JP2018016752A - 熱伝導性複合材料及び回路基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱伝導性及び熱放射性に優れ、導電性の制御が容易であり、且つ成形性及び機械特性に優れた熱伝導性複合材料及びそれを用いた回路基板の提供。
【解決手段】 金属粉末1及び炭素繊維2からなる複合粒子3と、ポリマーとを分散させ固化してなることを特徴とする熱伝導性複合材料、及び平均粒径が30μmから180μmの金属粉末、直径0.7nmから50nm、長さ10μmから60μmの炭素繊維及び熱硬化性ポリマーを、重量比として金属粉末:炭素繊維:熱硬化性ポリマー=60:0.5:39.5から85:3.0:12の範囲で体積抵抗率が、5×1010Ω・Cmから1×1014Ω・Cmとなる様に調整して配合してなる前記熱伝導性複合材料から形成された絶縁基板を備える回路基板。
【選択図】 図1
【解決手段】 金属粉末1及び炭素繊維2からなる複合粒子3と、ポリマーとを分散させ固化してなることを特徴とする熱伝導性複合材料、及び平均粒径が30μmから180μmの金属粉末、直径0.7nmから50nm、長さ10μmから60μmの炭素繊維及び熱硬化性ポリマーを、重量比として金属粉末:炭素繊維:熱硬化性ポリマー=60:0.5:39.5から85:3.0:12の範囲で体積抵抗率が、5×1010Ω・Cmから1×1014Ω・Cmとなる様に調整して配合してなる前記熱伝導性複合材料から形成された絶縁基板を備える回路基板。
【選択図】 図1
Description
本発明は、炭素繊維を含有し導電性(絶縁性)を任意に調節できる軽量な熱伝導性複合材料及び回路基板に関するものである。
カーボンファイバー(CF)、カーボンナノチューブ(CNT)及びカーボンナノファイバー(CNF)などの炭素繊維は、熱伝導性、機械的特性などに優れ、それを利用した様々な用途に向けた開発が進められている。
電気分野においては、一般的に導電性に優れていることから熱伝導性の良い導電材料として利用される。
一方、炭素繊維にシリカをコーティングし絶縁性を付与する手法(例えば下記特許文献1参照)を採るなど、熱伝導性の良い絶縁材料としての開発も進められている。
電気分野においては、一般的に導電性に優れていることから熱伝導性の良い導電材料として利用される。
一方、炭素繊維にシリカをコーティングし絶縁性を付与する手法(例えば下記特許文献1参照)を採るなど、熱伝導性の良い絶縁材料としての開発も進められている。
また、金属が持つ機械的特性等の優位性を満たすべく、金属と炭素繊維との複合材料も提供されている(例えば下記特許文献2参照)。
しかしながら、炭素繊維にシリカをコーティングすることによる絶縁性の確保は、耐用期間が比較的短く安定感に劣る他、強度に劣るなどの問題がある。
金属と炭素繊維との複合材料である後者にあっては、押出成形や鋳造など成形手法が限られる他、押出成形では立体形状が限られ、鋳造ではバリ取りや表面処理などの後処理が必要となる等の問題がある。
金属と炭素繊維との複合材料である後者にあっては、押出成形や鋳造など成形手法が限られる他、押出成形では立体形状が限られ、鋳造ではバリ取りや表面処理などの後処理が必要となる等の問題がある。
また、金属は、熱伝導性は良好であるものの一般的に熱放射性の面で相対的に劣る傾向があるため、放熱効果を高め成形品の温度上昇を有効に抑制することが求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、熱伝導性及び熱放射性に優れ、導電性の制御が容易であり、且つ成形性及び機械特性に優れた熱伝導性複合材料及びそれを用いた回路基板の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明による熱伝導性複合材料は、金属粉末、ポリマー及び炭素繊維を分散させ、粒状又は板状等に固形化してなることを特徴とする。
その態様として、金属粉末及び炭素繊維を一体化させてなる複合粒子と、ポリマーとを分散させ固形化してなる熱伝導性複合材料とすることができ、前記複合粒子は、金属粒子から炭素繊維の一部を離脱させてなる構成を採ることができる。
