JP2018012762A - 塗材、遮熱材および該遮熱材の作製方法 - Google Patents

塗材、遮熱材および該遮熱材の作製方法 Download PDF

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【課題】 基材に塗布して遮熱層としたときに、比較的、遮熱骨材による粒子模様を十分に表現することができ、かつ、比較的、十分な遮熱性を得ることができる塗材を提供する。
【解決手段】 本発明に係る塗材は、粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗材、遮熱材および該遮熱材の作製方法に関する。
従来、温暖化防止や省エネルギーなどの観点から、建築物の温度上昇を抑制する方法が種々提案されている。このような建築物の温度上昇を抑制する方法として、太陽光に含まれる光線の約50%を占める近赤外線(波長が780nm〜2500nmの電磁波)を反射できる顔料(以下、熱反射顔料ともいう)が含まれる塗材を、建築物の屋根や外壁など(以下、基材ともいう)に塗布することが知られている。
例えば、特許文献1には、核粒子の外表面に熱反射顔料を付着させた遮熱骨材を含む塗材を建築物の基材に塗布することが記載されている。かかる塗材を基材上に塗布することにより、遮熱層が形成されることとなる。
特開2007−217586号公報
特許文献1の塗材では、核粒子の外表面に熱反射顔料を付着させているため、核粒子そのものの色を隠蔽することができる。これにより、骨材そのものが熱反射顔料の色、例えば、天然石(御影石など)調の色を呈するようになる。
また、骨材そのものが近赤外線を反射できるようになるため、基材に塗布したときに、熱反射性を得ることができる。
しかしながら、塗材に含まれる遮熱骨材の粒径が小さい場合、該塗材を基材に塗布して遮熱層としたときに、該遮熱層中において、1個の遮熱骨材が小さくなるため、該遮熱骨材によって呈される粒子模様が認識しにくくなる。これにより、遮熱骨材による粒子模様を十分に表現できないことがあった。
また、塗材に含まれる遮熱骨材の粒径が大きい場合、該塗材を基材に塗布して遮熱層としたときに、該遮熱層中において、遮熱骨材間に形成される間隙が大きくなるため、基材の隠蔽性が悪くなることがあった。これにより、遮熱材全体としての遮熱効果が低下することがあった。
このような問題点に鑑み、本発明は、基材に塗布して遮熱層としたときに、比較的、遮熱骨材による粒子模様を十分に表現することができ、かつ、比較的、十分な遮熱性を得ることができる塗材、該塗材を用いた遮熱材、および該遮熱材の作製方法を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討したところ、所定の粒子径範囲にある2種類の遮熱骨材をそれぞれ含む塗材を基材に塗布して遮熱層としたときに、遮熱骨材によって呈される粒子模様を認識し易くでき、かつ該遮熱層による基材の隠蔽性を向上させることができることを見出した。
すなわち、本発明に係る塗材は、粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む。
かかる塗材によれば、塗布対象である基材に塗布することにより、遮熱層を形成することができる。
この際に、小径の第1遮熱骨材が、大径の第2遮熱骨材間に形成される間隙に入るようになって、大径の遮熱骨材間の間隙を小さくすることができるため、該遮熱層による基材の隠蔽性を向上させることができる。これにより、比較的、十分な遮熱性を得ることができるものとなる。
また、この際に、該遮熱層中において、大径の第2遮熱骨材により、遮熱骨材によって呈される粒子模様が認識し易くなる。これにより、比較的、遮熱骨材による粒子模様を十分に表現することができるものとなる。
また、上記塗材においては、前記第1遮熱骨材と前記第2遮熱骨材とを、質量比10:90〜90:10で含んでいてもよい。
かかる構成によれば、基材に塗布されて遮熱層とされたときに、第1遮熱骨材が、第2遮熱骨材間に形成される間隙に、より好適に配されるようになる。また、遮熱層中において、大径の第2遮熱骨材の占める割合を、より好適な割合にすることができる。
