JP2018013626A - 歯科実習用模型歯及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度が高く、且つ、低コストでありながら良好な切削感をもつ歯科実習用模型歯及びその製造方法を提供すること。【解決手段】顎模型に固定可能な多層構造の歯科実習用模型歯1であって、顎模型に固定可能な顎側歯根部10と、前記顎側歯根部10に結合される歯冠側歯根部11と、を備える。歯科実習用模型歯1は、歯冠側歯根部11の表面の少なくとも一部に被せられるエナメル質部12を更に備えることが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、歯科実習用模型歯及びその製造方法に関する。
歯科医師又は歯科学生が、歯科治療のための口腔内作業を体験するために、練習材料として天然の抜去歯を使用することがある。このような天然の抜去歯を使用することは、歯科治療の練習生にとって、実際の歯の切削感や、歯牙の構造、根管の形状を記憶するのに適している。一方で、天然の抜去歯は、腐敗や衛生上の問題からその保存に注意を要する。そこで、天然の抜去歯に代わる口腔内作業の練習材料として、エポキシ樹脂を用いて作製された歯科実習用模型歯が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような歯科実習用模型歯は、エポキシ樹脂により形成された象牙質部と、他の特殊材料により形成されたエナメル質部とを備えている。これにより、エナメル質部と象牙質部との切削感の違いを表現することが可能になっている。一方で、製造過程において、別材料で形成されるエナメル質部及び象牙質部を一体化させる必要があるが、別々に形成されたエナメル質部及び象牙質部を精度良く結合することが難しい。そこで、象牙質部形成用の型に予め形成されたエナメル質部を配置し、象牙質部を注型等の成形法により形成することによって、エナメル質部及び象牙質部を一体化している。注型により形成される象牙質部は、収縮やバリの発生等により形状再現性が低く、生産性に劣るため、歯科実習用模型歯の製造コストは比較的高コストになっている。
本発明は、精度が高く、且つ、低コストでありながら切削感の変わらない歯科実習用模型歯及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、顎模型に固定可能な多層構造の歯科実習用模型歯であって、顎模型に固定可能な顎側歯根部と、前記顎側歯根部に結合される歯冠側歯根部と、を備える歯科実習用模型歯に関する。
また、歯科実習用模型歯は、歯冠側歯根部の表面の少なくとも一部に被せられるエナメル質部を更に備えることが好ましい。
また、前記歯冠側歯根部と、前記エナメル質部との硬度が異なることが好ましい。
また、前記顎側歯根部は、柱状の顎側歯根部と、該顎側歯根部本体の一端部の端面が凹状に凹んで形成された結合部と、を備え、前記歯冠側歯根部は、柱状の歯冠側歯根部本体と、該歯冠側歯根部本体の一端部の端面が凸状に膨出して形成され、前記結合部に挿入される挿入部と、を備えることが好ましい。
また、前前記結合部の内面の先端部分は、前記顎側歯根部本体の径内方向に向けて下り傾斜して形成され、前記挿入部は、前記結合部の内面の先端部分の傾斜角度に合わせ、根本側の周面が膨出方向に徐々に縮径して形成されることが好ましい。
また、前記顎側歯根部は、前記顎側歯根部本体の一端部に設けられる顎側位置決め部を備え、前記歯冠側歯根部は、前記歯冠側歯根部本体の周面に形成され、前記顎側位置決め部と組み合わされることにより、前記顎側歯根部本体の周方向に対して前記歯冠側歯根部本体の周方向を位置決めする歯冠側位置決め部と、を備えることが好ましい。
また、前記顎側位置決め部は、前記顎側歯根部本体の一端部を軸方向に沿って切り欠いた凹状に形成され、前記歯冠側位置決め部は、前記歯冠側歯根部本体の周面において凸状に形成され、前記顎側位置決め部及び前記歯冠側位置決め部は、篏合可能であることが好ましい。
