JP2018009923A - 流体測定装置 - Google Patents

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雄一 樋口
啓 桑原
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啓 桑原
笠原 亮一
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【課題】弾性体からなる管を流れる分散体を含む流体の流量や流速がより正確に測定できるようにする。【解決手段】複数の散乱体を含む管101を流れる流体に可干渉光を照射する光源102a,102b,102c,102dおよび対応する受光部103a,103b,103c,103dから構成された複数の測定系を配置し、演算部104で、複数の測定系の受光部103a,103b,103c,103dで光電変換された電気信号をもとに得られる流体の流速の平均値および流量の平均値の少なくとも1つを算出して出力する【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ光を用いて流路を流れる流体の流量や流速を測定する流体測定装置に関する。
流路を流れる流体の流量や流速を測定する技術が工業・医療分野などで幅広く利用されている。流量や流速を測定する装置としては、電磁流量計、渦流量計、コリオリ式流量計、レーザ流量計など様々な種類があり、用途に応じて使い分けられている。このうち、レーザ流量計は、レーザ光を用いることで、流路を流れる流体に接触することなく非接触で流量や流速を測定することが可能であるため、衛生的であることを必要とする用途や、既設の流路に流量計を挿入することができない用途などにおいて利用されている。
レーザ流量計としては、2光束式のレーザドップラー流量計がある(特許文献1参照)。この流量計では、まず、光源より出射したレーザ光をハーフミラーで2本のビームに分岐し、分岐した一方のビームをミラーに反射させ、2つのビームを流路中の一点に集光させる。流路内の流体に含まれる散乱体が集光点を通過すると光が散乱されるが、2本のビームからの散乱光は各々異なったドップラーシフトを受けている。
このような状態の散乱光を、フォトダイオードなどで電気信号に変換すると、ヘテロダイン検波が行われてビート信号が観測される。観測されるビート信号の周波数スペクトルを算出してピーク周波数を抽出すると、散乱体の移動速度を求めることができる。流れが層流であった場合、流路を流れる流体の平均流速や流量は、上述したことにより求めた散乱体の移動速度と比例関係となるため、流路に応じた比例定数を乗じて較正することで、流体の流速や流量を測定することができる。
上述した流体測定技術は、散乱体の移動速度の絶対値を計測することができるという優れた利点を有するが、ヘテロダイン検波を行うために一点に集光する2本のビームが必要となる。このため、複数の光学部品やこれらの高精度な位置合わせが要求され、装置が大型化する、また高コスト化するという問題がある。また、この技術は、流体中に含まれる散乱体の濃度が薄い場合に有効であり、散乱体の濃度が濃くなると、レーザ光が複数の散乱体によって多重散乱されてしまうため、ビート信号の観測が困難となるという問題がある。
レーザを用いた速度計測方法としては、スペックル法も利用されている。スペックル法は、粗面体や散乱体を含む流体などにレーザ光を照射したとき、不規則に散乱された光が干渉して生成されるランダムな斑点模様(=スペックル)を用いた速度計測法である。スペックルを生成する物体が移動する場合、スペックルも時間的に変動するため、例えばスペックルの2次元画像を取得し、スペックルの移動パタンを解析することで移動速度を求めることができる(非特許文献1参照)。この方法は、2次元的な画像の取得・解析が必要であることから、やはり装置が大型、高価になってしまうという問題がある。
光学系を簡易化する方法として、スペックルを二次元ではなく一点で計測する方法も考えられる。この場合、スペックルの変動に応じた不規則信号が観測され、観測される信号の自己相関関数から算出した時間相関長は、散乱体の移動速度と反比例の関係となることが知られている。また、時間相関長の代わりに、信号のパワースペクトルの傾きなどを利用することもできる。この原理は、粒子のブラウン運動の解析や、生体の皮膚血流の計測に利用されている(例えば特許文献2を参照)。
特開昭57−059173号公報 特開平07−92184号公報
相津 佳永 他著、「レーザー計測の基礎I:速度計測」、レーザー研究、第27巻第8号、572〜578頁、1999年。
