JP2014079428A - 血流量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】血流速度の違いによる誤差を排除し、レーザー血流計の測定精度を高める。
【解決手段】生体組織にレーザー光を照射するレーザー光照射部と、生体組織で散乱されたレーザー散乱光を受光する散乱光受光部と、前記散乱光を光電変換してアナログ電気信号を出力する光電変換部と、前記アナログ電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、前記デジタル信号を高速フーリエ変換して血流信号パワースペクトルを得る高速フーリエ変換部と、前記血流信号パワースペクトルを表示するパワースペクトル表示部と、前記血流信号パワースペクトルから血流量の算出に使用する周波数範囲を指定することを可能とする周波数範囲設定部と、前記指定された周波数範囲の血流信号パワースペクトルを使用して血流量を算出する血流量演算部を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、血流量測定装置に係り、特に、レーザー光を使用して生体組織の血流量を計測するレーザー血流計の測定精度を向上させる技術に関する。
生体組織の血流状態を測定する機器として、レーザー血流計が臨床医学や予防医学、スポーツ医学などの分野において今日広く利用されている。このレーザー血流計は、レーザー光を生体組織に照射して生体組織内で散乱されたレーザー光の一部を受光し、光電変換した後に演算処理することで生体組織の血流量を算出するものである。
生体に照射されたレーザー光は組織内で何度も散乱し、その一部が血管を流れる赤血球によって散乱され、周波数変調される。赤血球に到達する前にレーザー光が生体組織で散乱されるために赤血球に照射される角度は一定ではなく、さらに微小循環血流の流れ方向も一方向ではないことから、光電変換後の信号のパワースペクトルは図10に示すように周波数に関し広がりを持つ。
図9はこのような従来のレーザー血流計における組織血流量の演算過程を示すブロック図である。同図および下記式1に示すように従来の血流計では、レーザー光発光部13で発光されたレーザー光を光ファイバープローブ14を通じて生体組織10に照射し、その散乱光を光検出器15で検出して光電変換を行い、光電変換によって得られたスペクトル信号S(ω)からバンドパスフィルタ41によって血流信号を抽出し、そのパワースペクトルP(ω)を角周波数ωによって重み付けして積分する一方、これを受光強度Iの2乗で規格化することにより当該組織の血流量を算出する。
組織血流量=(∫ωP(ω)dω)/<I>2 …(式1)
また、このようなレーザー血流計に関連するものとして下記特許文献がある。
特開平11−19074号公報 特開2003−194714号公報 特開2007−125144号公報
ところで、生体組織の血流量は、生体内の部位によって大きく異なる。血流速度は0.1mm/s程度から数mm/s程度までの範囲であり、遅い血流と速い血流とでは、合成された信号のパワースペクトルの周波数の広がりも相違する。
一方、生体組織からの散乱光に含まれる血流信号は前述のようにバンドパスフィルタによって抽出されるが、従来の血流計では装置各部がハードウェアにより構成されており、検出可能な周波数範囲が当該バンドパスフィルタの通過帯域(一般に20Hz〜20kHz程度)に固定されている。
したがって従来の血流計では、血流速度が遅い場合に誤差が大きくならざるを得ず、高精度な測定を行うことが出来ない。なぜなら、血流速度が遅い場合には、数kHz程度の低い周波数変調のみが存在し、検出周波数帯域の高い周波数領域(例えば10kHz以上)には雑音成分しか存在しないにもかかわらず、この雑音成分が一律に算入されてしまうためにS/N比が悪化するからである。
また逆に、血流速度が速い場合には、血流信号のパワースペクトルの周波数範囲がバンドパスフィルタで設定されている帯域を超えることも考えられ、この場合には血流量を過小評価する虞がある。
このように従来の血流計は、血流速度の違いを考慮した適切な信号抽出がなされておらず、この点で更なる改良の余地を残している。
したがって、本発明の目的は、血流速度の違いによる誤差を排除し、レーザー血流計の測定精度を向上させることにある。