また、本発明は、顎模型に固定可能な多層構造の歯科実習用模型歯の製造方法であって、顎模型に固定可能な顎側歯根部を形成する顎側歯根部形成工程と、前記顎側歯根部に結合される歯冠側歯根部を、注型又は射出成形等を用いて形成する歯冠側歯根部形成工程と、を備える歯科実習用模型歯の製造方法に関する。
また、歯科実習用模型歯の製造方法は、前記歯冠側歯根部の表面の少なくとも一部に被せられるエナメル質部を形成するエナメル質部形成工程を更に備えることが好ましい。
また、歯科実習用模型歯の製造方法は、前記顎側歯根部及び前記歯冠側歯根部を一体的に結合する結合工程を更に備えることが好ましい。
また、歯科実習用模型歯の製造方法は、前記顎側歯根部及び前記エナメル質部を、前記歯冠側歯根部を形成するための注型用の型に設置する設置工程を更に備え、前記歯冠側歯根部形成工程は、前記歯冠側歯根部を形成する注型又は射出成形により、前記顎側歯根部及び前記エナメル質部と、前記歯冠側歯根部とを一体的に結合することが好ましい。
本発明によれば、精度が高く、且つ、低コストでありながら良好な切削感をもつ歯科実習用模型歯及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の歯科実習用模型歯及びその製造方法の好ましい一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
本実施形態の歯科実習用模型歯1は、図1〜図3に示すように、人間の歯牙の形状を模して製造され、歯科実習における練習用教材として好適に用いられる。このような歯科実習用模型歯1は、人間の顎に固定されている状態を再現するために、一端側が歯根として顎模型(図示せず)に固定可能に形成され、他端側が歯冠として形成される。また、歯科実習用模型歯1は、実際の切削感を表現するために、多層構造を有するように形成される。
本実施形態の歯科実習用模型歯1は、図1〜図3に示すように、人間の歯牙の形状を模して製造され、歯科実習における練習用教材として好適に用いられる。このような歯科実習用模型歯1は、人間の顎に固定されている状態を再現するために、一端側が歯根として顎模型(図示せず)に固定可能に形成され、他端側が歯冠として形成される。また、歯科実習用模型歯1は、実際の切削感を表現するために、多層構造を有するように形成される。
このような歯科実習用模型歯1は、図1〜図3に示すように、顎模型(図示せず)に固定可能な顎側歯根部10と、該顎側歯根部10に結合される歯冠側歯根部11と、該歯冠側歯根部11の少なくとも一部に被せられるエナメル質部12と、を備える。
顎側歯根部10は、図1〜4に示すように、柱状に形成される顎側歯根部本体100と、顎側歯根部本体100の一端側に形成される結合部102及び顎側位置決め部101と、顎側歯根部本体100の他端側に設けられる被固定部103及び固定用位置決め部104と、を備える。
顎側歯根部10は、光造型法、インクジェット法、熱溶融積層法等の三次元造型法、射出成形や押出し成形、圧縮成形、注型法、切削加工法等を用いて形成され、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の樹脂を用いて形成される。本実施形態において、顎側歯根部10は、射出成形によって形成される。顎側歯根部10は、精度よく成形が可能な(即ち、形状再現性が高い)成形法により形成されることが好ましい。
顎側歯根部本体100は、断面が三角形状の柱状に形成される。
顎側歯根部10は、図1〜4に示すように、柱状に形成される顎側歯根部本体100と、顎側歯根部本体100の一端側に形成される結合部102及び顎側位置決め部101と、顎側歯根部本体100の他端側に設けられる被固定部103及び固定用位置決め部104と、を備える。
