JP2018018728A - リチウムイオン二次電池正極用バインダー組成物、リチウムイオン二次電池正極、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
リチウムイオン二次電池正極用バインダー組成物、リチウムイオン二次電池正極、及びリチウムイオン二次電池 Download PDFInfo
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Abstract
Description
また電極の製造工程はロール・ツー・ロールでの成形工程を含むので、作製された電極には高い柔軟性や可とう性が求められる。もし電極が十分な柔軟性や可とう性を有していないと、合剤層の割れ、活物質の剥離・脱落が発生して電池容量が低下するおそれがある。そのため、結着力と柔軟性の両方を兼ね備えたバインダーが要求されている。
なお、本明細書において、アクリルとメタクリルを特段区別しない場合には、(メタ)アクリルと総称し、アクリレートとメタクリレートを特段区別しない場合には(メタ)アクリレートと総称する。
本発明において固形分とは、対象物を105℃、3時間の乾燥減量法に供することにより得られるものを意味する。
本発明のリチウムイオン二次電池正極用バインダー組成物は、エチレン性不飽和単量体に由来する重合体粒子(A)がPVA系樹脂(B)で分散安定化されたエマルジョン[I]を含むものである。
重合体粒子(A)における重合体は、エチレン性不飽和単量体の重合体である。エチレン性不飽和単量体としては、例えば、下記の(a)〜(m)等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、又は2種以上を併せて用いても良い。
(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル。
(b)ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体。
(c)カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体。
(d)エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体。
(e)メチロール基含有エチレン性不飽和単量体。
(f)アルコキシアルキル基含有エチレン性不飽和単量体。
(g)シアノ基含有エチレン性不飽和単量体。
(h)ラジカル重合性の二重結合を2個以上有しているエチレン性不飽和単量体。
(i)アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体。
(j)スルホン酸基を有するエチレン性不飽和単量体。
(k)リン酸基を有するエチレン性不飽和単量体。
(l)芳香族エチレン性不飽和単量体。
(m)脂肪酸エステル系不飽和単量体。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレートが挙げられ、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜20の脂肪族(メタ)アクリレートや、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、又は2種以上を併せて用いても良い。
これらのなかでも特に好ましくは、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜10の脂肪族(メタ)アクリレートである。
なかでも好ましくは、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや、炭素数2〜4のアルキレン基を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートであり、特に好ましくはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
これらのなかでも、(メタ)アクリル酸、イタコン酸が特に好ましい。なお、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸のようなジカルボン酸には、これらのモノエステルやモノアマイドが含まれる。
ジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、トリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー等が挙げられ、テトラ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、共役ジエン系モノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の炭化水素共役ジエン系モノマー;2−クロロ−1,3−ブタジエン等のハロゲン含有共役ジエン系モノマー;置換直鎖共役ペンタジエン類;置換および側鎖共役ヘキサジエン類等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜6の共役ジエン系モノマーが好ましく、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
