以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図3参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48が夫々設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技球発射装置37(図3参照)によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4は、発射ハンドル7の発射強度に応じて、遊技球が流下する度合いを互いに異にする第一遊技領域4Lと第二遊技領域4Rとを備えている。第一遊技領域4Lは、パチンコ機1に正対した遊技者から見て遊技領域4の左側に位置し、第二遊技領域4Rは、遊技者から見て遊技領域4の右側に位置している。ガイドレール3は遊技領域4の左側に形成されている。発射ハンドル7によって所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第二遊技領域4Rを流下し(例えば図2の矢印11参照)、所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第一遊技領域4Lを流下する(例えば図2の矢印10参照)。以下、矢印10に示すように遊技球を発射することを「左打ち」と、矢印11に示すように遊技球を発射することを「右打ち」という。
遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8は、LCDからなる表示画面28を中央に備える。表示画面28は様々な映像を表示するが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄28A、28B、28Cを表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄28A〜28Cを変動させた後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄28A〜28Cの組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。本実施形態では、演出図柄28A〜28Cの各々は、数字の「0」〜「9」の10種類の候補図柄で構成される。
演出装置8において、表示画面28の上方に可動役物30が設けられている。可動役物30は、可動部を動作させることで各種演出を行う。演出装置8の右下部には普通図柄作動ゲート12が設けられている。演出装置8の下方には第一始動口14および第二始動口15が設けられており、その下方には大入賞口16が設けられている。大入賞口16の左右両側には、複数の普通入賞口17が設けられている。第二始動口15は、普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入り口の大きさを変化させる役物)としての開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ第二始動口15の入り口が開放され、遊技球は第二始動口15に入賞できる。なお、第二始動口15は、開閉部材が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。大入賞口16も開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は大入賞口16に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。更に遊技盤2には、上記以外に各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技くぎ等が設けられている。
本実施形態では、普通図柄作動ゲート12を通過する遊技球は、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球が大半であり、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過することは困難である。第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16、および複数の普通入賞口17は、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球と右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球の何れもが入賞可能に配置されている。このうち第一始動口14については、入賞口および遊技くぎ等の配置により、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球の方が、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球よりも入賞しやすい配置となっている。また第二始動口15および大入賞口16については、入賞口および遊技くぎ等の配置により、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球の方が、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球よりも入賞しやすい配置となっている。更に、複数の普通入賞口17および遊技くぎ等の配置により、左打ち時に遊技球が左側の普通入賞口17に入賞するよりも、右打ち時に遊技球が右側の普通入賞口17に入賞しやすい構成となっている。
遊技盤2の右下部には、大当たり判定の結果および保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部24Aおよび第二特別図柄表示部24B(図16参照)、図示外の普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LEDおよび普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部24Aおよび第二特別図柄表示部24Bは、夫々、1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄および第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定および第二大当たり判定を総称する場合、または何れかを特定しない場合、大当たり判定ともいう。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDおよび第二特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「特別図柄保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄保留球数」)を表示する。
次に、パチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技、および普通当たり遊技が設けられている。パチンコ機1では、大当たり判定において「大当たり」と判定されると、大当たり遊技が行われる。パチンコ機1は、1回の大当たり遊技中に、所定条件を満たすまで大入賞口16へ遊技球が入賞可能な状態が維持されるラウンドを、予め定められた回数だけ繰り返す。所定条件とは、例えば、大入賞口16が開放されてから規定数の遊技球が入賞するか、または大入賞口16が開放されてから規定時間が経過することである。パチンコ機1は、大当たり判定において「大当たり」と判定される大当たり確率が約1/300である非確率変動状態と、約1/60である確率変動状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。また、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、非時短状態よりも第二始動口15の開閉部材が開放される割合が高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。パチンコ機1は、これらの組合せにより、「非確率変動非時短状態」(以下、「通常状態」という。)「確率変動時短状態」(以下、「確変時短状態」という。)、および「非確率変動時短状態」(以下、「非確変時短状態」という。)の三種類の遊技状態を生起する。ただし、この実施形態に限られず、パチンコ機1は、例えば、「確率変動非時短状態」等を含む四種類以上の遊技状態を生起してもよい。また、パチンコ機1は、二種類以下の遊技状態を生起するものであってもよい。
本実施形態では、大当たり遊技の終了後に確率変動状態が生起された場合、同時に時短状態が生起される。生起された確率変動状態および時短状態は、大当たり遊技の終了後から次回の大当たり遊技が開始されるまで継続する。つまり、本実施形態において大当たり遊技の終了後に生起された「確率変動時短状態」は、大当たり遊技の終了後から次回の大当たり遊技が開始されるまで継続する。
また、大当たり遊技の終了後に確率変動状態が生起されず、且つ、時短状態が生起される場合がある。この場合、生起された時短状態は、大当たり遊技の終了後から次回の大当たり遊技の実行開始まで、または、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和(以下、「判定回数」という。)が規定回数(以下、「時短回数」という。)に達するまで継続する。本実施形態では、時短回数は100回である。つまり、パチンコ機1の「非確率変動時短状態」は、大当たり遊技終了後における判定回数が時短回数に達すること、または大当たり遊技の終了後に次回の大当たり遊技が開始されることによって終了する。上記の終了条件を満たすことで、遊技状態は「非確率変動時短状態」から「通常状態」へ移行する。なお、時短回数は、本実施形態の100回に限られず、遊技性に応じた種々の回数を設定できる。例えば、パチンコ機1は、大当たりと判定された際に決定される特別図柄と、大当たり判定時に生起されている遊技状態とに応じて、大当たり遊技終了後に生起する時短状態の時短回数を、複数の時短回数の中から決定してもよい。
