JP2018009231A - 製造性と耐食性に優れた刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼板 - Google Patents

製造性と耐食性に優れた刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】耐銹性に優れた刃物用マルテンサイトステンレス鋼板を提供することを目的とする。
【解決手段】質量%で、C:0.40〜0.50%、Si:0.05〜0.60%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.035%以下、S:0.010%以下、Cr:11.0〜15.5%、Ni:0.01〜0.30%、Cu:0.01〜0.30%、Mo:0.01〜0.30%、V:0.01〜0.10%、Al:0.02%以下、Sn:0.002〜0.10%、N:0.010〜0.035%、Ca:0.0001〜0.0010%、O:0.001〜0.01%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
Cu+Ni+Mo=0.05〜0.30%を満足し、さらに、大きさ10μm以上の介在物が、0.2個/cm以下であることを特徴とする刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼入れ後、あるいは、焼入れ焼き戻し後の耐食性に優れるとともに、製造性に優れた刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼板に関するものである。
マルテンサイト系ステンレス鋼の一般的な用途と各用途で使用されている鋼種を整理すると、洋食器ナイフ(テーブルナイフ)やはさみ、織機部品、ノギス等の工具には、SUS420J1,SUS420J2が一般的に用いられ、さらに高い硬度が必要となる洋式包丁や果物ナイフ等においてはSUS440A鋼が用いられている。また、二輪車のブレーキディスクや鉄筋等には、SUS410鋼が用いられている。このような用途においては、防錆のためのめっきや塗装、防錆油の使用が困難であることと、摩耗に強い高い硬度が必要とされるからである。これらマルテンサイト系ステンレス鋼の規格はC量によって規定されており、SUS410はC:0.15%以下でCr:11.5〜13.5%、SUS420J1はC:0.16〜0.25%でCr:12〜14%、SUS420J2はC:0.26〜0.40%でCr:12〜14%、SUS440Aは、C:0.60〜0.75%でCr:16〜18%と区分されている。C量が高いほど高い焼入れ硬度が得られる反面、製造性や焼き入れ後の靭性が低下するため、SUS410系では焼入れ状態で使用され、SUS420系は焼き戻しを行って靭性を改善することが一般的である。
これらステンレス鋼の耐食性については、一般に成分で整理され、Cr、Mo,Nの添加により向上することが知られている。各元素の効果については多くの検討がなされており、マルテンサイト系ステンレス鋼においても、耐孔食性指数PRE=Cr+3.3Mo+16Nで整理でき、この値が大きいほど耐食性が向上するとされている。また、当該鋼は焼入れ後に研磨して使用される場合があるため、Alなどを下げることで大型介在物を避け、研磨性を向上させることも必要とされる。
これらの知見を特許文献で説明する。まず、特許文献1では、C:0.15%未満、Cr:12.0〜18.5%、N:0.40〜0.80%を含有する耐食性に優れた高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼について記載されている。
窒素は耐食性の向上に有効であるほか、オーステナイト域を広げる安価な元素であるが、溶解鋳造時に固溶限を超えた窒素が気泡をつくり、健全な鋼塊が作れないことが問題となる。窒素の固溶限は成分や雰囲気の気圧によって変わる。成分としては、Cr,C量の影響が大きく、SUS420J1、SUS420J2等のマルテンサイト系ステンレス鋼を大気圧下で鋳造した場合、窒素の溶解量は約0.1%程度と一般的に報告されている。
