JP2018016551A - ヘテロアセン誘導体、有機半導体層、及び有機薄膜トランジスタ - Google Patents

ヘテロアセン誘導体、有機半導体層、及び有機薄膜トランジスタ Download PDF

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Abstract

【課題】 高いキャリア移動度、高溶解性及び高耐酸化性を持つ塗布型の有機半導体材料である新規なヘテロアセン誘導体、これを用いた有機半導体層及び有機薄膜トランジスタを提供する。【解決手段】 下記一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体。【化1】(ここで、置換基R1〜R6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜20のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数2〜20のアルキニル基を示す。置換基R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜20のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数2〜20のアルキニル基を示す。ただし、置換基R1〜R8が全て同時に水素である場合を除く。T1〜T3は、それぞれ独立して硫黄原子、酸素原子、又はセレン原子を示す。)【選択図】 なし

Description

本発明は、有機半導体材料等の電子材料への展開が可能な新規なヘテロアセン誘導体、これを用いた有機半導体層及び有機薄膜トランジスタに関するものであり、特に優れた電気特性、溶解性及び耐酸化性を併せ持つことから、様々なデバイス作製プロセスに適用可能な新規なヘテロアセン誘導体、これを用いた有機半導体層及び有機薄膜トランジスタに関するものである。
有機薄膜トランジスタに代表される有機半導体デバイスは、省エネルギー、低コスト及びフレキシブルといった無機半導体デバイスにはない特徴を有することから近年注目されている。この有機半導体デバイスは、有機半導体層、基板、絶縁層、電極等の数種類の材料から構成され、中でも電荷のキャリア移動を担う有機半導体層は該デバイスの中心的な役割を有している。そして、有機半導体デバイス性能は、この有機半導体層を構成する有機半導体材料のキャリア移動度により左右されることから、高キャリア移動度を与える有機半導体材料の出現が所望されている。
有機半導体層を作製する方法としては、高温真空下、有機材料を気化させて実施する真空蒸着法、有機材料を適当な溶媒に溶解させその溶液を塗布する塗布法等の方法が一般的に知られている。このうち、塗布法においては、高温高真空条件を要しない印刷技術を用いても実施することができるため、デバイス作製の大幅な製造コストの削減を図ることが期待でき、経済的に好ましいプロセスである。
このような塗布法に使用される有機半導体材料は、印刷プロセスへの適応の観点から、室温で1.0重量%以上の溶解性を持つことが好ましい。また、大気中で安定に動作させるため耐酸化性を持つことが好ましい。
ここで、一般に、低分子系の半導体は、高分子系の半導体と比べて結晶性が高いため高キャリア移動度を発現しやすいことが知られている。しかし、高キャリア移動度、高溶解性及び高耐酸化性を兼ね合わせた低分子系の有機半導体材料はあまり知られていないのが現状である。
現在、低分子系材料としてペンタセンが広く知られている。ペンタセンは高いキャリア移動度を有することが知られているが、溶液状態ではきわめて空気酸化されやすい等耐酸化性に課題を有する。
耐酸化性を有する低分子系材料としてはチオフェン環を有する物質が提案されており、例えば、2,7−ジヘキシルジチエノベンゾジチオフェン(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)、3,10−ジドデシルジナフトチエノチオフェン(例えば、特許文献3参照。)等が提案されている。
しかし、特許文献1及び特許文献2に提案の2,7−ジヘキシルジチエノベンゾジチオフェンは、ドロップキャスト法により0.1cm/V・sの移動度を示すが、室温での溶媒に対する溶解度に課題を有する。また、特許文献3に提案の3,10−ジドデシルジナフトチエノチオフェンは、真空蒸着法により6.1cm/V・sという高い移動度を示すが、60℃におけるトルエンへの溶解度は0.01wt%を下回り、印刷プロセスへの適応は困難である。
一方、その他のチオフェン環を有する物質が開発されており、チエノ[3,2−g:4,5−g’]ビス[1]ベンゾチオフェンの開示がある(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、これまでに無置換体及び4,7位ジアルキル置換体の合成が報告されているが、これらの化合物の有機半導体材料としての性能は不明である。
特表2011/526588号公報 特開2012/209329号公報 特許第5674916号公報
オーガニック レターズ、2015年、17巻、4858〜4861頁
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高キャリア移動度で高溶解性及び高耐酸化性を持つ新規な塗布型の有機半導体材料を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討の結果、新規なヘテロアセン誘導体を用いることにより、高キャリア移動度を与えると共に、高溶解性、及び高耐酸化性を持つ有機薄膜トランジスタが得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示されることを特徴とするヘテロアセン誘導体、これを用いた有機半導体層、及びその有機半導体層を用いてなる有機薄膜トランジスタに関するものである。
Figure 2018016551
(ここで、置換基R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜20のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数2〜20のアルキニル基を示す。置換基R及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜20のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数2〜20のアルキニル基を示す。ただし、置換基R〜Rが全て同時に水素である場合を除く。T〜Tは、それぞれ独立して硫黄原子、酸素原子、又はセレン原子を示す。)
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるヘテロアセン誘導体は上記一般式(1)で示される誘導体であり、置換基R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜20のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数2〜20のアルキニル基を示す。置換基R及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜20のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数2〜20のアルキニル基を示す。ただし、置換基R〜Rが全て同時に水素である場合を除く。T〜Tは、それぞれ独立して硫黄原子、酸素原子、又はセレン原子を示す。
