JP2018012121A - 溶接装置 - Google Patents

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文夫 松坂
Fumio Matsuzaka
文夫 松坂
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Abstract

【課題】溶接点に向けられた先端アームの角度を変化させても、溶接点の位置を変化させないようにできる溶接装置を提供する。
【解決手段】トーチの軸線上にある溶接点において溶接を行う溶接装置は、ベースと、ベースに取り付けられた第1アームと、ベースから突出する位置に配置され、第1アームに対して回転可能な第2アームと、第2アームに取り付けられたトーチと、ベースに設けられ、ベースに対して第1アームを移動させるアクチュエータと、アクチュエータを制御するコントローラと、第1アームの角度変化または第1アームに取り付けられた第1回転体の回転に対応させて第2アームの角度を変化させる連結機構と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶接装置に関する。
溶接装置の自動化に用いられるアクチュエータには、直動、回転、ウィービング等の様々な種類がある。多関節ロボットを用いる溶接装置は、自由度が高く、位置と角度を自由に設定できる。一方、特許文献1,2に記載されるように、溶接トーチの角度(狙い角)を調整できる装置が知られている。特許文献1記載の角度調整器は、X軸、Y軸、およびZ軸の3軸で操作できる溶接ロボットに適用される。この角度調整器では、ワイヤの狙い位置を中心にして、ガイド部材に円弧状溝が設けられている。連結トーチホルダに連結されたスライド部材は、ガイド部材の円弧状溝に沿って動くようになっている。特許文献2に記載の溶接ロボットは、指定距離に基づいて第1センシング点から第2センシング点に変位センサを移動させ、この検出結果に基づきマニピュレータの位置と姿勢を演算し、軸角度を求める。溶接ロボットは、その軸角度で、溶接トーチを移動させるようにマニピュレータを移動制御する。
特開平10−328831号公報 特開2011−138275号公報
一般的に、多間接ロボットは強力なアクチュエータを用いるために腕が太く、狭隘かつ先端で角度を振らなければならないような部位(たとえば、複雑形状を持つ狭隘部分の隅肉溶接)では、適用が困難である。このような部位に対しては、溶接士が手作業で溶接するのが一般的である。また、仮に多関節ロボットに先端回転用の軸(先端回転軸)を付加する場合、制御が複雑化し、コストの増大を招く。しかも、ロボットを製作し得る事業者でなければ、そのような特製のロボットを実用化するのは困難である。
そこで、安価な直交ロボットにそのような先端回転軸を組み合わせて用いることが考えられる。直交座標で制御されるアクチュエータは制御が単純であり、ロボットメーカーでなくとも実用的な動作をさせる制御装置の製作が可能である。しかしその場合でも、回転を行う付加軸があるため、溶接位置の座標が直交ロボット側のみで決定できないという問題がある。よって、制御を行うためには、先端回転軸を含めた複雑な座標位置計算を行いつつ、位置制御をする必要が生じる。また、先端回転軸は、その目的からいって機械的には高い強度を有しない。そのため、先端回転軸の回転により座標が変化する場合は、誤差もそれだけ増幅されてしまうという問題点もある。
本発明は、溶接点に向けられた先端アームの角度を変化させても、溶接点の位置を変化させないようにできる溶接装置を提供する。
本発明の一態様に係る溶接装置は、トーチの軸線上にある溶接点において溶接を行う溶接装置であって、ベースと、ベースに取り付けられた第1アームと、ベースから突出する位置に配置され、第1アームに対して回転可能な第2アームと、第2アームに取り付けられたトーチと、ベースに設けられ、ベースに対して第1アームを移動させるアクチュエータと、第1アームの角度変化または第1アームに取り付けられた第1回転体の回転に対応させて第2アームの角度を変化させる連結機構と、を備える。
この溶接装置によれば、アクチュエータは、第1アームを移動させる。第1アームの角度が変化する、または、第1アームの移動によって第1回転体が回転すると、連結機構によって、これらの角度変化や回転に対応して第2アームの角度が変化する。第2アームの角度が変化することにより、たとえば狭隘部や複雑形状を持つ部分に第2アームを配置することができる。このように、ベース側(手元側)におけるアクチュエータの制御によって、トーチ側(先端側)の第2アームの角度を変化させることができる。さらに、ベース側の第1アームの位置を調整すれば、トーチの軸線上の溶接点の位置を不変とすることができる。よって、溶接点に向けられた先端側の第2アームの角度を変化させても、溶接点の位置を変化させないようにできる。すなわち、溶接点を中心に第2アームが回転する機構が実現され得る。
いくつかの態様において、第2アームは第1アームに連結されており、アクチュエータは、第1方向に延びる第1アームを平行移動させるものであり、連結機構は、第1アームに取り付けられ、第1アームの平行移動に伴って第1アームに対して回転する第1回転体と、第1アームと第2アームとの間に配置されると共に第2アームに連結された第2回転体と、を含み、第1回転体と第2回転体とは同じ位相で回転するように構成されており、連結機構は、第1回転体の回転に対応させて第2回転体を回転させ、第2回転体を中心として第2アームの角度を変化させる。この構成によれば、手元側の第1回転体を回転させることにより、先端側の第2回転体を同じ位相で回転させることができる。したがって、第2アームの所望の角度に対応させて第1回転体を回転させればよく、第2アームの回転制御が一層容易である。