「非確率変動時短状態」および「確率変動時短状態」は、大当たり遊技開始時に終了する。即ち、大当たり遊技中には「通常状態」が生起される。このため、判定回数および時短回数の計数は、大当たり遊技の開始によってクリアされる。なお、確率変動状態の終了条件は、本実施形態の例に限られない。例えば、大当たり遊技の終了後に生起された確率変動状態が、判定回数が所定の回数に達することで終了する所謂回数切り確変機能を有する遊技機であってもよい。また、パチンコ機1は、大入賞口16の内部に特定の領域を設け、大当たり遊技中に遊技球が特定の領域を通過することを条件として、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起することとしてもよい。また、パチンコ機1は、1回の大当たり判定毎に確率変動状態を終了させる転落抽選を行い、転落抽選に当選した場合に確率変動状態を終了させてもよい。
次いで、普通当たり遊技について説明する。遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過することを契機として、普通当たり判定が行われる。時短状態において普通当たりと判定される確率(本実施形態では99/100)は、非時短状態において普通当たりと判定される確率(本実施形態では4/100)よりも高い。また、普通当たり遊技中の第二始動口15の開閉部材の最大開放時間は、非時短状態(本実施形態では0.2秒)よりも時短状態(本実施形態では4.2秒)の方が長い。更に普通図柄の変動時間は、非時短状態における変動時間(本実施形態では10秒)よりも時短状態における変動時間(本実施形態では2秒)の方が短い。当たりを示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に確定表示された後に、第二始動口15の開閉部材が開放される。時短状態である「確率変動時短状態」および「非確率変動時短状態」では、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が非時短状態よりも高くなる。この結果、時短状態においては、第一始動口14よりも第二始動口15に容易に遊技球を入賞させることができる。従って、時短状態中は、右打ちによって遊技を進行することが、左打ちによって遊技を進行するよりも遊技者にとって有利となる。一方、非時短状態である「通常状態」では、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が時短状態よりも低くなるため、第二始動口15よりも第一始動口14に容易に遊技球を入賞させることができる。従って、非時短状態においては、左打ちによって遊技を進行することが、右打ちによって遊技を進行するよりも遊技者にとって有利となる。なお、パチンコ機1は、遊技状態によらず、左打ちによって遊技を進行することが、右打ちによって遊技を進行するよりも遊技者にとって有利である遊技機であってもよい。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、および電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41は、主基板CPUユニット50を備える。主基板CPUユニット50は、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とを備える。主基板CPUユニット50は、割込信号発生回路57と電気的に接続する。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。
主基板41は、I/Oインタフェイス54を介して、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ72、および第二始動口スイッチ73と電気的に接続する。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の各種情報を出力する。第一始動口スイッチ72は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ73は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9、およびスピーカ48と電気的に接続する。ランプドライバ基板46は、演出装置8の各種照明の動作および可動役物30の動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、遊技球の入賞に応じた所定数の遊技球を賞球として払い出させる。
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド69、大入賞口開閉ソレノイド70、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75、複数の普通入賞口スイッチ76、および図柄表示部24と、電気的に接続する。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材を開閉する。大入賞口開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材を開閉する。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。複数の普通入賞口スイッチ76の各々は、それぞれ対応する普通入賞口17に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37と電気的に接続し、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に、遊技球を1個ずつ遊技領域4へ向けて発射する。
図4を参照して、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第二大当たり関係情報記憶エリアの構成は、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と同様であるため、説明を簡略化する。第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図12から図14参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第一始動口14への入賞による第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。本実施形態において、第一始動口14に入賞した遊技球に対して、大当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第一保留球数)は「4」である。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、大当たり判定結果を報知する報知演出、および、大当たり判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、および第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞すると、その時点で計数されている夫々の乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部24Aに表示される第一特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。
パチンコ機1において、第一特別図柄および第二特別図柄の変動時間は、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。また、主基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄および第二特別図柄の何れかの変動開始に同期して、演出図柄28A〜28Cの変動表示を開始する。主基板41は、変動を開始した第一特別図柄および第二特別図柄の何れかの変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄または第二特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄停止表示時間に同期して、演出図柄28A〜28Cを確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄28A〜28Cによる他、表示画面28、可動役物30、スピーカ48等によっても、変動パターンと同期した報知演出を実行する。
第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図12から図14参照)において使用される。第二大当たり関係情報記憶エリアには、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に、複数の記憶エリアが設けられている。第二始動口15に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第二始動口15への入賞による第二保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。本実施形態において、第二始動口15に入賞した遊技球に対して、大当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第二保留球数)は「4」である。
