JP6805118B2 - 流体測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、可干渉光を用いて流路を流れる流体の流量、流速等を測定する流体測定装置に関するものである。
流路を流れる流体の流量や流速を測定する技術が工業・医療分野などで幅広く利用されている。流量や流速を測定する流体測定装置としては、電磁流量計、渦流量計、コリオリ式流量計、超音波流量計、レーザ流量計など様々な種類があり、用途に応じて使い分けられている。このうち、レーザ流量計と超音波流量計は流路を流れる流体に接触することなく非接触で流量や流速を測定することが可能であるため、衛生的であることを必要とする用途や既設の流路に流量計を挿入することが出来ない用途などにおいて利用されている。
ところで、超音波流量計は精度が高く幅広く用いられているものの、小型化を図るとどうしても高コストになってしまう問題があった。この点、レーザ流量計は小型化が容易であるため、小型の流量計を安価に製造することが可能である。
レーザ流量計としては、レーザドップラー流量計がある(例えば、非特許文献1、非特許文献2、特許文献1参照)。このレーザドップラー流量計では、1光束あるいは2光束のレーザビーム(可干渉光)を流路に照射(入射)する。流路内の流体に含まれる速度を持つ散乱体がレーザ光の照射領域を通過するとレーザ光が散乱され、散乱光の周波数はドップラーシフトを受ける。また、流路壁等の静止した物体からの散乱光(反射光)の周波数はドップラーシフトを受けない。
このようなドップラーシフトを受けた散乱光とドップラーシフトを受けない散乱光を、同時にフォトダイオードなどで受け、電気信号に変換すると、ヘテロダイン検波が行われてビート信号が観測される。観測されるビート信号の周波数スペクトルを算出してピーク周波数を抽出すると、散乱体の移動速度を求めることができる。流れが層流であった場合、流路を流れる流体の平均速度や流量は、上述した方法により求めた散乱体の移動速度と比例関係となるため、流路に応じた比例定数を乗じて較正することで流体の平均流速や流量を求めることができる。
ここで、従来のレーザドップラー流量計の構成について図4を用いて説明する。図4は流体が流れる管(チューブ)の流量を測るためのレーザドップラー流量計であり、管1は光源光(光源部2からの光)に対して透過性を有する材料から構成されている。光源光が例えば、可視光から近赤外光の場合は、管1は例えば、塩化ビニルから構成されており、流路方向に対して垂直な断面は、例えば円形を示している。流体には複数の散乱体Sが含まれている。
このレーザドップラー流量計100は、光源部2、受光部3、受光信号の増幅やフィルタリング等の一次処理を行う信号処理部4、信号を基にした計算処理等を行う演算部5から構成されており、演算結果は最終的な計測結果を表示するためのパーソナルコンピュータ(PC)や表示モニタ等からなる結果表示部6へ送られる。
光源部2は例えば、面発光レーザ等の半導体レーザ素子から構成されており、管1の周囲に配置されて流体にレーザ光を照射する。受光部3は例えばフォトダイオードから構成されており、流体内の散乱体Sからの散乱光、または管壁等の静止物体からの散乱光(反射光)を受光して光電変換を行う。
光源部2と受光部3は、一体化されて一つの基板に実装されていても良いし、別々の基板から構成されていても良い。従来方式では通常、センサを小型化するために光源部2と受光部3は近接して設置される場合が多い。本例では一体化されて形成されており、信号処理部4であるプリント基板(センサ基板)に実装されている。また、本例では光源部2と受光部3は管1の管軸(チューブ軸)J、すなわち流体の流れの方向と平行になるように配置されている(図5参照)。
図4に示した信号処理部4および演算部5の機能ブロック図を図6に示す。信号処理部4は、受光部3からの微弱な電流信号を増幅して電圧信号に変換するトランスインピーダンスアンプ等の増幅器41、および所望の帯域を抽出するローパスフィルタやハイパスフィルタ等のフィルタ42から構成されている。演算部5は、アナログ・デジタル変換回路(ADC)等のデータ取得部51と計算機等を用いて高速フーリエ変換(FFT)等を行う計算処理部52から構成されている。データ取得部51には、ADC回路の手前に二次増幅器やフィルタ類が組み込まれている場合もある。
特開昭57−059173号公報
A. K. Jayanthy, et. al., "MEASURING BLOOD FLOW: TECHNIQUES AND APPLICATIONS - A REVIEW", International Journal of Recent Research and Applied Studies, 6 (2011) pp.203〜216. Armand Pruijmboom, et. al., "VCSEL-based miniature laser-Doppler interferometer", Proc. of SPIE, Vol. 6908 (2008) pp.69080I-1〜69080I-7.
