JP2018012151A - ウォームの製造方法 - Google Patents

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宏範 上岡
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Abstract

【課題】良好な歯の精度を確保することができるウォームの製造方法を提供する。
【解決手段】ウォーム(1)の製造方法は、工程a)と、工程b)と、工程c)とを備える。工程a)では、螺旋状の歯を外周面に有するウォーム(1)を準備する。工程b)では、ウォーム(1)を軸心(X)周りに回転させるとともに、砥石車(3)に対してウォーム(1)を軸方向(S)に相対移動させながら、砥石車(3)によって歯を粗研削する。工程c)では、ウォーム(1)を軸心(X)周りに回転させるとともに、砥石車(3)に対してウォーム(1)を軸方向(S)に相対移動させながら、砥石車(3)によって歯を仕上げ研削する。工程b)における砥石車(3)に対するウォーム(1)の相対移動量よりも工程c)における砥石車(3)に対するウォーム(1)の相対移動量が大きく、及び/又は、工程b)におけるウォーム(1)の回転数よりも工程c)におけるウォーム(1)の回転数が小さい。
【選択図】図3

Description

本開示は、ウォームの製造方法に関する。
一般に、ウォームは、切削又は転造等によって円筒状の素材の外周面に歯を形成した後、その歯を研削(研磨)することによって製造される。
例えば、特許文献1には、従来技術として、切削によって歯が加工され、熱処理を経て研削が行われるウォームの製造方法が記載されている。特許文献1には、従来技術として、転造によって歯が加工されるウォームの製造方法も記載されている。特許文献1では、これらの従来技術に対し、歯の加工方法を改良したウォームの製造方法が提案されている。すなわち、特許文献1のウォームの製造方法は、所定形状の歯底を得るように素材を転造するものであり、これにより、歯の精度の確保を図っている。
特開2006−342971号公報
上述したように、ウォームを製造する際、切削又は転造によって形成された歯に対して研削が行われる。研削工程には、粗研削工程と、粗研削工程の後に実施される仕上げ研削工程とが含まれる。ウォームは、粗研削時に発生した熱によって軸方向に伸びる。このため、仕上げ研削時のウォームの軸方向の長さは、粗研削時のウォームの軸方向の長さよりも大きくなる。仕上げ研削工程が粗研削工程と同じ条件で実施された場合、良好な歯の精度を得ることができない。
複数条の歯を有するウォームの場合、各歯の研削が順次行われる。この場合も、上述の問題が生じ得る。すなわち、第1条目の歯を研削したときに発生した熱により、ウォームは軸方向に伸びる。このため、第2条目以降の歯を研削する際のウォームの軸方向の長さは、第1条目の歯を研削する際のウォームの軸方向の長さよりも長くなる。よって、各歯の研削が同じ条件で行われた場合、良好な歯の精度を得ることができない。
本開示は、良好な歯の精度を確保することができるウォームの製造方法を提供することを目的とする。
本開示に係るウォームの製造方法は、工程a)と、工程b)と、工程c)とを備える。工程a)では、螺旋状の歯を外周面に有するウォームを準備する。工程b)では、ウォームの軸心周りにウォームを回転させるとともに、砥石軸周りに回転する砥石車に対してウォームの軸方向にウォームを相対移動させながら、砥石車によって歯を粗研削する。工程c)では、工程b)の後、ウォームの軸心周りにウォームを回転させるとともに、砥石軸周りに回転する砥石車に対してウォームの軸方向にウォームを相対移動させながら、砥石車によって歯を仕上げ研削する。工程b)における砥石車に対するウォームの相対移動量よりも工程c)における砥石車に対するウォームの相対移動量が大きく、及び/又は、工程b)におけるウォームの回転数よりも工程c)におけるウォームの回転数が小さい。
