以下、本発明の実施の形態に係る制御装置、制御システム、制御方法及びプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同じ符号を付す。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る制御システム100は、図1に示すように、制御装置1と、1台以上の換気装置2と、表示装置3と、を備える。ただし、制御装置1が液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイといった表示デバイスを備える場合は、独立した表示装置3を備えなくてもよい。この場合は、制御装置1が表示装置3を含む。また、表示装置3は、スマートフォンやタブレットのような表示デバイスを備えた情報端末であってもよい。
制御装置1は換気装置2から、換気装置2の電源のON/OFFや風量といった運転状態の情報を取得し、取得した各換気装置2の運転状態を、建屋内の設置場所と共に提示する画面を構築し、表示装置3に出力する。また、換気装置2を制御する制御信号を送信することにより、換気装置2の運転状態を変更する。
換気装置2は、建屋に固定して設置され、空気を搬送する機能を持つ装置を指す。標準的な壁取付け式換気扇の他、ダクト用換気扇、パイプ用ファン、レンジフードファン、24時間換気システムのような全館換気装置、換気方向反転可能な換気装置を含む。
なお、換気装置2は、制御装置1に現在の運転状態を送信したり、制御装置1からの制御信号を受信して運転状態を変更したりすることができる通信インタフェースを備える。ここで、運転状態とは、換気装置2の運転の状態であり、例えば、電源のON/OFFや換気風量の強弱、空気の搬送方向、熱交換モードの各状態を含む。
表示装置3は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示デバイスと、タッチパネルとを備えており、制御装置1が構築した画面を表示する。制御装置1と表示装置3との間のインタフェースは何でもよく、例えば、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)を用いることができる。また、表示装置3がスマートフォンやタブレットのような表示デバイスを備えた情報端末である場合は、制御装置1と表示装置3との間のインタフェースは、Ethernet(登録商標)のような有線の通信インタフェースや、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)といった無線の通信インタフェースの場合もあり得る。なお、表示装置3は、タッチパネルを備えるため、タッチパネルの機能のみに着目した場合は、入力装置とみなすことができる。
制御装置1は、図2に示すように、機能構成として、制御部10と、記憶部20と、通信部31と、出力部32と、入力部33と、を備える。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部20に記憶されたプログラムを実行することにより、各部(機器状態取得部11、画像取得部12、位置取得部13、画面構築部14、機器制御部15、制御内容決定部16)の機能を実現する。
機器状態取得部11は、後述する通信部31を介して、換気装置2から、換気装置2の運転状態の情報を取得する。
画像取得部12は、後述する画面構築部14が表示画面を構築する際に必要となる換気装置2、換気装置2により生じる空気の流れを示すシンボル、他の設備、間取り図、模式図等の画像の情報を後述する画像情報記憶部21から取得する。
位置取得部13は、後述する画面構築部14が表示画面を構築する際に必要となる、各設備の配置位置や、換気装置2により生じる空気の流れを示すシンボルの配置位置や回転角度を後述する建屋情報記憶部22から取得する。
画面構築部14は、機器状態取得部11が取得した換気装置2の運転状態の情報と、画像取得部12が取得した画像の情報と、位置取得部13が取得した配置位置の情報と、に基づき、換気装置2及び他の設備を含む建屋の間取り図又は模式図を構築する。
機器制御部15は、換気装置2に対して、通信部31を介して、電源のON/OFFや風量といった運転状態を制御する制御信号を送信する。
制御内容決定部16は、後述する入力部33が検出した入力操作に基づき、換気装置2を制御する内容である制御内容を決定する。この制御内容はユーザが換気装置2を制御するために入力部33を介して入力操作した内容に対応するものである。
記憶部20は、ハードウェアとしてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。ROMには制御部10のCPUが実行するプログラムや、プログラムを実行する上で予め必要なデータが記憶されている。RAMには、プログラム実行中に作成されたり変更されたりするデータが記憶される。記憶部20は機能的には、画像情報記憶部21、建屋情報記憶部22、機器状態記憶部23及び画面記憶部24を備える。
画像情報記憶部21は、図3(a)に示すように、換気装置2、家具やエアコンといった他の設備、建屋の模式図及び間取り図の画像の情報を記憶する。図3(a)の例では、換気装置2の画像として、「画像ID」#0011の全館換気装置Aと、「画像ID」#0012の換気装置Aが記憶されている。また、換気装置2による換気方向を示すため、画像ID#0001〜#0003に各矢印のシンボルも記憶されている。図3(a)で、「ベース種別」となっているのは、その画像データが建屋の模式図用のデータなのか、間取り図用のデータなのかを表す。模式図用なら1、間取り図用なら2である。「画像名称」は、その画像の名称を表す。「シンボル画像サイズ」は、対象となる設備を模したシンボル画像のサイズを表す。「シンボル画像データ」は、シンボル画像の画像データを示す。「対応ON矢印」は、破線矢印シンボルにのみ存在するデータであり、その破線矢印シンボルで示される換気装置2の電源がONの場合に、その破線矢印シンボルにオーバーラップして表示する実線矢印を示す。
これらの画像データにより表示される具体的な画像を図3(b)〜図3(j)に示す。
図3(b)で示される「一方向矢印A」のシンボル画像は、枠が破線の片矢印である。図3(c)で示される「双方向矢印A」のシンボル画像は、枠が破線の両矢印である。これらは、換気装置2により生じさせることのできる空気の流れを示すものである。図3(d)で示される「ON矢印A」のシンボル画像は、枠が実線の片矢印であり、こちらは換気装置2が電源ONになっており、換気装置2の運転により実際に発生している空気の流れを示すために用いる。以下、これらの矢印を換気矢印とも呼ぶ。
模式図中には、図3(e)に示す全館換気装置Aのシンボル画像や図3(f)に示す換気装置Aのシンボル画像のような、換気装置2を示すシンボル画像を表示してもよく、これらを表示することにより、換気装置2の取付け位置をよりわかりやすく表現することができる。
画像情報記憶部21には、また、他の設備の画像として、例えば、図3(a)の「シンボル画像データ」の項目に示すように、模式図用の「エアコンA」の画像である図3(g)の画像や、間取り図用の「食卓A」の画像である図3(h)の画像も記憶されている。これら他の設備の画像も配置することで、建屋の情報をよりわかりやすく表現することができる。
画像情報記憶部21には、また、ベース画像として、模式図及び間取り図自体の画像も記憶されている。例えば、図3(a)では、模式図及び間取り図自体を示すベース画像として、「模式図A」及び「間取り図A」のベース画像が記憶されている。画像IDが#1001は「模式図A」の画像データであり、図3(i)に示す画像が記憶されている。また、画像IDが#2001は「間取り図A」の画像データであり、図3(j)に示す画像が記憶されている。このベース画像である模式図や間取り図の上に、換気装置2や空気の流れを示す矢印、他の設備の画像を重ね合わせることにより、ユーザに提示する画面が構築される。
建屋情報記憶部22は、建屋内の部屋の構造を示すベース画像として、どの画像IDのベース画像を、どの位置にどのようなサイズで配置するかを記憶する。また、建屋情報記憶部22は、どの設備がどのようなサイズでどの部屋に配置されているかも記憶する。これらの情報は、画像情報記憶部21に記憶されている画像をどのように配置して建屋の情報を表現させるかを示す建屋情報となる。ここで、建屋内の玄関や廊下等、一般には部屋とは言えない場所も、建屋情報においては部屋として扱う。また、建屋情報としては、各換気装置2の換気元の部屋と換気先の部屋の情報も記憶する。例えば、図4(a)は、図4(b)に示す建屋9の模式図の画面を構築するための建屋情報の例である。「ベースID」が#1001となっているので、図3(a)に示す画像情報記憶部21を参照してベース画像として「模式図A」が選択される。そして、この「模式図A」の画像サイズを「ベースサイズ」にある700×600に伸縮し、「ベース位置」にある(0,600)の座標に配置する。そして、「換気装置数」が5となっているので、この後に「装置ID、シンボル画像ID、シンボル画像位置、方向、換気矢印画像ID、換気矢印画像位置、換気矢印回転角度、換気元、換気先、風量」という換気装置2の10個の情報のセットが、換気装置数である5つ分存在する。
