JP2018016723A - 滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物及び多層容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガンマ線、X線又は電子線の放射線を照射して滅菌処理を行うことにより酸素吸収性能を長時間保持可能な滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物及び多層容器を提供することにある。【解決手段】テトラリン環を構成単位として有する熱可塑性樹脂(a)を含む酸素吸収性樹脂組成物、または上記熱可塑性樹脂(a)を含む酸素吸収性樹脂組成物からなる層Aを含む多層容器に放射線を照射して滅菌して得られる、滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物及び多層容器。【選択図】なし

Description

本発明は、酸素吸収性樹脂組成物及び多層容器に関し、詳しくは、ガンマ線、X線、電子線などの放射線照射による滅菌処理を実施した滅菌済み樹脂組成物及び多層容器に関する。
食品、飲料、医薬品、化粧品などに用いられる容器の放射線滅菌方法として、古くからCoの放射性同位体であるCo60を線源としたガンマ線滅菌が一般的であり、その他にもX線、電子線による処理がある。放射線滅菌は低温で処理でき、処理時間も短く、比較的安価であるため、滅菌処理方法として広く普及しつつある。
一方、食品、飲料、医薬品、化粧品に代表される、酸素の影響を受けて変質あるいは劣化しやすい各種物品の酸素酸化を防止し、長期に保存する目的で、包装容器内部の酸素を包装容器自身が吸収する各種の材料が開発されている。例えば、放射線を照射することにより酸素吸収性能を発現させた樹脂成形品が開発されている(特許文献1)。
特開平07−062125号公報
しかしながら、特許文献1の成形品では、酸素吸収性能が発現する時間が短いという課題があった。本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ガンマ線、X線、電子線等の放射線滅菌により、酸素吸収性能が長時間に渡り発現する滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物及び多層容器を提供することにある。
本発明者らは、酸素吸収性樹脂組成物及び多層容器について検討を進めた結果、特定の骨格を持つ熱可塑性樹脂にガンマ線、X線、電子線等の放射線を照射することで、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下<1>〜<6>を提供する。
<1> テトラリン環を構成単位として有する熱可塑性樹脂(a)に放射線を照射し滅菌して得られる、滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物。
<2> 前記熱可塑性樹脂(a)が、下記一般式(1)〜(4)
Figure 2018016723
(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3、nは0〜7の整数を表し、テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Xは芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。)
からなる群より選択される少なくとも1つのテトラリン環を有する構成単位を含有するポリエステル化合物である、上記<1>に記載の滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物。
<3> 前記一般式(1)で表される構成単位が、下記式(5)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1つである、上記<2>に記載の滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物。
Figure 2018016723
<4> 前記放射線が、ガンマ線、X線及び電子線からなる群より選択される少なくとも1種以上である、上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物。
<5> 前記放射線の照射線量が1kGy以上1000kGy以下である、上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載の滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物。
<6> テトラリン環を構成単位として有する熱可塑性樹脂(a)を含有する層(層A)と、熱可塑性樹脂(b)を含有する層(層B)の少なくとも2層を備える多層体を有する多層容器に放射線を照射し滅菌して得られる、滅菌済み酸素吸収性多層容器。
本発明によれば、ガンマ線、X線、電子線等の放射線滅菌処理により、長時間の酸素吸収性能を発現するため、他の酸素バリア性樹脂を外層に配した多層容器とした際には酸素バリア性のみならず系内の酸素を吸収する脱酸素化包装用途に有効に使用可能である。また、短期のバリア性付与効果も大きく、一般の酸素バリア包装材料などの幅広い用途で使用することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されない。
[熱可塑性樹脂(a)]