これらラジカル重合性の二重結合を2個以上有しているエチレン性不飽和単量体(h)は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系単量体を含有する単量体成分を重合してなるものであり、例えば上記(a)〜(m)の不飽和単量体のうち(メタ)アクリル構造を有する単量体を1種又は2種以上含有する単量体成分を重合してなるものである。
(メタ)アクリル系樹脂を構成する単量体成分のうち、(メタ)アクリル構造を有する単量体の含有割合は、好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは20〜95重量%であり、他の単量体の含有割合は、好ましくは0〜90重量%、特に好ましくは5〜80重量%である。
上記重合体粒子(A)を分散安定化させるPVA系樹脂(B)としては、例えば、公知一般の水溶性のPVA系樹脂が挙げられる。
かかるPVA系樹脂(B)は、例えば、ビニルエステル系モノマーを重合し、ケン化することにより得られる。
前記アルカリ触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートを用いることができる。
通常、無水アルコール系溶媒下、アルカリ触媒を用いたエステル交換反応が反応速度の点や脂肪酸塩等の不純物を低減できるなどの点で好適に用いられる。
例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のビニル基とエポキシ基を有するモノマー;トリアリルオキシエチレン、ジアリルマレアート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリルオキシエタン、ジアリルフタレート等のアリル基を2個以上有するモノマー;酢酸アリル、アセト酢酸ビニルエステル、アセト酢酸アリルエステル、ジアセト酢酸アリルエステル等のアリルエステル系モノマー;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート;アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピルクロトナート等のアセトアセトキシアルキルクロトナート;2−シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコール(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキル部分がC1〜C10アルキル基であり、好ましくはC1〜C6アルキル基);(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン;エチレンスルホン酸等のオレフィン系モノマー;ブタジエン−1,3、2−メチルブタジエン、1,3又は2,3−ジメチルブタジエン−1,3、2−クロロブタジエン−1,3等のジエン系モノマー;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、グリセリンモノアリルエーテル等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類、およびそのアシル化物などの誘導体;1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジプロピオニルオキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジブチロニルオキシ−2−メチレンプロパンなどのヒドロキシメチルビニリデンジアセテート類;イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和酸類、その塩又はモノ若しくはジアルキルエステル;アクリロニトリル等のニトリル類、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、AMPS等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩などの化合物、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニルアルキルジアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン;ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ヒドロキシメチルビニリデンジアセテートが挙げられる。ヒドロキシメチルビニリデンジアセテートの具体的な例としては、1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジプロピオニルオキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジブチロニルオキシ−2−メチレンプロパン等が挙げられる。これらのモノマーは単独で用いても良く、又は2種以上を併せて用いても良い。
このような側鎖に一級水酸基を有する構造単位を含有するPVA系樹脂としては、例えば、側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂、側鎖にヒドロキシアルキル基構造単位を有するPVA系樹脂等が挙げられる。中でも、特に下記一般式(1)で表される、側鎖に1,2−ジオール構造を有する構造単位を含有するPVA系樹脂を用いることが好ましい(以下、「側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVA系樹脂」と称することがある)。