以下の説明では、第一大当たり乱数および第二大当たり乱数を総称する場合、または何れかを特定しない場合、大当たり乱数ともいう。また、第一変動パターン決定乱数および第二変動パターン決定乱数を総称する場合、または何れかを特定しない場合、変動パターン決定乱数ともいう。また、第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアを総称する場合、または何れかを特定しない場合、大当たり関係情報記憶エリアともいう。また、大当たり関係情報記憶エリアに記憶された状態で大当たり判定が保留されている大当たり乱数、および大当たり判定が保留されている大当たり乱数とともに取得されて大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して保留乱数という。保留乱数のうち第一大当たり関係エリアに記憶されている第一保留乱数の数は、第一保留球数に対応する。保留乱数のうち第二大当たり関係エリアに記憶されている第二保留乱数の数は、第二保留球数に対応する。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。
図5を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第一特別図柄と、第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄および第二特別図柄は、夫々、複数の大当たり種別の何れかに分類される。
本実施形態における大当たり種別は、第一特別図柄および第二特別図柄の双方ともに、特別図柄決定テーブルにおける「大当たり種別」欄の「種別名称」に示す「8R通常」「8R確変」「16R確変」の三種類である。「大当たり種別」欄の「遊技状態」は、大当たり遊技の終了後に生起される遊技状態を示す。「大当たり種別」欄の「時短継続」は、大当たり遊技の終了後に生起された時短状態の継続条件を示す。「100回」は、時短回数が100回であることを示し、「次回まで」は、大当たり遊技の終了後から次回の大当たり遊技が開始されるまで時短状態が継続することを示す。「大当たり種別」欄の「ラウンド数」は、1回の大当たり遊技中に繰り返されるラウンドの合計回数を示す。即ち、大当たり種別の種別名称に含まれる「8R」「16R」は、大当たり種別毎に予め定められているラウンド数を略記したものに対応する。また、大当たり遊技の終了後に確率変動状態が生起される大当たりは、「確変大当たり」ともいい、大当たり遊技の終了後に確率変動状態が生起されない大当たりは、「通常大当たり」ともいう。即ち、大当たり種別の種別名称に含まれる「確変」および「通常」は、「確変大当たり」および「通常大当たり」であること示す。
図5に示すように、特別図柄決定テーブルには、第一特別図柄および第二特別図柄の夫々について、複数の大当たり種別に各々対応する特別図柄決定乱数の乱数値が定義されている。大当たり判定によって大当たりと判定されると、特別図柄決定乱数の値に対応する特別図柄が決定される。決定された特別図柄の属する大当たり種別に応じて、ラウンド数、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態および生起される時短状態の継続条件が決定される。パチンコ機1では、第一大当たり判定および第二大当たり判定において大当たりと判定された場合には、「8R通常」となる割合は25%、「8R確変」となる割合は25%、「16R確変」となる割合は50%である。
本実施形態では、大当たり種別が「8R確変」または「16R確変」の場合、大当たり遊技の終了後に確率変動時短状態が生起される。また、大当たり種別が「8R通常」の場合、大当たり遊技の終了後に非確率変動時短状態が生起される。「確変大当たり」である「8R確変」および「16R確変」の大当たり種別による大当たり遊技が実行された場合、大当たり遊技の終了後から次回の大当たり遊技まで確率変動状態が継続する。このため、大当たり種別が「8R確変」および「16R確変」の場合、大当たり種別が「8R通常」の場合よりも、以降に大当たり判定において大当たりと判定されて、大当たり遊技が実行される期待値が高くなる。従って、大当たり種別が「8R確変」および「16R確変」の場合、大当たり種別が「8R通常」の場合よりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。また、「8R確変」による大当たり遊技と、「16R確変」による大当たり遊技とを比較すると、ラウンド数の大きい「16R確変」の方が、「8R確変」よりも賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。従って、本実施形態では、「8R通常」、「8R確変」、「16R確変」の順に、遊技者が有利となる期待値が高くなる。
図6を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。図6に示すように、変動パターン決定テーブルは、大当たり判定が第一大当たり判定および第二大当り判定の何れであるか、大当たり判定時の遊技状態(通常状態、確率変動時短状態、または非確率変動時短状態)および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて、複数のテーブルを設けている。夫々のテーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。第一大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
図6に示すように、通常状態における第一大当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。ここで、「リーチ演出」とは、例えば3つの演出図柄28A〜28Cのうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合には、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。従って、第一大当たり判定の結果が大当たりとなる期待値は、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に高くなる。また、判定結果が小当たりの場合には「リーチ演出C」が決定される。なお、本実施形態において、「非リーチ」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく演出が終了する報知演出であり、本実施形態では、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。
なお、詳細は省略するが、変動パターン決定テーブルにおいて、第二大当り判定についても、遊技状態に応じて複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値とが対応付けられている。主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄または第二特別図柄を変動させる。また、主基板41は、変動パターン決定テーブルが参照されて決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28およびスピーカ48等を制御する。
図7から図12を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。一般に遊技機は、同一機種であっても、複数の異なる遊技仕様である複数スペック(例えば、大当たり種別、大当たり確率、確変割合、ラウンド数、最大入賞数、各賞球数、時短回数など)で提供されることがある。換言すると、同一シリーズの遊技機において、スペックが異なる複数の類似機が提供されることがある。最大入賞数は、大当たり遊技状態における1ラウンド中に、開放された大入賞口16に入賞可能な遊技球の上限数である。各賞球数は、第一始動口14への入賞時の賞球数、第二始動口15への入賞時の賞球数、大入賞口16への入賞時の賞球数、普通入賞口17への入賞時の賞球数などである。
本実施形態では、同一機種のパチンコ機1について、4つの異なるスペックである「A1」〜「A4」が提供可能であるとする。以下の説明では、上述したパチンコ機1の実装スペックは「A1」であるものとする。ROM53には、複数スペックのうちで予め実行対象として設定されている実装スペックのスペック情報(先述の大当たり種別、大当たり確率、確変割合、ラウンド数、最大入賞数、各賞球数、時短回数など)が予め記憶されている。CPU51は、ROM53に記憶されているスペック情報に基づいて、実装スペックである「A1」に応じた遊技制御を実行する。例えば所定のリセット操作または復電操作によって、パチンコ機1に電源が投入される。この場合、まずCPU51は、制御プログラムに基づいて、実装スペックとして「A1」を示すコマンド(スペック指定コマンド)を、サブ制御基板58に出力する。サブ制御基板58のCPU581は、受信したスペック指定コマンドに基づいて、実装スペックである「A1」に応じた演出制御を実行できる。
なお、サブ制御基板58には、少なくともパチンコ機1の電源投入時点では、先述の最大入賞数および全ての賞球数(即ち、第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16、普通入賞口17の各賞球数)は設定されていない。最大入賞数と大入賞口16および普通入賞口17の各賞球数とは、後述するようにサブ側の演出動作に用いられるため、所定タイミングで主基板41からサブ制御基板58に指示される。
その後、CPU51は制御プログラムに基づいて、メイン処理(図7参照)を実行する。メイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図7に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。詳細は後述するが、スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート12、各入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に大入賞口16の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。本実施形態では、通常状態において大当たりと判定された場合においては、大当たり種別が「8R確変」および「16R確変」の場合、後述の確率変動フラグおよび時短フラグが、大当たり遊技終了後に「ON」とされる。また、大当たり種別が「8R通常」の場合には、時短フラグが大当たり遊技終了後に「ON」とされる。なお、大当たり遊技におけるラウンド数は、後述する特別図柄処理において、大当たり種別に応じて決定される。
