JP2018015174A - 厨房装置の設置方法 - Google Patents

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中村 明弘
Akihiro Nakamura
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Abstract

【課題】厨房装置の構成部材の輸送や運搬、保管などを効率的に行えるようにした厨房装置の設置方法を提供する。【解決手段】2つの支柱部11Aよりなる枠部11の支柱部11Aを個別に床面4に起立させるようにして固定する枠部固定ステップ(A1)と、枠部11の支柱部11cのそれぞれに側面板12の側端を固定する側面板固定ステップ(A2)と、側面板12間を桟材13で連結する側面板間固定ステップ(A3)と、厨房機器14を側面板12間に架け渡すように上面側に固定する厨房機器固定ステップ(A4)とを実行する。【選択図】図1

Description

本発明は厨房装置の設置方法に関する。
厨房装置を現場で組み立てながら設置する方法として、種々のものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。それらの多くは、調理機器やシンクなどの厨房機器などの一部の部材が別体として取りつけがなされるが、厨房装置のおおむねの外形をなす箱体は、現場で組み立てされることなく、工場で製造された箱体がそのまま現場まで運搬されることが一般的である。
特開平10−14673号公報
しかしながら、そのような箱体は外形が大きいため、トラックなどによる輸送や人手による運搬、現場における施工などにおいて取り扱いがしにくい。また、厨房装置の骨組となる部材や側板などの構成部材のそれぞれは体積が比較的小さく、1人で運搬可能な重量であるが、箱体として組み立てた状態では、内部の空間の容積が大きく外形が大きくなるため、運搬には複数の作業者が必要とされる。さらに、輸送や運搬、保管などにおいては、箱体の内部の空間が有効に利用されておらず、デッドスペースとなっている。
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、厨房装置の構成部材の輸送や運搬、保管などを効率的に行えるようにした厨房装置の設置方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の厨房装置の設置方法は、2つの支柱部よりなる枠部の支柱部を個別に床面に起立させるようにして固定する枠体固定ステップと、枠部の支柱部のそれぞれに側面板の側端を固定する側面板固定ステップと、側面板間を桟材で連結する側面板間固定ステップと、厨房機器を側面板間に架け渡すように上面側に固定する厨房機器固定ステップとを実行することを特徴とする。
本発明の厨房装置の設置方法によれば、上述した構成となっているため、厨房装置の構成部材の輸送や運搬、保管などを効率的に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る厨房装置の要部分解斜視図であり、その図には厨房装置の設置手順を付記している。 図1に示した厨房装置の概略縦断面図である。 他の実施形態に係る厨房装置の要部分解斜視図である。 複数の厨房装置の組み合わせ設置例を示す斜視図である。
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面をもとに説明する。まず、以下の実施形態に係る厨房装置の設置方法の基本手順について説明する。
この厨房装置の設置方法は、つぎのステップを順に実行するものとなっている。
枠部固定ステップ(図1の(A1)、図3の(B1)):2つの支柱部11Aよりなる枠部11の支柱部11Aを個別に床面4に起立させるようにして固定するステップ
側面板固定ステップ(図1の(A2)、図3の(B2)):枠部11の支柱部11Aのそれぞれに側面板12の側端を固定するステップ
側面板間固定ステップ(図1の(A3)、図3の(B3)):側面板12間を桟材13で連結するステップ
厨房機器固定ステップ(図1の(A4)、図3の(B4)):厨房機器14(14A、14B)を側面板12間に架け渡すように上面側に固定するステップ
このような手順を有した設置方法によれば、厨房装置10を、それを構成する部材の状態で現場に持ち込むことができる。ようするに、厨房装置10を大きな箱体の状態で輸送や運搬、保管などをする必要がなく、輸送等を効率的に行うことができる。
ついで、本厨房装置の設置方法の詳細な手順について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、一実施形態に係る厨房装置10の要部分解斜視図である。図2は、図1に示した厨房装置10の設置過程における概略縦断面図である。図3は、他の実施形態に係る厨房装置10の要部分解斜視図である。これら2種の厨房装置10は、それらが組み合わされてキッチンユニット1(図4参照)を構成するもので、その例を図4に図示した。