上記方法のうち、共重合反応性及び工業的な取扱いにおいて優れるという点で、(i)の方法が好ましく、特にR1〜R6が水素、Xが単結合、R7、R8がR9−CO−であり、R9がアルキル基である3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、その中でも特にR9がメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましく用いられる。
なお、PVA系樹脂(B)中の1,2−ジオール構造単位の含有率は、ケン化度100モル%のPVA系樹脂の1H−NMRスペクトル(溶媒:DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン)から求めることができる。具体的には1,2−ジオール構造単位中の水酸基プロトン、メチンプロトン、およびメチレンプロトン、主鎖のメチレンプロトン、主鎖に連結する水酸基のプロトンなどに由来するピーク面積から算出することができる。
かかる有機溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキサイドなどのスルホキサイド、メタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級アルコール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。
かかるエマルジョン[I]は、以上のような分散剤たるPVA系樹脂(B)と分散質たるエチレン性不飽和単量体に由来する重合体粒子(A)が、水分散媒中に分散しているものである。かかるエマルジョン[I]は、分散剤の存在下で、例えば、上記アクリル系モノマー(および所望によりアクリル系モノマー以外の他のモノマー)を乳化重合することによって得られる。
その他には、重合装置の混合攪拌翼の大きさや攪拌速度、攪拌時間を制御する方法などを採用することもできる。さらには、モノマーを多孔質の膜中に通すことで粒子径を制御する膜乳化法や、攪拌方法に超音波を用いる超音波乳化法等を採用することもできる。
PVA系樹脂の配合量が少なすぎると、エチレン性不飽和単量体の乳化状態が不安定となって、重合反応性が低下したり、重合により得られるエマルジョン中での粒子の乳化状態安定性が低下する傾向にある。一方、PVA系樹脂の含有量が多すぎると、反応液の粘度が増大しすぎて均一分散性が低下し、重合率を高められなかったり、得られるエマルジョンの粘度が高くなりすぎて、製造上の歩留まりが低下したりする傾向にある。
なお、重合開始剤の配合方法としては、特に制限はなく、初期に一括して反応液中に配合してもよいし、重合の経過に伴って連続的に添加してもよい。
分散媒、分散剤を含有する反応容器に、重合目的のモノマーの一部を仕込み、1段目の乳化重合を行う。1段目に投入するモノマーの量は、特に限定しないが、重合に使用するモノマーの通常1〜50重量%程度であり、好ましくは5〜30重量%である。1段目の乳化重合工程の条件は、用いるモノマーの種類、組成、重合開始剤の使用量等により適宜決定することができる。
乳化重合反応の温度は、通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、重合時間は好ましくは1〜4時間である。1段目の乳化重合工程においては、重合転化率が30%以上であることが好ましく、60%以上であることが特に好ましい。
2段目の乳化重合は、1段目の重合が終了した反応容器に、残りのモノマーを投入することにより行う。投入は、滴下しながら行うことが好ましい。また、2段目の重合に際して、重合触媒を投入してもよい。2段目の乳化重合は、重合温度が40〜80℃、重合時間が1〜6時間の条件で行う。
また、滴下するモノマー組成比を連続的に変えながら滴下するパワーフィード重合法を用いることも可能である。また、モノマーを分散剤たるPVA系樹脂の存在下で予め混合分散させた分散液を滴下しながら重合してもよい。
必要に応じて、かかる工程の後に通常1〜6時間の追い込み重合をおこなうことも可能である。かかる重合中に重合触媒を投入してもよい。
更に、フタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤等も併用され得る。
以上のようにして乳化重合を行うことにより、エチレン性不飽和単量体に由来する重合体粒子(A)がポリビニルアルコール系樹脂(B)で分散安定化されたエマルジョン[I]が得られる。
本発明における重合体粒子(A)の平均粒径は、好ましくは50nm以上600nm以下であり、特に好ましくは150〜300nmである。なお、前記粒子の平均粒子径は、ゼータ電位測定装置により測定された値を採用する。
本発明のリチウムイオン二次電池正極用バインダー組成物は上記エマルジョンを含む。
なお、いずれの方法においてもPVA系樹脂の含有量は本発明のバインダー組成物における固形分に含まれる。
異なる種類のPVA系樹脂を用いる場合、本発明に用いるエマルジョンの分散剤たる第1のPVA系樹脂と第2のPVA系樹脂は、互いに完全相溶性となり均一相を形成することとなる。
また、特に(ii)の方法においては、本発明に用いるエマルジョンの分散剤たる第1のPVA系樹脂のケン化度が、第2のPVA系樹脂のケン化度より同程度であることが好ましい。