ここで、「装置ID」は、換気装置2を一意に特定するためのIDであり、例えば、後述する通信部31がEthernet(登録商標)や無線LANであり、通信プロトコルとしてTCP/IPを用いる場合はMACアドレスを用いることができる。「シンボル画像ID」は画像情報記憶部21に記憶されているシンボルの画像IDを表す。図4(a)では、装置IDが1の換気装置2のシンボル画像IDは#0011となっているので、画像情報記憶部21を参照して、「全館換気装置A」が選択される。また、「シンボル画像位置」はシンボル画像の画像位置であり、画面左下を(0,0)として、右方向にX、上方向にYを取ったときの(X,Y)で表している。「方向」は、換気装置2が換気方向を反転させることができる否かを示す情報であり、換気方向が固定の場合は一方向を示す「1」、反転可能である場合は双方向を示す「2」となる。
「換気矢印画像ID」及び「換気矢印画像位置」は、換気矢印のシンボル画像についての画像ID及び画像位置である。「換気矢印回転角度」は、換気矢印のシンボル画像の回転角度である。図4(a)の装置IDが1の換気装置2を具体例として説明すると、「換気矢印画像ID」が#0003であり、これは図3(a)を参照すると、シンボル画像は図3(d)に示される実線で描かれた左向き矢印である。そして、図4(a)の「換気矢印回転角度」は90°になっているので、図4(b)の換気矢印シンボル94cに示すように、構築される画面では左向き矢印を時計回りに90°回転させた上向き矢印として表示される。「換気元」、「換気先」は、それぞれ換気装置2による換気元の部屋と換気先の部屋の情報である。ここで、換気装置2が建屋全体の換気を行う全館換気装置である場合、「換気元」は建屋9となる。なお、この「換気元」及び「換気先」は、模式図や間取り図を参照しなくても、換気元及び換気先を把握しやすくするために記憶しているものである。模式図や間取り図を参照すれば、換気矢印シンボル94が表示される位置や回転角度によって、換気元と換気先はユーザに提示され、また、制御装置1は、装置IDによって各換気矢印シンボル94がどの換気装置2に対応しているかを把握できるため、建屋情報記憶部22には「換気元」や「換気先」の情報を記憶しなくてもよい。「風量」は、換気装置2の電源ON時に設定可能な風量を表す。
次に「他設備数」が1となっているので、この後に「シンボル画像ID、シンボル画像位置」という他設備の2つの情報のセットが他設備数である1つ存在する。なお、他設備についても、換気装置2と同様に、制御装置1に運転状態を通信可能な設備であるなら、当該他設備の装置IDを1番目のデータとして記述し、「装置ID、シンボル画像ID、シンボル画像位置」という他設備の3つの情報のセットとして構成してもよい。このようにすることで、換気装置2だけでなく、当該他の設備についても、その運転状態を取得して、換気装置2と同様に、当該他の設備の設置位置と運転状態とを同時に確認できるようになる。
図4(a)に示す建屋情報記憶部22のデータ例に基づき画面を構築すると、図4(b)に示すような模式図の画面となる。この図で、換気矢印シンボル94cにより、建屋9に全館換気装置が設置されており、これにより屋外への排気を行うことができることがわかる。同様に、リビングとなっている1階の部屋91a、キッチンとなっている1階の部屋91b、バスルームとなっている2階の部屋92cそれぞれの換気矢印シンボル94aにより、それぞれの部屋に換気装置2が設置されており、これにより屋外への排気を行うことができることがわかる。また、換気矢印シンボル94bにより、寝室となっている2階の部屋92aと、洗面所となっている2階の部屋92bとの間で換気方向可変の空気搬送を行うことができることがわかる。なお、図4(b)では換気方向可変の換気装置2は同一フロアの隣接する領域間で空気搬送を行うことができる例を示しているが、換気方向可変の換気装置2の換気元、換気先の位置関係は同一階の間に限定されることはなく、1Fと2Fの間であったり、床下と1Fの間であったりしてもよい。また、屋外への排気時は、換気先は屋外になるが、建屋周囲の屋外なので、便宜上、該屋外は、建屋の領域の一つとして扱うこととする。
図5(a)は、図5(b)に示す建屋9の間取り図の画面を構築するための建屋情報の例である。ベースIDが#2001となっているので、画像情報記憶部21を参照してベース画像として「間取り図A」が選択される。そして、この「間取り図A」の画像サイズを「ベースサイズ」にある700×900に伸縮し、「ベース位置」にある(0,600)の座標に配置する。そして、「換気装置数」が4となっているので、この後に「装置ID、換気矢印画像ID、換気矢印画像位置、方向、換気矢印回転角度、換気元、換気先、風量」という換気装置2の情報の8つの情報のセットが、換気装置数である4つ分存在する。図5の例では間取り図上に換気装置2のシンボル画像を表示していないため、図5(a)に示す間取り図の建屋情報記憶部22のデータ量は、図4(a)に示す模式図の建屋情報記憶部22のデータ量よりも少なくなる。なお、換気矢印シンボル94が表示される位置や回転角度によって、換気元と換気先はユーザに提示され、また、制御装置1は、装置IDによって、各換気矢印シンボル94がどの換気装置2に対応しているかを把握できるため、模式図の場合と同様、間取り図の場合も、建屋情報記憶部22には「換気元」や「換気先」の情報を記憶しなくてもよい。また、図4(b)と同様に、図5(b)でも全館換気装置の運転状態を表示する場合は、屋根裏93aや床下93bのように、間取り外の領域に「全館」を示す全館領域95を設け、そこに換気矢印シンボル94を配置することができる。
図5(a)の建屋情報記憶部22のデータに基づき、画面を構築すると図5(b)のような画面になる。この図で、1階の部屋91a、1階の部屋91b、2階の部屋92cそれぞれの換気矢印シンボル94aにより、それぞれの部屋に換気装置2が設置されており、これにより屋外への排気を行うことができることがわかる。また、換気矢印シンボル94bにより、部屋92aと、部屋92bとの間で換気方向可変の空気搬送を行うことができることがわかる。
制御装置1を工場から出荷する際又は販売店で販売する際には、その制御装置1のユーザの住んでいる住居に存在する設備の情報や、建屋9の情報に基づき、画像情報記憶部21や建屋情報記憶部22に必要なデータを記憶してから出荷又は販売する。建屋情報記憶部22については、ユーザの建屋9にカスタマイズすることが必要なので、模式図や間取り図をユーザが画面上で編集した結果を建屋情報記憶部22に記憶させることができるアプリケーションソフトを制御装置1に内蔵させてもよい。
機器状態記憶部23は、機器状態取得部11が取得した換気装置2の運転状態を記憶する。この情報は、換気装置2の運転状態に変化があるか否かの判定及び、運転制御時に現在の運転状態を把握するために用いる。記憶する情報は、図6に示すように、電源のON/OFFの他、例えば、換気方向、換気風量である。熱交換機能がある換気装置2の場合は、熱交換モードのON/OFFの状態も記憶する。このうち、「換気方向」については、換気方向を反転可能な換気装置2が、図3(a)に示す画像情報記憶部21の「対応ON矢印」を、図4(a)に示す建屋情報記憶部22の「換気矢印回転角度」だけ時計回りに回転した向きに換気している場合は「1」を、その反対方向に換気している場合は「2」を値に持つ。
画面記憶部24は、画面構築部14が構築する画面の情報を記憶する。表示装置3がHDMI(登録商標)、DVI(Digital Visual Interface)等の映像インタフェースで接続される場合や、制御装置1に含まれる場合は、画面記憶部24は所謂ビデオRAMであり、画面記憶部24の記憶アドレスと画面上の出力位置とが対応し、画面記憶部24に書き込まれるデータの値は、画面上の色や明暗に対応している。表示装置3がスマートフォンやタブレット等の表示デバイスを備えた情報端末である場合は、画面記憶部24はビデオRAMではなく、表示装置3の表示デバイスに出力される表示データが記憶される。この場合、この表示データをどのようなデータ構造にするかは任意であるが、以下の説明ではこの表示データを記憶する場合も、画面記憶部24の記憶アドレスと表示装置3の画面上の出力位置とが対応し、画面記憶部24に書き込まれるデータの値が、表示装置3の画面上の色や明暗に対応しているものとして説明する。
通信部31は、制御装置1が換気装置2から換気装置2の運転状態を取得したり、また、制御装置1が換気装置2へ制御信号を送信したりするために、通信を行う通信デバイスである。これは任意の通信デバイスを使用可能である。通信インタフェースにも制限はない。例えばEthernet(登録商標)のような有線の通信インタフェースでもよいし、無線LANやBluetooth(登録商標)といった無線の通信インタフェースでもよい。
出力部32は、画面構築部14が構築し、画面記憶部24に書き込んだ画面を表示装置3に出力するための出力インタフェースである。このインタフェースは何でも良く、例えばHDMI(登録商標)が用いられる。なお、制御装置1が表示デバイスを備えている場合、出力部32が表示装置3と一体化していると考えてもよい。また、表示装置3がスマートフォンやタブレット等の表示デバイスを備えた情報端末である場合は、出力部32は、Ethernet(登録商標)のような有線の通信インタフェースでもよいし、無線LANやBluetooth(登録商標)のような無線の通信インタフェースでもよい。いずれの場合も、表示装置3は、出力部32からの情報を受け取ることができるインタフェースを備えている。