いくつかの態様において、連結機構は、第1回転体および第2回転体に係合し第1回転体の回転を第2回転体に伝達するワイヤを含み、ワイヤが係合する第1回転体の外周部の直径と第2回転体の外周部の直径とは等しい。この構成によれば、第1回転体と第2回転体とは、同じ直径を有する部分に係合されたワイヤを介して連動して回転する。上記した第1回転体と第2回転体とを同じ位相で回転させる制御を簡易な構成で実現できる。また、先端側の構成(すなわち第2回転体および第2アームの周辺の構成)がコンパクト化され得る。
いくつかの態様において、第1アームとベースとの間に設けられ、第1アームが第1方向と第1方向に直交する第2方向との両方に移動可能であるように、第1アームを支持する支持機構と、第1回転体が一端に取り付けられ、第1方向および第2方向のいずれにも直交する第3方向に延びる軸部と、ベースに形成され、軸部の他端が配置される円弧状の長孔であって、第2アームの第2回転体を中心とする回転半径と同じ曲率半径を有する長孔と、軸部の他端が長孔内で移動することにより、他端が移動した中心角と同じ角度だけ第1回転体をさせる回転機構と、を備える。この構成によれば、第1アームの移動に伴って、第1回転体に取り付けられた軸部がベースの長孔内で所定の中心角をもって移動することにより、第1回転体が、中心角と同じ角度だけ回転する。そして、第2回転体も、それと同じ角度だけ回転する。第1アームは平行移動するので、長孔の曲率中心と第1回転体とを結んだ直線は、溶接点と第2回転体とを結んだ直線と平行を保つ。ベースに形成された長孔の曲率中心は一定であるから、溶接点の位置も変化しない。なお、「だけ」との語は、「のみ」または「ほんの」を意味するのではなく、「その量(角度等)で」を意味する。
いくつかの態様において、第1アームと第2アームとの間に設けられ、基端が第1アームの先端に回転可能に連結されると共に先端が第2アームの基端に回転可能に連結された第3アームを備え、第1アームの長さと第2アームの長さとは等しく、連結機構は、第1方向に延びる第3アームを平行移動させると共に、第3アームに垂直な仮想平面に関して第1アームと第2アームとが面対称に回転するように構成されており、アクチュエータは、第1アームの基端を第1方向に沿って移動させるものであり、連結機構は、第1アームの角度変化に対応させて第2アームの角度を変化させる。この構成によれば、手元側の第1アームの基端を第1方向に沿って移動させることにより、第3アームは平行移動し、第1アームの先端は第3アームに対して回転する。このとき、第2アームは、第1アームと対称に回転する。したがって、第2アームの所望の角度に対応させて第1アームを回転させればよく、第2アームの回転制御が一層容易である。
本発明のいくつかの態様によれば、溶接点に向けられた先端側の第2アームの角度を変化させても、溶接点の位置を変化させないようにできる。
本発明の第1実施形態に係る溶接装置の連結機構を概念的に説明するための図である。 図2の(a)および図2の(b)は、第1実施形態に係る溶接装置の動作を概念的に説明するための図である。 第1実施形態に係る溶接装置を示す平面図である。 図3の溶接装置を示す断面図である。 図5の(a)、図5の(b)、および図5の(c)は、それぞれ、第1アームと第2アームを示す平面図、側面図、底面図である。 第2アームおよびトーチを先端側から見て示す図である。 第1実施形態の変形例に係る溶接装置を示す斜視図である。 図7の溶接装置の第1の状態を示す斜視図である。 図7の溶接装置の第2の状態を示す斜視図である。 図7の溶接装置の第3の状態を示す斜視図である。 図7の溶接装置の第4の状態を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る溶接装置の連結機構を概念的に説明するための図である。 図13の(a)、図13の(b)、および図13の(c)は、第2実施形態に係る溶接装置の動作を概念的に説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」との語は、ベース2から溶接点Sを見た方向を基準とする。すなわち、Y軸の正方向は前方であり、Y軸の負方向は後方である。X軸の正方向は右方であり、X軸の負方向は左方である。
まず、図1および図2を参照して、第1実施形態に係るギヤ式の溶接装置1について説明する。図1および図2は、溶接装置1を概念的に示している。溶接装置1は、所定の溶接点Sにおいて溶接を行う装置である。溶接装置1は、先端アーム20が回転しても溶接点Sの位置(座標)を変化させないような機構を有している。溶接装置1は、円盤3を含むベース2と、ベース2に固定された一対の縦スライダ8,8と、縦スライダ8,8に対して端部7aおよび端部7bが連結された横スライダ7と、を備える。溶接装置1は、さらに、横スライダ7に取り付けられ、横スライダ7上を移動可能であるギヤ(第1回転体)4と、ベース2から突出する位置に配置されたギヤ(第2回転体)14と、を備える。
円盤3は、中心3aと、円弧3bとを含む。中心3aおよび円弧3bは、直線状の仮想ライン5によって連結される。仮想ライン5の長さ、すなわち中心3aと円弧3bとの距離は、半径Lに相当する。ギヤ4は中心4aを含み、ギヤ14は中心14aを含む。ギヤ4およびギヤ14は、直線状の連結ライン10によって連結されている。より詳しくは、ギヤ4の外周部に設けられた連結点6と、ギヤ14の外周部に設けられた連結点16とにおいて、ギヤ4およびギヤ14が連結されている。
ギヤ14には、先端アーム(第2アーム)20が回転可能に連結されている。先端アーム20は、ベース2からY軸方向に突出する位置に配置される。溶接点Sは、先端アーム20の先端付近に位置する。先端アーム20の長さ(詳しくは溶接点Sまでの長さ)は、上記した円盤3の半径Lと等しい。
