のときのそれぞれの電池側での充電時と放電時の電流と電圧の関係を示す図である。 図2Aの変形例を示す回路図である。 本発明のさらに他の実施形態の回路図である。 図3Aの回路のときのそれぞれの電池側での充電時と放電時の電流と電圧の関係を示す図である。 図3Aの変形例を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態の回路図である。 図4Aの回路のときのそれぞれの電池側での充電時と放電時の電流と電圧の関係を示す図である。 図4Aの回路のスイッチ素子部分の変形例を示す図である。 図4Cの回路のスイッチ素子部分の他の変形例を示す図である。 図1Aの回路のときの充電時と放電時の電流特性の実測例を示す図である。 鉛電池とリチウムイオン電池のハイブリッド電池のときの充電時と放電時のそれぞれの電池での充電時と放電時の電流と電圧の関係を示す図である。 本発明のハイブリッド電池を電気自動車に応用する場合の一実施形態を示す回路図である。 本発明のハイブリッド電池を電気自動車に応用する場合の他の実施形態を示す回路図である。 本発明のハイブリッド電池の充放電効率を測定するモデルの回路図である。 従来の特性の異なる2種類の電池を並列に接続した回路例である。 図9Aに示される従来のハイブリッド電池のときの充電時と放電時の電流特性の実測例を示す図である。
次に、図面を参照しながら本発明のハイブリッド電池の一実施形態が説明される。本発明のハイブリッド電池1の一実施形態は、図1Aに回路図で示されるように、充電電流が所定値以上のときに充放電効率の高い第1の電池Aと、充電電流が所定値以上のときに充放電効率が第1の電池Aよりも低い第2の電池Bとが並列に接続されており、並列に接続された両端の接続点D、E間で、所定値以上の充電電流に対して、第2の電池B側の接続点D、E間のインピーダンスが、第1の二次電池A側の接続点D、E間のインピーダンスより大きくなるように、接続点D、E間で第2の電池Bと直列にインピーダンス調整回路2が接続されている。
ハイブリッド電池1を構成する第1の電池Aは、例えばリチウムイオン電池のような有機溶液系の電池であり、前述のように、電解液はイオンの移動のみに用いられ、電極での溶解析出反応が起こらないため、ガスが発生するということもなく、大電流の充電電流に対しても充放電効率に優れている。しかも、有機溶液系の電池は、充電するための充電過電圧(充電するために放電時の電圧より高い電圧が必要)も鉛電池より小さいため、低電流から大電流までの広い帯域で高い充放電効率が得られる。従って、高価で、電池容量は鉛電池と比較して小さいが、電池としては非常に優れた特性を有している。
一方、ハイブリッド電池を構成する第2の電池Bは、鉛電池、ニッケル水素電池のような水溶液系電池が用いられる。この鉛電池は、放電時には負極で、
Pb+SO4 2-→PbSO4+2e-
の反応が起こり、負極から、鉛が希硫酸からなる電解液に溶け出し硫酸鉛になる。一方、充電時には負極で、
PbSO4+2e-→Pb+SO4 2-
の反応が起こり、金属鉛が析出して負極に戻る反応をする。水溶液系電池は、このような溶解析出型であるため、電流依存性が非常に顕著になる。そのため、回生電流のような大きな充電電流の場合には、電圧の上昇に伴い、水の電気分解が発生しやすくなる。そのため、一般的に充放電効率が低下する。この充放電効率が低下するのは、前述のように、電気自動車用の60Ah電池では、充電電流がおおよそ50A〜100A以上の場合で、それより小さい電流では、水の電気分解は殆ど起こらず、充放電効率も低下しない。その結果、回生電流ではなく、電池容量が低下して商用電源により充電する場合には、25A程度であるため、このような充放電効率低下の問題は生じない。また、この水溶液系電池は、重量は大きいが電池容量が大きく、安価であるといという特性を有している。