入力部33は、ユーザの操作を検出するための入力デバイスにより、ユーザが、表示装置3の画面上で行った入力操作を検出する。入力デバイスとしては、例えば、キーボード、マウス、表示装置3のタッチパネルを含む。入力部33は、どの操作が画面上のどの位置で行われたか画面上の座標の情報を制御部10に通知する。また、後述するドラッグ操作のように、方向を持つ操作が行われた場合は、操作された方向の情報も制御部10に通知する。なお、後述するピンチアウト操作、ピンチイン操作においては、制御部10に通知する座標の情報は、2本の指それぞれがタッチしている画面上の2つの点の中点の座標の情報となる。
指による操作としては、画面に一瞬接触してすぐに離すタップ操作、タップ操作を2回連続して行うダブルタップ操作、指を画面に接触させたままスライドさせるスワイプ操作、2本の指を画面に接触させスライドして近づけるピンチイン操作、2本の指を画面に接触させスライドして遠ざけるピンチアウト操作等がある。マウスによる操作としては、マウスのボタンを一瞬押してすぐに離すクリック操作、クリック操作を2回続けて行うダブルクリック操作、マウスのボタンを押しながらマウスカーソルを移動させるドラッグ操作等がある。キーボードによる操作としては、カーソルキーによるカーソル移動操作、エンターキーによる決定操作、カーソル移動後にエンターキーで決定する選択操作等がある。これらの操作が画面上のどの座標でどの向きに行われたかが入力部33により入力され、制御部10に通知される。なお、以下の説明中の「ドラッグ」操作には、指による「スワイプ」操作も含まれる。
次に、実施の形態1に係る制御装置1が行う画面構築処理について、図7を参照して説明する。図7は実施の形態1に係る画面構築処理のフローチャートである。画面構築処理は、制御装置1の制御プログラムが起動すると開始され、この処理により、各装置の状態が設置場所とともにわかりやすく出力される。なお、制御装置1の制御プログラムは制御装置1の電源を入れると起動するので、制御装置1の電源を入れると、画面構築処理が開始される。
まず、機器状態取得部11が、通信部31を介して、換気装置2から運転状態の情報を取得する(ステップS101)。そして、制御部10は、機器状態取得部11が取得した換気装置2の運転状態を機器状態記憶部23に記憶する(ステップS102)。次に、画像取得部12が表示画面構築に必要な画像の情報を建屋情報記憶部22及び画像情報記憶部21から取得し、位置取得部13が表示画面構築に必要な画像の配置位置や回転角度に関する情報を建屋情報記憶部22から取得する(ステップS103)。
次に、ステップS101で取得した換気装置2の運転状態とステップS103で取得した画像情報や配置位置に基づき、画面構築部14は、図4(b)や図5(b)のような建屋9の画面を構築して画面記憶部24に書き込む。そして、画面構築部14が構築した画面を表示する情報が出力部32から表示装置3に出力される(ステップS104)。
次に制御部10は、ユーザからの入力操作が入力部33により検出されるのを30秒間待つ(ステップS105)。入力操作が検出されない場合には、再度換気装置2の現在の運転状態を取得して表示する処理に戻るのだが、換気装置2の運転切替えは頻繁に行われるものではなく、従って運転状態の描画はそれほど頻繁に更新する必要はない。頻繁に運転状態を取得するのは省電力の観点でも無駄なので、ここで30秒の待機時間を設けている。この30秒というのは、予め設定された待機時間の一例であり、待機時間は例えば1分や20秒といった任意の時間を設定可能である。なお、制御部10は図示しないタイマーを備えており、このタイマーを使用して待機時間を計測する。
ステップS105での入力待機中に制御部10は、ユーザからの入力操作を入力部33が検出したか否かの判定を行う(ステップS106)。待機時間中に入力操作を検出した場合(ステップS106;Yes)、即座に待機を中止し、後述する入力操作に応じた制御処理を行って(ステップS107)、ステップS109に進む。待機時間の30秒間に入力操作を検出しなかった場合(ステップS106;No)は、再度、機器状態取得部11が、通信部31を介して、換気装置2から運転状態を取得し(ステップS108)、ステップS109に進む。なお、ステップS107の制御処理においても、機器状態取得部11が、通信部31を介して、換気装置2から運転状態を取得している。
そしてステップS109では、制御部10は、機器状態記憶部23に記憶されている運転状態と、ステップS107又はステップS108で取得した運転状態と、を比較することによって、換気装置2の運転状態に変化があるかどうかを判定する(ステップS109)。
運転状態に変化があるなら(ステップS109;Yes)、ステップS102に戻って、ステップS108で取得した運転状態を機器状態記憶部23に記憶し、それ以後再度換気装置2の運転状態の表示を繰り返す。運転状態に変化がないなら(ステップS109;No)、制御部10は制御プログラムが動作中かを判定する(ステップS110)。
制御プログラムが動作中であれば(ステップS110;Yes)、ステップS105に戻る。制御プログラムが動作中でなければ(ステップS110;No)、処理を終了する。
以上が、画面構築処理の全体の流れとなる。次に、画面構築処理のステップS104で実行される画面構築・出力処理について説明する。この処理は、画面構築部14が、建屋9の模式図や間取り図の上に、換気装置2の運転状態を表現する画面を構築し、出力部32を介して出力する処理である。この運転状態の表現の方法は、図3(b)〜(d)に示した換気矢印のシンボル画像を用いて行う。換気装置2の運転状態としては、例えば電源ON/OFF、風量、換気方向がある。それぞれの表現方法の例を説明する。
まず、電源ON/OFF状態は、図3(d)で示した枠線が実線の矢印か、図3(b)、図3(c)で示した枠線が破線の矢印か、で表現する。実線の矢印が電源ONを表し、破線の矢印は電源OFFを表す。風量は、矢印の太さで表現する。例えば、風量強では矢印を通常の2倍の太さで描画し、風量弱では矢印を通常の半分の太さで描画する。風量の強弱の度合いに応じて太さの倍率を細かく変化させてもよい。また、その際、風量を示す文字、例えば「弱」を、矢印の近傍に表示してもよい。換気方向は、矢印の向きで表現する。換気方向を反転可能な換気装置2の電源OFF時は図3(c)に示す破線の両矢印で表現し、電源ON時は換気方向の向きの実線の片矢印を、破線の両矢印の上にオーバーラップさせて描画する。換気方向を反転可能な換気装置2の現在の換気方向の向きは、機器状態記憶部23の「換気方向」を参照する事により取得できる。
なお、換気装置2の運転状態のその他の表現例として、換気装置2が設置されている部屋の背景色の濃淡を変えるようにしてもよい。この場合、風量ごとの背景色として、例えば、風量強は暖色で風量弱は寒色で表現したり、風量強は濃い色で風量弱は薄い色で表現したりしてもよい。また、風量強は背景色を不透明で表現し、風量弱になるにつれて背景色の透明度を高めていき、電源OFFでは背景色を透明とする、といった表現にしてもよい。そして、換気矢印による表現と背景色による表現の両方を用いてもよい。
このステップS104での画面構築・出力処理について、図8を参照して説明する。図8は、実施の形態1に係る画面構築・出力処理のフローチャートである。
まず、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得したベースIDで示される画像IDの模式図又は間取り図の画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得したベースサイズに伸縮し、ベース位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS201)。
次に、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得した換気装置2や他設備の画像IDの画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得した画像位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS202)。
次に、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得した換気装置2の換気矢印の画像IDの画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得した換気矢印回転角度の情報に基づいて換気矢印の画像データを回転する。そして、運転状態記憶部23に記憶されている換気装置2の運転状態に基づき、前述の表現方法に従って換気矢印の太さの変更を行う(ステップS203)。換気装置2が電源ONであり、画像情報記憶部21の換気矢印の「対応ON矢印」に別の画像IDが示されている場合は、その別の画像IDの画像データを用いて回転及び太さの変更を行い、元の換気矢印の画像データにオーバーラップさせる。
そして、画面構築部14は、ステップS203で処理した換気矢印の画像データを建屋情報記憶部22から取得した換気矢印画像位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込み(ステップS204)、終了する。なお、換気装置2が設置されている部屋の背景色の変更を行う場合は、ステップS201において、ベース画像の画像データを取得後、換気装置2の運転状態に基づき、換気装置2が設置されている部屋の背景色の変更を行ってから、建屋情報記憶部22から取得したベースサイズに伸縮し、ベース位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む。