ベース2には、図示されないベースアーム(第1アーム)が取り付けられる。ベースアームの基端には、中心4aを介して、ギヤ4が取り付けられる。ベースアームの先端には、先端アーム20が連結される。ベースアームの先端と先端アーム20との間には、ギヤ14が配置される。ギヤ14は、中心14aを介して、先端アーム20に固定される。先端アーム20には、トーチが取り付けられる。なお、図1および図2では、ベースアームおよびトーチの図示は省略されている。
溶接装置1は、ギヤ4の回転に対応させて先端アーム20の角度を変化させる連結機構Mを備えている。この連結機構Mは、縦スライダ8,8および横スライダ7と、円盤3と、ギヤ4およびギヤ14と、を含む。
横スライダ7は、X軸に平行である。縦スライダ8,8は、Y軸に平行である。Y軸は、X軸に直交する。横スライダ7は、端部7aおよび端部7bが縦スライダ8,8上を移動可能であることにより、Y軸方向に沿って平行移動可能である。ギヤ4の中心4aは、横スライダ7上を移動するとともに、円弧3b上を移動する。ギヤ4は、円盤3の中心3aに対してある中心角をもって移動すると、その中心角と同じ角度だけ回転する。
連結ライン10は、たとえば、図示されないベースアームに取り付けられている。ベースアームは、たとえばX軸方向に沿って平行移動する。これにより、連結ライン10も平行移動する。なお、ベースアームは、横スライダ7に対して連結されて、X軸方向に沿って移動可能であってもよい。ギヤ4が円弧3b上を移動することにより、連結ライン10のY軸方向の位置は変化する。連結ライン10の両端に位置する連結点6と連結点16は、中心4aと中心14aに対して、同じ位相で移動する。すなわち、ギヤ4と中心14aは、同じ位相で回転する。ギヤ14は、ギヤ4と同じ角度だけ回転する。言い換えれば、ギヤ4からギヤ14へと、連結ライン10を経由して回転角度が伝達される。
溶接装置1は、横スライダ7を移動させることによりギヤ4を移動させるアクチュエータ11と、アクチュエータ11を制御するコントローラ25とを備える。アクチュエータ11として、様々なタイプの公知のアクチュエータが用いられ得る。コントローラ25は、アクチュエータ11を制御することにより、縦スライダ8,8に沿って横スライダ7を平行に移動させる。なお、アクチュエータ11は、円盤3を回転させる態様であってもよい。その場合、円盤3は中心3aの周りを回転可能であり、ギヤ4は、円盤3の円周(円弧3b)上の一点に取り付けられてもよい。
横スライダ7の移動に伴い、ギヤ4は、回転しながら円弧3b上を移動する。ギヤ4の移動および回転に伴い、ギヤ14も移動および回転する。ギヤ14の中心14aの移動軌跡は、中心4aの移動軌跡すなわち円弧3bと同じ直径を有する。その移動軌跡のX軸における位置は、円弧3bと同じである。このように、溶接装置1の連結機構Mは、円盤3によって先端アーム20の動きを単純に再現できるように構成されている。横スライダ7および縦スライダ8,8によって位置補正を実施可能になっている。以下の説明において、図1に示される連結機構M(ギヤ4、ギヤ14、連結ライン10等)の状態を初期状態という。
図2の(a)および図2の(b)を参照して、連結機構Mによる先端アーム20の角度変化について説明する。図2の(a)に示されるように、コントローラ25によってアクチュエータ11が駆動制御されて、横スライダ7が移動すると、ギヤ4は、初期状態を基準として、角度θ1(中心3aに対する中心角)だけ移動する。それと同時に、ギヤ4は、その角度θ1だけ回転する。連結ライン10を介して連動するギヤ14は、ギヤ4と同じ軌跡をたどり、同じ角度θ1だけ回転する。その結果、溶接点Sの位置は維持された状態(溶接点Sの位置は不変)で、先端アーム20の角度は変化する。このときの角度変化は、初期状態を基準として角度θ1である。
図2の(b)に示されるように、コントローラ25によってアクチュエータ11が駆動制御されて、横スライダ7が更に移動すると、ギヤ4は、初期状態を基準として、角度θ2だけ移動する。それと同時に、ギヤ4は、その角度θ2だけ回転する(角度θ1<角度θ2)。連結ライン10を介して連動するギヤ14は、ギヤ4と同じ軌跡をたどり、同じ角度θ2だけ回転する。その結果、溶接点Sの位置は維持された状態(溶接点Sの位置は不変)で、先端アーム20の角度は変化する。このときの角度変化は、初期状態を基準として角度θ2である。
このようにして、連結機構Mを備えた溶接装置1によれば、溶接点Sの位置を不変とすることができる。言い換えれば、溶接点Sに向けられた先端アーム20の角度を変化させても、溶接点Sの位置を変化させないようにできる。このように、手元側のアクチュエータ11、横スライダ7、およびギヤ4の移動・回転を制御することにより、先端側の先端アーム20の姿勢を制御できる。
続いて、図3〜図6を参照して、第1実施形態に係る溶接装置についてより詳細に説明する。図3および図4に示されるように、溶接装置100は、たとえばTIG溶接(tungsten inert gas arc welding)を行うための装置である。なお、溶接装置100は、TIG溶接とは別のアーク溶接を行うための装置であってもよい。溶接装置100には、たとえば、溶接電源、ワイヤ送給機、シールドガス用の不活性ガスボンベ(いずれも図示されず)が接続されている。溶接部50のトーチ51aに対して接続される溶接に必要な機器や部品は、公知の機器や部品であってよい。
溶接装置100は、トーチ51aの軸線上にある溶接点Sにおいて溶接を行う。溶接装置100は、矩形状のベース30と、ベース30に取り付けられたベースアーム(第1アーム)38と、ベース30から突出する位置に配置され、ベースアーム38に対して回転可能な先端アーム51(第2アーム)と、を備える。先端アーム51の先端には、トーチ51aが取り付けられている。
