JP2018011691A - インプラント部材の孔構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクリュー等の雄ねじ部材の角度を変更しても、インプラント部材と螺合可能な孔構造を提供する。【解決手段】インプラント部材に形成される孔構造1であって、孔50と、孔50の内周面に形成され、周方向に沿って孔50の中心からの距離が次第に変化することで径方向内側に凸状となる螺合用突起52と、を備え、螺合用突起52が孔50の軸方向に沿って複数並列配置されることで列状突起群60を構成し、この列状突起群60が、孔50の周方向に複数配設されるようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、体内に配設されるインプラント部材に対して、雄ねじ等を螺合させる際に用いられる孔構造に関する。
従来、骨折した骨同士を結合したり、骨の姿勢を矯正したりするために、インプラント部材が体内に配設される。また、このインプラント部材を、骨に添え付ける際にスクリューが用いられる。骨に対してスクリューを直接的に結合させる場合は、スクリューにタッピングねじ部を形成すると共に、骨側にタップ孔を形成し、スクリューを骨側のタップ孔にねじ込んで固定する(特許文献1参照)。
一方、インプラント部材とスクリューを直接締結することが求められる場合がある。この場合は、インプラント部材の孔を雌ねじ孔とし、スクリューの頭部に雄ねじを形成し、雌ねじ孔と頭部を螺合させて両者を締結する。この場合、雌ねじ孔の中心軸に対して、スクリューの角度を自由に変更できると便利である。例えば、スクリューの頭部をタッピングねじとし、雌ねじ孔を柔らかい材料で構成することで、頭部によって雌ねじ孔にねじ溝を変形加工しながら、両者を締結することも提案されている(特許文献2参照)。
特開平10−85232号公報 特許5058541号公報
特許文献2の締結構造の場合、インプラント部材の雌ねじ孔に、ねじ溝を刻み込みながら締結する必要がある為、締結時のスクリューの回転抵抗が大きく、医師の負担が大きいという問題があった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、スクリューとの相対角度を自在に変更しつつ、容易に締結可能な、インプラント部材の孔構造を提供しようとするものである。
本発明者らの鋭意研究により、上記目的は以下の手段によって達成される。
上記目的を達成する本発明は、体内に配設されるインプラント部材に形成され、雄ねじ部材と締結され得る孔構造であって、孔と、前記孔の内周面に形成され、周方向に沿って前記孔の中心からの距離が次第に変化することで径方向内側に凸状となる螺合用突起と、を備え、前記螺合用突起が前記孔の軸方向に沿って複数並列配置されることで列状突起群を構成し、前記列状突起群が、前記孔の周方向に複数配設されることを特徴とするインプラント部材の孔構造である。
上記孔構造に関連して、少なくとも一対の前記列状突起群が、前記孔の径方向に対向するように配設されることを特徴とする。
上記孔構造に関連して、三以上の前記列状突起群が、前記孔に配設されることを特徴とする。
上記孔構造に関連して、四以上の前記列状突起群が、前記孔に配設されることを特徴とする。
上記孔構造に関連して、前記列状突起群は、少なくとも三以上の前記螺合用突起を有することを特徴とする。
上記孔構造に関連して、前記孔の中心軸を通る断面を軸方向断面と定義した場合、前記螺合用突起における突端の前記軸方向断面の形状が、山形状となることを特徴とする。
上記孔構造に関連して、前記螺合用突起は、前記雄ねじ部材と螺合する雌ねじ山の一部を構成しており、前記螺合用突起の突端の雌ねじ山の高さと比較して、該突端から周方向に離れた場所の前記螺合用突起の雌ねじ山の高さが低いことを特徴とする。
上記孔構造に関連して、複数の前記列状突起群は、多条雌ねじの雌ねじ山の一部を構成することを特徴とする。
上記孔構造に関連して、前記孔は、テーパを有することを特徴とする。
上記孔構造に関連して、前記孔の内周面には、螺旋状の雌ねじ山が連続的に形成され、前記雌ねじ山の一部又は全部によって、複数の前記列状突起群が構成されることを特徴とする。