本実施形態では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて、大入賞口16が予め定められた最大開放時間(例えば、29秒)で開放される。大入賞口16の開放時間が最大開放時間に達した場合、または大入賞口16への入賞数が先述の最大入賞数に達した場合の何れかの条件が満たされると、開放された大入賞口16が閉鎖される。なお、各ラウンドにおいて、大入賞口16が開放された場合には大入賞口開放コマンドがサブ制御基板58に出力され、大入賞口16が閉鎖された場合には大入賞口閉鎖コマンドがサブ制御基板58に出力される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(図8〜図10参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たり遊技の動作(主に第二始動口15の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態中に普通当たりと判定された場合、第二始動口15の開閉部材を、非時短状態中よりも長く開放させる。なお、CPU51は、時短フラグが「ON」とされていれば、時短状態中であると判断する。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。前述したように、普通当たり判定は、時短状態が生起されているか否かに応じて、夫々の確率(99/100または4/100)で判定される。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御されるが、詳細は後述する(図11参照)。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
図8から図10を参照して、特別図柄処理(S14、図7参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確率変動フラグ、時短フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄および第二特別図柄の何れか一方が変動している場合(変動中)に「1」、何れか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、何れも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確率変動フラグは、確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。時短フラグは、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。
図8に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S41)。第一始動口14に設けられた第一始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、第一始動口スイッチ72に対応するフラグ(第一始動口フラグ)が「ON」となる。第一始動口フラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S41:NO)、処理はS51の判断へ移行する。第一始動口14に遊技球が入賞していれば(S41:YES)、第一保留球数が「4」であるか否かが判断される(S42)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「4」であれば(S42:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS51の判断へ移行する。
第一保留球数が「4」でない場合には(S42:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S43)。次いで、各種乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S45)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値(第一大当たり乱数)が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値(第一特別図柄決定乱数)が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値(第一変動パターン決定乱数)が記憶される。
次いで、第二始動口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S51)。第二始動口15に設けられた第二始動口スイッチ73が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図7参照)において、第二始動口スイッチ73に対応するフラグ(第二始動口フラグ)が「ON」となる。第二始動口フラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S51:NO)、処理はS61(図9参照)の判断へ移行する。第二始動口15に遊技球が入賞していれば(S51:YES)、第二保留球数が「4」であるか否かが判断される(S52)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「4」であれば(S52:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS61の判断へ移行する。
第二保留球数が「4」でない場合には(S52:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S53)。次いで、各種乱数が取得され、第二大当たり関係情報記憶エリア(図示せず)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S55)。具体的には、第二大当たり乱数欄には第二大当たり判定カウンタの値(第二大当たり乱数)、第二特別図柄決定カウンタの値(第二特別図柄決定乱数)、第二変動パターン決定カウンタの値(第二変動パターン決定乱数)が夫々記憶される。その後、処理はS61の判断へ移行する。
次いで、図9に示すように、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S61)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、大当たり遊技状態であると判断されて(S61:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、大当たり遊技状態でないと判断されて(S61:NO)、第一特別図柄および第二特別図柄の何れかが変動中であるか否かが判断される(S62)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合には、何れも変動中でないと判断されて(S62:NO)、第一特別図柄および第二特別図柄の何れかが停止状態中であるか否かが判断される(S63)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、何れも停止表示中でないと判断されて(S63:NO)、処理はS71(図10参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
本実施形態では、大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図10に示すように、まず、第二保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S71)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上である場合には(S71:YES)、第二大当り判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留球数が「0」である場合には(S71:NO)、第一保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S72)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「0」であれば(S72:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一保留球数が「1」以上である場合には(S72:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S73)。第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S75)。次いで、確率変動状態であるか否かに応じた第一大当たり判定が行われる(S76)。S76では、確率変動フラグの状態を参照して、現時点において確率変動状態が生起されているか否かが特定される。確率変動状態が生起されているか否かが特定された結果に対応して、前述の低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが参照されて、S75でシフトされた判定エリアに記憶されている第一大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」の何れに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、第一大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S77)。第一大当たり判定の結果が大当たりの場合(S77:YES)、大当たりであることを示す第一特別図柄が決定される(S78)。具体的には、特別図柄決定テーブル(図5参照)が参照されて、S75でシフトされた判定エリアに記憶されている大当たり乱数と同時に取得された第一特別図柄決定乱数の値に対応する第一特別図柄が決定される。また、決定された第一特別図柄に応じた大当たり種別が決定される(S79)。その後、処理はS111へ移行する。第一大当たり判定の結果がはずれの場合(S77:NO)、はずれであることを示す所定の第一特別図柄が決定されて(S80)、処理はS111へ移行する。
