JP2018015743A - 光触媒 - Google Patents

光触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP2018015743A
JP2018015743A JP2016150134A JP2016150134A JP2018015743A JP 2018015743 A JP2018015743 A JP 2018015743A JP 2016150134 A JP2016150134 A JP 2016150134A JP 2016150134 A JP2016150134 A JP 2016150134A JP 2018015743 A JP2018015743 A JP 2018015743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
titanium oxide
particles
oxide compound
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016150134A
Other languages
English (en)
Inventor
和人 佐藤
Kazuto Sato
和人 佐藤
水野 宏昭
Hiroaki Mizuno
宏昭 水野
一志 都築
Kazushi Tsuzuki
一志 都築
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimi Inc
Original Assignee
Fujimi Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujimi Inc filed Critical Fujimi Inc
Priority to JP2016150134A priority Critical patent/JP2018015743A/ja
Publication of JP2018015743A publication Critical patent/JP2018015743A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)
  • Glanulating (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)

Abstract

【課題】優れた吸着性能及び光触媒性能を有しつつ、粒子の崩壊が抑制された優れた耐久性を有する光触媒の提供。
【解決手段】酸化チタン化合物を含み、顆粒強度が5〜300MPaである光触媒。更に吸着剤としてゼオライトを含むことが好ましい光触媒。平均二次粒子径が10〜5000μmでありアスペクト比が1.45であることが好ましい、光触媒。望ましくは、水質浄化用に用いられる光触媒。酸化チタン化合物を含む原料粒子を造粒し二次粒子を得た後、前記原料粒子を構成する最も融点が低い材料の融点の4〜7割の温度で、かつ1〜50時間の時間で焼結する、光触媒の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光触媒に関する。
近年、酸化チタンなどの光触媒が、広く利用されている。光触媒の光エネルギーにより励起された活性を利用して、種々の有害物質を分解したり、または光触媒粒子を含む表面層が形成された部材表面を親水化して、表面に付着した汚れを容易に水で洗い流したりすることが可能となる。また、酸化チタンなどの光触媒の利用により、NOxなどの種々の有害物質、さらには細菌、ウイルス等を分解することも行われている。
たとえば、特許文献1には、バインダ含有液中に天然ゼオライト粉砕物と二酸化チタン粉末を加えて得られたスラリーを噴霧乾燥により造粒してなる、異成分からなる複合粒子が開示されている。特許文献1では、かような複合粒子は、良好な吸着性能および光触媒性能を有するとしている。
特開2005−185941号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、複合粒子自体が崩壊しやすく耐久性が低いという問題があった。
そこで本発明は、優れた吸着性能および光触媒性能を有しつつ、粒子の崩壊が抑制された優れた耐久性を有する光触媒を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者らは鋭意研究を積み重ねた。その結果、酸化チタン化合物を含み、顆粒強度が5MPa以上300MPa以下である光触媒により、上記課題が解決されうることを見出した。そして、上記知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、優れた吸着性能および光触媒性能を有しつつ、粒子の崩壊が抑制された優れた耐久性を有する光触媒が提供される。
本発明は、酸化チタン化合物を含み、顆粒強度が5MPa以上300MPa以下である光触媒である。かような構成を有することにより、本発明の光触媒は、優れた吸着性能および光触媒性能を有しつつ、粒子の崩壊が抑制された優れた耐久性を有する。
本発明の光触媒の顆粒強度は、5MPa以上300MPa以下である。顆粒強度が5MPa未満であると、粒子が崩壊しやすい。一方、顆粒強度が300MPaを超えると、吸着性能および光触媒性能が低下する。本発明の光触媒の顆粒強度の下限は、好ましくは10MPa以上である。また、本発明の光触媒の顆粒強度の上限は、好ましくは100MPa以下、より好ましくは50MPa以下である。