以上の処理により、図4(b)及び図5(b)に示す画面が出力され、換気装置2の運転状態が、表示画面上の換気矢印シンボル94のサイズや向き、枠線、色によって判別できるようになる。図4(b)は模式図により、そして、図5(b)は間取り図により、建屋9内の1階の部屋91、2階の部屋92、各換気装置2及び他設備を描画した例である。図4(b)に示す模式図には、建屋9内に配置された部屋91a、91b、92a、92b、92cと、建屋9及び各部屋91a、91b、92a、92b、92cに配置された換気矢印シンボル94a、94b、94cと、1階の部屋91aに配置された他設備のシンボル画像が描画されている。図5(b)に示す間取り図には、建屋9内に配置された部屋91a、91b、92a、92b、92cと、各部屋91a、91b、92a、92b、92cに配置された換気矢印シンボル94a、94bと、1階の部屋91aに配置された他設備のシンボル画像が描画されている。
次に、画面構築処理のステップS107における制御処理について、図9を参照して説明する。図9は、実施の形態1に係る制御処理のフローチャートである。この処理は、入力部33が、表示装置3のタッチパネルの操作インタフェースへのユーザからの入力を検出した際に実行される。
まず、制御内容決定部16は、入力部33が検出した入力操作の内容を取得する(ステップS301)。この入力操作の内容とは、操作の種類、操作が行われた画面上の座標を含む。また、ドラッグのような方向のある操作の場合は、操作の方向も含む。そして、制御部10は、制御内容決定部16が取得した入力操作が、換気装置2を制御する入力操作か否かの判定を行う(ステップS302)。この判定は、入力操作が行われた画面上の座標が、建屋情報記憶部22に記憶されているいずれかの換気矢印画像位置の近傍に含まれるか否かで行うことができる。ここで、換気矢印画像位置の近傍に含まれるとは、換気矢印の画像を、中心を変えずに2倍に拡大した画像の範囲に含まれることを言うこととする。この「2倍」というのは設定例であり、画面サイズ、換気矢印のサイズ、ユーザの指のサイズに応じて、変更してもかまわない。
もし、入力操作が行われた画面上の座標が、複数の換気矢印画像位置の近傍に含まれてしまう場合は、該複数の換気矢印画像の中心座標の中で、入力操作が行われた画面上の座標に最も近い中心座標を持つ換気矢印画像に対応する換気装置2が制御対象となる。入力操作が行われた画面上の座標に最も近い中心座標を持つ換気矢印画像が複数ある場合は、例えば装置IDの小さい順に優先度を高くし、最も優先度の高い換気装置2を制御対象とする。
この判定の結果、換気装置2を制御する入力操作でなければ(ステップS302;No)、必要に応じて該入力操作に応じた処理を実行し(ステップS303)、機器状態取得部11が、通信部31を介して、換気装置2から運転状態の情報を取得し(ステップS311)、制御処理を終了する。なお、煩雑になるため、フローチャートでは省略しているが、この入力操作が無効な操作の場合は、ステップS303では、ステップS305と同様に警告表示を行う。
判定の結果、換気装置2を制御する入力操作であれば(ステップS302;Yes)、制御部10は、該入力操作に応じた換気装置2の制御内容が実行可能か否かの判定を行う(ステップS304)。この判定は、ステップS302で近傍と判定した換気矢印に対応する換気装置2の現在の運転状態を機器状態記憶部23から取得し、ステップS301で取得した操作の種類に対応する制御が実行可能か否かにより判定する。操作が方向を伴うものであった場合は、建屋情報記憶部22に記憶されている換気矢印回転角度と、制御内容決定部16が取得した操作の方向との角度関係に基づき、電源ON/OFFなのか、換気方向反転なのか、風量調整なのかといった制御の内容を決定し、その制御内容が実行可能か否かを判定する。
判定の結果、実行不可能な制御内容であれば(ステップS304;No)、制御部10は無効な操作である事を示す警告表示を行い(ステップS305)、機器状態取得部11が、通信部31を介して、換気装置2から運転状態の情報を取得し(ステップS311)、制御処理を終了する。実行可能な制御内容であれば(ステップS304;Yes)、機器制御部15は、その制御内容に対応する制御信号を生成し、通信部31を介して換気装置2に該制御信号を送信する(ステップS306)。
次に、制御部10は、換気装置2の制御処理が完了したか否かの判定を行う(ステップS307)。ここで、この判定は、例えば、送信した制御信号に対する換気装置2からの応答信号の内容を確認することにより行う。判定の結果、制御処理が完了していなければ(ステップS307;No)、制御処理中か否かの判定を繰り返す(ステップS307)。
換気装置2の制御処理が完了したら(ステップS307;Yes)、機器状態取得部11が、通信部31を介して、換気装置2から運転状態の情報を取得する(ステップS308)。そして、制御部10は、機器状態取得部11が取得した換気装置2の運転状態が、機器制御部15がステップS306で送信した制御信号で示される制御の内容と一致するか否かを判定する(ステップS309)。
一致するなら(ステップS309;Yes)、制御処理を終了する。一致しなければ(ステップS309;No)、ユーザから取得した操作内容に基づく運転状態にはならなかった旨を通知する警告表示を行い(ステップS310)、制御処理を終了する。
以上の制御処理により、ユーザによる入力操作に基づいて、換気装置2を制御することができる。そして、この制御処理の終了後、ユーザによる入力操作によって運転状態が変化していれば、図7を参照して説明した画面構築処理により、画面の更新が行われる。なお、ユーザによる換気装置2の制御の入力操作は、電源ON、電源OFF、換気方向反転、風量調整の4種に大別できる。以下にそれぞれの入力操作の例を説明する。
まず、画面が模式図の場合の電源ONの入力操作例と、入力操作に伴う画面遷移について、図10を参照して説明する。図10は図4(b)の状態から装置ID=4の換気装置2を電源ONする場合の例である。
図10(a)に示すように、ユーザは、入力操作として、指を、換気元となる部屋92aから換気先となる部屋92bにスワイプする。図10(a)では、指50aを指50bにスライドする様子を示している。この操作は、マウスによって、マウスポインタを、換気元となる部屋92aから換気先となる部屋92bにドラッグする操作でもよい。このスワイプ操作又はドラッグ操作を制御内容決定部16が取得すると、上述したステップS306の処理により、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の電源をONにする信号と、部屋92aから部屋92bへ空気を搬送する指示を出す信号を換気装置2に送信する。そして、この信号を受信した換気装置2は電源がONになり、部屋92aから部屋92bへの空気の搬送を開始する。上述したステップS309で、ユーザが入力操作したとおりに換気装置2が運転していることが確認されると、画面構築処理によって、出力画面が更新される。これらの処理によって、図4(b)では部屋92aと部屋92bとの間は、換気矢印シンボル94bにより、双方向換気可能で電源OFF状態であることを示していたのが、図10(b)では換気矢印シンボル94cがオーバーラップ表示され、部屋92aから部屋92bへ空気搬送していることが表現される。
間取り図で同様の操作を行う場合の画面の遷移例を図11に示す。間取り図の例では、図5(b)の状態から、図11(a)に示すように、換気元となる部屋92aから換気先となる部屋92bへ指(ポインタ)をドラッグする。このドラッグ操作を制御内容決定部16が取得すると、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の電源をONにする信号と、部屋92aから部屋92bへ空気を搬送する指示を出す信号を換気装置2に送信する。そして、この信号を受信した換気装置2は電源がONになり、部屋92aから部屋92bへの空気の搬送を開始する。そして、図11(b)の画面に遷移する。
以上、破線矢印に沿ってドラッグする操作により換気装置2の電源がONになり、矢印が実線に変わるので、ユーザはどう操作すればどのように空気の流れを発生させられるのかを容易に把握でき、ユーザの操作により換気装置2の電源がONにされたことが直感的に理解できる。
なお、上述の例では換気元の部屋から換気先の部屋へポインタをドラッグする入力操作を電源ON操作としたが、このほかにも、電源OFF状態を示す換気矢印シンボル94a、94bをタップ(クリック)あるいはダブルタップ(ダブルクリック)する操作を電源ON操作としてもよい。この場合も上述の例と同様、ユーザによるタップ又はダブルタップの操作を制御内容決定部16が取得すると、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の電源をONにする信号を換気装置2に送信する。そして、この信号を受信した換気装置2の電源がONになる。この場合、換気方向可変の換気装置2に対しては、前回使用時の換気方向で電源ONにしてもよいし、あるいは起動時の換気方向があらかじめ設定されており、その設定されている換気方向で電源ONにしてもよい。