そこで、特許文献1では加圧鋳造法によって0.40%以上の窒素を固溶させている。しかし、加圧鋳造法は連続鋳造が困難であり、生産性が低く、量産に不向きな方法であった。また、加圧鋳造でも窒素ブローが生じる問題があった。
そこで、特許文献2では、加圧鋳造法を用いて、窒素を固溶させる方法において、C:0.15%以下、Cu:0.05%以上3.0%以下、Ni:0.05%以上3.0%以下、Cr:13.0%以上20.0%以下、Mo:0.2%以上4.0%以下、N:0.30%以上0.80%以下など、Mo、Ni等を積極的の添加することにより、Nの溶解量を増加し、窒素ブローを抑えるとされている。この方法によりブローホールは改善されると思われるが、加圧鋳造が必須であるため、連続鋳造が困難であり、生産性が低い問題は解決していない。さらに、Ni、Mo等を添加することによる原料コスト増加の問題もあった。
一方、加圧鋳造法やMo、Niを多量に添加することなくマルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性を向上させる技術が特許文献3に公開されている。特許文献3ではC:0.03%以上0.25%以下、Sn:0.03%以上0.15%以下、N:0.01%以上0.08%以下とし、焼入れ焼き戻し硬度を300HV以上600HV以下とすることで、Snによる耐食性向上効果を得たものである。しかし、この技術では、C量がSUS420J1鋼の範囲であるため、Cによる焼入れ硬度の増加代が小さく、比較的少ないCを完全に固溶させて硬度を上げると加熱温度におけるγ粒の粗大化により焼入れ後の靭性が低下する問題があった。また、C,Nを最大限添加し固溶させても得られる硬度が550HVを超えず、より高い硬度を要求される用途には不適であった。
特許文献4では、微量のSn添加、最適N量添加により耐食性が向上する鋼が公開されている。しかしながら、その耐食性評価がSST24hrのみであり、やや不十分であった。
高硬度を得るための技術としては、非特許文献1に開示されているEN1.4043鋼、EN1.411鋼がある。EN1.4034鋼は、C:0.43%以上0.50%以下、Cr:12.5%以上14.5%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、P:0.04%以下、S:0.015%以下としている。また、EN1.411鋼では、C:0.48%以上0.60%以下、Cr:13.0%以上15.0%、Mo:0.50%以上0.80%以下、V:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、P:0.04%以下、S:0.015%以下としている。しかし、単純にC量を高めても炭化物の溶体化に高温長時間の加熱を要し焼入れ工程の生産性を低下させる問題があるほか、焼入れ時の冷却速度が遅い場合はCr炭化物の析出による鋭敏化が生じて耐食性を低下させる問題がある。
このように、マルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性を向上させる技術は種々提案されているが、特許文献1、2においては、耐銹性を向上させるNの添加が加圧鋳造法を必要とし、製造性、生産性に難があることが問題であった。また、加圧鋳造でも窒素ブローが生じやすく、Mo、Niなどを添加して窒素の固溶限を上げることが必要になるため、合金コストの増加も問題であった。
特許文献3では、550HVを超える焼入れ焼き戻し硬度を得ることが難しい問題があった。また、炭窒化物の溶体化のために高温長時間加熱するとγ粒が粗大化し、焼入れ焼き戻し靭性が低下する問題もあった。
非特許文献1に記載された高Cマルテンサイト系ステンレス鋼では、炭化物を完全に溶体化することが難しく、高温長時間加熱を行っても未固溶炭窒化物が存在するためγ粒が粗大化することが難しく、焼入れ焼き戻し靭性の低下は生じがたいが、熱延板焼鈍時に粗大化した炭窒化物は焼入れ時の溶体化が遅く、C量に見合った焼入れ硬度が得られにくい問題や、焼入れ冷却過程で鋭敏化が生じやすく、耐食性低下が起こる問題もあった。
特開2002−256397号公報 特開2005−344184号公報 特開2010−215995号公報 WO2015/022932A1号公報
ステンレス鋼欧州規格 EN10088−2