これにより、上記塗材は、遮熱層とされたときに、遮熱骨材による粒子模様をより十分に表現することができ、かつ、より十分な遮熱性を得ることができる。
また、上記塗材においては、前記核粒子は、薄片形状を有していてもよい。
かかる構成によれば、遮熱骨材の厚さを薄くすることができるため、遮熱層とされたときに、該遮熱層の厚さを薄くすることができる。これにより、遮熱層を得るときに、基材に塗布する塗材の量を少なくすることができる。
また、遮熱層とされたときに、薄層でありながら、比較的、粒子模様を十分に表現することができ、かつ十分な遮熱性を得ることができる。
また、上記塗材においては、前記熱反射顔料は、黒色を呈してもよい。
かかる構成によれば、熱反射顔料は、黒色を呈しながらも、近赤外線を反射することができるため、熱されにくいものとなる。これにより、上記塗材は、遮熱層とされたときに、遮熱性に優れたものとなる。
また、上記塗材においては、前記熱反射顔料は、複数の金属酸化物の固溶体を含んでいてもよい。
上記複数の金属酸化物の固溶体からなる顔料は、構造的に安定であるため、耐熱性、耐薬品性、および耐候性に優れている。そのため、熱反射顔料を、かかる顔料とすることにより、塗材を基材に塗布して遮熱層としたときに、該遮熱層は、耐熱性、耐薬品性、および耐候性に優れたものとなる。
また、遮熱材は、基材上に、上記いずれかの塗材が塗布されてなる遮熱層を有するものであってもよい。
かかる構成によれば、遮熱材は、遮熱骨材による粒子模様を十分に表現することができ、かつ、十分な遮熱性を得ることができるものとなる。
また、遮熱材の作製方法は、基材上に、粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む塗材を塗布する。
かかる構成によれば、得られる遮熱材は、遮熱骨材による粒子模様を十分に表現することができ、かつ、十分な遮熱性を得ることができるものとなる。
以上のように、本発明によれば、基材に塗布して遮熱層としたときに、比較的、遮熱骨材による粒子模様を十分に表現することができ、かつ、比較的、十分な遮熱性を得ることができる塗材、該塗材を用いた遮熱材、および該遮熱材の作製方法を提供することができる。
本発明に係る塗材は、粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む。
塗材は、該塗材に含まれる骨材の全質量を基準として、第1遮熱骨材および第2遮熱骨材を80質量%以上含んでいることが好ましく、90質量%以上含んでいることがより好ましく、100質量%含んでいることがさらに好ましい。
第1および第2遮熱骨材以外に前記塗材に含まれる骨材としては、例えば、上記粒子径範囲を外れた骨材、および熱反射顔料で被覆されていない骨材などが挙げられる。
塗材は、第1遮熱骨材と第2遮熱骨材とを、質量比10:90〜90:10で含んでいてもよい。
また、塗材は、第1遮熱骨材と第2遮熱骨材とを、質量比70:30〜30:70で含んでいることが好ましい。
塗材は、バインダー樹脂を含んでいてもよい。該バインダー樹脂としては、塗布対象となる基材上に遮熱層を形成できるものであれば特に限定されず、種々の樹脂材料を用いることができる。例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、フッ素樹脂系またはエチレン―酢酸ビニル共重合体系、またはアクリル樹脂のシリコン変性型が好ましく、水系または溶剤系のいずれのタイプでも使用することができる。
バインダー樹脂として、アクリル樹脂系、フッ素樹脂系を用いると、基材に塗布して遮熱層としたときに、該遮熱層は耐水性および耐候性に優れたものとなる。アクリル樹脂系およびフッ素樹脂系の中でも、アクリル樹脂のシリコン変性型のエマルションまたはフッ素樹脂系のエマルションを用いることが好ましい。
塗材は、第1および第2遮熱骨材の合計100質量部に対して、固形分換算で、バインダー樹脂を50〜250質量部含んでいることが好ましく、125〜250質量部含んでいることがより好ましく、150〜250質量部含んでいることがさらに好ましい。
第1および第2遮熱骨材の粒子径は、ステンレス篩(JIS Z 8801)により分級することにより測定された値を意味する。第1遮熱骨材の粒子径が0.25mm〜0.71mmとは、各第1遮熱骨材の粒子径が上記数値範囲に入っていることを意味する。
