JP2018015237A - 酸性水 - Google Patents

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英治 秋庭
栄一 長尾
Eiichi Nagao
栄一 長尾
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Takeo Araki
健雄 荒木
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Abstract

【課題】微生物を用いた生物脱臭装置にて硫黄化合物を含む臭気を硫黄酸化細菌にて脱臭処理する際に製造される、経時的な沈殿物が発生せず、消臭、洗浄、サビ落とし等に好適に利用できる酸性水の提供。
【解決手段】硫酸イオンのモル数が、含有するアニオンの総モル数の70%以上であり、pHが3.0未満であり、かつ酸化還元電位が450mV以下である酸性水であって、界面活性剤を0.3質量%以上含有する酸性水。
【選択図】なし

Description

本発明は、生物脱臭装置から発生する硫酸を主体とする酸性水に関し、特に、消臭、抗菌、サビ落としなどに好適に利用できる酸性水に関する。
従来、嫌気性発酵に伴って発生する硫化水素などの硫黄化合物を含む臭気を処理するために、チオバチルス属の硫黄酸化細菌を用いた生物脱臭装置が利用されている。そして、硫化水素などの硫黄含有成分は酸化されて最終的に硫酸となり、この硫酸を含む酸性水は、希釈または中和されて廃棄されている。この廃棄される酸性水は、硫酸イオンを主とするものであることが特徴であり、全イオンモル数のうち硫酸イオンがその70%以上を占めている。
また、微生物を用いた生物脱臭装置において、硫黄化合物を含む臭気を処理する際に生成される酸性水の製造方法については、例えば、国際公開第2007/023749号公報に記載されている。より具体的には、この生物脱臭装置は、微生物担持物が充填された充填層と、この充填層にpH1.4以下の水を散水する散水手段とを備えており、充填層内に散水と、硫黄系臭気成分を含む臭気ガスとを互いに向流方向で流通させることにより、臭気ガスを脱臭して、酸性水を回収する方法が開示されている。
ここで、この生物脱臭装置から発生する硫酸を含む酸性水は廃棄されているが、この酸性水を有効利用した消臭方法、殺菌方法等が提案されている。より具体的には、所定のpH及び酸化還元電位を有する酸性水を利用した消臭剤、殺菌処理剤(例えば、特許文献1,2参照)や、酸性水を保水性の物質に浸透させた含浸体(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
特開2007−135860号公報 特開2007−137820号公報 特開2017−135657号公報
しかし、上記特許文献1〜3に記載の消臭剤等において使用される酸性水には、硫黄酸化細菌が含まれているため、放置すると、この硫黄酸化細菌の活動により、硫黄酸化細菌の死骸や老廃物などの黒色の沈殿物が経時的に発生し、結果として、散布時にノズルが詰まるという問題や、工業製品としての安定性や品位に欠けるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、硫黄酸化細菌による沈殿物の発生がなく、経時的な品質・品位の低下を効果的に抑制することができる酸性水を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の酸性水は、硫酸イオンのモル数が、含有するアニオンの総モル数の70%以上であり、pHが3.0未満であり、かつ酸化還元電位が450mV以下であり、界面活性剤を0.3質量%以上含有することを特徴とする。
本発明によれば、生物脱臭装置から発生する硫酸を主体とする酸性水において、硫黄酸化細菌による沈殿物の発生を防止することができるため、沈殿物の発生に起因する消臭やサビ取り等の効果の低下を防止できるとともに、経時的な品質・品位の低下を効果的に抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明は、微生物を用いた生物脱臭装置にて硫黄化合物を含む臭気を処理する際に排出される酸性水に、0.3質量%以上の界面活性剤を含有させたものである。
<酸性水>
本発明の酸性水は、チオバチルス属の硫黄酸化細菌を用いた生物脱臭装置にて、嫌気性発酵に伴って発生する硫化水素などの硫黄化合物を含む臭気を処理する際に生成される酸性水を利用できる。また、本発明の酸性水は、複数種類のアニオンを含有するとともに、当該アニオンとして硫酸イオンを主に含有するものであり、硫酸イオンのモル数が、含有するアニオンの総モル数の70%以上である。硫酸イオン以外のアニオン成分としては、塩化物イオン、フッ化物イオン、リン酸イオン、硝酸イオンなどが含まれている。
