JP6270351B2 - 光トランシーバ及び光トランシーバの制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光トランシーバ及び光トランシーバの制御方法に関するものである。
光通信システムにおいて、光リンクモジュールは、光電変換機能、信号整形機能等の様々な役割を有する。このような光リンクモジュールでは、突入電流の規定範囲内で短時間での起動が可能な回路構成が望まれる。
例えば、下記特許文献1には、第1熱電変換素子及び第2熱電変換素子の温度が所定温度に至った後に、レーザダイオード(以下、「LD」とも言う。)にバイアス電流の供給を開始する光送信器の制御方法が開示されている。また、下記特許文献2には、検出温度と目標温度との差に基づいてペルチェ素子を駆動する電流のPWM周波数を変更する温度制御回路が知られている。
特開2009−070852号公報 特開平5−241668号公報
しかしながら、上記の従来の制御方法では、外部から供給される電源電力には限界があるために、短時間に正常に起動させることが困難な傾向にあった。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、より短時間に正常に起動させることが可能な光トランシーバ及び光トランシーバの制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一側面に係る光トランシーバは、ホスト装置から第1及び第2の電源系統によって電源が供給され、熱電変換素子が搭載され、ホスト装置に着脱可能に接続される光トランシーバであって、熱電変換素子と第1の電源系統との間に接続された第1のダイオードと、熱電変換素子と第2の電源系統との間に直列に接続された第2のダイオード及び第2のスイッチと、を備え、第2のスイッチは、第1及び第2の電源系統からの電源の供給が開始された際に、2の電源系統を熱電変換素子に接続させ、熱電変換素子は、熱電変換素子の温度が定常状態にあるときに、第1の電源系統のみに電気的に接続され、電源の供給が開始され熱電変換素子の温度が非定常状態にあるときに、第1及び第2の電源系統の両方に電気的に接続される。
或いは、本発明の別の側面に係る光トランシーバの制御方法は、ホスト装置から第1及び第2の電源系統によって電源が供給され、熱電変換素子と、熱電変換素子と第1の電源系統との間に接続された第1のダイオードと、熱電変換素子と第2の電源系統との間に直列に接続された第2のダイオード及び第2のスイッチと、を備える光トランシーバの制御方法であって、熱電変換素子の温度が非定常状態にあるときには、第2のスイッチをオンして第2の電源系統を第2のダイオードを介して熱電変換素子に接続し、熱電変換素子の温度が定常状態に遷移したときには、第2のスイッチをオフして第2の電源系統を熱電変換素子から切り離す。
本発明によれば、より短時間に正常に起動させることが可能な光トランシーバ及び光トランシーバの制御方法を提供することができる。
本発明の好適な一実施形態に係る光リンクモジュールの概略構成を示すブロック図である。 図1の光リンクモジュール1の光信号送信側の温調回路及び制御系を含む詳細構成を示すブロック図である。 図1の光リンクモジュール1に設けられる電源回路の構成を示すブロック図である。 図1の光リンクモジュール1の起動時の制御動作の手順を示すフローチャートである。 図1の光リンクモジュール1における起動時の供給電流の時間変化を示すグラフである。 比較例に係る光リンクモジュールの電源回路の構成を示すブロック図である。 比較例に係る光リンクモジュールにおける起動時の供給電流の時間変化を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明による光トランシーバ、電子機器、及び光トランシーバの制御方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る光リンクモジュールの概略構成を示すブロック図である。この光リンクモジュール1は、光信号を送受信する光トランシーバとして使用される電子機器であり、光電変換機能、信号波形整形機能等を備える。同図に示すように、光リンクモジュール1は、外部の光インクモジュール1制御用のホスト装置3とプラグ着脱可能に接続されており、CDR(Clock Data Recovery)回路部5、LDD(Laser Diode Driver)回路部7、LD(Laser Diode)モジュール9、PD(Photodiode)モジュール11、及びCDR回路部13を含んで構成されている。CDR回路部5は、ホスト装置3から例えば10Gbpsのデータ転送速度の電気信号の入力を受け、その電気信号を波形整形する。LDD回路部7は、CDR回路部5から電気信号を受けて、その電気信号を基にLDモジュール9を変調し光信号を出力させる。PDモジュール11は、受光素子としてのPDを内蔵し、光信号を受信してその光信号を電気信号に変換し、CDR回路部13は、その電気信号を受けて波形整形することにより、ホスト装置3に対して例えば10Gbpsのデータ転送速度の電気信号を出力する。
