JP2018017762A - 凹版および凹版の製造方法 - Google Patents

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智 山下
泰充 藤澤
Yasumitsu Fujisawa
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Abstract

【課題】凹凸形状が高精度に形成された凹版および該凹版の簡易な製造方法についての技術を提供する。【解決手段】凹版は、基材と、基材上に位置し、同種の複数のレジスト層を積層して有する多層立体構造と、を備える。この多層立体構造の両面のうち、基材側の第1面とは反対側の第2面は、凹凸形状の面である。1以上の凹部において、第2面が、レジスト層の段差に起因した1以上の窪み部分および1以上の突起部分を含む。これにより、凹凸形状が高精度に形成された凹版を簡易に製造することができる。【選択図】図4

Description

本発明は、レジスト層を積層して製造される凹版および該凹版の製造方法に関する。
従来より、複数のレジストの積層体に選択的な露光を施した後、現像液に可溶な領域(以下、現像可溶領域と呼ぶ)を現像によって積層体から除去することで、凹凸形状の面を有する構造体を製造する技術が知られている。
例えば、特許文献1に記載の技術では、レジストの成分が異なる複数のレジスト層を積層した後、波長の異なる複数の露光用の光をレジストの積層体に照射して該積層体を選択的に露光する。その後、現像によって該積層体から現像可溶領域を除去して、各凹部の深さを個別に調整した構造体を製造する。この構造体は、例えば、凹版として利用される。
特開2012−208350号公報
しかしながら、特許文献1のようにレジストの成分が各層において異なる場合、それぞれ異なる成分のレジストを塗布する複数の塗布装置を設ける必要がある。また、レジストの成分に応じたそれぞれ異なる波長の露光用の光を照射する複数の露光装置を設ける必要がある。したがって、特許文献1に記載の技術では、凹版を製造する際の設備や製造工程等が複雑になる。このように、凹凸形状を高精度に形成した凹版を簡易に製造することについては、改善の余地がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、凹凸形状が高精度に形成された凹版および該凹版の簡易な製造方法についての技術を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、第1の態様にかかる凹版は、基材と、前記基材上に位置し、同種の複数のレジスト層を積層して有する多層立体構造と、を備え、前記多層立体構造の両面のうち前記基材側の第1面とは反対側の第2面は、凹凸形状の面であり、1以上の凹部において、前記第2面が、レジスト層の段差に起因した1以上の窪み部分および1以上の突起部分を含む。
第2の態様にかかる凹版は、第1の態様にかかる凹版であって、前記1以上の凹部は、前記凹凸形状を構成する複数の凹部のうち、前記反対側からの基準深さよりも浅い凹部である。
第3の態様にかかる凹版は、第1の態様または第2の態様にかかる凹版であって、前記1以上の凹部は、前記凹凸形状を構成する複数の凹部のうち、前記反対側から視た前記第2面の面積が基準面積よりも大きい凹部である。
第4の態様にかかる凹版は、第1から第3のいずれか1つの態様にかかる凹版であって、前記1以上の凹部において、前記第2面が、隣接する2層のレジスト層の段差に起因した1以上の窪み部分および1以上の突起部分を含む。
第5の態様にかかる凹版は、第1から第4のいずれか1つの態様にかかる凹版であって、前記1以上の凹部の前記第2面は、複数の窪み部分を含む。
第6の態様にかかる凹版は、第5の態様にかかる凹版であって、前記1以上の凹部の前記第2面は、前記反対側から視た面に沿って行方向および列方向にそれぞれ複数個ずつ配された前記窪み部分を含む。
第7の態様にかかる凹版は、第1から第6のいずれか1つの態様にかかる凹版であって、前記1以上の凹部の前記第2面は、複数の突起部分を含む。
第8の態様にかかる凹版は、第7の態様にかかる凹版であって、前記1以上の凹部の前記第2面は、前記反対側から視た面に沿って行方向および列方向にそれぞれ複数個ずつ配された前記突起部分を含む。
第9の態様にかかる凹版は、第1から第8のいずれか1つの態様にかかる凹版であって、前記1以上の凹部の前記第2面は、前記反対側から視て外周に沿った外側領域と、前記反対側から視て前記外周領域よりも内側に位置する内側領域と、を含み、前記内側領域では、前記外側領域よりも前記反対側から視た単位面積あたりの深さが深い。
第10の態様にかかる凹版の製造方法は、基材上に同種の複数のレジスト層を積層したレジストの積層体を形成する第1工程と、前記積層体の両面のうち前記基材側の第1面とは反対側の第2面に現像液を用いた現像処理を施し、前記積層体から前記現像液に対して可溶とされた可溶領域を除去することで、前記第2面に凹凸形状を有する多層立体構造を生成する第2工程と、を有し、前記第1工程において、レジストの塗布によるレジスト層の形成処理と、該レジスト層を加熱するプリベーク処理と、該プリベーク処理後の前記レジスト層に選択的な露光を施す露光処理とをそれぞれ含む、複数回の一連の処理を繰り返し実行し、1以上の凹部において、前記第2面が、レジスト層の段差に起因した1以上の窪み部分および1以上の突起部分を含む。
第11の態様にかかる凹版の製造方法は、第10の態様にかかる凹版の製造方法であって、前記露光処理では、前記1以上の凹部が、前記凹凸形状を構成する複数の凹部のうち前記反対側からの基準深さよりも浅い凹部となるよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す。
第12の態様にかかる凹版の製造方法は、第10または第11の態様にかかる凹版の製造方法であって、前記露光処理では、前記1以上の凹部が、前記凹凸形状を構成する複数の凹部のうち前記反対側から視た前記第2面の面積が基準面積よりも大きい凹部となるよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す。