本開示に係る他のウォームの製造方法は、工程a)と、工程b)と、工程c)とを備える。工程a)では、複数条の螺旋状の歯を外周面に有するウォームを準備する。工程b)では、ウォームの軸心周りにウォームを回転させるとともに、砥石軸周りに回転する砥石車に対してウォームの軸方向にウォームを相対移動させながら、砥石車によって第1条目の歯を研削する。工程c)では、工程b)の後、ウォームの軸心周りにウォームを回転させるとともに、砥石軸周りに回転する砥石車に対してウォームの軸方向にウォームを相対移動させながら、砥石車によって第2条目の歯を研削する。工程b)における砥石車に対するウォームの相対移動量よりも工程c)における砥石車に対するウォームの相対移動量が大きく、及び/又は、工程b)におけるウォームの回転数よりも工程c)におけるウォームの回転数が小さい。
本開示に係るウォームの製造方法によれば、良好な歯の精度を確保することができる。
図1は、各実施形態に係るウォームの製造方法において、一の工程を説明するための図である。 図2は、各実施形態に係るウォームの製造方法において、別の工程を説明するための図である。 図3は、各実施形態に係るウォームの製造方法において、さらに別の工程を説明するための図である。 図4は、ウォームの研削時におけるテールストック変位量の時間変化を示すグラフである。
実施形態に係るウォームの製造方法は、工程a)と、工程b)と、工程c)とを備える。工程a)では、螺旋状の歯を外周面に有するウォームを準備する。工程b)では、ウォームの軸心周りにウォームを回転させるとともに、砥石軸周りに回転する砥石車に対してウォームの軸方向にウォームを相対移動させながら、砥石車によって歯を粗研削する。工程c)では、工程b)の後、ウォームの軸心周りにウォームを回転させるとともに、砥石軸周りに回転する砥石車に対してウォームの軸方向にウォームを相対移動させながら、砥石車によって歯を仕上げ研削する。工程b)における砥石車に対するウォームの相対移動量よりも工程c)における砥石車に対するウォームの相対移動量が大きく、及び/又は、工程b)におけるウォームの回転数よりも工程c)におけるウォームの回転数が小さい(第1の構成)。
ウォームの歯の粗研削及び仕上げ研削を実施する場合、粗研削工程において、加工熱によりウォームが膨張して軸方向に伸びる。このため、仕上げ研削工程は、ウォームの本体及び歯がウォームの軸方向に伸びた状態で実施されることになる。この仕上げ研削工程が粗研削工程と同じ条件で実施された場合、仕上げ研削が終了してウォームの軸方向の長さが元に戻ったときに歯筋誤差やピッチ誤差のばらつきが生じ、良好な歯の精度が得られない。
第1の構成によれば、粗研削工程で発生したウォームの伸びを考慮した条件で仕上げ研削工程を実施する。すなわち、仕上げ研削工程において、砥石車に対するウォームの相対移動量を粗研削工程のものよりも大きくするか、ウォームの回転数を粗研削工程のものよりも小さくする。あるいは、仕上げ研削工程において、上記相対移動量及び回転数の双方を粗研削工程のものよりも大きくする。
上記のようにウォームの相対移動量及び/又は回転数を補正することにより、仕上げ研削工程では、粗研削工程と比較して、ウォームが1回転する間に砥石車に対して進む距離を大きくすることができ、ウォームの外周面上に砥石車が描く螺旋のピッチを広げることができる。このため、仕上げ研削工程において、ウォームの軸方向に伸びた歯に対応した研削を行うことが可能となる。よって、ウォームの軸方向の長さが元に戻ったときに、歯筋誤差やピッチ誤差のばらつきが生じるのを防止することができ、良好な歯の精度を確保することができる。
