JP2018014473A - 光トランシーバの制御方法 - Google Patents

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圭佑 南里
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Abstract

【課題】過渡発光、波長ずれといった不安定状態を回避し安定してLDが光出力を発出させつつ、TECにより温度調整されるEMLモジュールを搭載した光トランシーバの起動時の温度を所定温度まで短時間に上昇させる制御方法を提供する。
【解決手段】TEC14により温度制御された、EA変調器12とLD11とを集積化したEMLモジュール10を搭載した光トランシーバ100の起動時に、LDの設定温度が光トランシーバの環境温度よりも高い時に、光トランシーバ100へ電源を供給した直後に、EA変調器を光吸収モードで駆動するとともに、LDにバイアス電流を供給し、LD温度が設定温度に達した後に、EA変調器を光透過モードに変更している。
【選択図】図4

Description

本発明は、光トランシーバの制御方法に関する。
光ファイバ通信においてメトロアクセス系といった都市部のネットワークでは安定した光伝送特性が要求され、それに対応すべくどのような状況下でも安定した光出力、動特性を維持することが求められている。その一例として、従来のレーザ直接変調方式の代わりに、レーザ(レーザダイオード:Laser Diode、以下、「LD」という。)の光出力を一定に保っておいてEA変調器(EA:Electro-Absorption、電界吸収型変調器)による外部変調方式を用いた電界吸収型変調器集積レーザ(EML:Electro-absorption Modulator integrated Laser Diode、以下、「EML」という。)が用いられる。
現在、光トランシーバにおいて適用されている光ファイバとEMLとをモジュール化したEMLモジュールは、一般的EML素子としてLD部分は多重量子井戸構造分布帰還型(MQW−DFB)構造が採用されるが、回折格子によって決定される発振波長の温度依存性は材料の屈折率の温度依存性で決定され、温度が変化すると屈折率変動により発振波長λpが約0.1nm/℃の割合で長波長側に変化する。一方、温度変化によりMQW層のバンドギャップが変わることで利得ピーク波長λgが0.6〜0.7nm/℃の割合で長波長側に変わるため、λpとλgの差が大きくなると、スロープ効率の低減による光出力低下という問題が発生する。そのため温度安定化のための温度素子としてペルチェ素子を用いた熱電クーラ(Thermoelectric Cooler:以下、「TEC」という。)がEMLモジュールに搭載される。
例えば、特許文献1には、LDおよびEA変調器を備えたEMLの温度を調整可能にする温度調整回路としてのTECを光送信部に設けるとともに、制御部が、LDの駆動制御に加えて、TECを用いたLDおよびEA変調器の温度制御、並びに、EA変調器のバイアス電圧制御も同時に行うようにしたものが開示されている。
再公表特許WO2008−126276号公報
TECにより温度調整されるEMLモジュールにおいて、電源投入直後はTEC温度が周囲環境と熱平衡の状態であるため、周囲環境がLDの特性を保証可能な温度範囲外であった場合、LDは過渡発光、波長ずれといった不安定状態となる。そこで従来から安定に駆動開始できる温度までヒータ(クーラ)によりLD周辺を暖機(冷機)させる技術が考案されているが、業界標準の規定等により消費電力や設計規模などのモジュールの仕様やヒータ(クーラ)の効率といった制約により安定駆動までに要する時間と温度範囲には制限があった。すなわち、LDモジユールやトランシーバの設計においては規格に準拠するために小型化が必要であり、搭載される温度素子も小型化されるが、その際に駆動能力の低下が間題となり、所定の時間内で温度を安定して駆動させることができないといった課題があった。