上記孔構造に関連して、前記孔の軸方向から視た場合における前記螺合用突起の内側の輪郭形状が、凹状の第一部分円弧と、前記第一部分円弧と突端で連続し、前記第一部分円弧と中心を異にする凹状の第二部分円弧と、を有することを特徴とする。
上記目的を達成する本発明は、体内に配設されるインプラント部材に形成され、雄ねじ部材と締結され得る孔構造であって、孔と、前記孔の内周面に形成される螺旋状の雌ねじ山と、を備え、前記雌ねじ山の山高さが周方向に沿って増減を繰り返すことで、複数の高山領域及び低山領域が形成され、複数の前記高山領域の周方向位相を互いに一致させると共に、複数の前記低山領域の周方向位相を互いに一致させることを特徴とする。
上記孔構造に関連して、前記雌ねじ山の谷底は、略正円であることを特徴とする。
上記目的を達成する本発明は、体内に配設されるインプラント部材に形成され、雄ねじ部材と締結され得る孔構造であって、孔と、前記孔の内周面に形成される螺旋状の雌ねじ山と、を備え、前記孔の中心から前記雌ねじ山の谷底までの距離が、周方向に沿って増減を繰り返すことで、複数の突出領域と退避領域が形成され、複数の前記突出領域の周方向位相を一致させると共に、複数の前記退避領域の周方向位相を互いに一致させることを特徴とする。
本発明の孔構造によれば、スクリュー(雄ねじ部材)との相対角度を自在に変更しつつ、容易に締結可能となる。
本発明の実施形態に係る孔構造が適用されるプレート部材を示す斜視図である。 同孔構造を拡大して示す斜視図である。 (A)は同孔構造の正面図、(B)は同孔構造の底面図、(C)は(A)におけるC−C矢視断面図、(D)は(A)におけるD−D矢視断面図、(E)は(A)におけるE−E矢視断面図である。 (A)は同孔構造の一部を拡大して示す正面図であり、(B)は(A)におけるB−B矢視断面図である。 同孔構造の形成工程を示す(A)正面図、(B)断面図である。 同孔構造の形成工程を示す(A)正面図、(B)断面図、(C)正面図である。 (A)(B)共に同孔構造の形成工程を示す正面図である。 (A)(B)共に同孔構造の形成工程を示す正面図である。 (A)(B)共に同プレート部材を固定する際に用いられるスクリューを示す正面図及び側面図である。 相互同軸状態の孔構造と第二スクリューの螺合状態を示す断面図である。 相互傾斜状態の孔構造と第二スクリューの螺合状態を示す(A)正面図、(B)は(A)におけるB−B矢視断面図、(C)は(A)におけるC−C矢視断面図である。 同孔構造の他の構成例となる(A)正面図、(B)は(A)におけるB−B矢視断面図、(C)は(A)におけるC−C矢視断面図である。 (A)(B)共に、他の構成例となる孔構造と第二スクリューとの螺合状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、インプラント部材として、骨折した橈骨を固定する際に用いるプレートを例示し、プレートを締結する雄ねじ部材としてスクリューを用いる場合を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<全体説明>
図1には、骨折した橈骨を固定するプレート10が示されている。このプレート10は、第一スクリュー20と第二スクリュー30と第三スクリュー15によって、橈骨に添えられる。
プレート10は、橈骨の近位側に配置される本体部10Aと、遠位側に配置されるヘッド部10Bを有する。本体部10Aには、長手方向に沿って2つの挿入孔11が形成されて、先端に雄ねじ部が形成される第三スクリュー15が挿入されることで、本体部10Aと橈骨が締結される。ヘッド部10Bは、本体部10Aと比較して平面方向に拡張しており、橈骨の遠位側の端縁に沿って3つの挿入孔12Aが設けられる。また、この挿入孔12Aよりも近位側に隣接して2つの挿入孔12Bが設けられる。本実施形態では、近位側の2つの挿入孔12Bに対して、本実施形態の孔構造1が適用される。
なお、プレート10にはKワイヤ孔19が形成されておき、Kワイヤを利用してプレート10と橈骨の相対位置を予め決めることも可能となっている。
<孔構造の説明>
図2及び図3には、孔構造1が拡大して示される。孔構造1は、孔50と、孔50の内周面に形成される複数の螺合用突起52を有して構成される。また、複数の螺合用突起52によって、列状突起群60が構成される。この列状突起群60は、孔50の周方向に複数配設される。なお、第二スクリュー30との締結力を高めるために、列状突起群60は、少なくとも三以上の螺合用突起52によって構成されることが好ましい。