その態様として、金属粉末及び炭素繊維を一体化させてなる複合粒子と、ポリマーとを分散させ固形化してなる熱伝導性複合材料とすることができ、前記複合粒子は、金属粒子から炭素繊維の一部を離脱させてなる構成を採ることができる。
上記課題を解決するためになされた本発明による回路基板は、単層又は複層の絶縁基板の片面又は両面に導電素材からなる回路パターンを被着し一体化してなる回路基板において、前記絶縁基板は、平均粒径が30μmから180μmの金属粉末、直径0.7nmから50nm、長さ10μmから60μmの炭素繊維及び熱硬化性ポリマーを、重量比として金属粉末:炭素繊維:熱硬化性ポリマー=60:0.5:39.5から85:3.0:12の範囲で体積抵抗率が、5×1010Ω・Cmから1×1014Ω・Cmとなる様に調整して配合してなる前記熱伝導性複合材料から形成されることを特徴とする。
本発明による熱伝導性複合材料によれば、金属粉末、ポリマー及び炭素繊維を均一に分散し、固形化することによって、機械特性に優れた金属と、導電性、熱伝導性及び熱放射性に優れた炭素繊維と、成形性に優れたポリマーとの複合材料としての性質が維持された軽量で且つ安定性のある成形品を提供することができる。
その熱伝導性及び熱放射性や電気的な性状は、前記金属と炭素繊維からなる複合粒子内からの炭素繊維の離脱態様や、金属粉末とポリマーと炭素繊維を適切に配合することによって調整することができ、回路基板など、用途に応じて絶縁性、熱伝導性及び熱放射性など適正な性状をもつ成形品を提供することができる。
その熱伝導性及び熱放射性や電気的な性状は、前記金属と炭素繊維からなる複合粒子内からの炭素繊維の離脱態様や、金属粉末とポリマーと炭素繊維を適切に配合することによって調整することができ、回路基板など、用途に応じて絶縁性、熱伝導性及び熱放射性など適正な性状をもつ成形品を提供することができる。
また、本発明による熱伝導性複合材料は、射出成形などポリマーと同様の成形手法を用いることができるため、等断面形状に限らず多様な形態を持つ製品の製造が容易である他、その成形品の表面状態は、鋳造品等と比して極めて良好となり、成形後の後処理も不要となる。
更に、本発明による熱伝導性複合材料は、金属と炭素繊維とを一体化させた複合粒子を備え、且つ当該複合粒子とポリマーとを分散させ、又はポリマー殻を外殻として形成することによって、耐薬品性、耐候性、耐酸化性を向上させることも可能となる。
更に、本発明による熱伝導性複合材料は、金属と炭素繊維とを一体化させた複合粒子を備え、且つ当該複合粒子とポリマーとを分散させ、又はポリマー殻を外殻として形成することによって、耐薬品性、耐候性、耐酸化性を向上させることも可能となる。
以下、本発明による熱伝導性複合材料の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
ここで示す熱伝導性複合材料は、金属粉末1及び炭素繊維2を一体化させてなる複合粒子3と、ポリマーとを分散させ固形化してなる構成をもって、金属粉末1、ポリマー及びCNT等の炭素繊維2が当該熱伝導性複合材料内において均一に分散した材料を、ペレットの様な粒状又は板状などに固形化したものである(図3参照)。
ここで示す熱伝導性複合材料は、金属粉末1及び炭素繊維2を一体化させてなる複合粒子3と、ポリマーとを分散させ固形化してなる構成をもって、金属粉末1、ポリマー及びCNT等の炭素繊維2が当該熱伝導性複合材料内において均一に分散した材料を、ペレットの様な粒状又は板状などに固形化したものである(図3参照)。
以下、前記熱伝導性複合材料の製造工程を説明する。
前記熱伝導性複合材料の製造工程は、求められる性状に応じて、例えば、炭素繊維2に金属粉末1を混合分散して複合粒子3を形成する複合粒子化工程と、更にポリマーを加え固形化する工程(以下「固形化工程」という)を経る。
前記熱伝導性複合材料の製造工程は、求められる性状に応じて、例えば、炭素繊維2に金属粉末1を混合分散して複合粒子3を形成する複合粒子化工程と、更にポリマーを加え固形化する工程(以下「固形化工程」という)を経る。