第1遮熱骨材の粒子径は、0.25mm〜0.71mmであることが好ましく、0.3mm〜0.6mmであることがより好ましい。
第2遮熱骨材の粒子径は、1.0mm〜1.7mmであることが好ましく、1.18mm〜1.4mmであることがより好ましい。
第1および第2遮熱骨材の外表面を覆うように、無色透明樹脂を付着させてなるクリアコーティング層を設けてもよい。上記無色透明樹脂としては、アクリル系共重合樹脂やウレタン樹脂、あるいはこれらの樹脂のシリコン変性型を用いることができる。また、上記無色透明樹脂としては、溶媒が蒸発した後に皮膜化する1液タイプのものや、硬化剤と混合して使用することにより反応硬化する2液タイプのものなどを使用できる。このようなクリアコーティング層を設けることにより、核粒子の外表面から熱反射顔料が脱落しにくくなる。
核粒子としては、薄片形状のものを用いることが好ましい。薄片形状は、鱗片形状を含む。
核粒子としては、各種公知の塗材用の粒子を用いることができる。例えば、花崗岩、玄武岩、雲母などの天然鉱石、コランダム(鋼玉)、砂石、火山軽石、ガラスなどの粉砕物が挙げられる。上記核粒子の中でも、その形状が鱗片形状である雲母を用いることが好ましい。雲母としては、白雲母、金雲母、絹雲母などが挙げられる。
核粒子として雲母を用いることにより、塗材を塗布して遮熱層としたときに、天然石調の粒子模様を薄層で表現できる。
第1遮熱骨材の核粒子の粒子径は、0.25mm〜0.71mmであることが好ましい。粒子径が0.25mm以上であることにより、熱反射顔料と比べて十分に粒径が大きくなり、該熱反射顔料による粒子の外表面の着色を安定させることができる。粒子径が0.71mm以下であることにより、熱反射顔料が付着されて第1遮熱骨材とされたときに、遮熱層による基材の隠蔽性をより十分に向上させることができる。
上記核粒子の粒子径も、遮熱骨材の場合と同様に、ステンレス篩(JIS Z 8801)を用いて分級することにより、測定された値を意味する。
第2遮熱骨材の核粒子の粒子径は、1.0mm〜1.7mmであることが好ましい。粒子径が上記範囲内にあることにより、熱反射顔料が付着されて第2遮熱骨材とされたときに、遮熱層において、第2遮熱骨材により呈される粒子模様が認識し易くなる。
上記核粒子の粒子径も、遮熱骨材の場合と同様に、ステンレス篩(JIS Z 8801)を用いて分級することにより、測定された値を意味する。
熱反射顔料は、黒色を呈してもよい。黒色を呈するとは、熱反射顔料において、JIS K 5600−4−5に従って測定した三刺激値X10、Y10、およびZ10を、JIS K 5600−4−4の3.2[(CIE1976)L色空間の色座標]の計算式に当てはめることにより算出した明度Lの値が15以下を満たすことを意味する。
熱反射顔料は、例えば、アゾ系、フタリシアニン系、金属錯体型、ペリレン系、インジオ系などの有機顔料、酸化チタン系、酸化鉄系、複数の金属酸化物の固溶体などの無機顔料を含んでいてもよい。耐候性に優れる点から、無機顔料を含むことが好ましい。中でも、複数の金属酸化物の固溶体を含むことが好ましい。
複数の金属酸化物の固溶体としては、Cu―Cr―Mn系の黒色顔料が挙げられる。該黒色顔料の市販品としては、例えば、商品名「Black6301」(アサヒ化成工業社製)や商品名「クロモファインブラックA―1103」(大日精化工業社製)などが挙げられる。
熱反射顔料は、熱反射性に劣るものの、着色の観点から、例えば、トリフェニルメタン系顔料、亜鉛華、鉛白、リトボン、鉛丹、べんがら、黄鉛(クロムイエロー)、群青(ウルトラマリン)、紺青、亜鉛黄(ジンククロメート)、沈降性硫酸バリウム、バイライト粉などを含んでいてもよい。これにより、第1および第2遮熱骨材を任意の色相に着色することができる。
本発明に係る遮熱材は、基材に上記のような塗材が塗布されてなる遮熱層を有するものであってもよい。基材としては、各種建材や土木材料などを使用することができ、作製された遮熱材は、家屋や工場などの屋根材、壁材、または床材、あるいは、道路や歩道を構成する舗装材などとして使用することができる。中でも、壁材として使用することが好ましい。
