JP2018012053A - 汚水の処理方法 - Google Patents

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【課題】汚泥発生量を低減させた新たな汚水処理方法を提供。【解決手段】バチルス属微生物及び/又はカプリアビダス属微生物を総窒素濃度及び総リン濃度がそれぞれ500mg/L以下の汚水中でインキュベートする工程を含む、汚水のCODを低減させる方法により、汚泥の発生量を抑えながら汚水のCODを環境中に放流可能なレベルにまで低減させ、さらに有用な生分解性プラスチックであるポリヒドロキシブチレートをアルキルフェノールや、ハロゲン化フェノール等から生産させる方法。【選択図】図1

Description

本発明は微生物を用いた汚水の処理方法に関し、特に汚泥を殆ど発生させず、かつ有用なバイオポリマーを同時に生産することのできる汚水の処理方法に関する。
終末処理場は、し尿、生活廃水や産業廃水といった汚水及び雨水を含む下水を浄化して、河川等の汚染を防止する重要な役割を担っている。終末処理場においては、下水を浄化する方法として、微生物群の働きを利用して、廃水中の有機物を二酸化炭素、水等の無機物へと酸化分解処理する活性汚泥法が広く採用されている。
活性汚泥法においては、汚水に含まれる有機物を分解処理する微生物が増殖する結果、汚泥が大量に発生する。汚泥の一部は活性汚泥として返送循環されるが、残りは余剰汚泥となり、処理系から取り除いて廃棄しなければならない。余剰汚泥の一部は、肥料等として再利用されるものの、大部分は複数の工程を経て産業廃棄物に変換され、埋め立て処理されている。このような余剰汚泥の処理はコストがかかり、また処分先の確保や環境汚染などの社会問題にもなる。
このような背景から、汚泥を減量化するための様々な方法が検討されており、例えば特許文献1には、汚泥を過酢酸により可溶化処理し、前記可溶化処理後の酸性の可溶化汚泥と微生物とを接触させて汚泥を生物分解する汚泥の減容化方法が記載されている。しかしながら、経済性と実用性を十分に両立させた汚泥の減量方法及び汚水の処理方法は、依然として存在しない。
特開2008−149237号公報
本発明は、汚泥発生量を低減させる新たな汚水処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の16SリボソームDNA(以下、16S rDNAと表す)を有するバチルス(Bacillus)属微生物及びカプリアビダス(Cupriavidus)属微生物が、菌体量の増加を少量に抑えつつ汚水の化学的酸素要求量(COD)を低減させ、同時に生分解性プラスチックであるポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を生産する能力を有することを見出し、下記の各発明を完成させた。
(1)配列番号1に示される塩基配列若しくはこれと90%以上の同一性を有する塩基配列を含む16S rDNA及びPHAを生産する能力を有するバチルス属微生物並びに/又は配列番号2に示される塩基配列若しくはこれと90%以上の同一性を有する塩基配列を含む16S rDNA及びPHAを生産する能力を有するカプリアビダス属微生物を、総窒素濃度及び総リン濃度がそれぞれ500mg/L以下の汚水中でインキュベートする工程を含む、汚水のCODを低減させる方法。
(2)微生物がアルキルフェノールからポリヒドロキシブチレート(PHB)を生産する能力を有する微生物である、(1)に記載の方法。
(3)微生物がさらにハロゲン化フェノール及び/又は2以上のベンゼン環が縮合してなる多環式芳香族化合物からPHBを生産する能力を有する微生物である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)微生物が、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センターに受託番号NITE P−02050として寄託されているバチルス属株及び/又は受託番号NITE P−02051として寄託されているカプリアビダス属株である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
本発明の方法によれば、汚泥の発生量を抑えながら汚水のCODを環境中に放流可能なレベルにまで低減させ、さらに有用な生分解性プラスチックを生産することが可能になる。汚水処理に要するコストや環境負荷が従来よりも削減されると同時に、汚水という低コストでの安定供給が可能な原料を用いることで経済的な生分解性プラスチック生産が実現される。