一般に、ステンレス鋼の耐食性はその成分が大きく影響し、耐孔食性指数PRE=Cr+3.3Mo+16Nなどで整理される。この数値が高いほど高い耐食性を有する。このときの耐食性とは、中性塩化物水溶液環境をさすものであり、評価方法としては、例えば、JIS G0577に規定されるステンレス鋼の孔食電位測定や、JIS Z2371に規定される塩水噴霧試験などが用いられる。しかしながら、化学・食品プラントや温水器などの貯水槽、海浜環境で使われる用途以外、すなわち、日常的な屋内環境において、高濃度の塩化物環境に曝される可能性は極めて少なく、洋食器ナイフとしてSUS420J1鋼が用いられているように、13%Cr程度で十分な耐食性が得られる。
ところが、母材成分から想定される耐食性(耐銹性)が得られない場合があり、高Cマルテンサイト系ステンレス鋼において、その解決策が望まれていた。
本発明者等は、上記目的を達成するため、高Cマルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性(耐銹性)に関する詳細な検討を行ってきた。その結果、炭窒化物の鋭敏化による耐食性低下の可能性はあるものの、焼入れ時の条件設定により鋭敏化を回避してもまだ耐食性が劣位にある場合があることを見出した。これについてさらに詳細に検討した結果、最大径10μm以上の大きさの製鋼介在物が発銹起点となる可能性が高く、この種の介在物が多いと耐銹性が低くなることを見出した。
さらに、この種の介在物は、Al、Ca、Oを多く含むことも分かり、これらの介在物抑制のためには、Al、Ca、Oを一定値以下に制御するにより達成でき、その結果、耐銹性が改善することも見出した。また、本発明鋼のCr量は比較的低いこともあり、Ni,Cu、Mo等の耐食性向上元素を微量添加することにより中性塩化物水溶液環境において耐食性が大きく改善されることも分かった。
本発明は、これらの知見に基づいて到ったものであり、本発明の課題を解決する手段、すなわち、本発明の製造性、耐食性に優れた刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼板は以下の通りである。
(1)質量%で、
C:0.40〜0.50%、
Si:0.05〜0.60%、
Mn:0.5〜1.5%、
P:0.035%以下、
S:0.010%以下、
Cr:11.0〜15.5%、
Ni:0.01〜0.30%、
Cu:0.01〜0.30%、
Mo:0.01〜0.30%、
V:0.01〜0.10%、
Al:0.02%以下、
Sn:0.002〜0.10%、
N:0.010〜0.035%、
Ca:0.0001〜0.0010%、
O:0.001〜0.01%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
かつ、Cu+Ni+Mo=0.05〜0.30%を満足し、
さらに、大きさ10μm以上の介在物が、0.2個/cm以下であることを特徴とする刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼。
(2)さらに、質量%で、Nb:0.05%以下、Ti:0.05%以下、Bi:0.1%以下、B:0.0050%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼。
本発明の高Cマルテンサイト系ステンレス鋼により、耐食性に優れた刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼板の製造が可能となり、また、本鋼は製造性に優れるため、より安価に提供できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本実施形態のステンレス鋼板の鋼組成を限定した理由について説明する。なお、組成についての%の表記は、特に断りのない場合は、質量%を意味する。
C:0.40〜0.50%
Cは、焼入れ後に所定の硬さを得るために必須な元素である。高Cマルテンサイト系ステンレス鋼として求められるビッカース硬度550HV以上を安定して得るためには0.40%以上必要である。一方、過度に添加すると、焼入れ時の鋭敏化が促進されて耐食性を損なうとともに、未固溶炭窒化物により焼入れ後の靭性も低下するため、0.50%以下とした。焼入れ加熱条件の変動による硬度や靭性の低下を考慮すると、0.42%以上、0.48%以下とすることが望ましい。