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、過渡発光、波長ずれといった不安定状態を回避し安定してLDが光出力を発出させつつ、TECにより温度調整されるEMLモジュールを搭載した光トランシーバの起動時の温度を所定の設定温度まで短時間に上昇させる制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光トランシーバの制御方法は、TEC(熱電変換素子)により温度制御された、電界吸収型変調器と半導体レーザとを集積化した電界吸収型変調器集積レーザを搭載した光トランシーバの制御方法であって、該光トランシーバの起動時に、前記半導体レーザの設定温度が前記光トランシーバの環境温度よりも高い時に、前記光トランシーバへ電源を供給した直後に、前記電界吸収型変調器を光吸収モードで駆動するとともに前記半導体レーザにバイアス電流を供給し、前記半導体レーザの温度が前記設定温度に達した後に、前記電界吸収型変調器を光透過モードに変更する、光トランシーバの制御方法である。
上記発明によれば、過渡発光、波長ずれといった不安定状態を回避し安定してLDが光出力を発出させつつ、TECにより温度調整されるEMLモジュールを搭載した光トランシーバの起動時の温度を所定温度まで短時間に上昇させることが可能になる。
本発明の制御方法の対象となる、EMLモジュールとその制御回路を有する一般的な光トランシーバのブロック図である。 図1に示すトランシーバの起動時のフローを示す図である。 図1に示すトランシーバの起動時の各部の波形を示す図である。 本発明の一態様に係る、EMLモジュールとその制御回路を有する光トランシーバのブロック図である。 図4に示すトランシーバの起動時のフローを示す図である。 図4に示すトランシーバの起動時の各部の波形を示す図である。 図4に示すTECの周辺構造を示す図である。 図7に示すTECのLD温度を45℃に設定した場合におけるサブマウントの熱容量と熱平衡に必要なTEC消費電力の一例を示す図である。 EMLモジュールの起動時におけるLDチップの温度変化を示す図である。
以下に、本発明に係る光トランシーバの制御方法の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内ですべての変更が含まれる。また、以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
まず、本発明の実施形態の光トランシーバの制御方法を説明するにあたって、本発明の制御方法の対象となる一般的な光トランシーバについて説明する。図1は、EMLモジュールとその制御回路を有する一般的な光トランシーバのブロック図である。光トランシーバ200は、EMLモジュール10、EML駆動回路20、TEC制御回路30、および、制御部40を有している。
EMLモジュール10内のLD11は単一波長を出力させるためDFB(Distributed Feedback:分布帰還)型レーザが使用されており、数GHz以上の高周波において発生するチャーピングの間題を抑えるため、後段には光信号の強度変調用として電界吸収型等のEA変調器12が採用され集積化されている。LD11およびEA変調器12の駆動は、EMLモジュール10外からCPUなどの制御部40によって素子別に動作管理されており、EML駆動回路20からバイアス電流(または電圧)が入力される。LD11は、LDバイアス駆動回路21からバイアス電流が入力され発光する。EA変調器12は、EAバイアス駆動回路22からのバイアス電圧によってバイアスされた状態で、EA変調駆動回路23からの変調信号によって変調駆動される。このため、LD11からの光は後段のEA変調器12で光変調されたのちにEMLモジュール10の前方から図示しない光ファイバへ出力される。
一方、設計によってはLD11の後方にも前方と同様のパワー比率で光が出力され、モニタPD(Photodiode)13によりパワーがモニタされる。モニタPD13によりモニタされた光は電気信号に変換され制御部40に伝えられ、所望の値となるようにLDバイアス制御回路41にフィードバックすることでLD11の光パワーレベルを一定に制御している。また、EA変調器12とLD11の周辺にはTEC14が隣接して備え付けられており、サーミスタ等の温度センサ15を用いて制御することでヒータもしくはクーラとして機能させ、LD11の温度管理を行っている。
