JP7029788B2 - 流量測定装置、流量測定方法および流量測定プログラム - Google Patents

流量測定装置、流量測定方法および流量測定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、流量測定装置、流量測定方法および流量測定プログラムに関する。
臨床医療の分野における新たな治療指標として、末梢血管の血流量値(perfusion)が注目されている。末梢血管の血流量値は、例えば、狭心症・心筋梗塞といった循環器系疾患、精神的ストレス、腫瘍の進行度、火傷の損傷度等と相関があり、定量的な診断指標として応用が期待されている。
患者に負担を与えない観点から非侵襲の測定手法が望まれるところ、非侵襲に生体の血流を測定する手法としてレーザドップラ法(Laser Doppler Flowmetry:LDF)が知られている(非特許文献1、2等を参照)。
図1はレーザドップラ法による血流測定の原理を示す図である。図1において、生体の測定対象1にレーザ光を照射すると、生体内で多重反射され、後方散乱光が生じる。後方散乱光のうち、静止組織によって散乱された光は照射光と同じ周波数を保つが、血管11中の赤血球12で散乱された光は、赤血球12の移動速度に応じてドップラシフトした周波数となる。ドップラシフトしていない光とドップラシフトした光は干渉し、様々なビート周波数をもった信号を検知することができる。ここで、ビート周波数は赤血球の速度に対応し、各ビート周波数の信号強度は所定の速度の赤血球の量に対応するため、検知した信号を周波数解析(高速フーリエ変換等)した結果から、式(1)により血流量値Qpを計算することができる。
Figure 0007029788000001
式(1)において、ωは信号の角周波数、P(ω)はパワースペクトル、iは低周波数帯(ほぼ直流に近い周波数帯)の信号強度である。i2で割っているのは、積分で求めた値は測定の状態によって左右され、そのままでは比較が困難であるため、値を規格化するためである。
また、レーザドップラ法による測定装置を実装する上では、接触式と非接触式とがある。図2(a)は接触式によるプローブ5aを示しており、プローブ5aの先端を測定対象1に接触させ、光の照射と受光を行う。図2(b)は非接触式によるプローブ5bを示しており、プローブ5bの先端を測定対象1に対して非接触に保った状態で光の照射と受光を行う。接触式は、プローブによる接触圧力やプローブの接触による温度変化により血流量に影響を与えてしまうとともに、火傷の損傷部には使用できない。その点で、非接触式が望ましい。
M. Karlsson, K. Wardell, "Polarized laser Doppler perfusion imaging-reduction of movement-induced artifacts", Journal of Biomedical Optics, 10, 6, (2005), 1-9 「体動下で測定可能な小型血流量装置の開発 予備的実験による測定システムの妥当性検証」、橋本将明、鎌田慎、田口良広、第53回 日本伝熱シンポジウム講演論文集(2016-5)
上述したように、レーザドップラ法による非接触式の血流測定が望まれるが、体動等に起因するアーチファクト(偽の異常所見)により正確な測定が行えないという問題があった。この点、非特許文献1では、偏光板をディテクタ(検出器)の前に設置することで対処しようとしているが、充分に体動アーチファクトを低減することができないとともに、偏光板による信号光の減衰によりSN比の低下を招くものであった。また、非特許文献2では、体動アーチファクトの低減を目的とした提言がなされているが、精度を高めるための具体的な手法は開示されていない。
なお、血流量測定について説明したが、レーザドップラ法により測定可能な他の流体の流量測定においても同様の問題が生ずる可能性がある。
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、レーザドップラ法による非接触式で、精度よく測定対象内の流体の流量を測定できるようにすることにある。
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、測定対象にレーザ光を照射して、前記測定対象内に所定の測定体積となる光収束部分を形成する手段と、前記光収束部分からの後方散乱光を受光する手段と、前記受光した信号を周波数解析する手段と、前記周波数解析の結果から、低周波数帯の信号強度に基づいて前記光収束部分の深さ方向の位置を制御する手段と、前記低周波数帯の信号強度と前記深さ方向の位置の関係から、前記周波数解析の結果の高周波数帯の信号強度に補正を行う手段と、前記補正が行われた高周波数帯の信号強度および周波数に基づいて流量を計算する手段とを備える。