第13の態様にかかる凹版の製造方法は、第10から第12のいずれか1つの態様にかかる凹版の製造方法であって、前記露光処理では、前記1以上の凹部において、前記第2面が、隣接する2層のレジスト層の段差に起因した1以上の窪み部分および1以上の突起部分を含むよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す。
第14の態様にかかる凹版の製造方法は、第10から第13のいずれか1つの態様にかかる凹版の製造方法であって、前記露光処理では、前記1以上の凹部の前記第2面が複数の窪み部分を含むよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す。
第15の態様にかかる凹版の製造方法は、第14の態様にかかる凹版の製造方法であって、前記露光処理では、前記1以上の凹部の前記第2面が前記反対側から視た面に沿って行方向および列方向にそれぞれ複数個ずつ配された前記窪み部分を含むよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す。
第16の態様にかかる凹版の製造方法は、第10から第15のいずれか1つの態様にかかる凹版の製造方法であって、前記露光処理では、前記1以上の凹部の前記第2面が複数の突起部分を含むよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す。
第17の態様にかかる凹版の製造方法は、第16の態様にかかる凹版の製造方法であって、前記露光処理では、前記1以上の凹部の前記第2面が前記反対側から視た面に沿って行方向および列方向にそれぞれ複数個ずつ配された前記突起部分を含むよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す。
第18の態様にかかる凹版の製造方法は、第10から第17のいずれか1つの態様にかかる凹版の製造方法であって、前記1以上の凹部の前記第2面は、前記反対側から視て外周に沿った外側領域と、前記反対側から視て前記外周領域よりも内側に位置する内側領域と、を含み、前記露光処理では、前記内側領域において前記外側領域よりも前記反対側から視た単位面積あたりの深さが深くなるよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す。
第1から第9の態様にかかる凹版では、その凹凸形状が高精度に形成される。また、第10から第18の態様にかかる凹版の製造方法では、このような凹版を簡易に製造することができる。
基礎技術に係る凹版100aの一例を示す斜視図である。 凹版100aを図1のII−II断面から見た断面図である。 実施形態に係る凹版100の一例を示す斜視図である。 凹版100を図3のIV−IV断面から見た断面図である。 露光データを生成して凹版100を製造する際の流れを示すフロー図である。 露光パターン11を示す図である。 露光パターン12を示す図である。 露光パターン13を示す図である。 露光パターン14を示す図である。 露光パターン11〜14を図3のIV−IV断面から視た図である。 中間体109を示す図である。 中間体109を示す図である。 中間体109を示す図である。 中間体109を示す図である。 凹版101を示す図である。 第1のレジスト層に形成される凹部のX方向幅が約200μmの場合において、その直上に形成された第2のレジスト層の表面形状と、現像後の各レジスト層の表面形状とを示す図である。 第1のレジスト層に形成される凹部のX方向幅が約50μmの場合において、その直上に形成された第2のレジスト層の表面形状と、現像後の各レジスト層の表面形状とを示す図である。 第1のレジスト層に形成される凹部のX方向幅(mm)とその直上に形成された第2のレジスト層における突起のサイズ(μm)との関係を示す図である。 凹部112を+Z方向側から視た上面図である。 ブレード20を凹部112に沿って移動させる様子を示すXZ断面図である。 凹部112Aを+Z方向側から視た上面図である。
以下、基礎技術および実施形態を図面に基づいて説明する。図面では同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付され、重複説明が省略される。また、各図面は模式的に示されたものである。なお、一部の図面には、方向関係を明確にする目的で、Z軸を鉛直方向の軸としXY平面を水平面とするXYZ直交座標軸が適宜付されている。以下の説明で、単に上下と表現する場合、上とは+Z側を意味し、下とは−Z側を意味する。
<1.基礎技術>
図1は、基礎技術に係る凹版100aの一例を示す斜視図である。図2は、凹版100aを図1のII−II断面から見た断面図である。
この凹版100aは、基材50aと、基材50a上に位置し、4層のレジスト層51a〜54aを積層して有する多層立体構造体59aと、を備える。
多層立体構造体59aの両面のうち基材50a側の第1面61aとは反対側の第2面62aは、凹凸形状の面である。より具体的には、第2面62aには、+Z側から視たXY平面視において、Y方向に長い矩形状の凹部111aと、凹部111aよりもX方向幅の長い凹部112aと、凹部112aと同形状の凹部113aと、がX方向に沿って配列される。
各レジスト層51a〜54aを順序付けて呼ぶ場合には、第1面61a側(−Z側)の層から第2面側62a側(+Z側)の層に向けて順に1層目〜4層目と呼ぶ。また、第2面62aのうちの最も上側の面(4層目の上面)を凸面621aと呼び、+Z側から視たXY平面視において第2面62aのうちの凸面621aより窪んだ部分を凹面622aと呼ぶ。そして、+Z側から視たXY平面視において凹面622aを有する部分を凹部と呼ぶ。
凹部111aは3層分の深さを有する凹部である。すなわち、凹部111aの凹面622aは1層目のレジスト層51aと2層目のレジスト層52aとの境界に位置する。また、凹部112a、113aは、1層分の深さを有する凹部である。すなわち、凹部112a、113aの凹面622aは、3層目のレジスト層53aと4層目のレジスト層54aとの境界に位置する。