顎側歯根部10は、光造型法、インクジェット法、熱溶融積層法等の三次元造型法、射出成形や押出し成形、圧縮成形、注型法、切削加工法等を用いて形成され、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の樹脂を用いて形成される。本実施形態において、顎側歯根部10は、射出成形によって形成される。顎側歯根部10は、精度よく成形が可能な(即ち、形状再現性が高い)成形法により形成されることが好ましい。
顎側歯根部本体100は、断面が三角形状の柱状に形成される。
結合部102は、顎側歯根部本体100の一端側の端面が凹状に凹んで形成される。結合部102の内面の先端部分は、顎側歯根部本体100の径内方向に向けて下り傾斜して形成される。
顎側位置決め部101は、顎側歯根部本体100の一端側の端部を軸方向に沿って切り欠いた凹状に形成される。換言すると、顎側位置決め部101は、結合部102の内面の先端部分の一部を軸方向に沿って切り欠いた凹状に形成される。顎側位置決め部101の切り欠け長さは、結合部102の凹みの深さよりも短くなるように形成される。本実施形態において、顎側位置決め部101は、顎側歯根部本体100の周方向において1か所に形成される。特に、顎側位置決め部101は、顎側歯根部本体100の一端側の端面の三角形状において、一つの角の位置に形成される。
被固定部103は、顎側歯根部本体100の他端側の端面が凹状に凹んで形成される。そして、被固定部103の内面には、ネジ溝(図示せず)が形成される。
固定用位置決め部104は、顎側歯根部本体100の他端側の周面の一部が径方向に凹んで形成される。本実施形態において、固定用位置決め部104は、顎側歯根部本体100の他端側の周面のうち、顎側位置決め部101と軸方向で重なる位置の周面が径方向に凹んで形成される。
歯冠側歯根部11は、図2及び図3に示すように、柱状に形成される歯冠側歯根部本体110と、該歯冠側歯根部本体110に形成される挿入部111及び歯冠側位置決め部113と、を備える。歯冠側歯根部11は、射出成形や押出し成形、圧縮成形、注型法等の成形法により形成され、例えば、エポキシ樹脂が材料として用いられる。本実施形態において、歯冠側歯根部11は、注型によって形成される。なお、歯冠側歯根部11は、好適な切削感となる材料及び成形法を組み合わせて形成することが好ましい。
歯冠側歯根部本体110は、柱状に形成される。具体的には、歯冠側歯根部本体110は、歯冠側の象牙質の形状を模して柱状に形成される。歯冠側歯根部本体110の一端縁は、顎側歯根部本体100の一端縁の外径と略同径に形成される。
歯冠側歯根部本体110は、柱状に形成される。具体的には、歯冠側歯根部本体110は、歯冠側の象牙質の形状を模して柱状に形成される。歯冠側歯根部本体110の一端縁は、顎側歯根部本体100の一端縁の外径と略同径に形成される。
挿入部111は、歯冠側歯根部本体110の一端側の端面が凸状に膨出して形成される。また、挿入部111は、結合部102の深さと同じ又はより短い長さで膨出する。これにより、挿入部111は、結合部102に挿入可能であるとともに、挿入された状態で結合部102の内面に接触しつつ収容され得る。そして、挿入部111は、根本側の周面が結合部102の内面の先端部分の傾斜角度に合わせ、膨出方向に向けて徐々に縮径して形成される。
歯冠側位置決め部113は、顎側位置決め部101と組み合わせ可能に形成され、歯冠側歯根部本体110の周面において凸状に形成される。具体的には、歯冠側位置決め部113は、歯冠側歯根部本体110から軸方向に沿って一端側に突出する凸状に形成される。また、歯冠側位置決め部113は、凹状に形成された顎側位置決め部101の凹み量(切り欠き量)と略等しい突出量で形成される。これにより、顎側位置決め部101及び歯冠側位置決め部113は、篏合可能になっている。歯冠側位置決め部113は、顎側位置決め部101に組み合わされることにより、顎側歯根部本体100の周方向に対して歯冠側歯根部本体110の周方向を位置決めすることができる。