本発明にあっては、レーザドップラ法による非接触式で、精度よく測定対象内の流体の流量を測定することができる。
レーザドップラ法による血流測定の原理を示す図である。 接触式と非接触式の説明図である。 システム構成例を示す図(その1)である。 システム構成例を示す図(その2)である。 システム構成例を示す図(その3)である。 システム構成例を示す図(その4)である。 測定体積の例を示す図である。 空間分解能の説明図である。 コントローラの情報処理にかかるハードウェア構成例を示す図である。 レンズ制御の処理例を示すフローチャート(その1)である。 周波数解析結果の例を示す図である。 処理過程のデータ等の例を示す図である。 血流量測定の処理例を示すフローチャートである。 レンズ制御の処理例を示すフローチャート(その2)である。 レンズ制御の処理例を示すフローチャート(その3)である。 実験構成例を示す図である。 実験結果を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。なお、血流量測定について説明するが、レーザドップラ法により測定可能な他の流体の流量測定に適用できることはいうまでもない。
<構成>
図3~図6は実施形態にかかるシステム構成例を示す図であり、図3および図4はセンサヘッド2がチップ型である場合の例、図5および図6はセンサヘッド2が内視鏡型である場合の例を示している。
図3において、センサヘッド2は、いわゆる共焦点光学系を構成するものであり、レーザダイオード等の光源201の光路に沿って配置されたピンホール202、レンズ203、ビームスプリッタ204、レンズ205を備えている。レンズ203からレンズ205までの光路は平行光となるように配置されている。また、レンズ205には、このレンズ205を光軸方向に移動(駆動)可能なMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等によるレンズ駆動機構206が設けられている。レンズ205からは測定対象1に対して収束されたレーザ光が照射されるとともに、レンズ205には測定対象1からの後方散乱光が入射される。また、ビームスプリッタ204により直角に反射された後方散乱光の光路には、レンズ207、ピンホール208、検知器(光検知器)209が配置されている。
なお、レンズ203、205、207の開口数(Numerical Aperture:NA)およびピンホール202、208の径により、測定対象1側で光が収束する部分の大きさ(測定体積)が所定の値となるように設計および調整が行われている。図7(a)(b)は、レンズ205の光路前方の光が収束する部分の測定体積SVを示している。測定体積SVを小さく、かつ安定した大きさとすることで、図7(c)に示すように、測定対象1の表面からの深さD1、D2、D3等における分解能が向上するとともに、その後の信号の補正等が容易になる。すなわち、測定対象1内の生体からは、光が収束する測定体積SV内からの後方散乱光がほとんどを占めることになり、測定体積SVが小さくなることで細かい範囲内の血流量を他と区別して測定することができる。また、測定体積SVの値が一定に保たれることで、測定体積SVの変化に起因する測定値の誤差を考慮しなくて済み、補正が不要となる。なお、測定部分が生体の内部に入るにつれて(深さ位置が測定対象1の内部に入るにつれて)、生体組織による光の吸収量が増え、光が収束する測定体積SV内からの後方散乱光の減衰が大きくなることから、深さ位置に対する測定値の補正は必要となる。この点については、後述する。
測定体積について、空間分解能との関係で、より詳しく説明する。測定体積は一般的に空間分解能で表現される。図8に示すように、一般に、z軸方向の空間分解能は、平面反射板を光軸方向に移動させた時のデフォーカス量に対するディテクタ検知信号強度分布の半値全幅d(3dB)で定義される。適当なピンホール半径aを選択した時の半値全幅dは、nを屈折率、Mを光学倍率、N.A.をレンズ開口数として、式(2)で表される。
Figure 0007029788000002
本実施形態での測定対象は、反射体ではなく、散乱体であるため、上記の式(2)を直接に適用することはできないが、簡易的に式(3)で表すことができる。C0は測定対象の光学特性と装置の仕様に依存する定数である。
Figure 0007029788000003
図3に戻り、光源201、レンズ駆動機構206、検知器209はそれぞれ一対の電線31、32、33を束ねたケーブル3を介してコントローラ4に接続される。