一般に、凹版100aにおいては、第2面62aのうち凸面621aが平坦に構成され、第2面62aにおいては複数の凹部111a〜113aのみが窪んで構成されることが望ましい。この場合、凹版100aが印刷処理に用いられる際に、第2面62aの凹部(具体的には、複数の凹部111a〜113aのみ)にインクが充填された後、第2面62a側が被転写体に押し当てられる。その結果、第2面62aの凹部に充填されていたインクが、所望のパターン(複数の凹部111a〜113aのパターン)で被転写体に転写される。
しかしながら、図2に示すように、凹版100aの凸面621aの周縁に突起80、81が生じることによって、第2面62aのうち、複数の凹部111a〜113aだけでなく凸面621aの突起80、81に囲まれた部分も窪んで構成される場合がある。この場合、凹版100aが印刷処理に用いられる際に、第2面62aの凹部(具体的には、複数の凹部111a〜113aおよび凸面621aの突起80、81に囲まれた部分)にインクが充填された後、第2面62a側が被転写体に押し当てられる。その結果、第2面62aの凹部に充填されていたインクが、所望のパターン(複数の凹部111a〜113aのパターン)に加えて余分なパターン(凸面621aの突起80、81に囲まれた部分のパターン)で被転写体に転写される。
そこで、本願発明者らは、凹凸形状が高精度に形成された凹版を簡易に製造できる技術を創出した。
<2 実施形態>
<2.1 凹版100の構成>
図3は、実施形態に係る凹版100の一例を示す斜視図である。図4は、凹版100を図3のIV−IV断面から見た断面図である。
この実施形態で製造される凹版100は、基材50と、基材50上に位置し、4層のレジスト層51〜54を積層して有する多層立体構造体59と、を備える。
多層立体構造体59の両面のうち基材50側の第1面61とは反対側の第2面62は、凹凸形状の面である。より具体的には、第2面62には、+Z側から視たXY平面視において、Y方向に長い矩形状の凹部111と、凹部111よりもX方向幅の長い凹部112と、凹部112と同形状の凹部113と、がX方向に沿って配列される。
各レジスト層51〜54を順序付けて呼ぶ場合には、第1面61側(−Z側)の層から第2面側62側(+Z側)の層に向けて順に1層目〜4層目と呼ぶ。また、第2面62のうちの最も上側の面(4層目の上面)を凸面621と呼び、+Z側から視たXY平面視において第2面62のうちの凸面621より窪んだ部分を凹面622と呼ぶ。
ここで、凹版100の凹部111は、凹版100aの凹部111aと同形状の凹部である。他方、凹版100の凹部112、113は、凹版100aの凹部112a、113aとは形状が異なる。具体的には、凹版100aの凹部112a、113aでは、その第2面62a(凹面622a)が平坦であるのに対し、凹版100の凹部112、113では、その第2面62(凹面622)がレジスト層の段差に起因した2つの窪み部分71および3つの突起部分72をX方向に関して交互に含む。
凹部111は3層分の深さを有する凹部である。すなわち、凹部111の凹面622は1層目のレジスト層51と2層目のレジスト層52との境界に位置する。また、凹部112、113は、1層分の深さと2層分の深さとをX方向に関して交互に有する凹部である。具体的には、凹部112、113の各突起部分72(合計6つの突起部分72)は3層目のレジスト層53と4層目のレジスト層54との境界に位置する。また、凹部112、113の各窪み部分71(合計4つの窪み部分71)は、2層目のレジスト層52と3層目のレジスト層53との境界に位置する。
このように、凹版100の凹部112、113がさらに窪み部分71および突起部分72を含むことの効果については、後述する<2.3 窪み部分71および突起部分72による効果>で詳細に説明する。
<2.2 凹版100の製造処理>
図5は、露光データを生成して凹版100を製造する際の流れを示すフロー図である。
凹版100を製造する製造システムは、レジスト層の形成と当該レジスト層に対する露光とを各層で繰り返し行って生成されるレジスト積層体を現像して、+Z側に第2面62を有する凹版100を製造するシステムである。
この製造システムは、露光データ生成装置と、レジストを塗布してレジスト層を形成する塗布装置と、レジスト層を加熱する加熱装置と、レジスト層を露光する露光装置と、露光装置で露光されなかった箇所のレジストを現像液により除去する現像装置と、表面加工を行う表面加工装置と、を備える。製造システムは、これら各装置をクラスタ方式で配置することにより構成されてもよいし、これら各装置をインライン方式で配置することにより構成されてもよい。
まず、露光データ生成装置によって、凹版100を表現した設計データを基に、凹版100を深さ方向で各層に分割した際の露光データが生成される。ここでは、凹版100が4層からなる立体構造であるので、4つの露光パターン11〜14についての露光データが生成される(ステップST1:露光データ生成工程)。図6〜図9は、この4つの露光パターン11〜14を1層目〜4層目の順に示す図である。図10は、4つの露光パターン11〜14を図3のIV−IV断面から視た図である。なお、図6〜図10では、露光領域90が斜線で示され、非露光領域91が白地で示されている。
図6に示すように、露光パターン11では、凹部111の凹面622に相当する領域が露光領域90として設定され、1層目の全領域のうち該露光領域90を除いた部分が非露光領域91として設定される。
また、図7に示すように、露光パターン12では、凹部112、113の各窪み部分71の凹面622に相当する領域が露光領域90として設定され、2層目の全領域のうち該露光領域90を除いた部分が非露光領域91として設定される。
また、図8に示すように、露光パターン13では、凹部112、113の各突起部分72の凹面622に相当する領域が露光領域90として設定され、3層目の全領域のうち該露光領域90を除いた部分が非露光領域91として設定される。
また、図9に示すように、露光パターン14では、凸面621に相当する領域が露光領域90として設定され、4層目の全領域のうち該露光領域90を除いた部分(すなわち、凹面622に相当する部分)が非露光領域91として設定される。
この4つの露光パターン11〜14の各データが、凹版100の製造処理の際に露光装置に与えられる4つの露光データとなる。