他の実施形態に係るウォームの製造方法は、工程a)と、工程b)と、工程c)とを備える。工程a)では、複数条の螺旋状の歯を外周面に有するウォームを準備する。工程b)では、ウォームの軸心周りにウォームを回転させるとともに、砥石軸周りに回転する砥石車に対してウォームの軸方向にウォームを相対移動させながら、砥石車によって第1条目の歯を研削する。工程c)では、工程b)の後、ウォームの軸心周りにウォームを回転させるとともに、砥石軸周りに回転する砥石車に対してウォームの軸方向にウォームを相対移動させながら、砥石車によって第2条目の歯を研削する。工程b)における砥石車に対するウォームの相対移動量よりも工程c)における砥石車に対するウォームの相対移動量が大きく、及び/又は、工程b)におけるウォームの回転数よりも工程c)におけるウォームの回転数が小さい(第2の構成)。
複数条の歯を有するウォームを研削する場合、第1条目の歯の研削工程で加工熱によってウォームが軸方向に伸び、その状態で第2条目の歯の研削工程が実施されることになる。これに対し、第2の構成では、第1条目の歯の研削工程で発生したウォームの伸びを考慮した条件で第2条目の歯の研削工程を実施する。すなわち、第2条目の歯の研削工程において、砥石車に対するウォームの相対移動量を第1条目の歯の研削工程のものよりも大きくするか、ウォームの回転数を第1条目の歯の研削工程のものよりも小さくする。あるいは、第2条目の歯の研削工程において、上記相対移動量及び回転数の双方を第1条目の歯の研削工程のものよりも大きくする。
上記のようにウォームの相対移動量及び/又は回転数を補正することにより、第2条目の歯の研削工程では、第1条目の歯の研削工程と比較して、ウォームが1回転する間に砥石車に対して進む距離を大きくすることができ、ウォームの外周面上に砥石車が描く螺旋のピッチを広げることができる。このため、第2条目の歯の研削工程において、ウォームの軸方向に伸びた歯に対応した研削を行うことが可能となる。よって、ウォームの軸方向の長さが元に戻ったときに、歯筋誤差やピッチ誤差のばらつきが生じるのを防止することができ、良好な歯の精度を確保することができる。
以下、実施形態について図面を参照しつつより具体的に説明する。図中同一及び相当する構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。説明の便宜上、各図において、構成を簡略化又は模式化して示したり、一部の構成を省略して示したりする場合がある。
<第1実施形態>
[ウォームの製造方法]
以下、第1実施形態に係るウォームの製造方法について図1から図3を参照しつつ説明する。本実施形態に係るウォームの製造方法は、準備工程と、粗研削工程と、仕上げ研削工程とを備える。
(準備工程)
図1に示すように、まず、ウォーム1を準備する。ウォーム1は、金属製である。ウォーム1は、直線Xを軸心とする概略円筒状又は概略円柱状をなす。すなわち、図1における直線Xがウォーム1の軸心であり、直線Xが延びる方向がウォーム1の軸方向である。
ウォーム1は、外周面に螺旋状の歯を有する。当該歯は、軸心X周りのつる巻き線に沿ってウォーム1の外周面上に形成されたねじ山である。
ここで準備されるウォーム1は、歯に研削代を残した状態のウォームである。ウォーム1は、例えば、円筒状又は円柱状の素材を転造加工又は切削加工することで作製することができる。
(粗研削工程)
次に、準備したウォーム1の粗研削を実施する。図2に示すように、ウォーム1の粗研削及び後述する仕上げ研削は、例えば、支持機構2及び砥石車3を用いて実施される。図2では、ウォーム1、支持機構2、及び砥石車3を上方から見た状態を模式的に示している。支持機構2及び砥石車3の構造は、公知の歯車研削盤が備えるものと同様であるので、ここでは簡単に説明する。