コントローラ4は、光源駆動ドライバ401とレンズ駆動ドライバ402とA/D変換器403と周波数解析部404とレンズ制御部405と入力部406とスペクトル補正部407と血流量計算部408と表示部409とを備えている。
光源駆動ドライバ401は、電線31を介して接続されたセンサヘッド2の光源201を駆動(駆動電源供給)する機能を有している。レンズ駆動ドライバ402は、レンズ制御部405による制御のもと、電線32を介して接続されたセンサヘッド2のレンズ駆動機構206を駆動する機能を有している。A/D変換器403は、電線33を介してセンサヘッド2の検知器209から取得した受光信号(アナログ値)をデジタル値に変換する機能を有している。
周波数解析部404は、A/D変換器403によりデジタル化された受光信号をFFT(Fast Fourier Transform)やLPF(Low-pass filter)等により周波数解析(周波数毎の信号強度であるパワースペクトルの取得)を行う機能を有している。レンズ制御部405は、周波数解析部404による周波数解析結果のうち低周波数帯の信号強度を用い、レンズ駆動ドライバ402およびセンサヘッド2のレンズ駆動機構206を介してレンズ205を所定の深さ方向の位置に制御する機能を有している。制御に低周波数帯の信号強度を用いるのは、高周波数帯の信号強度が赤血球の速さに応じてドップラシフトした信号に基づくものであるのに対し、低周波数帯の信号強度は測定対象1の表面反射や生体内の静止組織による散乱光に基づくものであり、深さ方向と相関があるためである。入力部406は、ユーザから測定開始の操作指示や血流量を測定する測定対象1の表面からの深さ位置等の入力(指定の入力)を行う機能を有している。
スペクトル補正部407は、血流量の測定に際して、測定が行われる深さ位置による生体内での減衰等に対するパワースペクトルの補正を行う機能を有している。血流量計算部408は、スペクトル補正部407により補正が行われたパワースペクトルP(ω)から血流量を計算する機能を有している。表示部409は、血流量の測定結果をユーザに対して表示する機能を有している。なお、血流量の測定結果は、測定が行われた深さ位置や測定日時等とともに、データとして蓄積・出力することもできる。
図4は、コントローラ4において、新たにアナログ周波数解析部410を設け、レンズ制御部405に代えてアナログレンズ制御部411を設けることで、デジタル値ではなくアナログ値を用いてレンズ制御を行うようにしたものである。デジタル値の分解能をそれほど高くできない場合やデジタル処理による時間遅れが制御の精度に影響する場合には、アナログ値による方が精度よくレンズ制御を行うことができる。なお、この変形は、後述する図5および図6のコントローラ4にも適用することができる。
図5は、内視鏡型のセンサヘッド2に適用しやすいように、図3のセンサヘッド2から光源201と検知器209を除去し、コントローラ4内に光源412と検知器413を配置することで小型化したものである。また、光源412および検知器413とセンサヘッド2の間は光ファイバ34、35により接続され、その端部をレンズ203、207の光軸に配置することで、ピンホール202、208も不要にして、いっそうの小型化を図っている。
図6は、図5のセンサヘッド2からビームスプリッタ204とレンズ207を除去し、光ファイバ34に往路と復路の光を重畳させたものである。これに対応し、コントローラ4では光ファイバ34の端部に光サーキュレータ414を配置し、往路は光源412から光ファイバ34に光が流れ、復路は光ファイバ34から検知器413に光が流れるようにしている。
図9はコントローラ4の情報処理にかかるハードウェア構成例を示す図である。情報処理としては、主に、周波数解析部404、レンズ制御部405、スペクトル補正部407、血流量計算部408における処理と、その他の各部の制御の処理が含まれる。
図9において、コントローラ4は、バス40を介して相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、HDD(Hard Disk Drive)/SSD(Solid State Drive)44、接続I/F(Interface)45を備えている。CPU41は、RAM43をワークエリアとしてROM42またはHDD/SSD44等に格納されたプログラムを実行することで、コントローラ4の動作を統括的に制御する。プログラムは、記録媒体を経由して取得されるものでもよいし、ネットワークを経由して取得されるものでもよいし、ROM組込でもよい。接続I/F45は、ハードウェア機器とのインタフェースである。
