JP2018013228A - 自動車の防振装置および自動車の防振構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化と乗員の剛性感の向上を図ること。
【解決手段】車体側部材側に取り付ける第2取付部材と、車体側部材に支持される被支持部材側に有するブラケットが圧入される筒状部21を備えた第1取付部材2と、これら第1と第2の取付部材の間に介在するラバー6を備え、第1取付部材2に設けられた第1ストッパ部41と、第2取付部材に設けられた第2ストッパ部とで、第1と第2の取付部材の相対変位を規制し、第1ストッパ部41は、筒状部21よりもブラケットの圧入方向の先端側部位にコア27と一体に設けられ、筒状部の第1ストッパ部41との対向部位に、該第1ストッパ部41を形成する壁部411に一体に係合する係合突片24が設けられた。
【選択図】図6

Description

この発明は、エンジンマウント等として用いられ、車体側部材に支持されるエンジン等の被支持部材の振動を吸収する自動車の防振装置、および該防振装置を搭載した自動車の防振構造に関する。
自動車の防振装置は、通常、車体側部材に支持される被支持部材側に取り付ける第1取付部材と、車体側部材に取り付ける第2取付部材と、これらの間に介在するラバーとを備えている。
このような防振装置の中には、特許文献1,2に例示されるように、被支持部材に設けられたブラケットを圧入により第1取付部材に取り付ける方式を採用したものが知られている。
第1取付部材は、被支持部材側に有するブラケットを圧入して取り付ける筒状部を有しており、この筒状部の側壁部には、ラバーの弾性特性を適性化するためにラバーよりも硬質なコアが設けられ、上記ラバーはこれらコアを覆うようにして第1取付部材と第2取付部材との間に介在されている。そして、このような防振装置は、ラバーの厚みや形状をコントロールすることで所望の振動の減衰および吸収特性を確保することが従来より行われている。
ここで、特許文献1の防振装置に備えた第1取付部材は、筒状部とコアとが一体に形成されたものであり、金属材料を用いた成形等により、筒状部と、該筒状部から下方へ向かって突出するコアとしての固着筒部とが一体に形成されたものである。
しかし、特許文献1の第1取付部材は、コアを含めて全体を金属材料で形成しているため、軽量化について改善の余地があるとともに、筒状部と、該筒状部の一部からコアに相当する形状になるように突出した突出部とで一体に成形等したものであるため、加工性の観点からも改善の余地があった。
このため、このような第1取付部材全体を、筒状部を含めて樹脂材料により形成することが考えられるが、その場合には、第1取付部材は、エンジン側のブラケットの圧入時の負荷に耐え得る剛性を確保するために特に筒状部が肉厚となるおそれがある。それ故、樹脂材料で形成した第1取付部材は、金属材料で形成するよりも大型化するとともに樹脂化することでかえって高重量化を招くおそれもあった。
これに対して特許文献2の第1取付部材は、剛性が要求される筒状部を金属製とするとともに、コア部分を軽量な樹脂製として別々に形成したものを一体化したものである。さらに、特許文献2の第1取付部材には、筒状部におけるコアの取付け側の壁部は、該筒状部の壁部の一部から突出する部分(凹所)を有しない平坦状としたものが開示されており(特許文献2中の図6〜図8参照)、さらに平坦状の壁部に形成した貫通孔の縁部にコアを係合した構成が開示されていることから、上述した加工性、高重量化の課題について一定の改善が見受けられる。
ところで、防振装置には、大荷重入力時にラバーが過大に変形することによる損傷を防ぐとともに、防振装置がその周辺の部材に干渉しないように、振動伝達部材に対する振動発生部材の多方向の変位量を制限するストッパ手段を設けたものが存在する。
上述した特許文献2のものは、ストッパ手段を備えていないことから、エンジンマウント等として自動車に搭載した場合に、制動や旋回に伴い大荷重が入力された時に、被支持部材の車体に対する変位量が大きくなったり、上述したラバーの損傷や周辺の車体部材への干渉を防ぐために別のストッパ手段を設ける必要に迫られるおそれがあるため、制動時や旋回時に被支持部材に大きな荷重が加わることがある自動車に搭載するうえで改善の余地があった。
一方、上述した特許文献1のものには多方向のストッパ手段を備えており、その中の一つの側方ストッパ手段は、エンジンマウントに対して車両左右方向での過大な振動が入力されると、パワーユニット側に取り付けられたインナブラケットが車体側に取り付けられたアウタブラケットの側面に当接することでパワーユニットがそれ以上移動することを規制する構成としている。
しかし、側方ストッパ手段として互いに当接し合う一対の部材の一方の部材であるインナブラケットは、その先端部分が第1取付部材の筒状部に圧入されるため、このインナブラケットの筒状部への圧入量に応じて当接し合う一対の部材同士が当接する位置に違いが生じるおそれがある。すなわちインナブラケットの第1取付部材への圧入時における、ストッパ手段による規制位置の再現性を確保することが困難となるおそれがある。特に、第1取付部材の筒状部の壁部の内面は、ゴム等の弾性部材で形成されているため、該筒状部にインナブラケットを圧入する際の弾性部材の弾性変形に応じてインナブラケットの筒状部に対する圧入量の誤差が生じ易くなり、更にストッパ手段による規制位置に違いが生じるおそれがあった。
このようにストッパ手段による規制位置が、ブラケット圧入時の誤差によるバラつきによって適切に設定されない場合には、車両の制動や旋回時に、車体自体の慣性による負荷が乗員に加わり、さらにその後で、慣性により動き続けている被支持部材がストッパにより規制されることで停止したり、旋回直後にさらにもう一度乗員に負荷が加わるなど、挙動が多段階となるおそれがあり、乗員が抱く車両の剛性感(操安性)の悪化を招くおそれがあった。