図2は、図1に示すトランシーバの起動時のフローを示す図であり、起動時の制御方法について、図3に示した各部の波形とともに以下に説明する。まず、時刻t1で光トランシーバ200に電源が供給された後、制御部40が起動しオン状態となる(ステップS1)。その際、全てのステータスは初期化され、EMLモジュール10へのLDバイアス制御信号は0となっており、EMLモジュール10からは光出力がないシャットダウン状態となっている。同時にTEC制御が開始され(TECセット)、制御部40のLD温度設定・LDモニタ回路45からLD設定温度a℃の情報がTEC制御回路30に送られる。設定温度a℃はLD11の温度特性を踏まえて予め実施した評価などから決定される。TEC制御回路30ではLD設定温度a℃とEMLモジュール10内の温度センサ15で読み取ったLD温度TLDとが比較され、LD温度TLDが設定温度a℃よりも低い場合はヒータとして、高い場合はクーラとしてTEC14を駆動する。なお、EAバイアス駆動回路22はこの時点で駆動させることで、EAバイアスセットの状態にしておいてもよく、また、後述するLDバイアスオンになった際に駆動させてもよい。
次に、温度センサ15で検知したLD温度TLDがLD11の設定温度a℃になるまでループ処理を繰り返す(ステップS2)。そして、LD温度設定・LDモニタ回路45が時刻t2でLD温度TLDがLD11の設定温度a℃に達したことを検知した後、もしくは、設定温度a℃の所定範囲内に到達後したことを検知した後、LD温度設定・LDモニタ回路45からの制御オン信号がTx(送信機)オンオフ制御回路44に伝わる。その後、時刻t3でTxオンオフ制御回路44からの制御オンの指令をトリガとしてLDバイアス制御回路41はLDバイアスをオンにする(ステップS3)。
この制御方法により、LD11の周辺温度を一定に保つことができるため、LD11からは所定波長の光が出力され、EA変調器12によって光変調が可能な状態になる。これにより、安定してEMLモジュール10から光が発出される。なお、EA変調駆動回路23については、LDバイアスが制御オンとなった際に駆動制御を開始する。以上の電源投入直後の初期処理については、これら光トランシーバ200の外部のホスト側からのホスト制御信号51としてTxオン信号を受けた場合であるが、Txオフの信号が割り込まれた場合も、Txオンオフ制御回路44でLD温度設定・LDモニタ回路45からの信号とアンド処理をすることを除き同様に制御される。
なお、LDバイアス駆動回路21、EAバイアス駆動回路22、EA変調駆動回路23は、それぞれ、LDバイアス制御回路41、EAバイアス制御回路42、EA変調制御回路43によって制御される。EAバイアスとしては負電圧が印加されるが、電流量や電圧値は予め得られた値や製造時の調整結果などから決定される。
上述のように、一般的な光トランシーバ200では、TEC14を駆動して、LD11の温度が所定の設定温度に到達した後に、LD11を発光させている。これに対して、本発明の実施形態では、TECにより温度調整されるEMLモジュールを搭載した光トランシーバの起動時の温度を所定温度まで短時間に上昇させることをその目的としている。このため、TECを駆動して設定温度に到達させる間に、LDを駆動(発光)させる。これにより、LDの駆動による発熱がTECの温度上昇に付加されて、所定温度へ到達する時間が短縮できる。また、所定温度に到達するまでの間は、LDが出力する光を吸収するようにEA変調器をバイアスすることによって、LDからの光出力が外部に出力されることを防止している。
図4は、本発明の一態様に係る、EMLモジュールとその制御回路を有する光トランシーバのブロック図である。また、図5は、図4に示すトランシーバの起動時のフローを示す図であり、図6は、図4に示すトランシーバの起動時の各部の波形を示す図である。図4に示す光トランシーバ100は、図1に示した光トランシーバ200の構成に対して、起動時に、LD温度設定・LDモニタ回路45からEAバイアス制御回路42およびEA変調制御回路に制御信号が送られるようになっている。他の構成と機能については、図1に示した光トランシーバ200と同様であるので、その説明を省略する。