本実施形態の熱可塑性樹脂(a)はテトラリン環を構成単位として有し、上記一般式(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも1種のテトラリン環を有する構成単位を含有することが好ましい。さらに、上記一般式(1)で表される構成単位は、上記式(5)〜(7)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。ここで、「構成単位を含有する」とは、化合物中に当該構成単位を1以上有することを意味する。かかる構成単位は、テトラリン環含有ポリエステル化合物中に繰り返し単位として含まれていることが好ましい。このようにテトラリン環含有ポリエステル化合物が重合体である場合、上記構成単位のホモポリマー、上記構成単位と他の構成単位とのランダムコポリマー、上記構成単位と他の構成単位とのブロックコポリマーのいずれであっても構わない。
上記一般式(1)〜(4)で表される構成単位において、Rで示した一価の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数が1〜15、より好ましくは炭素数が1〜6個の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6の直鎖状、分岐状又は環状アルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数が6〜16、より好ましくは炭素数が6〜10のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基)、複素環基(好ましくは炭素数が1〜12、より好ましくは炭素数が2〜6の5員環或いは6員環の芳香族又は非芳香族の複素環化合物から1個の水素原子を取り除くことによって得られる一価の基、例えば、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−フリル基)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6の直鎖状、分岐状又は環状アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基)、アシル基(ホルミル基を含む。好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6のアルキルカルボニル基、好ましくは炭素数が7〜12個、より好ましくは炭素数が7〜9のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6のアルキルアミノ基、好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアニリノ基、好ましくは炭素数が1〜12、より好ましくは炭素数が2〜6の複素環アミノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基)、チオール基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基)、複素環チオ基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が1〜6の複素環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基)、イミド基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が4〜8のイミド基、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)等が例示されるが、これらに特に限定されない。
なお、上記の一価の置換基Rが水素原子を有する場合、その水素原子が置換基T(ここで、置換基Tは、上記の一価の置換基Rで説明したものと同義である。)でさらに置換されていてもよい。その具体例としては、例えば、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基(例えば、ヒドロキシエチル基)、アルコキシ基で置換されたアルキル基(例えば、メトキシエチル基)、アリール基で置換されたアルキル基(例えば、ベンジル基)、第1級或いは第2級アミノ基で置換されたアルキル基(例えば、アミノエチル基)、アルキル基で置換されたアリール基(例えば、p−トリル基)、アルキル基で置換されたアリールオキシ基(例えば、2−メチルフェノキシ基)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、上記の一価の置換基Rが一価の置換基Tを有する場合、上述した炭素数には、置換基Tの炭素数は含まれないものとする。例えば、ベンジル基は、フェニル基で置換された炭素数1のアルキル基と看做し、フェニル基で置換された炭素数7のアルキル基とは看做さない。また、上記の一価の置換基Rが置換基Tを有する場合、その置換基Tは複数あってもよい。
Xは、芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基は、置換されていても無置換でもよい。Xは、ヘテロ原子を含有していてもよく、エーテル基、スルフィド基、カルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホキシド基、スルホン基等を含有していてもよい。ここで、芳香族炭化水素基としては、例えば、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、メチルフェニレン基、o−キシリレン基、m−キシリレン基、p−キシリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントリレン基、ビフェニレン基、フルオニレン基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、メチルシクロへキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基や、シクロヘキセニレン基等のシクロアルケニレン基が挙げられるが、これらに特に限定されない。