支持機構2は、ウォーム1を支持して移動させるためのものである。支持機構2は、テーブル21と、主軸台22と、心押台23とを含む。
テーブル21は、ウォーム1の軸方向Sに移動可能に構成されている。テーブル21は、ウォーム1の軸方向Sの両側に移動することができる。
主軸台22及び心押台23は、テーブル21上に固定されている。主軸台22及び心押台23は、ウォーム1の軸方向Sの両端部を支持するように構成される。主軸台22は、ウォーム1に回転力を伝達する駆動源(図示略)を有する。
砥石車3は、支持機構2の側方に配置される。砥石車3は、概略円板状である。砥石車3は、砥石軸Y周りに回転可能に構成されている。砥石車3は、支持機構2に対して接近及び離間可能に構成される。
粗研削に際し、ウォーム1を支持機構2によって支持させる。すなわち、主軸台22によってウォーム1の軸方向Sの一端部を支持させるとともに、心押台23によってウォーム1の軸方向Sの他端部を支持させる。そして、砥石車3を砥石軸Y周りに回転させるとともに、支持機構2上のウォーム1に接近させる。また、主軸台22によってウォーム1を軸心X周りに回転させる。さらに、テーブル21とともにウォーム1を軸方向Sの一方側に移動させながら、砥石車3によって歯を研削する。
砥石車3は、ウォーム1の歯溝に沿って歯の全体を研削する。歯の研削方向は、特に限定されるものではない。主軸台22側から心押台23側に向かって歯を研削することもできるし、心押台23側から主軸台22側に向かって歯を研削することもできる。歯の研削を主軸台22側の端から開始して心押台23側の端で終了する場合、テーブル21を主軸台22側に水平移動させればよい。反対に、歯の研削を心押台23側の端から開始して主軸台22側の端で終了する場合、テーブル21を心押台23側に水平移動させる。
(仕上げ研削工程)
粗研削に続いて、ウォーム1の仕上げ研削を実施する。図3に示すように、仕上げ研削は、ウォーム1を支持機構2によって支持させたままで実施される。図3でも、図2と同様、ウォーム1、支持機構2、及び砥石車3を上方から見た状態を模式的に示している。
仕上げ研削の際も、粗研削の際と同様に、主軸台22によってウォーム1を軸心X周りに回転させ、テーブル21とともにウォーム1を軸方向Sの一方側に移動させながら、砥石軸Y周りに回転する砥石車3によって歯を研削する。仕上げ研削工程における研削方向は、粗研削工程における研削方向と同じであってもよいし、反対であってもよい。砥石車3は、ウォーム1の歯溝に沿って歯の全体を仕上げ研削する。
ここで、仕上げ研削工程におけるウォーム1の移動量及び回転数と、粗研削工程におけるウォーム1の移動量及び回転数との関係について説明する。
ウォーム1は、粗研削時の加工熱によって膨張し、仕上げ研削の開始時点では軸方向Sに伸びている。図3では、符号Aによってウォーム1の伸び量を示している。ウォーム1の伸びに伴い、ウォーム1の外周面に形成された螺旋状の歯も、軸方向Sに伸びている。
本実施形態では、ウォーム1及び歯の軸方向の伸びを考慮して、ウォーム1の移動量及び/又は回転数を補正する。すなわち、以下の式(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすように補正が実施される。
=Z+α (1)
=B−β (2)
式(1)において、Z,Zは、それぞれ、仕上げ研削及び粗研削におけるウォーム1の移動量である。Zは、仕上げ研削工程にてウォーム1がB回転する時間にウォーム1が移動する量である。Zは、粗研削工程にてウォーム1がB回転する時間にウォーム1が移動する量である。
ここでのウォーム1の移動量とは、砥石車3に対するウォーム1の軸方向Sの相対移動量である。すなわち、ウォーム1の移動量とは、砥石車3を基準として、ウォーム1が軸方向Sに移動した距離をいう。