次に、電源OFFの操作の入力例と、入力操作に伴う画面遷移について、図12及び図13を参照して説明する。ここでは、部屋92cに設置され、部屋92cから屋外に排気を行う、装置ID=5の換気装置2の電源をOFFにする例を説明する。
図12(a)はバスルームに設置されている装置ID=5の換気装置2が電源ON状態の模式図である。この状態で、図12(b)に示すように、入力操作として、ユーザは2階の部屋92cと屋外との間に表示された換気矢印シンボル94cの方向に対し、垂直方向に指(ポインタ)をドラッグする。このドラッグ操作を制御内容決定部16が取得すると、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の電源をOFFにする信号を換気装置2に送信する。そして、この信号を受信した換気装置2は電源がOFFになる。そして、図13(a)に示すように、2階の部屋92cと屋外との間に表示されたシンボル画像が電源OFFを示す換気矢印シンボル94aに変化する。
以上、実線矢印を切るように矢印に垂直にドラッグする操作により換気装置2の電源がOFFにされ、矢印が破線に変わるので、ユーザはどう操作すれば換気装置2の電源をOFFさせられるのかを容易に把握でき、ユーザの操作により換気装置2の電源がOFFにされたことが直感的に理解できる。なお、実際には、正確に垂直にドラッグするのは困難なので、実線矢印とドラッグの方向との角度が60°〜120°の範囲に含まれていれば、制御内容決定部16は、換気装置2を制御する制御内容を、換気装置2の電源をOFFにする制御内容に決定し、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の電源をOFFにする信号を換気装置2に送信する。
なお、他の入力例として、図13(b)に示すように、矢印上を矢印と反対方向に指(ポインタ)をドラッグする操作を電源OFF操作としてもよい。該操作は、換気装置2の流れをせき止めるようなイメージであり、これもまた電源OFFの操作であることが直感的に理解できる。また、電源ON状態を示す換気矢印シンボル94cをタップ(クリック)あるいはダブルタップ(ダブルクリック)する操作を電源OFF操作としてもよい。これらの電源OFF操作に対しても、上述の例と同様に、ユーザによるドラッグ、タップ又はダブルタップの操作を制御内容決定部16が取得すると、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の電源をOFFにする信号を換気装置2に送信する。そして、この信号を受信した換気装置2の電源がOFFになる。
換気装置2の換気方向反転操作については、図14を参照して説明する。ここでは、部屋92aと部屋92bとの間に設置された、装置ID=4の換気装置2の空気搬送方向を反転する例を説明する。
図14(a)は装置ID=4の換気装置2が電源ONで、部屋92aから部屋92bに空気搬送を行っている状態の模式図である。この状態で、図14(b)に示すように、入力操作として、ユーザは部屋92aと部屋92bとの間に表示された換気矢印シンボル94c上で、部屋92bから部屋92aの方向に指(ポインタ)をドラッグする。このドラッグ操作を制御内容決定部16が取得すると、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の空気搬送方向を反転する指示を出す信号を換気装置2に送信する。そして、この信号を受信した換気装置2は空気搬送方向を反転する。そして、図14(c)に示すように、換気矢印シンボル94cは、部屋92bから部屋92aの向きに変化する。
以上、実線矢印の反対向きにドラッグする操作により換気装置2の換気方向が反転され、換気矢印シンボル94の向きも反転するので、ユーザはどう操作すれば換気装置2の換気方向を反転させられるのかを容易に把握でき、ユーザの操作により換気装置2の換気方向が反転されたことが直感的に理解できる。
なお、換気矢印シンボル94cをタップ(クリック)あるいはダブルタップ(ダブルクリック)する操作を空気搬送方向の反転操作としてもよい。
最後に、風量調整の入力操作について、図15から図18を参照して説明する。ここでは、部屋92aと部屋92bとの間に設置された、装置ID=4の換気装置2の風量を調整する例を説明する。なお、風量の強弱は換気矢印シンボル94cのシンボルサイズで表現する。
図15、図16は、それぞれピンチアウト、ピンチイン操作により風量を増減させる場合の画面遷移例である。まず、風量を増加させる場合の例を説明する。図14(c)の部屋92bから部屋92aに空気搬送されている状態で、図15(a)に示すように、部屋92bと部屋92aとの間の換気矢印シンボル94cをピンチアウト操作する。図15(a)では、指50aと指50bとを同時に画面にタッチしてからお互いに離れる方向にスライドさせている様子を示している。このピンチアウト操作を制御内容決定部16が取得すると、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の風量を増加させる指示を出す信号を換気装置2に送信する。そして、この信号を受信した装置ID=4の換気装置2は風量を増加させる。そして、図15(b)に示すように、換気矢印シンボル94dのシンボルサイズが拡大して太くなる。
一方、風量を減少させる場合の例であるが、図15(b)の状態で、図16(a)に示すように、部屋92bと部屋92aとの間の換気矢印シンボル94dをピンチイン操作する。図16(a)では、指50aと指50bとを同時に画面にタッチしてからお互いに近づける方向にスライドさせている様子を示している。このピンチイン操作を制御内容決定部16が取得すると、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の風量を減少させる指示を出す信号を換気装置2に送信する。そして、この信号を受信した装置ID=4の換気装置2は風量を減少させる。そして、図16(b)に示すように、換気矢印シンボル94cのシンボルサイズが縮小して細くなる。
以上、一般的に拡大する際に用いられるピンチアウト操作、縮小する際に用いられるピンチイン操作をそれぞれ風量増、風量減の操作とし、該操作に伴い換気矢印シンボル94を拡大、縮小することにより、ユーザはどう操作すれば換気風量を増減させられるのかを容易に把握でき、ユーザの操作により換気装置2の風量が増減されたことが直感的に理解できる。
なお、ピンチイン操作により風量を強から弱に段階的に減少させ、さらにピンチイン操作を続けることにより風量弱から電源OFFできるようにしてもよい。この場合、電源OFFに際して実線の換気矢印のシンボルを見えなくなるまで縮小することが好ましい。風量を示す実線の換気矢印シンボル94がなくなることにより、ユーザはピンチイン操作により換気装置2の電源をOFFにできることを容易に把握でき、ユーザのピンチイン操作により電源OFFされたことが直感的に理解できる。
図17、図18は、画面上の換気矢印シンボル94cのドラッグにより風量を増減させる場合の画面遷移例である。まず、図14(c)の部屋92bから部屋92aに空気搬送されている状態で、図17(a)に示すように、部屋92bと部屋92aとの間の換気矢印シンボル94cを部屋92bから部屋92aの方向にドラッグする。このドラッグ操作を制御内容決定部16が取得すると、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の風量を増加させる指示を出す信号を換気装置2に送信する。そして、この信号を受信した装置ID=4の換気装置2は風量を増加させる。そして、図17(b)に示すように、換気矢印シンボル94dのシンボルサイズが拡大して太くなる。
一方、図17(b)の状態で、図18(a)に示すように、部屋92bと部屋92aとの間の換気矢印シンボル94dを部屋92aから部屋92bの方向にドラッグすると、このドラッグ操作を制御内容決定部16が取得し、機器制御部15が、通信部31を介して、換気装置2の風量を減少させる指示を出す信号を換気装置2に送信する。そして、この信号を受信した装置ID=4の換気装置2は風量を減少させる。そして、図18(b)に示すように、換気矢印シンボル94cのシンボルサイズが縮小して細くなる。
なお、逆向きドラッグは、電源OFF、換気方向反転及び風量減少のいずれの操作にもなり得るが、例えば、1回の逆向きドラッグ操作ですぐに電源OFFにするのではなく、逆向きドラッグ操作をするたびに、風量減少と実線の換気矢印シンボル94のサイズ縮小を行い、実線の換気矢印シンボル94が見えなくなる時点で電源OFFにしてもよい。また、換気方向を反転可能な換気装置2の場合は、さらに逆向きドラッグ操作を行うことで、換気方向を反転させてもよい。
以上、矢印と同じ方向のドラッグ操作、逆方向のドラッグ操作をそれぞれ風量増、風量減の操作とし、該操作に伴い換気矢印シンボル94を拡大、縮小することにより、ユーザはどう操作すれば換気風量を増減させられるのかを容易に把握でき、ユーザの操作により換気装置2の風量が増減されたことが直感的に理解できる。
なお、操作インタフェースとしては、上述したような換気矢印シンボル94の画像に基づく操作に限らない。例えば、換気矢印シンボル94とは別に換気装置2の操作用シンボルを表示して、この操作用シンボルをタップ又はクリックする操作であってもよい。この場合、この操作用シンボルの画像データを画像情報記憶部21に記憶し、操作用シンボルを表示する位置や対応する換気装置2の装置IDを建屋情報記憶部22に記憶しておく。この場合の画面例を図19、図20を用いて説明する。