図2には、光リンクモジュール1の送信側の温度制御回路及び制御系を含む詳細構成を示している。光リンクモジュール1は、上述したCDR回路部5、LDD回路部7、及びLDモジュール9の他、温度制御回路及び制御系として、TEC制御部(駆動回路)15、CPU17、及びバイアス制御部19を含んでいる。
LDモジュール9としては、通信速度が10Gbps以上、且つ、通信距離が40km以上の高速長距離伝送で用いる場合には、電界吸収型の変調器を集積化したEML(Electro-absorption Modulator Laser Diode)が好適に用いられる。EMLはLD部の発振波長とEA(Electro Absorption)部の光吸収係数(光吸収端)の温度特性が異なるため、両者、すなわち、発信波長と光吸収端の関係が常に成立するように温度制御されることが必要である。そのため、LDモジュール9には、EA部を集積化したLD21、LD21の近傍に配置された測温素子23、LD21の後方光をモニタするPD25、及びLD21の近傍に配置される熱電変換素子であるTEC(Thermo-Electric Cooler)27が内蔵されている。
TEC制御部15は、測温素子23が検知した温度について、その温度が目標温度に一致するようにTEC27に供給する駆動電流を制御する。これにより、LD21の温度を目標値に制御する。具体的には、TEC制御部15は、CPU17から温度目標値であるTLD_tarを受け、測温素子23から検知温度TLD_monを受け、両者の値が一致するようにTEC27への駆動電流ITECを帰還制御する。本発明に係るTEC27の駆動においては、TEC27を、目標温度TLD_tarと検知温度TLD_monの差に依存してその抵抗値を変える可変抵抗素子とみなすことができる。両温度が一致する時に最も抵抗値が高く、その差が大きくなるに従い抵抗値が減少する素子とみなすことができる。この場合、TEC27の起動時には両温度差が最も大きい状態であり、TEC27には最大電流が流れる。両温度の値が近づく(すなわち、TEC27の実際温度が目標温度に近づく)とTEC27の等価抵抗値が大きくなり、TEC27を定電圧駆動している場合には、TEC27に流れる電流値が漸次小さくなる。そして、検知温度TLD_monと目標温度TLD_tarが一致した時に等価抵抗値が最大となり、TEC27に流れる電流を最少値に維持している限り、TEC27の温度が目標温度に一致する。
バイアス制御部19は、PD25が検知したLD21の後方光の強度情報を受けて、これが所定の値に一致するようにLD21が出射する光の強度を制御する。すなわち、バイアス制御部19は、CPU17からモニタ電流目標値IPD_tarを受け、一方、PD25からは現在のモニタ値IPD_monを受け、両者が一致するようにLD21に供給するバイアス電流ILDbiasを制御する。このようなバイアス制御部19の機能はAPC(Auto Power Control)と呼ばれ、光データリンクの光出力強度を制御する方法としては一般的な手法である。
通信される情報を含む変調信号は、CDR回路部5を経由してLDD回路部7に入力され、LDD回路部7がLD21のEA部にこの変調信号を供給することでLD21を駆動する。
次に、図3を参照して、光リンクモジュール1に設けられる電源回路の構成を説明する。
光リンクモジュール1に接続する一仕様に基づく電源系としては、電源電圧Vcc1の第1の電源系統と、電源電圧Vcc2の第2の電源系統とが用意される。これらの第1及び第2の電源系統はホスト装置3から光リンクモジュール1に供給される。第1の電源系統は、主にTEC制御部15及びCPU17等の制御系統用の電源であり、主要な負荷はTEC制御部15となる。一方、第2の電源系統の主要な負荷は、をLDD回路部7及びCDR回路部5等の信号処理系である。これらの電源系統の電源仕様は、MSA(Multi-Source Agreement)によって規定されており、二つ電源電圧Vcc1、Vcc2は、互いに異なる電圧を与える場合も、また、同じ電圧を与える場合もある。また、定常状態はもちろんのこと、電源投入時の突入電力も含めて規定範囲以内に収めることが要求される。