また、第二大当り判定では、まず第二保留球数が「1」減算される(S93)。第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S95)。次いで、確率変動状態であるか否かに応じた第二大当たり判定が行われる(S96)。S96では、確率変動フラグの状態を参照して、現時点において確率変動状態が生起されているか否かが特定される。確率変動状態が生起されているか否かが特定された結果に対応して、前述の低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが参照されて、S95でシフトされた判定エリアに記憶されている第二大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」の何れに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、第二大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S97)。第二大当たり判定の結果が大当たりの場合(S97:YES)、大当たりであることを示す第二特別図柄が決定される(S98)。具体的には、特別図柄決定テーブル(図5参照)が参照されて、S95でシフトされた判定エリアに記憶されている大当たり乱数と同時に取得された第二特別図柄決定乱数の値に対応する第二特別図柄が決定される。また、決定された第二特別図柄に応じた大当たり種別が決定される(S99)。その後、処理はS111へ移行する。第一大当たり判定の結果がはずれの場合(S97:NO)、はずれであることを示す所定の第二特別図柄が決定されて(S100)、処理はS111へ移行する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる(S111)。変動パターン決定処理は、第一特別図柄および第二特別図柄の変動パターンを決定する処理である。変動パターン決定処理では、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブル(図6参照)のうち、大当たり判定が第一大当たり判定および第二大当たり判定の何れであるか、大当たり判定時の遊技状態(通常状態、確率変動時短状態、または非確率変動時短状態)および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じたテーブルが参照されて、第一特別図柄および第二特別図柄の変動パターンが決定される。
変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S112)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S113)。第一特別図柄および第二特別図柄の何れかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶される(S114)。本実施形態では、第一特別図柄および第二特別図柄の何れかが変動された場合も、先述のスペック指定コマンドがRAM52に記憶されて、次回実行されるコマンド出力処理(S10、図7参照)においてサブ制御基板58に送信される。その後、処理はメイン処理へ戻る。
また、図9に示すS62の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第一特別図柄および第二特別図柄の何れかが変動中であると判断され(S62:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S121)。S113(図10参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S121:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S122)。このコマンドは、コマンド出力処理(S10、図7参照)によって中継基板47およびサブ制御基板58に送信され、第一特別図柄または第二特別図柄、および演出図柄28A〜28Cの変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S123)。第一特別図柄および第二特別図柄の何れかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶される(S124)。その後、第一始動口フラグおよび第二始動口フラグのうち「ON」となっているものが「OFF」とされて(S125)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S101の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S121:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S113の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S63:YES)、S122においてセットされた特別図柄停止時間カウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S126)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S126:NO)、処理はメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S126:YES)、第一特別図柄および第二特別図柄の何れもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S127)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S128)、処理はメイン処理へ戻る。
遊技状態移行処理では、大当たりと判定された場合に遊技を大当たり遊技へ移行させるためのフラグの制御と、所定の終了条件が成立した場合に時短状態および確率変動状態を終了させるためのフラグの制御とが行われる。詳細には、大当たり判定の結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態フラグが「ON」となり、遊技状態が大当たり遊技状態へ移行される。この場合、大当たり遊技を開始することを示す大当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶され、コマンド出力処理(S10、図7参照)によってサブ制御基板58に送信される。大当たり遊技中は、遊技状態が通常状態へ移行する。大当たり遊技の終了時には、大当たり遊技状態フラグが「OFF」となり、大当たり遊技が終了したことを示す大当たり遊技終了コマンドがRAM52に記憶され、コマンド出力処理(S10、図7参照)によってサブ制御基板58に送信される。なお、時短状態および確率変動状態の終了条件が満たされていれば、これらの遊技状態が終了し、遊技状態は非時短状態および非確率変動状態へ移行する。
図11を参照して、払出処理(S17、図7参照)の詳細について説明する。図11に示すように、払出処理が開始されると、S41と同様に第一始動口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S131)。第一始動口14に遊技球が入賞していない場合(S131:NO)、処理はS133の判断へ移行する。第一始動口14に遊技球が入賞していれば(S131:YES)、第一賞球数の遊技球の払出しを指示するコマンドが、払出制御基板45に出力される(S132)。第一賞球数は、ROM53のスペック情報に定められている第一始動口14の賞球数(例えば「3個」)である。これにより、賞球払出装置49から「3個」の賞球が払い出される。
次いで、S51と同様に第二始動口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S133)。第二始動口15に遊技球が入賞していない場合(S133:NO)、処理はS135の判断へ移行する。第二始動口15に遊技球が入賞していれば(S133:YES)、第二賞球数の遊技球の払出しを指示するコマンドが、払出制御基板45に出力される(S134)。第二賞球数は、ROM53のスペック情報に定められている第二始動口15の賞球数(例えば「1個」)である。これにより、賞球払出装置49から「1個」の賞球が払い出される。
次いで、複数の普通入賞口17の何れかに遊技球が入賞しているか否かが判断される(S135)。複数の普通入賞口17に夫々設けられた普通入賞口スイッチ76の何れかが遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図7参照)において、普通入賞口スイッチ76に対応するフラグ(普通入賞口フラグ)が「ON」となる。普通入賞口フラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S135:NO)、処理はS139の判断へ移行する。複数の普通入賞口17の何れかに遊技球が入賞していれば(S135:YES)、第三賞球数の遊技球の払出しを指示するコマンドが、払出制御基板45に出力される(S136)。第三賞球数は、ROM53のスペック情報に定められている普通入賞口17の賞球数(例えば「10個」)である。これにより、賞球払出装置49から「10個」の賞球が払い出される。本実施形態では、第三賞球数は第一賞球数および第二賞球数よりも多いため、普通入賞口17への入賞時には第一始動口14または第二始動口15への入賞時よりも多くの賞球を獲得できる。