図3(C)に示すように、孔50は、テーパ状(又はすり鉢状)となっており、軸外側方向Ao側が大径で、軸内側方向Ai(骨側)が小径となる。
図4(A)に拡大して示すように、孔50における軸外側方向Aoに最外に位置する螺合用突起52における内周縁52Aは、その孔50の中心Cからの距離R1、R2、R3が周方向に沿って次第に変化する。螺合用突起52の突端53は、孔50の中心Cからの距離R2が最も近くなり、突端53を起点として周方向両外側に移動するにつれて、螺合用突起52の内周縁の中心Cからの距離R1、R3が大きくなる。結果、孔50を軸視した場合に、螺合用突起52は、仮想的な正円を基準として径方向内側に凸状に突出する。
螺合用突起52の内周縁52Aの輪郭形状は、中心C1とする凹状の第一部分円弧E1と、中心C2とする第二部分円弧E2を有して構成される。
中心C1は、孔50の中心Cと突端53を結ぶ半径方向から周方向に約45°の位相を有する場所において、螺合用突起52に向かって半径方向に接近する位置に配置される。その曲率半径RE1は、中心Cと突端53の距離R2と同等又はそれ以下に設定される。
中心C2は、中心C1と異なる場所となり、具体的には、孔50の中心Cと突端53を結ぶ半径方向から周方向に約−45°の位相を有する場所において、螺合用突起52に向かって半径方向に接近する位置に配置される。その曲率半径RE2は、中心Cと突端53の距離R2と同等又はそれ以下に設定され、曲率半径RE1と一致する。この結果、第一部分円弧E1と第2部分円弧E2は突端53で連続(交差)する。なお、第一部分円弧E1と第二部分円弧E2が正円弧となる場合を例示しているが、楕円等の部分円弧によって構成しても良く、また、他の形状であっても良い。
また、孔50の中心Cから突端53に向かう半径方向に沿った軸方向断面を基準軸方向断面と定義する場合、この螺合用突起52の基準軸方向断面の形状は、図4(B)に示すように山形状となる。従って、螺合用突起52は、スクリュー30における雄ねじ部材(詳細は後述)と螺合する為の雌ねじ山の一部を構成する。
更に螺合用突起52は、突端53における雌ねじ山の高さと比較して、突端53から周方向に離れるに連れて、雌ねじ山の高さが低くなる。具体的には、図3(C)乃至(E)の比較から判るように、螺合用突起52の基底面KA(雌ねじ山で表現すると谷底面と表現され、また、孔50の内周面と定義することもできる)を基準とした半径方向内側に向かう雌ねじ山の高さは、突端53(図3(C)参照)が最も高く、突端53の位置から周方向に+45°又は−45°の位相の場所の雌ねじ山の高さが最も低くなる(図3(D)及び(E)参照)。ただし、雌ねじ山の高さが最小となる場所であっても、雌ねじ山自体は存在しており、換言すると、隣接する雌ねじ山の間に、ねじ溝54が常に螺旋状に形成されている。
図3(C)に示すように、軸方向の外側(Ao)から内側(Ai)に向かって、複数の螺合用突起52が並列する。これらの並列する螺合用突起52の形状は、略同一形状となっている。また孔50はテーパ状となっている。複数の螺合用突起52によって列状突起群60が構成される。
更に、図3(A)に示すように、列状突起群60は、孔50の周方向に複数(ここでは4つ)配設される。より具体的に、少なくとも一対の列状突起群60は、孔50の中心Cに対して径方向に対向配設される。ここでは4つの列状突起群60が、周方向に均等間隔(つまり90°間隔)で配設されることで、計2対の列状突起群60が対向している。
また、図3(C)乃至(E)並びに図4(B)に示すように、各螺合用突起52は所定のリード角を有しており、結果として、複数の列状突起群60は、雌ねじ山の一部を構成する。即ち、孔50の内周面には、列状突起群60及びねじ溝54によって雌ねじが形成される。ここでは二条の雌ねじが構成されており、このように偶数条の雌ねじにすると、孔50の内周面において、中心Cを基準として径方向に対向する列状突起群60の形状を一致又は近似させることが可能となり、加工誤差を小さくできる。