Si:0.05〜0.60%
Siは、溶解精錬時における脱酸のために必要であるほか、焼入れ熱処理時の酸化スケール生成を抑制するのにも有用であり、その効果は0.05%以上で発現するため、0.05%以上とした。また、Siが低いと脱酸不十分となりやすく、介在物が多くなり、そこが起点となり発銹する場合があり、耐食性に劣る。但し、Siはオーステナイト単相温度域を狭くし、焼入れ安定性を損ねるために、0.60%を上限とした。0.05%未満では酸化物系介在物による疵が発生する。この酸化物系介在物による疵の発生率を低減するためには、0.30%以上にすることが望ましい。
Mn:0.5〜1.5%
Mnは、脱酸剤として添加される元素であるとともに、オーステナイト単相域を拡大し焼入れ性の向上に寄与する。Mnが十分に添加されないと、二相領域が拡大し、α相が増える。その結果、Cr炭窒化物も増え、その周りにCr欠乏層ができるため、発銹起点となり易く、耐食性が低下する。Mn添加の効果は0.5%以上で明確に現れるため、0.5%以上とする。安定して焼入れ性を確保するためには1.1%以上にすることが望ましい。但し、必要以上のMnは耐食性を低下させ、焼入れ加熱時の酸化スケールの生成を促進し、その後の研磨負荷を増加させるため、その上限を1.5%以下とした。MnS等の粒化物に起因する耐食性の低下も考慮すると1.3%以下が望ましい。
P:0.035%以下
Pは原料である溶銑やフェロクロム等の主原料中に不純物として含まれる元素である。熱延焼鈍板や焼入れ後の靭性及び耐食性に対しては有害な元素であるため、0.035%以下とする。なお、好ましくは0.030%以下である。過度な低減は高純度原料の使用を必須にするなど、コストの増加に繋がるため、Pの下限は0.010%が好ましい。
S:0.010%以下
Sは、硫化物系介在物を形成し、鋼材の一般的な耐食性(全面腐食や孔食)を劣化させる、また、熱間加工性を低下させ熱延鋼板の耳割れ感受性を高めるため、その含有量の上限は少ないほうが好ましく、0.010%以下とする。また、Sの含有量は少ないほど耐食性は良好となるが、低S化には脱硫負荷が増大し、製造コストが増大するので、その下限を0.001%とするのが好ましい。なお、好ましくは0.001〜0.008%である。
Cr:11.0〜15.5%
Crは、マルテンサイト系ステンレス鋼の主用途において必要とされる耐食性を保持するために、少なくとも、11.0%は必要である。一方、焼入れ後の残留オーステナイト生成を防止するために15.5%を上限とした。これらの効果がより効果的に発揮されるには、12.0〜14.0%が好ましい。
Ni:0.01〜0.30%
Niは、Mnと同様にオーステナイト安定化元素である。また、焼入れ後の靭性を向上させる効果も有す。一方、多量の添加は、熱延焼鈍鋼板において固溶強化によるプレス成形性の低下を招くおそれがあり、また、高価な元素であるため、その上限0.30%とした。一方、孔食の進展抑制に有効な元素であり、その効果は0.01%以上の添加で安定して発揮されるため下限を0.01%とすることが好ましい。なお、高価な元素であるため、合金コストを考慮すると0.01〜0.15%が望ましい。
Cu:0.01〜0.30%
Cuは、δフェライトを含むマルテンサイト組織の耐食性向上に有効であり、その効果は0.01%以上で発現する。また、オーステナイト安定化元素として焼入れ性の向上のために積極的な添加が行われる場合もある。但し、過度な添加は熱間加工性の低下や、原料コストの増加に繋がるために0.30%を上限とする。
Mo:0.01〜0.30%
Moは、δフェライトを含むマルテンサイト組織の耐食性向上に有効であり、その効果は0.01%以上で発現するため、下限を0.01%とする。Moはフェライト相の安定化元素であり、過度の添加は、オーステナイト単相温度域を狭くすることで焼入れ特性を損ねるため、その上限を0.30%とする。
V:0.01〜0.10%