本発明のハイブリッド電池は、このように特性の異なる少なくとも2種類の電池が並列に接続されることにより、それぞれの特性を引き出しながら、回生電流による充放電効率を向上させていることに特徴がある。すなわち、図9Aに示される従来のハイブリッド電池では、前述のように、大きな回生電流の大部分が鉛電池Bに流れ込み、リチウムイオン電池Aには殆ど流れないことが、充放電効率の低い原因であることを本発明者らは見出した。そして、この鉛電池に回生電流の大部分が流れ込む理由が、電池の電流に対する電圧の関係が図6に示されるように、回生電流の同じ電流値に対して、鉛電池Bの内部インピーダンスがリチウムイオン電池Aの内部インピーダンスより小さいこと、すなわちそのときの電池の電圧が低いこと、であることを見出した。そして、図1Aに示されるように、第2の電池B側にインピーダンス調整回路2を挿入して、第2の電池B側のD、E間のインピーダンスを第1の電池Aの内部インピーダンスより大きくすることにより、大電流の場合でも、第1の電池Aに回生電流の大部分を流すことができることを見出した。
図1Aに示される実施形態では、インピーダンス調整回路2は、抵抗21と充電電流に対して逆方向(放電電流に対して順方向)となるように接続されたダイオード22との並列回路で形成されている。なお、図1Aでは簡略化して1個の抵抗21と1個のダイオード22で示されているが、それぞれ1個ではなく、複数個の直列および/または並列に接続されたものでもよい。特に、ダイオード22はその大電流に対する破壊を防止するため、複数個並列に接続されることが好ましい。この抵抗21が第2の電池B側のインピーダンスを上げるために挿入されており、ダイオード22は、ハイブリッド電池1の放電時に抵抗21による電圧降下を防止するために挿入されている。そのため、インピーダンス調整としては、抵抗21が寄与している。従って、抵抗21はインピーダンスを大きくし得るものであればよい。なお、インピーダンス調整回路2は、このような直接的にインピーダンスを変化させる素子には限定されず、例えば後述される充電電流に対して順方向のダイオード24(図3A、3C参照)の順方向電圧分を変化させるものや、オン、オフを制御する制御回路素子26(図4D参照)、電子スイッチ素子(FET)23、25(図4A、4C参照)などを含み、結果的にインピーダンスが無限大も含めて大きくなるものが用いられ得る。
抵抗21の抵抗値は、第2の電池Bの内部インピーダンスと共に接続点D、E間のインピーダンスを第1の電池A側の内部インピーダンスよりも大きくなるように設定されている。すなわち、図1Bに充電時および放電時の各電池の電流に対する電圧の関係が示されているように、充電電流が所定値以上のときのある電流値に対して、第2の電池B側のインピーダンスBが第1の電池A側の内部インピーダンスAよりも大きくなるように設定されている。一方、この抵抗21の抵抗値は、例えば100A程度の最大の回生電流に対して、第2の電池Bの充電終止電圧と抵抗21の両端の電圧とを加えた電圧が第1の電池Aの過充電危険電圧より低くなるように設定されていることが好ましい。ここに充電終止電圧とは、これ以上充電されて充電電圧が高くなろうとすると電池が破壊し、電圧上昇が抑制される電圧を意味し、例えば鉛電池の電解液組成、極板の活物質構成材料などにより、その電圧が調整されている。また、第1の電池Aの過充電危険電圧とは、それより高い充電電圧が印加されると、第1の電池Aが発熱して破壊する可能性が大きい電圧を意味している。この過充電危険電圧は、電池構成材料により定まり、通常、充電電圧は放電電圧よりも高いが、その充電電圧よりも、さらに高い電圧になるように設定されている。換言すると、例えば100A程度の最大の回生電流に対して、第2の電池Bが充電終止電圧のときの第2の電池B側のD、E間の電圧が第1の電池Aの過充電危険電圧よりも低くなるように抵抗21の抵抗値は定められていることが好ましい。そうすることにより、予期しない大きな回生電流が印加されても、その回生電流の大部分が第2の電池B側に流れ、第2の電池が破損するかもしれないが、高価な第1の電池Aが保護される。
すなわち、第1の電池Aに過電流が流れ込むことを防止することができるのみならず、高価な第1の電池Aを保護することができ、第1の電池Aを保護する高価な保護回路を別途設ける必要もないので、コスト的に大きなメリットがある。そのため、インピーダンス調整回路2の抵抗21の抵抗値は大きくすればよいというものではなく、過電流に対する第2の電池Bの充電終止電圧と抵抗21の両端の電圧とを加えた電圧が、第1の電池Aの過充電危険電圧より低くなるように設定されることが好ましい。そうすることにより、第1の電池Aが保護される。しかし、リチウムイオン電池などの安全性を確保するためには、保護回路が設けられることが好ましい。