かかる場合、バインダー組成物より得られるポリマーの連続相において、第1のPVA系樹脂が安定なマトリックスを形成することができる為、連続層の強度が良好に維持されると考えられる。
また本発明の正極用バインダー組成物における重合体粒子(A)の含有量は、固形分にて、好ましくは1〜40重量%であり、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは5〜35重量%、更に好ましくは10〜35重量%、殊に好ましくは15〜30重量%である。重合体粒子(A)の含有量が少なすぎると、バインダーとしての内部抵抗が大きくなる傾向がある。重合体粒子(A)の含有量が多すぎると、一般に電解液膨潤率が高くなりやすく、耐熱性や被膜強度の低下を招く傾向もある。
さらに本発明の正極用バインダー組成物のエマルジョン[I]におけるPVA系樹脂(B)の含有量が、固形分にて、好ましくは60〜99重量%であり、特に好ましくは60〜95重量%、更に好ましくは65〜90重量%、殊に好ましくは70〜85重量%である。
PVA系樹脂(B)の含有量が少なすぎると、耐熱性や耐酸化性の低下を引き起こす傾向がある。また、PVA系樹脂(B)の含有量が多すぎると、バインダーとしての内部抵抗が大きくなり、充放電容量が低下する傾向がある。
本発明のバインダー組成物には、通常、塗膜に用いられる塗料や成型用樹脂に用いられる配合剤等を配合することができる。例えば、光安定剤、紫外線吸収剤、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤{ホウ酸、メチロール化メラミン、炭酸ジルコニュム、ジイソプロポキシチタンビストリエタノールアミネート等}、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調整剤等が挙げられる。それぞれの目的に応じて選択したり、組み合わせたりして配合することができる。なお、バインダー組成物がこれらの配合剤を含有する場合、含有する配合剤の有機分は、バインダー組成物の固形分に含まれる。
上記配合剤の配合量は、バインダー組成物における上記エマルジョンの固形分100重量部に対して通常10重量部未満、好ましくは5重量部未満である。
上記本発明の正極用バインダー組成物及び活物質を混合して、リチウムイオン二次電池正極用スラリーを調製することができる。
正極用活物質としては、例えば、オリビン型リン酸鉄リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、三元系ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物等を用いることができる。
スラリー中の活物質の含有量は、10〜95重量%、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは35〜65重量%である。
水溶性高分子としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体類;デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸又はその塩;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸又はその塩、ポリメタクリル酸又はその塩;ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド糖のアクリルアミド類;酢酸ビニルとマレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等の不飽和酸との共重合体;スチレンと上記不飽和酸との共重合体;ビニルエーテルと上記不飽和酸との共重合体;及び前記不飽和酸と各共重合体の塩類又はエステル類、カラギーナン、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウム、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、タマリンドシードガム等の天然多糖類が挙げられる。
正極用スラリーに用いられる増粘剤の量としては、正極用スラリーの固形分にて、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%である。スラリーに対して用いる量が少なすぎると、上記活物質や正極用バインダー及び導電助剤などの分散安定性が悪くなり、正極が不均一になって安定な充放電が得られない傾向にある。また一方で、かかる量が多すぎると、正極用スラリーの粘度が高くなり過ぎて、正極を作成する際に集電体に均一に塗工するのが困難となる傾向がある他、作成した電池の内部抵抗が向上して充放電容量が低下する傾向がある。
電解液膨潤率が前記範囲にあると、本発明の正極用バインダー組成物は電解液に対して適度に膨潤し、効果的に内部抵抗を低下させて、より良好な充放電特性を実現できる傾向がある。また、本発明の正極用バインダー組成物の電解液に対する膨潤を一定範囲に留めることにより、長期充放電時の抵抗増加を抑制することが可能となる。これは、正極活物質と電解液の接触を抑制することにより、電解液の酸化分解によりもたらされる電池抵抗の増加を抑制することが可能となるためと推測される。