本発明のヘテロアセン誘導体は、高移動度及び高溶解性を示すヘテロアセン誘導体となるという観点から、下記一般式(2)で示されるヘテロアセン骨格の2位、3位、8位、及び9位に置換基が導入されていることが好ましく、中でも、特に移動度及び高溶解性を示すヘテロアセン誘導体となることから、2位、3位、8位及び9位にのみ置換基が導入されていることがさらに好ましく、2位及び9位にのみ置換基が導入されていることが特に好ましい。
Figure 2018016551
さらに、本発明において、ヘテロアセン骨格の2位、3位、8位、及び9位に置換基を導入する場合、該置換基の種類としては、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましい。本発明では、該置換基を導入することにより剛直なヘテロアセン縮合多環骨格間での強固なπ−π相互作用に加え、ヘテロアセン縮合多環骨格長軸方向に付随したアルキル側鎖間の凝集効果により良好な分子配列が可能となり、より良好なキャリア移動度の発現が可能となる。また同時に、屈曲したヘテロアセン縮合多環骨格及びアルキル側鎖の自由度により、より高い溶解性の発現が可能となる。これにより、より高いキャリア移動度及びより高い溶解性を併せ持つ有機半導体材料が可能となる。
置換基R〜R並びにR及びRにおけるハロゲンは、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等が挙げれられ、反応性が高いことから臭素、ヨウ素が好ましい。
置換基R〜Rにおける炭素数1〜20のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコサニル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘプチル基、3−エチルデシル基等の直鎖又は分岐アルキル基等が挙げられる。そして、その中でも特に高移動度及び高溶解性を示すヘテロアセン誘導体となることから、炭素数3〜10のアルキル基が好ましく、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基であることがさらに好ましい。
置換基R〜R並びにR及びRにおける炭素数1〜20のアシル基は、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、ノナデカノイル基、イコサノイル基、2−エチルヘキサノイル基、3−エチルヘプタノイル基、3−エチルデカノイル基等の直鎖又は分岐アシル基等が挙げられる。そして、その中でも特に高移動度及び高溶解性を示すヘテロアセン誘導体となることから、炭素数3〜10のアシル基が好ましく、ブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基であることがさらに好ましい。
置換基R〜R並びにR及びRにおける炭素数4〜20のアリール基は、例えば、フェニル基、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−(n−プロピル)フェニル基、p−(n−ブチル)フェニル基、p−(n−ペンチル)フェニル基、p−(n−ヘキシル)フェニル基、p−(n−ヘプチル)フェニル基、p−(n−オクチル)フェニル基、p−(n−ノニル)フェニル基、p−(n−デシル)フェニル基、p−(2−エチルヘキシル)フェニル基等のアルキル置換フェニル基;2−フリル基、2−チエニル基等の無置換カルコゲノフェン基;5−フルオロ−2−フリル基、5−メチル−2−フリル基、5−エチル−2−フリル基、5−(n−プロピル)−2−フリル基、5−(n−ブチル)−2−フリル基、5−(n−ペンチル)−2−フリル基、5−(n−ヘキシル)−2−フリル基、5−(n−オクチル)−2−フリル基、5−(n−デシル)−2−フリル基、5−(2−エチルヘキシル)−2−フリル基、5−フルオロ−2−チエニル基、5−メチル−2−チエニル基、5−エチル−2−チエニル基、5−(n−プロピル)−2−チエニル基、5−(n−ブチル)−2−チエニル基、5−(n−ペンチル)−2−チエニル基、5−(n−ヘキシル)−2−チエニル基、5−(n−オクチル)−2−チエニル基、5−(n−デシル)−2−チエニル基、5−(2−エチルヘキシル)−2−チエニル基等の置換型カルコゲノフェン基を挙げることができる。
置換基R〜R並びにR及びRにおける炭素数2〜20のアルケニル基は、例えば、エテニル基、n−プロペニル基、n−ブテニル基、n−ペンテニル基、n−ヘキセニル基、n−ヘプテニル基、n−オクテニル基、n−ノネル基、n−デセニル基、n−ウンデセニル基、n−ドデセニル基、n−トリデセニル基、n−テトラデセニル基、n−ペンタデセニル基、n−ヘキサデセニル基、n−ヘプタデセニル基、n−オクタデセニル基、n−ノナデセニル基、n−イコセニル基等のアルケニル基が挙げられる。
置換基R〜R並びにR及びRにおける炭素数2〜20のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、n−プロピニル基、n−ブチニル基、n−ペンチニル基、n−ヘキシニル基、n−ヘプチニル基、n−オクチニル基、n−ノニニル基、n−デシニル基、n−ウンデシニル基、n−ドデシニル基、n−トリデシニル基、n−テトラデシニル基、n−ペンタデシニル基、n−ヘキサデシニル基、n−ヘプタデシニル基、n−オクタデシニル基、n−ノナデシニル基、n−イコシニル基等のアルキニル基が挙げられる。
本発明において、置換基R〜Rが全て同時に水素である場合、剛直なヘテロアセン縮合多環骨格間での強固なπ−π相互作用のため、溶解度が小さくなるものである。このため、本発明では、置換基R〜Rが全て同時に水素である場合が除かれる。
本発明において、置換基R〜Rにおける置換基の種類としては、高移動度のため、水素である場合が好ましい。また置換基R〜Rにおける置換基の種類としては、高移動度のため、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜20のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基からなる群から選ばれる場合が好ましく、高移動度及び高溶解性の両立のため、R〜Rが炭素数1〜20のアルキル基であることがさらに好ましく、R及びRが炭素数1〜20のアルキル基であって、R及びRが水素であることがさらに好ましい。
本発明の上記一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体のT〜Tは、それぞれ独立して硫黄原子、酸素原子、又はセレン原子を示す。そして、本発明では、炭素原子と比べ電気陰性度の高い硫黄原子、酸素原子、またはセレン原子が縮合環骨格中に導入されていることで、HOMOレベルが低下し、耐酸化性が向上しているものである。
本発明において、T〜Tは、特に高移動度のため、硫黄原子であることが好ましい。