溶接装置100は、ベース30から突出したベースアーム38と、ベースアーム38の先端に連結された先端アーム51と、先端アーム51の先端に取り付けられたトーチ51aとを備えることにより、狭隘かつ先端で角度を振らなければならないような部位(たとえば、複雑形状を持つ狭隘部)において溶接を行う。たとえば、溶接装置100は、原子力機器等に適用されてもよく、より詳しくは、回転体等に取り付けられる翼のハブに対する接合等に適用されてもよい。たとえば、複数の翼が配列されている場合、翼間の距離は小さくなり得る。溶接装置100は、そのような狭隘部に先端アーム51を配置し、溶接点Sを所望の位置に配置する。
溶接装置100は、図1および図2に示された溶接装置1を具現化した装置である。すなわち、溶接装置100は、先端アーム51が回転しても溶接点Sの位置(座標)を変化させないような機構(すなわち連結機構M)を有している。
ベースアーム38は、ベース30から離れるようにして真っ直ぐに延びており、第1方向に延在する。この第1方向は、溶接装置1におけるY軸方向(正方向も負方向も含む)に相当する。ベース30は、溶接装置100の全体が固定される溶接装置取付部(図示されず)に固定される矩形のメインベース31を備える。固定されたメインベース31は、溶接作業の間、移動することがなくてもよいし、溶接装置取付部の移動に伴って移動してもよい。溶接装置取付部が移動する場合は、コントローラ25は、少なくともメインベース31の位置(座標)に関する情報を入力し得る。
ベースアーム38とメインベース31との間には、メインベース31上で、第1方向に移動可能な可動ベース35が設けられている。第2方向は、第1方向に直交する方向であり、溶接装置1におけるX軸方向(正方向も負方向も含む)に相当する。溶接装置100において、左右方向はX軸方向(第2方向)に相当し、前後方向はY軸方向(第1方向)に相当する。
メインベース31の左右の両端部には、前後方向に延びる一対の縦スライダ33,33が固定されている。メインベース31の後端部には、左右方向に延びる1本の横スライダ32が取り付けられている。縦スライダ33,33は互いに平行なレールであり、横スライダ32は、縦スライダ33,33に直交する。横スライダ32は、たとえば、ねじが形成されたスクリュー軸であり、その中心軸線周りで回転自在に取り付けられている。
ベースアーム38とメインベース31との間には、縦スライダ33,33に連結されて前後方向に移動可能な可動ベース35が設けられている。可動ベース35の左右の両端部は、縦スライダ33,33上に載置されている。可動ベース35の左右の両端部に車輪が設けられることで、可動ベース35が縦スライダ33,33上を走行してもよい。可動ベース35は、縦スライダ33,33に対して摺動してもよい。
さらに、ベースアーム38の基端部38aは、この可動ベース35上で、左右方向に移動可能である。基端部38aの前後の両端部は、可動ベース35上に載置されている。基端部38aの前後の両端部に車輪が設けられることで、基端部38aが可動ベース35上を走行してもよい。基端部38aは、可動ベース35に対して摺動してもよい。
ベースアーム38の基端部38aには、基端部38aから後方に突出する突出軸37が固定されている。一方、横スライダ32には、ブロック状のホルダ36が取り付けられている。ホルダ36は内部にボールスクリューを含み、ボールスクリューに横スライダ32が螺合している。ホルダ36上には前後方向に貫通する孔部を含むガイド部36aが設けられている。突出軸37は、ガイド部36aの孔部を貫通している。ガイド部36aは、突出軸37しいてはベースアーム38の前後方向の移動を許容する。
メインベース31には、横スライダ32を回転させるモータ34が固定されている。横スライダ32は、図1に示されるコントローラ25によって制御され得る。
モータ34が横スライダ32を回転させると、その回転方向および回転量に応じて、ホルダ36が左右に移動する。ホルダ36の移動に伴って、ベースアーム38の全体が左右に移動する。その間、ベースアーム38は、後述する別の機構によって所定の軌道上に案内され、前後方向にも僅かに移動する。ベースアーム38の前後方向への移動は、上記のガイド部36aによって案内される。
以上説明したように、溶接装置100は、ベースアーム38とメインベース31との間に設けられ、ベースアーム38が前後方向と左右方向との両方に移動可能であるように、ベースアーム38を支持する支持機構を備える。支持機構は、横スライダ32、縦スライダ33、可動ベース35、ホルダ36、および突出軸37を含む。モータ34は、アクチュエータに相当する。支持機構によって、ベースアーム38は、前後方向に延在した状態で、左右方向および前後方向に移動可能である。
メインベース31の前部には、メインベース31の矩形状の本体部よりもやや高い位置で前方に突出する突出片31bが設けられている。突出片31bには、ベースアーム38を円弧状に移動させるための中心軸39が設けられている。中心軸39は、左右方向および前後方向のいずれにも直交する上下方向に延びており、突出片31b上に立設されている。この中心軸39とベースアーム38の基端部38aとの間には、搖動アーム40が設けられている。搖動アーム40は、前端が中心軸39に連結された第1部材41と、第1部材41の後ろ側に接続される第2部材42とを含む。第1部材41と第2部材42とは一直線状をなしており、中心軸39を中心とする径方向に延びる。
第1部材41は、中心軸39を中心に揺動可能である。第1部材41の後端部41a(中心軸39から遠い方の端部)と、第2部材42の前端部42c(中心軸39に近い方の端部)とは、互いにフリーに嵌合している。たとえば、前端部42cの2枚の保持板の間に、後端部41aが配置されている。
