以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、夫々、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。
図1〜図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には、上皿5が設けられている。上皿5の上面左側には、下方に凹状に窪んで形成された球受け部5A(図3参照)が設けられている。球受け部5Aは、遊技球発射装置37(図6参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ払い出された賞球を受ける。上皿5の上面中央部には、遊技者によって操作される操作ボタンユニット9が設けられている。操作ボタンユニット9は、上下方向に延びる短軸状の本体部91を備え、その本体部91の上面にはボタン92が設けられている。本体部91の前面部には、左右方向に並ぶ一対の小ボタン93,94が右斜め前方と左斜め前方に夫々突出して設けられている。本体部91において、小ボタン93,94を出退させる略円形状の開口端の縁部には、リング部93A,94Aが設けられている。本実施形態において、これらリング部93A,94Aの色は、前面枠10と同一色でデザインされている。
また、図3に示すように、上皿5において、球受け部5Aを取り囲む内壁面のうち前側に位置する部分で、且つ操作ボタンユニット9の左側に隣接する位置には、前方に向けて平面視略矩形状に窪んだ凹部81が設けられている。その凹部81のうち左右方向に向かい合う二つの内面の一方である左側の内面には、色識別センサ85が設けられている。色識別センサ85は、例えば、非接触型の光学センサであって、凹部81のうち対向する右側の内面の色を、後述するRGB値で検出する。
図1に示すように、上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。本実施形態では、発射ハンドル7の色も、前面枠10と同一色でデザインされている。例えば、前面枠10が赤色を基調とするデザインであれば、操作ボタンユニット9のリング92A,92B、及び発射ハンドル7も赤色にデザインされ、パチンコ機1全体が赤を基調とするデザインで統一される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ48が夫々設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り8の右側を流下する。以下の説明では、遊技球がセンター飾り8の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り8の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
センター飾り8は、表示画面28、可動体31等を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成されており、様々な画像を表示可能である。可動体31は、表示画面28の上方に設けられている。可動体31は、可動部を動作させることで各種演出を行う。
ここで、表示画面28には、遊技状態に応じて、例えば、演出図柄、ボタン押下指示画像101(図4参照)、右打ち指示画像201(図5参照)等が表示される。演出図柄は、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である。パチンコ機1は、例えば、複数の演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
図4に示すボタン押下指示画像101は、操作ボタンユニット9を使用して大当たりの予告演出を行う為に、表示画面28に表示される。ボタン押下指示画像101は、遊技者に操作ボタンユニット9のボタン92の押下を指示する画像であり、例えば、操作ボタンユニット9がアップになり、「ボタンを押せ!」等のメッセージが表示される。本実施形態では、ボタン押下指示画像101のうち部分A1,A2が、前面枠10と同一色になるように表示される。部分A1,A2は、操作ボタンユニット9のリング部93A,94Aに相当する。ボタン押下指示画像101の表示制御については後述する。
図5に示す右打ち指示画像201は、演出図柄を変動させる図柄変動終了後、大当たり遊技開始前に、遊技者に右打ちを指示する為に、表示画面28に表示される。右打ち指示画像201は、遊技者に右打ちを指示する画像であり、例えば、発射ハンドル7がアップになり、右回転を表す矢印と「ハンドルを右に回せ!」等のメッセージが表示される。本実施形態では、右打ち指示画像201のうち部分B1が、前面枠10と同一色になるように表示される。部分B1は発射ハンドル7に相当する。右打ち指示画像201の表示制御についても後述する。
図1,図2に示すように、センター飾り8の略中央下方には、第一始動口14が設けられている。第一始動口14の下方には、第二大入賞口17が設けられている。センター飾り8の右斜め下方には、普通図柄作動ゲート12が設けられている。普通図柄作動ゲート12の下方には、第二始動口15が設けられている。第二始動口15の左斜め下方には、第一大入賞口16が設けられている。第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17は、夫々開閉部材を備える。遊技球は、開閉部材が開放された場合にのみ、第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17の夫々に入賞することができる。第二大入賞口17の内部には、特定領域17A、非特定領域(図示略)及び可動片(図示略)が設けられている。特定領域17A及び非特定領域は、第二大入賞口17に入賞した遊技球のみが通過できる領域である。可動片は、第二大入賞口17の内部において、ソレノイド(図示略)によって電気的に動作する部材である。第二大入賞口17に入賞した遊技球は、可動片の動作に応じて特定領域17A及び非特定領域の何れかを通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
遊技領域4には、上記以外に、アウト口19、各種の電飾部材、入賞口、風車及び遊技くぎ等が設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口14、第二始動口15、第一大入賞口16、第二大入賞口17及びその他の入賞口の何れにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、遊技盤2の下部に設けられたアウト口19を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部及び第二特別図柄表示部は、夫々1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄及び第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定及び第二大当たり判定を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、大当たり判定ともいう。普通図柄表示部は、LEDの点灯及び消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LED及び第二特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である特別図柄保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である普通図柄保留球数を表示する。
パチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技及び普通当たり遊技が設けられている。本実施形態では、第一始動口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第一特別図柄が図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される。第一大当たり判定では、大当たり及びはずれの何れであるかが、大当たり乱数に基づいて判定される。第一大当たり判定において大当たりであると判定されると、第一大入賞口16の開閉部材及び第二大入賞口17の開閉部材が所定の順で所定時間開放状態にされる大当たり遊技が実行される。1回の大当たり遊技中に第一大入賞口16の開閉部材及び第二大入賞口17の開閉部材が開放状態にされる回数の合計を、以下、「ラウンド数」という。
パチンコ機1は、非確率変動状態及び確率変動状態の何れかを生起させる。確率変動状態とは、大当たり判定において大当たりと判定される確率が通常よりも高くなる遊技状態である。例えば、非確率変動状態では大当たり判定において大当たりと判定される大当たり確率は約1/300であるが、確率変動状態では大当たり判定において大当たりと判定される大当たり確率は約1/60である。本実施形態のパチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口17内の特定領域17Aを通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。生起された確率変動状態は、大当たり遊技の終了後に行われた大当たり判定の回数(以下、「判定回数」という。)が所定の回数(本実施形態では、100回)に達することで、いわゆる回数切り確変機能の作動によって終了する。