本発明で用いられるヘテロアセン誘導体の具体的例示としては、以下のものを挙げることができる。
Figure 2018016551
Figure 2018016551
Figure 2018016551
Figure 2018016551
Figure 2018016551
Figure 2018016551
Figure 2018016551
なお、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体としては、より高い移動度、より高い溶解性、及びより高い耐酸化性のため、R及びRが炭素数4〜8の直鎖アルキル鎖、R〜Rが水素、並びにT〜Tが硫黄であるヘテロアセン誘導体(化合物1〜化合物5)が好ましい。
本発明で用いられるヘテロアセン誘導体の製造方法としては、該ヘテロアセン誘導体を製造することが可能であれば如何なる製造方法を用いることも可能である。例えば、置換基R及びRが炭素数2〜20のアルキル基、並びに置換基R〜Rが水素であるヘテロアセン誘導体を製造する場合、上記非特許文献1に記載の手法(下記反応スキーム(A)〜(F)の工程を経る製造方法)により無置換ヘテロアセンを製造し、その後下記(G)及び(H)の工程を経る製造方法によりヘテロアセン誘導体(下記反応スキーム中の化合物(1a))を製造することができる。
Figure 2018016551
(ここで、置換基R及びRは、それぞれ独立して、炭素数2〜20のアルキル基を示し、置換基Rは、炭素数1〜19のアルキル基を示す。Tは、硫黄原子、酸素原子、又はセレン原子を示す。)
ここで、(G)及び(H)工程の詳細を以下に示す。
(G)工程は、触媒として塩化アルミニウムの存在下、無置換ヘテロアセンと塩化アシル化合物とのフリーデルクラフツアシル化反応により、ジアシルヘテロアセンを製造する工程である。
該塩化アシル化合物としては、例えば、塩化ホルミル、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチリル、塩化イソブチリル、塩化バレロイル、塩化ヘキサノイル、塩化ヘプタノイル、塩化オクタノイル、塩化2−エチルヘキサノイル、塩化ノニノイル、塩化デカノイル、塩化ドデカノイル、塩化テトラデカノイル等を挙げることができる。
該フリーデルクラフツアシル化反応は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエン等の溶媒中、0℃〜40℃の温度範囲で行うことができる。
(H)工程は、ジアシルヘテロアセンを還元反応に供し、ヘテロアセン誘導体を製造する工程である。
ジアシルヘテロアセンの還元反応は、例えば、還元剤として水素化ホウ素ナトリウム/塩化アルミニウム、又は水素化リチウムアルミニウム/塩化アルミニウムを用い、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、又はメチルターシャリーブチルエーテルの溶媒中、−10℃〜80℃の温度範囲で行うことができる。また、例えば、還元剤としてヒドラジンを用い、ジエチレングルコール、エチレングリコール又はトリエチレングリコール中、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム存在下、80℃〜250℃の温度範囲で行うこともできる。
さらに、製造したヘテロアセン誘導体は、カラムクロマトグラフィー等に供することにより精製することができ、その際の分離剤としては、例えば、シリカゲル、活性アルミナ、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム等を挙げることができる。
製造したヘテロアセン誘導体は、活性炭、ゼオライト、活性白土等に供することにより溶液中で脱色精製することができ、このときの溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム等を挙げることができる。
また、製造したヘテロアセン誘導体は、さらに再結晶により精製してもよく、再結晶の回数としては、純度及び収率向上のため、好ましくは2〜5回である。再結晶に用いる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等を挙げることができ、これらの任意の割合の混合物であってもよい。再結晶法としては、加熱によりヘテロアセン誘導体の溶液を調製し(その際の溶液の濃度は、不純物を効率よく除去するため、0.01〜10.0重量%の範囲が好ましく、0.05〜5.0重量%の範囲がさらに好ましい。)、該溶液を冷却することでヘテロアセン誘導体の結晶を析出させ単離するが、単離する際の最終的な冷却温度は、純度及び回収率向上のため、−20℃から40℃の範囲にあることが好ましい。なお、純度を測定する際には液体クロマトグラフィーにより分析することが可能である。
本発明のヘテロアセン誘導体は、適当な溶媒に溶解させることで有機半導体層形成用溶液とすることができる。該溶媒としては、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を溶解することが可能な溶媒であれば如何なる溶媒を使用してもよく、有機半導体層を形成する際、溶媒の乾燥速度を好適なものとすることができることから、常圧での沸点が100℃以上である有機溶媒が好ましい。
本発明で用いることが可能な溶媒として、特に制限はなく、例えば、トルエン、メシチレン、o−キシレン、イソプロピルベンゼン、ペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、テトラリン、インダン等の芳香族炭化水素類;アニソール、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール、2,6−ジメチルアニソール、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、1,2−メチレンジオキシベンゼン、1,2−エチレンジオキシベンゼン等の芳香族エーテル類;クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化合物;シクロヘキサノン、オクタン、デカン、ドデカン、デカリン等の飽和炭化水素類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコール類;酢酸フェニル、シクロヘキサノールアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類などを挙げられることができ、その中でも適度な乾燥速度を持つことから、好ましくはトルエン、o−キシレン、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、テトラリン、インダン、アニソール、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール、2,6−ジメチルアニソール、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、1,2−メチレンジオキシベンゼン、1,2−エチレンジオキシベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼンであり、さらに好ましくは、トルエン、o−キシレン、メシチレン、テトラリン、インダン、アニソール、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール、2,6−ジメチルアニソールである。