しかしながら、このようなレーザドップラー流量計100において、管1は弾性を有しているため、流路が曲がりやすい。流路の曲げなどは流速分布の偏りを発生させる原因となる。この様子を図7に模式的に示す。
図7(b)は、流路に曲りがない直管の速度分布を示す図である。直管の流れは、レイノルズ数が一定値以下の条件において層流と呼ばれる一様な速度分布を形成している。粘性の影響を受けやすい管壁の付近は速度が小さく、管の中心部で速度が大きい分布をしており、このような分布が管のどの位置でも実現しているため、上述したように、流路を流れる流体の平均速度や流量は、検出される散乱体の移動速度と比例関係となる。このため、流路に応じた比例定数を乗じて較正することで流体の平均流速や流量を求めることができる。
一方、図7(a)は、流路に曲りがある管の速度分布を示す図である。この場合は曲りによる影響のため、直管で見られる層流状態と異なった分布となっている。具体的には、曲り形状と流体の速度により生じる遠心力により、速度の大きい成分が曲りの外側(曲率の小さい側)に偏っていく。さらにこの遠心力による圧力勾配が管の軸と垂直方向、すなわち動径方向の流れを作り出す。結局これらの流れ成分の合成により、曲りがある管における流体は螺旋を伴う速度分布を形成し、一様でない分布となる。しかも、管の曲率が場所ごとに揺らぐような場合には、上述した効果が複雑にからみあう速度分布が形成されることになる。検出される散乱体の移動速度は局所的な領域の移動速度であるため、流速分布の偏りを反映して計測位置によって大きく揺らぐことになり、移動速度から流体の平均流速や平均流量を求めることが非常に困難になる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、弾性体からなる管を流れる散乱体を含む流体の平均流量や平均流速をより正確に測定することが可能な流体測定装置を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、複数の散乱体を含む流体が流れる管(1)の周囲に配置されて流体に可干渉光を照射する光源部(2)と、管の周囲に配置され、光源部から照射されて散乱体により散乱された可干渉光を受光して光電変換する受光部(3)と、受光部で光電変換された電気信号の増幅、変換、およびフィルタリングを行う信号処理部(4)と、信号処理部で処理された信号をもとに流体の流速および流量の少なくとも一つを算出する演算部(5)とを備え、光源部と受光部とは、光源部から照射され管を流れる流体を透過した光を受光部で受光するような配置とされ、光源部と受光部との間の管内の光の透過距離が流路半径と流路半径の1/3の値との間であることを特徴とする。
本発明において、光源部と受光部とは、光源部から照射され管を流れる流体を透過した光を受光部で受光するような配置(透過光検出配置)とされている。このような配置とすることにより、前方散乱光を選択的に検出することができるようになり、管が弾性体からなる場合であっても、散乱体を含む流体の平均流量や平均流速をより正確に測定することが可能となる。
なお、上記説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の構成要素を、括弧を付した参照符号によって示している。
以上説明したように、本発明によれば、光源部と受光部とを、光源部から照射され管を流れる流体を透過した光を受光部で受光するような配置(透過光検出配置)としたので、前方散乱光を選択的に検出することができるようになり、弾性体からなる管を流れる散乱体を含む流体の平均流量や平均流速をより正確に測定することが可能となる。
図1は、本発明に係る流体測定装置の実施の形態における素子配置を示す断面図である。 図2は、光源部と受光部とを結ぶ直線Lと管軸(チューブ軸)Jとの成す角度θが90°(垂直)となるように配置した例を示す図である。 図3は、光源部と受光部とを結ぶ直線Lと管軸(チューブ軸)Jとの成す角度θがθ<90°となるように配置した例を示す図である。 図4は、従来の流体測定装置の構成を示す図である。 図5は、従来の流体測定装置における光源部と受光部の配置を示す図である。 図6は、信号処理部および演算部の機能ブロック図である。 図7は、管の形状における速度分布の違いを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、実施の形態の説明に入る前に、本発明の原理について説明する。
〔発明の原理〕