Vは、フェライト系ステンレス鋼の合金原料に不可避的不純物として混入し、精錬工程における除去が困難であるため、一般的に0.01〜0.10%の範囲で含有される。また、微細な炭窒化物を形成し、ブレーキディスクの耐磨耗性を向上させるほか、耐食性の向上にも効果を有するため、必要に応じて、意図的な添加も行われる元素である。その効果は0.02%以上の添加で安定して発現するため、下限を0.02%とすることが好ましい。一方、過剰に添加すると、析出物の粗大化を招くおそれがあり、その結果、焼入れ後の靭性が低下してしまうため、上限を0.10%とする。なお、製造コストや製造性を考慮すると、0.03〜0.08%とすることが望ましい。
Al:0.02%以下
Alは、脱酸元素として添加される他、耐酸化性を向上させる元素である。その効果は0.001%以上で得られるため、下限を0.001%以上にすることが好ましい。一方、過剰の添加は大型の酸化物系介在物の形成しやすくなる。本発明では母相の耐銹性をコスト低減のためにぎりぎりまで低減しているため、介在物の存在が大きく、それを小さく、少なくするため、Alの上限を0.02%とする。本発明では、介在物の影響を受けやすい。そのため、Alを低下させるほど好ましく、脱酸およびコストの兼ね合いから、0.01%以下とすることが望ましい。もちろん、Alは含有していなくても良い。ここでAlはT.Alである。
Sn:0.002〜0.10%以下
Snは焼入れ後の耐食性向上に有効な元素であり、0.002%以上が好ましく、必要に応じて0.05%以上添加することが好ましい。但し、過度な添加は熱延時の耳割れを促進するため0.10%以下にすることが好ましい。
N:0.010〜0.035%
Nは、固溶していると耐銹性にも優れる効果がある。その効果が明確に発現する0.010%を下限とする。しかし、Cr系窒化物を形成すると、Cr欠乏層を生じる場合があり、その場合は、耐銹性を低下させる。また、過剰に添加すると、製鋼段階での制御が難しく、気泡系欠陥が形成されやすくなる。気泡系欠陥が形成されるとそこが発銹起点となりやすく耐銹性を低下させるだけでなく、歩留まりの低下をもたらすことが危惧されるため、0.035%を上限とする。より好ましくは、0.020%以下である。
Ca:0.0001〜0.0010%
Caは製鋼段階で成分調整のために添加されるが、強力な脱酸材として作用し、脱酸を促進させる効果を持つため添加する。しかし、強力な脱酸元素であるため、ほとんどが介在物として溶鋼中で浮上し、鋼中にはほとんど残らない。しかしながら、0.0010%を超えて含有した場合、製鋼介在物にCaOが含まれ、これが発銹起点となる可能性が高く、耐銹性を低下させるため、これを上限とする。また、微細な介在物までを除去することは不可能であるため、Caを製造工程上0.0001%未満とするのは、困難であるため、下限を0.0001%とする。
O:0.001〜0.01%
介在物を低減するためには、Al、CaとともにOが重要な元素となる。0.01%を超えて含有すると、鋼中に残存する大きな介在物の個数が増え、耐銹性に悪影響を与えるため、0.01%を上限とする。できるだけ低減するのが好ましいが、過度の低減はコスト上昇となるため、0.001%以上を下限とする。コストと耐銹性のバランスから、0.001%以上、0.005%以下が最も好ましい。ここでOはT.Oである。
Cu+Ni+Mo=0.05〜0.30%
本発明ではCr量が11.0%から15.5%と比較低いため、耐銹性に対するCu、Ni、Mo、N等の効果が著しいことを見出した。特にCr量が14%以下の場合が有効である。このうち、M系SUSではNは固溶度が低い、かつ、製鋼段階で高めることも困難なため、十分活用できず、それ以外のCu、Ni、Moの添加で耐銹性を担保する。合計量で、0.05%未満であるとその効果は発現せず、0.30%を超えて添加しても、著しい耐銹性の向上は見られず、コストが上昇するだけなので、0.05〜0.30%の範囲とする。耐銹性を安定化させるため、0.10%以上の添加が好ましく、コストも考慮すると、0.10〜0.20%の添加が好ましい。
加えて、本発明では、上記に説明してきた必須元素に加えて、耐銹性、耐熱性、熱間加工性等を向上させるためにNb、Ti、Bi、Bの元素を添加できる。
Nb:0.05%以下