なお、本発明で用いる溶媒は、1種類の溶媒を単独で使用、または沸点、極性、溶解度パラメーターなど性質の異なる溶媒を2種類以上混合して使用することが可能である。
一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を溶媒に混合溶解する際の温度としては、溶解を促進させる目的のため、0〜80℃の温度範囲で行うことが好ましく、10〜60℃の温度範囲で行うことが更に好ましい。
また、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を有機溶媒に溶解混合する時間は、均一溶液を得るため、1分〜1時間で溶解することが好ましい。
本発明では本発明の有機半導体層形成用溶液における一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の濃度が0.1〜10.0重量%の範囲であると、取り扱いが容易になり、有機半導体層を形成する際の効率により優れるものとなる。また、有機半導体層形成用溶液の粘度が0.3〜10mPa・sの範囲であると、より好適な塗工性を発現するものとなる。
なお該溶液は、該ヘテロアセン誘導体自体が適度の凝集性を有することから比較的に低温で調製することが可能、且つ耐酸化性があることから、塗布法による有機薄膜の製造に好適に適用できる。即ち、雰囲気から空気を除く必要がないことから塗布工程を簡略化することができる。さらに該溶液は、例えば、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリビニルナフタレン、エチレン−ノルボルネンコポリマー、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリアリールアミン、ポリフルオレン等のポリマーをバインダーとして存在させることもできる。これらのポリマーバインダーの濃度は、適度な溶液の粘度のため、0.1〜10.0重量%であることが好ましい。また、ポリマーをバインダーとして存在させるときの溶液は、優れた塗布性を有することから、0.5〜50mPa・sの範囲の粘度にあることが好ましい。
本発明の有機半導体層形成用溶液を用いて有機半導体層を形成する際の塗布方法としては、有機半導体層を形成可能な方法であれば特に制限はなく、例えば、スピンコート、ドロップキャスト、ディップコート、キャストコート等の簡易塗工法;ディスペンサー、インクジェット、スリットコート、ブレードコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等の印刷法を挙げることができ、中でも容易に効率よく有機半導体層とすることが可能となることから、スピンコート、インクジェットであることが好ましい。
本発明の有機半導体層形成用溶液を塗布後、溶媒を乾燥除去することにより有機半導体層を形成することが可能である。
塗布した有機半導体層から溶媒を乾燥除去する際、乾燥する条件に特に制限はなく、例えば、常圧下、又は減圧下で溶媒の乾燥除去を行うことが可能である。
塗布した有機半導体層から有機溶媒を乾燥除去する温度に特に制限はないが効率よく塗布した有機半導体層から有機溶媒を乾燥除去することができ、有機半導体層を形成することが可能であるため、10〜150℃の温度範囲で行うことが好ましい。
塗布した有機半導体層から有機溶媒を乾燥除去する際、除去する有機溶媒の気化速度を調節することで、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の結晶成長を制御することが可能である。
本発明の有機半導体層形成用溶液により形成される有機半導体層の膜厚に制限はなく、良好なキャリア移動が得られることから、1nm〜1μmの範囲であることが好ましく、10nm〜300nmの範囲であることが更に好ましい。
また、得られる有機半導体層は、有機半導体層を形成後、40〜180℃でアニール処理を行ってもよい。
本発明の有機半導体層形成用溶液より形成される有機半導体層は、有機半導体デバイス、特に有機薄膜トランジスタの有機半導体層として使用することが可能である。
有機薄膜トランジスタは、基板上に、ソース電極及びドレイン電極を付設した有機半導体層とゲート電極とを絶縁層を介し積層することにより得ることができ、該有機半導体層に本発明の有機半導体層形成用溶液により形成した有機半導体層を用いることにより、優れた半導体・電気特性を発現する有機薄膜トランジスタとすることが可能である。
図1に一般的な有機薄膜トランジスタの断面形状による構造を示す。ここで、(A)は、ボトムゲート−トップコンタクト型、(B)は、ボトムゲート−ボトムコンタクト型、(C)は、トップゲート−トップコンタクト型、(D)は、トップゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタであり、1は有機半導体層、2は基板、3はゲート電極、4はゲート絶縁層、5はソース電極、6はドレイン電極を示し、本発明の有機半導体層形成用溶液より形成される有機半導体層は、いずれの有機薄膜トランジスタにも適用することが可能である。
本発明に係る基板としては特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、フッ素化環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリ(ジイソプロピルフマレート)、ポリ(ジエチルフマレート)、ポリ(ジイソプロピルマレエート)、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、セルローストリアセテート等のプラスチック基板;ガラス、石英、酸化アルミニウム、シリコン、ハイドープシリコン、酸化シリコン、二酸化タンタル、五酸化タンタル、インジウム錫酸化物等の無機材料基板;金、銅、クロム、チタン、アルミニウム等の金属基板等を挙げることができる。なお、ハイドープシリコンを基板に用いた場合、その基板はゲート電極を兼ねることができる。
本発明に係るゲート電極としては特に制限はなく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ハイドープシリコン、スズ酸化物、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物、クロム、チタン、タンタル、グラフェン、カーボンナノチューブ等の無機材料;ドープされた導電性高分子(例えばPEDOT−PSS)等の有機材料を挙げることができる。