次いで、S61と同様に大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S137)。大当たり遊技状態でない場合(S137:NO)、大当たり遊技状態以外で普通入賞口17に入賞して賞球が払い出されたため、処理はS139の判断へ移行する。大当たり遊技状態である場合(S137:YES)、大当たり遊技状態において普通入賞口17に入賞して賞球が払い出されたため、RAM52に後述の入賞指定コマンドが記憶される(S138)。このコマンドは、コマンド出力処理(S10、図7参照)によって中継基板47およびサブ制御基板58に送信される。
次いで、大入賞口16に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S139)。大入賞口16に設けられた大入賞口スイッチ75が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図7参照)において、大入賞口スイッチ75に対応するフラグ(大入賞口フラグ)が「ON」となる。大入賞口フラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S139:NO)、処理はメイン処理へ戻る。大入賞口16に遊技球が入賞していれば(S139:YES)、第四賞球数の遊技球の払出しを指示するコマンドが、払出制御基板45に出力される(S140)。第四賞球数は、ROM53のスペック情報に定められている大入賞口16の賞球数(例えば「14個」)である。これにより、賞球払出装置49から「14個」の賞球が払い出される。本実施形態では、第四賞球数は第一〜第三賞球数の何れよりも多いため、大入賞口16への入賞時には最も多くの賞球を獲得できる。なお、第一〜第四賞球数は、上記実施形態に限定されず、例えば機種やスペックに応じて変更可能であることはいうまでもない。
本実施形態では、大入賞口16は大当たり遊技中のみに開放されるため、S140は大当たり遊技状態において大入賞口16に入賞して賞球が払い出されたことを意味する。この場合、S138と同様に、RAM52に後述の入賞指定コマンドが記憶される(S141)。即ち、本実施形態の払出処理では、大当たり遊技中に賞球数の多い普通入賞口17および大入賞口16に入賞したことを契機として、入賞指定コマンドがサブ制御基板58に出力される。その後、処理はメイン処理へ戻る。
図12を参照して、本実施形態の入賞指定コマンドのコマンド構成を示す。入賞指定コマンドのコマンド構成は、パチンコ機1の全スペックに共通である。但し、入賞指定コマンドが指定する最大入賞数および賞球数は、実装スペックに応じて異なる。
図12(A)に示すように、本実施形態の入賞指定コマンドは、2バイト構成のコマンドであり、1バイト(8ビット)の先行コマンドと、1バイト(8ビット)の後続コマンドとを含む。先行コマンドは、最上位のビット7が固定値の「1」であるため、16進数で「80」〜「FF」の範囲内の数値を表現可能である。本例の先行コマンドは、上位4ビット(先行ビット4〜7)の数値である「A」と、下位4ビット(先行ビット0〜3)の数値である「8」から成る「A8」によって、コマンド種別が「入賞指定コマンド」であることを示す。
後続コマンドは、最上位のビット7が固定値の「0」であるため、16進数で「00」〜「7F」の範囲内の数値を表現可能である。上位4ビットの残り3ビット(後続ビット4〜6)は、ROM53のスペック情報で定義されている最大入賞数(即ち、実装スペックの最大入賞数)を示す。下位4ビット(後続ビット0〜3)は、ROM53のスペック情報で定義されている大入賞口16または普通入賞口17の賞球数(即ち、実装スペックの賞球数)を示す。
図12(B)に示すように、後続ビット4〜6は、最大8パターンの最大入賞数の何れかを指示可能である。後続ビット4〜6のパターンである「1」〜「6」には、それぞれ最大入賞数として「5個」〜「10個」が設定されている。但し、後続ビット4〜6のパターンである「7」には、最大入賞数に代えて、普通入賞口17の賞球が払い出されたことを示す「普通入賞口賞球」が設定されている。後続ビット0〜3は、最大15パターンの賞球数の何れかを指示可能である。後続ビット0〜3のパターンである「0」〜「15」には、それぞれ賞球数として「0個」〜「15個」が設定されている。なお、図12(B)に示すコマンド情報は、パチンコ機1の機種などに応じて変更可能である。
本実施形態では、先述の払出処理のS138(図11参照)において、後続ビット4〜6が「7」(普通入賞口賞球)を示し、且つ後続ビット0〜3が「10」(第三賞球数=10個)を示す入賞指定コマンドが出力される。サブ制御基板58のROM583には、図12(B)に示す入賞指定コマンドのコマンド情報を定義した入賞指定テーブルが記憶されている。サブ制御基板58のCPU581は、この入賞指定コマンドに基づいて入賞指定テーブルを参照することで、大当たり遊技中に遊技球が普通入賞口17へ入賞して「10個」の賞球が払い出されたことを特定できる。
一方、払出処理のS141(図11参照)において、後続ビット4〜6が「5」(最大入賞数=9個)を示し、且つ後続ビット0〜3が「14」(第四賞球数=14個)を示す入賞指定コマンドが出力される。サブ制御基板58のCPU581は、この入賞指定コマンドに基づいて入賞指定テーブルを参照することで、大当たり遊技中に遊技球が大入賞口16へ入賞して「14個」の賞球が払い出されたこと、および実装スペックの最大上限数が「9個」であることを特定できる。
図13を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、大当たり判定の結果や大当たり遊技状態を報知するための報知演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581において実行される。
本実施形態のパチンコ機1は、その実装スペックが複数スペックの何れであるかに関わらず、サブ側構成(特にサブ制御基板58)は同一機種間で共通の部品で構成されている。従って、サブ制御基板58のROM583は、同一機種で共通の各種情報やテーブル(先述の入賞指定テーブルを含む)が予め記憶されている。先述したように、電源投入時や図柄変動開始時に、スペック指定コマンドが主基板41からサブ制御基板58に出力される。CPU581は、サブ制御基板処理において、受信したスペック指定コマンドが示す実装スペックに応じた演出制御を実行可能である。なお、スペック別の演出内容については、説明を省略する。
図13に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S201)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S201:NO)、処理はS204の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S201:YES)、主基板41から受信した変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが、RAM582に記憶される(S202)。次いで、変動パターンに応じて報知演出が制御される(S203)。これにより、表示画面28において、演出図柄28A〜28Cの変動表示を含む報知演出が開始される。処理はS204の判断へ移行する。
次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S204)。特別図柄停止コマンドを受信していない場合(S204:NO)、処理はS206の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S204:YES)、大当たり判定の判定結果を示す演出図柄28A〜28Cの組合せが確定表示され(S205)、報知演出が終了する。その後、処理はS206の判断へ移行する。
次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S206)。大当たり遊技開始コマンドを受信していない場合(S206:NO)、処理はS201の判断へ移行する。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S206:YES)、大当たり遊技演出を制御する大当たり遊技演出処理が実行される(S207)。大当たり遊技演出は、大当たり遊技中であることを遊技者に報知するために実行される演出であるが、詳細は後述する。処理はS201の判断へ移行する。
図14を参照して、大当たり遊技演出処理(S207、図13参照)の詳細について説明する。図14に示すように、大当たり遊技演出処理が開始されると、大当たり種別(本実施形態では、「8R通常」「8R確変」「16R確変」)に応じた大当たり遊技演出が開始される(S211)。RAM582に記憶されている入賞数カウンタおよび獲得数カウンタが、それぞれ初期値である「0」にリセットされる(S212)。入賞数カウンタは、大当たり遊技状態の1ラウンド中に大入賞口16に入賞した遊技球数を示す。獲得数カウンタは、1回の大当たり遊技状態において遊技者が獲得した賞球数を示す。本実施形態では、獲得数カウンタが示す獲得数は、大当たり遊技中に払い出される賞球のうち、大入賞口16および普通入賞口17の何れかへの入賞時に払い出される賞球の総数に相当する。
次いで、大入賞口16が開放されたか否かが判断される(S213)。主基板41から大入賞口開放コマンドが受信された場合、大入賞口16が開放されたと判断される(S213:YES)。この場合、主基板41から入賞指定コマンドが受信されたか否かが判断される(S214)。本実施形態では、先行コマンドが「A8」を示す制御コマンドが受信された場合(図12参照)、入賞指定コマンドが受信されたと判断される(S214:YES)。