図4に示したキッチンユニット1は、天面側にシンク14Aが配された厨房装置10と、天面側に加熱用の調理機器14Bが配された厨房装置10と、天面を平面状の調理台で構成した調理台キャビネット2とを組み合わせてL字状に構成したものである。
シンク14Aが配された厨房装置10(以下、シンク用装置10Aという)は対面型であり、ダイニング空間6に対面、隣接している。一方、調理機器14Bが配された厨房装置10(以下、調理機器用装置10Bという)は壁付け型であり、壁面5に対面して調理する構成となっている。L字の角部に相当する調理台キャビネット2は、料理の盛り付けなどの調理作業用の作業台として、またダイニング空間6との間の受け渡し用のテーブルとして用いられる。
シンク用装置10A、調理機器用装置10Bのいずれにも上述した枠部11が用いられており、いずれのものも、図1および図3に示すように、枠部11として異なる形状の2種の支柱部11Aが組み合わされて用いられている。
いずれの支柱部11Aも、支柱部本体11aとして金属製の角筒体が用いられている。いずれの支柱部11Aも、支柱部本体11aの高さ方向の中間部に厨房機器14を支持するための機器載置片11dが取りつけられ、支柱部本体11Aの上端部に後述する受け渡し台18、付加部材19を固定するための固定片11cが取りつけられている。また、一方の支柱部11Aは、支柱部本体11aの下端部に、床面4に固定するための床固定片11bが取りつけられている。
固定片11c、床固定片11bとしては、横方向の一方の端部に支柱部本体11aに取りつけるための固定板部11ca、11baを有した断面L字状の金属片(または樹脂片)が用いてある。金属片の平面部11cb、11bbを固定対象物にあてがって、ねじ等で固定できるように構成されている(以上、図2参照)。
機器載置片11dとしては、横方向の一方の端部に支柱部本体11aに取りつけるための固定板部11daを有した断面L字状の金属片(または樹脂片)が用いてある。この機器載置片11dは平面部11dbの幅方向の開放側の先端が支柱部本体11aよりも横方向(内方)に突出するように取りつけてある。この機器載置片11dの平面部11dbで、後述する厨房機器14の一部を載せ置けるようになっている。固定片11cと同様、平面部11dbを固定対象物にあてがって、ねじ等で固定でるように構成されている。
下端に床固定片11bを有しない支柱部11Aは、支柱部本体11aの下端が開口している。図1の拡大図に示すように、支柱部本体11aの下端の開口に、床面4に設置した支柱部取付用ベース材25を内嵌させて、支柱部11Aを起立させるようになっている。なお、枠部11を構成する2つの支柱部11Aは床面4への取付構造が相互に異なる種類のものを例示したが、同一種類のものの組み合わせであってもよい。
また、後述するように、シンク用装置10Aには天面よりも高い位置に受け渡し台18が設けられ、調理機器用装置10Bにも天面よりも高い位置に付加部材19が取りつけられている。そのため、いずれの装置に用いる枠部11も天面よりも上方に突出するような高さ寸法のものが用いてあるが、天面よりも高い位置に受け渡し台18などを形成する必要がないものでは、天面と同程度の高さの枠部11(支柱部11A)を用いればよい。
このキッチンユニット1に採用されている上記2つの厨房装置10(シンク用装置10A、調理機器用装置10B)のそれぞれの構成および施工手順について、以下に個別に説明する。
図1はシンク用装置10Aを構成する要部の部材の分解斜視図、図2はシンク用装置10Aの設置途中の縦断面図である。これらの図中、ステップ(A1)〜(A6)(ステップ(A5)のみを図2に図示)に示した順に構成部材が設置されていく。ようするに、このシンク用装置10Aは箱体として現場に運ばれるのではなく、組み立て前の部材が持ち込まれ、現場で組み立てられる。なお、シンク用装置10Aは、設置位置の位置合わせを確実にするために、調理台キャビネット2が壁付け設置された後に施工されることが望ましい。
準備ステップ(A0):まず、一方の支柱部11Aを設置するための支柱部取付用ベース材25を、床面4のあらかじめ位置決めされた位置に設置する。なお、支柱部取付用ベース材25を用いない場合には本ステップは実施しなくてもよい。
枠部固定ステップ(A1):2つの支柱部11Aよりなる枠部11の支柱部11Aを個別に床面4に起立させるようにして固定する。なお、いずれの支柱部11Aを先に取りつけてもよい。この枠部11はシンク用装置10Aの後部の骨組を構成する部材である。また、調理台キャビネット2がすでに設置されている場合には、支柱部11Aの一方を調理台キャビネット2に固定してもよい。
側面板固定ステップ(A2):枠部11を床面4に固定した後に、支柱部11cのそれぞれに、内面に抽斗用レール12aを取りつけた側面板12の側端を固定する。これらの側面板12は箱体の側部の外郭を構成する部材である。
側面板間固定ステップ(A3):ついで、側面板12間を複数の桟材13で連結する。桟材13の連結箇所としては、図例として示したように、調理者側の上面角部および前面側の複数の部位とすることが望ましい。こうして、上方に向けて開口した箱体は、床面4におおむね固定された状態となる。