ダイオード22は、前述のように、第2の電池Bの放電の際に、抵抗21を経ることなく電流を流し得るようにするために挿入されている。すなわち、充電電流に対しては必ず抵抗21を通るようにし、放電電流(ハイブリッド電池1を駆動源として使用するとき)に対しては抵抗21を通ることなく、このダイオード22を通過できるようにされている。しかし、このようなダイオード22が挿入されても、ダイオード22の順方向電圧分(シリコンダイオードでは、1個当たり、通常0.6V程度)は低下する。その影響を完全になくするための例が図1Cに示されている。
すなわち、図1Cには、インピーダンス調整回路2の抵抗21およびダイオード22の並列回路に、さらにスイッチ素子23が並列に接続されている。このスイッチ素子23としては、後述されるようなトランジスタまたはMOSFET、リレーなど種々のスイッチ素子が用いられ得る。このスイッチ素子23は、後述の例で詳述されるように、例えば20A以上の回生電流の検知によりスイッチ素子23をオフにして抵抗21を通して回生電流が流れるようにしたり、回生電流を利用しなくなるアクセルペダルの踏み込みまたはブレーキペダルの踏み込み開放などの検知により、スイッチ素子23をオンにして、抵抗21およびダイオード22を介さないで第2の電池Bを直接接続したりすることができる。その結果、回生電流が小さいとき、または放電電流を利用するときは、ダイオード22の順方向電圧の降下も招くことなく、第2の電池Bは従来通り利用され得る。従って、放電に利用するとき、モータ3に電力を供給することができるし、第1の電池A側から第2の電池Bに充電することもできる。さらに、ハイブリッド電池1の容量が消耗して、商用電源により充電する場合、前述のように充電電流は小さいため、インピーダンス調整回路2を経なくても、比較的効率よく充電することができる。そのため、このスイッチ素子23をオンにしておくことにより、抵抗21による電力の消耗を招くことなく充電することができる。
このようなインピーダンス調整回路2が挿入されることにより、第2の電池B側の電流に対する電圧の関係は、前述の図1Bに示されるように、充電側で勾配が大きくなる。すなわち、第2の電池Bの内部インピーダンスが大きくなったのと同様の特性を示す。しかも、勾配が大きくなるので、回生電流の増加に対する、電圧の増加量が大きくなることになり、実際には第1の電池Aに回生電流が供給される。しかし、前述のように、このインピーダンスは、大きくすればよいという訳ではなく、第2の電池B側のD、E間の電圧が第1の電池Aの過充電危険電圧を超えないように調整されることが好ましい。なお、放電側は、前述のスイッチ素子23がオンにされることにより、インピーダンスは何ら変化しないので、従来と同様の傾斜の直線になる。
このような電流と電圧の特性になると、第1の電池Aの電流電圧のグラフAと第2の電池Bの電流電圧のグラフBとの交点より大きい回生電流が供給されたとき、その回生電流は専ら内部インピーダンスの小さい第1の電池Aに流れ込む。その結果、第1の電池Aが専ら充電される。しかも、第1の電池Aは充放電効率が高いため、効率よく回生電流が充電に利用される。一方、第1の電池Aと第2の電池Bとは図1Aまたは1Cに示されるように、並列に接続されている。そのため、第1の電池Aの電圧が高くなろうとすると、回生電流の一部は第2の電池にも流れるようになる。しかし、第2の電池側に流れる電流は回生電流の一部で少ないため、第2の電池Bも効率よく充電される。回生電流がなくなれば、第1の電池Aから第2の電池Bに電流が供給され、第2の電池Bも幾分充電される。すなわち、図1Aに示されるように、スイッチ素子23が無くても、抵抗11を介して電流が流れ、第2の電池Bも充電される。
このようなハイブリッド電池1の放電領域Pおよび充電領域Qの第1の電池Aと第2の電池Bおよびハイブリッド電池1のそれぞれの実測の電流A、B、Cの特性が図5に示されている。なお、図5に示されるデータは、図1Aの抵抗21の抵抗値を50Ωとし、回生電流が殆ど流れない状態にしたデータである。図5から明らかなように、放電領域Pでは、第1の電池Aおよび第2の電池Bがほぼ同程度の電流を供給する。また、回生電流による充電領域Qでは、第1の電池Aの方に電流が流れ(充電電流になるため、放電電流と逆方向の電流になり、負の値で示されており、絶対値が大きくなる)、第2の電池Bには殆ど電流が流れない。これは、前述のように、D、E間のインピーダンスが第2の電池B側の方が大きくなっているため、回生電流が流れにくいからである。
