JP2018013582A - ガラス成形レンズ、レンズ成形装置およびレンズ製造方法 - Google Patents
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特許文献1では、ガラスレンズの外周形状が四角となるスクエアレンズを用いている。基板上に表面実装する上では、レンズの外周に平面(基準面)があることが好ましい。すなわち、基板のレンズを搭載する搭載面(基板上の平面)に、レンズの外周の平面を当接させるように載置することにより、レンズを基板の搭載面に安定して配置することができる。また、レンズの光軸と平面との配置関係が決まっていて、平面が基準面となっていれば、搭載面に基準面を当接させるだけで、光軸の基板からの距離などが決まることになる。したがって、基板の搭載面にスクエアレンズを、例えば、紫外線硬化樹脂等を用いて容易に接着固定することができる。
前記レンズ被成形面の周囲は、前記外周被成形面と接合された形状であり、
2つの前記レンズ被成形面のうちの少なくとも1つの前記レンズ被成形面の周囲は、前記外周被成形面と接合された形状であり、
2つの前記レンズ被成形面のうちの少なくとも1つの前記レンズ被成形面に形成されたレンズ面の前記レンズ被成形面の対角方向に沿ったレンズ有効径が、前記外周被成形面の前記光軸方向に直交する断面の四辺のうちの最も短い辺の長さより長くなっていることを特徴とする。
そのため、金型の四隅部分でシャープエッジがない形状とすると、ガラス成形レンズのレンズ被成形面の四隅に光軸に直交する平面に対する傾斜角が小さくなった緩傾斜部が形成されることになる。なお、緩傾斜部は、例えば、光軸に直交する平面状であってもよいし、平面ではなく曲面であってもよいし、光軸に直交する角度より少し小さな角度であってもよいが、上述のように金型のレンズ成形面のシャープエッジを無くした形状に対応して形成されるものである。
ここで、球状のプリフォームをスリーブ内で上型と下型で加圧した場合に、プリフォームの容量とガラス成形レンズの容量を考慮した場合に、プリフォームは、スリーブにぎりぎり入る程度の大きさとなる。すなわち、プリフォームは、スリーブの四角形状の断面の内接円の径に近い径を有するものとなる。
前記外周被成形面を成形するために内部に略四角柱状に貫通した内部空間を備える第1金型と、当該第1金型の前記内部空間に互いに反対方向から挿入され、前記第1金型の前記内部空間と略同様となる略四角柱状の第2金型および第3金型とを備え、
前記第2金型および前記第3金型の先端には、前記レンズ被成形面を成形するためのレンズ成形面が設けられていることを特徴とする。
前記第1金型の前記内部空間内で前記第2金型の前記レンズ成形面と前記第3金型の前記レンズ成形面との間に光学素子用硝材からなるとともに加熱軟化した球状のプリフォームを配置し、
前記第1金型内で前記第2金型と前記第3金型とを相対的に近づけることにより前記プリフォームを加圧して前記ガラス成形レンズとすることを特徴とする。
図1(a)〜(c)に示す本実施の形態のガラス成形レンズ1は、光学素子用硝材からなり、かつ、真球加工により球状になったプリフォームを加熱軟化させた状態で加圧して成形したものである。なお、ガラス成形レンズの製造に用いられる金型等においては、エッジ部分における欠けやひび割れ等の損傷を防止するために、面取りとして、エッジとなる部分に曲率半径Rの曲面や平面を設けてエッジを無くすことになるが、第1の実施の形態では、金型の面取りや、それに基づくガラス成形レンズの形状についての図示や記載を省略して説明し、後述の第2の実施の形態で金型の面取りおよびそれに基づくガラス成形レンズの形状を説明する。ここで、図1(a)は、ガラス成形レンズ1の正面図であり、光が出射する側のレンズ被成形面5(光が入射する側のレンズ被成形面4)を示している。図1(b)は、ガラス成形レンズ1の光軸に沿った光軸部分の断面図である。図1(c)は、ガラス成形レンズ1の側面図であり、実線で端面を示し、破線で端面以外の部分を示している。
これらレンズ被成形面4、5は、レンズ面を有するものであり、入射面と出射面となるものであり、本実施の形態において、レンズ被成形面4、5は、凸面となっている。なお、レンズ被成形面4とレンズ被成形面5は、略同様の形状の面であっても、異なる形状の面であってもよい。また、ガラス成形レンズ1は、球状のプリフォームから成形されるが、レンズ被成形面4、5は、非球面レンズとなっている。