<動作>
図10は、図3~図6に示したシステム構成によるレンズ制御の処理例を示すフローチャートである。
図10において、ユーザが測定対象1にセンサヘッド2を近づけると(ステップS101)、センサヘッド2では光源201(412)からのレーザ光が光学系を介して測定対象1に照射され、後方散乱光が検知器209、413により受光される。そして、周波数解析部404(アナログ周波数解析部410)により周波数解析して得られた低周波数帯の信号強度がレンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)により取得される(ステップS102)。
図11は周波数解析部404(アナログ周波数解析部410)による周波数解析結果の例を示す図であり、横軸は周波数、縦軸は信号強度を示している。図11では同じ深さ位置における3つの流速の場合の結果を示しており、F1→F2→F3の順に流れが速くなる。すなわち、流れが速いほど高い周波数における信号強度が高くなる。周波数が「0」付近の低周波数帯の信号強度は流速によらずほぼ一定となっている。なお、低周波数帯の信号強度は、表面付近で最大(ピーク)となり、測定箇所が深いほど値が小さくなる。
図10に戻り、次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、取得した信号強度の範囲内で目標信号強度を設定し(ステップS103)、周波数解析して得られた低周波数帯の信号強度が目標信号強度に等しくなるように、レンズ駆動ドライバ402およびレンズ駆動機構206を介して、レンズ205の光軸方向の位置を制御し(ステップS104)、深さ位置を一定に保つ。なお、レンズ205の位置を制御する過程で、図12(a)に示すような、低周波数帯の信号強度のデータを取得して蓄積する。
図10に戻り、次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、現在の目標信号強度がピーク強度であるか否か判断する(ステップS105)。ピーク強度とは、レンズ・測定対象間の距離に対する信号強度の最大値である。そして、現在の目標信号強度がピーク強度でないと判断された場合(ステップS105のNo)、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、ピーク強度値が得られるように所定量シフトし(ステップS106)、レンズ205の光軸方向の位置制御(ステップS104)に戻る。
また、現在の目標信号強度がピーク強度であると判断された場合(ステップS105のYes)、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、ピーク強度を用いて解析することで、信号強度とレンズ・測定対象間の距離の関係を取得する(ステップS107)。図12(b)は信号強度とレンズ・測定対象間の距離の関係を示したものであり、実線の部分が実際に測定されたデータの部分である。この関係から、例えば、ピーク時のレンズ位置を基準として、図12(c)に示すような、信号強度と深さ位置との関係を取得することができる。
図10に戻り、次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、表面からの血流量測定箇所の深さ位置を決定する(ステップS108)。例えば、入力部406からユーザに深さ位置を指定させて決定するか、予め設定された深さ位置に設定する。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、先に取得した信号強度とレンズ・測定対象間の距離の関係(図12(b)(c))から、目標信号強度を求めて設定する(ステップS109)。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、周波数解析して得られた低周波数帯の信号強度が目標信号強度に等しくなるように、レンズ駆動ドライバ402およびレンズ駆動機構206を介して、レンズ205の光軸方向の位置を制御し(ステップS110)、深さ位置を一定に保つ。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、スペクトル補正部407および血流量計算部408に血流量測定の開始を指示して血流量測定を開始させ(ステップS111)、その後に血流量測定が終了する(ステップS112)。