本明細書において、光触媒の顆粒強度は、電磁力負荷方式の圧縮試験機を用いて測定される破壊強度を採用することができる。具体的には、加圧圧子と加圧板との間に一つの光触媒粒子を固定し、電磁力により加圧圧子と加圧板との間に一定の増加割合で圧縮の負荷力を与えていく。圧縮は定負荷速度圧縮方式で行い、その際の測定試料の変形量を測定していく。測定した試料の変形特性結果を専用のプログラムで処理することで、光触媒の顆粒強度を計算することができる。本明細書において、光触媒の顆粒強度は、任意の10個の光触媒粒子について、微小圧縮試験装置(株式会社島津製作所製、MCT−500)を用いて測定した顆粒強度の算術平均値を採用することができる。具体的には、各光触媒粒子について、圧縮試験にて得られた臨界荷重(圧子の変位量が急激に増加する時点において光触媒粒子に加えられた圧縮荷重の大きさ)をL[N]、平均二次粒子径をd[mm]としたとき、光触媒粒子の顆粒強度σ[MPa]は、下記式で算出される。
該顆粒強度は、後述する光触媒の製造方法における焼結温度、焼結時間等を調節することにより制御することができる。
さらに、本発明の光触媒の構成を詳細に説明する。
[酸化チタン化合物]
本発明の光触媒は、酸化チタン化合物を含む。酸化チタン化合物としては、酸化チタン(チタニア)の他、酸化チタンにリン酸を結合させたリン酸チタニアも用いることができる。酸化チタン(チタニア)は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のいずれの結晶構造であってもよいが、アナターゼ型結晶構造が好ましい。
本発明の光触媒は、酸化チタン化合物の他に、酸化チタン化合物以外の光触媒活性を有する無機酸化物を含んでいてもよく、その種類は特に制限されない。このような無機酸化物の例としては、たとえば、ZnO、SrTiO、BaTiO、BaTiO、BaTi、KNbO、Nb、Fe、Ta、KTaSi、WO、SnO、Bi、BiVO、NiO、CuO、RuO、CeO;Ti、Nb、Ta、およびVからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(例えば、特開昭62−074452号公報、特開平02−172535号公報、特開平07−024329号公報、特開平08−089799号公報、特開平08−089800号公報、特開平08−089804号公報、特開平09−248465号公報、特開平10−099694号公報、特開平10−244165号公報等)が挙げられる。
酸化チタン化合物は市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。酸化チタン(チタニア)の合成方法の例を挙げると、たとえば、(1)硫酸チタニルまたは塩化チタンの水溶液を加熱することなく、これに塩基を加えることにより沈殿物を得て、この沈殿物を焼成する方法;(2)チタンアルコキシドに水、酸性水溶液、塩基性水溶液などを加えて沈殿物を得て、この沈殿物を焼成する方法;(3)メタチタン酸(HTiO、TiO(OH)、β−水酸化チタン)を焼成する方法;などが挙げられる。これらの方法で得られる酸化チタンは、焼成する際の焼成温度や焼成時間を調整することにより、アナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル型など所望の結晶型にすることができる。
また、酸化チタン化合物としては、上記の他にも、特開2001−72419号公報、特開2001−190953号公報、特開2001−316116号公報、特開2001−322816号公報、特開2002−29749号公報、特開2002−97019号公報、国際公開第01/10552号、特開2001−212457号公報、特開2002−239395号公報、国際公開第03/080244号、国際公開第02/053501号、特開2007−69093号公報、Chemistry Letters, Vol.32, No.2, P.196−197(2003)、Chemistry Letters, Vol.32, No.4, P.364−365(2003)、Chemistry Letters, Vol.32, No.8, P.772−773(2003)、Chem. Mater., 17, P.1548−1552(2005)などに記載の酸化チタンを用いてもよい。また、酸化チタン化合物は、特開2001−278625号公報、特開2001−278626号公報、特開2001−278627号公報、特開2001−302241号公報、特開2001−335321号公報、特開2001−354422号公報、特開2002−29750号公報、特開2002−47012号公報、特開2002−60221号公報、特開2002−193618号公報、特開2002−249319号公報などに記載の方法により得ることもできる。
酸化チタン化合物の平均一次粒子径(定方向平均径)の下限は、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、0.5μm以上であることがさらに好ましい。また、酸化チタン化合物の平均一次粒子径(定方向平均径)の上限は、5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。酸化チタン化合物の平均一次粒子径(定方向平均径)がこのような範囲であれば、光触媒活性が高く、吸着性に優れる粉末を得ることができる。なお、酸化チタン化合物の平均一次粒子径(定方向平均径)は、実施例に記載の方法により測定することができる。