周方向に隣接配置される列状突起群60の間には、部分円筒形状又は部分楕円筒形状(かつテーパ状)の凹部62が形成されることになる。この凹部62の空間を利用して、第二スクリュー30を傾斜させることができる。なお、列状突起群60の数は、周方向に2個以上とすることが好ましく、より好ましくは3個以上とし、更に望ましくは列状突起群60を4個以上とする。これらの間に形成される凹部62の数が増えるので、傾斜方向を多様化できる。一方で、第二スクリュー30を凹部62内に傾斜させるためには、凹部62の周方向角度範囲をある程度確保する必要がある為、凹部62の数は5個以下であることが好ましく、より望ましくは4個以下とする。また、列状突起群60は、周方向に均等間隔で配置されることが好ましく、例えば、2個の列状突起群60の場合は180°の位相差で、3個の列状突起群60の場合は120°の位相差で配設することが好ましい。
この孔構造1を、図3を参照して別の観点から説明する。
図3(C)に示すように、正円となるテーパ状の孔50の内周面KAには、螺旋状の雌ねじ山55が連続的に形成される。図3(A)に示すように、この雌ねじ山55は、山高さが周方向に沿って増減を繰り返すことで、複数の高山領域55A及び低山領域55Bが形成される。また、周回して繰り返される高山領域55Aの周方向位相を互いに一致させると共に、周回して繰り返される低山領域55Bの周方向位相を互いに一致させる。このようにすると、同位相において軸方向に並列配置される複数の高山領域55Aによって、列状突起群60が形成される。同位相において軸方向に並列配置される複数の低山領域55Bによって、凹部62が形成される。
次に、孔構造1の形成手順の例について図5以降を参照して説明する。
まず、図5に示すように、プレート10に形成される開口の内周面に、切削加工又は転造加工等によって、二条となる一般的な雌ねじ山55を螺旋状に形成する。この工程で、テーパ状の孔50も同時に形成されることになる。
次いで、図6(A)及び(B)に示すように、孔50よりも小さい相似形となる仮想円錐Sを、半径方向にオフセットさせて雌ねじ山55と干渉させた状態の切削軌跡S1が得られるように、雌ねじ山55の一部を削除する。結果、図6(C)に示すように、雌ねじ山55の一部が、半径方向外側に削られることで凹部62が形成される。同様に、図7(A)に示すように、仮想円錐Sのオフセット方向の位相を、図6に対して180°反対にした切削軌跡S2が得られるように、雌ねじ山55の一部を削除する。結果、図7(B)に示すように、雌ねじ山55の一部が、半径方向外側に削られることで二つ目の凹部62が形成される。
この図6及び図7と同様の工程を、90°オフセット方向をずらして実行することで、図8(A)に示すように、切削軌跡S3、S4が得られるように雌ねじ山55の一部を削除する。結果、図8(B)に示すように、雌ねじ山55の一部が、半径方向外側に削られることで二つの凹部62が新たに形成される。以上の工程によって周方向の4か所に凹部62が形成され、その結果として、凹部62の間に列状突起群60が創出される。なお、この切削順序は適宜変更することができる。
なお、遠位側の挿入孔12Aは、近位側の挿入孔12Bと比較して大きさが小さいが、挿入孔12Aの孔構造は、テーパ状の孔の内周面に二条となる雌ねじ山が形成されるのみであり、ここでの詳細な図示及び説明を省略する。
<スクリューの説明>
図9を参照して第一スクリュー20と第二スクリュー30について説明する。なお、両スクリュー20,30は、軸方向長さを除けば、第一スクリュー20が第二スクリュー30と比較して小さい相似形状であることから、互いの符号の下一桁を一致させるとともに、ここでは第二スクリュー30を説明することで、第一スクリュー20の説明を省略する。
第二スクリュー30は、頭部32と軸部34を有する。頭部32は、軸方向外側が大径で、軸部34側(先端側)が小径のテーパ形状となる。頭部32の周面には、孔構造1と同じリード角となる二条の螺旋条の雄ねじ部36が形成される。また、頭部32の端面には、六角型又は六星型等の穴32Aが形成されており、六角棒レンチ等と係合して、締め付けることができる。なお、本実施形態では、軸部34の周面にねじ部が形成されていない場合を例示しているが、本発明はこれに限定されない。
<孔構造の作用>
次に、孔構造1と第二スクリュー30の螺合態様について説明する。図10に示すように、孔構造1の中心軸J1と第二スクリュー30の中心軸J2が同軸となる場合、第二スクリュー30の頭部32が、孔構造1の深い方まで進入して、雄ねじ部36に対して、全ての列状突起群60及び雌ねじ溝54が螺合して締結される。