図19(a)は図14(c)の画面をベースに、電源ON中の換気装置2の換気矢印の近傍に操作用シンボルを構成する操作領域7を配置した模式図の画面である。図19(b)は、操作領域7の拡大図であり、操作領域7中に風量UPボタン71、風量DOWNボタン72、換気方向反転ボタン73、電源OFFボタン74が存在する。
風量UPボタン71は、該ボタンの押下げ(タップ、またはクリック)により、換気装置2の風量を増加させるものである。風量DOWNボタン72は、該ボタンの押下げ(タップ、またはクリック)により、換気装置2の風量を減少させるものである。換気方向反転ボタン73は、該ボタンの押下げ(タップ、またはクリック)により、換気装置2の換気方向を反転させるものである。電源OFFボタン74は、該ボタンの押下げ(タップ、またはクリック)により、換気装置2の電源をOFFにするものである。
なお、電源OFF中は風量調整や換気方向反転を行うことができないため、操作領域7は表示しないことが望ましい。また、電源ON中であっても、例えば、換気方向を反転できない換気装置2における換気方向反転ボタン73や、24時間換気で電源OFFできない換気装置2における電源OFFボタン74のように、使用できない機能のボタンは、ボタンそのものか、ボタンの背景色をグレーアウトして、該機能が無効であることが明確となるようにすることが好ましい。これは、例えば、操作できないボタンを予めグレーアウトした操作シンボルの画像データも画像情報記憶部21に記憶しておき、換気装置2の種類に応じた操作シンボルの画像データを表示することによって実現できる。
また、制御装置1に接続された表示装置3の画面サイズが小さい場合や、間取り図や模式図の規模が大きい場合には、操作領域7が小さくなり、押下げを希望するボタンに隣接するボタンが誤って押されるおそれがある。そのような場合、誤操作対策として、操作領域7が押下げされた場合、操作領域7を拡大する処理を行い、操作領域7が拡大されたことによって誤操作の心配がなくなってから換気装置2の制御操作を検出するのが好ましい。そのための処理の一例としては、図7に示す制御処理のフローチャートにおいて、ステップS105とステップS106の間に「操作領域7の押下げ又はタッチがあったなら、操作領域7を拡大表示して、ステップS105に戻る」処理を加え、ステップS107の直後に「操作領域7の拡大表示を元に戻す」処理を加えればよい。
図20は、操作用シンボルを構成する操作領域7の別の例である。図20(a)は、換気方向固定の換気装置2の操作領域7の画面例である。図20(b)は、換気方向反転可能な換気装置2の操作領域7の画面例である。これらの例では、操作領域7に換気矢印シンボル94と、操作のための操作シンボル75を表示し、操作シンボル75をドラッグ操作によりスライドさせることにより、換気方向や風量を制御するものである。
換気方向固定の換気装置2の場合、換気矢印シンボル94の末尾に操作シンボル75がある状態は、電源OFFを示す。ただし、電源OFFできない24時間換気の換気装置2の場合は、換気矢印シンボル94の末尾に操作シンボル75がある状態は、風量弱を示す。換気方向反転可能な換気装置2の場合は、換気矢印シンボル94の中央に操作シンボル75がある状態は、電源OFFを示す。そして、換気矢印シンボル94の先端に操作シンボル75がある状態は、風量強を示す。ただし、風量調節ができない、電源ON又は電源OFFの2つの状態しかない換気装置2の場合は、換気矢印シンボル94の先端に操作シンボル75があると電源ONを示す。
図20の操作領域7は、誤操作防止の観点から、普段は表示されておらず、間取り図や模式図上に配置された換気矢印シンボル94が押下げ又はタッチされた場合に描画されるのが好ましい。そのための処理の一例としては、図7に示す制御処理のフローチャートにおいて、ステップS105とステップS106の間に「矢印の押下げ又はタッチがあったなら、操作領域7を表示して、ステップS105に戻る」処理を加え、ステップS107の直後に「操作領域7の表示を消す」処理を加えればよい。
以上により、普段はユーザの目につきにくい換気装置2の運転状態と設置場所と空気の流れとを同時に容易に把握することができ、また、直感的な操作で換気装置2を容易に制御することができる。
なお、電源OFF操作、換気方向反転、風量調整それぞれの操作方法の一例としてドラッグを挙げたが、同じ状態で同じ操作をした場合に異なる処理をさせることは不可能である。したがって、ある操作に複数の処理が割り当てられないようにする必要がある。これは、制御装置1にあらかじめ設定しておいてもよいし、ユーザが好みに応じて設定できるようにしてもよい。
次に、図9に示す制御処理のステップS305における警告表示の例を図21、図22を用いて説明する。図21は模式図の場合の例、図22は間取り図の場合の例である。
図21(a)は、換気装置2の設置されていない書斎から部屋92aの寝室へのドラッグ操作である。この場合、書斎から部屋92aへの空気搬送を行うことができる換気装置2が存在しないため、図21(b)に示すように、無効操作であることを示すメッセージ「その操作には対応していません。」を含む警告表示ダイアログ60を、画面上に表示する。
図22(a)は、換気装置2の設置されていない玄関から、廊下へのドラッグ操作である。この場合、玄関から廊下への空気搬送を行うことができる換気装置2が存在しないため、図22(b)に示すように、無効操作であることを示すメッセージ「その操作には対応していません。」を含む警告表示ダイアログ60を、画面上に表示する。
図21(b)、図22(b)いずれの場合においても、警告表示ダイアログ60は、表示から一定時間経過後に消去してもよいし、あるいは、警告表示ダイアログ60表示中に何らかの入力を検出することをトリガーとして消去してもよい。
無効操作の通知方法は、上述の警告表示ダイアログ60の表示に限るものではなく、その他無効操作であることの通知が直感的に理解できるシンボルやメッセージの表示であっても構わない。また、制御装置1にスピーカーが備えられている場合、警告表示ダイアログ60に代わり、無効操作に伴いスピーカーからビープ音を鳴らしてもよく、また、警告表示ダイアログ60の表示に合わせてビープ音を鳴らしてもよい。
以上、無効な操作に伴う警告表示(通知)を行うことにより、ユーザはその操作によっては換気装置2の制御を行うことができないことが直感的に理解できる。なお、図9に示す制御処理のステップS310における警告表示も、メッセージ内容が異なる点以外は同様の警告表示ダイアログ60を表示する。ステップS310においては、警告表示ダイアログ60に表示するメッセージ内容は、例えば「その操作の運転状態への変更ができませんでした。」となる。
なお、図10から図18までの説明では、主にマルチタッチに対応したタッチパネルに対してユーザが指で入力を行ったものとして表示例を示して説明したが、入力方法はこれに限らず、例えば、入力デバイスとしてマウスやタッチパッドを用いた操作によるものであってもよい。マウスの場合はクリックによるピンチアウト操作やピンチイン操作はできないが、例えばホイールを押してから上下に回転させる操作を風量の増減に対応させてもよい。
また、建屋情報記憶部22が備える換気装置2の情報は、「装置ID、シンボル画像ID、シンボル画像位置、方向、換気矢印画像ID、換気矢印画像位置、換気矢印回転角度、換気元、換気先、風量」の10個の情報セットとして説明したが、換気装置2が備えるその他の機能の有無、例えば、「24時間換気」や「熱交換」を追加した情報セットにしてもよい。この場合、それらの機能についても、運転状態の表示を行い、運転制御を行うための操作インタフェースを備えることが好ましい。
電源ON/OFFの状態や、熱交換機能の状態も表示すると、空調機を運転している部屋で熱交換機能のない換気装置2を動作させていたり、熱交換機能があっても熱交換機能をOFFにした状態で換気装置2を動作させていたりすることによって、非効率的な状態になっていることがわかるという効果も期待できる。また、間取り図や模式図に換気装置2の状態に加え、空調機の運転状態も同時に表示することにより、より直感的に状態が把握でき、非効率的な状態の解消につながる効果も期待できる。
以上のように、ユーザが換気装置2の設置場所及び運転状態並びに空気の流れを容易に把握した上で換気装置2を制御できる操作インタフェースとすることにより、間取り図や模式図で示される建屋内の各換気装置2の運転状態や建屋内の空気の流れが直感的にわかる画面と操作用の画面とが別になっている操作インタフェースに比べて、換気装置2の制御に要する手数が少なくなるという効果もある。
(実施の形態1の変形例)
以上、画面構築部14が構築した模式図、間取り図上で直接操作することを想定した例を説明してきたが、実際のシステムには、換気装置2だけでなく、建屋内に存在する複数種類の機器を制御できるものがある。そして、誤操作を防止するために換気装置2を制御できるモードと制御できないモードの2つのモードを用意した方がよい場合がある。このような、誤操作防止のために、画面上に換気装置制御可否を切替えるモード切替えボタンを配置する実施の形態1の変形例を説明する。