すなわち、外形が四角状の各レンズ被成形面4、5は、対角線上のレンズ有効径を略対角線の長さとすれはレンズ被成形面5(レンズ被成形面4)の略全面が有効なレンズ面となっており、従来のスクエアレンズに比較して略同サイズならば実質的なレンズの有効径が大きくなっている。但し、レンズ被成形面4、5には、四隅の角部分(角部分)に略三角形状の平面部6が設けられている。このため、レンズ被成形面4、5の全面より少しだけ面積が少ない部分が有効なレンズ面となっている。この実施の形態において、平面部6は、光軸に直交する平面となっている。この平面部6としての平面は、レンズ被成形面4、5におけるレンズ有効径が略正方形状のレンズ被成形面4、5の対角線より短くかつ略正方形上の1辺の長さより長くなるように金型面を構成して、レンズ被成形面4,5の四隅部分(角部分)をレンズ有効径の外側の平面としたものである。または、金型面において、レンズ有効径がレンズ被成形面4、5の対角線と有効径を略同じとなるようにした後、金型の四隅のシャープエッジを取り除いたことに対応する形状である。
図2(a)〜(c)は、第2金型12の第1挿入部22(第3金型の第2挿入部23)を示すものであり、図2(a)が正面図であり、図2(b)が中心軸に沿った断面図である。図2(c)が側面図である。断面では、その全幅に渡って凹面の断面となる曲線となっているが、側面図では、左右両端部に後述の平面部(非エッジ部)16に対応する直線部分があり、それらの間が凹面に対応する曲線となっている。
このような第1金型11、第2金型12、第3金型13を組んで成形装置を組み立てる場合に、上述の一致点18を基準にして第1金型11〜第3金型13、特に第2金型12および第3金型13の位置を決めることで、レンズ成形装置を正確に組み立てることができ、最終的に光軸が所望する位置に配置されたガラス成形レンズ1を得ることができる。
図3に示すように、上型である第2金型12が上方に移動し、角形スリーブとしての第1金型11の内部空間21の上側開口が開放された状態となっている。第1金型11の内部空間21の下側の開口からは下型である第3金型13の第2挿入部23が挿入されている。これにより、第1金型11の内部空間21の下側開口が、第3金型13の第2挿入部23により閉塞された状態となっている。
次に、上型である第2金型12を下側に移動し、プリフォーム71を第2金型12と第3金型13との間に挟み込んで加圧して成形する。
この際に内部空間21内でプリフォーム71が上下から相対的に加圧された状態となり、上下から押し潰されるように成形される。
この際に第2金型12のレンズ成形面14および第3金型13のレンズ成形面15の形状がプリフォーム71のレンズ被成形面4、5となる部分に転写されることになる。この際に、プリフォーム71は、光軸に直交して外方に向かう方向に膨らむように潰されるが、直ぐに第1金型11の内部空間21の4つの内面に当たって光軸に直交する方向に長い楕円となり、この楕円が拡がるように成形される。
ここで、第1金型11の内部空間21の内面には、第2金型12の第1挿入部22の外周面に接することがなく、さらに、第3金型13の第2挿入部23の外周面と接することない部分が上述のように楕円に近い形状となっており、この部分がガラス成形レンズ1の外周被成形面2を構成することになる。この部分で、上述のように加圧されたプリフォーム71が楕円の形状で拡がることになるが、上述のようにこの部分では、内部空間21の内面と、第1挿入部22および第2挿入部の外面が接した状態となっていないので、これらの間にプリフォームが入り込んで、ばり状の構造が形成されるのを抑制し、ガラス成形レンズ1の成形が終わるまで、プリフォーム71が、内部空間21の内面と、第1挿入部22および第2挿入部23の外面とが接した部分に入り込むのを抑制し、上述のばり状の構造が生じるのを抑制できる。言い換えれば、ばり状の構造が発生するぎりぎりまで、プリフォーム71が加圧されて金型で形成される空間内に充填された状態となるので、真空成形を行う必要がない。
また、第1の実施の形態と同様に平面部46と凹面との境界部分には、円弧47が設けられており、四隅それぞれの円弧47の曲率半径の中心が一致し、この一致点48が、ガラス成形レンズ31の光軸に対応する位置である。この実施の形態では、レンズ成形面44(レンズ成形面45)を囲む4つの辺の平面部46の間となる部分に面取り部49が設けられている。面取り部49は、レンズ成形面44(レンズ成形面45)の4つの辺において、当該辺までレンズ面に対応する凹面となっていることにより、エッジが生じる部分であり、面取りによりエッジをなくし、第2金型42(第3金型43)におけるエッジ部分の欠けやひび割れ等を防止するものである。レンズ成形面44(レンズ成形面45)において、平面部46は、第1の実施の形態で略三角形であったが、第2の実施の形態では、四隅に繋がる辺の部分に帯状の面取り部49が設けられることで、略5角形状となっている。また、平面部46同士の間の各辺は、曲線状(弧状)のエッジであり、面取りした状態で、各辺の面取り部49は弧状に曲がる帯状の曲面となる。すなわち、レンズ成形面44(レンズ成形面45)の外縁の各辺は、幅が細く、長さ方向に弧状に湾曲した帯状の曲面となっている。第2金型42(第3金型43)のエッジとなる部分が取り除かれて緩やかな面となっているので、エッジで生じ易い破損を抑制することができる。
第2の実施の形態によれば、第2金型42および第3金型43の耐久性を向上して、製造コストの低減を図ることができる。