なお、確率変動状態の終了の条件は、上記の例に限られない。パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に確率変動状態を生起し、確率変動状態において、転落抽せんに当せんすることで確率変動状態を終了してもよい。転落抽せんとは、確率変動状態において、大当たり判定毎に、大当たり判定に先だって確率変動状態から非確率変動状態へ転落するか否かを決定するための抽せんである。また、パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に確率変動状態を生起し、次に大当たりと判定された場合に確率変動状態を終了させる、所謂ループタイプの遊技機であってもよい。
普通図柄作動ゲート12を遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われ、判定の結果を示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に表示される。普通当たり判定において当たりであると判定されると、第二始動口15の開閉部材が所定時間開放状態にされる普通当たり遊技が実行される。第二始動口15へ遊技球が入賞すると、第二大当り判定が行われ、判定の結果を示す第二特別図柄が図柄表示部24の第二特別図柄表示部に表示される。第二大当たり判定において大当たりであると判定されると、上記と同様の大当たり遊技が実行される。なお、本実施形態では、第一大入賞口16がセンター飾り8の右下方に設けられている(図2参照)。また、閉鎖された第一大入賞口16の上を流下する遊技球が、第二大入賞口17に向けて流下しやすくなるように、第一大入賞口16及び第二大入賞口17が配置されている。よって、大当たり遊技中は、右打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。
パチンコ機1は、第二始動口15の開閉部材が開放状態にされる割合が通常の割合である遊技状態である非時短状態と、非時短状態よりも開閉部材が開放状態にされる割合が高くなる遊技状態である時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。具体的には、時短状態において普通当たりと判定される確率(本実施形態では99/100)は、非時短状態において普通当たりと判定される確率(本実施形態では4/100)よりも高い。また、普通当たり遊技中の第二始動口15の開閉部材の最大開放時間は、非時短状態(0.2秒)よりも時短状態(4.2秒)の方が長い。更に、普通図柄の変動時間は、非時短状態における変動時間(本実施形態では10秒)よりも時短状態における変動時間(本実施形態では2秒)の方が短い。当たりを示す普通図柄が確定表示されると、第二始動口15の開閉部材が開放状態になる。この結果、時短状態には、第一始動口14よりも第二始動口15に容易に遊技球を入賞させることができる。よって、時短状態中は、右打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。一方、非時短状態においては、第二始動口15の開閉部材が開放状態にされる割合が時短状態よりも低くなるので、遊技者は、第二始動口15よりも第一始動口14に容易に遊技球を入賞させることができる。よって、非時短状態中は、左打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。
パチンコ機1は、これら確率変動状態、非確率変動状態、時短状態及び非時短状態の複数の遊技状態を組み合わせて、複数種類の遊技状態を生起できる。本実施形態の例では、大当たり遊技の終了後に必ず時短状態が生起される。また、大当たり遊技の終了後に、確率変動状態が生起される場合と生起されない場合とがある。従って、大当たり遊技の終了後に、確率変動状態と時短状態との組合せによる「確率変動時短状態」、及び非確率変動状態と時短状態との組合せによる「非確率変動時短状態」の何れかが生起される。また、パチンコ機1は、確率変動状態及び時短状態の何れも生起されていない遊技状態である「通常状態」も備える。なお、パチンコ機1は、遊技状態によらず、左打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利である遊技機であってもよい。
図6を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47及び電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ73及び第二始動口スイッチ74に接続している。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ73は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ74は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタンユニット9、スピーカ48、及び色識別センサ85に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、可動体31及び電飾基板34に接続している。電飾基板34は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、可動体31による各種演出動作及び電飾基板34の発光動作等を制御する。
演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って画像表示装置27を制御する。画像表示装置27は、その前面側に表示画面28(図1、図2参照)を備える。CGROM432は、表示画面28における画像表示に必要な画像データ等を記憶する。CGROM432には、図柄画像記憶エリア(図示略)、ボタン押下指示画像記憶エリア(図10参照)、右打ち指示画像記憶エリア(図11参照)等が設けられている。図柄画像記憶エリアは、図柄画像(図示略)を表示する為の画像データを記憶する。なお、ボタン押下指示画像記憶エリア及び右打ち指示画像記憶エリアについては後述する。
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド69、第一大入賞口ソレノイド70、第二大入賞口ソレノイド71、可動片ソレノイド72、普通図柄作動スイッチ75、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77、特定領域スイッチ78、非特定領域スイッチ79及び図柄表示部24に接続している。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材を開閉する。第一大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に第一大入賞口16の開閉部材を開閉する。第二大入賞口ソレノイド71は、大当たり遊技中に第二大入賞口17の開閉部材を開閉する。可動片ソレノイド72は、大当たり遊技の特定のラウンドにおいて第二大入賞口17内の可動片(図示略)を動作する。普通図柄作動スイッチ75は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。第一大入賞口スイッチ76は、第一大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。第二大入賞口スイッチ77は、第二大入賞口17に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ78は、特定領域17Aを通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ79は、非特定領域を通過した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図7を参照して、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第二大当たり関係情報記憶エリアの構成は、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。第一大当たり関係情報記憶エリア及び第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図8〜図10参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第一始動口14への入賞による第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。第一保留球数とは、第一始動口14へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、大当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。本実施形態において、最大第一保留球数は「4」である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理が終了すると、次に番号の小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理とは、例えば、大当たり判定結果を報知する報知演出、及び判定結果に応じて実行される大当たり遊技に関する処理である。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、及び第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞すると、その時点で計数されている夫々の乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。