式(1)におけるαは任意の正の値である。したがって、式(1)は、仕上げ研削時のウォーム1の移動量が粗研削時のウォーム1の移動量よりも大きいことを意味する。Z,Z,αの単位は等しい。
式(2)において、B,Bは、それぞれ、仕上げ研削及び粗研削におけるウォーム1の軸心X周りの回転数(回転角度)である。Bは、仕上げ研削工程にてウォーム1がZ移動する時間にウォーム1が回転する数(角度)である。Bは、粗研削工程にてウォーム1がZ移動する時間にウォーム1が回転する数(角度)である。
式(2)におけるβは任意の正の値である。したがって、式(2)は、仕上げ研削時のウォーム1の回転数が粗研削時のウォーム1の回転数よりも小さいことを意味する。
α,βの各値は、例えば、ウォーム1の研削を試験的に実施することによって決定することができる。すなわち、予め一のウォーム1の研削を実施してウォーム1の伸び量を計測しておき、計測した伸び量に基づいてα,βの値を決定する。
例えば、移動量及び/又は回転数の補正をせずにウォーム1の粗研削及び仕上げ研削を行った際、ウォーム1の軸方向Sの伸びに起因して歯筋誤差が発生する。発生した歯筋誤差の値をαとすることができる。βは、計算により歯筋誤差から得た値とすることができる。
決定したα,βを支持機構2に接続された演算装置に入力し、演算装置が実行するプログラムによって、ウォーム1の移動量及び回転数が自動的に補正されるようにすることができる。当該補正は、研削されるウォーム1が同一形状及び寸法のものである限り、継続することができる。
α[μm]の値は、ウォーム1の形状や寸法、又は材質等にもよるが、例えば、0よりも大きく、30以下である。β[°]の値も、ウォーム1の形状や寸法、又は材質等によるが、例えば、0よりも大きく、1以下である。
ウォーム1の移動量を補正する際は、粗研削時の移動量Zを基準として仕上げ研削時の移動量Zを算出してもよいし、Zを基準としてZを算出してもよい。同様に、ウォーム1の回転数を補正する際は、粗研削時の回転数Bを基準として仕上げ研削時の回転数Bを算出してもよいし、Bを基準としてBを算出してもよい。
上述した通り、上記式(1)及び(2)のうち、少なくとも一方が満たされればよい。式(1)のみを満たす場合、すなわちウォーム1の移動量のみを補正する場合は、仕上げ研削時のウォーム1の回転数Bは粗研削時のウォーム1の回転数Bと等しい。式(2)のみを満たす場合、すなわちウォーム1の回転数のみを補正する場合は、仕上げ研削時のウォーム1の移動量Zは粗研削時のウォーム1の移動量Zと等しい。式(1)及び(2)の双方を満たす場合、すなわちウォーム1の移動量及び回転数の双方を補正する場合は、Z/B≦Z/Bとならないようにα,βを設定する。
要するに、ウォーム1の移動量及び回転数のいずれを補正する場合であっても、Z/B>Z/Bの関係が満たされる。
ウォーム1の移動量及び回転数を除き、仕上げ研削工程における研削条件は、粗研削工程における研削条件と同一である。
仕上げ研削終了後、洗浄等を経てウォーム1が完成する。
[効果]
上述した通り、粗研削時の加工熱により、ウォーム1は軸方向Sに伸びる。このため、粗研削後の仕上げ研削は、ウォーム1が軸方向Sに伸びた状態で実施されることになる。仮に仕上げ研削が粗研削と同じ条件で実施されたとすれば、ウォーム1の軸方向Sの長さが元に戻ったときに、歯筋誤差やピッチ誤差のばらつきが生じ、歯の精度が悪化する。このような歯の精度の悪化は、サイクルタイムが短い場合に特に顕著になる。
図4は、ウォーム1の研削時において、ウォーム1に対する心押台23のセンタの変位量(テールストック変位量)の時間変化を示すグラフである。図4において、サイクルタイムが長い場合のテールストック変位量を破線で示し、サイクルタイムが短い場合のテールストック変位量を実線で示す。