[吸着剤]
本発明の光触媒は、吸着剤をさらに含むことが好ましい。吸着剤を含むことにより、細菌やウイルスなどのタンパク質や、アンモニア、窒素酸化物、アルデヒド類などの吸着能がより高まる。
吸着剤の具体例としては、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト、メソポーラスシリカなどのメソポーラスセラミックス、アパタイト、珪藻土、アロフェン、活性白土、などの多孔質構造を有する無機多孔体を挙げることができる。これら吸着剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、本発明で用いられる吸着剤は、天然物であってもよく、合成品であってもよく、市販品であってもよく、これらの混合物であってもよい。
これらの中でも、吸収性能の観点から、ゼオライト、メソポーラスセラミックスが好ましくが、工業的な側面ではゼオライトがより好ましい。
吸着剤を用いる場合の含有量の下限は、酸化チタン化合物と吸着剤との合計100質量%に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。また、吸着剤の含有量の上限は、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましい。吸着剤の含有量がこの範囲であれば、吸収性能、光触媒性能、および粒子の崩壊抑制のバランスに優れる。
吸着剤の平均一次粒子径(定方向平均径)の下限は、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1.0μm以上であることがさらに好ましい。また、吸着剤の平均一次粒子径(定方向平均径)の上限は、50μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。吸着剤の平均一次粒子径(定方向平均径)がこのような範囲であれば、吸着性能を維持しながら光触媒粒子と複合化することができる。吸着剤の平均一次粒子径(定方向平均径)は、上記の酸化チタン化合物と同様に、実施例に記載の方法により測定することができる。
酸化チタン化合物および吸着剤の一次粒子の細孔比表面積の下限は、10m/g以上であることが好ましく、20m/g以上であることがより好ましく、さらに好ましくは40m/g以上である。また、細孔比表面積の上限は、特に制限はない。この範囲であれば、光触媒性能に優れる。なお、細孔比表面積は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の光触媒は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化チタン化合物および吸着剤以外に、光触媒活性を有する無機酸化物以外の助触媒を含んでいてもよく、その種類は特に制限されない。このような助触媒の例としては、銅やニッケル、金といった金属粒子、または酸化ニッケルや酸化ルテニウム等のセラミック粒子が挙げられる。また、ガラスフリット等の他の成分をさらに含んでもよい。
(平均二次粒子径)
本発明の光触媒の平均二次粒子径の下限は、特に制限されないが、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、本発明の光触媒の平均二次粒子径の上限は、特に制限されないが、5000μm以下であることが好ましく、3000μm以下であることがより好ましく、2000μm以下であることがさらに好ましい。このような平均二次粒子径の範囲であれば、優れた吸着性能および光触媒性能を有しつつ、粒子の崩壊がさらに抑制された工業的に扱いやすい光触媒を得ることができる。
(アスペクト比)
本発明の光触媒は、二次粒子のアスペクト比が1.45以下であることが好ましい。かようなアスペクト比の範囲であれば、崩壊がより抑制された光触媒とすることができる。当該アスペクト比は、1.30以下であることがより好ましく、1.15以下であることがさらに好ましく、1.00または1.00により近いことが特に好ましい。すなわち、アスペクト比の好ましい下限値は1.00である。
本明細書において「アスペクト比」とは、電子顕微鏡等の観察手段により観察された5個の二次粒子の平面視像(二次電子像等)について求められたアスペクト比の算術平均値を意味する。かかるアスペクト比は、当該二次粒子の相当楕円における長軸の長さをa、短軸の長さをbとしたとき、a/bで定義される。また、相当楕円とは、当該二次粒子と同面積で、かつ一次および二次モーメントが等しい楕円をいう。かかるアスペクト比は、具体的には、たとえば、適切な倍率で取得した電子顕微鏡による二次電子像を、画像処理ソフト等を用いて解析することで求めることができ、より具体的には、実施例に記載の方法により求めることができる。
なお、本発明の光触媒の平均二次粒子径およびアスペクト比は、原料の種類や造粒方法、造粒条件等を適宜選択することにより制御することができる。
[光触媒の製造方法]
本発明の光触媒の製造方法は、顆粒強度が本発明の範囲であれば特に制限されないが、造粒法および造粒焼結法を用いた製造方法が好ましい。以下、かような製造方法について説明するが、光触媒の製造方法はこれに限定されるものではない。