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係る第一の血流量測定装置は、生体組織にレーザー光を照射するレーザー光照射部と、前記生体組織で散乱されたレーザー光の散乱光を受光する散乱光受光部と、前記散乱光受光部で受光した前記散乱光を光電変換してアナログ電気信号を出力する光電変換部と、前記光電変換部で変換されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換部(アナログ−デジタルコンバータ)と、前記A/D変換部で変換されたデジタル信号を高速フーリエ変換して血流信号のパワースペクトルを得る高速フーリエ変換部と、前記高速フーリエ変換部により得られた血流信号のパワースペクトルを表示するパワースペクトル表示部と、前記血流信号のパワースペクトルから、血流量の算出に使用する周波数範囲を指定することを可能とする周波数範囲設定部と、前記周波数範囲設定部により指定された周波数範囲の、前記血流信号のパワースペクトルを使用して血流量を算出する血流量演算部とを備える。
本発明の第一の血流量測定装置では、血流量の算出を行う前に、上記パワースペクトル表示部によって血流信号のパワースペクトルを表示することで当該パワースペクトルの広がり(周波数範囲)を確認することを可能とし、上記周波数範囲設定部によって血流量の算出に使用する周波数範囲を指定することを可能とした。
このような本発明の装置によれば、測定対象である生体組織の血流速度に対応した適切な周波数範囲を例えばオペレータ(当該装置の使用者)が選択することにより、当該選択した最適な周波数範囲のパワーによって血流量を算出することが可能となるから、従来のように血流速度が遅い場合に雑音成分のみが存在する高い周波数領域のパワーが算入されて測定誤差(算出された血流量値に含まれる誤差)が大きくなったり、血流速度が速い場合に血流量の算出に本来使用されるべきデータが除外されて測定精度が低下する事態が生じることを防ぐことが出来る。
また、上記血流量測定装置では、前記散乱光受光部による受光量および前記周波数範囲のいずれか一方または双方に比例した、ノイズ成分によるオフセット値を算出するノイズ演算部をさらに備え、前記血流量演算部は、血流量の算出にあたって当該オフセット値を減算して血流量を算出するようにしても良い(後に述べる第二の血流量測定装置においても同様)。
実際の測定装置では、誤差の原因となる雑音、具体的には、装置を構成する電子回路からの雑音(ノイズ)と、生体組織で反射されたレーザー光を散乱光受光部で受けるときに生じるショット雑音とが発生する。これらの雑音は、後に実施形態において詳しく述べるように、散乱光受光部での受光量ならびに前記周波数範囲に比例した大きさとなる。したがって本発明の一態様では、散乱光受光部における受光量ならびに前記周波数範囲のいずれか一方または双方に比例したオフセット値を算出し、このオフセット値を血流量から減算する補正を血流量の算出時に行う。これにより、測定精度をより一層向上させることが出来る。
なお、当該ノイズ補正にあたっては、上記受光量および周波数範囲の双方を考慮することがより高精度な測定を行う点で好ましいが、これらのうちのいずれか一方に基づいて補正を行っても上記ノイズを全く考慮しない場合に比べれば測定精度の向上が可能であるから、受光量および周波数範囲のいずれか一方に基づいてノイズ補正を行う装置も本発明の範囲内に含まれる。
さらに本発明では、前記周波数範囲を自動的に(オペレータの操作によらずに)設定することも可能である。
具体的には、本発明に係る第二の血流量測定装置は、生体組織にレーザー光を照射するレーザー光照射部と、前記生体組織で散乱されたレーザー光の散乱光を受光する散乱光受光部と、前記散乱光受光部で受光した前記散乱光を光電変換してアナログ電気信号を出力する光電変換部と、前記光電変換部で変換されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、前記A/D変換部で変換されたデジタル信号を高速フーリエ変換して血流信号のパワースペクトルを得る高速フーリエ変換部と、前記高速フーリエ変換部により得られた血流信号のパワースペクトルのうち、予め設定された閾値パワーに対応した周波数までを検出周波数範囲とする周波数範囲設定部と、前記検出周波数範囲のパワースペクトルを使用して血流量を算出する血流量演算部とを備える。
この第二の血流量測定装置では、周波数範囲設定部は、オペレータの入力操作を待つのではなく、予め設定された閾値によって検出周波数範囲を設定する。すなわち、予め設定された上記閾値パワーより大きな値を示す周波数を検出周波数範囲とし、この検出周波数範囲の周波数およびパワーに基づいて血流量演算部が血流量を算出する。
従来の血流計では血流信号パワースペクトルの周波数の広がりがどの程度までであるかを確認することが出来なかったのに対し、本発明の血流量測定装置によれば、当該パワースペクトルの広がりを確認した後に、あるいは当該パワースペクトルの広がりに対応した、ノイズの少ない最適な周波数範囲を選択して血流量の算出を行うことが出来るから、従来に比べて精度の高い血流量の測定が可能となる。