図13は血流量測定の処理例を示すフローチャートである。図13において、スペクトル補正部407は、周波数解析の結果から生のパワースペクトルP0(ω)を取得し(ステップS121)、深さ位置を考慮したスペクトル補正により補正後のパワースペクトルP(ω)を取得する(ステップS122)。例えば、図12(c)のデータに基づき、ピーク時の信号強度に現在の信号強度が合致するように、ピーク時の信号強度と現在の深さ位置の信号強度の比をパワースペクトルP0(ω)に乗算することでP(ω)を得る。
図13に戻り、次いで、血流量計算部408は、式(4)により血流量値Qpを計算する(ステップS123)。
Figure 0007029788000004
式(4)は、前述した従来の式(1)と比較して、i2で規格化していないが、これは、測定体積が測定対象の光学特性の影響を受けず、上述したスペクトル補正により安定した値として得られるからである。また、式(4)で得られた血流量値Qpは、物理的な流量値(単位時間当たりの質量等)に換算が可能である。
次いで、血流量計算部408は、測定した血流量を表示部409により表示する(ステップS124)。なお、血流量の測定結果は、測定が行われた深さ位置や測定日時等とともに、データとして蓄積・出力することもできる。
図14は、図3~図6に示したシステム構成によるレンズ制御の他の処理例を示すフローチャートであり、血流測定前にレンズ駆動機構206により移動可能な全範囲について事前にスキャンを行って全範囲についてのキャリブレーションを行うようにしたものである。
図14において、ユーザは測定対象1にセンサヘッド2を近づけた状態で両者を固定する(ステップS201)。なお、ここでの固定は、体動等による微小な動きについてまで固定するということではなく、スキャンの精度を保つ程度の固定を意味する。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、レンズ駆動ドライバ402およびレンズ駆動機構206を介してレンズ205を駆動し、測定対象をスキャンする(ステップS202)。そして、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、スキャンに際しての、信号強度とレンズ・測定対象間の距離の相関関係データを取得(キャリブレーション)する(ステップS203)。取得されるデータや関係は図12に示したのと同様であるが、図12(b)において実際に取得されるデータの範囲(実線部分)はスキャンされる範囲まで拡大される。
図14に戻り、次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、表面からの血流量測定箇所の深さ位置を決定する(ステップS204)。例えば、入力部406からユーザに深さ位置を指定させて決定するか、予め設定された深さ位置に設定する。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、先に取得した信号強度とレンズ・測定対象間の距離の関係(図12(b)(c))から、目標信号強度を求めて設定する(ステップS205)。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、周波数解析して得られた低周波数帯の信号強度が目標信号強度に等しくなるように、レンズ駆動ドライバ402およびレンズ駆動機構206を介して、レンズ205の光軸方向の位置を制御し(ステップS206)、深さ位置を一定に保つ。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、スペクトル補正部407および血流量計算部408に血流測定の開始を指示して血流量測定を開始させ(ステップS207)、その後に血流量測定が終了する(ステップS208)。血流量測定の処理は、図13に示したのと同様である。
図15は、図3~図6に示したシステム構成によるレンズ制御の他の処理例を示すフローチャートであり、キャリブレーションを行う点は図14と同様であるが、測定対象1の固定を不要としたものである。
図15において、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、測定対象1にセンサヘッド2が近づいた状態で、体動、揺らぎによるレンズ・測定対象間の距離の時間変化が無視できるよう、高速にレンズ205を駆動し、対象をスキャンする(ステップS301)。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、スキャンに際しての、信号強度とレンズ・測定対象間の距離の相関関係データを取得(キャリブレーション)する(ステップS302)。取得されるデータや関係は図12に示したのと同様であるが、図12(b)において実際に取得されるデータの範囲(実線部分)はスキャンされる範囲まで拡大される。