すなわち、自動車の分野において防振装置に備えたストッパ手段は、車両の挙動に直結するため適切に機能させることが極めて重要となるが、特許文献1の防振装置に備えたストッパ手段においては、上述したストッパ手段による規制位置がブラケット圧入時の誤差によってバラつくことが考慮されておらず、自動車のエンジンマウント等のマウント部材として適用するには改善の余地があった。
特開2015−140871号公報 特開2015−34603号公報
そこでこの発明は、軽量化と乗員の剛性感の向上を図ることができる自動車の防振装置および自動車の防振構造の提供を目的とする。
この発明の自動車の防振装置は、車体側部材に支持される被支持部材側に有するブラケットが圧入される筒状部を備えた第1取付部材に、前記ラバーよりも硬質のコアが一体に設けられ、前記第1取付部材の前記コアを含む部位と、前記車体側部材側に取り付ける第2取付部材との間に前記ラバーが介在されたものであって、前記第1取付部材に設けられた第1ストッパ部と、前記第2取付部材における該第1ストッパ部に対向する部位に設けられた第2ストッパ部とで、前記第1取付部材と前記第2取付部材との相対変位を規制するストッパ手段が形成され、前記第1ストッパ部は、前記筒状部よりも前記ブラケットの圧入方向の先端側部位に前記コアと一体に設けられ、前記筒状部の前記第1ストッパ部との対向部位に、該第1ストッパ部におけるストッパ面を形成する壁部に一体に係合する係合突片が設けられたものである。
上記構成によれば、係合突片により、コアと筒状部の結合力向上と、ストッパ荷重の筒状部への分散性向上による被支持部材の変位制御の精度(操安性)の向上とを両立することができる。
この発明の態様として、前記壁部を内壁部とし、前記第1ストッパ部が、前記内壁部と該内壁部よりも前記コアに対して離間する側に有する外壁部と、下壁部とにより、突状の前記第2ストッパ部と係合する断面凹状に形成され、
前記下壁部に、前記外壁部と前記コアを連結する連結部が設けられたものである。
上記構成によれば、コアを利用して第1ストッパ部の外壁部を補強し、筒状部の軸方向の内壁部の有する側と反対側への変位(抜け側変位)も強固に規制することができる。
またこの発明の態様として、前記被支持部材はパワーユニットである。
前記パワーユニットとしては、エンジンやトランスミッションに限らず、モータ、発電機、燃料電池等の重量物である車載部品も含む。また前記被支持部材は、パワーユニット以外の振動を発生する部材も含むものとする。
上記構成によれば、樹脂等で軽量にコアを軽量に形成した場合であっても、重量物であるパワーユニットの変位規制を確実に制御でき操安性を向上することができる。
またこの発明の自動車の防振構造は、上述した自動車の防振装置を前記被支持部材の幅向の一方に配設された一方側の防振装置と、他方に配設された他方側の防振装置とで構成され、前記一方側の防振装置は、該一方側の防振装置に備えた前記ストッパ手段により幅方向の一方側から前記相対変位量を規制する車体側の位置に取り付けられるとともに、前記他方側の防振装置は、該他方側の防振装置に備えたストッパ手段により幅方向の他方側から前記相対変位量を規制する車体側の位置に取り付けられたものである。
上記構成によれば、一方側と他方側との各防振装置によりストッパ荷重を分散できるため、夫々の防振装置の小型軽量化を図りつつ車体変形(剛性感悪化)を抑制することができる。
この発明によれば、軽量化と乗員の剛性感の向上を図ることができる自動車の防振装置および自動車の防振構造を提供することができる。
本実施例の自動車の防振構造を示す平面図。 エンジンブラケットを圧入した状態の本実施例の防振装置の外観図。 一部断面で示した防振装置の外観図。 エンジンブラケットを含めて示した防振装置の分解外観図。 一部省略して示した防振装置の分解外観図。 図3のB−B線断面図で示した防振装置の要部の断面図。 一部省略して示した防振装置およびエンジンブラケットの平面図。 エンジンブラケットおよび一部省略して示した本実施例の防振装置の側面図。 本実施例および他の実施例の防振装置の構成説明図。 他の実施例の防振装置の構成説明図。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図1は、フロントバンパ、フロントフェンダ、ボンネットを取り外した状態で示す車両用エンジンの前部構造の平面図であって、本実施例の防振装置を搭載した自動車の防振構造を示している。
この図1において、車両の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム101,101と、該フロントサイドフレーム101,101の前部において車幅方向に延びるシュラウドパネル102と、図示しないダッシュロアパネルとで囲繞された空間を、エンジンルーム103としている。
この車両についての前、後、左、右、上及び下を、それぞれ単に前、後、左、右、上及び下という。また、図中、矢印Fは車両の前方、矢印Rは車両の後方、矢印Rtは車両の右方、矢印Lは車両の左方、矢印Uは車両の上方を示す。
上述のエンジンルーム103にはクランク軸線が車幅方向に向くようにエンジン104を横置きで配置し、該エンジン104の左側にはトランスミッション105を連結し、上述のエンジン104とトランスミッション105とでパワーユニット106(パワートレイン)を構成している。
このパワーユニット106はボディ側に防振装置を介して3点支持されている。すなわち、該パワーユニット106は、車幅方向一方側(右側)の防振装置としてのエンジンマウント1Rと、車幅方向他方側(左側)の防振装置としてのミッションマウント1Lと、図示しないペリメータフレームに支持される防振装置としてのマウントとの3点で支持されている。