前記炭素繊維2は、解繊プロセスを経た直径0.7nmから50nm長さ10μmから100μmのCF、CNT又はCNFなどである。
金属粉末1は、アルミニウム(Al)や銅(Cu)などの熱伝導性の高い金属を平均粒径5μmから40μmに粉砕したものである。
ポリマーは、ナイロン、PE(Polyethylene)、PP(Polypropylene)若しくはポリフェニレンスルファイド(Poly Phenylene Sulfide Resin)又はポリウレタン(polyurethane Resin)若しくはPF(Phenol Formaldehyde)などである。
前記熱伝導性複合材料は、例えば、AlやCuに代替できる熱伝導性を確保するために、Al粉末又はCu粉末を60重量%から85重量%、炭素繊維2を0.5重量%から3.0重量%及びポリマーを39.5重量%から12重量%の比率で配合する。
金属粉末1は、アルミニウム(Al)や銅(Cu)などの熱伝導性の高い金属を平均粒径5μmから40μmに粉砕したものである。
ポリマーは、ナイロン、PE(Polyethylene)、PP(Polypropylene)若しくはポリフェニレンスルファイド(Poly Phenylene Sulfide Resin)又はポリウレタン(polyurethane Resin)若しくはPF(Phenol Formaldehyde)などである。
前記熱伝導性複合材料は、例えば、AlやCuに代替できる熱伝導性を確保するために、Al粉末又はCu粉末を60重量%から85重量%、炭素繊維2を0.5重量%から3.0重量%及びポリマーを39.5重量%から12重量%の比率で配合する。
<複合粒子化工程>
前記複合粒子化工程は、種々の手法を採ることができる。
第一の複合粒子化工程の例は、炭素繊維2と金属からなる複合粒子3を得るために、解繊工程を経た炭素繊維2と、金属粉末1と、バインダを混ぜ合わせる混練工程と、ペレタイザーなどにより中間固形混合材を作成する工程と、前記中間固形混合材を加熱し流動化した混合材を射出する押出工程と、加熱し又は溶媒を混ぜることによってバインダを除去する脱脂工程と、焼結炉で加熱し脱脂された混合材における金属組織の相対密度を高める焼結工程を経る(MIM法:Metal Injection Molding)。
前記バインダとしては、融点が相対的に低いパラフィンなどを用いる。
これによって、100℃程度の比較的低温下、比較的短時間にバインダを昇華させることができる。
前記複合粒子化工程は、種々の手法を採ることができる。
第一の複合粒子化工程の例は、炭素繊維2と金属からなる複合粒子3を得るために、解繊工程を経た炭素繊維2と、金属粉末1と、バインダを混ぜ合わせる混練工程と、ペレタイザーなどにより中間固形混合材を作成する工程と、前記中間固形混合材を加熱し流動化した混合材を射出する押出工程と、加熱し又は溶媒を混ぜることによってバインダを除去する脱脂工程と、焼結炉で加熱し脱脂された混合材における金属組織の相対密度を高める焼結工程を経る(MIM法:Metal Injection Molding)。
前記バインダとしては、融点が相対的に低いパラフィンなどを用いる。
これによって、100℃程度の比較的低温下、比較的短時間にバインダを昇華させることができる。
第二の複合粒子化工程の例は、炭素繊維2と金属からなる複合粒子3を得るために、解繊工程を経た炭素繊維2と金属粉末1を、ドラムやバレル(以下「ドラム等」という)に投入し、当該ドラム等の中心に配置した撹拌翼に対して当該ドラム等並びに炭素繊維2及び金属粉末1を回転させることによって、両者に対して混練処理及び加圧処理を施し、機械的に炭素繊維2と金属粉末1を前記複合粒子3として一体化させる工程を行うものである。
前記炭素繊維2と金属粉末1に加えて、ジルコニア等の前記金属に比べて硬質な加圧用ボールを投入することもできる(図5参照)。
前記炭素繊維2と金属粉末1に加えて、ジルコニア等の前記金属に比べて硬質な加圧用ボールを投入することもできる(図5参照)。
前記複合粒子化工程では、炭素繊維2の長さ、炭素繊維2と金属粉末1の配合比率又は処理時間を調整することによって、炭素繊維2の離脱具合を調整することができる。