上述したように、管が弾性体などから構成され、管に曲りが生じ得る場合に、移動速度から流体の平均流速や平均流量を求めることが非常に困難になる理由は、検出される散乱体の速度情報が局所的な領域から得られるからである。
このため、管の位置で速度分布が変化しているような速度分布が一様でない状況においては、センサが配置される位置や曲り状態が変化することにより、検出される値が揺らいでしまうことになる。この問題を解決するための方法の一つは、検出される散乱体の速度情報が得られる領域を拡大し、その値を平均化することである。このためには、光源部と受光部との距離を離し、広い範囲から発生する散乱光を受光できるようにする必要がある。
しかしながら、散乱光の強度は弱いため、ただ光源部と受光部との距離を離しただけでは多重散乱を繰り返すうちに拡散してしまい、検出困難な程、光強度が弱くなる可能性がある。また、光の吸収がある媒質では散乱光が吸収により減衰してしまう。これを解決するためには、より散乱強度の強い方向の散乱光を検出する必要がある。
すなわち、従来技術の様な光源部と受光部との距離が近い場合は必然的に散乱体の後方に散乱される光である「後方散乱光」を受光するが、これに代わり散乱体の前方に散乱される「前方散乱光」を受光することによりこの問題は解決される。
流量計でよく計測される血液では、散乱体である赤血球のサイズ(粒径)が計測に用いられる波長と同程度であり、この場合の散乱はMie散乱と呼ばれる。この種類の散乱は後方散乱光よりも、前方散乱光の強度が10倍程度強く、光源部と受光部との距離を離したことによる光の減衰分を補うことができるからである。
従って、光源部と受光部を、光源からの透過光(管を流れる流体を透過した光)を受光するような透過光検出配置にして前方散乱光を選択的に検出できるようにすればよい。さらに、この配置は前方散乱光だけでなく透過光も検出できるため、透過光の減衰量から散乱体の濃度に関する情報も得ることができるという効果を有する。
光源部と受光部との距離も重要な要素である。光路が長い方が、より広範囲から発生する散乱光を受光しやすくなり、速度分布の平均化効果は大きくなる。しかしながら前述したように、前方散乱強度は強いものの、光路、すなわち管内の光の透過距離が長いほど、多重散乱による拡散減衰や吸収減衰が起こりやすくなる。一方で、光源部と受光部が近すぎると充分な速度分布平均化効果が得られないため、光源部と受光部との距離を適切に設定することが望ましい。
流路として良く用いられる弾性体の管(チューブ)は、内径(流路直径)が例えば3.4mm〜4.7mmの程度であることが多い。また、光源としては、面発光レーザ素子が機能・価格の面から良く用いられるが、出力はそれ程大きくなく、レーザドップラー流量測定に適するシングルモード条件で得られる出力はおおよそ2〜3mW程度である。
光源の波長、出力、および流体の透過率にも依存するが、光源出力と拡散・吸収減衰によって定まる散乱光の到達範囲、および平均化効果を考慮すると、内径(流路直径)が例えば3.4mm〜4.7mmの程度の場合には、発光部と受光部の距離は0.56mm〜2.4mmの範囲が計算上適しており、実際の計測においても当てはまっている。すなわち、管の内側半径(流路半径)をrとすると、発光部と受光部との間の管内の光の透過距離は、r〜r/3の距離が適している。
また、ドップラーシフト量は、光の散乱ベクトル(入射光の波数ベクトルと散乱光の波数ベクトルとの差)と流体粒子の速度ベクトルの内積で決まる。素子配置として、発光部と受光部とを結ぶ直線と管軸(チューブ軸)との成す角度θが例えば90°(垂直)となるように配置することができるが、一方で例えばθ<90°となるように配置することで、散乱ベクトルと速度ベクトルの内積成分が大きく(小さく)なりドップラーシフト量が大きく(小さく)なるような場合には、θ<90°となる適切な角度をとるように配置しても良い。
また、+θ方向の配置での散乱ベクトルは−θ方向の配置での散乱ベクトルと、管軸に対して軸対象となるため、検出対象である管軸と同一方向の速度ベクトルとの内積成分は等しくなる。そのため、0°≦θ<180°を考えればよい。さらに、PDとLDの位置を入れ替えた場合、即ちθ+180°方向の配置では散乱ベクトルが逆方向になるが、本測定方法ではドップラーシフトの絶対値だけが重要であり、正負に関する情報は失われるため、θ+180°方向の配置とθ方向の配置では値が等しくなる。上述したように+θ方向の配置と−θ方向の配置で値が等しいことを考慮すると、結局0°≦θ≦90°を考えればよいことが分かる。一方で、透過光を検出できる配置を維持したまま小さいθを実現するには、PDとLDの距離を変化させる必要があるが、管内の光の透過距離はr〜r/3が適しているために実現できるθに制限が生じる場合がある。