第2部材42の後端部(中心軸39から遠い方の端部)は、円板状の第1回転体42aとされている。第1回転体42aは、ベースアーム38の基端部38aに取り付けられている。より詳しくは、第1回転体42aは、板状の基端部38aに沿うようにして、メインベース31に平行に配置されている。図4に示されるように、第1回転体42aの厚みは、第2部材42のアーム部の厚みより大きくなっており、それによって第1回転体42aの上部はアーム部の上面よりも突出している。
第2部材42の中心には、上下方向に延びる軸線を有する軸部42bが設けられている。軸部42bの上端は第1回転体42aに取り付けられている。軸部42bは、基端部38aを貫通すると共に、可動ベース35に形成された左右に延びる長孔35aを貫通する。軸部42bの下端は、メインベース31に達している。
メインベース31には、円弧状の長孔31aが形成されており、この長孔31a内に軸部42bの下端が配置されている。軸部42bの下端には、長孔31a内に配置され長孔31aに沿って移動する軸受が取り付けられてもよい。軸部42bの下端は、長孔31aの内壁面によって案内される。軸部42bの下端が長孔31a内で移動することにより、搖動アーム40は、中心軸39を中心として所定の角度だけ揺動する。
ベースアーム38は、中心軸39と、搖動アーム40と、メインベース31の長孔31aとによって、移動範囲を規制されている。すなわち、ベースアーム38の基端部38aは、中心軸39を中心とする円弧、すなわち長孔31aに沿った軌道に案内される。
モータ34によってホルダ36が左右に移動すると、ベースアーム38の全体が左右に移動するが、軸部42bの下端が長孔31aの内壁面によって案内されることにより、基端部38aは、円弧状に移動する。すなわち、ベースアーム38は、左右に移動すると共に、前後に移動する。この際、基端部38aは可動ベース35上を左右に移動し、可動ベース35はメインベース31上を前後に移動する。軸部42bは可動ベース35の長孔35a内を左右に移動する。
軸部42bの下端が長孔31a内で移動することにより、当該下端が移動した中心角と同じ角度だけ、第1回転体42aは回転する。言い換えれば、第1回転体42aは、ベースアーム38に取り付けられ、ベースアーム38の平行移動に伴ってベースアーム38に対して回転する。このように、溶接装置100は、ベースアーム38の基端部38aに取り付けられた第1回転体42aが移動した中心角と同じ角度だけ第1回転体42aを回転させる第1回転機構を備える。第1回転機構は、中心軸39と、搖動アーム40とを含む。
溶接装置100において、アクチュエータに相当するモータ34は、前後方向に延びるベースアーム38を平行移動させる。第1回転体42aは、溶接装置1のギヤ4に相当し、軸部42bは中心4aに相当する。搖動アーム40は仮想ライン5に相当し、搖動アーム40の長さ(中心軸39と軸部42bとの中心間距離)は半径Lに相当する。
先端アーム51は、第2回転体46を介してベースアーム38の先端部38bに連結されている。より詳しくは、円板状の第2回転体46は、ベースアーム38の先端部38bと先端アーム51との間に配置されている。先端アーム51は、ブロック状の保持部53によって保持されており、保持部53の一部が、第2回転体46に連結されている。このようにして、第2回転体46は、先端アーム51に対して連結されている。
第2回転体46の中心には、上下方向に延びる軸部46aが設けられている。軸部46aの中心を通る回転軸線L2と溶接点Sとの間の距離は、先端アーム51の回転軸線L2を中心とする回転半径に相当する。上記した長孔31aは、その回転半径と同じ曲率半径を有する。長孔31a(またはその内壁面)は、溶接装置1の円盤3の円弧3bに相当する。
第2回転体46の高さと、第1回転体42aの高さとは等しい。溶接装置100は、第1回転体42aおよび第2回転体46に係合し、第1回転体42aの回転を第2回転体46に伝達するワイヤ43を備える。ワイヤ43が係合する第1回転体42aの外周部の直径と、ワイヤ43が係合する第2回転体46の外周部の直径とは、等しい(図3参照)。
ワイヤ43の移動によって第1回転体42aの回転が第2回転体46に伝達されると、第2回転体46と、先端アーム51およびトーチ51aを含む溶接部50とが、軸部46aを中心に回転する。
以上の構成により、第1回転体42aと第2回転体46とは、同じ位相で回転するように構成されている。すなわち、溶接装置100の連結機構Mは、第1回転体42aと、ワイヤ43と、第2回転体46とを含む。連結機構Mは、第1回転体42aの回転に対応させて第2回転体46を回転させ、軸部46aを中心として先端アーム51の角度を変化させる。第1回転体42aの中心を通る回転軸線L1と、第2回転体46の中心を通る回転軸線L2とは、互いに平行であり、上下方向に延びる。
第2回転体46の回転軸線L2と溶接点Sとの間の距離は、搖動アーム40の長さ(中心軸39と軸部42bとの中心間距離)に等しく、したがって、溶接装置1の半径Lに相当する。
図3〜図6を参照して、溶接部50の回転機構について説明する。溶接装置100は、第2回転体46に対して溶接部50を回転させるトーチ回転機構(第2回転機構)60を更に備える。トーチ回転機構60は、ベースアーム38に取り付けられた操作部68と、操作部68に連結されて上下方向に延びる回転軸線を中心に回転するベベルギヤ61と、ベベルギヤ61に噛み合い、前後方向に延びる回転軸線中心に回転するベベルギヤ62と、を含む。トーチ回転機構60は、後方のユニバーサルジョイント64を介してベベルギヤ62の軸に連結される連結バー63と、前方のユニバーサルジョイント64を介して連結バー63に連結される先端部66と、を含む。この先端部66は第2回転体46に対して固定されている。先端部66には、操作部68からの回転駆動力が伝達されるようになっている。先端部66には、その回転駆動力によって回転させられるギヤ群67が取り付けられている。図6に示されるように、保持部53には、ギヤ群67に噛み合うインナーギヤ52が設けられている。インナーギヤ52は、溶接点Sを通る回転軸線L3を中心に形成されている(図5の(a)〜図5の(c)参照)。