入賞指定コマンドが受信された場合、大入賞口16に入賞したか否かが判断される(S215)。本実施形態では、ROM583の入賞指定テーブルを参照して、受信した入賞指定コマンドの最大入賞数(後続ビット4〜6)が、大入賞口16の最大入賞数を示すか否かが判断される。具体的には、後続ビット4〜6が「1」〜「6」の何れかを示す場合(図12参照)、大入賞口16に入賞したと判断される(S215:YES)。この場合、RAM582に記憶されている入賞数カウンタの値が「1」加算される(S216)。
次いで、この入賞数カウンタの値が、指定最大入賞数を超えたか否かが判断される(S217)。指定最大入賞数は、受信した入賞指定コマンドが示す最大入賞数である。なおCPU581は、ROM583の入賞指定テーブルを参照して、受信した入賞指定コマンドの後続ビット4〜6に対応する最大入賞数を指定最大入賞数に特定すればよい(図12参照)。本実施形態では、大入賞口16への入賞時に、後続ビット4〜6が「5」を示す入賞指定コマンドが出力されるため、指定最大入賞数として「9個」が特定される。
入賞数カウンタの値が指定最大入賞数を超えたと判断された場合(S217:YES)、大当たり遊技の1ラウンド中に指定最大入賞数を超える数量の遊技球が、大入賞口16に入賞したことを意味する(所謂、オーバー入賞)。この場合、所定のオーバー入賞演出が行われる(S218)。例えば、オーバー入賞が発生したことを遊技者に報知して祝福するために、パチンコ機1の電飾を所定パターンで点灯したり、スピーカ48から所定のオーバー入賞音を出力したりすることが例示される。
ただし、過剰なオーバー入賞は、遊技者の不正操作に起因する可能性がある。従って、オーバー入賞した遊技球の数量が規定値を超えた場合には、S218のオーバー入賞演出として所定のエラー報知が行われてもよい。このエラー報知は、ホール店員または遊技店舗がエラー発生を認識できるような態様であることが好適である。例えばエラー報知として、パチンコ機1の電飾をエラー用パターンで点灯、スピーカ48から所定のオーバー入賞音を出力、遊技島のランプをエラー用パターンで点灯、ホールコンにエラー信号を出力などが例示される。入賞数カウンタの値が指定最大入賞数を超えていない場合(S217:NO)、処理はS220へ移行する。
一方、本実施形態では、受信した入賞指定コマンドの最大入賞数(後続ビット4〜6)が、普通入賞口賞球を示す「7」である場合(図12参照)、複数の普通入賞口17の何れかに入賞したと判断される(S215:NO)。この場合、普通入賞口17への入賞を報知するための音声(普通入賞報知音)がスピーカ48から出力される(S219)。これにより、遊技者は大当たり遊技中に、相対的に賞球数の多い普通入賞口17に入賞したことを認識できる。その後、処理はS220へ移行する。
次いで指定賞球数が、RAM582に記憶されている獲得数カウンタの値に加算される(S220)。指定賞球数は、受信した入賞指定コマンドが示す賞球数である。なおCPU581は、ROM583の入賞指定テーブルを参照して、受信した入賞指定コマンドの後続ビット0〜3に対応する賞球数を指定賞球数に特定すればよい(図12参照)。本実施形態では、大当たり遊技中における普通入賞口17への入賞時に、後続ビット0〜3が「10」を示す入賞指定コマンドが出力されるため、指定賞球数として「10個」が獲得数カウンタの値に加算される。また、大入賞口16への入賞時に、後続ビット0〜3が「14」を示す入賞指定コマンドが出力されるため、指定賞球数として「14個」が獲得数カウンタの値に加算される。
次いで、RAM582に記憶されている獲得数カウンタに基づいて、以下に例示するように獲得数表示が更新される(S221)。図15に例示するように、大当たり遊技中には、大当たり遊技演出画面280が表示画面28に表示制御される。大当たり遊技演出画面280には、大当たりであることを示すメッセージ、大当たりの図柄組合せを示す演出図柄28A〜28Cのほか、獲得数表示281およびラウンド数表示282などが表示される。S221では、RAM582に記憶されている獲得数カウンタの値が、獲得数表示281に現在の獲得数として表示される。
なお、ラウンド数表示282は、大当たり遊技状態における現在のラウンド数を示す。CPU581は、主基板41から送信された大入賞口開放コマンドや大入賞口閉鎖コマンドの受信回数によって、現在のラウンドを特定できる。CPU581は、大入賞口開放コマンドや大入賞口閉鎖コマンドの受信に応じて、ラウンド数表示282に表示される現在のラウンド数を適宜更新する。
次いで、大入賞口16が閉鎖されたか否かが判断される(S222)。なお、主基板41から入賞指定コマンドが受信されていない場合も(S214:NO)、処理はS222に移行する。主基板41から大入賞口閉鎖コマンドが受信された場合、大入賞口16が閉鎖されたと判断される(S222:YES)。この場合、1ラウンド分の大入賞口16の開放動作が終了したため、RAM582に記憶されている入賞数カウンタが初期値である「0」にリセットされて(S223)、処理はS224に移行する。大入賞口16が閉鎖されていない場合(S222:NO)、1ラウンド分の大入賞口16の開放動作が継続しているため、処理はS214に戻る。
S223の実行後、大当たり遊技終了であるか否かが判断される(S224)。なお、大入賞口16が開放されていない場合も(S213:NO)、処理はS224に移行する。主基板41から大当たり遊技終了コマンドが受信された場合、大当たり遊技終了であると判断されて(S224:YES)、処理はサブ制御基板処理に戻る。大当たり遊技終了でない場合(S224:NO)、処理はS213に戻る。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1によれば、主基板41(詳細には、CPU51)は、所定条件の成立時に実行する抽選処理(例えば、始動口入賞に基づく大当たり判定)と、抽選処理の結果が当たりである場合に可変入賞領域(例えば、大入賞口16)を開閉させる当たり遊技を含んだ遊技動作を制御する。サブ制御基板58(詳細には、CPU581)は、主基板41が出力する制御コマンドに基づいて演出動作を制御する。主基板41は、可変入賞領域への遊技球の入賞を契機として、主基板41が設定した可変入賞領域の最大入賞数を示す入賞指定コマンドを、サブ制御基板58に出力する(S141)。サブ制御基板58は、少なくとも電源投入時には可変入賞領域の最大入賞数が設定されておらず、主基板41から出力された入賞指定コマンドが示す可変入賞領域の最大入賞数に応じて、演出動作(例えば、大当たり遊技演出時のオーバー入賞演出)を制御する(S218)。
これによれば、少なくとも電源投入時に可変入賞領域の最大入賞数が設定されていないサブ制御基板58に対して、主基板41から可変入賞領域の最大入賞数が指示される。サブ制御基板58は、可変入賞領域の最大入賞数が予め設定されていなくても、可変入賞領域の最大入賞数に応じた演出動作を実行できる。その結果、可変入賞領域の最大入賞数をサブ制御基板58に予め設定した場合と比べて、可変入賞領域の最大入賞数のパターンをより多様化しつつ、可変入賞領域の最大入賞数に応じた演出動作を実行でき、更に以下の作用効果を奏する。
従来の遊技機では、実装スペックにおける可変入賞領域の最大入賞数が、サブ制御基板に予め設定されていた。そのため、例えばパチンコ機の製造販売後に同一機種の新スペックが追加された場合、新スペックのパチンコ機のサブ制御基板に、新スペックの可変入賞領域の最大入賞数を設定する必要があった。その結果、同一機種のパチンコ機であっても、旧スペックと新スペックとで共通のサブ制御基板を使用できない場合があった。
これに対し、本実施形態のパチンコ機1によれば、例えばパチンコ機の製造販売後に同一機種の新スペックが追加された場合、新スペックのパチンコ機1では主基板41からサブ制御基板58に対して、新スペックの可変入賞領域の最大入賞数を指示できる。そのため、旧スペックのパチンコ機1と新スペックのパチンコ機1とで共通のサブ制御基板を使用できる。即ち、同一機種のパチンコ機1では、各々のメイン側で制御される実装スペックが異なる場合でも共通のサブ側構成を使用できるため、パチンコ機1の製造コストや製造負担を抑制できる。
また、主基板41は、所定領域(例えば、大入賞口16または普通入賞口17)への遊技球の入賞を契機として、所定領域に応じた数量の賞球を遊技者に付与する(S136、S140)。主基板41は、当たり遊技中における所定領域への遊技球の入賞を契機として、主基板41が設定した所定領域への入賞時の賞球数を示す入賞指定コマンドを、サブ制御基板58に出力する(S138、S141)。サブ制御基板58は、少なくとも電源投入時には所定領域の賞球数が設定されておらず、主基板41から出力された入賞指定コマンドが示す所定領域の賞球数に応じて、演出動作(例えば、大当たり遊技演出時の獲得数表示)を制御する(S221)。
これによれば、少なくとも電源投入時に所定領域の賞球数が設定されていないサブ制御基板58に対して、主基板41から所定領域の賞球数が指示される。サブ制御基板58は、所定領域の賞球数が予め設定されていなくても、所定領域の賞球数に応じた演出動作を実行できる。その結果、所定領域の賞球数をサブ制御基板58に予め設定した場合と比べて、所定領域の賞球数のパターンをより多様化しつつ、所定領域の賞球数に応じた演出動作を実行できる。更に、同一機種のパチンコ機1では、各々のメイン側で制御される実装スペックが異なる場合でも共通のサブ側構成を使用できるため、パチンコ機1の製造コストや製造負担を抑制できる。
また、所定領域は可変入賞領域(例えば、大入賞口16)を含む。サブ制御基板58は、当たり遊技中における可変入賞領域への遊技球の入賞を契機として、可変入賞領域への入賞時に付与される賞球数を示す入賞指定コマンドを、サブ制御基板58に出力する(S141)。これによれば、サブ制御基板58は、可変入賞領域の最大入賞数および賞球数が予め設定されていなくても、可変入賞領域の最大入賞数および賞球数に応じた演出動作を実行できる。