〔実施の形態1〕
以下、本発明の第1の実施形態(実施の形態1)について図面を参照しながら説明する。図1に、実施の形態1の流体測定装置101における素子配置の断面図を示す。この流体測定装置101において、信号処理部4および演算部5の機能ブロック図は図6と同様である。
本実施の形態では、管1として例えば内径2rが3.4mmの塩化ビニルを使用しており、光源部2と受光部3が透過距離dだけ離れる様に配置されている。本実施の形態において、光源部2と受光部3との間の管1内の光の透過距離dは、例えばr/2に相当する0.85mmとした。
光源部2は、光源素子2−1として面発光レーザ素子を用いており、光源素子2−1は光源部基板7に実装されている。光源素子2−1としては、出力変動が少ない安定したレーザ素子を用いるのが望ましいが、レーザ素子の出力をモニタし、出力変動を補償するようにしても良い。
一方、受光部3の受光素子3−1であるフォトダイオードは、信号処理部4を兼ねるプリント基板(受光部基板)に実装されている。以下、信号処理部4を受光部基板4とも呼ぶ。本実施の形態では、光源部基板7と受光部基板4が別々の基板であるが、大きな一つの基板を用いることもできる。また、光源素子2−1と受光素子3−1の手前にはそれぞれ集光レンズ(集光用の光学レンズ)2−2,3−2を配置しているが、計測状況に応じて適宜省略および変更をすることができる。
また、本実施の形態では、光源部2と受光部3を、図2に示すように、光源部2と受光部3とを結ぶ直線Lと管軸(チューブ軸)Jとの成す角度θが90°(垂直)となるように配置している。
この流体測定装置101では、光源部2から干渉性を有する光源光(可干渉光)を流路となる管1を流れる流体に照射する。流体には光源光を散乱する散乱体Sが含まれている。塩化ビニルは透明であり、光源光に対して透過性を有している。光源光が散乱体Sによって散乱されるとその一部は受光部3によって受光される。散乱体Sの濃度が低い場合には大部分の散乱は1〜2回程度の散乱であるが、濃度が増加するにつれて複数回の散乱を経て受光部3に到達することになる。散乱を起こさなかった透過光あるいは静止している管壁からの反射・散乱光も同様に受光される。
受光部3で受光された光は電気信号に変換されるが、ドップラーシフトにより周波数が変化した光と変化がない(変化が少ない)光との間でビート信号が発生し、それが交流成分となって検出される。受光部3が出力する電気信号は通常微弱であり、出力電流はμAのオーダー程度であるため、受光部基板4に配置されているトランスインピーダンスアンプなどの増幅回路を用いて増幅し、例えば1V程度の扱いやすいレベルの電圧信号に変換する。次に増幅信号を分岐し、一方の信号にハイパスフィルタを通して高周波(交流)成分のみを取り出す。ハイパスフィルタのカットオフ周波数としては1〜100Hz程度の適切な値を選択することができる。
フィルタを通さない側の信号は、次の演算部5に備えたADC回路でデジタル信号に変換した後、時間平均を取ることで高周波成分を平均化して直流成分として取り出し、信号の規格化等に用いる。この直流成分は液体の透過率、すなわち液体中の散乱体Sの濃度によって変化するため、LD出力の変動を除いた直流成分の変化は散乱体Sの濃度情報を与える。従って、測定対象の濃度と直流成分の対応関係を、事前に使用するチューブにおいて測定して較正表を作成することで、LD出力変動を差し引いた直流成分を利用した散乱体Sの濃度補正を行うことができる。
高周波成分は通常、直流成分よりも一桁から二桁程度値が小さいため、二次アンプによりさらに信号処理に適した値まで増幅した後、ローパスフィルタにより信号処理に必要としない高周波成分を取り除き、演算部5に送られる。ローパスフィルタのカットオフ周波数は散乱体Sの流速により異なるが、例えば20MHzであればよい。
演算部5では高周波成分をADCによりデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された高周波成分は、FFTによりフーリエ変換し、そのパワーを算出することでパワースペクトルを得る。パワースペクトルが得られたら、パワーPと周波数fとの積和を、以下に示す式により所定の周波数範囲に亘って演算し、流速相関特徴量νとする。
ν=Σ(P(f)×f) ・・・・(1)