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基づいて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。なお、各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る血流量測定装置を示すブロック図である。 図2は、前記実施形態に係る血流量測定装置の表示部による表示画面を例示する図である。 図3は、生体組織からの血流信号のパワースペクトルの一例(前腕皮膚)を示す線図である。 図4は、生体組織からの血流信号のパワースペクトルの別の一例(人差し指皮膚)を示す線図である。 図5は、異なる(3種類の)生体組織から受光したレーザー散乱光の周波数とパワーとの関係を概念的に示す線図である。 図6は、前記図4(前腕皮膚)のパワースペクトルから得られた血流量の時間変化を示す線図である。 図7は、前記図5(人差し指)のパワースペクトルから得られた血流量の時間変化を示す線図である。 図8は、血流量測定装置において雑音によって生じるパワースペクトルの積分値の大きさを示す線図であり、レーザー光を光電変換部に直接入力させた場合の、光電変換部の出力と、各々周波数倍したパワースペクトルの積分値(後述のΣf・P(f)Δf)との関係を示す図である。 図9は、従来の血流量測定装置を示すブロック図である。 図10は、生体組織から受光したレーザー散乱光の周波数とパワーとの関係を概念的に示す線図である。
図1に示すように本発明の一実施形態に係る血流量測定装置11は、レーザー光を生体組織に照射しその散乱光を受光するレーザーユニット12と、血流量の演算処理を行いその結果を表示する装置本体部(コンピュータ)21とを備える。
レーザーユニット12は、レーザー光を発光するレーザー光発光部13と、当該レーザー光発光部13で発光されたレーザー光を生体組織10に照射するとともにその散乱光を受光する光ファイバープローブ14と、受光した散乱光を光電変換する光電変換部15と、光電変換部15で変換されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換部16とを備える。なお、光電変換部15は、光電変換を行うフォトダイオード(PD)と、PDから出力される微弱電気信号を増幅するアンプとを含む。また、A/D変換部16は装置本体部21に含めても良い。
装置本体部21は、A/D変換部16で変換されたデジタル信号を高速フーリエ変換するFFT処理部22と、血流量を算出する血流量演算部23と、血流量の算出に使用する周波数範囲を設定する周波数範囲設定部25と、当該周波数範囲を決定する基準となる閾値パワーを周波数範囲設定部25に入力するための入力部24と、血流量から減算するノイズ成分(オフセット値)を算出するノイズ演算部26と、血流量演算部23により算出された血流量や前記FFT処理部22により得られた血流信号のパワースペクトルなどを表示する表示部27とを備えている。なお、装置本体部21の各部構成(FFT処理部22や血流量演算部23、ノイズ演算部26等)は、コンピュータソフトウェアにより構成することが出来る。
レーザー光発光部13から光ファイバープローブ14を通じて生体組織10に照射されたレーザー光は、生体組織10で散乱され、その一部が光ファイバープローブ14を通じて受光され、光電変換部15によりアナログ電気信号に変換された後、A/D変換部16によりデジタル信号に変換されて装置本体部21のFFT処理部22に入力される。
FFT処理部22は、入力されたデジタル信号を高速フーリエ変換し、血流信号のパワースペクトルを求める。この血流信号パワースペクトルは、血流量演算部23に出力されて血流量の算出に使用されるとともに、表示部27のディスプレイ画面上に表示される(図2の符号31参照)。なお、図2は前記表示部27による表示画面を例示するもので、当該画面上には、前記血流信号パワースペクトルの表示31のほか、血流量値の時間的変化をグラフで示す表示32や、血流量を実時間で示す数値表示33などを行う。
血流量演算部23は、上記血流信号パワースペクトルから血流量を算出するが、この血流量は前記式1のデジタル演算式である下記式2により求めることが出来る。
組織血流量=Σf・P(f)Δf/P2(0) …(式2)
なお、上記式2中、fは周波数、P(f)は周波数fにおけるパワー、P(0)はFFTで得られた0Hzでのパワーである。また、周波数範囲設定部25には入力部24を通じて予め閾値パワーを設定してあり、上記血流量の算出にあたって血流量演算部23は、当該周波数範囲設定部25に設定されている閾値を用いて血流量算出に用いる血流信号パワースペクトルの周波数範囲を決定し、当該周波数範囲のデータ(周波数値およびパワー値)を使用して計算を行うとともに、ノイズ演算部26によって算出されたオフセット値を減算することにより血流量を算出する。これら周波数範囲の決定およびノイズ演算部26によるオフセット値の算出について次に述べる。
