JP2018017448A - ヒートパイプ - Google Patents

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Kazuki Yamane
和貴 山根
政道 名和
Masamichi Nawa
政道 名和
大輔 松岡
Daisuke Matsuoka
大輔 松岡
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Abstract

【課題】気相の作動流体を容器内で拡散させること。【解決手段】ヒートパイプ10は、中空平板状であり、直方体状の容器11を備える。容器11内には、作動流体Lsが封入されている。容器11は、互いに平行である第1の壁部、及び、第2の壁部22を備える。容器11は、第3の壁部23と第4の壁部24との間に複数の空間42a,42bを区画する区画部41a,41bを本体20内に複数備える。ヒートパイプ10は、容器11の内部にて複数の空間42a,42bに連通する連通部Aを備える。連通部Aは、発熱体搭載部A1を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、ヒートパイプに関する。
容器に封入された作動流体の相転移を利用して発熱体を冷却するヒートパイプとしては、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたヒートパイプは、内部に複数の空間が区画された中空状の容器を備える。発熱体が発熱することで作動流体が気相に相転移すると、気相の作動流体は空間を通って容器内を移動する。
特開2000−35292号公報
ところで、特許文献1に開示のヒートパイプは、容器内が複数の空間に分割されており、気相の作動流体を容器内で拡散させにくい。このため、容器内で熱が拡散しにくい。
本発明の目的は、気相の作動流体を容器内で拡散させることができるヒートパイプを提供することにある。
上記課題を解決するヒートパイプは、容器の内部に作動流体が封入され、前記容器は外面に搭載された発熱体を放熱する発熱体搭載部を備えるヒートパイプであって、前記容器は、前記容器内を複数の空間に区画する区画部と、前記容器の内部にて前記複数の空間に連通する連通部と、を備え、前記連通部は、前記発熱体搭載部を含む。
これによれば、発熱体の発熱により作動流体が気相に相転移すると、気相の作動流体は、連通部から複数の空間に流れる。連通部によって複数の空間に気相の作動流体を流せるため、気相の作動流体が容器内で拡散しやすい。このため、容器内で熱が拡散しやすい。また、区画部を設けない場合に比べて、容器の強度を向上させることができる。
上記ヒートパイプについて、前記容器は、筒状の本体を備え、前記区画部は、前記本体に一体形成され、前記本体の内面から突出する突出部と、前記突出部の突出方向において、前記突出部の先端と前記本体との間に設けられた挿入部材と、を備えていてもよい。
これによれば、本体に一体形成された突出部を用いて区画部を構成することができる。
上記ヒートパイプについて、前記挿入部材は、前記突出部の延設方向に互いに間隔を空けて設けられた第1の挿入部材及び第2の挿入部材を含み、前記第1の挿入部材の端部は、前記第2の挿入部材の端部に対して前記第1の挿入部材の延設方向に対向し、前記連通部は、前記第1の挿入部材と前記第2の挿入部材との間に区画されていてもよい。
これによれば、第1の挿入部材と第2の挿入部材とを間隔を空けて設けることで、連通部を区画することができる。
上記ヒートパイプについて、前記第1の挿入部材と前記第2の挿入部材のうち少なくとも一方は、隣り合う前記空間同士を連通させる空間連通部を備えていてもよい。
これによれば、気相の作動流体を、空間連通部を介して容器内で拡散させることができる。このため、気相の作動流体が容器内で更に拡散しやすい。
上記ヒートパイプについて、前記本体の内面には、前記突出部が複数個並べられており、前記突出部が並ぶ方向において、前記本体の中央から離れた位置に配置された前記第1の挿入部材の端部ほど、前記第2の挿入部材の端部から離間していてもよい。
これによれば、気相の作動流体が容器内で更に拡散しやすくなる。
本発明によれば、気相の作動流体を容器内で拡散させることができる。