以下、光トランシーバ100の起動時の制御方法について、図4から図6を参照して説明する。光トランシーバ100に電源が投入される時刻t1より前では、LD11のバイアス(LDバイアス)、EA変調器12へのバイアス(EAバイアス)、および、TEC14の駆動電流は0であり、LD11からは光出力がない状態となっている。また、LD11の温度は光トランシーバ100が設置された環境温度とほぼ等しい温度に維持されている。時刻t1で光トランシーバ100に電源が供給されると、制御部40が起動しオン状態となる(ステップS11)。その際、全てのステータスは初期化されており、LDバイアス制御回路41、EAバイアス制御回路42からは信号が出力されずシャットダウン状態となっている。
同時にTEC制御が開始され(TECセット)、制御部40のLD温度設定・LDモニタ回路45からLD設定温度a℃の情報がTEC制御回路30に送られる。TEC制御回路30ではLD設定温度a℃とEMLモジュール10内の温度センサ15で読み取ったLD温度TLDとが比較され、LD温度TLDが設定温度a℃よりも低い場合はヒータとして、高い場合はクーラとしてTEC14を駆動するが、その際に、温度センサ15からのLD温度TLDと設定温度a℃とが比較判定される(ステップS12)。
ステップS12での判定の結果、LD温度TLDが設定温度a℃より低い場合は、ステップS16に移り、EAバイアス制御回路42は、LD温度設定・LDモニタ回路45からの信号を受け、EA変調器12に最大許容負電圧を印加するよう、EAバイアス駆動回路22を制御する。続いて、LDバイアス制御回路41は、LD温度設定・LDモニタ回路45からの信号を受け、LD11へのバイアスオンとなるようにLDバイアス駆動回路21を制御する。ここで、LD11はバイアスがオンになったことで発光するが、EA変調器12では最大負電圧が印加されており、LD11が出力した光はEA変調器12によって吸収されるため、外部へは、実質的に光は出力されない。この状態を光吸収モードと呼ぶ。
その際、LD11はTEC14のヒータ作用によって加熱される他に、LD11自体に加えられるバイアス電流によって加熱される。さらに、EA変調器12に加えられる電圧と、LD11からの光吸収による発熱によって、加熱されるため、ターゲットとする設定温度a℃、もしくは、設定温度a℃を中心とする所定の温度範囲に達するまでの時間が短縮される。
さらにステップS17に進み、LD温度TLDが設定温度a℃に達したかどうか判定される。達していない場合(NOの場合)は、LD温度TLDが設定温度a℃に達するまでループ処理を繰り返す。そして、時刻t2でLD温度TLDが設定温度a℃に到達後に、もしくは、設定温度a℃を中心とする所定の温度範囲内に到達後に、時刻t3でEAバイアス制御回路42は、LD温度設定・LDモニタ回路45からの信号によって、EAバイアス駆動回路22を最大許容負電圧から通常動作における所定のEAバイアス電圧を出力するようにEAバイアスをセットする(ステップS18)。同時に、EA変調制御回路43は、EA変調駆動回路23に変調信号を出力することによって変調制御が開始され、外部に光が出力される。この状態を光透過モードという。
以上の制御方法では、EAバイアスセット後は、LD11の周辺温度は設定電圧a℃に一定に保たれているため、安定してEMLモジュール10から光が出力される。EAバイアスをセットしEA変調器12を光吸収モードから光透過モードへ切り替えるタイミング(時刻t3)については、例えば、温度センサ15を使用してLD温度TLDを検出し、所定の値に達した状態、あるいは、LD11の光出力を後方で検出するモニタPD13を使用して光出力値を算出し、所望の値に達した状態を条件に決定することができる。なお、LD11からの光出力をモニタPD13によりモニタし、所望の値となるようにLDバイアス制御回路41にフィードバックすることで、光パワーレベルを一定にするAPC(Auto-Power Control)制御を行うこともできる。
一方、ステップS12での判定の結果、LD温度TLDが設定温度a℃以上の場合は、ステップS13に移り、EAバイアス駆動回路22を通常動作における所定のEAバイアス電圧を出力するようして、EAバイアスをセットする。なお、EAバイアスセットは、この時に行う他、後述するLDバイアスオン時に行うようにしてもよい。そして、TECセットによりEMLモジュール10は冷やされ、温度センサ15で検知した温度が設定温度になるまでループ処理を繰り返す(ステップS14)。