インピーダンス調整回路2が挿入されていない従来の図9Aに示されるハイブリッド電池の同様のリチウムイオン電池A、鉛電池B、およびハイブリッド電池全体のそれぞれの電流A、B、Cの波形を示す図が図9Bに示されている。図9Bから明らかなように、従来のハイブリッド電池では、充電領域Qの電流特性は、大部分の回生電流が鉛電池Bに流れ、リチウムイオン電池Aには殆ど回生電流が流れていないことを示している。これは、前述のように、両電池の内部インピーダンスの差に基づくものである。すなわち、従来のハイブリッド電池では、回生電流による充電がリチウムイオン電池Aでは殆ど行われていなかった。
図2Aは、本発明のインピーダンス調整回路2の他の実施形態を示す図1Aと同様の回路図である。このインピーダンス調整回路2は、抵抗21のみで形成されている。この抵抗21の抵抗値は、前述の図1Aに示される例と同様に、所定の充電電流以上の場合に、第2の電池B側のD、E間のインピーダンスが第1の電池Aの内部インピーダンスより大きくなるように設定されている。また、前述の例と同様に、例えば100A程度の最大の充電電流に対して、第2の電池Bの充電終止電圧と抵抗21の両端の電圧とを加えた電圧が、第1の電池Aの過充電危険電圧を超えない電圧になるように設定されていることが好ましい。そうすることにより、第1の電池Aが過充電に対して保護されるからである。この図2Aに示されるインピーダンス調整回路2は、図1Aに示される例とダイオードが接続されていない点でのみ異なる。放電電流に対して順方向となるダイオード22が接続されていないことにより、放電電流を利用する場合も、抵抗21を経由することになる。そのため、多少の電圧降下が生じる。
前述の抵抗21による電圧降下を防止するには、図2Cに示されるように、抵抗21と並列にスイッチ素子23が接続され、回生電流の大きさを電流検出器41により検出して、回生電流が小さいときまたは0(放電時)の場合にはスイッチ素子23をオンにすることができる。この構成にすることにより、大きな回生電流のときには、抵抗21を経るためインピーダンスが調整されるが、回生電流が小さいか、0のときはスイッチ素子23を経由して、何らの損失を招くことはない。このスイッチ素子23のオンオフの制御は、後述の例で詳述される。なお、この電流検出器41による電流の検出は、例えば電流の一部を分流して、既知の抵抗値の両端の電圧を測定することもできるし、また、例えばホール素子を応用した非接触式電流センサを用いても測定され得る。
図2Aに示されるインピーダンス調整回路2が挿入されたときの電流に対する電圧の関係は、図2Bに示されるようになる。すなわち、放電時にも抵抗21が挿入されているため、第2の電池Bの両端の電圧が低くなっている。そのため、放電領域において第2の電池B側の電圧が第1の電池Aよりも低くなり、放電領域では電流は殆ど第1の電池Aから供給される。すなわち、第1の電池Aの放電分担率が大きくなる。なお、図2Cに示されるように、スイッチ素子23が挿入され、放電時にはスイッチ素子23がオンにされる場合には、図1Bと同様の電流電圧曲線になる。
図3Aは、本発明のインピーダンス調整回路2のさらに他の実施形態を示す図1Aと同様の回路図である。この例は、充電電流に対して順方向に接続されたダイオード24が用いられているもので、前述のように、図1Aの抵抗とは異なり、インピーダンスそのものを変える素子ではないが、ダイオード24はその順方向電圧分の電圧降下を生じさせるので、結果的にインピーダンスを挿入したのと同等になり、本発明では、このような場合もインピーダンス調整回路2に含ませている。この例では、この充電電流に対して順方向のダイオード24と、充電電流に対して逆方向に接続された図1Aと同様のダイオード22との並列回路により広義のインピーダンス調整回路2が形成されている。前述のように、ダイオードは半導体材料に固有の順方向電圧の降下分を有しており、抵抗と同様の電圧降下を生じさせる。前述のように、通常のシリコンを用いたダイオードは、1個で0.6V程度の電圧降下になるが、その程度の電圧では低すぎる場合には、複数個直列に接続されることにより、電圧降下はその個数倍となり、所望の電圧降下を得ることができる。また、大電流に対する耐性の問題がある場合には、並列に接続することにより耐性を上げることができる。