これら3つの防振装置のうち、パワーユニット106をその幅方向の両側から支持するエンジンマウント1Rとミッションマウント1Lとは、略対称形状に構成されているため、以下ではエンジンマウント1Rの構成について図2〜図9(a)、(b)を参照しながら説明し、ミッションマウント1Lの具体的な構成については省略する。
なお、図2はエンジンブラケットを圧入した状態の本実施例の防振装置の外観図、図3はアウタ部材とエプロン取付けブラケットを図2のA−A線矢視断面により示した本実施例の防振装置の外観図、図4はエンジンブラケットを含めて示した防振装置の分解外観図、図5はアウタ部材およびエプロン取付けブラケットを省略した防振装置の分解外観図、図6は図3のB−B線矢視すなわち、筒状部の前後方向の中間部の切断図で示した本実施例の防振装置の要部の縦断面図、図7は、エンジンブラケットを圧入した状態の本実施例の防振装置の平面図、図8は、エンジンブラケットを圧入した状態の本実施例の防振装置の右側面図、図9(a)は本実施例の筒状部本体の右側面図、図9(b)は本実施例のコアと筒状部を図3のB−B線矢視により模式的に示した断面図である。但し、図6〜図8ではアウタ部材、エプロン取付けブラケットおよびエンジンブラケットの図示を省略している。
また、以下に説明するエンジンマウント1Rについての前、後、左、右、上及び下は、それぞれ、エンジンマウント1Rが上記車両に搭載された状態での前、後、左、右、上及び下のことであり、上記車両についての前、後、左、右、上及び下と同じである。
本実施例のエンジンマウント1Rは、パワーユニット106側に取り付ける内側取付部材2と、車体側に取り付ける外側取付部材3と、これら取付部材の間に介在させるラバー6とを有して構成される。
内側取付部材2は、筒状部21と、筒状部21に対して右側に並設された凹状ストッパ部41と、筒状部21に対して下側から突設するコア27(図5、図6参照)とを有して一体に構成されている。
図5、図6に示すように、筒状部21は、鉄、ステンレス、アルミ二ウム、或いはこれらを含む合金からなる金属材料でプレス成形や押出し成形等により形成された筒状部本体22と、該筒状部本体22に一体に装着された樹脂製の筒状部装着ラバー23とで形成されている。
筒状部21は、筒軸方向(左右方向)に沿って貫通する貫通孔29を内部に有する略四角筒状に形成され、上下各側で対向配置する上壁部221および下壁222と、これら上壁部221および下壁222とを一体に連結するとともに前後各側で対向する前壁部223および後壁部224とで形成されている(図5参照)。筒状部21の外周面は、上壁部221および下壁222が、筒軸方向視で前壁部223および後壁部224よりも幅広(前後方向に長尺)となる長方形状に形成されている。
図4に示すように、筒状部本体22の前壁部223の前面(外面)、後壁部224の後面(外面)、上壁部221の上面(外面)の夫々には、筒状部装着ラバー23としてのブロック状の前側ラバー23f、ブロック状の後側ラバー23r、板状の上側ラバー23uが固着されている。さらに、図5、図6に示すように、筒状部21の本体の内周面には、筒状部装着ラバー23としての膜状の内周ラバー23aによって全体が覆われた状態で固着されている。
筒状部21は、その貫通孔29にエンジンブラケット8の後述する延設部84が圧入される被圧入部であり、該筒状部21の貫通孔29に延設部84が圧入されることにより、エンジンマウント1Rは、エンジンブラケット8を介してパワーユニットに備えたエンジン104と連結される。
ここで、図4に示すように、エンジンブラケット8は、下方へ向けて互いの間隔が徐々に離間しながら延びる逆V字形状の一対の脚部81,81と、一対の脚部81,81間を連結する連結杆82と、一対の脚部81,81の上端同士を結合した結合部83からV字状の一対の脚部81,81と直交する方向、すなわち右方向へ延設する延設部84とで一体に形成されている。この延設部84は、筒状部21へ圧入する圧入部として構成されている。エンジンブラケット8は、鋳鉄やアルミ二ウム又はアルミ二ウム合金で形成することができるが、本実施例ではアルミ二ウム又はアルミ二ウム合金で形成している。
さらに、エンジンブラケット8は、連結杆82の下側およびには一対の脚部81,81をエンジン104に締結固定するためのフランジ部81a,82aが形成されている。具体的に、フランジ部81a,82aは、各脚部81の下端部と連結杆82の下側とに形成されており、このうち、連結杆82の下側に形成したフランジ部82aは左方向へ突片状に形成されている。
図6、図9(a)に示すように、筒状部21のエンジンブラケット8の圧入方向の先端側(右側)には、開口部29aを有し、該開口部29aの上縁辺と下縁辺の各前後方向の中間位置には、該先端側に配設された凹状ストッパ部41へ向けて突出して該凹状ストッパ部41を構成する内壁411の後述する係合溝25(図5参照)に係合する係合突片24が形成されている。
係合突片24は、右側へ直線状に突出するとともに筒軸方向に直角(軸直方向)に屈曲する屈曲部24aを備えており、先端部が下方へ直線状に突出している。すなわち、開口部29aの上縁辺に形成した係合突片24は先端部が下方へ向くように屈曲されるとともに、開口部29aの下縁辺に形成した係合突片24は先端部が上方へ向くように屈曲されており、これにより、上下一対の係合突片24,24は、夫々の先端部が上下方向で対向するように突出する(図6参照)。なお、係合突片24は、筒状部21を製造時に、筒状に押し出し成形した後で係合突片24に相当する部分を曲げ加工する等して形成することができる。