遮熱層は、基材上に一層で形成されてもよいし、二層で形成されてもよい。遮熱層が二層で形成される場合、第1遮熱層、すなわち、基材上に形成された遮熱層を遮熱シーラーとしてもよい。これにより、第1遮熱層上に形成された第2遮熱層を近赤外線が透過した場合に、該近赤外線を第1遮熱層で反射することができるため、遮熱材の遮熱性をより高めることができる。
遮熱層の厚みは、各種用途に応じて任意に設定できるが、例えば、壁材として使用する場合には、概ね、0.2mm〜1.5mmとすることが好ましく、0.3mm〜0.8mmとすることがより好ましい。
遮熱層が第1および第2遮熱層の二層で形成される場合、遮熱層の厚みは、第1遮熱層の厚みおよび第2遮熱層の厚みを合計した厚みを意味する。
遮熱層の厚みとは、膜厚計(ミニテスト730FH15 Elektro Phsik社製)を用いて該遮熱層の任意の3点の厚みを測定し、測定されたこれらの厚みを算術平均した値を意味する。
壁材として使用する場合に厚みを上記範囲とすることにより、第1および第2遮熱骨材による遮熱効果が十分に発揮されるため、建築物の内部温度の上昇を十分に抑制することができる。
次に、塗材の作製方法および該塗材を用いた遮熱材の作製方法について説明する。
<第1遮熱骨材の作製>
第1遮熱骨材は、所定の粒子径の核粒子と熱反射顔料とを所定の割合で混合し、熱反射顔料で核粒子の外表面を覆った後、篩を用いて分級することにより作製することができる。熱反射顔料で核粒子の外表面を覆う方法は、特に限定されず、任意の方法を採用することができる。例えば、熱反射顔料と核粒子とをバインダー樹脂に加え、これらを該バインダー樹脂中で混合した後に、乾燥させることにより、熱反射顔料で核粒子の外表面を覆うことができる。
<第2遮熱骨材の作製>
第2遮熱骨材は、所定の粒子径の核粒子と熱反射顔料とを所定の割合で混合し、熱反射顔料で核粒子の外表面を覆った後、篩を用いて分級することにより作製することができる。第2遮熱骨材の場合も、第1遮熱骨材の場合と同様にして、熱反射顔料で核粒子の外表面を覆うことができる。
<塗材の作製>
塗材は、第1遮熱骨材と、第2遮熱骨材と、バインダー樹脂とを所定の質量比で配合した配合物を調製し、該配合物を撹拌混合することにより作製することができる。撹拌混合は、高速撹拌機を用いて行うことができる。第1遮熱骨材と、第2遮熱骨材と、バインダー樹脂とは、上記数値範囲内となるように配合する。第1遮熱骨材と第2遮熱骨材とは、上記質量比となるように配合する。
<遮熱材の作製>
遮熱材は、基材上に、粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む塗材を塗布することにより作製することができる。
塗材を基材上に塗布する方法としては、吹き付けによる施工や、コテによる施工が可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。以下の実施例は本発明をさらに詳細に説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
<第1遮熱骨材の作製>
核粒子としての粒子径0.3mm〜0.6mmの天然雲母と、熱反射顔料としてのBlack6350(アサヒ化成工業株式会社製)と、硬化剤としてのイソシアネートと、をバインダー樹脂としてのアクリルウレタン樹脂に加え、これらを該アクリルウレタン樹脂中で混合した後に、乾燥させた。乾燥後、目開き0.3mmの篩と目開き0.6mmの篩を用いて、分級することにより、粒子径0.3mm〜0.6mmの第1遮熱骨材を作製した。
<第2遮熱骨材の作製>
核粒子として、粒子径1.18mm〜1.4mmの天然雲母を用い、目開き1.18mmの篩と目開き1.4mmの篩を用いた以外は、第1遮熱骨材の場合と同様にして、粒子径1.18mm〜1.4mmの第2遮熱骨材を作製した。
<塗材の作製>
第1遮熱骨材および第2遮熱骨材の合計100質量部と、バインダー樹脂(山本窯業化工株式会社製、商品名「セラグラニー結合材」)250質量部(固形分換算)との配合物を高速撹拌機で撹拌混合して、塗材を作製した。第1遮熱骨材と第2遮熱骨材との質量比は、60:40とした。
<遮熱材の作製>
