JP2018012762A - 塗材、遮熱材および該遮熱材の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明に係る塗材は、粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む。
【選択図】なし
Description
また、骨材そのものが近赤外線を反射できるようになるため、基材に塗布したときに、熱反射性を得ることができる。
また、塗材に含まれる遮熱骨材の粒径が大きい場合、該塗材を基材に塗布して遮熱層としたときに、該遮熱層中において、遮熱骨材間に形成される間隙が大きくなるため、基材の隠蔽性が悪くなることがあった。これにより、遮熱材全体としての遮熱効果が低下することがあった。
この際に、小径の第1遮熱骨材が、大径の第2遮熱骨材間に形成される間隙に入るようになって、大径の遮熱骨材間の間隙を小さくすることができるため、該遮熱層による基材の隠蔽性を向上させることができる。これにより、比較的、十分な遮熱性を得ることができるものとなる。
また、この際に、該遮熱層中において、大径の第2遮熱骨材により、遮熱骨材によって呈される粒子模様が認識し易くなる。これにより、比較的、遮熱骨材による粒子模様を十分に表現することができるものとなる。
これにより、上記塗材は、遮熱層とされたときに、遮熱骨材による粒子模様をより十分に表現することができ、かつ、より十分な遮熱性を得ることができる。
また、遮熱層とされたときに、薄層でありながら、比較的、粒子模様を十分に表現することができ、かつ十分な遮熱性を得ることができる。
第1および第2遮熱骨材以外に前記塗材に含まれる骨材としては、例えば、上記粒子径範囲を外れた骨材、および熱反射顔料で被覆されていない骨材などが挙げられる。
また、塗材は、第1遮熱骨材と第2遮熱骨材とを、質量比70:30〜30:70で含んでいることが好ましい。
核粒子として雲母を用いることにより、塗材を塗布して遮熱層としたときに、天然石調の粒子模様を薄層で表現できる。
上記核粒子の粒子径も、遮熱骨材の場合と同様に、ステンレス篩(JIS Z 8801)を用いて分級することにより、測定された値を意味する。
上記核粒子の粒子径も、遮熱骨材の場合と同様に、ステンレス篩(JIS Z 8801)を用いて分級することにより、測定された値を意味する。
複数の金属酸化物の固溶体としては、Cu―Cr―Mn系の黒色顔料が挙げられる。該黒色顔料の市販品としては、例えば、商品名「Black6301」(アサヒ化成工業社製)や商品名「クロモファインブラックA―1103」(大日精化工業社製)などが挙げられる。
遮熱層が第1および第2遮熱層の二層で形成される場合、遮熱層の厚みは、第1遮熱層の厚みおよび第2遮熱層の厚みを合計した厚みを意味する。
遮熱層の厚みとは、膜厚計(ミニテスト730FH15 Elektro Phsik社製)を用いて該遮熱層の任意の3点の厚みを測定し、測定されたこれらの厚みを算術平均した値を意味する。
壁材として使用する場合に厚みを上記範囲とすることにより、第1および第2遮熱骨材による遮熱効果が十分に発揮されるため、建築物の内部温度の上昇を十分に抑制することができる。
第1遮熱骨材は、所定の粒子径の核粒子と熱反射顔料とを所定の割合で混合し、熱反射顔料で核粒子の外表面を覆った後、篩を用いて分級することにより作製することができる。熱反射顔料で核粒子の外表面を覆う方法は、特に限定されず、任意の方法を採用することができる。例えば、熱反射顔料と核粒子とをバインダー樹脂に加え、これらを該バインダー樹脂中で混合した後に、乾燥させることにより、熱反射顔料で核粒子の外表面を覆うことができる。
第2遮熱骨材は、所定の粒子径の核粒子と熱反射顔料とを所定の割合で混合し、熱反射顔料で核粒子の外表面を覆った後、篩を用いて分級することにより作製することができる。第2遮熱骨材の場合も、第1遮熱骨材の場合と同様にして、熱反射顔料で核粒子の外表面を覆うことができる。
塗材は、第1遮熱骨材と、第2遮熱骨材と、バインダー樹脂とを所定の質量比で配合した配合物を調製し、該配合物を撹拌混合することにより作製することができる。撹拌混合は、高速撹拌機を用いて行うことができる。第1遮熱骨材と、第2遮熱骨材と、バインダー樹脂とは、上記数値範囲内となるように配合する。第1遮熱骨材と第2遮熱骨材とは、上記質量比となるように配合する。
遮熱材は、基材上に、粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む塗材を塗布することにより作製することができる。
<第1遮熱骨材の作製>
核粒子としての粒子径0.3mm〜0.6mmの天然雲母と、熱反射顔料としてのBlack6350(アサヒ化成工業株式会社製)と、硬化剤としてのイソシアネートと、をバインダー樹脂としてのアクリルウレタン樹脂に加え、これらを該アクリルウレタン樹脂中で混合した後に、乾燥させた。乾燥後、目開き0.3mmの篩と目開き0.6mmの篩を用いて、分級することにより、粒子径0.3mm〜0.6mmの第1遮熱骨材を作製した。
<第2遮熱骨材の作製>
核粒子として、粒子径1.18mm〜1.4mmの天然雲母を用い、目開き1.18mmの篩と目開き1.4mmの篩を用いた以外は、第1遮熱骨材の場合と同様にして、粒子径1.18mm〜1.4mmの第2遮熱骨材を作製した。
<塗材の作製>
第1遮熱骨材および第2遮熱骨材の合計100質量部と、バインダー樹脂(山本窯業化工株式会社製、商品名「セラグラニー結合材」)250質量部(固形分換算)との配合物を高速撹拌機で撹拌混合して、塗材を作製した。第1遮熱骨材と第2遮熱骨材との質量比は、60:40とした。
<遮熱材の作製>
アルミニウム板(200mm×100mm)の上に、上記塗材を塗布し、大気温度(23℃)で3時間自然乾燥させて第1遮熱層(遮熱シーラー)を形成し、該第1遮熱層の上に、上記塗材を塗布して第2遮熱層を形成し、大気温度(23℃)で7日間自然乾燥させることにより、遮熱材(試験体)を作製した。試験体作製後に、膜厚計(ミニテスト730FH15 Elektro Phsik社製)を用いて遮熱層の厚みを測定した。具体的には、遮熱層について、任意の3点の厚みを測定し、測定されたこれらの厚みを算術平均することにより測定した。遮熱層の厚みは0.6mmであった。