本実施形態において、歯冠側位置決め部113は、顎側位置決め部101に合わせ、歯冠側歯根部本体110の周面において1か所に設けられている。また、本実施形態において、歯冠側位置決め部113は、挿入部111の断面の三角形状における1つの角の位置に隣接して形成される。
エナメル質部12は、歯冠側歯根部11とは異なる材料で形成され、歯冠側歯根部11とは異なる硬度に形成される。エナメル質部12は、例えば、歯冠側歯根部11よりも硬い樹脂により形成される。エナメル質部12は、歯冠側歯根部本体110の表面の一部に被せられることにより、被せられた部分の歯冠側歯根部本体110とともに実際の歯牙の歯冠を模擬的に表現する。
以上の顎側歯根部10は、一端側(結合部102)において歯冠側歯根部11に結合され、他端側(被固定部103)において、ネジ溝(図示せず)を用いて顎模型(図示せず)に螺合されることにより、顎模型(図示せず)に固定可能になっている。また、顎模型(図示せず)に形成された凸部(図示せず)に対して固定用位置決め部104が係合されることにより、顎側歯根部10は、顎模型(図示せず)に対して周方向の位置が位置決めされる。そして、以上の歯冠側歯根部11は、一端側(挿入部)において顎側歯根部10に結合され、他端側においてエナメル質部12に一部を覆われる。
次に、本実施形態に係る歯科実習用模型歯1の製造方法について説明する。
本実施形態に係る歯科実習用模型歯1の製造方法は、顎側歯根部10を形成する顎側歯根部形成工程と、エナメル質部12を形成するエナメル質部形成工程と、歯冠側歯根部11を形成するための型にエナメル質部12を設置する設置工程と、歯冠側歯根部11を形成する歯冠側歯根部形成工程と、顎側歯根部10及び歯冠側歯根部11を一体的に結合する結合工程と、を備える。
本実施形態に係る歯科実習用模型歯1の製造方法は、顎側歯根部10を形成する顎側歯根部形成工程と、エナメル質部12を形成するエナメル質部形成工程と、歯冠側歯根部11を形成するための型にエナメル質部12を設置する設置工程と、歯冠側歯根部11を形成する歯冠側歯根部形成工程と、顎側歯根部10及び歯冠側歯根部11を一体的に結合する結合工程と、を備える。
顎側歯根部形成工程では、硬化前の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等が材料として用いられ、顎側歯根部10が光造型法、インクジェット法、熱溶融積層法等の三次元造型法、射出成形や押出し成形、圧縮成形、注型法、切削加工法等を用いて形成される。本実施形態では、顎側歯根部形成工程において、硬化前の材料を型に流し込んで硬化させることにより顎側歯根部10が形成される。これにより、顎側歯根部形成工程では、結合部102、顎側位置決め部101及び被固定部103が形成された顎側歯根部本体100が一体成形される。この顎側歯根部形成工程では、精度よく成形が可能な(即ち、形状再現性が高い)成形法により顎側歯根部10が形成される。
エナメル質部形成工程では、エナメル質部12が歯冠側歯根部11とは異なる材料で形成され、例えば、エナメル質部12は、歯冠側歯根部11よりも硬い樹脂部材により形成される。エナメル質部12は、例えば、射出成形により形成される。
エナメル質部形成工程では、エナメル質部12が歯冠側歯根部11とは異なる材料で形成され、例えば、エナメル質部12は、歯冠側歯根部11よりも硬い樹脂部材により形成される。エナメル質部12は、例えば、射出成形により形成される。
設置工程では、形成されたエナメル質部12が、歯冠側歯根部11を形成する注型用の型内に位置合わせして配置される。具体的には、エナメル質部12は、歯冠側歯根部11を形成する型内のうち、歯冠を形成する位置に位置合わせして配置される。
歯冠側歯根部形成工程では、エポキシ樹脂等が材料として用いられ、歯冠側歯根部11が注型又は射出成形により形成される。本実施形態では、歯冠側歯根部形成工程では、注型材料を注型用の型内に注型した後硬化させることにより歯冠側歯根部11が形成される。これにより、歯冠側歯根部形成工程では、挿入部111及び歯冠側位置決め部113が形成された歯冠側歯根部本体110が一体成形される。このとき、設置工程において配置されているエナメル質部12に注型材料が接触するので、エナメル質部12及び歯冠側歯根部11が結合される。また、エナメル質部12の形状に合わせて歯冠側歯根部本体110の歯冠側が形成され、多層構造の歯冠部を得ることができる。