図11〜図15は、凹版100の製造過程を図3のIV−IV断面から視た図である。以下、図3のIV−IV断面から視た場合における、凹版100の製造処理の流れについて説明する。なお、図11〜図15では、現像不溶領域92が斜線で示され、現像可溶領域93が白地で示されている。また、以下では、製造過程で凹版100に至る前の中間体を中間体109と呼ぶ。
製造処理においては、まず、塗布装置が基材50の一方側(+Z側)の主面にネガ型のレジストを塗布し、基材50上における1層目のレジスト層51を形成する(ステップS2:塗布工程)。なお、このレジストは、露光装置で用いられる露光用の光に対して透過性を有する。
次に、加熱装置が、レジスト層51を加熱して、レジスト層51内の溶剤を蒸発させる(ステップS3:プリベーク工程)。
次に、露光装置が、上述した露光データ生成工程により生成される4つの露光データのうち1層目の露光データに基づいて、レジスト層51に選択的な露光を施す(ステップS4:露光工程)。レジスト層51のうち露光パターン11の露光領域90に相当する箇所は、露光されて、現像不溶領域92となる。また、レジスト層51のうち露光パターン11の非露光領域91に相当する箇所は、露光されず、現像可溶領域93のまま維持される。露光装置は、例えば、レジスト層に対して露光用の光を走査しつつ照射することによって局所的な露光を連続的に行う直接描画装置で構成される。この場合、ステップS4では直接描画工程が実行され、各露光データに対応するマスクを準備することが不要となる。
次に、加熱装置がレジスト層51を加熱して、レジスト層51の溶剤を蒸発させる(ステップS5:ポストベーク工程)。図11は、この時点における中間体109を示している。
レジスト層51についてステップS2〜S5が実行されると、未だ形成されていないレジスト層が存在するか否かについて判定される(ステップS6)。ここでは、未だ形成されていないレジスト層としてレジスト層52〜54が存在するため、ステップS6でYesに分岐する。
次に、基材50上における2層目のレジスト層52について、ステップS2〜S5が実行される。その結果、レジスト層52のうち露光パターン12の露光領域90に相当する箇所は、露光されて、現像不溶領域92となる。上記の通り、本実施形態で用いられるレジストは露光用の光に対して透過性を有する。このため、レジスト層52の下層であるレジスト層51についても、露光パターン12の露光領域90に相当する箇所が、露光されて、現像不溶領域92となる。また、レジスト層52のうち露光パターン12の非露光領域91に相当する箇所は、露光されず、現像可溶領域93のまま維持される。その後、レジスト層52が加熱されて、レジスト層52内の溶剤が蒸発する。図12は、この時点における、中間体109を示す図である。
なお、図11に示す中間体109に対して2層目のレジスト層52を塗布する塗布工程では、レジスト層51の現像不溶領域92と現像可溶領域93との濡れ性の差に起因して、レジスト層52のうちレジスト層51の現像不溶領域92と現像可溶領域93との境界部分の直上で突起80aが生じる(図12)。
レジスト層52についてステップS2〜S5が実行されると、未だ形成されていないレジスト層が存在するか否かについて判定される(ステップS6)。ここでは、未だ形成されていないレジスト層としてレジスト層53、54が存在するため、ステップS6でYesに分岐する。
基材50上における3層目のレジスト層53についても、同様にステップS2〜S5が実行される。図13は、レジスト層53についてステップS2〜S5を実行した時点における、中間体109を示す図である。
なお、図12に示す中間体109に対して3層目のレジスト層53を塗布する塗布工程では、レジスト層52の現像不溶領域92と現像可溶領域93との濡れ性の差に起因して、レジスト層53のうちレジスト層52の現像不溶領域92と現像可溶領域93との境界部分の直上で突起81bが生じる(図13)。また、レジスト層52の突起80a上にレジスト層53が塗布されることによって、レジスト層53のうちレジスト層52の突起80aの直上で突起80bが生じる(図13)。
レジスト層53についてステップS2〜S5が実行されると、未だ形成されていないレジスト層が存在するか否かについて判定される(ステップS6)。ここでは、未だ形成されていないレジスト層としてレジスト層54が存在するため、ステップS6でYesに分岐する。
基材50上における4層目のレジスト層54についても、同様にステップS2〜S5が実行される。図14は、レジスト層54についてステップS2〜S5を実行した時点における、中間体109を示す図である。
なお、図13に示す中間体109に対して4層目のレジスト層54を塗布する塗布工程では、レジスト層53の現像不溶領域92と現像可溶領域93との濡れ性の差に起因して、レジスト層54のうちレジスト層53の現像不溶領域92と現像可溶領域93との境界部分の直上で突起82cが生じる(図14)。また、この塗布工程では、レジスト層53の現像不溶領域92と現像可溶領域93との濡れ性の差およびレジスト層53上の突起81bの存在に起因して、レジスト層54のうちレジスト層53の上記境界部分で且つ突起81bの直上で突起81cが生じる(図14)。また、レジスト層53の突起80b上にレジスト層54が塗布されることによって、レジスト層54のうちレジスト層53の突起80bの直上で突起80cが生じる(図14)。
このように、−Z側から+Z側の順で各層に対してステップS2〜S5が実行されることにより、レジストの積層体57が生成される。そして、未だ形成されていないレジスト層が存在するか否かについて判定される(ステップS6)。ここでは、全てのレジスト層51〜54が形成されているため、ステップS6でNoに分岐する。なお、上記のようにステップS2〜S5の一連の処理を繰り返し実行して、基材50上に同種の複数のレジスト層を積層した積層体57を形成する工程を、第1工程と呼ぶ。
現像装置は、積層体57の両面のうち第2面62に現像液を用いた現像処理を施し、積層体57から現像液に対して可溶とされた現像可溶領域93を除去する(ステップS7:現像工程)。この現像工程(第2工程とも呼ぶ)により、第2面62に凹凸形状を有する多層立体構造59が生成される。その結果、基材50と基材50上に位置する多層立体構造体59とを備える凹版100が生成される(図4)。この時点で凹版100は得られるが、製造処理では続けてステップS8、S9を行うことにより凹版100の強度を高める。