即ち、ドラム等に投入された炭素繊維2及び金属粉末1は、当該ドラム等の回転に伴い、各素材の凝集が解かれると共に、金属粉末1を変形させつつ二種類の素材が平均的に分散し(図4(A)参照)、且つ前記金属粉末1に炭素繊維2が規則正しく付着した金属粒子となる(図4(B)参照)。
前記混練を継続により、前記金属粉末1から形成された金属粒子の変形・一体化が継続され、それに伴って、金属粒子が、各々の表面に付着した炭素繊維2を金属粒子の内部へ徐々に取り込むかたちで成長し、最終的には、炭素繊維2が各金属粒子の内外へ規則的に分散した複合粒子3となる(図4(C)(D)参照)。
即ち、ドラム等に投入された炭素繊維2及び金属粉末1は、当該ドラム等の回転に伴い、各素材の凝集が解かれると共に、金属粉末1を変形させつつ二種類の素材が平均的に分散し(図4(A)参照)、且つ前記金属粉末1に炭素繊維2が規則正しく付着した金属粒子となる(図4(B)参照)。
前記混練を継続により、前記金属粉末1から形成された金属粒子の変形・一体化が継続され、それに伴って、金属粒子が、各々の表面に付着した炭素繊維2を金属粒子の内部へ徐々に取り込むかたちで成長し、最終的には、炭素繊維2が各金属粒子の内外へ規則的に分散した複合粒子3となる(図4(C)(D)参照)。
前記熱伝導性材料は、前記複合粒子3と分散一体化された炭素繊維2は、当該熱伝導性複合材料の用途に応じて、当該複合粒子3の表面から炭素繊維2の露出を適宜許容する構成を採ることができる(図3参照)。
前記複合粒子3は、炭素繊維2と金属粉末1との配合比率、前記複合粒子3の粒径に対する炭素繊維2の長さ若しくは配合比率を調整することによって、当該複合粒子3の表面からの炭素繊維2の露出状態(以下「繊維露出状態」という)を、炭素繊維2が前記複合粒子3の粒径の半分以上の長さ露出している状態(長露出状態)、炭素繊維2の露出が前記複合粒子3の粒径の半分以内の長さに止まっている状態(短露出状態)、炭素繊維2が前記複合粒子3の内部に略収まっている状態(包含状態)等、複数段階に分けることができる。
前記包含状態の複合粒子3は、前記長露出状態又は短露出状態にある前記複合粒子3が形成された後に、更に金属粉末1を加え、混合分散する時間をとり、当該複合粒子3の外側に金属殻を形成する等により形成することができる(図4(E)参照)。
前記包含状態の複合粒子3は、前記長露出状態又は短露出状態にある前記複合粒子3が形成された後に、更に金属粉末1を加え、混合分散する時間をとり、当該複合粒子3の外側に金属殻を形成する等により形成することができる(図4(E)参照)。
前記炭素繊維2が、長露出状態であれば、例えば、ヒートシンクなどの熱伝導重視の用途に有利であり、半露出状態であれば、例えば、エンジンなどの潤滑コーティング用に有利であり、包含状態であれば、例えば、ボルト等の強度重視の用途に有利である。
<固形化工程>
第二の工程として実施する固形化工程は、前記複合粒子3とポリマーを混合加熱して流動化し射出することにより粒状又は板状の固形物を製造する工程である。
その際、ポリマーと前記複合粒子3との配合比率によって、本発明による熱伝導性複合材料は、熱伝導性にあっては、成形後において約106.7kw/mK〜0.44kw/mKの範囲で調整を行うことができると考えられる他、用途に応じた絶縁性(導電性)、比重又は機械的強度を確保することができると考えられる。
第二の工程として実施する固形化工程は、前記複合粒子3とポリマーを混合加熱して流動化し射出することにより粒状又は板状の固形物を製造する工程である。
その際、ポリマーと前記複合粒子3との配合比率によって、本発明による熱伝導性複合材料は、熱伝導性にあっては、成形後において約106.7kw/mK〜0.44kw/mKの範囲で調整を行うことができると考えられる他、用途に応じた絶縁性(導電性)、比重又は機械的強度を確保することができると考えられる。
図1は、非結晶状態で製造される固形物の構造をモデル化したものである。
上記熱伝導性複合材料は、射出成形等での成形工程を経ることによって、図2に示すマトリクス構造となる。