ところで、上述した流体測定装置では、一般に、塩化ビニルなどの透光性を有するからなる管を流路としている。管の外壁に光源と受光部とを備えるセンサヘッドを配置し、管内を流れる散乱体を測定する。このような管は、弾性を有しているため、流路が曲がりやすい。流路の曲げなどは、流速分布の偏りを発生させて測定誤差となっている。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、弾性体からなる管を流れる分散体を含む流体の流量や流速がより正確に測定できるようにすることを目的とする。
本発明に係る流体測定装置は、弾性体からなる管と、管の周囲に配置され、複数の散乱体を含む管を流れる流体に可干渉光を照射する複数の光源と、いずれかの光源に対応して管の周囲に配置されて光源からの可干渉光の照射により流体に含まれる散乱体で散乱された光を受光して光電変換する複数の受光部と、光源および対応する受光部から構成された複数の測定系と、複数の測定系の受光部で光電変換された電気信号をもとに得られる流体の流速の平均値および流量の平均値の少なくとも1つを算出して出力する演算部とを備える。
上記流体測定装置において、測定系は、1つの光源と複数の受光部とから構成されていてもよい。
上記流体測定装置において、複数の光源および複数の受光部は、管の軸方向に垂直な平面と交わる管の同一周上に配列されているとよい。
上記流体測定装置において、複数の受光部は、等間隔で配置されている。
上記流体測定装置において、複数の受光部は、管の軸方向に垂直な平面と交わる管の同一周上において直交する位置に配置されている。
上記流体測定装置において、複数の光源は、各々異なる時点で可干渉光を照射する。
上記流体測定装置において、演算部は、受光部で光電変換された電気信号の高周波成分を取り出す信号取り出し部と、信号取り出し部が取り出した高周波成分をもとに流体の流速に相関する特徴量を算出する特徴量算出部と、特徴量より流体の流速および流量の少なくとも1つを算出する算出部とを備える。
以上説明したことにより、本発明によれば、弾性体からなる管を流れる分散体を含む流体の流量や流速がより正確に測定できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における流体測定装置の構成を示す構成図である。 図2は、演算部104の構成例を示す構成図である。 図3は、本発明の実施の形態における他の流体測定装置の構成を示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における流体測定装置の構成を示す構成図である。この流体測定装置は、まず、弾性体からなる管101を備える。管101は、流路となる。また、管101は、例えば塩化ビニルなどの弾性体から構成されている。また、管101の周囲に配置されて複数の散乱体を含む管101を流れる流体に可干渉光を照射する複数の光源102a,102b,102c,102dを備える。
また、この流体測定装置は、光源102a,102b,102c,102dに対応して管101の周囲に配置され、対応する光源102a,102b,102c,102dからの可干渉光の照射により流体に含まれる散乱体で散乱された光を受光して光電変換する複数の受光部103a,103b,103c,103dを備える。光源および対応する受光部から1つの測定系が構成され、この流体測定装置は、複数の測定系を備える。
例えば、光源102aに受光部103aが対応して1つの測定系を構成し、光源102bに受光部103bが対応して1つの測定系を構成し、光源102cに受光部103cが対応して1つの測定系を構成し、光源102dに受光部103dが対応して1つの測定系を構成している。なお、光源102a,102b,102c,102dおよび受光部103a,103b,103c,103dは、例えば、管101の軸方向に垂直な平面と交わる管101の同一周上に配列されているとよい。なお、測定系は、4組に限らず、5組以上の測定系を配置してもよい。
また、この流体測定装置は、複数の受光部103a,103b,103c,103dで光電変換された電気信号をもとに得られる流体の流速の平均値および流量の平均値の少なくとも1つを算出して出力する演算部104を備える。
演算部104は、例えば、図2に示すように、信号取り出し部141、特徴量算出部142、および算出部143を備える。信号取り出し部141は、受光部103aで光電変換された電気信号の高周波成分、受光部103bで光電変換された電気信号の高周波成分、受光部103cで光電変換された電気信号の高周波成分、および受光部103dで光電変換された電気信号の高周波成分を各々取り出す。
特徴量算出部142は、信号取り出し部141が取り出した各高周波成分をもとに、管101を流れる流体の流速に相関する特徴量を算出する。この例では、4つの受光部103a,103b,103c,103d(4つの測定系)で検出された結果より、各々4つの特徴量を算出する。算出部143は、特徴量より流体の流速および流量の少なくとも1つを算出する。