実施形態における作動流体を省略した状態のヒートパイプを示す分解斜視図。 実施形態における作動流体を省略した状態のヒートパイプを示す図1の2−2線断面図。 実施形態におけるヒートパイプを示す図2の3−3線断面図。 実施形態におけるヒートパイプを示す図2の4−4線断面図。 (a)及び(b)は変形例のヒートパイプの一部を拡大して示す斜視図。 変形例のヒートパイプを示す断面図。 変形例のヒートパイプを示す断面図。 変形例のヒートパイプの一部を拡大して示す斜視図。 変形例のヒートパイプを示す斜視図。 変形例のヒートパイプを示す断面図。
以下、ヒートパイプの一実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、ヒートパイプ10は、中空平板状であり、直方体状の容器11を備える。容器11は、例えば、鉄、アルミニウム、銅などの金属製である。容器11は、四角筒状の本体20を備える。本体20は、筒を構成する長方形状の四つの壁部21,22,23,24を備える。四つの壁部21,22,23,24は、互いに平行である第1の壁部21、及び、第2の壁部22を含む。四つの壁部21,22,23,24は、互いに平行であり、第1の壁部21と第2の壁部22との間で延びる第3の壁部23、及び、第4の壁部24を含む。以下の説明において、第1の壁部21と第2の壁部22との対向方向をZ方向、第3の壁部23と第4の壁部24との対向方向をX方向、Z方向及びX方向に直交する方向をY方向とする。
図3に示すように、本体20は、Y方向の両端のうち一方に第1の開口部26を備え、他方に第2の開口部25を備える。容器11は、本体20のY方向の両端に接合された平板状の閉塞部27,28を備える。第1の開口部26は、閉塞部28によって閉塞されている。第2の開口部25は、閉塞部27によって閉塞されている。これにより、容器11は密閉構造となっている。
図1及び図2に示すように、第3の壁部23及び第4の壁部24のZ方向(短手方向)の寸法は、第1の壁部21及び第2の壁部22のX方向(短手方向)の寸法に比べて短い。第1の壁部21の外面21a、及び、第2の壁部22の外面の面積は、本体20の六つの外面の中で最も広い。
第1の壁部21の外面21aには、発熱体としての半導体素子(チップ)31が搭載されている。半導体素子31は、X方向の中心であり、かつ、Y方向の一方(第1の開口部26側)に偏った位置に設けられている。半導体素子31のX方向の寸法は、第1の壁部21のX方向の寸法に比べて短い。半導体素子31のY方向の寸法は、第1の壁部21のY方向の寸法に比べて短い。
容器11は、二つの区画部41a,41bを本体20内に複数個備える。区画部41a,41bは、第3の壁部23及び第4の壁部24と平行に設けられている。二つの区画部41a,41bのうち一方を第1の区画部41aとし、他方を第2の区画部41bとする。第1の区画部41aと、第2の区画部41bとはY方向に間隔を空けて位置している。複数の第1の区画部41a同士は、X方向に複数並んで設けられている。複数の第2の区画部41b同士は、X方向に複数並んで設けられている。
第1の区画部41aは、Y方向に延びる空間42aを第3の壁部23と第4の壁部24との間(X方向)に複数区画している。すなわち、空間42aは、同一方向(X方向)に並んで設けられている。第2の区画部41bは、Y方向に延びる空間42bを第3の壁部23と第4の壁部24との間(X方向)に複数区画している。すなわち、空間42bは、同一方向(X方向)に並んで設けられている。空間42aを第1の空間42aとし、空間42bを第2の空間42bとする。
第1の区画部41aは、X方向に並んで設けられた複数個の突出部43と、第1の挿入部材45とを備える。第2の区画部41bは、突出部43と、第2の挿入部材44とを備える。すなわち、突出部43は、第1の区画部41aの一部、及び、第2の区画部41bの一部として兼用されている。第1の挿入部材45及び第2の挿入部材44は挿入部材として機能する。
突出部43は、本体20の内面から突出している。具体的にいえば、突出部43は、第1の壁部21の内面21bから第2の壁部22に向けて突出している。突出部43は、長方形状であり、板状である。突出部43の基端は、第1の壁部21に一体形成されている。換言すれば、本体20と突出部43とは、継目なく繋がっている。本体20、及び、突出部43は押出成形によって製造されることで、一体形成されている。