パチンコ機1において、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動時間は、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。また、主基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄及び第二特別図柄の何れかの変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、変動を開始した第一特別図柄及び第二特別図柄の何れかの変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄又は第二特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄停止表示時間に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄による他、表示画面28、可動体31、電飾部材、スピーカ48等によっても、変動パターンと同期した報知演出を実行する。
第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図8〜図10参照)において使用される。第二大当たり関係情報記憶エリアには、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に、複数の記憶エリアが設けられている。第二始動口15に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第二始動口15への入賞による第二保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。第二保留球数とは、第二始動口15へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、大当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。本実施形態において、最大第二保留球数は「4」である。
以下の説明では、第一大当たり乱数及び第二大当たり乱数を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、大当たり乱数ともいう。また、第一変動パターン決定乱数及び第二変動パターン決定乱数を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、変動パターン決定乱数ともいう。また、第一特別図柄決定乱数数及び第二特別図柄決定乱数を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、特別図柄決定乱数ともいう。
図8を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第一特別図柄と、第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄及び第二特別図柄は、夫々複数の大当たり種別の何れかに分類される。特別図柄決定テーブルには、複数の大当たり種別には、特別図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。
第一特別図柄の大当たり種別は、「16R長開放」、「8R長開放A」、「8R長開放B」、「16R短開放」、「8R短開放」の5種類である。第二特別図柄の大当たり種別は、「16R長開放」の1種類である。「16R」及び「8R」は、夫々の大当たり種別に対応付けられたラウンド数を示す。ラウンド数とは、大当たりラウンドの合計数である。大当たりラウンドとは、大当たり遊技を構成する一単位であり、1回の大当たりラウンド毎に、第一大入賞口16又は第二大入賞口17が所定時間で1回又は複数回開放する。以下では、ラウンド数を「R」と示すことがある。
本実施形態では、何れの大当たり種別においても、1Rから7Rでは、第一大入賞口16が最大29秒の開放を1回行う。8Rでは、第二大入賞口17が最大13秒又は最大0.3秒の開放を1回行う。8Rにおける第二大入賞口17の最大開放時間が29秒である大当たり種別は、「長開放」と分類される。8Rにおける第二大入賞口17の最大開放時間が0.3秒である大当たり種別は、「短開放」と分類される。本実施形態における大当たり種別は、大当たり遊技のラウンド数と、8Rにおける第二大入賞口17の最大開放時間に応じて分類される。ラウンド数が16Rである大当たり種別では、9Rから16Rでは、第一大入賞口16が最大29秒の開放を1回行う。
以下では、第一大入賞口16が最大29秒開放する大当たりラウンドを「通常ラウンド」、第二大入賞口17が最大13秒又は最大0.3秒開放する大当たりラウンドを「特別ラウンド」ともいう。前述のように、特定領域17Aは、第二大入賞口17に入賞した遊技球のみが通過できる領域である。このため、通常ラウンドは、特定領域17Aを遊技球が通過不能な大当たりラウンドである。また、特別ラウンドは、特定領域17Aを遊技球が通過する可能性のある大当たりラウンドである。本実施形態では、何れの大当たり種別でも、通常ラウンドが7回連続して実行された後、特別ラウンドが1回行われる。大当たり種別が「8R」の場合、その後大当たり遊技が終了する。すなわち、大当たり種別が「8R」の場合、最終ラウンドが特別ラウンドである。大当たり種別が「16R」の場合、8R目に特別ラウンドが実行された後に、更に通常ラウンドが8回連続して実行される。
なお、「8R長開放A」及び「8R長開放B」は、「8R長開放B」は、ラウンド数が8Rであって「長開放」に分類される大当たり種別のうち、後述する復活演出が実行されない大当たり種別である。「8R長開放B」は、ラウンド数が8Rであって「長開放」に分類される大当たり種別のうち、復活演出が実行される大当たり種別である。
大当たり種別が「短開放」の場合、大当たり種別が「長開放」の場合に比べて、8Rにおいて第二大入賞口17に遊技球が入賞し難くなる。本実施形態では、第二大入賞口17に入賞した遊技球が特定領域17Aを通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。大当たり種別が「長開放」の場合には、「短開放」の場合よりも第二大入賞口17に多くの遊技球が入賞しやすいので、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起されやすくなる。なお、本実施形態では、大当たり種別が「短開放」の場合には、第二大入賞口17に遊技球がほとんど入賞できない。本実施形態では、大当たり種別が「長開放」の場合、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される割合がほぼ100%であるのに対し、大当たり種別が「短開放」の場合、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される割合がほぼ0%である。
第一特別図柄の大当たり種別の割合は、「16R長開放」が35%、「8R長開放A」が30%、「8R長開放B」が5%、「16R短開放」が15%、「8R短開放」が15%である。すなわち、第一特別図柄の大当たり種別の割合は、「長開放」が70%、「短開放」が30%とされている。このため、第一大当たり判定が実行されて大当たりの判定結果が得られた場合、約70%の確率で、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される。一方、第二特別図柄の大当たり種別の割合は、「16R長開放」が100%であるので、第二大当たり判定が実行されて大当たりの判定結果が得られた場合、約100%の確率で、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される。
図9を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターン決定テーブルは、大当たり判定が第一大当たり判定及び第二大当り判定の何れであるか、大当たり判定時の遊技状態(本実施形態では時短状態又は非時短状態)及び大当たり判定の結果(大当たり又ははずれ)に応じて、複数のテーブルを設けている。夫々のテーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。第一大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、大当たり乱数と共に取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