アルミニウム板(200mm×100mm)の上に、上記塗材を塗布し、大気温度(23℃)で3時間自然乾燥させて第1遮熱層(遮熱シーラー)を形成し、該第1遮熱層の上に、上記塗材を塗布して第2遮熱層を形成し、大気温度(23℃)で7日間自然乾燥させることにより、遮熱材(試験体)を作製した。試験体作製後に、膜厚計(ミニテスト730FH15 Elektro Phsik社製)を用いて遮熱層の厚みを測定した。具体的には、遮熱層について、任意の3点の厚みを測定し、測定されたこれらの厚みを算術平均することにより測定した。遮熱層の厚みは0.6mmであった。
(実施例2)
遮熱材の作製において、第1遮熱層の代わりに、カーボンブラックを用いて調製した塗材(遮熱性を有さない塗材)を用いて下塗り層を形成した以外は、実施例1と同様にして遮熱材(試験体)を作製した。試験体作製後に、前記膜厚計を用いて遮熱層の厚みを測定したところ、0.4mmであった。ここで、遮熱層においては、粒子模様を確認できるように第1および第2遮熱骨材が配されているため、バインダー樹脂由来の透明層が確認されたのに対し、下塗り層においては、バインダー樹脂由来の透明層は確認されず、該下塗り層はモノトーン調であった。そのため、下塗り層と遮熱層とは、目視にて区別した。
(実施例3)
遮熱材の作製において、第2遮熱層の代わりに、実施例2と同様に調製した塗材(遮熱性を有さない塗材)を用いて上塗り層を形成した以外は、実施例1と同様にして遮熱材(試験体)を作製した。試験体作製後に、前記膜厚計を用いて遮熱層の厚みを測定したところ、0.2mmであった。上塗り層においても、バインダー樹脂由来の透明層は確認されなかったため、上記と同様に、上塗り層と遮熱層とは、目視にて区別した。
(比較例1)
第1および第2遮熱層の代わりに、実施例2と同様に調製した塗材(遮熱性を有さない塗材)を用いて下塗り層および上塗り層を形成した以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(比較例2)
第1遮熱骨材の代わりに、粒子径0.125mm〜0.18mmの遮熱骨材(以下、第3遮熱骨材ともいう)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験体を作成した。第3遮熱骨材は、核粒子として、粒子径0.125mm〜0.18mmの天然雲母を用い、目開き0.125mmの篩と目開き0.18mmの篩とを用いて分級した以外は、実施例1と同様にして作製した。
(比較例3)
第2遮熱骨材の代わりに、粒子径2.36mm〜3.35mmの遮熱骨材(以下、第4遮熱骨材ともいう)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。第4遮熱骨材は、核粒子として、粒子径2.36mm〜3.35mmの天然雲母を用い、目開き2.36mmの篩と目開き3.35mmの篩とを用いて分級した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例1〜3に係る試験体、および比較例1に係る試験体について、日射反射率、明度、および近赤外線乾燥用ランプ照射による温度を測定した。
また、視覚試験によって、実施例1に係る試験体、比較例2に係る試験体、および比較例3に係る試験体について、骨材によって呈される粒子模様および遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性を評価した。
日射反射率の測定
分光光度計(日立製作所(株)製、U−3500)を用いて、JIS R 3106の板ガラス類の試験法に準じて測定した。
明度の測定
JIS K 5600−4−5に従い、分光光度計による塗膜の分光測光特性(分光反射率または分光立体角反射率)の測定およびその三刺激値の計算に基づいて、三刺激値X10、Y10、およびZ10を測定した。測定された三刺激値をJIS K 5600−4−4の3.2[(CIE1976)L色空間の色座標]の計算式に当てはめることにより明度Lを算出した。算出された値をJIS Z 8401に従って、小数点以下2桁まで丸めた。
近赤外線乾燥用ランプ照射による温度測定