次に、加熱装置は、上記のプリベーク工程よりも高温で凹版100を加熱する(ステップS8:ハードベーク工程)。このハードベーク工程(第3工程とも呼ぶ)により、凹版100内の溶剤や凹版100に付着する現像液が蒸発される。
次に、表面加工装置が、凹版100の第2面62を加工し、該第2面62を保護膜55で覆う(ステップS9:表面加工工程)。保護膜55として、例えば、めっき膜、または、ダイヤモンドライクカーボン膜などの膜が成膜される。図15は、ステップS1〜S9により製造された凹版101を示す図である。この凹版101においては、レジスト層51〜54および保護膜55を積層して有する部分が多層立体構造体59となる。また、この表面加工工程では、表面加工前の第2面62における各突起の存在に起因して、保護膜55のうちの該各突起の直上で突起80d〜82dが生じる(図15)。
以上説明したように、本実施形態の製造方法では、レジスト層の形成と当該レジスト層に対する選択的な露光とを各層で繰り返し行って生成される積層体57を現像することにより凹版100を製造する。このため、各レジスト層についての各露光パターンに応じて、第2面62における各凹部の深さを個別に調整可能である。
凹版100が印刷処理に利用される場合、例えば、複数の凹部のうち相対的に幅の広い凹部は相対的に浅く形成され、前記複数の凹部のうち相対的に幅の狭い凹部は相対的に深く形成される。これにより、各凹部に充填されたインクを転写ロール等に転写する際に、各凹部におけるインク転写割合のばらつきが抑制されるからである。ここで、凹部の幅とは、その凹部を上面から視た平面視において短方向の幅をいう。図4に示すように、本実施形態の凹版100では、相対的に広い幅W2(例えば、200μmの幅)の凹部112、113が相対的に浅く形成され、相対的に狭い幅W1(例えば、50μmの幅)の凹部111が相対的に深く形成される。このため、上記観点から転写時のばらつきが抑制され、望ましい。
また、本実施形態の凹版100のように、1層目のレジスト層51の全面が現像不溶領域92であれば、基材50とレジスト層51〜54との間の密着性が高まる。
また、本実施形態のように塗布装置が塗布するレジストの成分が各層において同種である態様では、特開2012−208350号公報に記載の技術のようにレジストの成分が各層において異なる種類である態様に比べて、凹版100の製造処理が容易となり製造コストも抑制される。また、本実施形態のように露光装置が同一波長の露光用の光をレジスト層に対して照射する態様では、特開2012−208350号公報に記載の技術のように各レジスト層に対してレジストの成分に対応して異なる波長の露光用の光を照射する態様に比べて、凹版100の製造処理が容易となり製造コストも抑制される。
また、本実施形態のように、同種の複数のレジスト層を積層して有する凹版100では、隣接するレジスト層間の材質の相違(例えば、熱膨張率の差)に起因した両レジストの剥離が生じ難い。その結果、強度の高い凹版100が得られる。なお、本実施形態において、レジストの成分が同種である場合には、レジストの成分が同一である場合に加えて、レジストの成分に若干の差異はあるものの該レジストに同一波長の露光用の光が照射された際に同一の特性を示す(例えば、現像不溶領域92になる)場合も含まれる。
<2.3 窪み部分71および突起部分72による効果>
以下、図16〜図18を参照しつつ、本実施形態の凹版100における第2面62における各突起のサイズについて説明する。
図16は、第1のレジスト層に形成される凹部のX方向幅が約200μmの場合において、その直上に形成された第2のレジスト層の表面形状と、現像後の各レジスト層の表面形状とを示す図である。図17は、第1のレジスト層に形成される凹部のX方向幅が約50μmの場合において、その直上に形成された第2のレジスト層の表面形状と、現像後の各レジスト層の表面形状とを示す図である。なお、図16および図17は、レーザー顕微鏡による計測結果を示している。
図16に示されるように、第1のレジスト層に形成される凹部のX方向幅が約200μmの場合、その直上に形成された第2のレジスト層の表面では、突起の最大高さと最小高さとの差異(突起のサイズ、とも呼ぶ)が約2.9μmである。
これに対して、図17に示されるように、第1のレジスト層に形成される凹部のX方向幅が約50μmの場合、その直上に形成された第2のレジスト層の表面では、突起の最大高さと最小高さとの差異が約0.7μmである。
したがって、図16および図17に示すように凹部に充填可能なインク量がほぼ同量な場合、X方向幅が大きい少数の凹部をレジスト層に設けるよりも、X方向幅が小さい多数の凹部をレジスト層に設けた方が、突起のサイズを抑制することができる。
図18は、第1のレジスト層に形成される凹部のX方向幅(mm)とその直上に形成された第2のレジスト層における突起のサイズ(μm)との関係を示す図である。図18では、図16および図17に示す計測結果に加えて、凹部のX方向幅が約100μmの場合における突起のサイズ(約1.2μm)の計測結果もプロットされている。図18の推定線に示されるように、第1のレジスト層に形成される凹部のX方向幅(mm)とその直上に形成された第2のレジスト層における突起のサイズ(μm)との間には、線形関係があることが推定される。
この知見を踏まえ、以下、基礎技術に係る凹版100a(図2)と本実施形態に係る凹版100(図4)との各突起サイズの差異について説明する。
凹版100aにおける凹部111aのX方向幅と、凹版100における凹部111のX方向幅とは、幅W1(約50μm)で同じである。したがって、凹版100aにおける突起80と凹版100における突起80cは同じサイズとなる。
上述の通り、第1のレジスト層51a、51に形成される凹部のX方向幅が約50μmの場合、その直上に形成された第2のレジスト層52a、52の表面では、突起のサイズが約0.7μmとなる。図2および図4に示すように凹版100a、100では、第2のレジスト層52a、52上に、さらに第3のレジスト層53a、53および第4のレジスト層54a、54が積層される。その結果、第4のレジスト層54a、54においても、第2のレジスト層52a、52で最初に生じた突起の直上部分で、突起80、80cが生じることになる。一般に、レジストを積層していく過程で突起のサイズは相対的に小さくなることから、最終的な凹版100a、100の第2面62で生じる突起80、80cは、第2のレジスト層52a、52で最初に生じた突起(約0.7μm)よりも小さいサイズとなる。