この図3Aの回路のときの電流に対する電圧の関係は、図3Bに示されるような特性になる。すなわち、充電電流に対して順方向のダイオード24の電圧降下分がオフセットされて充電側で第2の電池B側の電圧が大きくなっており、結果的にインピーダンスが大きくなった電流・電圧のグラフと同等のグラフになっている。そのため、前述のように、この構成も含めて広義のインピーダンス調整回路2としている。
この場合も、放電時に放電電流に対して順方向に挿入されたダイオード22の電圧降下が生じるので、その分を削除するためには、前述の図1Cの例と同様に、スイッチ素子23がさらに並列に接続されることが好ましい。その例が図3Cに示されている。この場合も、前述の例と同様に、回生電流を検出する電流検出器41の出力に応じて、またはアクセルペダルの踏み込み解除もしくはブレーキペダルの踏み込みなどの検出により、スイッチ素子23のオンオフを切り替えることもできる。
図4Aは、本発明の広義のインピーダンス調整回路2のさらに他の実施形態を示す図1Aと同様の回路図である。この例は、充電電流の方向に対して逆方向のダイオード22とスイッチ素子23とが並列に接続されて形成されている。このダイオード22は、前述の図1Aに示されるダイオード22と同様の働きをする。すなわち、回生電流を遮断しながら、放電電流に対しては導通させる働きをする。従って、スイッチ素子23がオフであり、回生電流が供給された場合に、回生電流は、第2の電池B側には入らないで、第1の電池A側のみに流れ、前述のように、充放電効率のよい第1の電池Aが充電される。しかし、このダイオード22だけでは、放電の場合にはダイオード22を介して放電することができるが、回生電流による充電は一切されない。また、商用電源により充電する場合も、このインピーダンス調整回路2を短絡する必要がある。そこで、この例では、このダイオード22と並列にスイッチ素子(電子スイッチ素子FET)23が接続され、そのスイッチ素子23はマイコン42によりオンオフの制御がなされるようになっている。このマイコン42によるスイッチ素子23の制御は、例えば回生電流の大きさを検出する電流検出回路41をハイブリッド電池1と駆動モータ3との間に接続し、その電流検出回路41により検出された電流値がマイコン42に送られ、マイコン42内でその値がしきい値より大きいか、小さいかが判断されて、回生電流がしきい値より大きい場合にスイッチ素子23がオフにされ、しきい値より小さい場合にスイッチ素子23がオンにされるように制御される構成になっている。このしきい値は0すなわち、放電電流と回生電流の区別にすることもできる。また、回生電流値がある値より大きくなる第2のしきい値、すなわち第1の電池Aの過充電危険電圧を超える恐れのある電流値を設定し、この第2のしきい値を超えた場合にスイッチ素子23をオンにすることもできる。そうすることにより、第1の電池Aの過充電に対する保護がなされ得る。
このような構成にされることにより、しきい値電流が充電電流側の所定の電流値に設定されることにより、充電電流が小さい場合には、第2の電池B側も接続されることになり、回生電流による充電がなされる。また、商用電源による充電のときも、商用電源による充電電流は小さいため、スイッチ素子23がオンにされ、簡単に充電され得る。一方、回生電流が第2のしきい値電流を超える場合もスイッチ23をオンにすることにより、高価な第1の電池Aが過充電に対して保護され得る。
このような構成のインピーダンス調整回路2は、しきい値電流が0に設定され、スイッチ素子23がオフにされるとき、図4Bに電流に対する電圧の関係図が示されるように、インピーダンスは電流が0(しきい値電流の設定値)のところで無限大になって途切れる。従って、図4Aに示されるように、スイッチ素子23が並列に接続され、そのしきい値電流が適当な値に制御されることにより、必要なところで充電も可能になるし、放電時にもダイオード22の順方向電圧分の電圧降下を防止することもできる。なお、図4Bでは、電流が0のところでインピーダンスが無限大にされているが、スイッチ素子23をオンオフするしきい値電流の値に応じて、充電電流側に入り込ませることができる。