まず、光源102a,102b,102c,102dより干渉性を有する光源光を、流路となる管101を流れる流体に照射する。流体には光源光を散乱する散乱体が含まれている、また、管101は光源光に対して透過性を有する。光源光が流体内の散乱体によって散乱されると、その一部は、対応する受光部103a,103b,103c,103dによって受光される。受光部103a,103b,103c,103dは、例えば、フォトダイオードである。散乱体の濃度が低い場合には大部分の散乱光は単散乱となるが、濃度が増加するにつれて複数回の散乱を経てフォトダイオードに到達することとなる。様々な経路で散乱された光が干渉する結果、スペックル(speckle)が生じ、受光部103a,103b,103c,103dにおいてその一部が観測される。
ここで、管101の断面が円形状であり、流れが層流である場合を仮定すると、管101内の流速分布は、管101の中心で流速が最大となり、管101の円周部に近づくにつれて流速が低下する状態となる。流体の流れに伴い散乱体が移動にすることによって、スペックルも時々刻々と変化する。このように変動するスペックルの一部を受光部103a,103b,103c,103dにより受光して電気信号に変換する。
なお、流量や流速を精度よく求められるようにするためには、受光部103aによって受光される光には、光源102aから受光部103aに直接入射する光や、他の光源から受光部103aに直接入射する光や、管101および流体の表面において反射された光は極力含まれないようにすることが望ましい。他の光源と受光部との組み合わせも同様である。
受光部103a,103b,103c,103dが出力する電気信号は通常微弱であり、受光部103a,103b,103c,103dの出力電流はμAオーダ程度であるため、信号取り出し部141において、トランスインピーダンスアンプなどの増幅回路を用いて増幅し、例えば1V程度の扱いやすいレベルの電圧信号に変換する。
次に、信号取り出し部141において、ローパスフィルタを通して信号の低周波成分のみを抽出し、ADC回路によりデジタル信号に変換し、低周波デジタル信号を取得する。ローパスフィルタのカットオフ周波数としては、例えば1Hz程度とすればよい。ADC回路のサンプリング周波数は、測定する流量や流速の値の更新速度に合わせて、例えば1〜100Hz程度とすればよい。
一方、増幅回路の出力は、交流増幅回路により交流成分のみをさらに増幅し、ADC回路によりデジタル信号に変換することで、高周波デジタル信号(高周波成分)を取得する。増幅回路の出力のDC電圧が1V程度であったとすると、通常、AC電圧はmVオーダと小さいため、10倍〜1000倍程度の利得を持つ交流増幅回路で増幅し、扱いやすいレベルの電圧信号にするとよい。ADC回路のサンプリング周波数は、高速であるほどより速い流速まで計測することができるようになる。例えば、サンプリング周波数は1MHzであればよい。
上述したことにより取得した高周波デジタル信号より、特徴量算出部142によるデジタル信号処理によって特徴量を算出し、算出した特徴量より算出部143によるデジタル信号処理によって、流体の流速や流量を算出する。ここで、実施の形態では、例えば、特徴量算出部142において、算出した複数の特徴量の平均値を求める。例えば、特徴量算出部142では、算出した複数の特徴量の重み付け平均を取る。この平均値を用いて算出部143で流体の流速や流量を算出する。
次に、高周波デジタル信号から流体の流速に相関する特徴量を算出する方法について説明する。なお、一定の断面積を有する管101内を隙間なく流体が流れることを想定した場合、流速と流量は比例関係となるため、ここで求める特徴量は、流量に対しても相関する特徴量となる。
高周波デジタル信号は、スペックルの変動を表しており、ここから流速に相関する特徴量を抽出する方法には様々な既知の方法がある。例えば、高周波デジタル信号の自己相関関数から時間相関長を算出する方法、信号が一定時間内に基準電位と交差する回数を求める方法、パワースペクトルを解析してその傾きを求める方法などである。ここでは、後述する平均受光量を利用した較正が最も有効に機能する特徴量として、パワースペクトルのパワーと周波数の積和を用いる例を示す。
流速に相関する特徴量νを算出するため、まず、高周波デジタル信号をフーリエ変換し、そのパワーを算出することでパワースペクトルを得る。パワースペクトルが得られたら、次に、パワーP(f)と周波数fの積和を、以下に示す式により所定の周波数範囲にわたって演算する。
Figure 2018009923