同図に示すように、光リンクモジュール1の電源回路にはさらに、TEC制御部15と第1の電源系統との間に直列に接続されたDC/DCコンバータ31及び逆流防止回路部33と、TEC制御部15と第2の電源系統との間に直列に接続されたDC/DCコンバータ35、スイッチ(第2のスイッチ)SW2、及びダイオード(第2のダイオード)39と、LDD回路部5、CDR回路部7、及びバイアス制御部19と第2の電源系統との間に接続されたスイッチSW3(第3のスイッチ)とが設けられている。これらのスイッチSW2,SW3は、DC/DCコンバータ35の出力に接続される。また、逆流防止回路部33は、ダイオード(第1のダイオード)41とスイッチ(第1のスイッチ)SW1とが並列に接続されて構成されている。ダイオード41は、第2の電源系統の保護用素子であり、ダイオード39は、第1の電源系統の保護用素子である。詳細には、第1の電源系統がオフになった場合(グランド電位に落ちた場合)でも、第2の電源系統はダイオード41が介在することにより第1の電源系統から切り離される。また、第2の電源系統がオフとなった場合でも、第1の電源系統はダイオード39が介在することにより、第2の電源系統から切り離される。DC/DCコンバータ31は、CPU17からの制御パラメータP1により、第1の電源系統から入力される入力電圧を制御し、DC/DCコンバータ35は、CPU17からの制御パラメータP2により、第2の電源系統から入力される入力電圧を制御する。また、スイッチSW1,SW2,SW3は、光リンクモジュール1の起動時と定常時において電源系統と内部回路との接続を切り替えるために設けられる切替機構であり、CPU17によってオン−オフが制御される。
次に、光リンクモジュール1の起動時の制御動作の手順を説明する。図4は、光リンクモジュール1の起動時の制御動作の手順を示すフローチャートである。
光リンクモジュール1の電源が投入されて起動動作が開始されると、まずすべてのスイッチSW1,SW2,SW3がオフされる。もしくは、スイッチSW1,SW2,SW3について、いわゆるノーマリオフ型のスイッチを採用することで、スイッチSW1,SW2,SW3についてオフ状態を設定する。スイッチSW3がオフされるので、バイアス制御部19の動作が無効化の状態とされてLD21へのバイアス電流の供給が停止される(ステップS01)。また、CPU17については常に第1の電源系統に接続される状態にある。すなわち、光リンクモジュール1がホスト装置3にセットされた直後に電源Vcc1が供給される。その時、CPU17がリセット、いわゆるパワーオンリセットされる(ステップS02)。その後、CPU17により第1の電源系統の電源電圧Vcc1と第2の電源系統の電源電圧Vcc2がモニタされ、両電圧が正常電圧範囲にあることが確認される(ステップS03)。CPU17により正常電圧が確認されると次のステップS04に動作が移行される。
ステップS04では、CPU17により、温度モニタを用いて周囲温度がモニタされ、その周囲温度に対応した起動待機時間が設定される。すなわち、CPU17には周囲温度と起動に必要な時間との対応データがメモリ内に保持されており、モニタされた周囲温度に対応する時間の情報がメモリから読み出されることにより起動待機時間が設定される。例えば、モニタされた周囲温度がTEC27の目標温度との乖離が大きい程に起動待機時間は長く設定されている。この場合、起動待機時間はTEC27が安定状態に移行するまでの概略的な時間に相当する。一方、周囲温度と目標温度との乖離が小さい場合には、起動待機時間は、光リンクモジュール1内の種々回路部の初期化に要する時間に対応する。その後のTEC27の駆動開始後のTEC27の温度が非定常状態にあるときには、スイッチSW2がオンされ、スイッチSW1,SW3は引き続きオフ状態が維持される(ステップS05)。スイッチSW3をオフすることにより、LDD回路部5、CDR回路部7、及びバイアス制御部19を含む負荷が第2の電源系統から切り離される。一方、スイッチSW2がオンされることにより、第2の電源系統がダイオード39を介してTEC制御部15に接続され、スイッチSW1のオフ状態が維持されることにより、第1の電源系統がダイオード41を介してTEC制御部15に接続される。すなわち、第1及び第2の電源系統の両方がTEC制御部15を介してTEC27に接続され、第2の電源系統からの電力を全てTEC27の駆動用として利用することができる。