バチルス属微生物であるCY−1株及びカプリアビダス属微生物であるCYR1株の混合培養による処理を行う前(パネルA)及び後(パネルB)の、自治体Aの下水の写真である。
本発明は、配列番号1に示される塩基配列若しくはこれと90%以上の同一性を有する塩基配列を含む16S rDNA及びPHAを生産する能力を有するバチルス属微生物並びに/又は配列番号2に示される塩基配列若しくはこれと90%以上の同一性を有する塩基配列を含む16S rDNA及びPHAを生産する能力を有するカプリアビダス属微生物を、総窒素濃度及び総リン濃度がそれぞれ500mg/L以下の汚水中でインキュベートする工程を含む、汚水のCODを低減させる方法に関する。
本発明の方法において利用可能なバチルス属微生物の代表的な例は、以下の表1に示される形態的性質、培養的性質及び生理学的性質を有する微生物である。
Figure 2018012053
この微生物は、配列番号1に示される塩基配列を含む16S rDNAを有し、かつ汚水中でPHAを生産する能力を有する。さらにこの微生物は、好ましくはアルキルフェノールからPHBを生産する能力を有し、より好ましくはハロゲン化フェノール及び/又は2以上のベンゼン環が縮合してなる多環式芳香族化合物からPHBを生産する能力を加えて有する。かかる微生物の代表例は、平成27年5月18日付で独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに、微生物受託番号NITE P−02050、識別の表示CR−1で寄託されたCYR−1株である。CYR−1株は、フェノール、アルキルフェノール、ハロゲン化フェノール又は例えばアントラセンなどの2以上のベンゼン環が縮合してなる多環式芳香族化合物を含む芳香族化合物を炭素源とした合成培地上で増殖してPHBを生産することが報告されている(M.Venkateswar Reddy et al.,Bioresource Technology,192,711−717(2015))。
本発明の方法において利用可能なカプリアビダス属微生物の代表的な例は、以下の表2に示される形態的性質、培養的性質及び生理学的性質を有する微生物である。
Figure 2018012053
この微生物は、配列番号2に示される塩基配列を含む16S rDNAを有し、かつ汚水中でPHAを生産する能力を有する。さらにこの微生物は、好ましくはアルキルフェノールからPHBを生産する能力を有し、より好ましくはハロゲン化フェノール及び/又は2以上のベンゼン環が縮合してなる多環式芳香族化合物からPHBを生産する能力を加えて有する。かかる微生物の代表例は、平成27年5月18日付で独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに、微生物受託番号NITE P−02051、識別の表示CR−2で寄託されたCY−1株である。CY−1株は、フェノール、アルキルフェノール、ハロゲン化フェノール又は例えばアントラセンなどの2以上のベンゼン環が縮合してなる多環式芳香族化合物を含む芳香族化合物を炭素源とした合成培地上で増殖してPHBを生産することが報告されている(M.Venkateswar Reddy et al.,Green Chemistry,17,4560−4569(2015))。
本発明は、上記のCYR−1株及びCY−1株のみならず、これらと実質的に同種のバチルス属微生物又はカプリアビダス属微生物、例えば配列番号1又は2に示される塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列に相補的な塩基配列を有する16S rDNAを有するバチルス属微生物又はカプリアビダス属微生物、より具体的には、配列番号1又は2に示される塩基配列に対して少なくとも90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上の同一性を有する塩基配列を有する16S rDNAを有し、かつ汚水からPHAを生産する能力を有するバチルス属微生物又はカプリアビダス属微生物を利用することができる。