前記繊維露出状態に応じ、耐薬品性、耐候性又は耐酸化性など、所望の性状を持つ製品となる。
上記熱伝導性複合材料は、射出成形等での成形工程を経ることによって、図2に示すマトリクス構造となる。
前記繊維露出状態に応じ、耐薬品性、耐候性又は耐酸化性など、所望の性状を持つ製品となる。
以下、上記熱伝導性複合材料を用いて複数のLEDを搭載する回路基板のヒートシンクを製造した例に基づき説明する。
この例は、平均粒径100μmの長露出状態の複合粒子3を形成すべく、平均粒径が30μmから40μmのAl粉末、直径0.7nmから50nm、長さ10μmから60μm程度のCNT(炭素繊維2)及び6ナイロン(ポリマー)を用い、熱伝導性複合材料として完成した時点において、重量%としてAl粉末:CNT:ポリマー=63:1:36となるように配合した。
この際、バレル内には、ジルコニア製のボールを投入し、常圧下窒素(N)を吸入しつつ、回転数650rpmで約24時間(約10万回)の混練を行った。
この例は、平均粒径100μmの長露出状態の複合粒子3を形成すべく、平均粒径が30μmから40μmのAl粉末、直径0.7nmから50nm、長さ10μmから60μm程度のCNT(炭素繊維2)及び6ナイロン(ポリマー)を用い、熱伝導性複合材料として完成した時点において、重量%としてAl粉末:CNT:ポリマー=63:1:36となるように配合した。
この際、バレル内には、ジルコニア製のボールを投入し、常圧下窒素(N)を吸入しつつ、回転数650rpmで約24時間(約10万回)の混練を行った。
上記工程を経て得られた熱伝導性複合材料は、ペレット状の無配向型複合材料であって、当該ペレット内に非結晶性の気孔が散在する構造となるが(図1参照)、射出成形を経て、前記気孔は大きく減少し、ヒートシンクに求められる熱伝導性を持つマトリクス構造(図2参照)に変化する。
前記LEDを30分間点灯した後の基板温度を測定し、他の素材からなるヒートシンクとの比較を行った結果、上記の如く製造されたヒートシンクは、比重においてマグネシウム(Mg)に匹敵する軽量を示し、熱伝導率及び基板温度の上昇を抑制する効果においても実用性ある効果が認められた。
機械的強度(引張強度)においても、Alを主材とする複合粒子3が分散したマトリクス構造が備わることによって、他に比して抜群の強度を示した。
この様に、上記熱伝導性複合材料は、ポリマーの含有により生産性が高い事とも相俟って、ヒートシンクとしての用途においては極めて高い品質を保証すると言える。
機械的強度(引張強度)においても、Alを主材とする複合粒子3が分散したマトリクス構造が備わることによって、他に比して抜群の強度を示した。
この様に、上記熱伝導性複合材料は、ポリマーの含有により生産性が高い事とも相俟って、ヒートシンクとしての用途においては極めて高い品質を保証すると言える。
上記例は、前記複合粒子3を前記短露出状態とすることによって、ヒートシンクの機械的強度を更に高めることができる。
また、前記複合粒子3は、その外側にポリマー殻を形成する等により、更に、ポリマー粒子に炭素繊維2の全体を包含して露出しない構成を採ることも可能である。
この様な構成を採った熱伝導性複合材料は、金属や炭素繊維2の導電性を封じ、全体として導電性を抑制し絶縁性の高い製品の提供が可能となる。
また、前記複合粒子3は、その外側にポリマー殻を形成する等により、更に、ポリマー粒子に炭素繊維2の全体を包含して露出しない構成を採ることも可能である。
この様な構成を採った熱伝導性複合材料は、金属や炭素繊維2の導電性を封じ、全体として導電性を抑制し絶縁性の高い製品の提供が可能となる。
上記熱伝導性複合材料は、回路基板の絶縁基板(回路パターン5やスルーホール6などの同電路以外の絶縁体部分)4の素材として用いることができる(図6参照)。
前記絶縁基板4を構成する熱伝導性材料は、例えば、平均粒径100μmの短露出状態又は長露出状態の複合粒子3を形成すべく、平均粒径が30μmから40μmのAl粉末又はCu粉末、直径0.7nmから50nm、長さ10μmから60μm程度のCNT(炭素繊維2)及びエポキシ樹脂又はフェノール樹脂などの熱硬化性ポリマーを用いる。