次に、CPU17により、DC/DCコンバータ31,35に対して制御パラメータP1,P2が設定され、これらDC/DCコンバータ31,35の出力電圧が調整される(ステップS06)。ここで設定される制御パラメータP1,P2は、電源からの突入電流が予め評価されることにより決定されてメモリ内に予め保持される。具体的には、制御パラメータP2は、最大許容電流がTEC27に供給される様にDC/DCコンバータ35の出力を調整する。第1の電源Vcc1について最大電流容量が設定されている。第1の電Vcc1には既にCPU17が負荷として接続されている。CPU17に供給される電流を減じた電流が全てTECに供給される様にDC/DCコンバータ31の出力電圧を制御パラメータP1にて調整する。一方、第2の電源Vcc2については、第1の電源Vcc1について上記調整によりTEC27に電流が供給されたとしてもなおTEC27の最大許容電流に満たない場合に、この第2の電源Vcc2から残余の電流(TEC27の最大許容電流−第1の電源Vcc1からの電流)が供給される様に、制御パラメータP2を調整してDC/DCコンバータ35の出力電圧を調整する。さらに、TEC27の温度がその設定温度に近づくと、TEC27を電圧駆動している場合には、TEC27への印加電圧に対して駆動電流の値が小さくなる。TEC27の許容電流いっぱいまで駆動電流を大きくすることができるので、二つの電源Vcc1、Vcc2の何れかの電圧を、駆動電流の値をTEC27の許容電流いっぱいまで流す様にその出力を調整することもできる。
そして、ステップS04で設定された起動待機時間が経過し、TEC27の温度が目標温度にほぼ一致した後に、スイッチSW2をオフすると共にDC/DCコンバータ35に対して定常状態時の制御パラメータP2が設定される。このときの制御パラメータP2は、LDD回路部5等の負荷系統の駆動に必要な電圧に対応するように設定される。その後に、スイッチSW1とスイッチSW3をオンし、DC/DCコンバータ31に対して定常状態時の制御パラメータP1が設定される(以上、ステップS07)。このときの制御パラメータP1は、TEC27を電圧駆動した場合に、定常制御が必要な最低限の電圧に対応する値に変更される。このように、スイッチSW2をオフしスイッチSW3をオンすることにより、第2の電源系統がTEC制御部15から切り離される。同時に、スイッチSW1をオンすることで、ダイオード41が短絡されて、TEC制御部15がDC/DCコンバータ31に接続される。すなわち、この段階では、TEC27の制御に必要な電力は周囲温度とTEC27の温度の差を維持する分であり、第1の電源系統のみで十分に賄える量である。
その後、CPU17により、LDD回路部5及びCDR回路部7がリセットされ初期設定が実行される。それと同時に、CPU17により、バイアス制御部19をアクティブにし、LD21へのバイアス電流の供給が開始される(ステップS08)。このリセット動作からアクティブ動作までは、10msec以内の短時間で完了することができる。これにより、光リンクモジュール1が光通信可能な状態に設定される(ステップS09)。
以上説明した光リンクモジュール1及びその制御方法によれば、起動時には2つの電源系統を用いてTEC27を駆動し、定常時は1つの電源系統のみで駆動するため、光リンクモジュールの起動時間、特にTEC27の定常状態への移行を短縮化できる。また、DC/DCコンバータ31,35を用いて2つの電源系統の出力電圧を制御し、ダイオード39,41によって電源系統間の逆流を防止できるので、光リンクモジュール1の起動を短縮化することができる。
従来の光リンクモジュールの起動時において、システムを故障させる原因の一つに過発光が挙げられる。特に、LDにEMLを用いる場合、低温時に過発光の危険性が高い。EMLは通常30〜50°C程度の温度範囲で使用されることを想定して設計されている。想定した温度よりも低温の状況では、EA部のエネルギーギャップ(Eg)が短波長側にシフトする。その量はしばしばLDの発振波長とEgとの設計値を超えて短波長側にシフトするため、EA部が吸収する光量が減少する。その結果、光リンクモジュールの光出力が増大する。LD(Laser Diode)部は10dBm以上の強度での発光が可能であり、この強度は受信機の一般的な光入力規格を大幅に超過するため、対象とする光リンクモジュールに対向する光受信機を破壊する恐れがある。このような過発光を防止するのに有効な手法として、特開2009−070852号公報に記載のLD駆動方法が知られている。このLD駆動方法では、LDが目標温度で安定した後にLDへのバイアス電流の供給を開始するというものである。