厨房機器固定ステップ(A4):そして、上方の開口に、側面板12間に架け渡し、さらに機器載置片11dに載せ置くようにシンク14Aを取りつける。こうして、シンク用装置10Aのおおむねの形状が出来上がる。
上記のように、枠部固定ステップ(A1)において、支柱部11Aが床面4に対して固定されるようになっているもので、かつシンク14Aとされる厨房機器14を設置するものでは、厨房機器固定ステップ(A3)を実行した後に、つぎの2ステップを実行する。
配管連結ステップ(A5):図2に示すように、厨房機器(シンク)固定ステップ(A4)の実行後においては、枠部11の開口11eの前後の空間が開口11eを介して連通した状態となっている。その開口11eを通じて、枠部11の反側面板側の空間(本例ではダイニング空間6)より、側面板12間の空間における配管15の連結作業が実施される。
背板固定ステップ(A6):配管連結ステップ(A5)の実行後に、開口11eを枠部11の反側面板側より背板16で塞いで固定する。
以上の全ステップを実施することで、図4に示したシンク用装置10Aの主要部が設置される。また、図4に示した側部覆い板17や受け渡し台18、抽斗20、前板21などの部材の設置は、上記ステップ(A0)〜(A3)を実施した後に行うことが望ましい。なお、側部覆い板17はダイニング空間6へのシンク14Aの外観露出を回避するためのボードであり、必要に応じて設けられる。
ついで、図3を参照しながら、調理機器用装置10Bの構成および施工手順について説明する。
準備ステップ(B0):まず、一方の支柱部11Aを設置するための支柱部取付用ベース材25(図3には不図示。図1参照)を、床面4のあらかじめ位置決めされた位置に設置する。なお、支柱部取付用ベース材25を用いない場合には本ステップは実施しなくてもよい。
枠部固定ステップ(B1):2つの支柱部11Aよりなる枠部11の支柱部11Aを個別に床面4に起立させるようにして固定する。なお、いずれの支柱部11Aを先に取りつけてもよい。この枠部11は調理機器用装置10Bの後部の骨組を構成する部材である。また、調理台キャビネット2がすでに設置されている場合には、支柱部11Aの一方を調理台キャビネット2に固定してもよい。
側面板固定ステップ(B2):枠部11を固定した後に、支柱部11Aのそれぞれに、内面に抽斗用レール12aを取りつけた側面板12の側端を固定する。これらの側面板12は箱体の側部の外郭を構成する部材である。
側面板間固定ステップ(B3):ついで、側面板12間を複数の桟材13で連結する。桟材13の連結箇所としては、図例として示したように、調理者側の上面角部および前面側の複数の部位とすることが望ましい。こうして、上方に向けて開口した箱体は、床面4におおむね固定された状態となる。
厨房機器固定ステップ(B4):上方の開口に、側面板12間に架け渡し、さらに機器載置片11dに載せ置くように調理機器14B(たとえば、IH機器など)を取りつける。こうして、調理機器用装置10Bのおおむねの形状が出来上がる。
以上の全ステップを実施することで、図4に示した調理機器用装置10Bの主要部が設置される。また、図4に示した付加部材19、抽斗20、前板21などの部材の設置は、上記ステップ(B0)〜(B3)を実施した後に行うことが望ましい。
このように、シンク用装置10Aの設置および調理機器用装置10Bの設置を順次実施して、図4に示したキッチンユニット1の設置が完了する。なお、シンク用装置10A、調理機器用装置10Bの順でなくてもよく、逆順で設置するようにしてもよい。
以上のような設置方法によれば、厨房装置10を箱体の状態でトラックなどによる輸送や人手による運搬をしなくてもよく、現場において、上述したように効率的に厨房装置10を形成していくことができる。また、出荷前の保管においても場所をとらず、保管効率がよい。
輸送や保管においては、枠部11を構成する2つの支柱部11Aを束ねておけばよい。桟材13についても同様である。このようにすれば、厨房装置10の構成部材をコンパクトにまとめて輸送、保管でき、部材の紛失などのトラブルを防止することもできる。
また、現場で組み立てる厨房装置の設置方法は、上記のように対面型の厨房装置10、壁付け型の厨房装置10のいずれにも採用でき、いずれの装置の設置においても作業上、不便な面はない。対面型の厨房装置10の設置においては、組み立て途中で、図2に示したような配管作業を楽に行うことができるため、特に利便性が高い。
(A0)(B0) 準備ステップ
(A1)(B1) 枠部固定ステップ
(A2)(B2) 側面板固定ステップ
(A3)(B3) 側面板間固定ステップ
(A4)(B4) 厨房機器固定ステップ
(A5) 配管連結ステップ
(A6) 背板固定ステップ
4 床面
5 壁面
10 厨房装置
10A シンク用装置(厨房装置)
10B 調理機器用装置(厨房装置)
11 枠部
11A 支柱部
11e 開口
12 側面板
13 桟材
14 厨房機器
14A シンク(厨房機器)
14B 調理機器(厨房機器)
15 配管
16 背板
25 支柱部取付用ベース材