第2回転体46の回転軸線L2と、トーチ回転機構60におけるインナーギヤ52の回転軸線L3とは、交差する。操作部68が回転すると、先端アーム51およびトーチ51aを含む溶接部50の全体が、回転軸線L3を中心に回転する。回転軸線L3は溶接点Sを通るように構成されているので、溶接部50が回転する際にも、溶接点Sの位置(座標)は変化しない。
コントローラ25は、ベースアーム38の移動量または第1回転体42aの回転角度を検出する機能を有してもよく、回転軸線L2を中心とする先端アーム51の回転角度を検出する機能を有してもよい。第1回転体42aおよび/または第2回転体46にエンコーダが設けられてもよい。先端アーム51に観察用カメラが設けられてもよい。
溶接装置100によれば、モータ34は、ベースアーム38を移動させる。ベースアーム38の移動によって第1回転体42aが回転すると、連結機構Mによって、その回転に対応して先端アーム51の角度が変化する。先端アーム51の角度が変化することにより、たとえば狭隘部や複雑形状を持つ部分に先端アーム51を配置することができる。このようにベース30側(手元側)におけるモータ34の制御によって、トーチ51a側(先端側)の先端アーム51の角度を変化させることができる。さらに、ベース30側のベースアーム38の位置を調整すれば、溶接点Sの位置を不変とすることができる。よって、溶接点Sに向けられた先端側の先端アーム51の角度を変化させても、溶接点Sの位置は変化しない。すなわち、溶接点Sを中心に先端アーム51が回転する機構が実現されている。これにより、直交ロボットの制御ソフトウェアをそのまま活用することも可能である。また、直交ロボット、あるいは、多関節ロボット、その他回転軸等を含むロボットが溶接装置100に用いられてもよいが、溶接装置100では、軸の機能をもって溶接点の位置制御を完結するようにできる。その結果として、制御方法を簡便化することができる。
第1回転体42aと第2回転体46とは同じ位相で回転するように構成されており、連結機構Mは、第1回転体42aの回転に対応させて第2回転体46の角度を変化させる。この構成によれば、手元側の第1回転体42aを回転させることにより、先端側の第2回転体46を同じ位相で回転させることができる。したがって、先端アーム51の所望の角度に対応させて第1回転体42aを回転させればよく、先端アーム51の回転制御が一層容易になっている。
第1回転体42aと第2回転体46とは、同じ直径を有する部分に係合されたワイヤ43を介して連動して回転する。したがって、第1回転体42aと第2回転体46とを同じ位相で回転させる制御を簡易な構成で実現できる。また、先端側の構成(すなわち第2回転体46および先端アーム51の周辺の構成)がコンパクト化されている。
軸部42bと長孔31aと回転機構を備える構成によれば、ベースアーム38の移動に伴って、軸部42bがベース30の長孔31a内で所定の中心角をもって移動することにより、第1回転体42aが、その中心角と同じ角度だけ回転する。そして、第2回転体46も、それと同じ角度だけ回転する。ベースアーム38は平行移動するので、長孔31aの曲率中心である中心軸39と第1回転体42aとを結んだ直線は、溶接点Sと第2回転体46とを結んだ直線と平行を保つ。ベース30に形成された長孔31aの曲率中心は一定であるから、溶接点Sの位置も変化しない。回転軸の動きを伝える部分にワイヤを使用することにより先端をより小型に構成することを可能としている。
溶接装置100では、追加の回転軸線L3が設けられている。回転軸線L3周りのストロークを大きくする必要はないので、インナーギヤ52を用いて回転中心を空間として、回転中心に溶接点Sが来るように構成することにより、溶接点Sの位置を移動させることなく、先端アーム51を回転する機能を実現している。なお、インナーギヤ52に代えて、中心部が切り欠かれた通常のギヤを用いてもよい。
図7〜図11を参照して、溶接装置100の変形例に係る溶接装置100Aについて説明する。溶接装置100Aは、溶接装置100のトーチ回転機構60に代えて、第2回転体46に対して溶接部50を回転させるトーチ回転機構(第2回転機構)70を備える。トーチ回転機構70は、ベースアーム38に取り付けられたモータ(図示されない)と、モータで発生した回転駆動力を連結バー73に伝達する後方のユニバーサルジョイント74と、前方のユニバーサルジョイント74を介して連結バー73に連結される先端部76と、を含む。この先端部76は第2回転体46に対して固定されている。先端部76には、モータからの回転駆動力が伝達されるようになっている。先端部76には、その回転駆動力によって回転させられるギヤ群77が取り付けられている。溶接部50には、ギヤ群77に噛み合う扇状のギヤ52Aが設けられている。ギヤ52Aは、溶接点Sを通る回転軸線L3を中心に形成されている。第2回転体46の下方には、ワイヤガイドGが前方の溶接点Sに向けて延びている。
第2回転体46の回転軸線L2と、トーチ回転機構70におけるギヤ52Aの回転軸線L3とは、交差する。モータが回転すると、トーチ51aを含む溶接部50の全体が、回転軸線L3を中心に回転する。回転軸線L3は溶接点Sを通るように構成されているので、溶接部50が回転する際にも、溶接点Sの位置(座標)は変化しない。