また、上記のバチルス属微生物又はカプリアビダス属微生物に対して突然変異処理を施すことによって誘導され得る、上記微生物の変異株も、CYR−1株又はCY−1株と同等の性質を保持する限り、本発明において利用することができる。突然変異処理としては、例えばN−エチル−N−ニトロソウレア、N−メチル−N−ニトロソウレア、メタンスルホン酸メチル、ニトロソグアニジンなどの化学変異原を用いた処理、例えば紫外線、X線、γ線などの放射線照射処理などを挙げることができる。
PHAは、ヒドロキシアルカノエートの重合体の総称である。本発明におけるPHAを構成するヒドロキシアルカノエートとしては、特に限定されないが、例えば、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシペンテノエート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナエート、3−ヒドロキシドカネート等を挙げることができる。本発明におけるPHAは、上記のヒドロキシアルカノエートのうちの1種のみからなる単独重合体であってもよく、2種以上のヒドロキシアルカノエートが共重合してなる共重合体であってもよい。
本発明の方法は、前記バチルス属微生物及び/又はカプリアビダス属微生物を総窒素濃度及び総リン濃度がそれぞれ500mg/L以下の汚水中でインキュベートする工程を含む。
本発明の方法においては、総窒素濃度及び総リン濃度がそれぞれ500mg/L以下、好ましくは50〜500mg/L、より好ましくは200mg/L以下、なおより好ましくは50〜200mg/L、さらに好ましくは100mg/L以下、さらにより好ましくは50〜100mg/Lである汚水が使用される。これらの汚水としては、例えば農林水産業からの廃水、畜産業からの廃水、工業廃水及び生活廃水並びにそれらの混合廃水を挙げることができる。また、それらと雨水とが混合したものも使用することができる。汚水中の総窒素濃度又は総リン濃度が上記範囲を超える場合、汚水を希釈する、又は汚水に総窒素濃度若しくは総リン濃度を低減させるための公知の汚水処理法を施すことにより濃度を調整することで、本発明の方法を適用することができる。
少ない汚泥発生量で汚水のCODを低下させるという本発明の目的を達成するかぎり、汚水は、必要に応じて、使用される微生物にとって好適な緩衝液又は栄養成分等を、上記の総窒素濃度及び総リン濃度の範囲から逸脱しない濃度で含んでもよい。
なお、本発明で利用可能な前記バチルス属微生物及び/又はカプリアビダス属微生物は芳香族化合物からPHBを生産する能力を有する微生物であるが、これにかかわらず、本発明の方法において用いられる汚水は、芳香族化合物を含有してもしなくてもよい。含有される場合の芳香族化合物は、産業廃水特に工業廃水に多く含まれる有毒性の芳香族化合物、特にフェノール類及び2以上のベンゼン環が縮合してなる多環式芳香族化合物である。
フェノール類としては、フェノール、例えばメチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール又はノニルフェノールなどのアルキルフェノール、モノクロロフェノール、ジクロロフェノール、トリクロロフェノール、ペンタクロロフェノール又はブロモフェノールなどのハロゲン化フェノールなどを挙げることができる。
2以上のベンゼン環が縮合してなる多環式芳香族化合物としては、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン又はそれらの誘導体を挙げることができる。
本発明における汚水中での微生物のインキュベートとは、前記微生物が汚水中の有機物を菌体内に取り込むことができる環境下に前記微生物を置くことを意味する。インキュベートは、好ましくは汚水中で前記微生物を培養することにより行われる。かかるインキュベートにより、汚水中の有機物が炭素源として前記微生物に利用されてPHAに変換されると共に、汚水のCODが低下する。
微生物は、前記バチルス属微生物及びカプリアビダス属微生物のうちのいずれか一種の微生物を単独で用いてインキュベートしてもよく、複数種類の微生物を用いてインキュベートしてもよい。複数の微生物を用いることによって、有機物の分解、有機物からPHAへの変換及びCOD低下の効率を高めることができることが期待される。
インキュベートは、微生物が生存又は増殖可能な環境条件下で行うことが好ましい。例えば温度は18℃〜42℃好ましくは25℃〜35℃の範囲、pHは4.5〜8.5好ましくは6.0〜8.0の範囲で、それぞれ適宜設定して行うことができる。