正極用バインダー組成物として調製したアクリルエマルジョンを500μmのアプリケータを用いてPETフィルム上にキャストした後、105℃の乾燥機で3時間加熱乾燥してフィルムを得た。得られるフィルムを、所定サイズに切り出して、その重量を測定する(W0(g))。このフィルムを10gのプロピレンカーボネート(PC)、又はエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート(EC/DMC)の3/7混合液(体積比)に浸漬させて60℃で3時間加熱する。室温まで冷却した後、フィルムを取り出し、フィルム表面に付着した電解液をふき取った後に、試験後の浸漬後重量(W1(g))から、下式に従って、電解液膨潤率を算出する。
電解液膨潤率(%)=((W1 −W0 )/W0 )×100
本発明のリチウムイオン二次電池正極用バインダー組成物を用いて作製された正極を有するリチウムイオン二次電池について説明する。
リチウムイオン二次電池は、正極、負極、電解液、セパレータを少なくとも有する。
負極用活物質としては、炭素材料が好ましい。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛系炭素材料(黒鉛)、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。それ以外に、リチウム金属、リチウム含有金属複合酸化物、炭素粉末、珪素粉末、錫粉末、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。
負極の集電体としては、例えば、銅、ニッケルといった金属箔、エッチング金属箔、エキスパンドメタルなどが用いられる。
下記実施例及び比較例において製造したPVA系樹脂は、以下の方法にて分析した。
残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量にて分析した。
JIS K 6726に準じて測定した。
BRUKER社製のAVANCEIIIHD 400を用いて、1H−NMR(400MHz、プロトンNMR、溶媒:重水溶液、温度:50℃)にて測定し、得られたNMRチャートに基づき、積分値より算出した。
下記実施例及び比較例において調製したバインダーは、以下の方法にて電池特性の評価を行った。
作製したセルを25℃で50時間放置した後充放電試験に供した。
電流密度を30mA/gとし電位範囲2.7−4.2Vで定電流充放電試験を行い、初回の放電容量(mAh/g)、クーロン効率(%)を測定した。その後電流密度75mA/g、電位範囲2.7−4.2Vで測定時の温度を50℃とし、定電流充放電試験を継続して行い、高温長期サイクル後の容量維持率を測定した。
初回放電時の定電流値(制御電流値(mA))と設定電位に達するまでの時間(h)の積を、電極活物質(正極活物質)重量(g)で除した値を初回放電容量(mAh/g)とした。
初回放電容量の絶対値が140(mAh/g)以上を優(◎)、130(mAh/g)以上、かつ140(mAh/g)未満を良(〇)、130(mAh/g)未満を不良(×)と評価した。
初回放電容量(mAh/g)を初回充電容量(mAh/g)で除した百分率(%)を初回クーロン効率とした。
初回クーロン効率が90%以上を優(◎)、80%以上、かつ90%未満を良(〇)、80%未満を不良(×)と評価した。
電流密度75mA/g、50℃サイクル時の初回以降の放電容量(mAh/g)を初回放電容量(mAh/g)で除した百分率を容量維持率とした。容量維持率が高いほど、サイクル特性は良好であることを示す。
なお、容量維持率の絶対値は100%に近い程よいものとする。
容量維持率が40%以上を優(◎)20%以上、かつ40%未満を良(〇)、20%未満を不良(×)と評価した。
還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗、温度計を備え付けたセパラブルフラスコに、分散媒としての水969.3部、分散剤として上記構造式(1a)に示す構造の側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂(ケン化度:99.1モル%、粘度平均重合度:470、上記構造式(1a)に示す1,2−ジオール構造単位含有率:6モル%)172.8部、酢酸ナトリウム0.57部を流し込み、95℃で撹拌しながら2時間溶解させた後、フラスコ内の温度を75℃に冷却した。
この温浴中に、1段目の乳化重合用モノマーとして、ブチルアクリレート(BA)とメチルメタクリレート(MMA)との混合モノマー(混合重量比:BA/MMA=70/30)を27.0部、重合開始剤として亜硫酸水素ナトリウム水溶液(5重量%)5.40部及び過硫酸アンモニウム水溶液(1重量%)17.82部を加えて、1段目の乳化重合を開始した。反応温度を75℃〜80℃に保持しながら、1時間重合を行った。
2段目の乳化重合の後、反応温度を50℃まで低下させて、1時間追い込み重合を行った。かかる追い込み重合中はt−ブチルヒドロパーオキシ水溶液(10重量%)2.7部及びL−アスコルビン酸水溶液(10重量%)3.2部をそれぞれ2分割して30分毎に配合した。その後、室温まで冷却して、上記構造式(1a)に示す構造の側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂水溶液中にブチルアクリレート(BA)及びメチルメタクリレート(MMA)の混合組成の重合体粒子が分散するエマルジョンを得た。かかるエマルジョンにおける固形分は29.7重量%であった。