そして、LD温度TLDがLD11の設定温度a℃に達したことをLD温度設定・LDモニタ回路45が検知した後、もしくは、設定温度a℃を中心とする所定温度範囲内に到達後したことを検知した後、LD温度設定・LDモニタ回路45からの制御オン信号がTxオンオフ制御回路44に伝わる。そして、Txオンオフ制御回路44からの制御オンの指令をトリガとしてLDバイアス制御回路41はLDバイアスをオンにする(ステップS15)。さらに、EA変調駆動回路23は、LDバイアス駆動回路21の駆動開始とともに駆動を開始する。
以上のように、本実施形態では、起動後のLD温度が設定温度よりも低い場合に有効であるが、次の効果が期待できる。まず、LDバイアスを電源投入直後に印加することにより、TEC14のヒータのみでLD11を加熱するより速くLD温度を安定化させることができる。また、EAバイアスを最大限に印加することでもLD11の温度の上昇を促すことができる。さらに、光透過モードにおいて、LDバイアス印加によるEA変調器12の温度の過渡的な変動と、それに伴う波長ずれを防ぐことが可能になる。また、モニタPD13で光出力が安定したことを確認してからEA変調を行えるため、過渡発光を防ぐことができる。さらに、加熱や冷却能力の向上のために各素子のサイズアップや新たな素子等を採用する必要はなく、設計規模が増えることはない。
次に、本実施形態に用いられるEMLモジュール10について説明する。EA変調器とLDを有するモジュールを搭載する代表的なものとして、SFP+(Enhanced Small Form-factor Pluggable)は光トランシーバの一種であり、そのうち長距離系のSFP+ERは伝送特性を保証するためにEMLモジュールを採用するのが一般的である。また、LDは光出力やその出力光の波長に大きな温度依存性を示すため、モジュール内に調温素子としてTECを内蔵し、温度制御する必要がある。この際、モジュール全体としての消費電力が問題となる。消費電力の内訳は主にLD、EA変調器の駆動に必要な電流とTEC電流の2つとなるが、温度範囲が広い場合においてはTEC電流の割合が増加し、特に起動直後はTEC電流が支配的となる。
図7は、図4に示すTECの周辺構造を示す図である。サーミスタからなる温度センサ15およびLD11がサブマウント(ヒートスプレッダ)16を介してTEC14上に置かれている。TEC14は上板14aと下板14bとの間に直列に接続されたペルチェ素子14cを複数挟んだ構造を有する。ペルチェ素子に電流を流すことで、上板14aと下板14bとの間に温度差を誘起し、電流の方向により上下板の温度関係が反転する。上板14aに搭載された温度センサ15で感知した温度に応じてペルチェ素子14cに供給する電流の大きさを制御することによって、自動温度制御(Auto-Temperature Control: ATC)が可能となっている。下板14bはSFP+の筐体17およびヒートシンクに接触している。
冷却モード(上板14aの温度を下板14bの温度よりも低くするモード)の時には、下板14bは発熱源となり、SFP+の筐体17および当該筐体の外部に設けられるヒートシンクを介して放熱される。一方、加熱モード(上板14aの温度を下板14bの温度よりも高くするモード)の時には下板14bは冷却され、筐体17を介してヒートシンクに熱的に接触させることで吸熱される。光トランシーバの動作温度範囲についてその範囲がグレードとして定められており、最も厳しいi−temp(i:industrial temp)の場合は、SFP+のケースにおいて−40〜85℃の範囲内で動作することが要求される。
図8は、図7に示すTECのLD温度を45℃に設定した場合におけるサブマウントの熱容量と熱平衡に必要なTEC消費電力の一例を示す図である。換言すると、トランシーバの環境温度Taが図中の値の時に、サブマウント16の熱容量が横軸の値を有する場合には、サブマウント上の温度を45℃に維持するためにTEC14に流す電流(消費電力)がどの程度になるか見積もったグラフである。環境温度Taに応じて、消費電力が変わるが、熱容量が大きい場合は高温側で厳しくなり、環境温度Taが75℃、熱容量0.9Wの時にTEC14の消費電力は1Wを超えることになる。LD11、EA変調器12、その他制御回路等に必要な消費電力は通常0.3〜0.4Wであるため、熱容量が1.0W以上は不可となる。