一方、図11に示すように、孔構造1の中心軸J1に対して、第二スクリュー30の中心軸J2が傾斜(孔構造1の凹部62方向に傾斜)する場合、第二スクリュー30の頭部32が、孔構造1の浅い位置にとどまりつつ、図11(C)に示すように、雄ねじ部36と列状突起群60が螺合して締結される。この際、図11(B)に示すように、傾斜方向の凹部62に形成される雌ねじ溝54は、雄ねじ部36と部分的に当接するが、螺合はしない。雌ねじ溝54に雄ねじ部36が部分的に当接する(当てられる)ことによって接触面積が増えるので、凹部62に雌ねじ溝を形成しない場合と比較して、孔とスクリューの締結をより強固にすることが可能である。また上述の通り、螺合用突起52は、突端53における雌ねじ山の高さと比較して、突端53から周方向に離れるにつれて、雌ねじ山の高さが低くなる。つまり、雌ねじ溝54と雄ねじ部36との間にクリアランスが生じ、このクリアランスが孔に対する第二スクリュー30の傾斜を許容する。従って、本実施形態の孔構造1によれば、4つの凹部62の方向に、第二スクリュー30を自在に傾斜させた状態で締結することが可能となる。
以上の本実施形態の孔構造1によれば、周方向に沿って孔50の中心Cからの距離が次第に変化するように、径方向内側に凸となる螺合用突起52によって、複数の列状突起群60が構成されるので、第二スクリュー30を、孔50の軸方向に対して傾斜させても、雄ねじ部36と螺合することが可能となる。
特に本螺合用突起52は、孔50の軸方向から視た場合における内側の輪郭形状が、第一部分円弧E1と第二部分円弧E2を有して構成されるので、第一部分円弧E1又は第二部分円弧E2によって形成される凹部62によって、第二スクリュー30の頭部32を滑らかに受け入れることができる。
また、少なくとも一対の列状突起群60が、孔50の径方向に対向するように配設されるので、当該径方向と直交する径方向に、第二スクリュー30を傾斜させることができる。また、この列状突起群60は、突端53の軸方向断面の形状が、山形状となっており、雌ねじ山の一部として機能できるので、第二スクリュー30との締結力を高めることが可能となる。
更に本実施形態の螺合用突起52は、突端53の雌ねじ山の高さが最も高くなり、そこから周方向に離れるにつれて、雌ねじ山の高さが次第に低くなって凹部62を形成できるようになっている。これにより、孔構造1は雌ねじの機能を発揮しつつも、凹部62によって、第二スクリュー30の傾斜用の余裕空間を確保することができる。
また、本孔構造1の孔50は、部分円錐等のテーパ形状となることから、雄ねじ部36と同軸となる場合は、孔50が雄ねじ部36を軸方向の奥まで受け入れて、互いに螺合することが可能となり、一方、雄ねじ部36が傾斜する場合は、孔50に対して雄ねじ部36が浅い位置で螺合することができる。
なお、上記実施形態では、図3に示したように、雌ねじ山55の谷底面KAの軌跡を略正円とし、雌ねじ山55の山高さを周方向に変化させることで螺合用突起52を形成する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図12に示すように、孔50の中心から、螺旋状の雌ねじ山55の谷底KBまでの距離が周方向に沿って増減を繰り返すようにしても良い。このようにすると、雌ねじ山55の山高さを変化させなくても、谷底KB側の変位によって、複数の突出領域56Aと退避領域56Bを形成する事が可能となる。この複数の突出領域56Aの周方向位相を互いに一致させると共に、複数の退避領域56Bの周方向位相を互いに一致させれば、列状突起群60及び凹部62を形成することが可能となる。結果、図13に示すように、傾斜する第二スクリュー30と螺合することが可能となっている。
以上、本発明の孔構造を説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得る。
1 孔構造
10 プレート
10A 本体部
10B ヘッド部
12A 挿入孔
12B 挿入孔
15 スクリュー
19 ワイヤ孔
20 第一スクリュー
30 第二スクリュー
32 頭部
32A 穴
34 軸部
50 孔
52 螺合用突起
52A 内周縁
53 突端
54 溝
55 雌ねじ山
55A 高山領域
55B 低山領域
56A 突出領域
56B 退避領域
60 列状突起群
62 凹部
C 中心