還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗、温度計を備え付けたセパラブルフラスコに、分散媒としての水1016.0部、分散剤として上記構造式(1a)に示す構造の側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂(ケン化度:99.1モル%、粘度平均重合度:1200、上記構造式(1a)に示す1,2−ジオール構造単位含有率:6モル%)256.0部、酢酸ナトリウム0.42部を流し込み、95℃で撹拌しながら2時間溶解させた後、フラスコ内の温度を75℃に冷却した。
この温浴中に、1段目の乳化重合用モノマーとして、ブチルアクリレート(BA)とメチルメタクリレート(MMA)との混合モノマー(混合重量比:BA/MMA=70/30)を20.0部、重合開始剤として亜硫酸水素ナトリウム水溶液(5重量%)4.00部及び過硫酸アンモニウム水溶液(1重量%)13.20部を加えて、1段目の乳化重合を開始した。反応温度を75℃〜80℃に保持しながら、1時間重合を行った。
2段目の乳化重合の後、反応温度を50℃まで低下させて、1時間追い込み重合を行った。かかる追い込み重合中はt−ブチルヒドロパーオキシ水溶液(10重量%)2.0部及びL−アスコルビン酸水溶液(10重量%)2.4部をそれぞれ2分割して30分毎に配合した。その後、室温まで冷却して、上記構造式(1a)に示す構造の側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂水溶液中にブチルアクリレート(BA)及びメチルメタクリレート(MMA)の混合組成の重合体粒子が分散するエマルジョンを得た。かかるエマルジョンにおける固形分は30.6重量%であった。
還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗、温度計を備え付けたセパラブルフラスコに、分散媒としての水969.3部、分散剤として上記構造式(1a)に示す構造の側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂(ケン化度:99.1モル%、粘度平均重合度:300、上記構造式(1a)に示す1,2−ジオール構造単位含有率:8モル%)172.8部、酢酸ナトリウム0.57部を流し込み、95℃で撹拌しながら2時間溶解させた後、フラスコ内の温度を75℃に冷却した。
この温浴中に、1段目の乳化重合用モノマーとして、ブチルアクリレート(BA)とメチルメタクリレート(MMA)との混合モノマー(混合重量比:BA/MMA=70/30)を27.0部、重合開始剤として亜硫酸水素ナトリウム水溶液(5重量%)5.40部及び過硫酸アンモニウム水溶液(1重量%)17.82部を加えて、1段目の乳化重合を開始した。反応温度を75℃〜80℃に保持しながら、1時間重合を行った。
2段目の乳化重合の後、反応温度を50℃まで低下させて、1時間追い込み重合を行った。かかる追い込み重合中はt−ブチルヒドロパーオキシ水溶液(10重量%)2.7部及びL−アスコルビン酸水溶液(10重量%)3.2部をそれぞれ2分割して30分毎に配合した。その後、室温まで冷却して、上記構造式(1a)に示す構造の側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂水溶液中にブチルアクリレート(BA)及びメチルメタクリレート(MMA)の混合組成の重合体粒子が分散するエマルジョンを得た。かかるエマルジョンにおける固形分は29.7重量%であった。
前記重合例1で調製したベースエマルジョンを分取し、希釈用の精製水と、さらに上記構造式(1a)に示す構造の側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂(ケン化度:99.1モル%、粘度平均重合度:470、上記構造式(1a)に示す1,2−ジオール構造単位含有率:6モル%)の10重量%水溶液とを添加することで、10重量%のバインダー溶液を調製した。この時、バインダーの固形分中の重合体粒子(A)とPVA系樹脂(B)の含有割合(A/B)が、固形分の重量比にて、20/80になるように調整した。
前記重合例2で調製したベースエマルジョンを分取し、希釈用の精製水と、さらに上記構造式(1a)に示す構造の側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂(ケン化度:99.1モル%、粘度平均重合度:1200、上記構造式(1a)に示す1,2−ジオール構造単位含有率:6モル%)の10重量%水溶液とを添加することで、10重量%のバインダー溶液を調製した。この時、バインダーの固形分中の重合体粒子(A)とPVA系樹脂(B)の含有割合(A/B)が、固形分の重量比にて、20/80になるように調整した。
前記重合例3で調製したベースエマルジョンを分取し、希釈用の精製水と、さらに上記構造式(1a)に示す構造の側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂(ケン化度:99.1モル%、粘度平均重合度:300、上記構造式(1a)に示す1,2−ジオール構造単位含有率:8モル%)の10重量%水溶液とを添加することで、10重量%のバインダー溶液を調製した。この時、バインダーの固形分中の重合体粒子(A)とPVA系樹脂(B)の含有割合(A/B)が、固形分の重量比にて、88/12および44/56の2種類になるように調整した。