非確率変動状態における第一大当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。ここで、「リーチ演出」とは、例えば3つの演出図柄のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。従って、第一大当たり判定の結果が大当たりとなる期待値は、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に高くなる。なお、本実施形態において、「非リーチ」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく演出が終了する報知演出であり、本実施形態では、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。
なお、詳細は省略するが、変動パターン決定テーブルにおいて、第二大当り判定についても、遊技状態に応じて複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値とが対応付けられている。主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄又は第二特別図柄を変動させる。また、主基板41は、変動パターン決定テーブルが参照されて決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28及びスピーカ48等を制御する。
図10を参照して、CGROM432のボタン押下指示画像記憶エリアについて説明する。ボタン押下指示画像記憶エリアは、例えば、操作ボタンユニット9のリング部93A,94Aに相当する部分A1,A2の色が異なる4種類のボタン押下指示画像に夫々対応する4つの画像データ101A〜101Dを記憶する。画像データ101Aは、部分A1,A2が赤色であるボタン押下指示画像の画像データである。画像データ101Bは、部分A1,A2が黄色であるボタン押下指示画像の画像データである。画像データ101Cは、部分A1,A2が緑色であるボタン押下指示画像の画像データである。画像データ101Dは、部分A1,A2が青色であるボタン押下指示画像の画像データである。なお、図10では、部分A1,A2の色を、種類の異なるハッチングで夫々示している。また、ボタン押下指示画像記憶エリアに記憶する画像データの数、部分A1,A2の色等については、自由に変更可能である。
図11を参照して、CGROM432の右打ち指示画像記憶エリアについて説明する。右打ち指示画像記憶エリアは、例えば、発射ハンドル7に相当する部分B1の色が異なる4種類の右打ち指示画像に夫々対応する4つの画像データ201A〜201Dを記憶する。画像データ201Aは、部分B1が赤色である右打ち指示画像の画像データである。画像データ201Bは、部分B1が黄色である右打ち指示画像の画像データである。画像データ201Cは、部分B1が緑色である右打ち指示画像の画像データである。画像データ201Dは、部分B1が青色である右打ち指示画像の画像データである。なお、図11では、部分B1の色を、種類の異なるハッチングで夫々示している。また、右打ち指示画像記憶エリアに記憶する画像データの数、部分B1の色等については、自由に変更可能である。
図12〜図16を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図7参照)は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図12に示すように、メイン処理が開始されると、先ず、コマンド出力処理が行われる(S21)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、メイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S22)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート12、第一始動口14、第二始動口15、第一大入賞口16、第二大入賞口17、特定領域17A、非特定領域、その他入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S23)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S24)特別電動役物処理では、特別図柄決定テーブル(図5参照)に基づいて決定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技の動作(主に第一大入賞口16及び第二大入賞口17の各開閉部材の開閉動作)を制御するための処理が行われる。また、特別電動役物処理では、大当たり遊技中に遊技球が特定領域17Aを通過したか否かに基づいて、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理が行われる。
次いで、特別図柄処理が行われる(S25)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定及び遊技状態の移行処理等が行われる(図13〜図16参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S26)。普通電動役物処理では、普通当たり遊技の動作(主に第二始動口15の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態中に普通当たりと判定された場合、開閉部材を、非時短状態中よりも長く開放させる。なお、CPU51は、時短フラグが「ON」とされていれば、時短状態中であると判断する。
次いで、普通図柄処理が行われる(S27)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ75が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。前述したように、普通当たり判定は、時短状態が生起されているか否かに応じて、夫々の確率で判定される。
次いで、払出処理(S28)、エラーチェック(S29)及び情報出力処理(S30)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
図13〜図15を参照して、特別図柄処理の詳細について説明する。先ず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確率変動フラグ、時短フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技状態中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技状態中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。
特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄及び第二特別図柄の何れか一方が変動している場合(変動中)に「1」、何れか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、何れも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確率変動フラグは、確率変動状態中であるか否かを示すフラグであり、確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。時短フラグは、時短状態中であるか否かを示すフラグであり、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。
図13に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口14に遊技球が入賞しているかが判断される(S41)。第一始動口14に設けられた第一始動口スイッチ73が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S22、図12参照)において、第一始動口スイッチ73に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S41:NO)、処理はS51の判断へ移行する。第一始動口14に遊技球が入賞していれば(S41:YES)、第一保留球数が「4」であるかが判断される(S42)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「4」であれば(S42:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS51の判断へ移行する。
第一保留球数が「4」でない場合(S42:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S43)。次いで、各種乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図7参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S45)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、夫々RAM52に記憶される。その後、処理はS51の判断へ移行する。