凹版100aにおける凹部112a、113aはその底面が平坦で且つX方向幅が幅W2(約200μm)であるのに対し、凹版100における凹部112、113はさらに窪み部分71および突起部分72を含む。そして、各窪み部分71のX方向幅はそれぞれ幅W4(約25μm)であり、各突起部分72のX方向幅はそれぞれ幅W3(約50μm)である。このため、レジスト層52の各窪み部分71への露光に起因してレジスト層53に生じる各突起81bのサイズは約0.35μmと推定され、レジスト層53の各突起部分72への露光に起因してレジスト層54に生じる各突起82cのサイズは約0.7μmとなる。このため、本実施形態では、凹版100aの第2面62aに生じる突起81のサイズに比べて、凹版100の第2面62に生じる突起81b、82cのサイズが小さくなる。
このように、本実施形態では、突起のサイズを抑制することで、凹凸形状が高精度に形成された凹版を製造することができる。このため、上述の<1.基礎技術>で説明した課題(具体的には、突起に囲まれた窪み部分に意図せずにインクが充填されることにより、所望のパターンに加えて余分なパターンで印刷が行われるという課題)を解決することができる。
特に、本実施形態では、第2面62の凹凸形状を構成する複数の凹部111〜113のうち、+Z側からの基準深さ(例えば、レジスト層52とレジスト層53との間の深さ)よりも浅い凹部112、113が窪み部分71および突起部分72を含む。
上述のように、インクの転写割合のばらつきを抑制する観点から、複数の凹部のうち相対的に幅の広い凹部は相対的に浅く形成され、前記複数の凹部のうち相対的に幅の狭い凹部は相対的に深く形成されることがある。また、一般に、レジストを積層していく過程で突起のサイズは相対的に小さくなることから、レジスト層の深い部分(例えば、1層目や2層目のレジスト層)で生じた突起は、最終的な凹版の第2面ではより小さいサイズとなる。したがって、X方向幅の観点やレジスト層の上塗りの観点から、+Z側から視て深い凹部111では、そもそも突起サイズが小さくなりやすい。本実施形態では、凹部111では窪み部分71および突起部分72を形成せず、突起サイズが大きくなりやすい凹部112、113では窪み部分71および突起部分72を形成することで、窪み部分71および突起部分72の形成による突起サイズ抑制の効果を有効に利用している。
また、本実施形態では、第2面62の凹凸形状を構成する複数の凹部111〜113のうち、+Z側から視た第2面62の面積が基準面積(例えば、凹部111における該面積と凹部112における該面積との中間の面積)よりも大きい凹部112、113が窪み部分71および突起部分72を含む。
+Z側から視た第2面62の面積が小さい場合、凹部の横幅(X方向幅やY方向幅)も小さくなり、突起サイズが小さくなりやすい。他方、+Z側から視た第2面62の面積が大きい場合、凹部の横幅(X方向幅やY方向幅)も大きくなり、突起サイズが大きくなりやすい。本実施形態では、凹部111では窪み部分71および突起部分72を形成せず、突起サイズが大きくなりやすい凹部112、113では窪み部分71および突起部分72を形成することで、窪み部分71および突起部分72の形成による突起サイズ抑制の効果を有効に利用している。
また、本実施形態では、凹部112、113において、第2面62が、隣接する2層のレジスト層52、53の段差に起因した窪み部分71および突起部分72を含む。
凹部111、112内での段差(窪み部分71と突起部分72との段差)が大きい場合、凹部111、112に充填されたインクが対象物に転写される際に、対象物上で転写されたインクの段差が生じやすい。本実施形態では、窪み部分71および突起部分72が隣接する2層のレジスト層52、53の段差に起因しているため、窪み部分および突起部分が隣接する3層以上のレジスト層の段差に起因する他の態様に比べ、印刷処理の際に対象物上に平坦にインクが転写されやすい。
また、本実施形態では、凹部112、113の第2面62が、それぞれ複数の窪み部分71(具体的には、2つの窪み部分71)を含む。このため、本実施形態では、窪み部分が1つである他の態様に比べ、印刷処理の際に該窪み部分71から対象物上に転写されたインク(他の箇所より多めに転写されるインク)が複数箇所となり、対象物上に平坦にインクが転写されやすい。
また、本実施形態では、凹部112、113の第2面62が、それぞれ複数の突起部分72(具体的には、3つの突起部分72)を含む。このため、本実施形態では、突起部分が1つである他の態様に比べ、印刷処理の際に該突起部分72から対象物上に転写されたインク(他の箇所より少なめに転写されるインク)が複数箇所となり、対象物上に平坦にインクが転写されやすい。
図19は、凹部112を+Z方向側から視た上面図である。図20は、ブレード20を凹部112に沿って移動させる様子を示すXZ断面図である。なお、図20は凹版100とブレード20との位置関係を説明するための図であり、図20中にインクは図示されていない。
図19に示すように、本実施形態では、凹部112の第2面62は、+Z方向側から視て外周に沿った外側領域(図19中の矩形点線よりも外側の領域)と、+Z方向側から視て外周領域よりも内側に位置する内側領域(図19中の矩形点線よりも内側の領域)と、を含む。そして、内側領域では、外側領域よりも+Z方向側から視た単位面積あたりの深さが深い。
凹版100の各凹部にインクを充填した後には、例えば、X方向に伸びるブレード20が第2面62上をY方向に沿って移動することによって、該ブレード20によって第2面62上の余分なインクが掻き取られる。このとき、該ブレード20の先端部分21が凹版100の第2面62に押圧されることにより、図20に示すように、ブレード20の先端部分21が凹部112の内側に入り込むことがある。この場合、凹部112の内側領域では外側領域よりも凹部112内のインクが掻き取られやすくなる。本実施形態では、インクの掻き取られやすい内側領域において、インクの掻き取られにくい外側領域よりも単位面積あたりの深さが深く、より多くのインクを充填することができる。このため、ブレード20による掻き取り後に印刷処理を行う際に、対象物上に平坦にインクが転写されやすい。ここまで、図19および図20を参照しつつ、凹部112についての効果を説明したが、凹部113についても同様である。