突出部43のZ方向(突出方向)の寸法は、第1の壁部21の内面21bと第2の壁部22の内面との間の寸法に比べて短い。即ち、突出部43の先端は、第2の壁部22に接していない。突出部43のY方向の寸法は、第1の壁部21のY方向の寸法と同一である。突出部43は、Y方向の全体に亘って本体20内で延設されている。
第1の挿入部材45と、第2の挿入部材44とは、突出部43の突出方向において、各突出部43の先端と、第2の壁部22との間に挿入されている。各挿入部材44,45は、柱状である。第1の挿入部材45の軸方向の寸法は、第1の開口部26と半導体素子31との間のY方向の寸法よりも若干短い。第2の挿入部材44の軸方向の寸法は、第2の開口部25と半導体素子31との間のY方向の寸法よりも若干短い。各挿入部材44,45は、各突出部43の先端と、第2の壁部22に接着剤で接合されている。
図4に示すように、第1の挿入部材45と第2の挿入部材44とは、Y方向(突出部43の延設方向)に間隔を空けて設けられている。第1の挿入部材45の端部45aは、第2の挿入部材44の端部44aに対して第1の挿入部材45の延設方向(軸方向)に対向している。
第1の挿入部材45は、第1の開口部26寄りに設けられている。第1の挿入部材45の第1の開口部26寄りの端面は、若干閉塞部28から離間している。これにより、第1の挿入部材45と閉塞部28との間には、ヘッダ空間30が区画されている。
第2の挿入部材44は、第2の開口部25寄りに設けられている。第2の挿入部材44の第2の開口部25寄りの端面は、若干閉塞部27から離間している。これにより、第2の挿入部材44と閉塞部27との間には、ヘッダ空間29が区画されている。
本体20において、半導体素子31をZ方向に延長(投影)した部分を発熱体搭載部A1とする。第1の挿入部材45と第2の挿入部材44は、発熱体搭載部A1を挟んで設けられている。発熱体搭載部A1には、第1の挿入部材45及び第2の挿入部材44は設けられていない。また、発熱体搭載部A1からX方向の全体に亘って第1の挿入部材45及び第2の挿入部材44は設けられていない。これにより、第1の挿入部材45及び第2の挿入部材44が設けられていない連通部Aが、発熱体搭載部A1から空間42a,42bの延びる方向と直交する方向(X方向)に延びている。連通部Aは、発熱体搭載部A1を含んでいる。連通部Aによって第1の空間42aと第2の空間42bとがY方向に分断されている。連通部Aは、全ての空間42a,42bと連通している。
容器11内には、作動流体Lsが封入されている。作動流体Lsとしては、例えば、水、アルコール、代替フロン(例えば、HCFC−123)などが用いられる。ヒートパイプ10が銅製の場合には、水を用いることが好ましい。また、ヒートパイプ10がアルミニウム製の場合には、代替フロンを用いることが好ましい。容器11内は、作動流体Lsを気相に相転移させやすくするため、真空状態となっている。なお、説明の便宜上、図1及び図2では、作動流体Lsを省略している。
図4では、第1の開口部26が鉛直方向を向く態様でヒートパイプ10が配置(縦置き)された場合の作動流体Lsを示している。ヒートパイプ10がこのように配置される場合、吸熱側(半導体素子31)が下方に位置し、放熱側が上方に位置するボトムヒート配置となる。また、上記したヒートパイプ10は、吸熱側と放熱側が水平に位置する水平ヒート配置や、吸熱側が上方に位置し、放熱側が下方に位置するトップヒート配置でも使用することができる。なお、ヒートパイプ10を水平ヒート配置で使用する場合、半導体素子31が下方に位置するように(作動流体Ls側に位置するように)配置される。
また、ヒートパイプ10は、サイフォン式としてもよいし、ウィック式としてもよい。サイフォン式は、気相から液相に戻った作動流体Lsを重力によって還流させる方式である。ウィック式は、空間42a,42b内にウィック部材を配置したり、空間42a,42bを区画する壁面に微細な溝を設けることにより毛細管現象によって気相から液相に戻った作動流体Lsを還流させる方式である。即ち、ヒートパイプ10の配置態様や、作動流体を還流させる態様は、任意に選択することができる。