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、テトラメチレン基、イソブチレン基、tert‐ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖状又は分枝鎖状アルキレン基や、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1,3−ブタジエニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、3−ヘキセニレン基等のアルケニレン基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、さらに置換基を有していてもよく、その具体例としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボアルコキシ基、アミノ基、アシル基、チオ基(例えばアルキルチオ基、フェニルチオ基、トリルチオ基、ピリジルチオ基等)、アミノ基(例えば非置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
上記一般式(1)で表される構成単位を含有する熱可塑性樹脂(a)は、国際公開第2013/077436号に記載された公知の方法で製造することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂(a)には、性能に影響しない程度で、テトラリン環を有さない構成単位を共重合成分として組み込んでもよい。具体的には、国際公開第2013/077436号に記載された公知の化合物を共重合成分として用いることが出来る。
前記一般式(1)で表される構成単位を含有する熱可塑性樹脂(a)の好ましい具体例としては、上記式(5)〜(7)及び、下記式(8)〜(10)が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2018016723
上述した熱可塑性樹脂(a)は、いずれも、テトラリン環のベンジル位に水素を有するものであり、放射線照射を実施することでベンジル位の水素の引き抜きに伴い多量のフリーラジカルが生成し、このラジカルと酸素が反応することにより優れた酸素吸収性能を発現する。
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、酸素吸収後の低分子量化合物の生成が抑制されたものである。その理由は明らかではないが、例えば以下の酸化反応機構が推測される。すなわち、熱可塑性樹脂(a)においては、まずテトラリン環のベンジル位にある水素が引き抜かれてラジカルが生成し、その後、ラジカルと酸素との反応によりベンジル位の炭素が酸化され、ヒドロキシ基又はケトン基が生成すると考えられる。そのため、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物においては、上記従来技術のような酸化反応による分子鎖の切断がなく、熱可塑性樹脂(a)の構造が維持されるため、臭気の原因となる低分子量の有機化合物が酸素吸収後に生成し難く、その結果、酸素吸収後の臭気強度の増大が抑制されるとともに、内容物への低分子量化合物の混入が防止されているものと推測される。
本実施形態の熱可塑性樹脂(a)の極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定値)は特に限定されないが、熱可塑性樹脂(a)の成形性の面から、0.1〜2.0dL/gが好ましく、0.5〜1.5dL/gがより好ましい。
熱可塑性樹脂(a)には、本実施形態の効果を損なわない範囲で、乾燥剤、顔料、染料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤等を添加しても良いが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を混合することができる。
更なる酸素吸収性能持続時間の増大を目的として、熱可塑性樹脂(a)に遷移金属触媒(例えばコバルト、マンガン、鉄、ニッケル、銅など)を添加しても良い。
[酸素吸収性多層体及び多層容器]
本実施形態の酸素吸収性多層体は、上述した熱可塑性樹脂(a)を含有する層(層A)と、熱可塑性樹脂(b)を含有する層(層B)の少なくとも2層を備える。また、本実施形態の酸素吸収性多層容器は上記の酸素吸収性多層体を含むものである。
本実施形態の酸素吸収性多層体における層構成は特に限定されず、層A及び層Bの数や種類は特に限定されない。例えば、1層の層A及び1層の層BからなるA/B構成であってもよく、1層の層A及び2層の層BからなるB/A/Bの3層構成であってもよい。また、1層の層A並びに層B1及び層B2の2種4層の層BからなるB1/B2/A/B2/B1の5層構成であってもよい。さらに、本実施形態の多層体は、必要に応じて接着層(層AD)等の任意の層を含んでもよく、例えば、B1/AD/B2/A/B2/AD/B1の7層構成であってもよい。
[熱可塑性樹脂(a)を含有する層(層A)]
本実施形態の層Aは、テトラリン環を構成単位として有する熱可塑性樹脂(a)を含有する層である。
層A中の前記熱可塑性樹脂(a)の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましい。前記範囲の場合、50質量%未満の場合に比べ、放射線照射後の酸素吸収性能をより高めることが出来る。