次いで、第二始動口15に遊技球が入賞しているかが判断される(S51)。第二始動口15に設けられた第二始動口スイッチ74が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S22、図12参照)において、第二始動口スイッチ74に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S51:NO)、処理はS61(図14参照)の判断へ移行する。第二始動口15に遊技球が入賞していれば(S51:YES)、第二保留球数が「4」であるかが判断される(S52)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「4」であれば(S52:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS61の判断へ移行する。
第二保留球数が「4」でない場合(S52:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S53)。次いで、各種乱数が取得され、第二大当たり関係情報記憶エリア(図示略)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S55)。具体的には、第二大当たり乱数欄には第二大当たり判定カウンタの値(第二大当たり乱数)、第二特別図柄決定カウンタの値(第二特別図柄決定乱数)、第二変動パターン決定カウンタの値(第二変動パターン決定乱数)が夫々記憶される。
次いで、図14に示すように、大当たり遊技状態であるかが判断される(S61)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、大当たり遊技状態中であると判断されて(S61:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて(S61:NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄の何れかが変動中であるかが判断される(S62)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合には、何れも変動中でないと判断されて(S62:NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄の何れかが停止状態中であるかが判断される(S63)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、何れも停止表示中でないと判断されて(S63:NO)、処理はS71(図15参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
本実施形態では、大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図15に示すように、先ず、第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S71)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上である場合には(S71:YES)、第二大当り判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留球数が「0」である場合には(S71:NO)、第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S72)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「0」であれば(S72:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一保留球数が「1」以上である場合には(S72:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S73)。次いで、第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S75)。
次いで、確率変動状態であるか否かに応じた第一大当たり判定が行われる(S76)。S76では、確率変動フラグの状態を参照して、現時点において確率変動状態が生起されているか否かが特定される。確率変動状態が生起されているか否かが特定された結果に対応して、前述の低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルが参照されて、S75でシフトされた判定エリアに記憶されている第一大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」の何れに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、第一大当たり判定の結果が大当たりであるかが判断される(S81)。第一大当たり判定の結果がはずれの場合(S81:NO)、はずれであることを示す所定の第一特別図柄が決定されて(S83)、処理はS111へ移行する。第一大当たり判定の結果が大当たりの場合(S81:YES)、大当たりであることを示す第一特別図柄が決定される(S82)。S82の処理では、特別図柄決定テーブル(図8参照)が参照されて、S75でシフトされた判定エリアに記憶されている大当たり乱数と同時に取得された第一特別図柄決定乱数の値に対応する第一特別図柄が決定される。処理はS111へ移行する。
また、第二大当り判定では、先ず、第二保留球数が「1」減算される(S91)。次いで、第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S92)。次いで、確率変動状態であるか否かに応じた第二大当たり判定が行われる(S93)。S93では、確率変動フラグの状態を参照して、現時点において確率変動状態が生起されているか否かが特定される。確率変動状態が生起されているか否かが特定された結果に対応して、前述の低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルが参照されて、S92でシフトされた判定エリアに記憶されている第二大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」の何れに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、第二大当たり判定の結果が大当たりであるかが判断される(S95)。第二大当たり判定の結果がはずれの場合(S95:NO)、はずれであることを示す所定の第二特別図柄が決定されて(S98)、処理はS111へ移行する。一方、第二大当たり判定の結果が大当たりの場合(S95:YES)、大当たりであることを示す第二特別図柄が決定される(S96)。S96の処理では、特別図柄決定テーブル(図8参照)が参照されて、S92でシフトされた判定エリアに記憶されている大当たり乱数と同時に取得された第二特別図柄決定乱数の値に対応する第二特別図柄が決定される。処理はS111へ移行する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる(S111)。変動パターン決定処理は、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動パターンを決定する処理である。変動パターン決定処理では、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブル(図9参照)のうち、大当たり判定が第一大当たり判定及び第二大当たり判定の何れであるか、大当たり判定時の遊技状態(時短状態又は非時短状態)及び大当たり判定の結果(大当たり又ははずれ)に応じたテーブルが参照されて、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動パターンが決定される。
変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S112)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S21、図12参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて定められている第一特別図柄又は第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S113)。第一特別図柄及び第二特別図柄の何れかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S114)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図14に示すS62の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第一特別図柄及び第二特別図柄の何れかが変動中であると判断され(S62:YES)、変動時間が経過したかが判断される(S121)。S113(図15参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S121:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S122)。