配合割合は、絶縁基板4の絶縁性を十分に確保すべく、熱伝導性複合材料として完成した時点において、重量%としてAl粉末又はCu粉末:CNT:ポリマー=60:0.5:39.5から85:3.0:12の範囲となり、且つ体積抵抗率が、5×1010Ω・Cmから1×1014Ω・Cmとなる様に調整する。
前記絶縁基板4を構成する熱伝導性材料は、例えば、平均粒径100μmの短露出状態又は長露出状態の複合粒子3を形成すべく、平均粒径が30μmから40μmのAl粉末又はCu粉末、直径0.7nmから50nm、長さ10μmから60μm程度のCNT(炭素繊維2)及びエポキシ樹脂又はフェノール樹脂などの熱硬化性ポリマーを用いる。
配合割合は、絶縁基板4の絶縁性を十分に確保すべく、熱伝導性複合材料として完成した時点において、重量%としてAl粉末又はCu粉末:CNT:ポリマー=60:0.5:39.5から85:3.0:12の範囲となり、且つ体積抵抗率が、5×1010Ω・Cmから1×1014Ω・Cmとなる様に調整する。
前記絶縁基板4の片面又は両面に回路パターン5が形成された回路基板において、回路パターン5を構成する導電性金属は、熱伝導性は良好であるものの、一般的に熱放射性の面で相対的に劣る傾向がある。
前記熱伝導性複合素材からなる絶縁基板4は、前記複合粒子3と熱硬化性ポリマーを分散させた熱伝導性複合材料を用いたことによって、熱伝導性と熱放射性をバランスよく兼ね備え、効率よい熱伝導作用と放熱作用をもって、回路パターン5及び絶縁基板4の温度上昇を有効に抑制する。
また、この絶縁基板4は、上記の通り用いられる繊維長が限られているため、様々な形態に加工することが容易であり、且つ加工後の外観が美しいという利点もある。
前記熱伝導性複合素材からなる絶縁基板4は、前記複合粒子3と熱硬化性ポリマーを分散させた熱伝導性複合材料を用いたことによって、熱伝導性と熱放射性をバランスよく兼ね備え、効率よい熱伝導作用と放熱作用をもって、回路パターン5及び絶縁基板4の温度上昇を有効に抑制する。
また、この絶縁基板4は、上記の通り用いられる繊維長が限られているため、様々な形態に加工することが容易であり、且つ加工後の外観が美しいという利点もある。
このような絶縁基板4の片面に回路パターン5を形成した単層構造若しくは複層の回路パターン5の間にそれぞれ前記絶縁基板4を介在した複層構造、又は前記複層構造の回路基板の片側の面又は両面を前記絶縁基板4で覆うことによって、各層の回路パターン5で発生した熱を各回路パターン5が接触する絶縁基板4やスルーホール6で良好に伝導させ、最も外側に露出する絶縁基板4の表面から効率よく放熱することができる。
1 金属粉末,2 炭素繊維,3 複合粒子,
4 絶縁基板,5 回路パターン,6 スルーホール,
4 絶縁基板,5 回路パターン,6 スルーホール,
Claims (4)
- 金属粉末、ポリマー及び炭素繊維を分散させ固形化してなることを特徴とする熱伝導性複合材料。
- 金属粉末及び炭素繊維からなる複合粒子と、ポリマーとを分散させ固形化してなることを特徴とする熱伝導性複合材料。
- 前記複合粒子は、金属粒子から炭素繊維の一部を離脱させてなることを特徴とする前記請求項1又は請求項2のいずれかに記載の熱伝導性複合材料。
- 単層又は複層の絶縁基板の片面又は両面に導電素材からなる回路パターンを被着し一体化してなる回路基板において、
前記絶縁基板は、平均粒径が30μmから180μmの金属粉末、直径0.7nmから50nm、長さ10μmから60μmの炭素繊維及び熱硬化性ポリマーを、重量比として金属粉末:炭素繊維:熱硬化性ポリマー=60:0.5:39.5から85:3.0:12の範囲で体積抵抗率が、5×1010Ω・Cmから1×1014Ω・Cmとなる様に調整して配合してなる前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の熱伝導性複合材料から形成されることを特徴とする回路基板。
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