各例に係る試験体の表面より250mmの距離から、近赤外線乾燥用ランプ(東芝ライテック(株)製)を用いて、100V、125Wの条件で20分間照射し、5分ごとに、各試験体の表面の温度を測定した。各試験体の表面の温度の測定値は、各測定時において、表面温度計で測定した値が一定となったときの値とした。
骨材により呈される粒子模様および遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性の評価
視覚による官能試験により、骨材によって呈される粒子模様および遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性について評価した。
日射反射率および明度の測定結果を表1に示し、近赤外線乾燥用ランプ照射による温度測定結果を表2に示し、骨材によって呈される粒子模様および遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性の評価結果を表3に示した。
Figure 2018012762
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表1より、各例において、明度について有意な差は認められなかったものの、実施例1〜3に係る遮熱材(試験体)は、比較例1に係る試験体よりも、日射反射率の値が向上することが分かった。特に、第1および第2遮熱層を備える実施例1に係る遮熱材(試験体)は、日射反射率の値が大幅に向上することが分かった。
また、表2より、実施例1〜3に係る遮熱材(試験体)は、比較例1に係る試験体よりも、近赤外線乾燥用ランプを照射したときの温度上昇が抑制されることが分かった。特に、実施例1に係る遮熱材(試験体)においては、温度上昇が顕著に抑制されることが分かった。
また、表3より、実施例1に係る遮熱材(試験体)においては、粒子模様が明確に認識でき、かつ遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性に優れることが分かった。一方で、比較例2に係る試験体においては、遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性に優れるものの、粒子模様が明確に認識し難くなることが分かった。また、比較例3に係る試験体においては、粒子模様が明確に認識できるものの、遮熱層によるアルミニウム板の隠蔽性に劣ることが分かった。
上述の実施形態および実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態および実施例ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。

Claims (7)

  1. 粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む塗材。
  2. 前記第1遮熱骨材と前記第2遮熱骨材とを、質量比10:90〜90:10で含む、請求項1に記載の塗材。
  3. 前記核粒子は、薄片形状を有する、請求項1または2に記載の塗材。
  4. 前記熱反射顔料は、黒色を呈する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗材。
  5. 前記熱反射顔料は、複数の金属酸化物の固溶体を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗材。
  6. 基材上に、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の塗材が塗布されてなる遮熱層を有する遮熱材。
  7. 基材の上に、粒子径が0.25mm〜0.71mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第1遮熱骨材と、粒子径が1.0mm〜1.7mmであって、核粒子の外表面を覆うように熱反射顔料が付着された第2遮熱骨材とを含む塗材を塗布する、遮熱材の作製方法。
JP2016142365A 2016-07-20 2016-07-20 塗材、遮熱材および該遮熱材の作製方法 Active JP6407210B2 (ja)

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