図6に示すように、凹状ストッパ部41は、ストッパ本体42とストッパラバー43とで構成され、ストッパ本体42は、内壁411と、該内壁411よりも前記コア27に対して離間する右側で内壁411に対して対向配置された外壁412と、内壁411および外壁412をこれらの下端部で連結する下壁413とにより、前後方向の直交断面が上方へ向けて開口した凹状部分41aを有して一体に形成されている。図6、図8に示すように、外壁412の右面(外面)には、上下方向および前後方向に延びる複数のリブ45aを左方向視で格子状に配置した補強部45が形成されている。
図6に示すように、凹状ストッパ部41の内壁411における外壁412との対向面(右側面)と、外壁412における内壁411との対向面(左側面)とには、ウレタンやゴム等の弾性部材で形成された板状のストッパラバー43が接着等により固着されている。
内壁411と外壁412とは、夫々ストッパラバー43を固着した状態において後述する凸状ストッパ部46(図3参照)を差し込み可能であるとともに、エンジン104を規制したい変位量に応じて設定された間隔を隔てて対向配置されている。
内壁411の外壁412との対向面411a(ガイド面)(図6参照)は、凸状ストッパ部46との当接により、エンジンブラケット8の圧入により一体化された内側取付部材2が外側取付部材3に対して右方向、すなわちエンジンブラケット8の嵌入方向の相対変位量を制限する。
一方、外壁412の内壁411との対向面412a(ガイド面)(同図参照)は、凸状ストッパ部46との当接により、エンジンブラケット8と圧入により一体化された内側取付部材2が外側取付部材3に対して左方向、すなわちエンジンブラケット8の嵌入方向と反対方向の相対変位量を制限する。
図5に示すように、内壁411の上縁辺と下縁辺の各左端かつ各前後方向の中間位置には、係合突片24を係合する係合溝25が形成されている。そして図6に示すように、この係合突片24と係合溝25とが係合された係合部分は、内壁411を形成する樹脂材料で覆ったモールド部26(係合固着部)が形成されている。具体的には係合突片24は、係合溝25へ係合されるとともに内壁411を形成する樹脂材料に埋め込まれており、すなわち係合突片24の少なくとも先端部は、内壁411を形成する樹脂材料によって囲繞されており、係合溝25に係合した状態で内壁411に一体に固着されている。
図5、図6、図9(b)に示すように、コア27は、ラバー6の弾性特性を適性化するためにラバー6よりも硬質な樹脂やアルミ二ウム又はアルミ二ウム合金等の軽金属で形成することができ、本実施例では樹脂で形成されている。さらに、コア27は、下方へ向けて徐々に縮径しながら突出する略円錐台形状に形成されている。
上述したように構成されるコア27と凹状ストッパ部41とは、弾性体としてのラバー6よりも硬質な樹脂材料により一体に形成されている。すなわち、図6に示すように、凹状ストッパ部41は、コア27に対して右側かつ上側へオフセットした位置に設けられ、凹状ストッパ部41の下壁413の左端(内壁411の下端)とコア27の上部右端とを互いに結合させた形状で一体に形成されている。
さらに下壁413の下方には、凹状ストッパ部41の外壁412を補強するためにコア27と外壁412とを連結する連結部28(延設部)が設けられている。この連結部28は、コア27の外周面と下壁413の下面とで構成されるコーナー部に形成されており、コア27から下壁413の左右方向において外壁412にオーバーラップする部位まで延設されている。図5、図6に示すように、コア27の上面には、筒状部21を載置する平坦状の載置面27fが形成されており、筒状部21の下壁413の下面と載置面27fとは接着や熱溶着等により一体に固着されている。
図2、図4に示すように、外側取付部材3は、ベース部材31とアウタ部材35とエプロン取付ブラケット50を備えて形成されており、これら3つの部材はいずれも金属製である。図5、図6〜図8に示すように、ベース部材31は、ラバー取付部32と、該ラバー取付部32に対して前後方向に突出するとともにフロントサイドフレーム100にボルトおよびナット等の締結手段を用いて取付ける一対のフランジ部33,33とで一体に形成されている。
ラバー取付部32はフランジ部33よりも上方に隆起した厚肉に形成し、その中央部には、上下方向に貫通してラバー6を嵌装するラバー嵌込み穴32aが形成されている(図5、図6参照)。ラバー嵌込み穴32aは平面視で左右方向に対して前後方向に長い楕円形状又は長穴形状で形成している。ラバー嵌込み穴32aの内周面は、上方へ向けて徐々に拡径した例えば、テーパ状に形成されている。ラバー取付部32の上面部の左端辺には、上方に隆起したラバー支持台32bが形成され、そのラバー支持台32bの平坦状の上面部には、前後方向に延びる下側ラバー23dが載置された状態で固着されている。
この下側ラバー23dは、筒状部21に圧入されたエンジンブラケット8の延設部84の下面に対して、下方向の大荷重が入力したとき該下側ラバー23dの上面が当接する上下方向の隙間を確保して対向している。
図2、図4に示すように、アウタ部材35は、左右方向視でハット形状に形成し、同左右方向視で内側取付部材2を外側から覆う門形に形成した門形形成部36と、該門形形成部36の前下端から前方へ延びるとともに後下端から後方へ延びる一対のフランジ部37,37が形成されている。
上述のアウタ部材35とベース部材31との各フランジ部33,37にはボルト挿通用の前後方向に長い長穴状の貫通孔33a,37aが形成されており(図4参照)、さらにベース部材31のフランジ部33には位置決め突起33bが形成されるとともに、アウタ部材35のフランジ部37の位置決め突起33bに対応する部位には、位置決め孔37bが形成されている。そして、位置決め突起33bと位置決め孔37bとで位置決めした状態でベース部材31のフランジ部33と、アウタ部材35のフランジ部37と、フロントサイドフレーム100の上壁部とは、ボルト、ナット等の不図示の締結部材により共締め固定されている。すなわち、これら3部材31,35,100の共締めにより、アウタ部材35とベース部材31を一体化するとともに、外側取付部材3をフロントサイドフレーム100へ取り付けている。