Claims (4)

  1. 2つの支柱部よりなる枠部の該支柱部を個別に床面に起立させるようにして固定する枠部固定ステップと、
    前記枠部の前記支柱部のそれぞれに側面板の側端を固定する側面板固定ステップと、
    前記側面板間を桟材で連結する側面板間固定ステップと、
    厨房機器を前記側面板間に架け渡すように上面側に固定する厨房機器固定ステップとを実行することを特徴とする厨房装置の設置方法。
  2. 請求項1において、
    前記枠部固定ステップにおいて、前記支柱部が前記床面に対して固定されるようになっており、
    前記厨房機器はシンクとされ、前記厨房機器固定ステップを実行した後に、
    前記枠部の反側面板側の空間より、前記支柱部間の開口を通じて、前記側面板間の空間における配管の連結を行う配管連結ステップと、
    前記開口を前記枠部の反側面板側より背板で塞いで固定する背板固定ステップとをさらに実行することを特徴とする厨房装置の設置方法。
  3. 請求項1において、
    前記枠部固定ステップにおいて、前記枠部を壁面に沿うように設置することを特徴とする厨房装置の設置方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記支柱部の少なくとも一方は下端が開口した角筒状とされており、
    前記支柱部の前記開口に内嵌する支柱部取付用ベース材を床面に設置する準備ステップを、前記枠部固定ステップの前段階に実行することを特徴とする厨房装置の設置方法。

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