E1 第一部分円弧
E2 第二部分円弧
KA 基底面
S 仮想円錐

Claims (14)

  1. 体内に配設されるインプラント部材に形成され、雄ねじ部材と締結され得る孔構造であって、
    孔と、
    前記孔の内周面に形成され、周方向に沿って前記孔の中心からの距離が次第に変化することで径方向内側に凸状となる螺合用突起と、を備え、
    前記螺合用突起が前記孔の軸方向に沿って複数並列配置されることで列状突起群を構成し、
    前記列状突起群が、前記孔の周方向に複数配設されることを特徴とするインプラント部材の孔構造。
  2. 少なくとも一対の前記列状突起群が、前記孔の径方向に対向するように配設されることを特徴とする、
    請求項1に記載のインプラント部材の孔構造。
  3. 三以上の前記列状突起群が、前記孔に配設されることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載のインプラント部材の孔構造。
  4. 四以上の前記列状突起群が、前記孔に配設されることを特徴とする、
    請求項3に記載のインプラント部材の孔構造。
  5. 前記列状突起群は、少なくとも三以上の前記螺合用突起を有することを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれかに記載のインプラント部材の孔構造。
  6. 前記孔の中心軸を通る断面を軸方向断面と定義した場合、
    前記螺合用突起における突端の前記軸方向断面の形状が、山形状となることを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれかに記載のインプラント部材の孔構造。
  7. 前記螺合用突起は、前記雄ねじ部材と螺合する雌ねじ山の一部を構成しており、
    前記螺合用突起の突端の雌ねじ山の高さと比較して、該突端から周方向に離れた場所の前記螺合用突起の雌ねじ山の高さが低いことを特徴とする、
    請求項1乃至6のいずれかに記載のインプラント部材の孔構造。
  8. 複数の前記列状突起群は、多条雌ねじの雌ねじ山の一部を構成することを特徴とする、
    請求項1乃至7のいずれかに記載のインプラント部材の孔構造。
  9. 前記孔は、テーパを有することを特徴とする、
    請求項1乃至8のいずれかに記載のインプラント部材の孔構造。
  10. 前記孔の内周面には、螺旋状の雌ねじ山が連続的に形成され、
    前記雌ねじ山の一部又は全部によって、複数の前記列状突起群が構成されることを特徴とする、
    請求項1乃至9のいずれかに記載のインプラント部材の孔構造。
  11. 前記孔の軸方向から視た場合における前記螺合用突起の内側の輪郭形状が、
    凹状の第一部分円弧と、
    前記第一部分円弧と突端で連続し、前記第一部分円弧と中心を異にする凹状の第二部分円弧と、
    を有することを特徴とする、
    請求項1乃至10のいずれかに記載のインプラント部材の孔構造。
  12. 体内に配設されるインプラント部材に形成され、雄ねじ部材と締結され得る孔構造であって、
    孔と、
    前記孔の内周面に形成される螺旋状の雌ねじ山と、を備え、
    前記雌ねじ山の山高さが周方向に沿って増減を繰り返すことで、複数の高山領域及び低山領域が形成され、
    複数の前記高山領域の周方向位相を互いに一致させると共に、複数の前記低山領域の周方向位相を互いに一致させることを特徴とする、
    インプラント部材の孔構造。
  13. 前記雌ねじ山の谷底は、略正円であることを特徴とする、
    請求項12に記載のインプラント部材の孔構造。
  14. 体内に配設されるインプラント部材に形成され、雄ねじ部材と締結され得る孔構造であって、
    孔と、
    前記孔の内周面に形成される螺旋状の雌ねじ山と、を備え、
    前記孔の中心から前記雌ねじ山の谷底までの距離が、周方向に沿って増減を繰り返すことで、複数の突出領域と退避領域が形成され、
    複数の前記突出領域の周方向位相を一致させると共に、複数の前記退避領域の周方向位相を互いに一致させることを特徴とする、
    インプラント部材の孔構造。
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