また、所定領域は可変入賞領域とは異なる通常入賞領域(例えば、普通入賞口17)を含む。サブ制御基板58は、当たり遊技中における通常入賞領域への遊技球の入賞を契機として、通常入賞領域への入賞時に付与される賞球数を示す入賞指定コマンドを、サブ制御基板58に出力する(S138)。これによれば、サブ制御基板58は、通常入賞領域の賞球数が予め設定されていなくても、通常入賞領域の賞球数に応じた演出動作を実行できる。
また、主基板41は、当たり遊技中における所定領域への遊技球の入賞を契機として、主基板41が設定した最大入賞数および賞球数を示す一つのコマンドである入賞指定コマンドを、サブ制御基板58に出力する。これによれば、一つの入賞指定コマンドのみで効率的に、可変入賞領域の最大入賞数と所定領域の賞球数との両方をサブ制御基板58に指示できる。
また、入賞指定コマンドは、可変入賞領域の最大入賞数を示す第一ビット群(例えば、後続ビット4〜6)と、所定領域の賞球数を示す第二ビット群(例えば、後続ビット0〜3)とを一バイトに含む。これによれば、一バイトの入賞指定コマンドのみで効率的に、可変入賞領域の最大入賞数と所定領域の賞球数との両方をサブ制御基板58に指示できる。
上記実施形態において、パチンコ機1が本発明の「遊技機」に相当する。主基板41(詳細には、CPU51)が、本発明の「主制御手段」に相当する。サブ制御基板58(詳細には、CPU581)が、本発明の「サブ制御手段」に相当する。大入賞口16が本発明の「可変入賞領域」に相当する。大入賞口16および普通入賞口17の各々が、本発明の「所定領域」に相当する。普通入賞口17が本発明の「通常入賞領域」に相当する。入賞指定コマンドが、本発明の「第一コマンド」および「第二コマンド」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、各種変形が可能である。例えば、本発明は、パチンコ機のみならず、パチコン機、アレンジボール機などにも適用できる。サブ制御基板58は、入賞指定コマンドによって指示される情報(最大入賞数および賞球数の少なくとも一つ)を、少なくとも電源投入時に設定されていなければよい。従って、パチンコ機1の電源投入後は、入賞指定コマンドによって指示された情報が、サブ制御基板58に設定されてもよい。
入賞指定コマンドの構成は、上記実施形態に限定されず、最大入賞数および賞球数の少なくとも一つをサブ制御基板58に指示可能であればよい。例えば入賞指定コマンドは、可変入賞領域への入賞を契機として、可変入賞領域の最大入賞数のみを指示する構成でもよい。入賞指定コマンドは、所定領域への入賞を契機として、所定領域の賞球数のみを指示する構成でもよい。即ち、可変入賞領域の最大入賞数を指示する入賞指定コマンドと、所定領域の賞球数を指示する入賞指定コマンドとが、別々に設けられてもよい。また、可変入賞領域の賞球数を指示する入賞指定コマンドと、通常入賞領域の賞球数を指示する入賞指定コマンドとが、別々に設けられてもよい。
なお、上記実施形態では、各入賞口の入賞情報(最大入賞数および賞球数)のうちで、大入賞口16および普通入賞口17の各入賞情報のみが、サブ制御基板58の大当たり演出動作に使用される。そのため、大当たり遊技時における大入賞口16および普通入賞口17への入賞を契機として、それらの入賞情報を指示する入賞指定コマンドがサブ制御基板58に出力される。本発明はこれに限定されず、サブ制御基板58の演出動作に使用される入賞情報が、その入賞情報に対応する領域への入賞を契機として、且つサブ制御基板58の演出動作に必要なタイミングで、主基板41からサブ制御基板58に指示されればよい。
例えば、全ての入賞可能領域(例えば、第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16、普通入賞口17)の入賞情報がサブ側の演出動作に使用される構成であれば、それらの入賞可能領域の何れかへの入賞を契機として入賞指定コマンドが出力されてもよい。一例として、図11に示す払出処理において、S132の実行後にS137およびS138と同じ処理を実行し、且つS134の実行後にS137およびS138と同じ処理を実行してもよい。この場合、遊技球が第一始動口14又は第二始動口15に入賞した場合でも、遊技球が普通入賞口17に入賞した場合と同様に、大当たり遊技状態であれば入賞指定コマンドをサブ制御基板58に出力できる。
また、一部の入賞領域(例えば、大入賞口16のみ)の入賞情報がサブ側の演出動作に使用される構成であれば、その入賞可能領域への入賞のみを契機として入賞指定コマンドが出力されてもよい。また、入賞情報が大当たり演出動作以外の演出動作(例えば、通常遊技時や図柄変動時の演出動作など)に使用される構成であれば、大当たり遊技状態以外の遊技状態においても入賞を契機として入賞指定コマンドが出力されてもよい。更に、入賞指定コマンドは、一回の入賞ごとに出力される態様に限定されず、複数回の入賞ごとに出力される態様でもよい。
図16に示す変形例の入賞指定コマンドは、図12と同様に「A8」を示す先行コマンドおよび後続コマンドの2バイト構成であるが、後続コマンドのデータ構成が異なる。後続ビット4〜6は、最大8パターンの賞球数の何れかを指示可能である。後続ビット2〜3は、最大4パターンの最大入賞数の何れかを指示可能である。後続ビット0〜1は、最大4パターンの入賞種別の何れかを指示可能である。例えば、大入賞口16の最大入賞数が「8個」および賞球数が「13個」で構成された遊技機では、大入賞口16への入賞を契機として、後続ビット4〜6が「3」を示し、後続ビット2〜3が「2」を示し、後続ビット0〜1が「3」を示す入賞指定コマンドが出力される。本変形例の入賞指定コマンドによれば、全ての入賞可能領域の何れかに入賞した場合に、その入賞した入賞可能領域に対応する入賞情報をサブ側に指示可能である。
ところで本発明は、サブ側の演出動作に必要な情報(上記実施形態では、最大入賞数お賞球数)が、少なくとも電源投入時にはサブ側に設定されておらず、電源投入後にメイン側からサブ側に指示されるという技術的特徴がある。かかる技術的特徴によれば、上述のようにメイン側からサブ側に指示される情報は、最大入賞数および賞球数に限定されず、他の情報にも適用できる。
以下に説明する変形例のパチンコ機1は、メイン処理(図7参照)において、主基板41で制御されている現在の遊技状態を示す状態指定コマンドが、所定のタイミングでサブ制御基板58に出力される。所定のタイミングとしては、パチンコ機1の電源投入時、遊技状態の変化時、図柄確定時間の経過後、大当たり遊技状態の終了後などが例示される。
図17に示すように、本変形例の状態指定コマンドは、入賞指定コマンドと同様に2バイト構成のコマンドであり、1バイト(8ビット)の先行コマンドと、1バイト(8ビット)の後続コマンドとを含む。本例の先行コマンドは、上位4ビット(先行ビット4〜7)の数値である「A」と、下位4ビット(先行ビット0〜3)の数値である「C」から成る「AC」によって、コマンド種別が「状態指定コマンド」であることを示す。後続コマンドは、最上位の後続ビット7が固定値の「0」であり、3つの後続ビット3,5,6は不使用である。
後続ビット4は、パチンコ機1の機種属性を示す機種情報を、最大2パターン(通常スペック機種および特定スペック機種)の何れかで指示可能である。後続ビット0〜2は、現在の遊技状態を最大8パターン(低確率時短なし、低確率時短あり、高確率時短あり、大当たり遊技中、大当たり終了デモ中など)の何れかを指示可能である。本実施形態では、特定スペック機種は、相対的に大当たり確率が高いスペックのパチンコ機1(所謂、甘デジ)を示す。特定スペック機種では、後述するように所定タイミングで特殊な演出(例えば、特殊デモ演出)が実行される。通常スペック機種は、特定スペック機種以外のパチンコ機1を示す。通常スペック機種では、特定スペック機種で実行される特殊な演出は行われない。
主基板41のROM53に記憶されている実装スペックのスペック情報には、機種情報として通常スペック機種または特定スペック機種が予め設定されている。CPU51は、上述した所定のタイミングに、ROM53のスペック情報に設定されている機種情報と、現在の遊技状態とを示す状態指定コマンドをサブ制御基板58に出力する。サブ制御基板58のROM583には、図17(B)に示す状態指定コマンドのコマンド情報を定義した状態指定テーブルが記憶されている。サブ制御基板58のCPU581は、受信した状態指定コマンドに基づいて状態指定テーブルを参照することで、実装スペックの機種情報および現在の遊技状態を特定できる。
更にCPU581は、サブ制御基板処理(図13参照)において、受信した状態指定コマンドの機種情報が「特定スペック機種」を指示する場合に、所定のタイミングで特殊な演出を実行する。一例として、大当たり遊技の終了後や所定の調整画面の表示後などに、図18に示す特殊デモ画面283が表示画面28に表示制御される。特殊デモ画面283は、パチンコ機1が初心者向きであるメッセージを含むデモ画面である。なお、CPU581は、サブ制御基板処理(図13参照)において、受信した状態指定コマンドの機種情報が「通常スペック機種」を指示する場合、特殊デモ画面283に代えて通常のデモ画面を表示制御してもよい。本変形例によれば、少なくとも電源投入時には先述の機種情報がサブ側に設定されておらず、メイン側からサブ側に先述の機種情報が指示されるため、複数のパチンコ機1で共通のサブ側構成を使用しつつも、各パチンコ機1で機種情報に応じた演出動作を容易に実行できる。
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、演出装置、図柄表示部、電動役物、入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「主制御手段」や「サブ制御手段」等は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。