この流速相関特徴量νに較正係数を乗算するなどの演算を加えて、例えば平均流量値を算出して結果表示部6に送ることで流体計測を実現する。なお、流速相関特徴量νを算出する際に適宜、増幅・フィルタ回路の周波数特性を補正する補正演算を行うことができる。また、ADC、計算処理を適切に設計して、直流成分等を用いた入射光強度・反射度合に応じた補正演算等を行うことができる。
本実施の形態では、光源部2と受光部3との距離を適切な距離(r〜r/3)だけ離して配置したことで、従来よりも広範囲の流体領域から散乱光を受光することができ、速度分布をより広範囲の領域に亘って平均化することができた。このため、管1の曲げに起因する速度分布変化の影響を従来よりも20%以上低減することが可能であった。このとき、散乱強度が強い前方散乱光を選択的に受光することができる透過光検出配置にしたため、光路が従来よりも増えたことで散乱光が減衰する影響を相殺し、従来と同程度の大きさの散乱信号を受光することができた。
〔実施の形態2〕
本発明の第2の実施形態(実施の形態2)については、実施の形態1と同様の配置であるが、図3のように、素子配置として、光源部2と受光部3とを結ぶ直線Lと管軸(チューブ軸)Jとの成す角度θが例えばθ<90°となるように配置した。本例ではθを45°とした。
このようにすることで、散乱ベクトルと速度ベクトルの内積成分が変化し、ドップラーシフト量が変化したため、流速相関特徴量νが所望の値、例えば本例においては実施の形態1よりも大きな値となるような状況で計測を行うことができた。一般的には流速相関特徴量νの値に応じた、信号処理部4等における増幅器の増幅率の調整作業と組み合わせて計測値のS/Nを最適化できる。
本実施の形態の効果により、実施の形態1と同様に、管1の曲げに起因する速度分布変化の影響を従来よりも20%以上低減することが可能であった。
〔実施の形態3〕
本発明の第3の実施形態(実施の形態3)については、実施の形態1と同様の配置であるが、計測により得られる透過光成分に相当する直流成分が、光吸収特性を備える散乱体Sの濃度に応じて増減することに着目した。この直流成分を用いて、演算部5において、散乱体Sの濃度変化に起因する流速相関特徴量νを補正することにより、散乱体Sの濃度に依存しない管内流体の平均流量を計測する事が可能であった。本実施の形態の効果により、実施の形態1と同様に、管1の曲げに起因する速度分布変化の影響を従来よりも20%以上低減することが可能であった。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1…管、2…光源部、2−1…光源素子、2−2…集光レンズ、3…受光部、3−1…受光素子、3−2…集光レンズ、4…信号処理部(受光部基板)、5…演算部、6…結果表示部、7…光源部基板、S…散乱体、101…流体測定装置。

Claims (4)

  1. 複数の散乱体を含む流体が流れる管の周囲に配置されて前記流体に可干渉光を照射する光源部と、
    前記管の周囲に配置され、前記光源部から照射されて前記散乱体により散乱された可干渉光を受光して光電変換する受光部と、
    前記受光部で光電変換された電気信号の増幅、変換、およびフィルタリングを行う信号処理部と、
    前記信号処理部で処理された信号をもとに前記流体の流速および流量の少なくとも一つを算出する演算部とを備え、
    前記光源部と前記受光部とは、
    前記光源部から照射され前記管を流れる流体を透過した光を前記受光部で受光するような配置とされ、前記光源部と前記受光部との間の前記管内の光の透過距離が流路半径と流路半径の1/3の値との間であ
    ことを特徴とする流体測定装置。
  2. 請求項1に記載された流体測定装置において、
    前記管の管軸と、前記光源部と前記受光部とを結ぶ直線との成す角が90°である
    ことを特徴とする流体測定装置。
  3. 請求項1に記載された流体測定装置において、
    前記管の管軸と、前記光源部と前記受光部とを結ぶ直線との成す角が90°未満である
    ことを特徴とする流体測定装置。
  4. 請求項1に記載された流体測定装置において、
    前記演算部は、
    前記受光部により検出された透過光の信号をもとに、前記流体の濃度情報を算出し、
    前記算出された前記流体の流速および流量の少なくとも一つの値を該濃度情報によって補正する
    ことを特徴とする流体測定装置。
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