このコマンドは、コマンド出力処理(S21、図12参照)によって中継基板47及びサブ制御基板58に送信され、第一特別図柄又は第二特別図柄、及び表示画面28の演出図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S123)。第一特別図柄及び第二特別図柄の何れかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S124)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S121の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S121:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S63の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S63:YES)、S123においてセットされた特別図柄停止時間カウンタの値によって、特別図柄停止表示時間が経過したかが判断される(S126)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、特別図柄停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S126:NO)、処理はメイン処理へ戻る。特別図柄停止表示時間が経過した場合には(S126:YES)、第一特別図柄及び第二特別図柄の何れもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S127)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S128)、処理はメイン処理へ戻る。
図16に示すように、遊技状態移行処理が開始されると、先ず、大当たり判定の判定結果が大当たりであるかが判断される(S131)。大当たりの場合(S131:YES)、Rカウンタに大当たり種別に対応付けられたラウンド数がセットされる(S132)。Rカウンタは、大当たり遊技において実行するラウンド数を計数するカウンタであり、RAM52に記憶される。具体的には、大当たり種別が「16R長開放」及び「16R短開放」の何れかの場合には、Rカウンタに「16」が記憶される。大当たり種別が「8R長開放A」、「8R長開放B」及び「8R短開放」の何れかの場合には、Rカウンタに「8」が記憶される。
次いで、判定回数計数カウンタの値が「0」にクリアされる(S133)。大当たり判定回数計数カウンタは、判定回数計数カウンタは、前回の大当たり遊技の終了後から実行された判定回数を計数するカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、「ON」となっている時短フラグ及び確率変動フラグがあれば、ともに「OFF」となる(S134)。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が、確率変動状態及び時短状態から、通常状態へと移行する。
次いで、大当たり遊技が開始することを示す大当たり遊技開始コマンドが、RAM52に記憶される(S135)。大当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S21、図12参照)において、サブ制御基板58に送信される。また、大当たり遊技状態フラグが「ON」となる(S136)。処理は特別図柄処理(図13参照)へ戻る。
一方、大当たり判定の判定結果がはずれの場合(S131:NO)、判定回数計数カウンタに「1」が加算される(S141)。次いで、判定回数計数カウンタの値が「100」であるかが判断される(S142)。判定回数計数カウンタの値が「100」でない場合(S142:NO)、処理は特別図柄処理(図13参照)へ戻る。
判定回数計数カウンタの値が「100」の場合(S142:YES)、確率変動状態中であるかが判断される(S143)。この判断は、確率変動フラグの状態によって行われる。確率変動フラグが「OFF」の場合(S143:NO)、処理はS145へ移行する。確率変動フラグが「ON」の場合(S143:YES)、確率変動フラグが「OFF」になる(S144)。次いで、時短フラグが「OFF」になり(S145)、処理は特別図柄処理(図13参照)へ戻る。
図17〜図20を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では主に、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、大当たり判定の結果を報知するための報知演出が制御される。サブ制御基板処理は、パチンコ機1の電源がオンされ、サブ制御基板58の電源がオンされると、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581において実行される。
先ず、色判定処理が実行される(S200)。色判定処理では、上皿5に設けられた色識別センサ85から出力されるセンサ値に基づき、前面枠10の色を判定し、判定された色を「本機使用色」に決定して記憶する処理が行われる。
図18に示すように、色判定処理が開始されると、10ms待機され(S1)、色識別センサ85から出力されるセンサ値が取得される(S2)。センサ値とは、例えばRGBの値であって、16bit(0〜65535)で示される。例えばピンクに近い紫色のRGB値は、(65535,0,65535)である。取得されたセンサ値は、RAM582に記憶される。次いで、センサ値が10回分取得されたか判断される(S3)。10回分に満たない場合(S3:NO)、S1に戻り、センサ値が10回分取得されるまで、色識別センサ85からセンサ値が繰り返し取得される(S2)。センサ値が10回分取得された場合(S3:YES)、RAM582に記憶された10回分のセンサ値の平均値が算出され、その算出された平均値に基づき、今回取得された色(以下、今回取得色と呼ぶ)が判定される(S4)。
色の判定方法の一例を説明する。先ず、センサ値であるRGBのうち、最も大きい値をMAX、最も小さい値をMINとし、以下の方法で色相Hを算出する。色相とは、赤、青、緑と言った色みの違いを表すものであり、例えば、純粋な赤を起点とした角度(0〜360度)で特定されるものである。
・Rが最大値の場合:色相H=60°×((G−B)÷(MAX−MIN))
・Gが最大値の場合:色相H=60°×((B−R)÷(MAX−MIN))+120°
・Bが最大値の場合:色相H=60°×((R−G)÷(MAX−MIN))+240°
なお、RGBが3つとも同じ値の場合、後述するように、黒又は白と判定する。また、MIN〜MAXの差が65536の10%以内であれば、同じとみなしてもよい。
算出した色相Hについて、例えば、0≦H<30であれば赤色、30≦H<90であれば黄色、90≦H<150であれば緑色、150≦H<210であれば水色、210≦H<270であれば青色、270≦H<330であれば紫色、330≦H<360であれば赤色と判定される。例えば、上記のピンクに近い紫色の場合、RとBが同じ値であるので、Rの計算式及びBの計算式の何れを用いてもよい。Rの計算式を用いた場合は、以下の通りとなる。
・H=60°×((0−65535)÷(65535−0))
=60°×−1=−60°
ここで、−60°とは、360°から60°を差し引いた値であるので、H=300°となる。上記範囲に照らし合わせると、H=300°は紫の範囲であるので、紫と判定される。なお、色相の判断において、RGBが3つとも同じ値と判定された場合、MAXが65536の25%(約16000)より小さければ黒色と判定し、MAXが65536の75%(約49000)より大きければ白色と判定してもよい。なお、MAXではなく平均値で算出してもよい。また、RGBが3つとも同じ値でMAXが16000以上49000以下の場合、又はその他判定できないような場合、強制的に前面枠10のデフォルト色である黄色と判定してもよい。なお、デフォルト色は黄色以外でもよい。
今回取得色が上記方法で判定されると(S4)、RAM582に記憶された10回分のセンサ値がリセットされる(S5)。今回取得色の情報は、RAM582に記憶される。次いで、前回取得色の情報がRAM582に記憶されているか否か判断される(S6)。前回取得色とは、今回取得色の前に取得して判定された色を意味する。前回取得色がRAM582に記憶されていない場合(S6:NO)、今回取得色が前回取得色としてRAM582に記憶され(S12)、S1に戻り、上記と同様に、色識別センサ85からセンサ値が10回分再度取得される(S2,S3)。そして、それらの平均値に基づき、今回取得色が判定され(S4)、RAM582に記憶された10回分のセンサ値がリセットされる(S5)。
RAM582には前回取得色が記憶されているので(S6:YES)、前回取得色と今回取得色は同じか否か判断される(S7)。前回取得色と今回取得色が同じである場合(S7:YES)、今回取得色が本機使用色に決定される(S8)。決定した本機使用色の情報は、RAM582に記憶される(S11)。それ故、本機使用色の情報は、電源がオフされるまでRAM582に記憶される。処理は図17のS201の判断へ移行する。