この観点からは、図示されていないが、ダイオード22をなくして、スイッチ素子23のオンオフだけで広義のインピーダンス調整回路2が構成され得る。すなわち、インピーダンスが0または無限大の切り替えになるが、所定のしきい値電流でのスイッチ素子23のオンオフによっても、回生電流が所定の電流以上の(負の絶対値が大きい)場合にスイッチ素子23をオフにし、それ以外のときにスイッチ素子23をオンにすることにより、前述と同様の制御をすることができる。なお、この場合も、回生電流が所定値以上になる第2のしきい値電流を設定して、回生電流が第2のしきい値電流以上になった場合には、スイッチ素子23をオンにすることにより、第1の電池Aが過充電に対して保護される。
スイッチ素子23としては、図4Aに示されるような機械的スイッチ、リードスイッチなどを使用することもできるし、図4Cに示されるようなMOSFET25を用いることもできるし、図4Dに示されるようなリレー26を用いることもできる。MOSFET25のような半導体素子が用いられることが、簡単に制御しやすいので好ましい。
なお、第2のしきい値電流の設定による制御ではなく、保護回路が設けられることにより、第1の電池Aが保護されてもよい。第1の電池Aは過充電だけではなく、温度などによっても破損しやすいため、保護回路も併用されることが好ましい。
図4Cは、図4Aの広義のインピーダンス調整回路の一例であるスイッチ素子23の変形例であり、電子スイッチ素子MOSFET25で形成された例である。さらに、この例は、回生電流の検出ではなく、例えばブレーキペダルをオンにしたり、アクセルペダルをオフにしたりすることにより検出されたモータドライバ44からの回生電流利用信号43をコントロールエリアネットワーク(CAN)によりバッテリマネージメントユニット(BMU)45に伝達し、MOSFET25からなるスイッチ素子25のオンオフを制御する構成になっている。このような構成にしても、回生電流モードと放電電流モードとの切り替えを行うことができる。前述のように、このスイッチ素子(MOSFET25)がしきい値電流で制御されることにより、ダイオード22は無くても構わない。
さらに、図4Dに示される例は、このインピーダンス調整回路2のスイッチ素子にリレー26を用いてオンオフする構成にした例である。この場合も、図4Aに示されるように、電流検出器41と図示しないマイコンとが直接接続され、回生電流がしきい値の電流以下であるか否か、また、第2のしきい値電流以上であるか否かにより、スイッチ素子(リレー26)のオンオフが制御される。また、図4Cに示される構成にすることもできる。この場合も、このスイッチ素子(リレー26)がしきい値電流で制御されることにより、ダイオード22は無くても構わない。
これらのスイッチ素子の構成例は、これらの組合せに限定されるものではなく、スイッチ素子の構造とその制御手段は任意の組合せにすることができる。また、図4A〜4Dの例に限定されず、前述の図1C、図2C、図3Cなどのスイッチ素子23にもこれらのいずれかの組合せのスイッチ素子の構成を適用することができる。
また、前述のように、スイッチ素子を挿入し、回生電流の利用時と利用しないときで、そのスイッチ素子のオンオフを制御すれば、充電電流に対して逆方向のダイオードが無くても第1の電池A側のみに大きな回生電流を供給することができる。しかし、例えば自動車の混雑時などで、アクセルとブレーキの繰返しが頻発するような場合、駆動系の制御応答遅れなどにより必ずしも回生充電、放電を目論見通りに正しくできないことがある。このような場合に、ダイオードがあれば、スイッチ素子をオープンにしておいても、十分な放電電流が第2の電池Bから供給されるので、ダイオードを設けておく意義がある。すなわち、ダイオード22が設けられることにより、回生モードと併用することができ、第1の電池A側に回生電流を流しながら、放電の際には第1および第2の電池A、Bから放電電流を流すことができる。
前述の図1Aに示されるハイブリッド電池1を電気自動車またはハイブリッド自動車に搭載する場合の構成例が図7A〜7Bに示されている。すなわち、図7Aに示される例は、第1の電池Aとして、24V系のリチウムイオン電池11Aが2個直列に接続されたものを用い、第2の電池Bとして12V系鉛蓄電池12Bが4個直列に接続され、鉛蓄電池12B側に抵抗21とダイオード22が並列接続されたインピーダンス調整回路2が直列に接続された回路になっている。また、リチウムイオン電池11A側には保護スイッチ13がリチウムイオン電池11Aと直列に接続され、監視制御ユニット14によりリチウムイオン電池11Aの電圧、電流、温度などのリチウムイオン電池の状態を監視し、これらの監視項目のうちのいずれかで所定の状態を検出した場合に、保護スイッチ13をオフにして、リチウムイオン電池を安全に切り離せる構造になっている。