アウタ部材35、すなわち門形形成部36は、図4に示すように、前壁部361と上壁部362と後壁部363とを有して一体に形成されており、該門形形成部36の前壁部361と、筒状部21の前壁部361に装着した前側ラバー23fとは、前方向の大荷重が入力したとき当接する前後方向の隙間を確保して対向している。同様に上壁部362と上側ラバー23uとは、上方向の大荷重が入力したとき当接する上下方向の隙間を確保して対向し、後壁部363と後側ラバー23rとは、後方向の大荷重が入力したとき当接する前後方向の隙間を確保して対向している。
図3に示すように、アウタ部材35の上壁部362の下面であって、凹状ストッパ部41の上方で対向する部位には、該凹状部分41a(下方)に向けて突出する凸状ストッパ部46が形成されている。この凸状ストッパ部46は、凹状ストッパ部41と前後方向にオーバーラップする位置に前後方向に沿って形成されている。
凹状ストッパ部41の凹状部分41aに差し込まれた凸状ストッパ部46は、左右各側のストッパラバー43,43に対して左右方向の大荷重が入力された時に当接(係合)する間隔を確保して配置されている(図3参照)。
要するに、上述した凹状ストッパ部41と凸状ストッパ部46とで、内側取付部材2の外側取付部材3に対する左右方向(筒状部21の筒軸方向)の相対位置を規制するストッパ手段40が形成されている。
図3、図4に示すように、エプロン取付ブラケット50は、アウタ部材35の上壁部362の上面に溶着等で固着された基部側取付片51と、該基部側取付片51に対して屈曲して右斜め上方へ延出し、エプロンメンバにボルトおよびナット等で取り付けられる先端側取付片52とで一体に形成されている。
ラバー6は、上下方向の中間位置に周方向の左側を除く部位に鍔部61aを有する略羽釜形状の外形形状で形成され、鍔部61aを含めたラバー中間部61と、ラバー中間部61に対して上側のラバー上部62と、ラバー中間部61に対して下側のラバー下部63とでゴムやウレタンなどの弾性樹脂等の弾性部材により一体に上下方向に厚みをもたせて形成している。ラバー6は、ラバー上部62とラバー中間部61とラバー下部63との夫々の平面視で中心位置において上下方向に延びるラバー軸方向に沿って同心状に一体に形成されており、ラバー嵌込み穴32aに対応させて平面視で左右方向に対して前後方向に長い楕円形状に形成されている。
ラバー上部62は、上方へ突の円錐台形状に形成され、その上面部には、ラバー軸方向を中心としてラバー中間部61に達する深さを有した有底凹状のコア嵌込凹所6aがコア27の形状に対応させて形成されている。ラバー上部62のこのコア嵌込凹所6aを形成する内周面は、コア27の外周面に対応させてすり鉢状に形成されている。
そして、コア嵌込凹所6aにコア27が嵌め込まれた状態でコア27の外周面とコア嵌込凹所6aの内周面とが一体に固着されている。
ラバー下部63は、下方へ突の円錐台形状に形成されその外周面は、ベース部材31のラバー嵌込み穴32aの内周面に対応して上方へ向けて拡径したテーパ面が形成されている。なお、ラバー下部63の下面部には、ラバー軸方向を中心として上方へ凹んだ凹所63bが形成されている(図3参照)。
そして、ベース部材31のラバー嵌込み穴32aにラバー下部63が嵌め込まれた状態でラバー下部63の外周面とラバー嵌込み穴32aの内周面とが一体に固着されている。
上述した本実施例の自動車の防振装置1としてのエンジンマウント1Rは、被支持部材としてのパワーユニット106側に取り付けられる第1取付部材としての内側取付部材2と、車体側部材としてのフロントサイドフレーム100およびエプロンメンバ(図示省略)に取り付けられる第2取付部材としての外側取付部材3と、パワーユニット106側から車体側へ伝達する振動を吸収、減衰するラバー6とを備え、内側取付部材2には、パワーユニット106側に有するエンジンブラケット8が圧入(嵌装)される筒状部21を備えるとともに、ラバー6よりも硬質のコア27が一体に設けられ、内側取付部材2のコア27を含む部位と、外側取付部材3との間に前記のラバー6が介在されたものであって( 図1〜図8参照)、内側取付部材2に設けられた第1ストッパ部としての凹状ストッパ部41と、外側取付部材3における該凹状ストッパ部41に対向する部位に設けられた第2ストッパ部としての凸状ストッパ部46とで、内側取付部材2と外側取付部材3との相対変位を規制するストッパ手段40が形成され(図3〜図7参照)、凹状ストッパ部41は、筒状部21よりもエンジンブラケット8の圧入方向の先端側部位にコア27と一体に設けられ、筒状部21の凹状ストッパ部41との対向部位に、筒状部21の軸直方向に先端側が屈曲して該凹状ストッパ部41におけるストッパ面を形成する内壁411に一体に係合する係合突片24が設けられたものである(図6参照)。
上記構成によれば、筒状部21におけるエンジンブラケット8の圧入方向の先端側、すなわち筒状部21の右方向端部に設けた係合突片24を凹状ストッパ部41における内壁411に一体に係合したため、凹状ストッパ部41と筒状部21との結合力を向上させることができる。さらに、凹状ストッパ部41はコア27と一体に形成されているため、結果的にコア27と筒状部21の結合力を向上させることができる。