また、本発明の酸性水は、サビ落とし、消臭剤、及び抗菌剤として使用することができる。例えば、サビ落としとして使用する場合は、サビが発生した金属構造物を本発明の酸性水に浸漬させることにより、簡単にサビ落としができる。また、複雑な形状の金属構造物であっても、細部まで強酸水が行き届くため、効果的にサビ落としができる。
また、本発明の酸性水は、リン酸や有機酸と比較して、サビとの反応性が高いため、より短時間でサビ落としが完了する利点もある。
また、本発明の界面活性剤を含有する酸性水の酸化還元電位(ORP)は450mV以下であり、低位に設定されている。酸化還元電位が450mVよりも大きい場合は、酸化力が強く、金属の腐食性が大きくなるため、サビ落とし用途では、サビとともに金属自体の腐食溶出も進むことになるためである。従って、本発明の酸性水は、金属腐食性が低いため、酸性水への浸漬によりサビを落とした後であっても、露出する金属面の腐食を効果的に抑制することができる。例えば、本発明の酸性水を使用して、光沢のあるSUS304からなる製品のサビ落としを行った場合、腐食に起因して光沢面が曇ることはない。
また、酸化還元電位が450mVよりも大きい場合は、酸性水を取り扱う人体への影響も大きく、皮膚刺激や火傷を引き起こす懸念もあるため好ましくない。
なお、上述の国際公開第2007/023749号公報に記載されている、界面活性剤を含有していない酸性水の酸化還元電位も450mV以下である。
また、本発明の酸性水のpHは3.0未満である。これは、pHが3.0以上の場合は、サビの除去効率が低下するためである。なお、pHが3.0未満の酸性水でサビ落とし処理を繰り返すと、pHの値は次第に増加して3.0以上になるため、廃棄の目安となる。
<界面活性剤>
本発明の酸性水に含有される界面活性剤は、酸性水に含まれる硫黄酸化細菌に対する殺菌・抗菌作用を有するため、硫黄酸化細菌を失活させることができる。従って、硫黄酸化細菌の活動に起因する沈殿物の発生を防止することができるため、沈殿物の発生に起因するサビ取り効果や消臭効果の低下を防止できるとともに、経時的な品質・品位の低下を効果的に抑制することが可能になる。
また、本発明の強酸水では、経時的な沈殿物の発生がないため、例えば、散布装置を用いて消臭抗菌用途に用いる場合、沈殿物に起因して散布ノズルが詰まるという不都合を防止することができる。
ここで、界面活性剤としては、酸性条件下で変化しないものでれば、特に限定されず、各種のカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤を用いることができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキル基を持つアミン塩型、第4級アンモニウム塩型から選択することができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸塩、高級アルコールを硫酸化した硫酸エステル塩、高級アルコールのリン酸エステル塩などから選択することができる。また、ノニオン界面活性剤としては、例えば、多価アルコールの脂肪酸エステルによるエステル型、高級アルコールやアルキルフェノールなどの水酸基をもつ原料に酸化エチレンを付加させたエーテル型、多価アルコールの脂肪酸エステルに酸化エチレンを付加させたエステル・エーテル型などから選択することができる。
なお、本発明の界面活性剤には、上述の殺菌・抗菌作用の他に、消臭剤や、サビ落としとして使用した場合における対象物に対する浸透性が向上するという効果もある。
また、本発明においては、酸性水における界面活性剤の含有量は0.3質量%以上である。これは、0.3質量%未満の場合は、硫黄酸化細菌を十分に失活させることが困難になり、沈殿物の発生を十分に抑制することができないためである。
なお、界面活性剤を3.0質量%より多く添加した場合であっても、洗浄剤としての泡化や浸透性に変化が生じないため、これ以上、過剰に添加する必要はない。
また、界面活性剤の含有量が1.0質量%を超えると、噴霧装置を使用することにより、酸性水が泡化するようになる。この状態では、酸性の効果と界面活性剤の効果と合わせて洗浄剤としての効果も発揮するようになる。
また、本発明の酸性水には、香料を合わせて配合することもできる。酸性を利用した消臭剤・洗浄剤は、特に、トイレの洗浄に有効であり、酸性によるアンモニア系の消臭効果に加え、香りのマスキング効果によって、より効果的な消臭効果を発揮できる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