リチウムイオン電池11Aは、図7Aでは1つのブロックで描かれているが、実際には、例えば3.6V系のセルが7個直列に接続されることにより、図に示される24V系のリチウムイオン電池11Aが構成されている。また、鉛蓄電池も、2Vのセルが6個直列に接続さることにより形成されている。さらに、インピーダンス調整回路2の抵抗21としては、12.5mΩの抵抗が用いられ、ダイオード22は100V以上の耐圧を有するものが用いられる。保護スイッチ13としては、例えばFET、IGBT、GTOなどの半導体スイッチング素子の他、リレー、電磁開閉器、ブレーカ等であっても良く、また、例えば電流ヒューズ、温度ヒューズ、サーミスタ、セルフコントロールプロテクタ(SCP)のように、一旦作動すると交換しない限り電気的な接続が自動的に回復しないものであっても良い。監視制御ユニット14としては、例えばMMU(モジュールマネージメントユニット)を用いて、リチウムイオン電池11Aの各状態が監視される。インピーダンス調整回路2は、この例に限らず、前述の各図面に例示されたいずれかの回路を用いることができる。
図7Bに示される例では、第1の電池Aとして、保護スイッチ13を内蔵した1個の24V系のリチウムイオン電池11Aが用いられ、第2の電池Bとして、2個の12V系の鉛蓄電池12Bが用いられ、その第2の電池Bにインピーダンス調整回路2が直列接続されたものと第1の電池Aとが並列に接続された複合ユニット10が2個直列に接続されることにより構成されている。各電池11A、12Bの構成、インピーダンス調整回路2、保護スイッチ13、監視制御ユニット14などの構成も図7Aに示される構造と同じである。この図7Bに示される例では、メインコンタクタ15が備わっており、このメインコンタクタ15も監視制御ユニット14によりオンオフ制御される構成になっている。
図7Aに示される例では、回路数が少ないので、簡単に形成されるという利点がある。また、図7Bに示される構成では、並列回路の一方の鉛蓄電池12Bの数が少なくなるので、鉛畜電池のバラツキによる影響が少なくなるというメリットがある。
実施例1
図7Bの複合ユニット1個を用いて、回生電流による充放電効率を調べた。すなわち、保護スイッチ13および監視ユニット14はなく、リチウムイオン電池11Aが公称電圧25.2V、公称容量60Ahで、鉛電池12Bが公称電圧12V、公称容量64AhのS95鉛電池を2個直列接続した図8に示される回路を用いた。インピーダンス調整回路2は、図7Aで説明したものと同じである。この回路で、試験条件としては、試験温度が25℃(恒温槽で一定に保持)、電池を満充電(定電流100Aで充電し、電圧が28.8Vに到達後、同電圧で充電して電流が10Aよりも小さくなるまで)の状態にしてから、以下の充放電を行った。
(1)200A放電を120秒間
(2)200A放電を20秒間
(3)10秒間放置
(4)100A充電を10秒間
(5)10秒間放置
(6)上記(2)〜(5)を30サイクル繰り返す
(7)200Aで放電し、電圧が18Vよりも低くなったら終了する
(8)電池を満充電(定電流100Aで充電し、電圧が28.8Vに到達後、同電圧で充電して電流が10Aよりも小さくなったら終了する)
(9)200Aで放電し、電圧が18Vよりも低くなったら終了する
上記(9)で測定される電池容量を(A)とし、
上記(1)と(2)で測定される放電容量(30サイクル分の合計)の和を(B)とし、
上記(4)で測定される充電容量(30サイクル分の合計)を(C)とし、
上記(7)で測定される放電容量を(D)とすると、
放電効率(%)は、(B+D)/(A+C)となる。
実施例1、および図8に示される回路からインピーダンス調整回路2を除去した構成(比較例1)で同様の測定を行ったところ、実施例1における充放電効率を100とした場合における比較例1の充放電効率は97であり、実施例1は比較例1に対して3%充放電効率が高いという結果を得た。