すなわち、係合突片24により、筒状部21と凹状ストッパ部41とを一体に係合するとともに筒状部21とコア27とを一体に結合することにより、金属製の筒状部21に樹脂製のコア27を結合するための構造を別途、設ける必要がなく構造をシンプル化できるとともに軽量化することができる。
さらに、係合突片24により、凹状ストッパ部41と筒状部21との結合力が高まるため、樹脂製の凹状ストッパ部41を金属製の筒状部21で補強することができ、凹状ストッパ部41に加わる荷重を筒状部21でも受け止めることができる。
つまり、筒状部21はエンジンブラケット8の圧入の負荷に耐え得るように金属製で形成する一方でコア27と凹状ストッパ部41とは共に樹脂で形成することが可能となり、必要な強度を確保したうえで効率よく軽量化することができる。具体的には、コア27と凹状ストッパ部41とは共に金属よりも軽量な樹脂で形成することができつつ、筒状部21を金属で形成することにより、エンジンブラケット8の圧入の負荷に耐え得るように例えば樹脂で筒状部21を厚肉に形成した場合のようにかえって重量が嵩むことがなく、軽量化することができる。
また、本実施例のストッパ手段40は、従来(例えば、特許文献1)のように、筒状部21(圧入される部材)を備えた内側取付部材2と、エンジンブラケット8(圧入する部材)との間で構成するのではなく、該ストッパ手段40を防振装置1自体に設けたため、エンジンブラケット8の筒状部21への圧入量の誤差の影響を受けることなくパワーユニット106に車幅方向の大荷重が作用した際の変位をより厳密に規制することができる。
詳しくは、仮に、内側取付部材2の筒状部21に圧入されるエンジンブラケット8と、防振装置1自体に備えた外側取付部材3とが相互に当接し合うことで、内側取付部材2と外側取付部材3との筒状部21の筒軸方向についての変位を規制するようなストッパ手段を備えた構成においては、エンジンブラケット8の筒状部21への圧入量に応じて、当接し合う部材(3,8)の当接位置、すなわちストッパ手段40による規制位置に違いが生じることになる。
そうすると、ストッパ手段による規制位置がエンジンブラケット8の圧入の誤差に応じてバラつくことになり、車両の制動時や旋回時に生じる車体自体の慣性による負荷と、パワーユニット106がストッパによりその移動が規制されることにより生じるパワーユニット106の慣性による負荷とが段階的に乗員に加わることで乗員が抱く車両の剛性感(操安性)の悪化を招くおそれがあった。
これに対して本実施例のストッパ手段40、すなわち凹状ストッパ部41と凸状ストッパ部46とを、共に防振装置1自体に設けたため、エンジンブラケット8の筒状部21への圧入量の誤差の影響を受けることなく被支持部材としてのパワーユニット106の変位をより厳密に規制することができる。
しかも、本実施例においてはストッパ手段40が樹脂製であることに加えて、エンジンブラケット8(圧入する部材)をストッパ手段40の一部として構成せずに、該ストッパ手段40をエンジンマウント1Rの構成部材のみによって構成しているが、係合突片24により、ストッパ荷重の筒状部21への分散性が向上するため、樹脂製のストッパ手段40の負担を軽減してその耐久性を向上させることができる。
加えて、係合突片24によって筒状部21と凸状ストッパ部46との結合力が向上したため、ストッパ荷重の筒状部21への分散性が向上し、ストッパ手段40が樹脂製であっても、該ストッパ手段40により、パワーユニット106が所定の変位量を超えて変位しないように確実に受け止めることができる。
従って、ストッパ手段40のストッパ性能を向上させることができる。
ここで、係合突片24は、内壁411に単に係合するだけでなく、屈曲部24aを有してしっかりと係合溝25に係合するとともに、係合突片24の少なくとも先端部が内壁411の一部を形成する樹脂材料に埋設した状態で係合されるため、係合突片24と内壁411との一体性が高まり、凹状ストッパ部41から筒状部21への優れた荷重分散性を得ることができる。
以上より、車両に大きな荷重が加わった際にも、被支持部材としてのパワーユニット106の変位を厳密なタイミングで規制することが可能となり、乗員が抱く剛性感(操安性)を向上させることができる。すなわち、本実施例のエンジンマウント1Rは、自動車に搭載するうえで好適な防振装置とすることができる。
この発明の態様として、凹状ストッパ部41は、上述した内壁411と、該内壁411よりもコア27に対して離間する側に有する外壁412と、下壁413とにより、突状の凸状ストッパ部46と係合する断面凹状に形成され、下壁413に、外壁412とコア27を連結する連結部28が設けられたものである(図6、図8参照)。
上記構成によれば、外壁412とコア27を連結する連結部28を設けたため、コア27を利用して凹状ストッパ部41の外壁412を補強することができるとともに、筒状部21の筒軸方向(左右方向)においてパワーユニット106が内壁411の有する側と反対側(凸状ストッパ部46が外壁412の側(ストッパラバー43)へ当接する側)への変位(いわゆる抜け側変位)も強固に規制することができる。
すなわち、凹状ストッパ部41に内壁411だけでなく外壁412を備えることで1つの防振装置1によって、筒状部21の筒軸方向の両方向の側(左右両側)についてパワーユニット106が変位することを規制できるため、内壁411によって1方向の変位のみ規制するものと比較してより多機能化することができる。
さらに、外壁412とコア27を連結する連結部28を設けることにより、生産性も向上させることができる。
具体的には、連結部28を設けることで、コア27と凹状ストッパ部41との一体成形時にその成形型の内部において、コア27に相当する部位から外壁412に相当する部位へ樹脂材料を、下壁413に相当する部位を介してだけでなく連結部28に相当する部位を介して確実に流し込むことができるため、成形時の樹脂の流動性を高めることができる。