これとは逆に、前回取得色と今回取得色が異なる場合(S7:NO)、色の判定エラーの可能性があるので、本処理が開始してから1秒以上経過したか否か判断される(S9)。本処理が開始してから1秒以上経過していない場合(S9:NO)、今回取得色が前回取得色としてRAM582に記憶され(S12)、S1に戻り、上記と同様に、色識別センサ85からセンサ値が10回分取得される(S2,S3)。そして、それらの平均値に基づき、今回取得色が再度判定される(S4)。前回取得色と今回取得色が同じになるまで(S7:NO)、処理が繰り返される(S9、S12、S1〜S7)。前回取得色と今回取得色が同じになった場合(S7:YES)、今回取得色が本機使用色に決定される(S8)。このように、本実施形態では、前回取得色と今回取得色の2回分の判定色が同じになるまで、センサ値の取得を繰り返すので、本機使用色の誤判定を防止できる。決定した本機使用色の情報は、RAM582に記憶され(S11)、処理は図17のS201の判断へ移行する。
なお、前回取得色と今回取得色が異なり(S7:NO)、本処理が開始してから1秒以上経過している場合(S9:YES)、判定エラーとして、前面枠10のデフォルト色(例えば黄色)が本機使用色に決定される(S10)。決定された本機使用色の情報は、RAM582に記憶され(S11)、処理は図17のS201の判断へ移行する。
図17に示すように、色判定処理(S200)が終了すると、続いて、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したかが判断される(S201)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S201:NO)、処理はS204の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S201:YES)、主基板41から受信した変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンがRAM582に記憶され(S202)、その変動パターンに応じて報知演出を制御する報知演出制御処理が実行される(S203)。
図19を参照して、報知演出制御処理を説明する。先ず、指定された変動パターンに応じて報知演出が制御される(S301)。報知演出では、S202でRAM582に記憶された変動パターンに基づき、表示画面28における図柄変動表示、スピーカ48からの音声出力、各種電飾部材の発光制御、可動体31による演出動作等が実行される。次いで、報知演出の中に、ボタン押下指示画像101を表示する予告演出を含むか否か判断される(S302)。ボタン押下指示画像101を表示する予告演出を含まない場合(S302:NO)、処理は図17のS204の判断へ移行する。
他方、ボタン押下指示画像101を表示する予告演出を含む場合(S302:YES)、RAM582に記憶された本機使用色が取得される(S303)。次いで、取得された本機使用色に合致するボタン押下指示画像のデータが選択される(S304)。具体的には、取得された本機使用色の情報が、サブ制御基板58から演出制御基板43に送信される。そして、演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従い、CGROM432のボタン押下指示画像記憶エリアに記憶されている画像データ101A〜101D(図11参照)の中から、本機使用色に合致する右打ち指示画像のデータを選択する。例えば、本機使用色が赤色であった場合、部分A1,A2が赤色であるボタン押下指示画像の画像データ101Aが選択される。次いで、サブ制御基板58から受信するコマンドに従い、演出制御基板43のCPU431によって、選択された画像データ101Aに対応するボタン押下指示画像101が、表示画面28に表示される(S305)。図4に示すように、表示画面28に表示されるボタン押下指示画像101において、部分A1,A2が前面枠10と同じ赤色で表示される。これにより、遊技者は、パチンコ機1の一部である操作ボタンユニット9が表示画面28に表示される演出を、違和感なく受け止めることができる。処理は図17のS204の判断へ移行する。
次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したかが判断される(S204)。特別図柄停止コマンドを受信していない場合(S204:NO)、処理はS206の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S204:YES)、報知演出制御処理において開始された図柄変動が停止され、大当たり判定の判定結果を示す演出図柄の組合せが確定表示されるので(S205)、報知演出が終了される。処理はS206の判断へ移行する。
次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したかが判断される(S206)。大当たり遊技開始コマンドを受信していない場合(S206:NO)、処理はS201の判断に戻る。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S206:YES)、大当たり遊技を開始する前に、遊技者に右打ちを指示する為に、右打ち指示画像表示処理が実行される(S207)。
図20を参照して、右打ち指示画像表示処理を説明する。先ず、RAM582に記憶された本機使用色が取得される(S401)。次いで、取得された本機使用色に合致する右打ち指示画像のデータが選択される(S402)。具体的には、取得された本機使用色の情報が、サブ制御基板58から演出制御基板43に送信される。そして、演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従い、CGROM432の右打ち指示画像記憶エリアに記憶されている画像データ201A〜201D(図11参照)の中から、本機使用色に合致する右打ち指示画像のデータが選択する。例えば、本機使用色が赤色であった場合、部分B1が赤色である右打ち指示画像の画像データ201Aが選択される。次いで、サブ制御基板58から受信するコマンドに従い、演出制御基板43のCPU431によって、選択された画像データ201Aに対応する右打ち指示画像201が、表示画面28に表示される(S403)。例えば、図5に示すように、表示画面28に表示される右打ち指示画像201において、部分B1が前面枠10と同じ赤色で表示される。これにより、遊技者は、パチンコ機1の一部である発射ハンドル7が表示画面28に表示される演出を、違和感なく受け止めることができる。
処理は図17のフローに戻り、大当たり遊技演出が実行される(S208)。大当たり遊技演出は、大当たり遊技中であることを遊技者に報知するために実行される演出である。処理はS201の判断に戻り、上記と同様に繰り返される。
上記説明において、画像表示装置27の表示画面28が本発明の「表示部」の一例である。色識別センサ85が本発明の「検出手段」の一例である。サブ制御基板58のCPU581(及び演出制御基板43のCPU431)が本発明の「制御手段」の一例である。図17に示すサブ制御基板処理のS200、S203の各処理を実行するCPU581(及び演出制御基板43のCPU431)が本発明の「表示制御手段」の一例である。CGROM432が本発明の「記憶手段」の一例である。図19のS304、図20のS403の各処理を実行するCPU581(及び演出制御基板43のCPU431)が本発明の「選択手段」の一例である。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1において、サブ制御基板58のCPU581は、上皿5に取り付けられた色識別センサ85からのセンサ値に基づき、前面枠10の色を識別し、その識別した色を、パチンコ機1の演出動作に反映させる。前面枠10の色は、遊技者の意志とは関係の無い外的要因であるので、パチンコ機1は、遊技者の想像する範囲を超える特徴のある演出を行うことができる。
パチンコ機1の演出動作の具体例として、パチンコ機1の一部又は全部であるパチンコ機画像を表示画面28に表示する。その際、色識別センサ85によって識別された前面枠10の色を反映させたパチンコ機画像を、表示画面28に表示させることができる。これにより、遊技者は、表示画面28にパチンコ機画像を表示する演出を、違和感なく受け止められることができる。
また、上記実施形態では、部分A1,A2の色が異なる複数のボタン押下指示画像の画像データ101A〜101Dが、演出制御基板43のCGROM432に記憶されている。サブ制御基板58のCPU581は、演出制御基板43のCPU431にコマンドを送信し、CGROM432に記憶された画像データ101A〜101Dの中から、前面枠10の色に対応するボタン押下指示画像の画像データを選択させる。コマンドを受信したCPU431は、前面枠10の色に対応するボタン押下指示画像の画像データを選択し、表示画面28に表示する。これにより、パチンコ機1は、色識別センサ85によって識別された前面枠10の色に対応するボタン押下指示画像の画像データを選択して、表示画面28に表示できる。右打ち指示画像においても同様の制御が行われる。
なお、本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
先ず、図21を参照して、報知演出制御処理の変形例を説明する。本変形例は、上記実施形態の報知演出制御処理(図19参照)の変形例である。上記実施形態では、大当たりの予告演出を行う為に、ボタン押下指示画像101を表示画面28に表示し、遊技者に操作ボタンユニット9のボタン92の押下を指示するが、仮にパチンコ機1が古い機種であった場合、長期間の使用により、操作ボタンユニット9が傷んでいる可能性がある。それ故、操作ボタンユニット9の使用頻度を下げるのが望ましい。そこで、本変形例では、前面枠10の色が古い枠色であった場合は、ボタン92を押下させる予告演出の出現率を下げることによって、操作ボタンユニット9の使用頻度を下げることを行う。