また、各実施例及び各比較例における、含有するアニオンの総モル数に占める硫酸イオンのモル数、pH、及び酸化還元電位(ORP)は、以下の方法により測定した。
[含有するアニオンの総モル数に占める硫酸イオンのモル数]
ダイオネクス イオンクロマトグラフDX−120を用い、以下の条件で測定した。
・分離カラム:IonPac AS12A
・ガードカラム:Ion Pac AG12A
・溶離液:2.7mmol/L NaCO/0.3mmol/L NaHCO
・検出器:電気伝導度検出器
・流量:1.5mL/分
・サプレッサー:ASRS(エクスターナルモード/電流値50mA)
[pH値]
JIS K0102 12.1(1998)ガラス電極法に準拠して測定した。
[酸化還元電位(ORP)]
河川水質試験方法(案)建設省(1997)に準拠して測定した。なお、比較電極して、3.33MKCl−Ag/AgClを使用した。
(実施例1)
岡山市神崎衛生施設組合の生物脱臭装置の第2脱臭装置より、酸性水を入手した。この酸性水は国際公開パンフレットWO2007/023749号に記載された方法により得られたものである。
次に、この酸性水に、酸性水の全体に対する配合量が0.3質量%となるように、ノニオン性界面活性剤(竹本油脂(株)製:商品名:KE9457)を配合した。
なお、ノニオン性界面活性剤が配合された後の酸性水のpHは1.2、酸化還元電位(ORP)が426mV、含有するアニオンの総モル数に対する硫酸イオンのモル数の割合は79%であった。
次に、界面活性剤を配合して1週間後に、目視により、黒色の沈殿物の発生の有無を観察した。判定基準として、沈殿物が認められないものを「発生なし」、黒い沈殿物が観察されるものを「黒い沈殿物あり」とした。以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
ノニオン性界面活性剤の配合量を0.5質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例3)
ノニオン性界面活性剤の配合量を1.5質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例4)
ノニオン性界面活性剤の配合量を3.0質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例1)
ノニオン性界面活性剤を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例2)
ノニオン性界面活性剤の配合量を0.2質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表1に示す。
Figure 2018015237
表1に示すように、実施例1〜4の酸性水においては、界面活性剤を配合後、1週間経過した後も沈殿物は観察されなかった。
また、実施例1〜2の酸性水をスプレーノズル付きの容器に充填し、臭気を発生している生ごみに散布したところ、迅速に臭気が減少し、極めて優れた消臭効果が確認された。また、実施例1〜2の酸性水をポリプロピレン製の容器に入れ、この中に、赤サビが発生している鉄クギ2本を投入し、酸性水に浸漬したところ、水素の泡を発生しながら赤サビが除去され、約8時間後に赤サビが完全に除去された。また、赤サビの除去が完了するとともに、水素の泡の発生もなくなり、これ以上の腐食溶解は見られなかった。
また、実施例3〜4の酸性水をスプレーノズル付きの容器に充填し、トイレの便器に散布したところ、良好な泡状態で散布することができた。また、アンモニア臭気が減少するとともに、便器の黄ばみも落とすことができた。
一方、比較例1〜2の酸性水においては、界面活性剤を配合後、1週間経過した後に沈殿物が発生していた。
また、比較例1〜2の酸性水をスプレーノズル付きの容器に充填し、散布しようと試みたところ、ノズルに沈殿物の詰まりが発生し、うまく散布することができなかった。
以上説明したように、本発明は、消臭、抗菌、サビ落としなどに利用できる酸性水に、特に、有用である。

Claims (1)

  1. 硫酸イオンのモル数が、含有するアニオンの総モル数の70%以上であり、pHが3.0未満であり、かつ酸化還元電位が450mV以下である酸性水であって、
    界面活性剤を0.3質量%以上含有することを特徴とする酸性水。
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