さて、LDモジュールが目標温度に到達する時間は、TEC駆動電流を一定とする電流駆動の場合、電源投入時の周囲温度に依存する。光リンクモジュールの最悪の環境条件は、周囲温度が−50°C程度、TECの目標温度が50°Cの温度差が約100°Cの場合である。このような大きな温度差の場合、電源投入からTECの温度が目標値に到達するまでの時間は数秒程度を要する。この最悪条件を考慮して特開2009−070852号公報に記載の方法を適用する場合、数秒の起動待ち時間を設定する必要が生じる。
本実施形態の効果を比較例と比較しつつより詳細に説明する。図6には、比較例にかかる光リンクモジュールの電源回路の構成を示すブロック図である。この比較例の構成は、スイッチSW1,SW2,SW3、及びダイオード39,41を備えていない点、第1及び第2の電源系統がそれぞれTEC制御部15及びLDD回路部5等の負荷系統に固定的に接続されている点で、本実施形態の構成と異なる。
このような比較例において、起動時間を短縮するためにはTEC27への供給電流量を増加することが考えられる。一方、TEC制御部15が使用できる電力は、電源電圧Vcc1の最大供給電力からTEC制御部15以外で消費される電力を差し引いた量である。また、例えば、XFP型の光リンクモジュールに関するMSA規格により規定された最大電力は、電源Vcc1について2.5W(3.3V、750mA)、電源Vcc2について2.5W(5V、500mA)である。図7には、上記比較例の構成を有するXFP型光リンクモジュールにおいて、周囲温度が−50°Cで、TECの目標温度を50°Cとした場合の起動時にTEC27に流れる電流ITECの時間変化を示している。この時、TEC27は定電圧駆動されている。同図(a)には、TEC27に流れる電流ITEC、LDの温度TLD、及びTEC制御部15の出力電圧VTECの時間変化を示している。スイッチオン(t=0)の時にTEC27の温度と目標温度の乖離が最も大きく、ITECが最大に流れる。TEC27は一系統の電源Vcc1でのみ駆動されているが、DC/DCコンバータ31を介しているのでTEC27に印加されている定電圧VTECはVcc1の本来の値(3.3V)よりも小さい。従って、TEC27に供給される電流は電源Vcc1の最大電流である750mAよりも大きな値になる。すなわち、電源Vcc1に許容される電力は3.3V×0.75Aであり、CPU17で消費される電力およびDC/DCコンバータ31の消費電力以外の電力がTEC27で消費され、その値は、ITEC×VTEC、となる。TEC27は定電圧駆動されているので、起動時、すなわち、目標温度と検知温度の乖離が大きい時には、TEC電流ITECが第1の電源Vcc1の許容電流値0.75Aを超える場合もある。TEC温度が目標温度に近づくにつれTECに流れる電流ITECは漸次減少する。そのため、両温度が最終的に一致するまでに約5.1秒を要している。
同図(b)には、起動後から約1.2秒後にTEC制御部15の出力電圧VTECを新たな値に変更するように制御した場合のTEC27に流れる電流ITEC、LDの温度TLDの時間変化を示している。この場合にはTEC温度が安定するまでの時間は約2.66秒に短縮されるが、WDM用途を考慮すると、まだ十分とは言えない。
一方、図5には、本実施形態の光リンクモジュール1において、周囲温度が−50°Cで、LDモジュールの目標温度を50°Cの場合の起動時のTEC27に流れる電流ITEC、印加電圧VTEC、及びLDの温度TLDの時間変化を示している。同図(a)には供給電圧VTECを1段階で制御した場合、同図(b)には供給電圧VTECを2段階で制御した場合の測定結果を示している。起動当初、TEC27には二つの電源Vcc1、Vcc2から電力が供給される。従って、立ち上がりのTEC電流ITECの値は図7(a)に示す値よりも大きく、本例では1Aを超える電流が供給可能である。そのため、TEC27の温度上昇が加速され、1.3秒後には目標温度に達する。そうすると、第2の電源Vcc2からの供給電流が遮断され、TEC電流ITECは一旦減少し、また、TEC温度TLDも目標温度からシフトする。が、TEC温度が目標温度に一致した段階では、TECの駆動に必要な電流値は、第1の電源Vcc1、第2の電源Vcc2の最大許容電力をはるかに下回っている状態にあるので、第2の電源Vcc2からの電流の減少を第1の電源Vcc1からの供給電流で直ちに補償することが可能である。そのため、TEC温度TLDのふらつきは最少に留めることができる。