従って凹状ストッパ部41に外壁412を備えた構成においても連結部28を設けることで、コア27と外壁412とを一体成形した部材の生産性(成形性)を高めることができる。
またこの発明の態様として、被支持部材をパワーユニット106としたものである。
上記構成によれば、軽量な樹脂製のコア27を備えた構成としても重い部品の変位規制を確実に制御でき操安性を向上することができる。
詳述すると、一般にパワーユニット106のような重量物である車載部品は防振装置を介して車体側部材に支持する必要があるが、本実施例のエンジンマウント1Rは、従来の防振装置のようにパワーユニット106の振動を減衰および吸収するだけではなく、旋回時や制動時など走行時の車両の挙動の特性を厳密にコントロールすることにより操安性を高めつつ、軽量化することができるため、自動車用に搭載するうえで好適な構成とすることができる。
また言うまでもなく、上述した作用効果は、エンジンマウント1Rのみならず、ミッションマウント1Lについても同様の作用効果を奏することができる。
また上述した自動車の防振構造は、上述した内壁411と外壁412と下壁413とにより断面凹状に形成された上述した凹状ストッパ部41を備えた防振装置1を、パワーユニット106の幅向の一方側(右側)に配設されたエンジンマウント1Rと、幅向の他方側(左側)に配設されたミッションマウント1Lとで構成され、エンジンマウント1Rは、パワーユニット106の右側に有するフロントサイドフレーム100および図外のエプロンメンバに取り付けられ、該エンジンマウント1Rに備えたストッパ手段40により幅方向の右側から相対変位量を規制するとともに、ミッションマウント1Lは、パワーユニット106の左側に有するフロントサイドフレーム100およびエプロンメンバに取り付けられ、該ミッションマウント1Lに備えたストッパ手段40により幅方向の左側から相対変位量を規制するものである(図1参照)。
このように、凹状ストッパ部41に内壁411と外壁412を備えた自動車の防振装置1(1R,1L)を、パワーユニット106の左右各側に設けることにより、幅方向のいずれの方向へパワーユニット106が変位した場合であっても、パワーユニット106の左右夫々に配設した防振装置1R,1Lが協働してストッパ荷重を分散して受け止めることができる。これにより、パワーユニット106の所定量以上の変位を確実に規制することができるとともに、左右一方側の防振装置1にストッパ荷重が集中することを防ぐことができる。
すなわち、ストッパ手段40を一般に金属よりも軽量であるが強度に劣る樹脂で形成しても、ストッパ手段40としての強度を確保するために肉厚に形成するなどしてかえって金属よりも重量化することがなく、このような樹脂製のストッパ手段40を備えることで防振装置1R,1Lを左右ともに小型軽量化を図りつつ車体変形(剛性感悪化)を抑制することができる。
しかも、パワーユニット106に対して左右一方側の防振装置によりパワーユニット106のストッパ荷重を受け止める構成を採用した場合には、該一方側の防振装置だけでなく、該一方側の防振装置を支持する車体側支持部にも負担がかかることになる。そうすると、車体側支持部の補強も必要となり、それに伴って車体重量が増えるおそれがある。
これに対して、左右夫々に配設した防振装置1によってパワーユニット106のストッパ荷重を分散して受け止めることにより、車体側支持部の負担を軽減し、防振装置自体の小型軽量化に加えて防振装置を支持する車体側支持部の軽量化も図ることができるとともに、車体の揺れを抑えることができる。
また、上述した実施例の筒状部21は、鋼材などの金属材料で形成した筒状部本体22に膜状の筒状部装着ラバー23を固着したものである。これにより筒状部本体22の内周面は、膜状の内周ラバー23aによって覆われた状態となるため、アルミ二ウム又はアルミ二ウム合金で形成したエンジンブラケット8の延設部84を筒状部21に圧入する際に、圧入し易くすることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明の自動車の防振装置は、本実施例のエンジンマウント1R、ミッションマウント1Lに対応し、以下同様に、
被支持部材の幅向の一方側の防振装置は、エンジンマウント1Rに対応し、
被支持部材の幅向の他方側の防振装置は、ミッションマウント1Lに対応し、
第1取付部材は、内側取付部材2に対応し、
第2取付部材は、外側取付部材3に対応し、
ブラケットは、エンジンブラケット8に対応し、
第1ストッパ部は、凹状ストッパ部41に対応し、
第2ストッパ部は、凸状ストッパ部46に対応し、
車体側部材は、フロントサイドフレーム100およびエプロンメンバに対応し、
被支持部材は、パワーユニット106に対応し、
第1ストッパ部におけるストッパ面を形成する壁部は、内壁411に対応し、
ブラケットの圧入方向は、右方向に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上述した実施例の係合突片24においては筒状部21におけるエンジンブラケット8の圧入方向の先端側(すなわち筒軸方向の右端)の開口部29aにおける上縁辺と下縁辺の各前後方向の中間位置に形成したが、本発明の係合突片は、この構成に限らず、開口部29aの上縁辺と下縁辺のいずれか一方に形成してもよく、また、図9(c)に示す他の実施例の筒状部21Aに設けた係合突片24Aのように、開口部29aの周縁部全体に、開口部29aの中心に向けて屈曲させて形成するなど、開口部29aの周縁部の少なくとも一部に形成することができる。なお、図9(c)は他の実施例の筒状部本体の右側面図を示している。