図7に示されるように、ベースアーム38は左右方向の中央に位置している(上記した初期状態)。図8に示されるように、モータ34によってベースアーム38が左方に移動させられると、ベースアーム38は僅かに前方へ移動すると共に、溶接部50は回転軸線L2を中心に、(上から見て時計回りに)回転する。その結果、初期状態から、第2回転体46およびギヤ群77等の角度は変化しているが、溶接点Sの位置は変化していない。
図9に示されるように、トーチ回転機構70によって、溶接部50は回転軸線L3を中心に、(前から見て反時計回りに)回転する。その結果、トーチ51aの角度は変化しているが、溶接点Sの位置は変化していない。
図10に示されるように、モータ34によってベースアーム38が右方に移動させられると、ベースアーム38は僅かに前方へ移動すると共に、溶接部50は回転軸線L2を中心に、(上から見て反時計回りに)回転する。その結果、初期状態から、第2回転体46およびギヤ群77等の角度は変化しているが、溶接点Sの位置は変化していない。
図11に示されるように、トーチ回転機構70によって、溶接部50は回転軸線L3を中心に、(前から見て反時計回りに)回転する。その結果、トーチ51aの角度は変化しているが、溶接点Sの位置は変化していない。
続いて、図12および図13を参照して、第2実施形態に係るリンク式の溶接装置200について説明する。図12および図13は、溶接装置200を概念的に示している。溶接装置200は、所定の溶接点Sにおいて溶接を行う装置である。溶接装置200は、先端アーム222が回転しても溶接点Sの位置(座標)を変化させないような機構を有している。溶接装置200は、ベース2と、ベース2に固定された一対の縦スライダ8,8と、縦スライダ8,8に対して端部7aおよび端部7bが連結された横スライダ7と、を備える。
溶接リンク機構220は、3つのリンクから構成されており、ベース2に取り付けられた基端アーム(第1アーム)221と、ベース2から突出する位置に配置され、基端アーム221に対して回転可能な先端アーム(第2アーム)222と、これらの間の中間アーム(第3アーム)223と、を含む。基端アーム221、先端アーム222、および中間アーム223のそれぞれの長さLは等しい。先端アーム222には、トーチ(図示されない)が取り付けられる。
中間アーム223の基端は、基端アーム221の先端に回転可能に連結されており、中間アーム223の先端は、先端アーム222の基端に回転可能に連結されている。中間アーム223には、溶接装置200の姿勢を制御するためのアクチュエータ230が連結されている。中間アーム223はY軸方向(第1方向)に延び、平行移動するように構成されている。基端アーム221と先端アーム222とは、中間アーム223に垂直な仮想平面に関して、面対称に回転するように構成されている。基端アーム221の基端は、横スライダ7に対して連結されており、その連結点は不動点Rとされている(図12において黒丸で示される)。ただし、基端アーム221は、不動点Rを中心に回転自在であるように設けられている。
一方、横スライダ7には、入力リンク201の一端が連結されており、その連結点は可動点Qとされている(図12において白丸で示される)。入力リンク201の他端は、不動点Pとされている。すなわち、入力リンク201の他端は、装置内の他の箇所に固定されている。ただし、入力リンク201は、不動点Pを中心に回転自在であるように設けられている。入力リンク201の長さ(不動点Pと可動点Qとの間の距離)は、基端アーム221(先端アーム222)の回転軸線L2の2倍である。入力リンク201には、入力リンク201の姿勢を制御するためのアクチュエータ210が連結されている。
溶接装置200は、アクチュエータ210およびアクチュエータ230を制御するためのコントローラ25を備える。コントローラ25は、アクチュエータ210およびアクチュエータ230を制御することにより、基端アーム221の基端をY軸方向に沿って移動させる。連結機構Mは、基端アーム221の角度変化に対応させて先端アーム222の角度を変化させる。
図13の(a)〜図13の(c)を参照して、連結機構Mによる基端アーム221の角度変化について説明する。図13の(a)に示されるように、コントローラ25によってアクチュエータ210が駆動制御されて、入力リンク201の角度が変更され、可動点Qの移動に伴い横スライダ7が移動すると、溶接リンク機構220は、アクチュエータ230の制御により不動点P側に台形状に折れ曲がる。すなわち、中間アーム223は平行移動し、基端アーム221および先端アーム222は角度β1だけ回転する。不動点Rは横スライダ7上に位置するが、X軸方向には動かない。基端アーム221と先端アーム222とが逆方向に回転することで、溶接点Sの位置は変化しない。なお、不動点RのY軸方向の位置は移動距離d=2L(1−cos(β1))だけ動くが、この移動距離dが、基端アーム221および先端アーム222の各移動距離であるL(1−cos(β1))を相殺しており、溶接点Sの位置(座標)
は変化しない。
図13の(b)に示されるように、コントローラ25によってアクチュエータ210が駆動制御されて、入力リンク201の角度が変更され、可動点Qの移動に伴い横スライダ7が移動すると、溶接リンク機構220は、アクチュエータ230の制御により不動点P側に台形状に更に折れ曲がる。すなわち、中間アーム223は平行移動し、基端アーム221および先端アーム222は角度β2だけ回転する。不動点Rは横スライダ7上に位置するが、X軸方向には動かない。基端アーム221と先端アーム222とが逆方向に回転することで、溶接点Sの位置は変化しない。
図13の(c)に示されるように、コントローラ25によってアクチュエータ210が駆動制御されて、入力リンク201の角度が変更され、可動点Qの移動に伴い横スライダ7が移動すると、溶接リンク機構220は、アクチュエータ230の制御により不動点Pとは反対側に台形状に折れ曲がる。すなわち、中間アーム223は平行移動し、基端アーム221および先端アーム222は逆方向に角度β3だけ回転する。不動点Rは横スライダ7上に位置するが、X軸方向には動かない。基端アーム221と先端アーム222とが逆方向に回転することで、溶接点Sの位置は変化しない。