実施の形態1の変形例に係る制御装置1は、図23に示すように、実施の形態1に係る制御装置1に、制御可否判定部17と、制御可否記憶部25を追加した構成になっている。制御可否判定部17は、操作対象となった換気装置2や他の制御可能機器が、現在制御可能なモードであるか否かを判定する。制御可否記憶部25は、図24に示すように、換気装置2や他の制御可能機器が、機器の種類毎に、現在制御可能か否かを記憶する。図24では、装置IDが1〜5の換気装置2は現在制御可能であり、装置IDが61〜63の照明や、装置IDが71及び72のエアコンは、現在制御不可能であることを示している。
また、制御可否を切り替えるためのモード切換シンボルの画像データが画像情報記憶部21に記憶され、このモード切換シンボルを表示する位置やこのモード切換シンボルが制御可否を切り替えるシンボルであることを示す情報が建屋情報記憶部22に記憶されている。実施の形態1の変形例に係る制御処理は、図9を参照して説明した実施の形態1に係る制御処理に、ステップS312〜ステップS314を追加した処理になるため、この追加した処理について図25を参照して説明する。
ステップS312では、制御部10は、ステップS301で制御内容決定部16が取得した操作がモード切換シンボルに対する操作か否かを判定する。モード切換シンボルに対する操作であるなら(ステップS312;Yes)、モード切換シンボル上で操作された機器の種類についての制御可否を切り替えて、制御可否記憶部25に記憶し、モード切換シンボルの表示内容を現在の制御可否に合わせて変更し(ステップS313)、ステップS311に進む。
制御内容決定部16が取得した操作がモード切換シンボルに対する操作でないなら(ステップS312;No)、制御可否判定部17は、ステップS301で制御内容決定部16が取得した入力操作の対象機器が現在制御可能なモードになっているか否かを、制御可否記憶部25を参照して判定する(ステップS314)。操作対象機器が現在制御可能なモードになっていなければ(ステップS314;No)、ステップS311に進む。操作対象機器が現在制御可能なモードになっていれば(ステップS314;Yes)、ステップS302に進む。
上記で、ステップS311やステップS302に進んだ後は、図9を参照して説明した実施の形態1に係る制御処理と同じ処理内容となる。以上の制御処理により、現在制御可能なモードになっている機器のみが操作対象機器となる。
この実施の形態1の変形例に係る制御処理によるモード切換操作について、画面例を用いて説明する。図26は、画面右上に空気搬送モード切替えボタン81を備えた模式図の例である。図26(a)は非制御モードの画面例である。この図では画面の見やすさを考慮して換気矢印シンボル94は表示していないが、換気矢印シンボル94を表示しても構わない。この非制御モードの状態で、図26(b)に示すように、空気搬送モード切替えボタン81をタップやクリックすることによって押下げると、図25のステップS313の処理により、図26(c)に示す制御モードに遷移する。制御モードから非制御モードへ遷移するには、もう一度空気搬送モード切替えボタン81を、タップやクリックすることによって押下げる。このとき、制御装置1は、非制御モードか制御モードかに応じて、空気搬送モード切替えボタン81の表示内容を変化させることが好ましい。例えば図26(a)は非制御モードであることを示すために、空気搬送モード切り替えボタン81の背景色を灰色にしており、図26(c)は制御モードであることを示すために空気搬送モード切り替えボタン81の背景色を白色にしている。
図27は、画面右側にモード選択領域8を備えた間取り図の例であり、モード選択領域8には、換気装置2の空気搬送モード切替えボタン81の他、照明モード切替えボタン82、エアコンモード切替えボタン83及びモード選択解除ボタン84を備える。図27(a)は非制御モードの画面例で、この図では画面の見やすさを考慮して換気矢印シンボル94は表示していない。この非制御モードの状態で、図27(b)に示すように、空気搬送モード切替えボタン81をタップやクリックすることにより押下げると、図25のステップS313の処理により、図27(c)に示す制御モードに遷移する。このとき、図27では背景色を変化させているように、非制御モードか制御モードかに応じて、各モード切替えボタン81,82,83及びモード選択解除ボタン84の表示内容を変化させることが好ましい。なお、制御モードから非制御モードへの遷移に際しては、モード選択解除ボタン84を用いるようにしてもよい。
以上のように、実施の形態1の変形例によれば、換気装置2の制御可否の切り替えを可能にすることにより、機器や装置を制御する際、所望の機器や装置以外の対象の誤操作を防ぐことができる。
また、建屋9に多数の機器が設置されている場合、機器の種類ごとの制御モードを設けて制御対象となっている種類の機器以外の情報を非表示にすることにより、多数の機器の情報が表示されて画面が見づらくなるのを防ぐことができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、制御装置1は換気装置2から取得した運転状態の情報に基づいて画面を構築する例を説明したが、ユーザが換気装置2の運転状態を変更する判断を行うための情報は、換気装置2の運転状態の情報のみである。ユーザが換気装置2の運転状態を変化する判断を行う際には、換気装置2の運転状態だけでなく、部屋の温度、湿度、ガス濃度といった参考となる情報も表示されると、より良い判断が可能になると考えられる。そこで、各種センサからの情報を制御装置1が受信し、それを表示することによって、換気装置2の制御の判断をさらに容易にできるようにした実施の形態2について説明する。
本発明の実施の形態2に係る制御システム200は、図28に示すように、制御装置1と、1台以上の換気装置2と、表示装置3と、1個以上のセンサ4と、を備える。ただし、制御装置1が液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示デバイスを備える場合は、独立した表示装置3を備えなくてもよい。この場合は、制御装置1が表示装置3を含む。また、表示装置3は、スマートフォンやタブレットのような表示デバイスを備えた情報端末であってもよい。これらの点は、実施の形態1と同じである。
制御装置1は、換気装置2から換気装置2の電源のON/OFFや風量といった運転状態の情報を取得し、また、センサ4からセンサ情報を取得し、取得したそれらの情報に基づき、各換気装置2の運転状態とセンサ情報を建屋内の設置場所と共に提示する画面を構築し、表示装置3に出力する。また、制御装置1が、換気装置2を制御する制御信号を換気装置2に送信することにより、換気装置2の運転状態を変更する点は、実施の形態1と同じである。
換気装置2及び表示装置3は、実施の形態1と同じであるため説明は省略する。
センサ4は、換気装置2が設置された建屋9に取り付けられ、周囲の環境から検出できるセンサ情報を取得して、制御装置1に送信する機能を備える。センサ4が取得するセンサ情報は、ユーザが換気装置2の制御の判断に用いることのできる情報であればなんでもよく、例えば、温度や湿度である。
実施の形態2に係る制御装置1は、図29に示すように、実施の形態1に係る制御装置1の制御部10にセンサ情報取得部18が追加され、記憶部20に設置センサ情報記憶部26が追加された構成になっている。
センサ情報取得部18は、通信部31を介して、センサ4から、センサ4が検出したセンサ情報を取得する。このため、通信部31は、換気装置2とだけでなく、センサ4とも通信可能な通信デバイスである。通信部31は、換気装置2やセンサ4と通信可能な通信デバイスであれば、実施の形態1に係る制御装置1の通信部31と同様に、任意の通信デバイスを使用可能である。なお、通信部31は単一の通信デバイスである必要はなく、複数の通信デバイスで構成されていてもよい。例えば、換気装置2と通信可能な通信デバイスAと、センサ4と通信可能な通信デバイスBとの、2種類の通信デバイスで通信部31を構成しても良い。
設置センサ情報記憶部26は、図30に示すように、建屋9に設置されたセンサ4の「センサID」と、「センサ種類」と、「設置位置」と、「センサ情報」とを記憶する。「センサID」はセンサ4を一意に特定するためのIDであり、例えば、MACアドレスを用いることができる。「センサ種類」は、センサ4が検出するセンサ情報の種類であり、例えば温度や湿度である。図30の例ではすべて温度センサになっている。
「設置位置」は、センサ4が建屋9のどこに設置されているかを示す情報である。したがって、設置センサ情報記憶部26は、センサ4の設置位置を記憶するセンサ設置位置記憶部としても機能する。図30では、わかりやすさのため、「設置位置」を、部屋の番号で記載したり、「屋根裏」や「床下」と記載したりしているが、建屋情報記憶部22のシンボル画像位置と同様に、模式図又は間取り図において、このセンサ4が設置されている領域に対応する画面上の座標を記憶してもよい。特に、センサ情報を文字で表示させる場合は、数値表示させる画面上の座標を記憶しておくのが好ましい。「センサ情報」は、センサ4が検出したセンサ情報であり、画面構築の際に用いる。なお、接続を許可するセンサ4を例えば温度センサといった特定の種類のセンサに制限する場合、「センサ種類」の列はなくてもよい。