また、一般に、保護膜55を成膜する過程で突起のサイズが相対的に小さくなることから、凹版101では、凹版100に比べて、第2面62で生じる突起のサイズをさらに抑制することができる。
<3 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
上記実施形態では、理解を容易にする目的で、簡易な形状の凹版100を製造する態様について説明したが、本発明によって種々の形状の多層立体構造が製造可能である。また、上記実施形態では、各レジスト層の層厚が一定である場合について説明したが、各レジスト層の層厚は一定でなくても構わない。
図21は、変形例にかかる凹版の凹部112Aを+Z方向側から視た上面図である。
図21に示されるように、凹部112Aにおいて、該凹版の第2面は、XY平面に沿って行方向および列方向にそれぞれ複数個ずつ配された窪み部分71A(具体的には、行列状に配された84個の窪み部分71A)と、1つの突起部分72Aと、を含む。
このように、第2面がXY平面に沿って行列状に配された複数の窪み部分71Aを含む態様では、第2面がXY平面に沿って局所的に配された窪み部分を含む他の態様に比べて、印刷処理の際に該窪み部分71Aから対象物上に転写されるインク量が面に沿ってより均一になり、対象物上に平坦にインクが転写されやすい。
また、この変形例とは逆に、凹部において、凹版の第2面が、1つの窪み部分と、XY平面に沿って行方向および列方向にそれぞれ複数個ずつ配された突起部分72Aと、を含む態様であっても構わない。また、このように窪み部分や突起部分が行列状に規則的に配列される態様とは異なり、窪み部分や突起部分がランダムに配列されてもよい。また、図21に示す変形例では複数の窪み部分71AがXY平面視で矩形状であるが、複数の窪み部分71AがXY平面視で他の形状(例えば、円形状)であってもよい。
また、上記実施形態では、凹版100の3つの凹部111〜113のうち、2つの112、113のそれぞれにおいて、第2面62がレジスト層の段差に起因した2つの窪み部分71および3つの突起部分72を含む態様について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、3つ以上の凹部で窪み部分および突起部分が設けられてもよいし、1つの凹部のみで窪み部分および突起部分が設けられてもよい。また、各凹部における窪み部分や突起部分の個数も1以上であれば適宜に変更可能である。
また、上記実施形態では、基準深さよりも浅い凹部112、113において窪み部分71および突起部分72が設けられる態様について説明したが、基準深さよりも深い凹部において窪み部分および突起部分が設けられても構わない。
また、上記実施形態では、基準面積よりも大きい凹部112、113において窪み部分71および突起部分72が設けられる態様について説明したが、基準面積よりも小さい凹部において窪み部分および突起部分が設けられても構わない。
また、上記実施形態では、凹部112、113において、第2面62が隣接する2層のレジスト層52、53の段差に起因した窪み部分71および突起部分72を含む態様について説明したが、凹部が3層以上のレジスト層の段差に起因した窪み部分および突起部分を含む態様でも構わない。また、1つの凹部内に複数の窪み部分が設けられ、複数の窪み部分の深さがそれぞれ異なる態様であっても構わない。
また、上記実施形態では、凹部112、113の内側領域で外側領域よりも単位面積あたりの深さが深い態様について説明したが、内側領域と外側領域との単位面積あたりの深さが同じ態様や、外側領域で内側領域よりも単位面積あたりの深さが深い態様であっても構わない。
また、上記実施形態では、凹版100が4層のレジスト層で構成される場合について説明したが、これに限られるものではない。凹版100は、3層以下のレジスト層で構成されてもよいし、5層以上のレジスト層で構成されてもよい。
また、上記実施形態では、各レジスト層について露光工程(ステップS4)の後にポストベーク工程(ステップS5)を行う態様について説明した。一般に、ポストベーク工程(ステップS5)では、加熱されるレジスト層の架橋反応を促進させ該レジスト層とその上層および下層との密着性を向上させる効果がある。しかしながら、レジスト層の材質や形成されるレジスト層の層厚などの条件によっては、ポストベーク工程(ステップS5)を実施せずとも各層間での密着性を十分に確保することができる場合がある。したがって、このような場合、ポストベーク工程(ステップS5)は省略されても構わない。同様に、ハードベーク工程(ステップS8)も、各層間での密着性を確保する効果はあるものの、必須の工程ではなく省略されても構わない。
また、上記実施形態では、基材50に対してネガ型のレジストが塗布される態様について説明したが、基材50に対してポジ型のレジストが塗布される態様であっても構わない。
以上、実施形態およびその変形例に係る凹版、および該凹版の製造方法について説明したが、これらは本発明に好ましい実施形態の例であって、本発明の実施の範囲を限定するものではない。本発明は、その発明の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
11〜14 露光パターン
50、50a 基材
51〜54、51a〜54a レジスト層
55 保護膜
57 レジスト積層体
59 多層立体構造体
61 第1面
62 第2面
80、80a〜80d、81、81b〜81d、82c、82d 突起
90 露光領域
91 非露光領域
92 現像不溶領域
93 現像可溶領域
100、100a、101 凹版
111a〜113a、111〜113、112A 凹部
S1〜S9 ステップ
W1〜W4 幅

Claims (18)

  1. 基材と、
    前記基材上に位置し、同種の複数のレジスト層を積層して有する多層立体構造と、
    を備え、
    前記多層立体構造の両面のうち前記基材側の第1面とは反対側の第2面は、凹凸形状の面であり、