結合工程では、まず、挿入部111に接着剤が塗布される。そして、図2に示すように、歯冠側位置決め部113は、顎側位置決め部101に対し、軸方向及び周方向において位置決めされる。次に、挿入部111は、顎側位置決め部101の一端側から結合部102に挿入される。挿入部111が挿入方向(軸方向)に移動されることにより、歯冠側位置決め部113は、顎側位置決め部101に向けて移動する。
挿入部111が結合部102に十分に挿入されると、凸状の歯冠側位置決め部113は、凹状の顎側位置決め部101に篏合される。これにより、挿入部111は、挿入方向へのさらなる移動が規制されるとともに、顎側歯根部本体100に対して周方向への回転も規制される。そして、顎側歯根部本体100及び歯冠側歯根部本体110が接着剤により接着され、一体化される。歯冠側歯根部本体110の一端縁の径は、顎側歯根部本体100の一端縁の外径と略同径に形成されていることから、顎側歯根部本体100の周面と、歯冠側歯根部本体110の周面とが面一となる歯科実習用模型歯1が製造される。
なお、設置工程において、エナメル質部12が歯冠側歯根部11を形成する型内に位置合わせして配置されるとしたが、顎側歯根部10及びエナメル質部12を、歯冠側歯根部11を形成するための注型用の型に設置するとしてもよい。この場合、結合工程は必要なく、歯冠側歯根部形成工程における歯冠側歯根部11を形成する注型により、顎側歯根部及びエナメル質部12と、歯冠側歯根部11とを一体的に結合することができる。
以上説明した一実施形態の歯科実習用模型歯1及びその製造方法によれば、以下のような効果を奏する。
(1)顎側歯根部10と、歯冠側歯根部11とにより歯科実習用模型歯1を構成した。これにより、良好な歯冠側歯根部11の切削感を維持しつつ、注型等の形状再現性の低い成形法により形成される歯冠側歯根部11の容積を減らすことができる。よって、顎側歯根部10を精度よく成形可能な成形法で形成することで、顎模型への取り付け精度を維持しつつ歯冠側歯根部11の容積を減らして収縮等によるバラつきを抑制することができるので、歯科実習用模型歯1の精度を向上することができる。また、精度が向上することで歩留りが高くなり、歯科実習用模型歯1の製造コストを削減することができる。
(2)エナメル質部12を、歯冠側歯根部11の表面の少なくとも一部に被せるようにした。これにより、実際の歯に近い多層構造の歯科実習用模型歯1を構成することができる。
(3)歯冠側歯根部11と、エナメル質部12との硬度を異なるようにした。これにより、エナメル質部12の切削感と、歯冠側歯根部11の切削感とを歯科実習用模型歯1に持たせることができる。
(4)顎側歯根部本体100の一端部の端面が凹状に凹んで形成される結合部102に、歯冠側歯根部本体110の一端部の端面が凸状に膨出して形成される挿入部111を挿入可能に構成した。これにより、顎側歯根部10及び歯冠側歯根部11が平面同士で結合される場合に比べ、接触面積を大きく確保できる。従って、歯科実習用模型歯1の強度を高めることができる。また、歯冠側歯根部11を深く切削したとしても、挿入部111を切削することになるので、違和感のない切削感を実現できる。
(5)結合部102の内面の先端部分を顎側歯根部本体100の径内方向に向けて下り傾斜して形成し、挿入部111の根本側の周面を結合部102の先端部分の傾斜角度に合わせ、膨出方向に徐々に縮径して形成するようにした。これにより、歯冠側歯根部11の注型において鋭角となる部分を減らすことができるので、バリの発生を抑制することができ、歯科実習用模型歯1の精度をより高めることができる。