また、上記の無機材料は、金属のナノ粒子インクとしても差し支えなく使用することができる。この場合の溶媒は、適度の分散性のため、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等の極性溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン等の炭素数6〜14の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、オクチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、インダン、アニソール、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,2−ジメチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール等の炭素数7〜14の芳香族炭化水素溶媒であることが好ましい。該ナノ粒子インクを塗布後、導電性向上のため、80℃〜200℃の温度範囲でアニール処理することが好ましい。
本発明に係るゲート絶縁層としては特に制限はなく、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、二酸化タンタル、五酸化タンタル、インジウム錫酸化物、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス等の無機材料;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリ(ジイソプロピルフマレート)、ポリ(ジエチルフマレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリけい皮酸エチル、ポリけい皮酸メチル、ポリクロトン酸エチル、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン−コ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリシクロペンタン、ポリシクロヘキサン、ポリシクロヘキサン−エチレン共重合体、ポリフッ素化シクロペンタン、ポリフッ素化シクロヘキサン、ポリフッ素化シクロヘキサン−エチレン共重合体、BCB樹脂(商品名:サイクロテン)、ダウケミカル社製)、Cytop(商標)、Teflon(商標)、パリレンC等のパリレン(商標)類、のポリマー絶縁材料を挙げることができ、製法が簡便であることから、塗布法が適用できるポリマー絶縁材料(ポリマーゲート絶縁層)であることが好ましい。
該ポリマー材料を溶解させるに用いる溶媒としては特に制限がなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン等の炭素数6〜14の脂肪族炭化水素溶媒;THF、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノールアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系溶媒;DMF、NMP等のアミド系溶媒;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコール系溶媒;パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、2−(ペンタフルオロエチル)ヘキサン、3−(ペンタフルオロエチル)ヘプタン等のフッ素化溶媒等が挙げられる。
該ポリマー絶縁材料の濃度は、例えば、20〜40℃の温度において0.1〜10.0重量%である。当該濃度において得られる絶縁層の膜厚に制限はなく、耐絶縁性の観点から、好ましくは100nm〜1μm、さらに好ましくは150nm〜900nmである。
そして、これらのゲート絶縁層の表面は、例えば、オクタデシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、デシルトリメトキシシラン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、β−フェネチルトリクロロシラン、β−フェネチルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン等のシラン類;オクタデシルホスホン酸、デシルホスホン酸、オクチルホスホン酸等のホスホン酸類;ヘキサメチルジシラザン等のシリルアミン類で修飾処理したものであっても使用することができる。一般的にゲート絶縁層の表面処理を行うことにより、有機半導体材料の結晶粒径の増大及び分子配向の向上のため、キャリア移動度、電流オン・オフ比の向上、及び閾値電圧の低下という好ましい結果が得られる。
本発明の有機薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の材料としては特に制限がなく、ゲート電極と同様の材料を用いることができ、ゲート電極の材料と同じであっても異なっていてもよく、異種材料を積層してもよい。また、キャリアの注入効率を上げるために、これらの電極材料に表面処理を実施することもできる。表面処理に用いる表明処理剤としては、例えば、ベンゼンチオール、ペンタフルオロベンゼンチオール、4−フルオロベンゼンチオール、4−メトキシベンゼンチオール等を挙げることができる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、速い動作性のため、キャリア移動度が、0.5cm/V・s以上であることが好ましい。また、高いスイッチ特性のため、電流オン・オフ比が、1.0×10以上であることが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタは、電子ペーパー、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、ICタグ(RFIDタグ)、圧力センサー、バイオセンサー等のトランジスタの有機半導体層用途;有機ELディスプレイ材料;有機半導体レーザー材料;有機薄膜太陽電池材料;フォトニック結晶材料等の電子材料に利用することができ、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体が結晶性の薄膜となるため、有機薄膜トランジスタの半導体層用途として用いられることが好ましい。
本発明の新規なヘテロアセン誘導体は、高いキャリア移動度を与えると共に、高溶解性及び高耐酸化性を持っていることから、塗布で優れた半導体特性を発現する有機薄膜トランジスタを提供することが可能となり、その効果は極めて高いものである。
;有機薄膜トランジスタの断面形状による構造を示す図である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
生成物の同定にはマススペクトル(MS)、ガスクロマトフラフィー−マススペクトル(GCMS)、及び液体クロマトグラフィー−マススペクトル(LCMS)分析を用いた。
<マススペクトル(MS)分析>
装置;日本電子製、(商品名)JEOL JMS−700
MSイオン化;電子衝突(EI)法(70エレクトロンボルト)
試料導入;直接導入
<ガスクロマトグラフィー−マススペクトル分析>
装置;パーキンエルマー製、(商品名)オートシステムXL(MS部;ターボマスゴールド)
カラム;J&Wサイエンティフィック社製、(商品名)DB−1,30m。
MSイオン化;電子衝突(EI)法(70エレクトロンボルト)