〔周波数範囲の決定〕
図3〜図4は生体組織からの血流信号のパワースペクトル(図3は前腕皮膚、図4は人差し指皮膚)を例示する線図であるが、これらの図に示すように生体組織の部位によってスペクトルの分布が大きく異なる。これは当該組織における血流速度の違いによるもので、前腕皮膚(図3)では10kHz程度までしか信号成分がないのに対し、人差し指皮膚(図4)では50kHz以上まで信号成分が存在している。
そこで、本実施形態の装置11では、或る一定のパワーレベルを閾値として入力部24を介して周波数範囲設定部25に設定しておき、血流量演算部23はこの周波数範囲設定部25に設定された閾値に対応する周波数範囲のデータを使用して血流量を算出する。
より具体的には、図5は血流速度が異なる3種類の生体組織から受光したレーザー散乱光の周波数とパワーとの関係を概念的に示す線図であるが、この図に示すように上記閾値をPtとすると、血流量演算部23は当該値Pt以上のパワーを信号として扱う。例えば、血流信号パワースペクトルがS1の場合には、0Hzから当該Ptに対応する周波数F1までの周波数範囲W1間のパワーを使用して血流量を算出する。同様に、血流信号パワースペクトルS2の場合には0Hzから周波数F2まで(周波数範囲W2)のデータを使用し、血流信号パワースペクトルS3の場合には0Hzから周波数F3まで(周波数範囲W3)のデータを使用して血流量を算出する。
なお、閾値Ptの具体的数値はこの値に限定されるものではないが、前記図3〜図4に示した例で言えば、例えば−55dB程度に設定しておけば良い。
図6〜図7は前記図3〜図4のパワースペクトルから得られた組織血流量の時間的変化を示すもので、図6は図3のパワースペクトルについて10kHzまでを検出周波数範囲として演算した結果であり、図7は図4のパワースペクトルについて50kHzまでを検出周波数範囲として演算した結果を示すものである。これらの結果から明らかなように、パワースペクトルの違いが組織血流量値の大きな違いとして現われる。また図6から分かるように、検出周波数範囲を10kHzまでに限定することで10kHz以上の雑音成分を取り除くことが出来るから、組織血流量値が1〜2程度であっても心拍に同期した血流変化を安定して測定することが可能となる。
このように本実施形態の測定装置では、パワースペクトルの広がりの程度に対応して血流量算出の基礎となる周波数範囲W1〜W3を変更することにより、血流速度の違いを考慮した適切な信号抽出を行うことができ、これにより測定対象の血流速度に依らない高精度な測定が可能となる。
〔ノイズの除去〕
血流が存在しない生体組織では組織血流量の値は本来ゼロとなるべきであるが、実際には電子回路から発生する雑音と、レーザー光受光による光検出器でのショット雑音によりゼロではなくある値を示す。また、検出周波数範囲(前記周波数範囲設定部25により設定され血流量演算部23により使用されるデータの周波数範囲)が広くなれば電子回路から発生する雑音によるによるパワースペクトルの積分値が大きくなり、受光するレーザー光強度が強くなればショット雑音が大きくなる。
そこで、雑音によって生ずるパワースペクトルの積分値を調べるために,レーザー光を減衰させて光電変換部15に直接入力する実験を行った。図8はこの実験結果、すなわち、各検出周波数範囲((1)10kHz、(2)25kHz、(3)50kHzおよび(4)100kHz)における受光強度I〔V〕と、受光強度の2乗で規格化する前の各周波数倍したパワースペクトルの積分値Σf・P(f)Δfとの関係を示すものである。
なお、図8において、受光強度Iは光電変換部15の出力で、約3nWの受光量が1Vの出力となるように設定してある。縦軸は規格化していない、各周波数倍したパワースペクトルの積分値、即ち、前記式2のΣf・P(f)Δfである。また、線図欄外に各検出周波数範囲(1)〜(4)に関する回帰直線の式(横軸をx軸、縦軸をy軸とした)と決定係数R2(相関係数Rの2乗値)を示した。また同線図において、I=0〔V〕のときのΣf・P(f)Δfの値は光電変換部15のみの雑音を示し、受光量Iの増加によるΣf・P(f)Δfの値の増加はショット雑音に相当する。
図8から、各検出周波数範囲では雑音成分による周波数倍したパワースペクトルの積分値Σf・P(f)Δfは受光量Iに比例し、当該値(Σf・P(f)Δf)は検出周波数範囲にも比例していることがわかる。したがって、これらの関係を利用することで、数点の受光量−パワースペクトル特性から雑音成分によるオフセット値を得ることが出来る。