次に、上記したヒートパイプ10の製造方法について説明する。
ヒートパイプ10を製造するときには、押出成形により本体20及び突出部43を一体で製造する。そして、各挿入部材44,45を本体20内に挿入する。第1の挿入部材45は、第1の開口部26から本体20内に挿入される。第1の挿入部材45は、第1の開口部26側の端面が第1の開口部26よりも若干第2の開口部25寄りに位置するように挿入される。第2の挿入部材44は、第2の開口部25から挿入される。第2の挿入部材44は、第2の開口部25側の端面が第2の開口部25よりも若干第1の開口部26寄りに位置するように挿入される。第1の挿入部材45及び第2の挿入部材44は、接着剤などで接着されることで、突出部43と第2の壁部22とに固定される。
各挿入部材44,45を固定した後、閉塞部27,28を本体20に接合することでヒートパイプ10が製造される。閉塞部27,28と本体20との接合は、ロウ付けや、溶接などによって行われる。
次に、本実施形態のヒートパイプ10の作用について説明する。以下、吸熱側(加熱側)が下方、放熱側(冷却側)が上方に位置するボトムヒート配置でヒートパイプ10が用いられる場合を説明する。
半導体素子31が発熱すると、作動流体Lsは蒸発し、気相に相転移する。容器11内には、温度差によって気圧差が生じている。気相になった作動流体Gsは、気圧の低い上方に向けて移動する。なお、図中、気相の作動流体Gsを矢印で示している。連通部Aが複数の空間42aに連通しているため、気相になった作動流体Gsは図4に矢印で示すように、連通部AをX方向にも拡がる。これにより、気相の作動流体Gsは複数の空間42aに流れる。即ち、気相の作動流体GsがX方向にも拡散する。複数の空間42aを通り、上方に移動した気相の作動流体Gsは、冷却されることで液相に相転移する。液相に相転移した作動流体Lsは、重力や、ウィックによって下方に戻る。
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ヒートパイプ10は、複数の空間42a,42bに連通する連通部Aを備える。気相に相転移した作動流体Gsは、連通部Aから複数の空間42a,42bに流れる。複数の空間42a,42bに気相の作動流体Gsを流すことで、容器11内で気相の作動流体を拡散させることができる。容器11内で熱を拡散させることができるため、一部の空間42a,42bにのみ気相の作動流体Gsが流れ、熱が拡散しない場合に比べると、半導体素子31を効率良く冷却することができる。
(2)仮に、容器11内に空間42a,42bを設けない場合、気相の作動流体Gsが容器11内で拡散しやすい。しかしながら、この場合には、第1の壁部21と第2の壁部22との間に区画部41a,41bが設けられず、Z方向に対する容器11の強度が低下する。ヒートパイプ10内は真空となっているため、最も広い外面を有する第1の壁部21及び第2の壁部22は、容器11内に向けて凹みやすい。また、半導体素子31の発熱による熱応力によっても第1の壁部21は歪むおそれがある。したがって、Z方向に対する容器11の強度が低下した場合、容器11の変形などが生じるおそれがある。
本実施形態では、区画部41a,41bを設けつつ、連通部Aによって気相の作動流体Gsの熱拡散を促すことで、容器11の変形を抑制しつつ、容器11内で熱を拡散させることができる。
(3)本体20と突出部43とは押出成形によって一体形成されている。型枠に金属を押し込んで金属加工を行う押出成形では、押出方向の途中位置で金属を分断することができない。本体20と突出部43とを押出成形によって製造すると、本体20を構成する各壁部21,22,23,24、及び、第1の壁部21に一体形成された突出部43は、Y方向に連続して設けられることになる。突出部43のみで空間42a,42bを区画し、かつ、連通部Aを備えるヒートパイプ10を製造しようとすると、Y方向の途中位置で、突出部43のみを分断する必要がある。このため、押出成形のみで連通部Aを備えるヒートパイプ10を製造することはできない。