上述したことにより算出したパワーと周波数の積和を演算した結果を実際の流量に対してプロットすることでグラフが作成できる。なお、パワーと周波数の積和によって算出した流速相関特徴量νが実際の流量や平均流速に対して非線型性を有する場合には、非線型性を補正する処理を加えてもよい。非線型性を生じる原因としては、例えば、増幅回路の周波数特性がフラットでない場合がある。非線型性の補正方法としては、「ν=Σ{P(f)×f×w(f)}」の式のように、パワーと周波数の積和を演算する際に、周波数毎に重み付け係数w(f)を乗じる方法がある。
例えば、信号取り出し部141における増幅回路のカットオフ周波数がfcut[Hz]であり、一次のローパスフィルタ特性を有する場合、重み付け関数に次式を用いることで、増幅回路の減衰特性を相殺し、相対流量の線型性を向上させることができる。
Figure 2018009923
増幅回路の周波数特性がより複雑な場合であっても、その伝達関数の振幅特性を|H(f)|とした場合、「w(f)=1/|H(f)|2」を重み付け関数として用いることで、増幅回路の周波数特性に依存した相対流量の非線型性を補正することが可能である。
また、「ν={Σ{P(f)×f}}G(Gは0より大きい実数)」の式のように、パワーと周波数の積和を演算した後に、累乗演算を行い流速相関特徴量νの非線型性を補正するようにしてもよい。また、「ν={Σ(P(f)×f×w(f))}G」のように、周波数毎に重み付け係数w(f)を乗じた状態で累乗演算を行い流速相関特徴量νの非線型性を補正するようにしてもよい。
前述したグラフのプロットを線型近似して傾きとオフセットを求め、較正パラメータとすれば、算出した特徴量を流量に換算することが可能である。
ところで、上述では、特徴量の平均値を求め、求めた特徴量の平均値より流量または流量を算出するようにしたが、これに限るものではない。例えば、高周波デジタル信号より得たパワースペクトルの重み付け平均を求め、求めたパワースペクトルの重み付け平均を用いて上述したことにより流量または流速を算出してもよい。
また、信号取り出し部141で取り出した複数の高周波成分の重み付け平均を求め、求めた重み付け平均を用い、特徴量算出部142で特徴量を算出し、算出部143で、流量または流速を算出してもよい。
また、受光部103aで光電変換された電気信号、受光部103bで光電変換された電気信号、受光部103cで光電変換された電気信号、および受光部103dで光電変換された電気信号を加算し、信号取り出し部141で加算した電気信号の高周波成分を各々取り出し、この高周波成分より特徴量算出部142で特徴量を算出し、算出部143で、流量または流速を算出してもよい。
ここで、複数の受光部103a,103b,103c,103dは、管101の軸方向に垂直な平面と交わる管101の同一周上に等間隔で配置することで、平均化の偏りが低減できるようになる。また、複数の受光部103a,103b,103c,103dは、管101の軸方向に垂直な平面と交わる管101の同一周上で、直交する位置に配置することで、軸毎の流量、流速を測定して平均化することができ、軸毎の偏りが低減できる。
また、光源102a,102b,102c,102dおよび受光部103a,103b,103c,103dによる測定を、同時に実施した結果により、上述した算出を実施してもよいが、光源102a,102b,102c,102dおよび受光部103a,103b,103c,103dによる測定を、各々異なる時刻に実施した結果により、上述した算出を実施してもよい。光源102a,102b,102c,102dから各々異なる時点で可干渉光を照射して測定を実施すればよい。
例えば、光源102aおよび受光部103aからなる測定系による第1測定を時刻tにおいて実施し、光源102bおよび受光部103bからなる測定系による第2測定を時刻t+0.1秒において実施し、光源102cおよび受光部103cからなる測定系による第3測定を時刻t+0.2秒において実施し、光源102dおよび受光部103dからなる測定系による第4測定を時刻t+0.3秒において実施する。
また、第1測定では、光源102b,102c,102d、受光部103b,103c,103dの動作は停止し、第2測定では、光源102a,102c,102d、受光部103a,103c,103dの動作は停止し、第3測定では、光源102a,102b,102d、受光部103a,103b,103dの動作は停止し、第1測定では、光源102a,102b,102c、受光部103a,103b,103cの動作は停止する。
上述したように、複数の測定系において、時分割で測定を実施した結果を用いることで、異なる測定系の光源光が漏れ光となってノイズとなることが抑制できるようになる。