(6)顎側歯根部本体100の軸方向の一端部に顎側位置決め部101を配置し、歯冠側歯根部11の周面に顎側位置決め部101に組み合わせ可能な歯冠側位置決め部113を配置した。そして、顎側位置決め部101に対して歯冠側位置決め部113を組み合わせることにより、顎側歯根部10の周方向に対して歯冠側歯根部11の周方向を位置決めするようにした。これにより、顎側歯根部10に対して歯冠側歯根部11の周方向へのずれを抑制して精度を向上させることができる。
(7)顎側位置決め部101を凹状に形成し、歯冠側位置決め部113を凸状に形成して顎側位置決め部101に篏合可能にした。これにより、顎側歯根部10に対して歯冠側歯根部11の周方向へのずれを抑制して精度を向上させることができる。
(8)歯科実習用模型歯1の製造方法を、顎側歯根部10を形成する顎側歯根部形成工程と、注型又は射出成形を用いて歯冠側歯根部11を形成する歯冠側歯根部形成工程とを含んで構成した。これにより、歯冠側歯根部11の切削感を担保しつつ、注型等の形状再現性の低い成形法により形成される歯冠側歯根部11の容積を減らすことができる。よって、顎側歯根部10を精度よく成形可能な成形法で形成することで、顎模型への取り付け精度を維持しつつ歯冠側歯根部11の容積を減らすことにより、収縮等によるバラつきを抑制することができるので、歯科実習用模型歯1の精度を向上することができる。また、精度が向上することで歩留りが高くなり、歯科実習用模型歯1の製造コストを削減することができる。
(9)エナメル質部12を形成するエナメル質部形成工程をさらに構成した。これにより、実際の歯に近い多層構造の歯科実習用模型歯1を製造することができる。
(10)顎側歯根部10及び歯冠側歯根部11を一体的に結合する結合工程をさらに構成した。これにより、精度が高く、製造コストを削減した歯科実習用模型歯1を製造することができる。
(11)顎側歯根部10及びエナメル質部12を、歯冠側歯根部11を形成するための注型用の型に設置し、歯冠側歯根部11を注型により形成することで、顎側歯根部10、歯冠側歯根部11、及び、エナメル質部12を一体的に結合するようにした。歯冠側歯根部11を形成するだけで、顎側歯根部10及びエナメル質部12と、歯冠側歯根部11とを一体的に結合することができるので、結合工程を省くことができ、歯科実習用模型歯1の生産性を高めることができる。
以上、本発明の歯科実習用模型歯及びその製造方法の好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、図5に示すように、エナメル質部12を設けずに、歯冠側歯根部本体110のみによりにより歯冠を形成してもよい。また、図6に示すように、歯冠側歯根部11を支台として形成し、支台の表面に他の模型歯(クラウン)を取り付け可能な形状にすることも可能である。また、ポスト孔をもつ残存歯質として顎側歯根部10を形成し、コアとして歯冠側歯根部11を形成し、クラウンとしてエナメル質部12を形成した後に結合することにより、実習用ポスト形成模型歯として形成することも可能である。このように、種々の模型歯を製造することが可能である。
例えば、図5に示すように、エナメル質部12を設けずに、歯冠側歯根部本体110のみによりにより歯冠を形成してもよい。また、図6に示すように、歯冠側歯根部11を支台として形成し、支台の表面に他の模型歯(クラウン)を取り付け可能な形状にすることも可能である。また、ポスト孔をもつ残存歯質として顎側歯根部10を形成し、コアとして歯冠側歯根部11を形成し、クラウンとしてエナメル質部12を形成した後に結合することにより、実習用ポスト形成模型歯として形成することも可能である。このように、種々の模型歯を製造することが可能である。
また、エナメル質部12と、歯冠側歯根部11とを形成する材料のそれぞれを別材料として説明したが、同じ材料や同じ硬度をもつ材料により形成できることはもちろんである。また、歯冠側歯根部11の硬度をエナメル質部12の硬度よりも硬い材料により形成することも可能である。