(造粒法)
造粒法は、原料粒子(酸化チタン化合物、および必要に応じて用いられる吸着剤であり得る)を二次粒子の形態に造粒する手法である。造粒法としては、公知の各種の手法を適宜利用することができる。例えば、造粒法として、乾式造粒あるいは湿式造粒等の造粒方法を利用して実施することができ、具体的には、例えば、転動造粒法、流動層造粒法、攪拌造粒法、破砕造粒法、溶融造粒法、噴霧造粒法、マイクロエマルション造粒法等が挙げられる。なかでも好適な造粒方法として、噴霧造粒法が挙げられる。
噴霧造粒法によると、たとえば、以下の手順で光触媒を製造することができる。すなわち、まず、原料粒子である酸化チタン化合物粒子および必要に応じて吸着剤を用意する。必要に応じてその表面を保護剤等により安定化させる。そして、かかる原料粒子を、必要に応じてバインダ等とともに適切な溶媒に分散させて噴霧液を用意する。原料粒子の溶媒への分散には、例えば、ホモジナイザー、翼式撹拌機等の混合機、分散機等を用いて実施することができる。そしてこの噴霧液を、超音波噴霧機等を利用して噴霧し、液滴を形成する。かかる液滴を、たとえば、気流に載せて連続炉を通過させることで溶媒成分を除去して乾燥させる。これにより、酸化チタン化合物および吸着剤が3次元的に結合された二次粒子を得ることができる。
上記の製造工程において、調製される噴霧液の原料粒子の濃度は、特に限定されないが、5質量%以上90質量%以下であることが好ましい。噴霧液に用いられる溶媒としては、水やエタノール等の有機溶媒の1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。
噴霧液はバインダを含んでもよい。バインダとしては、たとえば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水ガラス等が挙げられる。バインダを用いる場合の噴霧液中のバインダの添加量は、原料粒子の質量に対して10質量%以下であることが好ましいが、アスペクト比が低い球形状の粒子を得る観点から、バインダ量は少ないほうが好ましい。
(造粒焼結法)
上記造粒法により原料粒子を二次粒子の形態に造粒した後、焼結して、原料粒子同士を強固に結合(焼結)させる。この造粒焼結法では、たとえば、上記の造粒法において超音波噴霧した液滴を乾燥させた後、さらに気流に載せて連続炉を通過させながら焼結させることが好適である。具体的には、例えば、超音波噴霧した液滴を、連続炉内を搬送させながら、炉内の比較的上流に設けられる低温ゾーンで乾燥させて溶媒成分を除去し、次いで、炉内の比較的下流に設けられる高温ゾーンで焼成する。このとき、造粒された原料粒子は互いの接点で焼結されて、造粒形状を概ね維持して焼結される。造粒法でバインダを用いた場合、焼結によりバインダは消失する。これにより、一次粒子が結合(焼結)された二次粒子の形態の粒子からなる光触媒を得ることができる。
なお、焼結に際し、原料粒子はその組成や大きさによっては一部が液相となって他の粒子との結合に寄与し得る。そのため、出発材料の原料粒子よりも一次粒子の平均粒子径は大きくなる場合がある。したがって、光触媒における一次粒子である酸化チタン化合物および吸着剤は、原料粒子とほぼ同等の寸法および形状を有していてもよいし、原料粒子が焼成により成長・結合されていてもよい。また、乾燥から焼結までの間に、原料粒子以外の成分の消失および焼成による原料粒子の焼き締まりなどから、液滴のサイズよりも得られる造粒粒子(二次粒子)の平均粒子径のほうが大幅に小さくなり得る。これら、二次粒子および一次粒子の平均粒子径は、所望の二次粒子の形態に応じて適宜設計することができる。
焼結される環境は、特に制限はされないが、大気中、真空中もしくは不活性ガス雰囲気中であってもよい。焼結時の温度は特に制限されないが、酸化チタン化合物の融点の4割以上7割以下の温度が好ましく、4割以上6割以下の温度がより好ましい。このような範囲であれば、顆粒強度に優れた光触媒を得ることができる。たとえば、酸化チタン化合物として酸化チタン(チタニア)を用いた場合、焼結温度は700℃以上1300℃以下が好ましく、700℃以上1200℃以下がより好ましい。
焼結時間も特に制限されないが、下限は1時間以上であることが好ましく、10時間以上であることがより好ましい。焼結時間の上限は、50時間以下であることが好ましい。
また、ゼオライトやガラスフリットなど酸化チタンより融点が低い材料と酸化チタンとを複合化する場合、焼結時の温度は融点が低い材料(低融点材料)の融点により決定される。この場合、原料粒子を構成する最も融点が低い材料の融点の4割以上7割以下が好ましい。すなわち、本発明の光触媒の製造方法の好ましい一形態は、酸化チタン化合物を含む原料粒子を造粒し二次粒子を得た後、前記原料粒子を構成する最も融点が低い材料の融点の4割以上7割以下の温度で、かつ1時間以上50時間以下の時間で焼結することを有する製造方法である。
有機材料等からなるバインダ等を用いる場合は、造粒粒子中の有機材料(バインダ)を除去する目的で酸素が存在する雰囲気下で焼結されてもよい。必要に応じて、製造された二次粒子を、解砕および分級してもよい。