言うまでもなく、係合溝についても図5に示す係合溝25に限定せず、係合突片24Aの形成箇所に対応させて内壁411における係合突片24Aが係合可能な箇所に形成することができる(図示省略)。
また、本発明の筒状部は、上述した実施例の筒状部21のように内周面を膜状の内周ラバー23aで覆う実施形態に限らず、覆わない実施形態としてもよい。具体的に図10(a)は他の実施例の内側取付部材を示す斜視図であり、図10(b)は他の実施例のコアと筒状部を図3のB−B線に相当する矢視により模式的に示した断面図である。但し、図10(a)は筒状部本体22の外周面に装着した筒状部装着ラバー23としての上側ラバー23u、前側ラバー23f、後側ラバー23rの図示を省略している。
図10(a)、(b)に示す筒状部21Bは、筒状部本体22をアルミ二ウム系材料(アルミ二ウム又はアルミ二ウム合金)で形成し、該筒状部本体22の内周面を膜状の内周ラバー23aで覆わずに筒状部本体22の内周面が露出している一方で、筒状部本体22の外周面全体をラバー筒状部27B2で覆ったものである。このラバー筒状部27B2は、筒状部本体22の外周面に装着可能にコア部27Bの上部に筒状に配置され、コア部27Bと同じ樹脂材料でコア部27Bとともに一体に形成されている。
上記構成によれば、筒状部本体22をラバー筒状部27B2によって覆うようにして保持することができるため、コア部27Bと筒状部本体22とは、それぞれ樹脂と金属とで材質が異なるが、互いに一体性を高めることができる。さらに、筒状部21Bは、アルミ二ウム系材料で形成したエンジンブラケット8に対応させて、アルミ二ウム系材料で形成した筒状部本体22の内周面を膜状の内周ラバー23aで覆わずに露出させているため、筒状部21Bにエンジンブラケット8の延設部84を圧入したとき、共にアルミ二ウム系材料で形成したエンジンブラケット8と筒状部本体22とが直接、接触した状態となるため、圧入時の剛性を確保することができるとともに、異種金属接触腐食の影響を防ぐことができる。
但し、本発明に備えた内側取付部材2は、図10(a)、(b)に示すように、アルミ二ウム系材料で形成した筒状部本体22の外周面全体をラバー筒状部27B2で覆った構成において、図10(c)に示す筒状部21Cのように、筒状部本体22の内周面を膜状の内周ラバー23aで覆った実施形態を採用してもよい。なお、図10(c)はさらに他の実施例のコアと筒状部を図3のB−B線に相当する矢視により模式的に示した断面図である。
このように、本発明に備えた内側取付部材は、筒状部22の内周面と外周面とのうち少なくとも一方に筒状部装着ラバー23を備えた構成としてもよく、また、筒状部22の内周面と外周面との双方に筒状部装着ラバー23を備えずに構成した構成も排除するものではない。
以上説明したように、本発明は、車体側部材に支持される被支持部材側に有するブラケットが圧入される筒状部を備えた第1取付部材に、前記ラバーよりも硬質のコアが一体に設けられ、前記第1取付部材の前記コアを含む部位と、前記車体側部材側に取り付ける第2取付部材との間に前記ラバーが介在された自動車の防振装置および自動車の防振構造について有用である。
1R…エンジンマウント(一方側の防振装置)
1L…ミッションマウント(他方側の防振装置)
2…内側取付部材(第1取付部材)
3…外側取付部材(第2取付部材)
4…ラバー
8…エンジンブラケット(ブラケット)
21…筒状部
24…係合突片
27…コア
28…連結部
40…ストッパ手段
41…凹状ストッパ部(第1ストッパ部)
46…凸状ストッパ部(第2ストッパ部)
100…フロントサイドフレーム(車体側部材)
106…パワーユニット(被支持部材)
411…内壁(壁部)
412…外壁部
413…下壁部

Claims (4)

  1. 車体側部材に支持される被支持部材側に有するブラケットが圧入される筒状部を備えた第1取付部材に、前記ラバーよりも硬質のコアが一体に設けられ、
    前記第1取付部材の前記コアを含む部位と、前記車体側部材側に取り付ける第2取付部材との間に前記ラバーが介在された自動車の防振装置であって、
    前記第1取付部材に設けられた第1ストッパ部と、前記第2取付部材における該第1ストッパ部に対向する部位に設けられた第2ストッパ部とで、前記第1取付部材と前記第2取付部材との相対変位を規制するストッパ手段が形成され、
    前記第1ストッパ部は、前記筒状部よりも前記ブラケットの圧入方向の先端側部位に前記コアと一体に設けられ、
    前記筒状部の前記第1ストッパ部との対向部位に、該第1ストッパ部におけるストッパ面を形成する壁部に一体に係合する係合突片が設けられた
    自動車の防振装置。
  2. 前記壁部を内壁部とし、
    前記第1ストッパ部が、前記内壁部と該内壁部よりも前記コアに対して離間する側に有する外壁部と、下壁部とにより、突状の前記第2ストッパ部と係合する断面凹状に形成され、
    前記下壁部に、前記外壁部と前記コアを連結する連結部が設けられた
    請求項1に記載の自動車の防振装置。
  3. 前記被支持部材はパワーユニットである
    請求項1、又は2に記載の自動車の防振装置。
  4. 請求項2に記載の自動車の防振装置を前記被支持部材の幅向の一方に配設された一方側の防振装置と、他方に配設された他方側の防振装置とで構成され、
    前記一方側の防振装置は、該一方側の防振装置に備えた前記ストッパ手段により幅方向の一方側から前記相対変位量を規制する車体側の位置に取り付けられるとともに、前記他方側の防振装置は、該他方側の防振装置に備えたストッパ手段により幅方向の他方側から前記相対変位量を規制する車体側の位置に取り付けられた
    自動車の防振構造。
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