2、32 外周被成形面
3、33 外面
4、34 レンズ被成形面
5、35 レンズ被成形面
6、36 平面部
7、37 円弧
8、18、38、48 一致点
11 第1金型
12、42 第2金型
13、43 第3金型
14、44 レンズ成形面
15、45 レンズ成形面
16、46 平面部(非エッジ部)
17、47 円弧
21 内部空間
22、52 第1挿入部
23、53 第2挿入部
71 プリフォーム
Claims (12)
- 光軸方向に沿う4面を備える四角筒状の外周被成形面と、この外周被成形面の両端部にそれぞれ設けられたレンズ被成形面とを備え、
前記レンズ被成形面の周囲は、前記外周被成形面と接合された形状であり、
2つの前記レンズ被成形面のうちの少なくとも1つの前記レンズ被成形面の周囲は、前記外周被成形面と接合された形状であり、
2つの前記レンズ被成形面のうちの少なくとも1つの前記レンズ被成形面に形成されたレンズ面の前記レンズ被成形面の対角方向に沿ったレンズ有効径が、前記外周被成形面の前記光軸方向に直交する断面の四辺のうちの最も短い辺の長さより長くなっていることを特徴とするガラス成形レンズ。 - 少なくとも1つの前記レンズ被成形面は凸面となっているとともに、当該レンズ被成形面の四隅部分に、当該レンズ被成形面の当該四隅部分の内側に隣接する部分と比較して前記光軸に直交する平面となす角度が小さくなった緩傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガラス成形レンズ。
- 前記緩傾斜部は前記光軸と直交する平面であることを特徴とする請求項2に記載のガラス成形レンズ。
- 少なくとも1つの前記レンズ被成形面が凸面とされ、前記外周被成形面を構成する4つの外面のうちの少なくとも一つの外面は、前記レンズ被成形面と接合される縁部の少なくとも中央部分が凸となる弧状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス成形レンズ。
- 前記縁部の少なくとも中央部分が凸となる弧状に形成されている前記外面には、凸となる弧状に形成された中央部分に連続して直線部分が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のガラス成形レンズ。
- 前記レンズ被成形面の四隅部分に、光軸を中心とする円弧形状が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス成形レンズ。
- 前記レンズ被成形面の外周縁部には、前記レンズ被成形面の当該外周縁部より内側の部分の前記光軸に直交する平面に対する傾斜角度より前記平面に対する前記傾斜角度が小さくされた被面取り部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のガラス成形レンズ。
- 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の前記ガラス成形レンズを成形するレンズ成形装置であって、
前記外周被成形面を成形するために内部に略四角柱状に貫通した内部空間を備える第1金型と、当該第1金型の前記内部空間に互いに反対方向から挿入され、前記第1金型の前記内部空間と略同様となる略四角柱状の第2金型および第3金型とを備え、
前記第2金型および前記第3金型の先端には、前記レンズ被成形面を成形するためのレンズ成形面が設けられていることを特徴とするレンズ成形装置。 - 少なくとも1つの前記レンズ成形面は凹面となっているとともに、当該レンズ成形面の四隅部分に、当該レンズ成形面の当該四隅部分の内側に隣接する部分と比較して前記レンズ成形面の中心軸に直交する平面となす角度が小さくなった非エッジ部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のレンズ成形装置。
- 前記非エッジ部は前記中心軸と直交する平面であることを特徴とする請求項9に記載のレンズ成形装置。
- 前記レンズ成形面の四隅部分には、前記レンズ成形面の所定位置を中心とする円弧形状が設けられていることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のレンズ成形装置。
- 請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のレンズ成形装置を用いたレンズ製造方法であって、
前記第1金型の前記内部空間内で前記第2金型の前記レンズ成形面と前記第3金型の前記レンズ成形面との間に光学素子用硝材からなるとともに加熱軟化した球状のプリフォームを配置し、
前記第1金型内で前記第2金型と前記第3金型とを相対的に近づけることにより前記プリフォームを加圧して前記ガラス成形レンズとすることを特徴とするレンズ製造方法。
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