本発明の光触媒は、メチレンブルー吸着能で、好ましくは0.20mg以上、より好ましくは0.30mg以上という優れた吸着性能を有する。また、本発明の光触媒は、JIS R1701−1(2010)に記載の方法により測定される窒素酸化物の除去性能で、好ましくは0.20μmol以上、より好ましくは0.40μmol以上、さらに好ましくは0.50μmol以上という優れた光触媒性能を有する。
本発明の光触媒は、適切な顆粒強度を有していることから、微細構造がほとんど変化せず吸着性能や光触媒性能を高いレベルで維持することができ、また粒子の崩壊が抑制された優れた耐久性を有する。このような特性を有する本発明の光触媒は、光触媒機能を利用した脱臭、殺菌など、人体や生活環境に影響を及ぼす物質やその可能性がある物質の分解、浄化、除去等、種々の用途に広く用いることができ、特に、工場排水、産業排水、工業用水、農業用水、飲料水、湖沼、河川水、海水等の水質浄化用途に好適に用いることができる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
なお、光触媒の各物性は下記の方法により測定した。
(平均一次粒子径)
酸化チタン化合物および吸着剤の平均一次粒子径(定方向平均径)は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の走査型電子顕微鏡「S−3000N」を用いて測定した。
(一次粒子の細孔比表面積)
細孔分布測定装置オートポア(株式会社島津製作所−マイクロメリティックス社製、9520形)を用いる。約0.2gを標準セルに取り、初期圧約11kPa(約1.5psi、細孔直径約120μm相当)、水銀接触角130度、水源表面張力485dyne/cm(485mN/m)の条件で測定する。その結果の測定全範囲における細孔比表面積を採用した。
(平均二次粒子径)
レーザー回折/散乱式粒度測定機(株式会社堀場製作所製、LA−300)を用いて測定して得られる体積基準の粒度分布に基づくD50粒径を採用した。
(アスペクト比)
平均二次粒子径±3μmの範囲の大きさを有する5つの粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S−3000N)により二次電子像を得た後、株式会社日本ローバー製の画像解析ソフトImage−Pro Plus解析を用いてそれぞれの粒子のアスペクト比を測定し、その平均値を算出した。
(顆粒強度)
株式会社島津製作所製の微小圧縮試験装置「MCTE−500」を用いて、各粒子の臨界荷重を測定した。臨界荷重は、一定速度で増加する圧縮荷重を圧子で粒子に加えたときに、圧子の変位量が急激に増加する時点において粒子に加えられた圧縮荷重の大きさである。得られた臨界荷重(単位:N)と、粒子の平均二次粒子径(単位:mm)とから、下記式に従って粒子の顆粒強度を算出し、10個の粒子の平均値を、その粒子の顆粒強度(単位:MPa)とした。
(比較例1)
平均一次粒子径が0.6μmの酸化チタンを用意した。この酸化チタンを溶媒である水に、固形分濃度50質量%で分散させることで、スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、噴霧造粒機および乾燥焼結炉を用い、液滴状に造粒したのち乾燥させ、焼結させることで、造粒粒子(二次粒子)を製造した。なお、焼結温度や焼結時間は顆粒強度が400MPaとなる粒子を得られる様に調整した。この造粒焼結粒子を必要に応じて分級することで、光触媒を得た。
(比較例2)
焼結を行わず、噴霧造粒機を用いた造粒のみを行ったこと以外は、比較例1と同様にして、光触媒を得た。
(比較例3)
酸化チタンの代わりに、平均一次粒子径が3.0μmである天然ゼオライトを用い、顆粒強度が40MPaとなる様に焼結温度と焼結時間とを変更したこと以外は、比較例1と同様にして、光触媒を得た。
(実施例1)
顆粒強度が50MPaとなる様に焼結温度と焼結時間とを変更したこと以外は、比較例1と同様にして、光触媒を得た。
(実施例2)
酸化チタンの代わりに、リン酸チタニアを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光触媒を得た。
(実施例3)
平均一次粒子径が0.6μmの酸化チタンと、平均一次粒子径が3.0μmであるゼオライトとを(酸化チタン:ゼオライト=90:10質量比)を用い、顆粒強度が50MPaとなる様に焼結温度と焼結時間とを変更したこと以外は、比較例1と同様にして、光触媒を得た。
(実施例4)
平均一次粒子径が0.6μmの酸化チタンの代わりに、平均一次粒子径が2.0μmの酸化チタンを用い、平均一次粒子径が3.0μmであるゼオライトの代わりに、平均一次粒子径が1.0μmであるゼオライトを用いたこと以外は、実施例3と同様にして、光触媒を得た。
(比較例4)
顆粒強度が500MPaとなる様に焼結温度と焼結時間とを変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光触媒を得た。
(実施例5)
噴霧造粒法を流動層造粒法に変更した以外は、実施例3と同様にして、光触媒を得た。
(実施例6、7)
噴霧造粒法を転動造粒法に変更した以外は、実施例3と同様にして、光触媒を得た。
(実施例8)
顆粒強度が270MPaとなる様に焼結温度と焼結時間とを変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光触媒を得た。
(実施例9)