商用電源による充電電流の2〜5倍が回生電流として発生する場合においては、前述のように、鉛蓄電池の充放電効率は約92%程度である。一方で、同様の条件におけるリチウムイオン電池の充放電効率は99%以上である。このような特性を有する鉛蓄電池とリチウムイオン電池とを、インピーダンス調整回路を鉛蓄電池に直列に接続することなく並列に接続した比較例1に係る構成にすると、その充放電挙動は図9Bに示すように、鉛蓄電池、およびリチウムイオン電池のそれぞれに回生電流が一定割合で流れるので、その充放電効率は、鉛蓄電池とリチウムイオン電池の充放電効率の中間的な値となる。一方で、鉛蓄電池側にインピーダンス調整回路を直列に接続した実施例1に係る構成にすると、鉛蓄電池への回生電流の流入が抑制されるので、その充放電効率はリチウムイオン電池の充放電効率に近くなる。その結果、実施例1の充放電効率は比較例1よりも3%高い値となった。このように、本発明の構成とすることで、バッテリ全体の充放電効率を3%程度向上させることが可能であり、ハイブリッドカーや電気自動車などの車両に用いる場合は燃費の改善、走行距離の増大に貢献する効果がある。
1 ハイブリッド電池
A 第1の電池
B 第2の電池
2 インピーダンス調整回路
3 モータ
21 抵抗
22 ダイオード
23 スイッチ素子
25 MOSFET
26 リレー
P 放電モード
Q 充電モード

Claims (13)

  1. 充電電流が所定値以上のときに充放電効率の高い第1の二次電池と、充電電流が前記所定値以上のときに充放電効率が前記第1の二次電池よりも低い第2の二次電池と、が並列に接続されたハイブリッド電池であって、
    前記並列に接続された両端の接続点間で、前記所定値以上の充電電流に対して、前記第2の二次電池側の前記接続点間のインピーダンスが、前記第1の二次電池側の前記接続点間のインピーダンスより大きくなるように、前記接続点間で前記第2の二次電池と直列にインピーダンス調整回路が接続されてなるハイブリッド電池。
  2. 前記第2の二次電池の充電終止電圧時の前記インピーダンス調整回路を含めた前記接続点間の電圧が、前記第1の二次電池の過充電危険電圧よりも低くなるように前記インピーダンス調整回路が形成されてなる請求項1記載のハイブリッド電池。
  3. 前記インピーダンス調整回路が、前記充電電流に対して逆方向のダイオードと抵抗との並列回路である請求項1または2記載のハイブリッド電池。
  4. 前記インピーダンス調整回路が、前記充電電流に対して逆方向のダイオードとスイッチ素子との並列回路である請求項1または2記載のハイブリッド電池。
  5. 前記インピーダンス調整回路が、前記充電電流に対して逆方向のダイオードと順方向のダイオードとの並列回路であり、前記順方向のダイオードの順方向電圧による電圧降下を利用する請求項1または2記載のハイブリッド電池。
  6. 前記インピーダンス調整回路が、抵抗である請求項1または2記載のハイブリッド電池。
  7. 前記第1の二次電池がリチウムイオン電池であり、前記第2の二次電池が鉛電池である請求項1〜6のいずれか1項に記載のハイブリッド電池。
  8. 前記第1の二次電池がリチウムイオン電池であり、前記第2の二次電池がニッケル水素電池である請求項1〜6のいずれか1項に記載のハイブリッド電池。
  9. 前記インピーダンス調整回路に、さらにスイッチ素子が並列に接続されてなる請求項3、5または6記載のハイブリッド電池。
  10. 前記インピーダンス調整回路が、スイッチ素子である請求項1記載のハイブリッド電池。
  11. 前記充電電流としての回生電流の大きさを検出する電流検出器がさらに設けられ、前記電流検出器により検出される電流値が所定の電流値以下のとき、または商用電源による充電のときに前記スイッチ素子を短絡する制御手段が設けられてなる請求項4、9または10記載のハイブリッド電池。
  12. 前記ハイブリッド電池が、放電の際に前記スイッチ素子を短絡する制御手段が設けられてなる請求項4、9または10記載のハイブリッド電池。
  13. 前記ハイブリッド電池が、自動車または電車の駆動源として用いられる請求項1〜12のいずれか1項に記載のハイブリッド電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114207982A (zh) * 2019-08-05 2022-03-18 锂泰克实验室有限责任公司 能量递送系统

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