図21に示すように、先ず、指定された変動パターンに応じて報知演出が制御される(S601)。次いで、報知演出の中に、操作ボタンユニット9のボタン92の押下を指示する予告演出を含むか否か判断される(S602)。ボタン92の押下を指示する予告演出を含まない場合(S602:NO)、大当たりの予告演出において、操作ボタンユニット9を使用しないので、処理は図17のS204の判断へ移行する。
他方、報知演出の中に、ボタン92の押下を指示する予告演出を含む場合(S602:YES)、その予告演出は、出現率が調整可能な予告演出か否か判断される(S603)。例えば、出現率が調整できない予告演出の場合(S603:NO)、予告演出として「通常予告」が選択される(S610)。なお、出現率が調整できない予告演出とは、例えば、ボタン92を決められた回数だけ押下させるような予告演出等である。通常予告が選択されると、対応する予告演出のボタン押下指示画像が表示画面28に表示される(S611)。処理は図17のS204の判断へ移行する。
これに対し、出現率が調整可能な予告演出である場合(S603:YES)、RAM582に記憶された本機使用色が取得される(S604)。ここで、本実施形態のROM583には、前面枠10の歴代色情報が記憶されている。歴代色情報とは、過去から現在に至るまで、前面枠10に使用された歴代の色の情報を意味する。例えば、最も古いのが黄色、次に古いのが青色、現行色が白色という歴代色情報をROM583に記憶する。この場合、本機使用色が歴代色情報と比較され、本機使用色が白色か否か判断される(S605)。本機使用色が白色の場合(S605)、パチンコ機1は現行機種であり、操作ボタンユニット9が傷んでいる可能性は低いことから、予告演出として「連打予告」が選択される(S607)。連打予告が選択されると、例えば図22に示す連打予告指示画像301が表示画面28に表示される(S611)。連打予告指示画像301には、部分A1,A2が白色である操作ボタンユニット9の画像に加え、「ボタンを連打せよ!」のメッセージが表示される。これにより、遊技者にボタン92を連打させることによって、大当たりに対する期待度をより高めることができる。そして、部分A1,A2が前面枠10と同じ白色であるので、遊技者は違和感無く、連打予告指示画像301の表示による予告演出を受け入れることができる。
また、本機使用色が白色でない場合(S605:NO)、本機使用色が青色か否か判断される(S606)。本機使用色が青色の場合(S606:YES)、パチンコ機1は現行に比べて一代前の古い機種であることから、操作ボタンユニット9の使用頻度を下げることが好ましい。そこで、予告演出として「ワンプッシュ予告」が選択される(S608)。ワンプッシュ予告が選択されると、例えば図23に示すワンプッシュ予告指示画像401が表示画面28に表示される(S611)。ワンプッシュ予告指示画像401には、部分A1,A2が青色である操作ボタンユニット9の画像に加え、「ボタンを1回押せ!」のメッセージが表示される。これにより、遊技者にボタン92を1回押下させることによって、大当たりに対する期待度を高めることができる。このように、連打予告に比べて、ボタン92を押下させる回数を減らすことで、ボタン92の押下という予告演出の出現率を下げることができるので、操作ボタンユニット9の使用頻度を下げることができる。これにより、操作ボタンユニット9を保護できる。そして、部分A1,A2が前面枠10と同じ青色であるので、遊技者は違和感無く、ワンプッシュ予告指示画像401の表示による予告演出を受け入れることができる。
また、本機使用色が白色でも青色でもない場合(S605:NO、S606:NO)、本機使用色は黄色であり、歴代色情報を参照すると、パチンコ機1は最も古い機種であることから、操作ボタンユニット9は傷んでいる可能性が高い。それ故、操作ボタンユニット9の使用頻度を大きく下げることが好ましい。そこで、予告演出として「ボタン不要予告」が選択される(S609)。ボタン不要予告が選択されると、ボタン押下指示画像に代えて、例えばボタン92の押下を指示しない他の予告演出画像が表示画面28に表示される(S611)。これにより、操作ボタンユニット9のボタン92は押下されないので、操作ボタンユニット9を保護できる。処理は図17のS204の判断へ移行し、それ以降は上記実施形態と同じである。
このように、本変形例では、操作ボタンユニット9を用いた大当たりの予告演出において、パチンコ機1の前面枠10の色が古ければ古いほど、ボタン92を押下させる回数を少なくすることで、予告演出の出現率を低くする。これにより、操作ボタンユニット9を効果的に保護できる。なお、本変形例では、本機使用色が黄色であった場合、「ボタン不要予告」が選択され、ボタン92の押下を指示しない他の予告演出画像が表示画面28に表示されるが、例えば、予告演出画像を表示しなくてもよい。また、本機使用色が青色か黄色であり、はずれ判定である場合は、ボタン押下指示画像を表示しないようにしてもよい。
その他の変形例について説明する。上記実施形態では、大当たり遊技開始前に、右打ち指示画像201(図5参照)を表示し、遊技者に右打ちを指示する。右打ち指示画像201は、パチンコ機1の一部である発射ハンドル7の周囲を拡大した部分画像であるが、例えば、図24に示すように、パチンコ機1の全体画像を含む右打ち指示画像501を表示してもよい。右打ち指示画像501では、発射ハンドル7の周囲に右回転を表す矢印が表示され、パチンコ機1の下方には「ハンドルを右に回せ!」等のメッセージが表示される。このような右打ち指示画像501を表示する場合、パチンコ機1の全体画像において、操作ボタンユニット9のリング部93A,94Aに対応する部分A1,A2、発射ハンドル7に対応する部分B1に加え、前面枠10に対応する部分C1においても、色判定処理で決定された本機使用色と同じ色で表示するのが好ましい。この場合、CGROM432には、部分A1,A2,B1,C1の色が異なる複数種類の右打ち指示画像の画像データを予め記憶し、その中から本機使用色に合致した右打ち指示画像を選択して表示するようにすればよい。このような変形例においても、遊技者は、右打ち指示画像501を表示する演出を違和感無く受け入れることができる。
上記実施形態では、パチンコ機1に実際に嵌められている前面枠10の色を識別し、パチンコ機1の全体又は一部を示すパチンコ機画像を表示画面28に表示する演出が発生した場合に、識別した前面枠10の色を反映したパチンコ機画像を表示する。上記実施形態では、パチンコ機画像を表示する演出の一例として、ボタン押下指示画像101、右打ち指示画像201を表示する際に、本機使用色を反映させているが、この他に、例えば、タイトルデモ中の遊技説明を表示する際に表示するパチンコ機画像や、「Vを狙え」等を指示するパチンコ機画像に、本機使用色を反映させてもよい。
また、上記実施形態では、色識別センサ85のセンサ値に基づいて識別した前面枠10の色を、パチンコ機画像に反映させているが、前面枠10の色に応じて、遊技状態に応じて実行されるその他の演出動作を変更するようにしてもよい。例えば、可動体31の動作、電飾基板34の各種ランプの輝度、光らせ方(発光態様)、光らせるランプの種類、スピーカ48から出力される音等を変更してもよい。例えば、前面枠10の色が赤色と識別された場合、電飾基板34のうち赤色のLEDが発光するときの輝度を強くするようにしてもよい。これにより、赤色を基調としてデザインされたパチンコ機において、演出時においては赤色をさらに強調できる。
また、上記実施形態では、色識別センサ85のセンサ値に基づいて識別した前面枠10の色を、パチンコ機画像に反映させているが、前面枠10以外の部材の色を識別し、パチンコ機1の演出動作に反映させるようにしてもよい。これにより、色に起因した特徴のある演出を行うことができる。
また、上記実施形態では、色識別センサ85を、上皿5に設けた凹部81の内側に取り付け、対向する面の色を識別するようにしているが、前面枠10の色を識別できれば、色識別センサ85の設置場所は上皿5以外の場所に取り付けてもよい。また、色識別センサ85を凹部81の前側に位置する内面に取り付けてもよい。その場合、色識別センサ85は、上皿5の内側にある球受け部5Aを介して対向する対向面の色を識別する。球受け部5Aには遊技球が貯留されるが、一定量を超えて貯留した場合、色識別センサ85と対向面の間に遊技球が介在するため、色識別センサ85によって検出されるセンサ値は変化する。パチンコ機1は、このセンサ値の変化を検出することによって、演出を変更する制御を行ってもよい。
また、本実施形態では、遊技機として、遊技機の一種であるパチンコ機を例に挙げているが、遊技機はパチンコ機に限られず、パチコン機、パチスロ台等の各種の遊技機に適用可能である。
なお、請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、演出装置、図柄表示部、電動役物、入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示画面」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。