図15に戻り、次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、表面からの血流量測定箇所の深さ位置を決定する(ステップS303)。例えば、入力部406からユーザに深さ位置を指定させて決定するか、予め設定された深さ位置に設定する。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、先に取得した信号強度とレンズ・測定対象間の距離の関係(図12(b)(c))から、目標信号強度を求めて設定する(ステップS304)。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、周波数解析して得られた低周波数帯の信号強度が目標信号強度に等しくなるように、レンズ駆動ドライバ402およびレンズ駆動機構206を介して、レンズ205の光軸方向の位置を制御し(ステップS305)、深さ位置を一定に保つ。
次いで、レンズ制御部405(アナログレンズ制御部411)は、スペクトル補正部407および血流量計算部408に血流測定の開始を指示して血流量測定を開始させ(ステップS306)、その後に血流量測定が終了する(ステップS307)。血流量測定の処理は、図13に示したのと同様である。
また、図14および図15の処理において、スキャンした範囲内において、所定の刻みで変化させて深さ位置においての血流量測定を自動的に行うこともできる。この場合、キャリブレーション(図14のステップS203、図15のステップS302)の後に、ピーク位置から下限の深さ位置までを所定の刻みで変化させて行き、その都度に血流量測定を行えばよい。
また、図10、図14および図15の処理において、所定の刻みで測定深さを変化させて、深さ方向の血流量分布測定を自動的に行うこともできる。この場合、信号強度とレンズ・測定対象間の距離の関係を取得(図10のステップS107、図14のステップS203、図15のステップS302)後に、ピーク位置から下限の深さ位置までを所定の刻みで変化させて行き、その都度に血流量測定を行えばよい。
また、上述の方法によって深さ方向の血流量分布から、任意の深さに位置する血管等が判断可能であり、任意の深さ位置に対応する信号強度にレンズを制御することで、選択的に特定箇所(血管等)を測定することが可能である。
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば、レーザドップラ法による非接触式で、精度よく測定対象内の流体の流量を測定することができる。すなわち、測定の深さ位置を一定に保った状態で血流量測定を行うため、体動等に影響されることがなくなり、体動等によるアーチファクトを低減できる。また、レーザ光の収束する測定体積を小さく、かつ安定した大きさとできることで、深さ位置に対する分解能を高められるとともに、その後の補正を不要とし、安定した測定値を得ることができる。
<実験結果>
図16は、実験構成例を示す図である。以下、マイクロ流路100を有する生体を模擬した試料を測定対象1とし、図示するような実験構成で行った実験結果を説明する。
図17は、実験結果を示す図である。図16に示すような実験条件で実験した結果を図17に示す。なお、図17では、縦軸値「Blood flow rate」を最大値で正規化して示す。
まず、この実験では、図16に示すように、測定対象1は、深さ方向(図では、「Scanning direction」で示し、左方向である。)に流路幅が200 μm(マイクロメートル)であるマイクロ流路100を有する。
本実験では、マイクロ流路100には、赤血球溶液を一定の流速で流した。その上で、本実験では、測定対象1に対して流速測定装置が走査し(図では、左方向となり、「Focal point position」の方向である。)、各走査位置で流速測定装置がスペクトルを取得した。そして、取得されたそれぞれのスペクトルから、血流量値を算出した。
なお、本実験では、スキャンのステップ幅を50 μmとした。
血流量値は、測定対象となる体積中において、赤血球速度によって決定する。したがって、ファントムの走査によって深さ方向における分解能が評価できる。
図17に示すように、本実験では、マイクロ流路100の流路幅において血流量値が上昇する結果が得られた。具体的には、本実験では、まず、原点(図16及び図17における「Focal point position」が「0 μm」の位置に相当する。)をファントム表面(図16における「Surface」の位置である。)とした。そして、図16に示すように、測定対象1には、「Surface」から深さ方向(図では、左方向である。)において「200 μm」乃至「400 μm」の位置にマイクロ流路100がある。