上記製造例1〜3で調製した正極用バインダーを用いて、以下のようにして正極用スラリー液を作製し、リチウムイオン二次電池正極、次いでリチウムイオン二次電池を作製した。作製した電池について上記評価方法の通り電池特性を測定評価した。結果を表1に示す。
〔リチウムイオン二次電池正極の作製〕
<正極活物質を用いた電池用正極の作製>
活物質としてLiNiMnCoO2(日本化学工業株式会社製、平均粒径10μm)を94部、導電助剤としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製「デンカブラック」)を3部、さらに分散剤として1.5重量%水溶液に調製したカルボキシメチルセルロース#2200(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分換算で1.5部、また適時に精製水を加えた後、遊星式混練機(株式会社シンキー製「泡取り錬太郎」)を用いて混合して固形分濃度66.3重量%のペーストを得た(2000rpmで8分間混合した後、更に2200rpmで0.5分間脱泡した。)。
得られたペースト中に、正極用バインダーとして製造例1で作成したバインダー溶液(25重量%)を固形分換算で1.5部、また適時に精製水を加水した後、さらに遊星式混練機を用いて同様の条件で混合することで、固形分濃度が55.9重量%の活物質ペーストを得た。
次に、集電体として圧延アルミ箔(株式会社製箔、厚さ18μm)の表面に、180μmのアプリケータと塗工機(株式会社井元製作所製「コントロールコーター(塗工機)」)を用いて、塗工速度10mm/秒で上記活物質ペーストを塗工した。これを60℃で10分間乾燥させ、電池用正極を得た。
評価用の電池の外層としては、2032型のコイン型セルを使用した。得られた電池用正極を直径11mmの大きさに打ち抜き、更に80℃で24時間以上真空乾燥を行った後にグローブボックスへと仕込んだ。作製した電池用正極を作用極に、金属リチウム負極(直径13mm)を対極に用い、厚さ16μmのポリプロピレン多孔膜から成るセパレータ(直径18mm)を介在させて、互いに電極が対向するように配置させた。電解液として、エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとを体積比で3:7に混合した溶媒を使用し、電解質としてLiPF6を1mol/リットルの濃度に溶解したものを使用した。ポリプロピレン製パッキングを介して外層容器にステンレス鋼のキャップを被せて固定し、電池缶を封止することでハーフセルを作成し、評価用の電池を作製した。
正極用バインダーとして製造例2で調製したバインダー溶液を使用する以外は、実施例1と同様の方法で正極、更に電池を作製して電池性能を評価した。
正極用バインダーとして製造例3で調製したバインダー溶液のうち、固形分中の重合体粒子(A)とPVA系樹脂(B)の含有割合(A/B)が44/56であるバインダー溶液を使用する以外は、実施例1と同様の方法で正極、更に電池を作製して電池性能を評価した。
正極用バインダーとして製造例3で調製したバインダー溶液のうち、固形分中の重合体粒子(A)とPVA系樹脂(B)の含有割合(A/B)が12/88であるバインダー溶液を使用する以外は、実施例1と同様の方法で正極、更に電池を作製して電池性能を評価した。
Claims (7)
- エチレン性不飽和単量体に由来する重合体粒子(A)がポリビニルアルコール系樹脂(B)で分散安定化されたエマルジョン[I]を含むリチウムイオン二次電池正極用バインダー組成物であって、
重合体粒子(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)の含有割合(A/B)が、固形分の重量比にて、1/99〜40/60であることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極用バインダー組成物。 - ポリビニルアルコール系樹脂(B)の粘度平均重合度が300〜3000であることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池正極用バインダー組成物。
- 重合体粒子(A)が(メタ)アクリル系樹脂を主成分としてなることを特徴とする請求項1または2記載のリチウム二次電池正極用バインダー組成物。
- ポリビニルアルコール系樹脂(B)が、側鎖に一級水酸基を有する構造単位を含有する変性ポリビニルアルコール系樹脂(b)であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のリチウム二次電池正極用バインダー組成物。
- 側鎖に一級水酸基を有する構造単位が、側鎖に1,2−ジオール構造を有する構造単位であることを特徴とする請求項4記載のリチウム二次電池正極用バインダー組成物。
- 請求項1〜5いずれか記載のリチウム二次電池正極用バインダー組成物を用いて得られることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極。
- 請求項6記載のリチウムイオン二次電池正極を有するリチウムイオン二次電池。
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