溶接装置200によれば、溶接点Sの位置を不変とすることができる。言い換えれば、溶接点Sに向けられた基端アーム221の角度を変化させても、溶接点Sの位置を変化させないようにできる。このように、アクチュエータ210、入力リンク201、横スライダ7、および溶接リンク機構220の回転を制御することにより、先端側の先端アーム222の姿勢を制御できる。
溶接装置200によれば、手元側の基端アーム221の基端をY軸方向に沿って移動させることにより、中間アーム223は平行移動し、基端アーム221の先端は中間アーム223に対して回転する。このとき、先端アーム222は、基端アーム221と対称に回転する。したがって、先端アーム222の所望の角度に対応させて基端アーム221を回転させればよく、先端アーム222の回転制御が一層容易である。
本発明は、上記の実施形態に限定されない。上記したギヤ式またはリンク式の連結機構Mを実現する態様は、当業者が設計し得る範囲において、適宜に変更可能である。たとえば、溶接装置100または溶接装置100Aにおいて、第1部材41と第2部材42とからなる搖動アーム40に代えて、2つの扇状のギヤが噛み合う機構を採用してもよい。その場合、前側のギヤが中心軸39を中心にして突出片31bに固定され、後ろ側のギヤが前側のギヤに噛み合いながら、軸部42bを中心に回動し得る。
1 溶接装置
2 ベース
3 円盤
4 ギヤ
7 横スライダ
8 縦スライダ
10 連結ライン
11 アクチュエータ
14 ギヤ
20 先端アーム
25 コントローラ
30 ベース
31 メインベース
31a 長孔
32 横スライダ
33 縦スライダ
34 モータ(アクチュエータ)
35 可動ベース
38 ベースアーム(第1アーム)
40 搖動アーム
41 第1部材
42 第2部材
42a 第1回転体
46 第2回転体
46a 軸部
50 溶接部
51 先端アーム(第2アーム)
51a トーチ
100 溶接装置
200 溶接装置
201 入力リンク
210 アクチュエータ
220 溶接リンク機構
221 基端アーム
222 先端アーム
223 中間アーム
L1、L2、L3 回転軸線
M 連結機構
P 不動点
Q 可動点
R 不動点
S 溶接点

Claims (5)

  1. トーチの軸線上にある溶接点において溶接を行う溶接装置であって、
    ベースと、
    前記ベースに取り付けられた第1アームと、
    前記ベースから突出する位置に配置され、前記第1アームに対して回転可能な第2アームと、
    前記第2アームに取り付けられた前記トーチと、
    前記ベースに設けられ、前記ベースに対して前記第1アームを移動させるアクチュエータと、
    前記第1アームの角度変化または前記第1アームに取り付けられた第1回転体の回転に対応させて前記第2アームの角度を変化させる連結機構と、を備える溶接装置。
  2. 前記第2アームは前記第1アームに連結されており、
    前記アクチュエータは、第1方向に延びる前記第1アームを平行移動させるものであり、
    前記連結機構は、
    前記第1アームに取り付けられ、前記第1アームの平行移動に伴って前記第1アームに対して回転する前記第1回転体と、
    前記第1アームと前記第2アームとの間に配置されると共に前記第2アームに連結された第2回転体と、を含み、
    前記第1回転体と前記第2回転体とは同じ位相で回転するように構成されており、
    前記連結機構は、前記第1回転体の回転に対応させて前記第2回転体を回転させ、前記第2回転体を中心として前記第2アームの角度を変化させる、請求項1に記載の溶接装置。
  3. 前記連結機構は、前記第1回転体および前記第2回転体に係合し前記第1回転体の回転を前記第2回転体に伝達するワイヤを含み、前記ワイヤが係合する前記第1回転体の外周部の直径と前記第2回転体の外周部の直径とは等しい、請求項2に記載の溶接装置。
  4. 前記第1アームと前記ベースとの間に設けられ、前記第1アームが前記第1方向と前記第1方向に直交する第2方向との両方に移動可能であるように、前記第1アームを支持する支持機構と、
    前記第1回転体が一端に取り付けられ、前記第1方向および前記第2方向のいずれにも直交する第3方向に延びる軸部と、
    前記ベースに形成され、前記軸部の他端が配置される円弧状の長孔であって、前記第2アームの前記第2回転体を中心とする回転半径と同じ曲率半径を有する長孔と、
    前記軸部の前記他端が前記長孔内で移動することにより、前記他端が移動した中心角と同じ角度だけ前記第1回転体をさせる回転機構と、を備える、請求項2または3に記載の溶接装置。
  5. 前記第1アームと前記第2アームとの間に設けられ、基端が前記第1アームの先端に回転可能に連結されると共に先端が前記第2アームの基端に回転可能に連結された第3アームを備え、
    前記第1アームの長さと前記第2アームの長さとは等しく、
    前記連結機構は、第1方向に延びる前記第3アームを平行移動させると共に、前記第3アームに垂直な仮想平面に関して前記第1アームと前記第2アームとが面対称に回転するように構成されており、
    前記アクチュエータは、前記第1アームの前記基端を前記第1方向に沿って移動させるものであり、
    前記連結機構は、第1アームの角度変化に対応させて前記第2アームの角度を変化させる、請求項1に記載の溶接装置。
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