また、歯冠側歯根部本体110を、歯根部分と歯冠部分とを含んで一体的に形成したが、これに限らない。即ち、歯冠側歯根部本体を、歯根部分のみにより構成し、この歯冠側歯根部本体に着脱可能な歯冠部分を別体として構成してもよい。これにより、歯冠側歯根部本体110に種々の形状の歯冠部分を取り付けられるので、歯冠側歯根部本体110の汎用性を高められる。
また、顎側位置決め部101を凹状とし、歯冠側位置決め部113を凸状としたが、それぞれを逆の形状としてもよいことはもちろんである。また、顎側位置決め部101及び歯冠側位置決め部113を一対として、複数設けることも可能である。
1 歯科実習用模型歯
10 顎側歯根部
11 歯冠側歯根部
12 エナメル質部
100 顎側歯根部本体
101 顎側位置決め部
102 結合部
110 歯冠側歯根部本体
111 挿入部
113 歯冠側位置決め部
10 顎側歯根部
11 歯冠側歯根部
12 エナメル質部
100 顎側歯根部本体
101 顎側位置決め部
102 結合部
110 歯冠側歯根部本体
111 挿入部
113 歯冠側位置決め部
Claims (11)
- 顎模型に固定可能な多層構造の歯科実習用模型歯であって、
顎模型に固定可能な顎側歯根部と、前記顎側歯根部に結合される歯冠側歯根部と、を備えることを特徴とする歯科実習用模型歯。
- 前記歯冠側歯根部の表面の少なくとも一部に被せられるエナメル質部を備える請求項1に記載の歯科実習用模型歯。
- 前記歯冠側歯根部と、前記エナメル質部との硬度が異なる請求項2に記載の歯科実習用模型歯。
- 前記顎側歯根部は、柱状の顎側歯根部本体と、該顎側歯根部本体の一端部の端面が凹状に凹んで形成された結合部と、を備え、
前記歯冠側歯根部は、柱状の歯冠側歯根部本体と、該歯冠側歯根部本体の一端部の端面が凸状に膨出して形成され、前記結合部に挿入される挿入部と、を備える請求項3に記載の歯科実習用模型歯。
- 前記結合部の内面の先端部分は、前記顎側歯根部本体の径内方向に向けて下り傾斜して形成され、前記挿入部は、前記結合部の内面の先端部分の傾斜角度に合わせ、根本側の周面が膨出方向に徐々に縮径して形成される請求項4に記載の歯科実習用模型歯。
- 前記顎側歯根部は、前記顎側歯根部本体の一端部に設けられる顎側位置決め部を備え、
前記歯冠側歯根部は、前記歯冠側歯根部本体の周面に形成され、前記顎側位置決め部と組み合わされることにより、前記顎側歯根部本体の周方向に対して前記歯冠側歯根部本体の周方向を位置決めする歯冠側位置決め部と、を備える請求項4又は5に記載の歯科実習用模型歯。
- 前記顎側位置決め部は、前記顎側歯根部本体の一端部を軸方向に沿って切り欠いた凹状に形成され、
前記歯冠側位置決め部は、前記歯冠側歯根部本体の周面において凸状に形成され、
前記顎側位置決め部及び前記歯冠側位置決め部は、篏合可能である請求項6に記載の歯科実習用模型歯。
- 顎模型に固定可能な多層構造の歯科実習用模型歯の製造方法であって、
顎模型に固定可能な顎側歯根部を形成する顎側歯根部形成工程と、
前記顎側歯根部に結合される歯冠側歯根部を、注型又は射出成形を用いて形成する歯冠側歯根部形成工程と、を備えることを特徴とする歯科実習用模型歯の製造方法。
- 前記歯冠側歯根部の表面の少なくとも一部に被せられるエナメル質部を形成するエナメル質部形成工程を備える請求項8に記載の歯科実習用模型歯の製造方法。
- 前記顎側歯根部及び前記歯冠側歯根部を一体的に結合する結合工程を備える請求項8又は9に記載の歯科実習用模型歯の製造方法。
- 前記顎側歯根部及び前記エナメル質部を、前記歯冠側歯根部を形成するための注型用の型に設置する設置工程を備え、
前記歯冠側歯根部形成工程は、前記歯冠側歯根部を形成する注型又は射出成形により、前記顎側歯根部及び前記エナメル質部と、前記歯冠側歯根部とを一体的に結合する請求項9に記載の歯科実習用模型歯の製造方法。
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