そこで、本実施形態の装置では、周波数設定部25で設定される検出周波数範囲と受光量(光電変換部15からの出力)とから、雑音によるオフセット値(血流量値のオフセット分)をノイズ演算部26が算出し、血流量演算部23がこのオフセット値を除去(減算)して組織血流量を算出する。このような演算処理を行うことにより、測定精度をより一層向上させることが出来る。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。
例えば、前記実施形態では、検出周波数範囲を自動的に設定する(周波数範囲設定部25に予め設定されている閾値を使用する)ように構成したが、装置使用者が手動で(装置使用者の入力操作により)検出周波数範囲を設定するようにしても良い。この場合、例えば、前記図2に示した画面上の「SETUP」ボタンをクリックすることで設定機能を呼び出せるようにし、自動設定する場合と同様に閾値パワーを指定するか、あるいは、上限周波数値又は周波数範囲を指定できるようにすれば良い。
さらに検出周波数範囲の設定について、前記実施形態のような閾値を用いた自動設定機能と、上述した装置使用者の入力操作による手動設定機能の双方を備えた装置とすることも可能である。この場合には、例えば切替スイッチで自動モードと手動モードとを切換え可能としても良いし、例えば自動で算出した後に手動で検出周波数範囲を入力して血流量を再計算させる機能を備えることも可能である。
また、前記ノイズ演算部26によるノイズ補正(オフセット値の計算および血流量値からの除去)についても上記検出周波数範囲と同様に手動で行うようにすることも可能であり、この場合には、雑音成分によるオフセット除去は,生体組織と光学特性が同様なプラスチック等を測定して出力された血流量値を、実際の生体組織測定時の血流量値から減算するようにすれば良い。
10 生体組織
11 血流量測定装置
12 レーザーユニット
13 レーザー光発光部
14 光ファイバープローブ
15 光電変換部
16 A/D変換部
21 装置本体部
22 FFT処理部
23 血流量演算部
24 入力部
25 周波数範囲設定部
26 ノイズ演算部
27 表示部
31 血流信号パワースペクトルの表示
32 血流量値の時間的変化をグラフで示す表示
33 血流量の実時間数値表示
34 セットアップボタン
41 バンドパスフィルタ

Claims (3)

  1. 生体組織にレーザー光を照射するレーザー光照射部と、
    前記生体組織で散乱されたレーザー光の散乱光を受光する散乱光受光部と、
    前記散乱光受光部で受光した前記散乱光を光電変換してアナログ電気信号を出力する光電変換部と、
    前記光電変換部で変換されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、
    前記A/D変換部で変換されたデジタル信号を高速フーリエ変換して血流信号のパワースペクトルを得る高速フーリエ変換部と、
    前記高速フーリエ変換部により得られた血流信号のパワースペクトルを表示するパワースペクトル表示部と、
    前記血流信号のパワースペクトルから、血流量の算出に使用する周波数範囲を指定することを可能とする周波数範囲設定部と、
    前記周波数範囲設定部により指定された周波数範囲の、前記血流信号のパワースペクトルを使用して血流量を算出する血流量演算部と
    を備えたことを特徴とする血流量測定装置。
  2. 生体組織にレーザー光を照射するレーザー光照射部と、
    前記生体組織で散乱されたレーザー光の散乱光を受光する散乱光受光部と、
    前記散乱光受光部で受光した前記散乱光を光電変換してアナログ電気信号を出力する光電変換部と、
    前記光電変換部で変換されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、
    前記A/D変換部で変換されたデジタル信号を高速フーリエ変換して血流信号のパワースペクトルを得る高速フーリエ変換部と、
    前記高速フーリエ変換部により得られた血流信号のパワースペクトルのうち、予め設定された閾値パワーに対応した周波数までを検出周波数範囲とする周波数範囲設定部と、
    前記検出周波数範囲のパワースペクトルを使用して血流量を算出する血流量演算部と
    を備えたことを特徴とする血流量測定装置。
  3. 前記散乱光受光部による受光量および前記周波数範囲のいずれか一方または双方に比例した、ノイズ成分によるオフセット値を算出するノイズ演算部をさらに備え、
    前記血流量演算部は、前記オフセット値を減算して前記血流量を算出する
    請求項1または2に記載の血流量測定装置。
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