図4において破線で示すように、研削開始から一定時間が経過すると、テールストック変位量が大きくなる。しかしながら、さらに時間が経過すると、ウォーム1に対する心押台23の位置が安定し、テールストック変位量が小さくなる。よって、研削のサイクルタイムが長い場合、ウォーム1と心押台23との位置関係が安定した状態で仕上げ研削が実施される。
一方、図4において実線で示すように、研削のサイクルタイムが短い場合、心押台23の位置が安定しないうちに仕上げ研削が実施される。すなわち、心押台23のセンタがウォーム1からずれたままで仕上げ研削が実施される。よって、粗研削時だけでなく、仕上げ研削の間にもウォーム1が熱膨張して軸方向Sに伸びる。このため、歯筋誤差やピッチ誤差のばらつきが過大になり、歯の精度がより悪化する。
本実施形態では、上述したようなウォーム1の軸方向Sの伸びを鑑み、ウォーム1の移動量及び/又は回転数の補正を実施する。すなわち、本実施形態では、仕上げ研削工程におけるウォーム1の移動量Zが粗研削工程におけるウォーム1の移動量Zよりも大きく、及び/又は、仕上げ研削工程におけるウォーム1の回転数Bが粗研削工程におけるウォーム1の回転数Bよりも小さい。ウォーム1の移動量及び/又は回転数は、Z/B>Z/Bを満たすように補正される。
上記の補正により、仕上げ研削工程では、粗研削工程と比較して、ウォーム1が1回転する間に砥石車3に対して進む距離が大きくなり、ウォーム1の外周面上に砥石車3が描く螺旋のピッチが広くなる。よって、仕上げ研削工程において、ウォーム1の軸方向Sに伸びた歯に対応した研削を行うことができる。このため、ウォーム1の軸方向Sの長さが元に戻ったときに、歯筋誤差やピッチ誤差のばらつきが生じるのを防止することができ、良好な歯の精度を確保することができる。
<第2実施形態>
[ウォームの製造方法]
以下、第2実施形態に係るウォームの製造方法について、図1から図3を再度参照しながら説明する。第1実施形態では、1条の歯に対して粗研削及び仕上げ研削を実施する場合について説明したが、第2実施形態では、複数条の歯を順に研削する場合について説明する。
本実施形態に係るウォームの製造方法は、準備工程と、第1条目の歯の研削工程と、第2条目の歯の研削工程とを備える。
(準備工程)
図1に示すように、ウォーム1を準備する。ウォーム1の準備については、第1実施形態で説明した通りである。ただし、第1実施形態の場合は少なくとも1条の歯を有するウォーム1を準備すればよいが、本実施形態では、複数条の螺旋状の歯を外周面に有するウォーム1を準備する。
(第1条目の歯の研削工程)
準備したウォーム1について、まず、複数条の歯のうちの1つ(第1条目の歯)を研削する。第1条目の歯の研削は、第1実施形態と同様に、図2に示す支持機構2及び砥石車3を用いて実施される。すなわち、主軸台22によってウォーム1を軸心X周りに回転させ、テーブル21とともにウォーム1を軸方向Sの一方側に移動させながら、砥石軸Y周りに回転する砥石車3によって第1条目の歯を研削する。砥石車3は、歯溝に沿って第1条目の歯の全体を研削する。第1条目の歯の研削方向は、特に限定されるものではない。
(第2条目の歯の研削工程)
第1条目の歯を研削した後、ウォーム1の複数条の歯のうち、他の1つ(第2条目の歯)を研削する。図3に示すように、第2条目の歯の研削は、ウォーム1を支持機構2によって支持させたまま、続けて実施される。
第1条目の歯の研削時と同様に、主軸台22によってウォーム1を軸心X周りに回転させ、テーブル21とともにウォーム1を軸方向Sの一方側に移動させながら、砥石軸Y周りに回転する砥石車3によって第2条目の歯を研削する。第2条目の歯の研削工程における研削方向は、第1条目の歯の研削工程における研削方向と同じでもよいし、反対であってもよい。砥石車3は、ウォーム1の歯溝に沿って第2条目の歯の全体を研削する。