一方、図5(b)は、TEC27の駆動電圧VTECを制御途中で増加させた際に、TEC駆動電流ITEC、その温度TLDの変化を示している。この場合、上記TEC駆動電圧VTECを一定に維持した場合に、TEC温度安定までの時間として1.3秒を要していたものが、さらに短縮されその時間は1.17秒となった。
すなわち、本実施形態の光リンクモジュール1においては、起動時にTECに供給される電力が、
<電源Vcc1の最大許容電力>−<ダイオード41の消費電力>−<TEC制御部15以外で消費される電力>+<電源Vcc2の最大許容電力>−<ダイオード39の消費電力>
と設定され、比較例に比べて増加される。ここで、TECへの供給電力を最大化するためには、ダイオード41,39による消費電力を最小化すればよい。そのためには、ダイオード41には順電圧(Vf)の低いダイオードを選定する。
1…光リンクモジュール(光トランシーバ)、3…ホスト装置、5,13…CDR回路部、7…LDD回路部、9…LDモジュール、11…PDモジュール、15…TEC制御部(駆動回路)、19…バイアス制御部、21…LD、23…測温素子、25…PD、27…TEC、31,35…DC/DCコンバータ、33…逆流防止回路部、39,41…ダイオード、SW1,SW2,SW3…電源切り替えスイッチ。

Claims (5)

  1. ホスト装置から第1及び第2の電源系統によって電源が供給され、熱電変換素子が搭載され、前記ホスト装置に着脱可能に接続される光トランシーバであって、
    前記熱電変換素子と前記第1の電源系統との間に接続された第1のダイオードと、
    前記熱電変換素子と前記第2の電源系統との間に直列に接続された第2のダイオード及び第2のスイッチと、を備え、
    前記第2のスイッチは、前記第1及び第2の電源系統からの電源の供給が開始された際に、前記第2の電源系統を前記熱電変換素子に接続させ、
    前記熱電変換素子は、前記熱電変換素子の温度が定常状態にあるときに、前記第1の電源系統のみに電気的に接続され、前記電源の供給が開始され前記熱電変換素子の温度が非定常状態にあるときに、前記第1及び第2の電源系統の両方に電気的に接続される、光トランシーバ。
  2. 前記熱電変換素子の温度が非定常状態にあるときには、第2のスイッチがオンされ、
    前記熱電変換素子の温度が定常状態にあるときには、前記第2のスイッチがオフされる、請求項1記載の光トランシーバ。
  3. 前記第1のダイオードに並列に接続された第1のスイッチと、
    前記第2の電源系統と負荷系統との間に接続された第3のスイッチをさらに備え、
    前記第1及び第3のスイッチは、前記熱電変換素子の温度が非定常状態にあるときにはオフされ、前記熱電変換素子の温度が定常状態にあるときにはオンされる、請求項2記載の光トランシーバ。
  4. ホスト装置から第1及び第2の電源系統によって電源が供給され、熱電変換素子と、前記熱電変換素子と前記第1の電源系統との間に接続された第1のダイオードと、前記熱電変換素子と前記第2の電源系統との間に直列に接続された第2のダイオード及び第2のスイッチと、を備える光トランシーバの制御方法であって、
    前記熱電変換素子の温度が非定常状態にあるときには、前記第2のスイッチをオンして前記第2の電源系統を前記第2のダイオードを介して前記熱電変換素子に接続し、
    前記熱電変換素子の温度が定常状態に遷移したときには、前記第2のスイッチをオフして前記第2の電源系統を前記熱電変換素子から切り離す、光トランシーバの制御方法。
  5. 前記光トランシーバは、前記第1のダイオードと並列に接続された第1のスイッチと、前記第2の電源系統と負荷系統との間に接続された第3のスイッチをさらに備え、
    前記熱電変換素子の温度が非定常状態のときには、前記第3のスイッチをオフして前記負荷系統を前記第2の電源系統から切り離し、
    前記熱電変換素子の温度が定常状態に遷移したときには、前記第2のスイッチをオフした後に、前記第1のスイッチをオンして前記第1のダイオードを短絡し前記第3のスイッチをオンして前記負荷系統を前記第2の電源系統に接続する、請求項記載の光トランシーバの制御方法。
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