層Aの厚みは、特に制限はないが、1〜1000μmが好ましく、2〜800μmがより好ましく、5〜700μmが特に好ましい。この場合、厚みが上記範囲を外れる場合に比べて、層Aが酸素を吸収する性能をより高めることができるとともに経済性が損なわれることを防止することができる。
[熱可塑性樹脂(b)を含有する層(層B)]
本実施形態の層Bは、熱可塑性樹脂(b)を含有する層である。層Bにおける熱可塑性樹脂(b)の含有率は特に限定されないが、層Bの総量に対する熱可塑性樹脂(b)の含有率が、70〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。
本実施形態の酸素吸収性多層容器は、層Bを複数有していてもよく、複数の層Bの構成は互いに同一であっても異なっていてもよい。層Bの厚みは、用途に応じて適宜決定することができ、多層容器に要求される落下耐性等の強度や柔軟性等の諸物性を確保するという観点からは、好ましくは5〜1000μm、より好ましくは10〜800μm、更に好ましくは20〜500μmである。
本実施形態の熱可塑性樹脂(b)には任意の熱可塑性樹脂を使用することができ、特に限定されない。熱可塑性樹脂(b)の具体例としては、国際公開第2013/077436号に記載された公知の、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、植物由来樹脂及び塩素系樹脂を挙げることができる。本実施形態において熱可塑性樹脂(b)としては、これら樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。中でも、好ましいのは、ノルボルネンとエチレン等のオレフィンを原料とした共重合体、およびテトラシクロドデセンとエチレン等のオレフィンを原料とした共重合体であるシクロオレフィンコポリマー(COC)である。また、ノルボルネンを開環重合し、水素添加した重合物であるシクロオレフィンポリマー(COP)も特に好ましい。このようなCOCおよびCOPは、例えば特開平5−300939号公報或いは特開平5−317411号公報などに記載されている。
COCは、例えば三井化学株式会社製、アペル(登録商標)として市販されており、またCOPは、例えば日本ゼオン株式会社製、ゼオネックス(登録商標)またはゼオノア(登録商標)や株式会社大協精工製、Daikyo Resin CZ(登録商標)として市販されている。COCおよびCOPは、耐熱性や耐光性などの化学的性質や耐薬品性はポリオレフィン樹脂としての特徴を示し、機械特性、溶融、流動特性、寸法精度などの物理的性質は非晶性樹脂としての特徴を示すことから特に好ましい材質である。
また、前記熱可塑性樹脂(b)においては、本発明の前記熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂の含有量が、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。
本実施形態の酸素吸収性多層体は、前記熱可塑性樹脂(a)を含有する層(層A)及び熱可塑性樹脂(b)を含有する層(層B)に加えて、所望する性能等に応じて任意の層を含んでいてもよい。そのような任意の層としては、例えば、接着層等が挙げられる。
本実施形態の酸素吸収性多層体において、隣接する2つの層の間で実用的な層間接着強度が得られない場合には、当該2つの層の間に接着層(層AD)を設けることが好ましい。接着層は、接着性を有する熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。接着性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系ブロック共重合体を主成分とした、ポリエステル系熱可塑性エラストマーが挙げられる。接着層としては、接着性の観点から、層Bとして用いられている熱可塑性樹脂と同種の樹脂を変性したものを用いることが好ましい。接着層の厚みは、実用的な接着強度を発揮しつつ成形加工性を確保するという観点から、好ましくは2〜100μm、より好ましくは5〜90μm、更に好ましくは10〜80μmである。
本実施形態の酸素吸収性多層容器の製造方法及び層構成については特に限定されず、通常の射出成形法により製造することができる。例えば、2台以上の射出機を備えた成形機及び射出用金型を用いて、層Aを構成する材料及び層Bを構成する材料をそれぞれの射出シリンダーから金型ホットランナーを通して、キャビティー内に射出して、射出用金型の形状に対応した多層容器を製造することができる。また、先ず、層Bを構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層Aを構成する材料を別の射出シリンダーから、層Bを構成する樹脂と同時に射出し、次に層Bを構成する樹脂を必要量射出してキャビティーを満たすことにより3層構造B/A/Bの多層容器が製造できる。
また、先ず、層Bを構成する材料を射出し、次いで層Aを構成する材料を単独で射出し、最後に層Bを構成する材料を必要量射出して金型キャビティーを満たすことにより、5層構造B/A/B/A/Bの多層容器が製造できる。
また、先ず、層B1を構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層B2を構成する材料を別の射出シリンダーから、層B1を構成する樹脂と同時に射出し、次に層Aを構成する樹脂を層B1、層B2を構成する樹脂と同時に射出し、次に層B1を構成する樹脂を必要量射出してキャビティーを満たすことにより5層構造B1/B2/A/B2/B1の多層容器が製造できる。