Nbは、炭窒化物を形成することでステンレス鋼におけるクロム炭窒化物の析出による鋭敏化や耐食性の低下を抑制する元素である。しかし、過度に添加すると、マルテンサイト相を不安定にし、硬さが低下するため、0.05%を上限とする。
Ti:0.05%以下
Tiは、炭窒化物を形成することで、ステンレス鋼におけるクロム炭窒化物の析出による鋭敏化や耐食性の低下を抑制する元素である。0.001%以上が好ましい。しかしながら、大きいTiNを形成することで、熱延疵の発生や靭性の低下につながるため、その上限は0.05%以下とする。
Bi:0.1%以下
Biは、耐食性を向上させる元素である。その機構については明確になっていないが、発銹起点となり易いMnSをBi添加により微細化する効果があるため、発銹起点となる確率を低下させると考えている。0.01%以上の添加で効果を発揮する。0.1%超添加しても効果は飽和するだけなので、上限を0.1%とする。
B:0.0050%以下
Bは、熱間加工性の向上に有効な元素であり、その効果は0.0002%以上で発現するため、0.0002%以上添加しても良い。より広い温度域における熱間加工性を向上させるためには0.0010%以上とすることが望ましい。一方、過度な添加は硼化物と炭化物の複合析出により焼入れ性を損ねるため、0.0050%を上限とする。耐食性も考慮すると0.0025%以下が望ましい。
以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で含有しても良い。一般的な不純物元素である前述のP、Sを始め、Zn、Pb、Se、Sb、H、Ga、Ta、Mg、Zr、等は可能な限り低減することが好ましい。一方、これらの元素は、本発明の課題を解決する限度において、必要に応じて、Zn≦100ppm、Pb≦100ppm、Se≦100ppm、Sb≦500ppm、H≦100ppm、Ga≦500ppm、Ta≦500ppm、Mg≦120ppm、Zr≦120ppmの1種以上を含有しても良い。
また、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼の鋼中に存在する大きさ10μm以上の介在物の個数を面密度で、0.2個/cm以下とする。本発明の鋼板は、合金添加量を低減させているため、これまで問題とならなかった介在物が発銹起点となりやすくなる。特に複合介在物でCaOを含む介在物が発銹の起点となりやすいことも明らかになった。詳細に調査した結果、大きさが10μm未満の介在物であると、発銹の起点となっても、錆の進行が停止し、実質、無害であることが分かった。よって、その大きさが10μm以上の介在物のみを対象とし、その個数が、0.2個/cmを超えると発銹が激しくなり、刃物用として満足しないことから、これを上限とする。なお、介在物の大きさとは、その介在物(集合体も含む)の最大径をその大きさとする。
本発明の鋼板は、通常、マルテンサイト系ステンレス鋼板の製造方法を用いて製造された、熱延鋼板または冷延鋼板である。つまり、熱延鋼板の場合は、溶解・鋳造−熱延−熱延板焼鈍・酸洗の工程で製造され、冷延鋼板は、引き続き、冷延−冷延板焼鈍・酸洗により製造される。
介在物をできるだけ小さく、少なくするためには、溶解・鋳造工程が重要である。本発明では、Al、CaとOをできるだけ低減することにより、大きな介在物の存在を抑制している。そのため、溶解工程では、特に規定しないが、攪拌をできるだけ低減し、1時間以内とし、その後、介在物浮上のため、3分以上静置時間をとることが好ましい。静置時間を長く採るほど介在物は浮上、除去されやすいが、長くなると溶鋼温度が低下しすぎるため好ましくなく、30分以内が好ましい。さらに、連続鋳造工程においては、できるだけゆっくり鋳造することにより介在物が浮上する時間を確保できる。その連続鋳造における引き抜き速度は、2m/min以下が好ましい。
熱延および熱延板焼鈍工程は特に規定しないが、マルテンサイト系ステンレス鋼の常法の製造法を適用できる。熱延工程では、スラブを1100〜1300℃で加熱後、粗圧延および仕上げ圧延により、板厚2〜8mmに仕上げる。熱延板焼鈍工程は、通常の箱焼鈍を利用し、750〜900℃で焼鈍を行う。酸洗をして、表面のスケールを除去して熱延鋼板とする。冷延鋼板の場合は引き続き、冷延、最終焼鈍、酸洗を行って、製品とする。