本実施形態では、突出部43の先端が第2の壁部22に接しない状態で、本体20と突出部43とを押出成形によって製造している。そして、押出成形によって本体20と突出部43とを製造した後に、挿入部材44,45を本体20と突出部43の先端との間に挿入して、区画部41a,41bを構成している。これにより、押出成形によって製造した本体20及び突出部43を用いて、連通部Aを備えるヒートパイプ10を製造することができる。押出成形は、安価に金属を加工することができ、量産性に優れるため、ヒートパイプ10の製造コストが増加することを抑制することができる。
なお、実施形態は、以下のように変更してもよい。
○図5(a)及び図5(b)に示すように、挿入部材44,45は、軸方向に交差する方向に貫通する空間連通部61を備えていてもよい。空間連通部61は、図5(a)に示すように、挿入部材44,45の外面に開口する切欠62であってもよいし、図5(b)に示すように、貫通孔63であってもよい。また、複数の挿入部材をY方向に間隔を空けて配置することで、挿入部材同士の間に空間連通部を区画してもよい。挿入部材44,45は、空間連通部61によって空間42a,42b同士が連通するように配置される。空間連通部61は、発熱体搭載部A1とは異なる位置に設けられる。この場合、連通部Aで気相の作動流体Gsが拡散することに加えて、空間連通部61でも気相の作動流体Gsが拡散する。したがって、容器11内での気相の作動流体Gsの拡散が更に促進される。
図6に示すように、空間連通部61は、X方向に互いに隣り合う挿入部材44,45同士で直線状に位置するようにしてもよい。また、図7に示すように、空間連通部61は、X方向に互いに隣り合う挿入部材44,45同士で互い違いに位置するようにしてもよい。
なお、空間連通部61は、第1の挿入部材45及び第2の挿入部材44のうち少なくとも一方に設けられていればよい。
○図8に示すように、挿入部材71は、板状の部材であってもよい。即ち、挿入部材は、突出部43と第2の壁部22との間に設けられ、空間42a,42bを区画することができれば、どのような形状であってもよい。
○図9に示すように、本体20のY方向の両端部を圧着することで本体20を密閉構造としてもよい。詳細にいえば、第1の壁部21と第2の壁部22とのY方向の両端部が圧着される。更に、第1の壁部21と第2の壁部22との間をロウ付けすることで、本体20が閉塞される。
○図10に示すように、連通部Aは、発熱体搭載部A1からX方向に離れるにつれて、Y方向に拡がってもよい。突出部43が並ぶ方向であるX方向において、中央から離れた位置に配置された第1の挿入部材45の端部45aほど、第2の挿入部材44の端部44aから離間していてもよい。詳細にいえば、X方向において、中央から離れた位置に配置された第1の挿入部材45ほど、軸方向の寸法を短くする。これにより、X方向において、中央から離れるほど、第1の挿入部材45の両端部のうち、第2の挿入部材44側の端部45aが、第2の挿入部材44の端部44aから離れる。連通部Aは、第3の壁部23及び第4の壁部24に近付くにつれて空間42a,42bの延びる方向であるY方向に拡がる。連通部Aをこのように構成することで、気相の作動流体Gsが更に拡散しやすくなる。
○ヒートパイプとして、円筒状の本体を備えるヒートパイプなどを用いてもよい。すなわち、ヒートパイプの形状はどのような形状であってもよい。
○第1の区画部41a及び第2の区画部41bは、Y方向に交差する方向に延びていてもよい。すなわち、第1の区画部41a及び第2の区画部41bは、第3の壁部23及び第4の壁部24と平行に設けられていなくてもよい。例えば、複数の空間42a,42bが、連通部Aから放射状に延びるように区画部41a,41bが設けられていてもよい。
○容器11は、突出部43を備えていなくてもよい。この場合、挿入部材のみが区画部となる。即ち、第1の壁部21の内面と第2の壁部22の内面との間に挿入される挿入部材を用いて、空間42a,42bが区画されてもよい。この場合、挿入部材(区画部)に空間連通部を設けてもよい。
○閉塞部27,28は、平板状でなくてもよい。例えば、閉塞部27,28は、Y方向に向けて凹む有底四角筒状であってもよい。
○第2の挿入部材44は設けられていなくてもよい。即ち、空間42aは、少なくとも、気相となった作動流体Gsの移動方向に設けられていればよい。この場合、第1の挿入部材45が挿入部材となり、第1の挿入部材45と突出部43とが区画部となる。