また、射出成形法ではないが、圧縮成形法により多層成形体を得てもよい。例えば、熱可塑性樹脂溶融物中に酸素吸収樹脂剤を設け、その溶融塊を雄型に供給するとともに、雌型により圧縮し、圧縮成形物を冷却固化することにより成形体を得られる。
得られた成形体の口頸部に耐熱性を与えるため、この段階で口頸部を熱処理により結晶化させてもよい。結晶化度は好ましくは30〜50%、より好ましくは35〜45%である。なお、結晶化は後述する二次加工を施した後に実施してもよい。
また、押出成形、圧縮成形(シート成形、ブロー成形)等の成形手段によって所望の容器形状に成形してもよい。
本実施形態の酸素吸収性多層容器の形状は何ら限定されず、袋、トレイ、カップ、ボトル、チューブ、PTP(プレス・スルー・パック、ブリスターともいう)、バイアル、アンプル、プレフィルドシリンジ、真空採血管等が挙げられる。
[放射線滅菌処理]
本実施形態の放射線滅菌処理は、電磁波に分類されるガンマ線やX線、及び粒子線に分類される電子線より選ばれる少なくとも1種を照射して行う。上記のガンマ線照射において、用いることができるガンマ線としては、一般的にCoの放射性同位体であるCo60線源より放出されるガンマ線が挙げられるが、これに限定したものではない。また、上記のX線照射において、用いることができるX線としては、一般にCu、Mo、W等を対陰極として用い、X線管やクルックス管内で加速させた電子ビームを当てることにより発生するX線が挙げられるが、これらに限定したものではない。また、上記の電子線照射において用いることができる電子線としては、一般的にコッククロフト−ウォルトン型、バンデグラーフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、線形加速器、静電加速器、ダイナミトロン型、高周波サイクロトロン等の各種電子線加速器から放出される150〜10000KeVのエネルギーをもつ電子線が挙げられるが、これらに限定したものではない。
本実施形態の放射線照射において、照射する放射線の線量は何ら限定されないが、樹脂の劣化を抑制する観点から、1kGy〜1000kGyが好ましく、より好ましくは5kGy〜500kGy、特に好ましくは25kGy〜200kGyである。
酸素吸収性樹脂組成物に対して放射線滅菌処理を行うタイミングは何ら限定されないが、放射線滅菌処理後の汚染リスクを低減する観点から、多層容器作成後に放射線滅菌処理を行うことが好ましい。
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物及びこれを用いた多層容器は、酸素吸収に水分を必要としないので、低湿度から高湿度までの広範な湿度条件(相対湿度0%〜100%)での酸素吸収性能に優れ、かつ内容物の風味保持性に優れるため、種々の物品の包装に適している。被保存物の具体例としては、牛乳、ジュース、コーヒー、茶類、アルコール飲料等の飲料;ソース、醤油、ドレッシング等の液体調味料、スープ、シチュー、カレー等の調理食品;ジャム、マヨネーズ等のペースト状食品;ツナ、魚貝等の水産製品;チーズ、バター等の乳加工品;肉、サラミ、ソーセージ、ハム等の畜肉加工品;にんじん、じゃがいも等の野菜類;卵;麺類;調理前の米類、調理された炊飯米、米粥等の加工米製品;粉末調味料、粉末コーヒー、乳幼児用粉末ミルク、乳幼児用調理食品、粉末ダイエット食品、介護調理食品、乾燥野菜、せんべい等の乾燥食品;農薬、殺虫剤等の化学品;医薬品;ペットフード;洗剤等、種々の物品を挙げることができるが、これらに特に限定されない。特に、酸素存在下で劣化を起こしやすい内容品、例えば、飲料ではビール、ワイン、フルーツジュース、炭酸ソフトドリンク等、食品では果物、ナッツ、野菜、肉製品、幼児食品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品類等、その他では医薬品、化粧品等の包装材に好適である。
以下に実施例と比較例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に記載が無い限り、NMR測定は室温で行った。
[モノマー合成例]
内容積18Lのオートクレーブに、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル2.20kg、2−プロパノール11.0kg、5%パラジウムを活性炭に担持させた触媒350g(50wt%含水品)を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内の空気を窒素と置換し、さらに窒素を水素と置換した後、オートクレーブ内の圧力が0.8MPaとなるまで水素を供給した。次に、撹拌機を起動し、回転速度を500rpmに調整し、30分かけて内温を100℃まで上げた後、さらに水素を供給し圧力を1MPaとした。その後、反応の進行による圧力低下に応じ、1MPaを維持するよう水素の供給を続けた。7時間後に圧力低下が無くなったので、オートクレーブを冷却し、未反応の残存水素を放出した後、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液を濾過し、触媒を除去した後、分離濾液から2−プロパノールをエバポレーターで蒸発させた。得られた粗生成物に、2−プロパノールを4.40kg加え、再結晶により精製し、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルを80%の収率で得た。なお、NMRの分析結果は下記の通りである。H‐NMR(400MHz CDCl)δ7.76-7.96(2H m)、7.15(1H d)、3.89(3H s)、3.70(3H s)、2.70-3.09(5H m)、1.80-1.95(1H m)。
[ポリマー製造例]