    1以上の凹部において、前記第2面が、レジスト層の段差に起因した1以上の窪み部分および1以上の突起部分を含む、凹版。
  2. 請求項1に記載の凹版であって、
    前記1以上の凹部は、前記凹凸形状を構成する複数の凹部のうち、前記反対側からの基準深さよりも浅い凹部である、凹版。
  3. 請求項1または請求項2に記載の凹版であって、
    前記1以上の凹部は、前記凹凸形状を構成する複数の凹部のうち、前記反対側から視た前記第2面の面積が基準面積よりも大きい凹部である、凹版。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つの請求項に記載の凹版であって、
    前記1以上の凹部において、前記第2面が、隣接する2層のレジスト層の段差に起因した1以上の窪み部分および1以上の突起部分を含む、凹版。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つの請求項に記載の凹版であって、
    前記1以上の凹部の前記第2面は、複数の窪み部分を含む、凹版。
  6. 請求項5に記載の凹版であって、
    前記1以上の凹部の前記第2面は、前記反対側から視た面に沿って行方向および列方向にそれぞれ複数個ずつ配された窪み部分を含む、凹版。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1つの請求項に記載の凹版であって、
    前記1以上の凹部の前記第2面は、複数の突起部分を含む、凹版。
  8. 請求項7に記載の凹版であって、
    前記1以上の凹部の前記第2面は、前記反対側から視た面に沿って行方向および列方向にそれぞれ複数個ずつ配された前記突起部分を含む、凹版。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1つの請求項に記載の凹版であって、
    前記1以上の凹部の前記第2面は、前記反対側から視て外周に沿った外側領域と、前記反対側から視て前記外周領域よりも内側に位置する内側領域と、を含み、
    前記内側領域では、前記外側領域よりも前記反対側から視た単位面積あたりの深さが深い、凹版。
  10. 基材上に同種の複数のレジスト層を積層したレジストの積層体を形成する第1工程と、
    前記積層体の両面のうち前記基材側の第1面とは反対側の第2面に現像液を用いた現像処理を施し、前記積層体から前記現像液に対して可溶とされた可溶領域を除去することで、前記第2面に凹凸形状を有する多層立体構造を生成する第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程において、レジストの塗布によるレジスト層の形成処理と、該レジスト層を加熱するプリベーク処理と、該プリベーク処理後の前記レジスト層に選択的な露光を施す露光処理とをそれぞれ含む、複数回の一連の処理を繰り返し実行し、
    1以上の凹部において、前記第2面が、レジスト層の段差に起因した1以上の窪み部分および1以上の突起部分を含む、凹版の製造方法。
  11. 請求項10に記載の凹版の製造方法であって、
    前記露光処理では、前記1以上の凹部が、前記凹凸形状を構成する複数の凹部のうち前記反対側からの基準深さよりも浅い凹部となるよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す、凹版の製造方法。
  12. 請求項10または請求項11に記載の凹版の製造方法であって、
    前記露光処理では、前記1以上の凹部が、前記凹凸形状を構成する複数の凹部のうち前記反対側から視た前記第2面の面積が基準面積よりも大きい凹部となるよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す、凹版の製造方法。
  13. 請求項10から請求項12のいずれか1つの請求項に記載の凹版の製造方法であって、
    前記露光処理では、前記1以上の凹部において、前記第2面が、隣接する2層のレジスト層の段差に起因した1以上の窪み部分および1以上の突起部分を含むよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す、凹版の製造方法。
  14. 請求項10から請求項13のいずれか1つの請求項に記載の凹版の製造方法であって、
    前記露光処理では、前記1以上の凹部の前記第2面が複数の窪み部分を含むよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す、凹版の製造方法。
  15. 請求項14に記載の凹版の製造方法であって、
    前記露光処理では、前記1以上の凹部の前記第2面が前記反対側から視た面に沿って行方向および列方向にそれぞれ複数個ずつ配された前記窪み部分を含むよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す、凹版の製造方法。
  16. 請求項10から請求項15のいずれか1つの請求項に記載の凹版の製造方法であって、
    前記露光処理では、前記1以上の凹部の前記第2面が複数の突起部分を含むよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す、凹版の製造方法。
  17. 請求項16に記載の凹版の製造方法であって、
    前記露光処理では、前記1以上の凹部の前記第2面が前記反対側から視た面に沿って行方向および列方向にそれぞれ複数個ずつ配された前記突起部分を含むよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す、凹版の製造方法。
  18. 請求項10から請求項17のいずれか1つの請求項に記載の凹版の製造方法であって、
    前記1以上の凹部の前記第2面は、前記反対側から視て外周に沿った外側領域と、前記反対側から視て前記外周領域よりも内側に位置する内側領域と、を含み、
    前記露光処理では、前記内側領域において前記外側領域よりも前記反対側から視た単位面積あたりの深さが深くなるよう、前記レジスト層に選択的な露光を施す、凹版の製造方法。
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