<液体クロマトグラフィー−マススペクトル(LCMS)分析>
装置;ブルカー・ダルトニクス、(商品名)microTOF focus
MSイオン化;大気圧化学イオン化(APCI)法
LC条件;下記液体クロマトグラフィー分析の項目に記載の条件
反応の進行の確認等はガスクロマトグラフィー(GC)及び液体クロマトグラフィー(LC)分析を用いた。
<ガスクロマトグラフィー分析>
装置;島津製作所製、(商品名)GC14B
カラム;J&Wサイエンティフィック社製、(商品名)DB−1,30m
ヘテロアセン誘導体の純度測定は液体クロマトグラフィー分析を用いた。
<液体クロマトグラフィー分析>
装置;東ソー製(コントローラー;PX−8020、ポンプ;CCPM−II、デガッサー;SD−8022)
カラム;東ソー製、(商品名)ODS−100V、5μm、4.6mm×250mm
カラム温度;30℃
溶離液;ジクロロメタン:アセトニトリル=2:8(容積比)
流速;1.0ml/分
検出器;UV(東ソー製、(商品名)UV−8020、波長;254nm)。
合成例1(2,5−ビス(3−ブロモチエノ−2−イル)チオフェンの合成)((A)工程)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、2,3−ジブロモチオフェン(東京化成工業)1.87g(7.73mmol)及びジエチルエーテル(脱水グレード)10mlを添加した。この溶液を−78℃に冷却し、ノルマルブチルリチウム(ヘキサン溶液)(関東化学、1.63M)4.74ml(7.73mmol)を滴下し、同温にて1時間熟成した。その後、得られた溶液に別途調製した塩化亜鉛(和光純薬工業)1.05g(7.73mmol)とTHF(脱水グレード)15mlの混合懸濁溶液を、キャヌラー輸送した。得られた混合物を0℃で1時間攪拌し、その後、2,5−ジブロモチオフェン(東京化成工業)624mg(2.58mmol)とジクロロ[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(シグマ−アルドリッチ)113mg(0.155mmol)を添加し、50℃にて20時間攪拌した。容器を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加することで反応を停止させた。ジクロロメタンで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(展開溶媒:ヘキサン)、さらに得られた粗生成物をジクロロメタン/メタノールから再結晶精製し、2,5−ビス(3−ブロモチエノ−2−イル)チオフェンの薄黄色結晶733mgを得た(収率70%)。
MS m/z: 406(M)。
合成例2(2,5−ビス(3−ブロモ−5−イソプロピルシリルチエノ−2−イル)チオフェンの合成)((B)工程)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、ジイソプロピルアミン(東京化成工業)705μl(5.03mmol)及びTHF(脱水グレード)5mlを添加した。この溶液を−78℃に冷却し、ノルマルブチルリチウム(ヘキサン溶液)(関東化学、1.63M)2.64ml(4.31mmol)を滴下し、0℃にて30分間熟成した。これによりLDA溶液を得た。
一方、窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、前工程で得られた2,5−ビス(3−ブロモチエノ−2−イル)チオフェン730mg(1.80mmol)、トリイソプロピルシリルクロリド(和光純薬工業)1.08ml(5.04mmol)、及びTHF(脱水グレード)10mlを添加した。この溶液を−78℃に冷却し、そこに上記で得られたLDA溶液を滴下し、同温にて1時間攪拌した。その後、この混合物を23℃まで昇温させ、そのまま13時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を添加することで反応を停止させ、ジエチルエーテルで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(展開溶媒:ヘキサン)、2,5−ビス(3−ブロモ−5−イソプロピルシリルチエノ−2−イル)チオフェンの黄色結晶1.23gを得た(収率95%)。
MS m/z: 718(M)。
合成例3(2,5−ビス(5−トリイソプロピルシリル−3−(トリメチルシリル)エチニル−チエノ−2−イル)チオフェンの合成)((C)工程)
窒素雰囲気下、100ml封管反応容器に、前工程で得られた2,5−ビス(3−ブロモ−5−イソプロピルシリルチエノ−2−イル)チオフェン1.22g(1.70mmol)、ヨウ化ナトリウム(和光純薬工業)508mg(3.39mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(東京化成工業)119mg(0.170mmol)、ヨウ化銅(和光純薬)47.6mg(0.250mmol)、ピペリジン(東京化成工業)10ml、及びエチニルトリメチルシラン(東京化成工業)11.7ml(84.8mmol)を室温にて添加し、120℃で5日間攪拌した。容器を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加することで反応を停止させた。ジクロロメタンで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をジクロロメタンで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(展開溶媒:ヘキサン)、さらに得られた粗生成物をジクロロメタン/メタノールから再結晶精製し、2,5−ビス(5−トリイソプロピルシリル−3−(トリメチルシリル)エチニル−チエノ−2−イル)チオフェンの黄色結晶895mgを得た(収率70%)。
MS m/z: 752(M)。
合成例4(2,5−ビス[3−(1−エチニル)−5−トリイソプロピルシリル−チエノ−2−イル]チオフェンの合成)((D)工程)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、前工程で得られた2,5−ビス(5−トリイソプロピルシリル−3−(トリメチルシリル)エチニル−チエノ−2−イル)チオフェン890mg(1.18mmol)、炭酸カリウム(和光純薬工業)65.2mg(0.472mmol)、THF(脱水グレード)12ml及びメタノール(脱水グレード)12mlを添加し、21℃で3.5時間攪拌した。得られた混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(展開溶媒:ヘキサン)、2,5−ビス[3−(1−エチニル)−5−トリイソプロピルシリル−チエノ−2−イル]チオフェンの黄色結晶676mgを得た(収率94%)。
MS m/z: 608(M)。
合成例5(2,9−ビス(トリイソプロピルシリル)−チエノ[3,2−g:4,5−g’]ビス[1]ベンゾチオフェンの合成)((E)工程)