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置および窒素導入管を備えたポリエステル樹脂製造装置に、モノマー合成例で得たテトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチル543g、エチレングリコール217g、テトラブチルチタネート0.171gを仕込み、窒素雰囲気で230℃まで昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を85%以上とした後、テトラブチルチタネート0.171gを添加し、昇温と減圧を徐々に行い、245℃、133Pa以下で重縮合を行い、ポリエステル化合物(1)を得た。
得られたポリエステル化合物(1)の重量平均分子量と数平均分子量をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定を行った結果、ポリスチレン換算の重量平均分子量は8.5×10、数平均分子量は3.0×10であった。ガラス転移温度と融点をDSCにより測定を行った結果、ガラス転移温度は67℃、融点は非晶性のため認められなかった。
(実施例1−1)
ポリエステル化合物(1)を、直径20mmのスクリューを2本有する2軸押出機を用いて、押出温度220℃、スクリュー回転数60rpm、フィードスクリュー回転数16rpm、引き取り速度1.3m/minの条件で製膜することにより、幅130mm、厚み245〜255μmの酸素吸収性フィルムを作製した。次に、得られた酸素吸収性フィルムの試験片(長さ100mm×幅100mm)に、Co60線源より放出されるガンマ線を室温・窒素雰囲気下で50kGy照射した。次いで、ガンマ線照射した試験片の酸素透過率を酸素透過率測定装置(MOCON社製、商品名:OX−TRAN 2−21 ML)を用いて測定した。試験片片面を酸素暴露後、透過率を連続的に測定し、酸素透過率を縦軸に、時間を横軸にとったとき、酸素透過率が急激に上昇する領域からの接線を時間軸に外挿したときの時間tを、酸素吸収性能保持時間とした。これらの結果を表1に示す。
(実施例1−2〜1−4)
ガンマ線照射線量を表1に示した通りに変更したこと以外は、実施例1−1と同様に行って、酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例1−5)
実施例1−1と同様に作製した酸素吸収性フィルムの試験片(長さ100mm×幅100mm)に、静電加速器を用いた電子線発生装置より放出される電子線を室温・空気中で50kGy照射した。次いで、電子線照射した試験片の酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例1−6〜1−8)
電子線照射線量を表1に示した通りに変更したこと以外は、実施例1−5と同様に行って、酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例1−1)
ガンマ線照射を行わなかったこと以外は実施例1−1と同様に行って、酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例1−2)
ポリエステル化合物(1)の代わりにシクロオレフィンポリマー(COP、日本ゼオン株式会社製、商品名:ZEONEX(登録商標) 690R)を用いたこと以外は実施例1−1と同様に行って、酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例1−3)
ガンマ線照射に代わり電子線照射を実施したこと以外は比較例1−2と同様に行って、酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例1−4)
ポリエステル化合物(1)の代わりにポリエチレンテレフタレート(PETG6763、イーストマンコダック社製)を用いたこと以外は実施例1−1と同様に行って、酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例1−5)
ガンマ線照射に代わり電子線照射を実施したこと以外は比較例1−4と同様に行って、酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2018016723
上記の実施例の結果より、比較例に比べ放射線照射による酸素吸収性能保持時間は大きく向上していた。
[多層容器(バイアル)の製造例]
下記の条件により、層Bを構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層Aを構成する材料を別の射出シリンダーから、層Bを構成する樹脂と同時に射出し、次に層Aを構成する樹脂を必要量射出して射出金型内キャビティーを満たすことにより、B/A/Bの3層構成の射出成形体を得た後、射出成形体を所定の温度まで冷却し、ブロー金型へ移行した後にブロー成形を行うことでバイアル(ボトル部)を製造した。バイアルの総質量を24gとし、層Aの質量をバイアルの総質量の30質量%とした。層Bを構成する樹脂としてはシクロオレフィンポリマー(COP、日本ゼオン株式会社製、商品名:ZEONEX(登録商標) 690R)を使用した。
(バイアルの形状)
全長89mm、外径40mmφ、肉厚1.8mmとした。なお、バイアルの製造には、射出ブロー一体型成形機(UNILOY製、型式:IBS 85、4個取り)を使用した。
(バイアルの成形条件)
層A用の射出シリンダー温度:260℃
層B用の射出シリンダー温度:280℃
射出金型内樹脂流路温度:280℃
ブロー温度:150℃
ブロー金型冷却水温度:15℃
[バイアルの評価]
実施例及び比較例で得られたバイアルの酸素透過率について、以下の方法で測定し評価した。