顆粒強度が8MPaとなる様に焼結温度と焼結時間とを変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光触媒を得た。
(実施例10)
スラリーの固形分濃度を70質量%とし、顆粒強度が8MPaとなる様に焼結温度と時間を変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光触媒を得た。
(実施例11)
スラリーの固形分濃度を30質量%に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光触媒を得た。
(実施例12)
酸化チタンとゼオライトとの質量比を70:30に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光触媒を得た。
(評価)
<崩壊指数(耐久性)>
プレス機にて100kNの圧力でサンプル粉末を圧縮し、固まったものをスプーンで解砕し、株式会社堀場製作所製、LA−300にて粒度を測定した。測定した粉末の累積個数分布において、小粒径側からの3%累積時の粒径(D)が圧縮前と圧縮後とで、どれだけ変化したかを指標とし崩壊指数とした。具体的には、(圧縮後のD)/(圧縮前のD)で計算される崩壊指数が0.3を超えると、その粉末は崩壊しにくく実用可能であると判断される。一方、0.3以下であれば、その粉末は崩壊しやすく、実用不可であると判断される。
<吸着性能>
無色透明樹脂製セルにサンプル粉末10mg、蒸留水0.8ml、および濃度820mg/100mlのメチレンブルー(以下、MBとも称する)水溶液0.2mlを入れ、攪拌機(サンショウ製、ラボダンサーS61)を用いて10秒間混合した。混合後、速やかにLUM社製分散分析機LUMiSizer(登録商標)610にセットし、4000rpmで回転させ、セル底から115mm位置での波長865nmの近赤外光の透過率を測定した。なお、光源はLEDを用いた。遠心分離され、吸着されなかったMBのみが透過率を決定するため、検量線から水中残存MB量を算出し、差分からサンプル粉末へのMBの吸着量を算出した。吸着量が0.20mg以上であれば実用可能である。
<光触媒性能>
JIS R1701−1(2010)に記載の方法に従い、窒素酸化物の除去性能を測定した。除去性能が0.2μmol以上であれば実用可能である。
実施例および比較例の組成および評価結果を下記表1に示す。
上記表1から明らかなように、実施例の光触媒は、優れた吸着性能および光触媒性能を有しつつ、粒子の崩壊が抑制された優れた耐久性を有することが示された。一方、顆粒強度が本発明の範囲外である比較例の光触媒は、吸着性能、光触媒性能、および崩壊指数(耐久性)の少なくとも一つが劣ることが示された。

Claims (7)

  1. 酸化チタン化合物を含み、顆粒強度が5MPa以上300MPa以下である光触媒。
  2. さらに吸着剤を含む、請求項1に記載の光触媒。
  3. 前記吸着剤はゼオライトである、請求項2に記載の光触媒。
  4. 平均二次粒子径が10μm以上5000μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光触媒。
  5. アスペクト比が1.45以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光触媒。
  6. 水質浄化用途に用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光触媒。
  7. 酸化チタン化合物を含む原料粒子を造粒し二次粒子を得た後、前記原料粒子を構成する最も融点が低い材料の融点の4割以上7割以下の温度で、かつ1時間以上50時間以下の時間で焼結することを有する、光触媒の製造方法。
JP2016150134A 2016-07-29 2016-07-29 光触媒 Pending JP2018015743A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016150134A JP2018015743A (ja) 2016-07-29 2016-07-29 光触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016150134A JP2018015743A (ja) 2016-07-29 2016-07-29 光触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018015743A true JP2018015743A (ja) 2018-02-01

Family

ID=61076937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016150134A Pending JP2018015743A (ja) 2016-07-29 2016-07-29 光触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018015743A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114275896A (zh) * 2021-12-23 2022-04-05 江西挺进环保科技股份有限公司 一种应用于强化渗滤系统脱氮的渗滤生化处理系统