窒素雰囲気下、300ml封管反応容器に、前工程で得られた2,5−ビス[3−(1−エチニル)−5−トリイソプロピルシリル−チエノ−2−イル]チオフェン670mg(1.10mmol)、塩化白金(東京化成工業)29.3mg(0.110mmol)、及びトルエン(脱水グレード)110mlを添加し、120℃で24時間攪拌した。容器を室温まで冷却し、得られた混合物をトルエンを溶離液としてセライトろ過に供した。得られた溶液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(展開溶媒:ヘキサン)、2,9−ビス(トリイソプロピルシリル)−チエノ[3,2−g:4,5−g’]ビス[1]ベンゾチオフェンの無色透明結晶268mg(0.440mmol)を得た(収率40%)。
MS m/z: 608(M)。
合成例6 (無置換ヘテロアセン(チエノ[3,2−g:4,5−g’]ビス[1]ベンゾチオフェン)の合成)((F)工程)
窒素雰囲気下、200mlシュレンク反応容器に、前工程で得られた2,9−ビス(トリイソプロピルシリル)−チエノ[3,2−g:4,5−g’]ビス[1]ベンゾチオフェン260mg(0.427mmol)、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム・3水和物(和光純薬工業)539mg(1.71mmol)、及びTHF(脱水グレード)40mlを添加し、23℃で2時間攪拌した。得られた混合物を水に注いで反応を停止させた。ジエチルエーテルで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(展開溶媒:ヘキサン)、無置換ヘテロアセンの無色透明結晶120mgを得た(収率98%)。
MS m/z: 296(M)。
実施例1(ジアシルヘテロアセンの合成)((G)工程)
100ml三口フラスコに合成例6で合成した無置換ヘテロアセン120mg(0.405mmol)及びジクロロメタン(脱水グレード)13mlを添加した。この混合物を氷冷し、塩化アルミニウム(和光純薬工業)189mg(1.42mmol)及び塩化ヘキサノイル(シグマ−アルドリッチ)170mg(1.26mmol)を添加した。得られた混合物を室温で50時間攪拌後、氷冷し水を添加することで反応を停止させた。得られた混合物を加熱し、ジクロロメタンを留去した。得られた黄色スラリー液を濾過し、黄色固体を水、1M塩酸、水、及びメタノールで洗浄後、減圧乾燥し、ジアシルヘテロアセンの黄色固体120mgを得た(収率60%)。
MS m/z: 492(M)。
実施例2(ヘテロアセン誘導体(化合物3)の合成)((H)工程)
窒素雰囲気下、100ml三口フラスコに実施例1で合成したジアシルヘテロアセン115mg(0.233mmol)及びTHF(脱水グレード)10mlを添加した。この混合物を氷冷し、塩化アルミニウム(和光純薬工業)156mg(1.17mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業)91.9mg(2.43mmol)の順に添加した。この混合物を加熱還流下で9時間攪拌後、水冷し水を添加して反応を停止させた。トルエンで抽出し、有機相を1M塩酸、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(展開溶媒:ヘキサン/トルエン=10/1)、さらに得られたヘキサン/トルエン=3/1から3回再結晶精製し、ヘテロアセン誘導体(化合物3)の薄黄色結晶65mgを得た(収率60%)。
得られたヘテロアセン誘導体(化合物3)の純度は液体クロマトグラフィーより99.1%であった。
LCMS m/z: 465(M+1,100%)
実施例3(ジアシルヘテロアセンの合成)((G)工程)
実施例1で用いた塩化ヘキサノイルの代わりに、塩化ブチリル(シグマ−アルドリッチ)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ジアシルヘテロアセンの黄色固体を収率75%で得た。
実施例4(ヘテロアセン誘導体(化合物1)の合成)((H)工程)
実施例1で合成したジアシルヘテロアセンの代わりに、実施例3で合成したジアシルヘテロアセンを用いた以外は、実施例2と同様の方法により、ヘテロアセン誘導体(化合物1)の薄黄色結晶を収率58%で得た。
実施例5(ジアシルヘテロアセンの合成)((G)工程)
実施例1で用いた塩化ヘキサノイルの代わりに、塩化オクタノイル(シグマ−アルドリッチ)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ジアシルヘテロアセンの黄色固体を収率80%で得た。
実施例6(ヘテロアセン誘導体(化合物5)の合成)((H)工程)
実施例1で合成したジアシルヘテロアセンの代わりに、実施例5で合成したジアシルヘテロアセンを用いた以外は、実施例2と同様の方法により、ヘテロアセン誘導体(化合物5)の薄黄色結晶を収率60%で得た。
実施例7
(有機半導体層形成用溶液の調製)
空気下、10mlサンプル管に、実施例2で得られたヘテロアセン誘導体(化合物3)13.5mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)1.34gを添加し、50℃に加熱溶解後、室温下(25℃)に12時間放置した。結晶の析出は見られず1.0重量%の溶液状態を保持していたことから、印刷プロセスに適した材料であることを確認した。
また、耐酸化性の確認のため、該溶液の作製直後と外気に接触させた後の純度について確認を行った。該溶液作製直後の化合物の純度は液体クロマトグラフィーより99.1%であった。該溶液を外気に接触させ、70℃で撹拌後、液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ純度の低下は観測されず、耐酸化性を有することが確認できた。
(有機半導体層の作製)
空気下、10mlサンプル管に、実施例2で得られたヘテロアセン誘導体(化合物3)1.5mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)0.75gを添加し、40℃に加熱し溶液を調製した(0.20重量%)。
空気下、直径2インチのn型にハイドープしたシリコン基板(ミヨシ、抵抗値;0.004Ω、表面に200nmのシリコン酸化膜付き)上に、得られた溶液0.5mlをシリンジに充填し、0.2μmのフィルターを通した溶液をドロップキャストした。室温下(25℃)で自然乾燥し、膜厚54nmのヘテロアセン誘導体(化合物3)の薄膜を作製した。
(有機薄膜トランジスタの作製)
該有機薄膜にチャネル長50μm、チャネル幅500μmのシャドウマスクを置き、金を真空蒸着することで電極を形成し、ボトムゲート−トップコンタクト型のp型有機薄膜トランジスタを作製した。
作製した有機薄膜トランジスタの電気物性を半導体パラメーターアナライザー(ケースレー4200SCS)を用いて、ドレイン電圧(Vd=−80V)で、ゲート電圧(Vg)を+5〜−80Vまで1V刻みで走査し、伝達特性の評価を行った。正孔のキャリア移動度は0.75cm/V・s、電流オン・オフ比は1.5×10であった。
実施例8
(有機半導体層形成用溶液の調製)
空気下、10mlサンプル管に、実施例6で得られたヘテロアセン誘導体(化合物5)12.9mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)1.28gを添加し、50℃に加熱溶解後、室温下(25℃)に12時間放置した。結晶の析出は見られず1.0重量%の溶液状態を保持していたことから、印刷プロセスに適した材料であることを確認した。