またインキュベートは、適当な担体に前記微生物を固定化した、いわゆる固定化微生物を用い、汚水中に前記固定化微生物を置くことで行なってもよい。あるいは、前記固定化微生物を充填等したカラムに汚水を流通させることで行なってもよい。かかる微生物の固定化及びその利用は、公知の方法により行うことができる。
本発明におけるインキュベートにより、PHAが菌体内に蓄積して製造される。菌体内に蓄積したPHAは、微生物を用いたPHAの製造方法において一般的に行われる抽出方法によって回収し、精製することができる。例えば、インキュベート後の汚水から菌体を遠心分離によって沈殿させ、必要に応じて乾燥させた後、アセトン及び/又はエタノールなどの適当な有機溶媒を用い洗浄する。さらに、洗浄後のペレットに加温したクロロホルムを添加し、有機溶媒抽出を行った後、クロロホルムを揮発させることでPHAを回収すればよい。
本発明の方法は、単独で用いてもよく、公知の汚水処理法、例えば活性汚泥法、標準散水ろ床法等の高度処理法と組み合わせて用いてもよい。特に、本発明の方法では浮遊物質(SS)及び無機物の分解、並びに高濃度の窒素及びリンの除去は困難であることから、これらの物質の除去が必要な汚水を処理する場合には、本発明の方法と公知の汚水処理法とを組み合わせて適用するのが好ましい。
本発明の方法によると、汚水のCODを環境中に放流可能なレベルにまで低減させることができる。さらに、本発明の方法で汚水を処理することにより発生する汚泥は少量であって、例えばCODが100mg/L前後の汚水の場合、曝気槽内の活性汚泥量の指標であるMLSS(Mixed liqour suspended solid)に相当する湿潤菌体重量は平均で1g強/Lにすぎないことが後述の実施例において確認されている。したがって、本発明の方法単独による汚水処理、又は公知の汚水処理法との組み合わせ法による汚水処理のいずれであっても、汚泥発生量を従来法よりも減量することが可能である。
特に、本発明の方法と公知の汚水処理法とを組み合わせる場合、汚水に対して公知の方法より先に本発明の方法を施すことにより、汚水のCODを大幅に低下させることができる。したがって、組み合わせ法により最終的に発生する汚泥は、公知の汚水処理法単独の場合と比べて、著しく減量されるものと期待される。
以上から、本発明は、前記バチルス属微生物並びに/又は前記カプリアビダス属微生物を、総窒素濃度及び総リン濃度がそれぞれ500mg/L以下の汚水中でインキュベートする工程を含む、汚水処理で発生する汚泥を減量する方法と表すこともできる。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
(1)下水中でのCY−1株及びCYR1株の混合培養
Cupriavidus sp. CY−1株及びBacillus sp. CYR1株の白金耳1かき分のコロニーをそれぞれ50mLのNB液体培地(ポリペプトン10g/L、酵母エキス2g/L、MgSO・7HO 1g/L、pH7.0)に植菌し、30℃のインキュベーター内で一晩振とうして前培養した。
下水は、北海道内の自治体A、B、Cの終末処理場から採取した。一例として自治体Bの下水の水質データを表3に示す。これらの下水はいずれも下水道から採取されたものであり、芳香族化合物は含まれていない。
Figure 2018012053
2L容三角フラスコに下水A、B又はCを1000mL入れ、pH7.0に調整したのち、CY−1株、CYR1株それぞれの前培養液を50mLずつ接種した(5%v/v)。三角フラスコに通気性のシリコ栓で蓋をして、30℃のインキュベータ内で振とう培養した。培養は4日間行い、分光光度計(UV−1800、Shimadzu)を用いて600nmの吸光度を測定することで、増殖曲線を作成した。
(2)培養液のCOD及び全窒素濃度の測定
培養液のCOD濃度及び全窒素濃度の測定は、培養開始時(0日目)及び培養終了時(4日目)に行った。COD濃度は、簡易式COD計(COD−60A、TOA−DKK)を使用して測定し、測定値を2.65倍して、JIS法で定められた過マンガン酸カリウムを用いた測定法相当に換算した。また、全窒素濃度は、簡易式全窒素測定セット(DRB 200、DR 900、HACH)を使用して測定した。
(3)PHAの抽出