遮熱材の作製において、第1遮熱層の代わりに、カーボンブラックを用いて調製した塗材(遮熱性を有さない塗材)を用いて下塗り層を形成した以外は、実施例1と同様にして遮熱材(試験体)を作製した。試験体作製後に、前記膜厚計を用いて遮熱層の厚みを測定したところ、0.4mmであった。ここで、遮熱層においては、粒子模様を確認できるように第1および第2遮熱骨材が配されているため、バインダー樹脂由来の透明層が確認されたのに対し、下塗り層においては、バインダー樹脂由来の透明層は確認されず、該下塗り層はモノトーン調であった。そのため、下塗り層と遮熱層とは、目視にて区別した。
遮熱材の作製において、第2遮熱層の代わりに、実施例2と同様に調製した塗材(遮熱性を有さない塗材)を用いて上塗り層を形成した以外は、実施例1と同様にして遮熱材(試験体)を作製した。試験体作製後に、前記膜厚計を用いて遮熱層の厚みを測定したところ、0.2mmであった。上塗り層においても、バインダー樹脂由来の透明層は確認されなかったため、上記と同様に、上塗り層と遮熱層とは、目視にて区別した。
第1および第2遮熱層の代わりに、実施例2と同様に調製した塗材(遮熱性を有さない塗材)を用いて下塗り層および上塗り層を形成した以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
第1遮熱骨材の代わりに、粒子径0.125mm〜0.18mmの遮熱骨材(以下、第3遮熱骨材ともいう)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験体を作成した。第3遮熱骨材は、核粒子として、粒子径0.125mm〜0.18mmの天然雲母を用い、目開き0.125mmの篩と目開き0.18mmの篩とを用いて分級した以外は、実施例1と同様にして作製した。
第2遮熱骨材の代わりに、粒子径2.36mm〜3.35mmの遮熱骨材(以下、第4遮熱骨材ともいう)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。第4遮熱骨材は、核粒子として、粒子径2.36mm〜3.35mmの天然雲母を用い、目開き2.36mmの篩と目開き3.35mmの篩とを用いて分級した以外は、実施例1と同様にして作製した。
また、視覚試験によって、実施例1に係る試験体、比較例2に係る試験体、および比較例3に係る試験体について、骨材によって呈される粒子模様および遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性を評価した。
分光光度計(日立製作所(株)製、U−3500)を用いて、JIS R 3106の板ガラス類の試験法に準じて測定した。
JIS K 5600−4−5に従い、分光光度計による塗膜の分光測光特性(分光反射率または分光立体角反射率)の測定およびその三刺激値の計算に基づいて、三刺激値X10、Y10、およびZ10を測定した。測定された三刺激値をJIS K 5600−4−4の3.2[(CIE1976)L*a*b*色空間の色座標]の計算式に当てはめることにより明度L*を算出した。算出された値をJIS Z 8401に従って、小数点以下2桁まで丸めた。
各例に係る試験体の表面より250mmの距離から、近赤外線乾燥用ランプ(東芝ライテック(株)製)を用いて、100V、125Wの条件で20分間照射し、5分ごとに、各試験体の表面の温度を測定した。各試験体の表面の温度の測定値は、各測定時において、表面温度計で測定した値が一定となったときの値とした。
視覚による官能試験により、骨材によって呈される粒子模様および遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性について評価した。
また、表2より、実施例1〜3に係る遮熱材(試験体)は、比較例1に係る試験体よりも、近赤外線乾燥用ランプを照射したときの温度上昇が抑制されることが分かった。特に、実施例1に係る遮熱材(試験体)においては、温度上昇が顕著に抑制されることが分かった。
また、表3より、実施例1に係る遮熱材(試験体)においては、粒子模様が明確に認識でき、かつ遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性に優れることが分かった。一方で、比較例2に係る試験体においては、遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性に優れるものの、粒子模様が明確に認識し難くなることが分かった。また、比較例3に係る試験体においては、粒子模様が明確に認識できるものの、遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性に劣ることが分かった。
Claims (7)
- 粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む塗材。
- 前記第1遮熱骨材と前記第2遮熱骨材とを、質量比10:90〜90:10で含む、請求項1に記載の塗材。
- 前記核粒子は、薄片形状を有する、請求項1または2に記載の塗材。
- 前記熱反射顔料は、黒色を呈する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗材。
- 前記熱反射顔料は、複数の金属酸化物の固溶体を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗材。
- 基材上に、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の塗材が塗布されてなる遮熱層を有する遮熱材。
- 基材の上に、粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む塗材を塗布する、遮熱材の作製方法。
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