ここで、第1条目の歯の研削工程におけるウォーム1の移動量及び回転数と、第2条目の歯の研削工程におけるウォーム1の移動量及び回転数との関係について説明する。
粗研削及び仕上げ研削を実施する場合と同様に、ウォーム1は、第1条目の歯の研削時の加工熱により、第2条目の歯の研削の開始時点において軸方向に伸びている。
本実施形態でも、ウォーム1及び各歯の軸方向Sの伸びを考慮して、ウォーム1の移動量及び/又は回転数を補正する。第1条目の歯の研削時の移動量及び回転数と第2条目の歯の研削時の移動量及び回転数との関係は、第1実施形態における粗研削時の移動量及び回転数と仕上げ研削時の移動量及び回転数との関係と同等である。すなわち、本実施形態では、以下の式(3)及び(4)の少なくとも一方を満たすように、ウォーム1の移動量及び/又は回転数を補正する。
=Z+γ (3)
=B−δ (4)
式(3)において、Z,Zは、それぞれ、第1条目及び第2条目の歯の研削におけるウォーム1の移動量である。Zは、第1条目の歯の研削工程にてウォーム1がB回転する時間にウォーム1が移動する量である。Zは、第2条目の歯の研削工程にてウォーム1がB回転する時間にウォーム1が移動する量である。Z,Zは、第1実施形態のZ,Zと同様、それぞれ砥石車3に対するウォーム1の軸方向Sの相対移動量である。γは、任意の正の値である。よって、式(3)は、第2条目の歯の研削時のウォーム1の移動量が第1条目の歯の研削時のウォーム1の移動量よりも大きいことを意味する。
式(4)において、B,Bは、それぞれ、第1条目及び第2条目の歯の研削におけるウォーム1の軸心X周りの回転数(回転角度)である。Bは、第1条目の歯の研削工程にてウォーム1がZ移動する時間にウォーム1が回転する数(角度)である。Bは、第2条目の歯の研削工程にてウォーム1がZ移動する時間にウォーム1が回転する数(角度)である。δは、任意の正の値である。よって、式(4)は、第2条目の研削時のウォーム1の回転数が第1条目の研削時のウォーム1の回転数と比較して小さいことを意味する。
γ,δは、第1実施形態におけるα,βと同様にして決定することができる。
式(3)のみを満たす場合、すなわちウォーム1の移動量のみを補正する場合は、第1条目の歯の研削時におけるウォーム1の回転数Bは第2条目の歯の研削時におけるウォーム1の回転数Bと等しい。式(4)のみを満たす場合、すなわちウォーム1の回転数のみを補正する場合は、第1条目の歯の研削時におけるウォーム1の移動量Zは第1条目の歯の研削時におけるウォーム1の移動量Zと等しい。式(3)及び(4)の双方を満たす場合、すなわちウォーム1の移動量及び回転数の双方を補正する場合は、Z/B≦Z/Bとならないようにγ,δを設定する。
要するに、ウォーム1の移動量及び回転数のいずれを補正する場合であっても、Z/B>Z/Bの関係が満たされる。
ウォーム1の移動量を補正する際は、第1条目の歯の研削時におけるウォーム1の移動量Zを基準として第2条目の歯の研削時におけるウォーム1の移動量Zを算出してもよいし、Zを基準としてZを算出してもよい。同様に、ウォーム1の回転数を補正する際は、第1条目の歯の研削時におけるウォーム1の回転数Bを基準として第2条目の歯の研削時におけるウォーム1の回転数Bを算出してもよいし、Bを基準としてBを算出してもよい。
ウォーム1の移動量及び回転数を除き、第2条目の歯の研削工程における研削条件は、第1条目の歯の研削工程における研削条件と同一である。本実施形態で説明した第1条目及び第2条目の歯の研削は、粗研削であってもよいし、仕上げ研削であってもよい。
ウォーム1が3条以上の歯を有する場合、第2条目の歯の研削の後、第3条目以降の歯の研削が実施される。第3条目以降の歯の研削時においても、ウォーム1の移動量及び/又は回転数を同様に補正してもよい。全ての歯の研削が終了した後、洗浄等を経てウォーム1が完成する。