(1)の培養4日目に培養液の一部を濾過し、乾燥させて乾燥菌体重量を測定した。残りの培養液を遠心分離(10℃、6000×g、10分)し、得られたペレットをアセトンとエタノールで洗浄した。ペレットを4%次亜塩素酸ナトリウム溶液に再懸濁し、超音波破砕機を用いて細胞を破砕した後、室温で3時間振とうした。振とう後、遠心分離(10℃、6000×g、10分)により得られたペレットをアセトンとエタノールにより洗浄した。洗浄後のペレットに加温したクロロホルムを添加し、これをろ過することで溶液から細胞片などを除去した。最後にロータリーエバポレータ(Eyela N−1000)を用いてクロロホルムを揮発させ、PHAを得た。得られたPHAの重量を測定し、乾燥菌体重量あたりの重さ(重量%)で表した。
(4)結果
結果を表4に示す。
Figure 2018012053
自治体A〜Cいずれの下水についても100%に近いCOD除去率が達成された。自治体Aの下水について、混合培養による処理前後の写真を図1に示す。
従来の活性汚泥法による下水処理では、MLSSを3000〜6000mg/Lに維持することで、適切なプロセス管理がなされる。これに対し、上記実施例1において、MLSSに相当する湿潤菌体重量は0.97〜1.30g/Lであった。この結果は、CY−1株及びCYR1株の混合培養において発生する余剰汚泥の量は、従来の活性汚泥処理で発生する量と比べて大幅に少ないことを示唆する。
さらにCY−1株及びCYR1株の混合培養においては、乾燥菌体の18〜32重量%というレベルでのPHA生産が認められ、実際の下水からの直接的なPHA生産が可能であることが示された。
<実施例2>
(1)チーズホエー中でのCY−1株及びCYR1株の混合培養
チーズ製造時の廃水であるチーズホエーは、北海道内の乳製品加工工場から採取した。チーズホエーを脱イオン水で20倍希釈し、希釈液100mLを500mL容坂口フラスコに入れ、pH7.0に調整したのち、実施例1と同様の方法で調製したCY−1株、CYR1株それぞれの前培養液を5mLずつ接種した(5%v/v)。坂口フラスコに通気性のシリコ栓で蓋をして、30℃のインキュベータ内で4日間、振とう培養した。培養液の吸光度、COD及び全窒素濃度の測定、PHAの抽出は、いずれも実施例1と同様の方法で行った。
(2)結果
結果を表5に示す。
Figure 2018012053
チーズホエー希釈液のCODは約1500mg/Lという高値であったが、CY−1株及びCYR1株の混合培養により87%に近いCOD除去率が達成された。さらに、培養終了時の乾燥菌体重量は実施例1よりも少なく、CODを大きく低下させたにもかかわらず菌体重量は増加しないことが明らかになった。このことは、CY−1株及びCYR1株の混合培養において発生する余剰汚泥の量は、チーズホエーのようなCODが高濃度である汚水を用いた場合でも、従来の活性汚泥処理で発生する量と比べて大幅に少ないことを示唆する。
さらに混合培養において乾燥菌体の50重量%というレベルでのPHA生産が認められ、高濃度COD汚水からも直接的なPHA生産が可能であることが示された。

Claims (4)

  1. 配列番号1に示される塩基配列若しくはこれと90%以上の同一性を有する塩基配列を含む16S rDNA及びPHAを生産する能力を有するバチルス属微生物並びに/又は配列番号2に示される塩基配列若しくはこれと90%以上の同一性を有する塩基配列を含む16S rDNA及びPHAを生産する能力を有するカプリアビダス属微生物を、総窒素濃度及び総リン濃度がそれぞれ500mg/L以下の汚水中でインキュベートする工程を含む、汚水のCODを低減させる方法。
  2. 微生物がアルキルフェノールからポリヒドロキシブチレートを生産する能力を有する微生物である、請求項1に記載の方法。
  3. 微生物がさらにハロゲン化フェノール及び/又は2以上のベンゼン環が縮合してなる多環式芳香族化合物からPHBを生産する能力を有する微生物である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 微生物が、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センターに受託番号NITE P−02050として寄託されているバチルス属株及び/又は受託番号NITE P−02051として寄託されているカプリアビダス属株である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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