また、耐酸化性の確認のため、該溶液の作製直後と外気に接触させた後の純度について確認を行った。該溶液作製直後の化合物の純度は液体クロマトグラフィーより99.0%であった。該溶液を外気に接触させ、70℃で撹拌後、液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ純度の低下は観測されず、耐酸化性を有することが確認できた。
(有機半導体層の作製)
空気下、10mlサンプル管に、実施例6で得られたヘテロアセン誘導体(化合物5)1.5mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)0.75gを添加し、40℃に加熱し溶液を調製した(0.20重量%)。
空気下、直径2インチのn型にハイドープしたシリコン基板(ミヨシ、抵抗値;0.001〜0.004Ω、表面に200nmのシリコン酸化膜付き)上に、得られた溶液0.5mlをシリンジに充填し、0.2μmのフィルターを通した溶液をドロップキャストした。室温下(25℃)で自然乾燥し、膜厚49nmのヘテロアセン誘導体(化合物5)の薄膜を作製した。
(有機薄膜トランジスタの作製)
実施例7と同様の方法により、ボトムゲート−トップコンタクト型のp型有機薄膜トランジスタを作製した。
正孔のキャリア移動度は0.67cm/V・s、電流オン・オフ比は1.2×10であった。
比較例1
(有機半導体の合成)
上記非特許文献1に記載の製造手法により、無置換ヘテロアセン(チエノ[3,2−g:4,5−g’]ビス[1]ベンゾチオフェン)を得た。
(有機半導体層形成用溶液の調製)
空気下、10mlサンプル管に、上記無置換ヘテロアセン13.5mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)1.34gを添加し、50℃に加熱溶解後、室温下(25℃)に12時間放置した(無置換ヘテロアセンの濃度は1.0重量%)。結晶の析出が見られ、溶解度に対する問題が確認され、印刷プロセスに適した材料でないことを確認した。
比較例2
(有機半導体の合成)
上記非特許文献1に記載の製造手法により、ヘテロアセン誘導体(4,7−ジヘキシル−チエノ[3,2−g:4,5−g’]ビス[1]ベンゾチオフェン)を得た。
(有機半導体層形成用溶液の調製)
空気下、10mlサンプル管に、上記ヘテロアセン誘導体13.5mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)1.34gを添加し、50℃に加熱溶解後、室温下(25℃)に24時間放置した。結晶の析出は見られず1.0重量%の溶液状態を保持していたことから、印刷プロセスに適した材料であることを確認した。
(有機半導体層の作製)
空気下、10mlサンプル管に、上記ヘテロアセン誘導体1.5mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)0.75gを添加し、40℃に加熱し溶液を調製した(0.20重量%)。
空気下、直径2インチのn型にハイドープしたシリコン基板(ミヨシ、抵抗値;0.004Ω、表面に200nmのシリコン酸化膜付き)上に、得られた溶液0.5mlをシリンジに充填し、0.2μmのフィルターを通した溶液をドロップキャストした。室温下(25℃)で自然乾燥し、膜厚60nmのヘテロアセン誘導体の薄膜を作製した。
(有機薄膜トランジスタの作製)
実施例7と同様の方法により、ボトムゲート−トップコンタクト型のp型有機薄膜トランジスタを作製し、伝達特性の評価を行ったが、正孔のキャリア移動度は5.0×10−4cm/V・sときわめて低い値を示した。
本発明の有機薄膜トランジスタは、高いキャリア移動度を与えると共に、溶解性及び耐酸化性に優れることから有機薄膜トランジスタに代表される半導体デバイス材料としての適用が期待できる。
(A):ボトムゲート−トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(B):ボトムゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(C):トップゲート−トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(D):トップゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ
1:有機半導体層
2:基板
3:ゲート電極
4:ゲート絶縁層
5:ソース電極
6:ドレイン電極

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体。
    Figure 2018016551
    (ここで、置換基R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜20のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数2〜20のアルキニル基を示す。置換基R及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜20のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数2〜20のアルキニル基を示す。ただし、置換基R〜Rが全て同時に水素である場合を除く。T〜Tは、それぞれ独立して硫黄原子、酸素原子、又はセレン原子を示す。)
  2. 置換基R〜Rが、水素であることを特徴とする請求項1に記載のヘテロアセン誘導体。
  3. 置換基R〜Rが、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜20のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘテロアセン誘導体。
  4. 置換基R及びRが、水素であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のヘテロアセン誘導体。
  5. 〜Tが硫黄原子であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のヘテロアセン誘導体。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のヘテロアセン誘導体を溶媒に溶解することで得られることを特徴とする有機半導体層形成用溶液。
  7. 請求項6に記載の有機半導体層形成用溶液を用いて得られることを特徴とする有機半導体層。
  8. 請求項7に記載の有機半導体層を用いて得られることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115210239A (zh) * 2020-03-04 2022-10-18 东曹株式会社 芳香族化合物、有机半导体层和有机薄膜晶体管

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