[効果]
第1条目の歯の研削時の加工熱によってウォーム1が軸方向Sに伸びることにより、第2条目の歯の研削は、ウォーム1が軸方向Sに伸びた状態で実施されることになる。よって、本実施形態においても、ウォーム1の伸びを考慮して、ウォーム1の移動量及び/又は回転数の補正を実施する。
すなわち、本実施形態では、第1条目の歯の研削工程におけるウォーム1の移動量Zよりも第2条目の歯の研削工程におけるウォーム1の移動量Zが大きく、及び/又は、第1条目の歯の研削工程におけるウォーム1の回転数Bよりも第2条目の歯の研削工程におけるウォーム1の回転数Bが小さい。ウォーム1の移動量及び回転数は、Z/B>Z/Bを満たすように補正される。
上記の補正により、第2条目の歯の研削工程では、第1条目の歯の研削工程と比較して、ウォーム1が1回転する間に砥石車3に対して進む距離が大きくなり、ウォーム1の外周面上に砥石車3が描く螺旋のピッチが広くなる。よって、第2条目の歯の研削工程において、ウォーム1の軸方向Sに伸びた歯に対応した研削を行うことができる。このため、ウォーム1の軸方向Sの長さが元に戻ったときに、歯筋誤差やピッチ誤差のばらつきが生じるのを防止することができ、良好な歯の精度を確保することができる。
以上、実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、研削に際し、ウォームを軸方向に移動させていたが、ウォームを固定し、砥石車をウォームの軸方向に移動させることもできる。あるいは、ウォーム及び砥石車の双方をウォームの軸方向に移動させてもよい。
1:ウォーム
X:軸心
2:支持機構
21:テーブル
22:主軸台
23:心押台
3:砥石車
Y:砥石軸

Claims (2)

  1. a)螺旋状の歯を外周面に有するウォームを準備する工程と、
    b)前記ウォームの軸心周りに前記ウォームを回転させるとともに、砥石軸周りに回転する砥石車に対して前記ウォームの軸方向に前記ウォームを相対移動させながら、前記砥石車によって前記歯を粗研削する工程と、
    c)前記工程b)の後、前記ウォームの軸心周りに前記ウォームを回転させるとともに、前記砥石軸周りに回転する前記砥石車に対して前記ウォームの軸方向に前記ウォームを相対移動させながら、前記砥石車によって前記歯を仕上げ研削する工程と、
    を備え、
    前記工程b)における前記砥石車に対する前記ウォームの相対移動量よりも前記工程c)における前記砥石車に対する前記ウォームの相対移動量が大きく、及び/又は、前記工程b)における前記ウォームの回転数よりも前記工程c)における前記ウォームの回転数が小さい、ウォームの製造方法。
  2. a)複数条の螺旋状の歯を外周面に有するウォームを準備する工程と、
    b)前記ウォームの軸心周りに前記ウォームを回転させるとともに、砥石軸周りに回転する砥石車に対して前記ウォームの軸方向に前記ウォームを相対移動させながら、前記砥石車によって第1条目の歯を研削する工程と、
    c)前記工程b)の後、前記ウォームの軸心周りに前記ウォームを回転させるとともに、前記砥石軸周りに回転する前記砥石車に対して前記ウォームの軸方向に前記ウォームを相対移動させながら、前記砥石車によって第2条目の歯を研削する工程と、
    を備え、
    前記工程b)における前記砥石車に対する前記ウォームの相対移動量よりも前記工程c)における前記砥石車に対する前記ウォームの相対移動量が大きく、及び/又は、前記工程b)における前記ウォームの回転数よりも前記工程c)における前記ウォームの回転数が小さい、ウォームの製造方法。
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