本実施形態の制御方法では、外部環境温度がLD温度(45℃)以下の場合は低温モードと判定され、TEC14の放熱による他、LD11自体の発熱が加わる。LD11の発熱量Qは次式で表すことができる。
Q=Vop×Iop−Po
ここでQ[W]はLD11の発熱量、Vop[V]はLD11の動作電圧、Iop[A]はLD11の動作電流、Po[W]は光出力である。Vop=3.3V、Iop=0.05A、Po=0.89mW(=−0.5dBm)である場合、発熱量Qは0.16Wとなる。
図9は、実際のEMLモジュールの起動時におけるLDチップの温度変化を示す図である。太線は、電源オンからEMLモジュールの温度が安定した後にLDバイアスを印加した場合を示し、細線は、電源オン直後からLDバイアスをオンにした場合を示しており、それぞれ実際のLD温度をプロットした結果である。LD温度が安定した後にLDバイアスを印加する方法では、温度が安定するまでに約21秒かかっており、更にLDバイアス印加直後にLD自体の発熱が加わるため温度が僅かに変動している。一方、電源オン直後からLDバイアスを印加する方法では、約11秒で温度が安定しており、その後も温度が安定している。
なお、TEC電流の限度値を上げることで、TECの加熱能力を上げることもできるが、消費電力による制限がかかる。光トランシーバでは、電源投入直後(光トランシーバをホストシステムに搭載した直後)のインラッシュカレントの大きさに厳しい制約が課せられている。本実施形態では、LD自体の発熱がLD温度上昇に直接使用されるため、TECの電流制限を変えずにTECを発熱させるより効率的に温度上昇させることができる。実際に温度の安定までに約21秒であったものを約11秒以下とするために、従来の制御方式では約33mW必要であったが、LDを発熱する方式では、消費電力の増加は5mW以下に抑えることができている。
なお、本実施形態では、TEC14の上板14aにLD11が置かれているため、温度センサ15の検出値は、LD11の温度またはTEC14の(上板14a)温度となる。このため、LD温度はTEC温度と同義であり、LD温度を設定温度となるように制御することは、TEC温度を設定温度となるように制御することと同義である。
10…EMLモジュール、12…EA変調器、13…モニタPD、14…TEC、14a…上板、14b…下板、14c…ペルチェ素子、15…温度センサ、16…サブマウント、17…筐体、20…EML駆動回路、21…LDバイアス駆動回路、22…EAバイアス駆動回路、23…EA変調駆動回路、30…TEC制御回路、40…制御部、41…LDバイアス制御回路、42…EAバイアス制御回路、43…EA変調制御回路、44…Txオンオフ制御回路、45…LDモニタ回路、51…ホスト制御信号、100…光トランシーバ、200…光トランシーバ。

Claims (4)

  1. TEC(熱電変換素子)により温度制御された、電界吸収型変調器と半導体レーザとを集積化した電界吸収型変調器集積レーザを搭載した光トランシーバの制御方法であって、
    該光トランシーバの起動時に、前記半導体レーザの設定温度が前記光トランシーバの環境温度よりも高い時に、前記光トランシーバへ電源を供給した直後に、前記電界吸収型変調器を光吸収モードで駆動するとともに前記半導体レーザにバイアス電流を供給し、
    前記半導体レーザが所定状態に達した後に、前記電界吸収型変調器を光透過モードに変更する、光トランシーバの制御方法。
  2. 前記所定状態は、前記半導体レーザの温度が前記設定温度に達した状態である請求項1に記載の光トランシーバの制御方法。
  3. 前記所定状態は、前記LDからの出力光をモニタし、該出力光の値が所定の値に達した状態である請求項1に記載の光トランシーバの制御方法。
  4. 前記光吸収モードにおいて、前記電界吸収型変調器にバイアス電圧として最大許容負電圧を印加する請求項1から3のいずれか1に記載の制御方法。
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