次に、実施の形態2における処理について説明する。本実施の形態では、画面構築処理及び制御処理の処理フローは実施の形態1と同じであるため、説明は省略し、図7に示す画面構築処理のステップS104の画面構築・出力処理について説明する。実施の形態2に係る画面構築・出力処理においては、センサ4から取得するセンサ情報も用いて画面構築を行う。この画面構築方法としては、例えば、センサ4が設置された場所に対応する領域の背景色・パターンにセンサ情報を反映する方法や、センサ4が設置された場所に対応する領域にセンサ情報を文字で表示する方法がある。
先に、センサ4が設置された場所の領域の背景色・パターンにセンサ情報を反映する方法について図31を参照して説明する。
まず、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得したベースIDで示される画像IDの模式図又は間取り図の画像データをベース画像として、画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得したベースサイズに伸縮する。そして、設置センサ情報記憶部26に記憶されている各センサ4の設置位置に対応する領域の背景色・パターンを、当該センサ4のセンサ情報に基づいて変更する(ステップS401)。
そして、画面構築部14は、領域の背景色・パターンを変更したベース画像を、建屋情報記憶部22から取得したベース位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS402)。次に、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得した設備の画像IDの画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得した画像位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS403)。
次に、画面構築部14は、実施の形態1の図8のステップS203及びステップS204と同じ処理により矢印の画像データを画面記憶部24に書き込み(ステップS404)、処理を終了する。
なお、ステップS401で変更する背景色・パターンは、例えば、図32の各部屋の領域91a,91b,92a,92b,92c,93a,93bに示すように、温度が高い場合は色を濃くし、温度が低い場合は色を薄くすることができる。例えば、42℃の時に濃度100、−20℃の時に濃度0として、その間を段階的に変化させるようにする。また、色の濃淡ではなく、パターンの密度で表現してもよい。また、高温の場合は暖色である赤系統の色、低温の場合は寒色である青系統の色として、色で示したり、色+明度で示したりしてもよい。
さらに、センサ4が検出する情報の種類が2種類以上存在する場合は、センサAの情報は色、センサBの情報は濃淡、センサCの情報はパターンで表現するといった具合に、センサ4の検出する情報の種類ごとに用いる表現を変えてもよい。例えば、温度センサと湿度センサが設置されている場合、温度センサの情報は色の寒暖で、湿度は背景パターンの粗密で表現するといったことができる。
以上の処理により、図32に示すような画面が出力され、センサ4の情報が、表示画面上の各領域の色の濃淡によって判別できるようになる。
続いて、センサ4が設置された場所に対応する領域にセンサ情報を文字で表示する方法について図33を参照して説明する。
まず、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得したベースIDで示される画像IDの模式図又は間取り図の画像データをベース画像として画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得したベースサイズに伸縮し、ベース位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS501)。
次に、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得した設備の画像IDの画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得した画像位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS502)。
次に、画面構築部14は、実施の形態1の図8のステップS203及びステップS204と同じ処理により矢印の画像データを画面記憶部24に書き込む(ステップS503)。
最後に、画面構築部14は、設置センサ情報記憶部26に記憶されている各センサ4の設置位置に対応する領域に対応する画面記憶部24のアドレスに、当該センサ4のセンサ情報を数値で表示した画像データを書き込み(ステップS504)、処理を終了する。以上の処理により、図34に示すような画面が出力され、表示画面上の各領域におけるセンサ4のセンサ情報が、数値によって確認できるようになる。
以上により、ユーザは直感的に温度と湿度を把握することができ、換気装置2を制御するか否かについての判断を行いやすくなる。例えば、屋外と室内に設置された温度センサの情報から、室内が屋外に比べて高温になっていることがわかる場合には、換気風量を増やしたり、熱交換機能をOFFにしたりする制御を行うことにより、室内の熱を排出することができる。また、CO2センサ情報からCO2濃度が高いことがわかる場合には、換気装置2の電源をONにしたり、風量を増やしたりすることができる。なお、背景色・パターンによるセンサ情報の表示と、数値によるセンサ情報の表示とを組み合わせてもよい。例えば、あるセンサ情報は背景色・パターンで表示し、別のセンサ情報は数値で表示してもよい。
さらに、換気装置2を制御した後に各領域のセンサ情報がどのように変化していくかを観測することにより、ユーザは換気装置2の運転に基づいて屋内環境がどのように変わっていくのかを経験として学習することができる。すると、それ以後は、その経験に基づいて換気装置2を制御することによって、ユーザにとってより快適な環境を作り出せるようになる効果も期待できる。
なお、記憶部20に、換気装置2の制御後のセンサ情報と換気装置2の運転状態との履歴を一定時間分、定期的に記憶するセンサ状態履歴記憶部(図示せず)を備えることもできる。そうすると、このセンサ状態履歴記憶部に記憶されているセンサ情報と運転状態との履歴に基づいて、センサ情報を含む間取り図又は模式図の画面を表示することができる。この画面を、履歴を遡ったり進めたりしながら眺めることにより、ユーザは、換気装置2の運転状態と屋内環境の変化との対応をより効率的に学習できるようになる効果が期待できる。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。例えば、換気装置2以外に、制御装置1から状態取得及び制御可能な機器を備え、その機器から取得した状態を、画面に表現させたり、その機器を制御したりすることも可能である。そして、上述した各実施の形態を、組み合わせることも可能である。例えば、実施の形態2を、実施の形態1の変形例と組み合わせることにより、センサ情報が表示された間取り図においても、各機器の制御可否のモード切換を機器の種類毎にまとめて行うことができる。また、制御可否記憶部25において、機器の種類をより細分化して記憶することも可能である。例えば「1階の換気装置」、「2階の換気装置」、「父の部屋の機器」を「機器の種類」として設定し、それぞれに対応する「装置ID」として、「1階の換気装置の装置ID」、「2階の換気装置の装置ID」、「父の部屋の換気装置、照明及びエアコンの装置ID」を記憶させれば、機器の制御モードの切り替えをより便利に行うことができるようになる。
本発明の実施の形態に係る制御装置1のハードウェアは、例えば図35に示すように、プロセッサ1001、メモリ1002、インタフェース1003で構成されている。制御装置1の各機能はプロセッサ1001がメモリ1002に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。インタフェース1003は制御装置1と、換気装置2、表示装置3、センサ4等の構成要素を接続し、通信を確立させるためのものであり、必要に応じて複数種のインタフェース1003から構成されてもよい。また、図35では、プロセッサ1001及びメモリ1002をそれぞれ1つで構成する例を示しているが、複数のプロセッサ1001及び複数のメモリ1002が連携して上記機能を実行してもよい。
また、上述のいずれの実施の形態においても、各機能は、通常のコンピュータによっても実施することができる。具体的には、上述の実施の形態では、制御部10が実行するプログラムが、記憶部20のROMに予め記憶されているものとして説明した。しかし、プログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)及びMO(Magneto−Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、上述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
なお、上述のいずれの実施の形態においても、記憶部20に含まれる各部(画像情報記憶部21、建屋情報記憶部22、機器状態記憶部23等)は、これらの一部乃至は全てを、制御装置1が備えず、通信ネットワークを介して接続された他の制御装置1、記憶装置、クラウドサーバ等から取得する構成であってもよい。
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。