この材料を刃物用として、使用する場合は、加熱温度1000〜1100℃で焼き入れを行うことが望ましい。これにより、硬さ550HV以上となる。
以下、実施例により本発明の効果を説明するが、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。
本実施例では、まず、表1に示す発明例A1〜29、表2に示す比較例B1〜29の成分組成の鋼を溶製して200mm厚のスラブに鋳造した。このスラブを1150〜1250℃に加熱後、粗熱延、仕上熱延を経て板厚3mmの熱延鋼板とした。引き続き熱延鋼板の焼鈍を箱型焼鈍炉で行った。最高加熱温度を800℃以上、900℃以下の温度域とした。その後、酸洗し、スケールを除去した後、冷延にて厚さ1mmの鋼板にした。最終焼鈍−酸洗を行い、製品板の冷延鋼板とした。一部は冷延以降の工程を実施せず、熱延鋼板のままとした。さらに、冷延鋼板、熱延鋼板ともに、1000〜1100℃に加熱後、焼き入れを行い、評価を行った。
まず、表面を#80研磨仕上げした後、JIS表面硬度(焼入れ硬度)をビッカース硬度で評価し、550HV以上を合格、それ未満を不合格とした。
耐食性の評価は、#600研磨仕上げした後、塩水噴霧試験を24時間または96時間(JIS Z2371「塩水噴霧試験方法」)行い、さび面積率を測定し、さび面積率10%以上を不合格とし、それ未満を合格(○)とした。特にさび面積率がゼロであったものは、合格(◎)とした。なお、96時間以上塩水噴霧試験を行っても、それ以上錆が進展することは少なく、96時間の結果をもって、耐銹性を判断した。
介在物数は、各々の試料について、×50倍の光学顕微鏡により、50mm×50mmの領域を20箇所ずつ目視観察し、平均個数として算出した。
結果を表3、4に示した。表3、4から明らかなように、本発明例は優れた耐銹性を示し、焼き入れ性にも問題なく、刃物用鋼として、優れた特性を示すことが明らかである。これに対し、比較例では、耐銹性、焼き入れ性のいずれかが不合で、刃物用鋼として満足できない鋼か、性能は満足するものの合金添加量が過剰で高コストである鋼であることが示されている。
以上の説明から明らかなように、本発明の刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼板は、優れた性質を示す。
本発明を適用した材料を、刃物に適用することにより、実用上、十分な性能をもった刃物を低コストで利用できる。つまりは、本発明は、産業上の利用可能性を十分に有する。
Figure 2018009231
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Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.40〜0.50%、
    Si:0.05〜0.60%、
    Mn:0.5〜1.5%、
    P:0.035%以下、
    S:0.010%以下、
    Cr:11.0〜15.5%、
    Ni:0.01〜0.30%、
    Cu:0.01〜0.30%、
    Mo:0.01〜0.30%、
    V:0.01〜0.10%、
    Al:0.02%以下、
    Sn:0.002〜0.10%、
    N:0.010〜0.035%、
    Ca:0.0001〜0.0010%、
    O:0.001〜0.01%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
    かつ、Cu+Ni+Mo=0.05〜0.30%を満足し、
    さらに、大きさ10μm以上の介在物が、0.2個/cm以下であることを特徴とする刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼。
  2. さらに、質量%で、Nb:0.05%以下、Ti:0.05%以下、Bi:0.1%以下、B:0.0050%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼。
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