○容器11は、Z方向に分割された二つの部材を組み合わせることで構成されていてもよい。この場合、Z方向に分割された二つの部材をロウ付けすることで、ヒートパイプ10が構成される。この場合、ヒートパイプ10を構成する二つの部材は、押出成形によって製造されていなくてもよい。
○発熱体(半導体素子31)の搭載される位置は、適宜変更してもよい。この場合であっても、各挿入部材44,45の軸方向の寸法を調整することで、適宜、連通部Aの位置を半導体素子31に合わせて変更することができる。
○ヒートパイプ10に搭載される発熱体は、半導体素子31以外でもよい。
○挿入部材44,45は、各突出部43の先端と、第2の壁部22との間に圧入されることで固定されていてもよい。この場合、挿入部材44,45の位置ずれ抑制を目的として、突出部43の先端や、第2の壁部22に挿入部材44,45が挿入される凹部を設けてもよい。
○半導体素子31は、第1の壁部21及び第2の壁部22のうち、少なくとも一方に設けられていればよい。
○半導体素子31は、複数設けられていてもよい。この場合、各半導体素子31に対応して連通部Aが設けられる。
○連通部Aは、第3の壁部23と第4の壁部24との間で、空間42a,42bの延びる方向(Y方向)に交差している方向に延びていればよく、空間42a,42bの延びる方向に直交する方向(X方向)に対して傾いた方向に延びていてもよい。
○連通部Aは、複数の空間42a,42bのうち気相の作動流体Gsの移動方向に位置する複数の空間に連通していれば、全ての空間に連通していなくてもよい。すなわち、連通部Aは、少なくとも二つの空間に連通していればよい。
A…連通部、A1…発熱体搭載部、Ls…作動流体、10…ヒートパイプ、11…容器、20…本体、21…第1の壁部、22…第2の壁部、23…第3の壁部、24…第4の壁部、31…半導体素子(発熱体)、41a,41b…区画部、42a,42b…空間、43…突出部、44…第2の挿入部材、45…第1の挿入部材、61…空間連通部。

Claims (5)

  1. 容器の内部に作動流体が封入され、前記容器は外面に搭載された発熱体を放熱する発熱体搭載部を備えるヒートパイプであって、
    前記容器は、
    前記容器内を複数の空間に区画する区画部と、
    前記容器の内部にて前記複数の空間に連通する連通部と、を備え、
    前記連通部は、前記発熱体搭載部を含むことを特徴とするヒートパイプ。
  2. 前記容器は、筒状の本体を備え、
    前記区画部は、
    前記本体に一体形成され、前記本体の内面から突出する突出部と、
    前記突出部の突出方向において、前記突出部の先端と前記本体との間に設けられた挿入部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ。
  3. 前記挿入部材は、前記突出部の延設方向に互いに間隔を空けて設けられた第1の挿入部材及び第2の挿入部材を含み、
    前記第1の挿入部材の端部は、前記第2の挿入部材の端部に対して前記第1の挿入部材の延設方向に対向し、
    前記連通部は、前記第1の挿入部材と前記第2の挿入部材との間に区画されていることを特徴とする請求項2に記載のヒートパイプ。
  4. 前記第1の挿入部材と前記第2の挿入部材のうち少なくとも一方は、隣り合う前記空間同士を連通させる空間連通部を備えることを特徴とする請求項3に記載のヒートパイプ。
  5. 前記本体の内面には、前記突出部が複数個並べられており、
    前記突出部が並ぶ方向において、前記本体の中央から離れた位置に配置された前記第1の挿入部材の端部ほど、前記第2の挿入部材の端部から離間していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のヒートパイプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI716932B (zh) * 2019-07-10 2021-01-21 汎海科技股份有限公司 散熱板、其製造方法及具有散熱板的電子裝置

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