これに対して、図17に示す実験結果からわかるように、本実験では、特に「Focal point position」が「200 μm」乃至「400 μm」の範囲、すなわち、マイクロ流路100がある位置において、血流量値が上昇する結果が測定できた。この結果から、本実施形態における流速測定装置は、深さ方向における分解能を有するといえる。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
1 測定対象
2 センサヘッド
201 光源
202 ピンホール
203 レンズ
204 ビームスプリッタ
205 レンズ
206 レンズ駆動機構
207 レンズ
208 ピンホール
209 検知器
3 ケーブル
31、32、33 電線
34、35 光ファイバ
4 コントローラ
401 光源駆動ドライバ
402 レンズ駆動ドライバ
403 A/D変換器
404 周波数解析部
405 レンズ制御部
406 入力部
407 スペクトル補正部
408 血流量計算部
409 表示部
410 アナログ周波数解析部
411 アナログレンズ制御部
412 光源
413 検知器
414 光サーキュレータ

Claims (5)

  1. 測定対象にレーザ光を照射して、前記測定対象内に所定の測定体積となる光収束部分を形成する手段と、
    前記光収束部分からの後方散乱光を受光する手段と、
    前記受光した信号を周波数解析する手段と、
    前記周波数解析の結果から、低周波数帯の信号強度に基づいて前記光収束部分の深さ方向の位置を制御する手段と、
    前記低周波数帯の信号強度と前記深さ方向の位置の関係から、前記周波数解析の結果の高周波数帯の信号強度に補正を行う手段と、
    前記補正が行われた高周波数帯の信号強度および周波数に基づいて流量を計算する手段と
    を備えたことを特徴とする流量測定装置。
  2. 前記測定対象内における光収束部分の深さ方向の位置を所定の範囲で移動して、低周波数帯の信号強度と深さ方向の位置の関係を示す情報を取得する手段を備え、
    前記光収束部分の深さ方向の位置を制御する手段は、ユーザから指定された深さ方向の位置に基づき、前記低周波数帯の信号強度と深さ方向の位置の関係を示す情報から対応する低周波数帯の信号強度を取得し、該信号強度に測定時の低周波数帯の信号強度が一致するように制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の流量測定装置。
  3. 前記測定対象内における光収束部分の深さ方向の位置を所定の範囲で移動して、低周波数帯の信号強度と深さ方向の位置の関係を示す情報を取得する手段を備え、
    前記光収束部分の深さ方向の位置を制御する手段は、前記低周波数帯の信号強度と深さ方向の位置の関係を示す情報から、所定の刻みで決定した深さ方向の位置に対応する低周波数帯の信号強度を取得し、該信号強度に測定時の低周波数帯の信号強度が一致するように制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の流量測定装置。
  4. 測定対象にレーザ光を照射して、前記測定対象内に所定の測定体積となる光収束部分を形成し、
    前記光収束部分からの後方散乱光を受光し、
    前記受光した信号を周波数解析し、
    前記周波数解析の結果から、低周波数帯の信号強度に基づいて前記光収束部分の深さ方向の位置を制御し、
    前記低周波数帯の信号強度と前記深さ方向の位置の関係から、前記周波数解析の結果の高周波数帯の信号強度に補正を行い、
    前記補正が行われた高周波数帯の信号強度および周波数に基づいて流量を計算する、
    処理を流量測定装置が実行することを特徴とする流量測定方法。
  5. 測定対象にレーザ光を照射して、前記測定対象内に所定の測定体積となる光収束部分を形成し、
    前記光収束部分からの後方散乱光を受光し、
    前記受光した信号を周波数解析し、
    前記周波数解析の結果から、低周波数帯の信号強度に基づいて前記光収束部分の深さ方向の位置を制御し、
    前記低周波数帯の信号強度と前記深さ方向の位置の関係から、前記周波数解析の結果の高周波数帯の信号強度に補正を行い、
    前記補正が行われた高周波数帯の信号強度および周波数に基づいて流量を計算する、
    処理を流量測定装置に実行させることを特徴とする流量測定プログラム。
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