KR20220120889A (ko) * 2021-02-24 2022-08-31 동의대학교 산학협력단 가스의 흡착 및 분해를 위한 광촉매 조성물

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220120889A (ko) * 2021-02-24 2022-08-31 동의대학교 산학협력단 가스의 흡착 및 분해를 위한 광촉매 조성물
KR102524465B1 (ko) * 2021-02-24 2023-04-20 동의대학교 산학협력단 가스의 흡착 및 분해를 위한 광촉매 조성물
CN114275896A (zh) * 2021-12-23 2022-04-05 江西挺进环保科技股份有限公司 一种应用于强化渗滤系统脱氮的渗滤生化处理系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3059010B1 (en) Processes for preparing diatomaceous earth products
Zhang et al. Silver nanoparticles assembled on modified sepiolite nanofibers for enhanced catalytic reduction of 4-nitrophenol
Strohm et al. Porous TiO 2 hollow spheres by liquid phase deposition on polystyrene latex-stabilised Pickering emulsions
JP5973569B2 (ja) 担持され且つ分散されているTiO2粒子を含む添加剤を調製する方法
Hu et al. Ceria hollow spheres as an adsorbent for efficient removal of acid dye
KR100674496B1 (ko) 초미세 기공을 갖는 다공성의 나노 미립자 이산화티탄광촉매 및 안료의 제조방법
CN101558022B (zh) 用于生产由金属氧化物制成的稳定的无粘合剂的高纯模制品的方法及其用途
ES2764788T3 (es) Materiales compuestos coaglomerados
TWI647180B (zh) 粉末狀雪矽鈣石型矽酸鈣系材料及其製造方法
KR101588169B1 (ko) 나노 기공, 메조 기공 및 마크로 기공이 3차원적으로 상호 연결된 다공성 산화물 반도체, 그 제조방법 및 이를 가스감응물질로 포함하는 가스센서
TW200911361A (en) Spherical agglomerates based on zeolite(s), process for their production and their use in adsorption processes and in catalysis
US20190270067A1 (en) Composite filter aids and methods of using composite filter aids
EP3662995A1 (de) Poröse materialien auf basis von oxiden des titans und/oder des vanadiums sowie deren herstellung und verwendung
JP2017514784A (ja) 球状多孔質ヒドロキシアパタイト吸着剤及びその方法
Štengl et al. Reaction of sulfur mustard gas, soman and agent VX with nanosized anatase TiO2 and ferrihydrite
JP2018015743A (ja) 光触媒
JPH0617267B2 (ja) 熱分解法により得られた二酸化チタンを基礎とするプレス加工物およびその製造法
Jan et al. Bioassisted synthesis of catalytic gold/silica nanotubes using layer-by-layer assembled polypeptide templates
KR101774296B1 (ko) 다공성 구형 이산화티타늄
JP3430188B2 (ja) 固定化光触媒及びその製造方法
KR101558240B1 (ko) 메조포러스 산화물 거대입자의 제조방법 및 그에 의하여 제조된 메조포러스 산화물 거대입자
Štengl et al. Mesoporous iron–manganese oxides for sulphur mustard and soman degradation
US5004719A (en) Molded articles based on pyrogenically produced zirconium dioxide method for their manufacture, and use thereof
Štengl et al. Chemical degradation of trimethyl phosphate as surrogate for organo-phosporus pesticides on nanostructured metal oxides
JP2009112960A (ja) 触媒