・バイアルの酸素透過率(OTR)
23℃、成形体外部を空気雰囲気・相対湿度50%、内部を窒素雰囲気・相対湿度100%にて酸素透過率を測定した。測定は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、商品名:OX−TRAN 2−21 ML)を使用した。酸素透過率を連続的に測定し、酸素透過率を縦軸に、時間を横軸にとったとき、酸素透過率が急激に上昇する領域からの接線を時間軸に外挿したときの時間tを、酸素吸収性能保持時間とした。これらの結果を表2に示す。
(実施例2−1)
ポリエステル化合物(1)を直径37mmのスクリューを2本有する2軸押出機に30kg/hの速度で上記材料を供給し、シリンダー温度220℃の条件にて溶融混練を行い、押出機ヘッドからストランドを押し出し、冷却後、ペレタイジングし、酸素吸収性樹脂組成物を得た。層Aを構成する樹脂として前記ポリエステル化合物を用い、バイアルを製造した。次に、得られた多層バイアルに、Co60線源より放出されるガンマ線を室温・空気中で50kGy照射し、バイアルの酸素透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
(実施例2−2〜2−4)
ガンマ線照射線量を表2に示した通りに変更したこと以外は、実施例2−1と同様に行って、多層バイアルの酸素透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
(実施例2−5)
実施例2−1と同様に作製した酸素吸収性多層バイアルに、静電加速器を用いた電子線発生装置より放出される電子線を室温・空気中で50kGy照射し、バイアルの酸素透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
(実施例2−6〜2−8)
電子線照射線量を表2に示した通りに変更したこと以外は、実施例2−5と同様に行って、酸素吸収性多層バイアルのYIと酸素透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例2−1)
ガンマ線照射を行わなかったこと以外は実施例2−1と同様に行って、バイアルの酸素透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例2−2)
前述の多層バイアルの代わりにCOP単層バイアルを用いたこと以外は実施例2−1と同様に行って、酸素透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例2−3)
ガンマ線照射に代わり電子線照射を実施したこと以外は比較例2−2と同様に行って、バイアルの酸素透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例2−4)
前述の多層バイアルの代わりにPET(BK−2180、日本ユニペット株式会社製)の単層バイアルを用いたこと以外は実施例2−1と同様に行って、酸素透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例2−5)
ガンマ線照射に代わり電子線照射を実施したこと以外は比較例2−4と同様に行って、バイアルの酸素透過率を測定した。これらの結果を表2に示す。
Figure 2018016723
上記の実施例の結果より、比較例に比べ放射線照射による酸素吸収性能保持時間は大きく向上していた。

Claims (6)

  1. テトラリン環を構成単位として有する熱可塑性樹脂(a)に放射線を照射し滅菌して得られる、滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂(a)が、下記一般式(1)〜(4)
    Figure 2018016723
    (式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3、nは0〜7の整数を表し、テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Xは芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。)
    からなる群より選択される少なくとも1つのテトラリン環を有する構成単位を含有するポリエステル化合物である、請求項1に記載の滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物。
  3. 前記一般式(1)で表される構成単位が、下記式(5)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項2に記載の滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物。
    Figure 2018016723
  4. 前記放射線が、ガンマ線、X線及び電子線からなる群より選択される少なくとも1種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物。
  5. 前記放射線の照射線量が1kGy以上1000kGy以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の滅菌済み酸素吸収性樹脂組成物。
  6. テトラリン環を構成単位として有する熱可塑性樹脂(a)を含有する層(層A)と、熱可塑性樹脂(b)を含有する層(層B)の少なくとも2層を備える多層体を有する多層容器に放射線を照射し滅菌して得られる、滅菌済み酸素吸収性多層容器。
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