また、上述では、1つの光源と1つの受光部とにより1つの測定系を構成したが、これに限るものではなく、1つの光源と2つの受光部とにより1つの測定系を構成してもよい。例えば、図3に示すように、弾性体からなる管201の周囲に、光源202aおよび2つの受光部231a,232aによる測定系と、光源202bおよび2つの受光部231b,232bによる測定系とを配置してもよい。この場合においても、光源202a,202bおよび受光部231a,232a,231b,232bは、例えば、管201の軸方向に垂直な平面と交わる管201の同一周上に配列されているとよい。なお、1つの光源に対し、2つに限らず、3,4,5個など複数の受光部で1つの測定系を構成してもよい。また、1つの光源と複数の受光部とによる測定系は、2組に限らず、3組、4組などより多くの測定系を配置してもよい。
受光部231a,232aは、光源202aからの可干渉光の照射により流体に含まれる散乱体で散乱された光を受光して光電変換する。また、受光部231b,232bは、光源202bからの可干渉光の照射により流体に含まれる散乱体で散乱された光を受光して光電変換する。演算部104は、受光部231a,232a,231b,232bで光電変換された電気信号をもとに得られる流体の流速の平均値および流量の平均値の少なくとも1つを算出して出力する。
以上に説明したように、本発明では、複数の散乱体を含む管を流れる流体に可干渉光を照射する光源および対応する受光部から構成された複数の測定系を配置し、演算部で、複数の測定系の受光部で光電変換された電気信号をもとに得られる流体の流速の平均値および流量の平均値の少なくとも1つを算出して出力するようにした。この結果、流路となる管の曲げによる流速分布の偏りや変動が低減できるようになり、弾性体からなる管を流れる分散体を含む流体の流量や流速がより正確に測定できるようになる。従来では、精度の高い測定では、管が直線状となっている領域を長くする必要があるが、本発明により、直線部分の距離をより短くすることが可能となる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…管、102a,102b,102c,102d…光源、103a,103b,103c,103d…受光部、104…演算部、141…信号取り出し部、142…特徴量算出部、143…算出部。

Claims (7)

  1. 弾性体からなる管と、
    前記管の周囲に配置され、複数の散乱体を含む前記管を流れる流体に可干渉光を照射する複数の光源と、
    いずれかの前記光源に対応して前記管の周囲に配置されて前記光源からの可干渉光の照射により前記流体に含まれる前記散乱体で散乱された光を受光して光電変換する複数の受光部と、
    前記光源および対応する前記受光部から構成された複数の測定系と、
    複数の前記測定系の前記受光部で光電変換された電気信号をもとに得られる前記流体の流速の平均値および流量の平均値の少なくとも1つを算出して出力する演算部と
    を備えることを特徴とする流体測定装置。
  2. 請求項1記載の流体測定装置において、
    前記測定系は、1つの前記光源と複数の前記受光部とから構成されている
    ことを特徴とする流体測定装置。
  3. 請求項1または2記載の流体測定装置において、
    複数の前記光源および複数の前記受光部は、前記管の軸方向に垂直な平面と交わる前記管の同一周上に配列されている
    ことを特徴とする流体測定装置。
  4. 請求項3記載の流体測定装置において、
    複数の前記受光部は、等間隔で配置されていることを特徴とする流体測定装置。
  5. 請求項3記載の流体測定装置において、
    複数の前記受光部は、前記管の軸方向に垂直な平面と交わる前記管の同一周上において直交する位置に配置されていることを特徴とする流体測定装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体測定装置において、
    複数の前記光源は、各々異なる時点で可干渉光を照射することを特徴とする流体測定装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の流体測定装置において、
    前記演算部は、
    前記受光部で光電変換された電気信号の高周波成分を取り出す信号取り出し部と、
    前記信号取り出し部が取り出した高周波成分をもとに前記流体の流速に相関する特徴量を算出する特徴量算出部と、
    前記特徴量より前記流体の流速および流量の少なくとも1つを算出する算出部と
    を備えることを特徴とする流体測定装置。
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